JP2001226794A - クロムめっきされた樹脂ローラー及びその製造方法 - Google Patents

クロムめっきされた樹脂ローラー及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】軽量で尚且つインク非汚染性と耐久性、耐傷性
を有するローラーを経済的に得ること。 【解決手段】ABS樹脂を有機溶剤に溶解したものにイ
ソシアネートを添加した塗料を樹脂製の素管の表面に塗
布し、乾燥させた後、無電解めっき法により導電層を形
成し、さらに電気めっき法により銅ないしニッケルめっ
きからなる中間層、クロムめっきからなる最外層を形成
し、最外層のクロムめっき表面を、ロールの回転の軌跡
と研磨材料の回転の軌跡とが一致しないように研磨し
て、表面粗さ曲線の中心線に対して外側に0.06μm
隔てた仮想線と交差する山数が、粗さ測定長2.5mm
当り20山以下となるように調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクロムめっきされた
樹脂ローラー及びその製造方法に関するものであり、常
にインクで汚染されやすい印刷機械用のガイドローラ
ー、特に新聞輪転機用のガイドローラー、あるいは低分
子量のオリゴマーの付着を嫌うフィルム用ローラーや塗
工液ないしサイズ液による汚染を嫌う製紙機械用のロー
ラーとして利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、新聞輪転機用のガイドローラーと
して、鋼管製の素管にクロムめっき被覆したものが利用
されてきた。クロムめっき被覆ガイドローラーは、表面
が高硬度で耐傷性に優れ、しかも何時までも納入当時の
外観を維持していると言った特性がある為に、長年利用
されて来たが、インクによる汚染が短時間で生じるこ
と、それが為に始終表面洗浄を繰り返さなければならな
いと言った操業上の問題があること、さらにロール重量
がそれなりにある為に、取り扱いに難があることなど、
その改善が望まれていた。
【0003】それがために近年では、軽量化が可能な炭
素繊維製のFRP(以後CFRPと称す。)に注目が集
まり、ローラー表面のインク非汚染性を改善する目的で
フッ素樹脂収縮チューブを装着したり、あるいはフッ素
樹脂やシリコン樹脂をベースとする塗料をコーティング
し、時には耐摩耗性付与の為に球形のアルミナ粒子を添
加したものをCFRP製素管に適用されてきた。しか
し、これらは軽量でインク非汚染性こそ良好であるもの
の、長期に亘る耐久性、つまり耐摩耗性や耐傷性といっ
た特性が根本的に欠けていることは否めない。
【0004】一方、CFRPの表面に金属を電気めっき
被覆したローラーについては、数多くの先願が見られ、
例えば特開昭62−113541号、実開昭62−85
720号、特開昭62−124278号、特開昭62−
124279号、実公平2−32431号、特公平3−
12541号などである。しかしながらいずれもCFR
PあるいはFRP製ローラーに金属めっきし、それがど
の程度の密着強度を有しているのかを定量性を持って開
示されている例は一切存在しない。これらの事実は、取
りも直さずCFRPに電気めっきがいかに密着しがたい
かを示唆している。また、特公昭62−15637号に
は、ローラーという限定なしに、カーボン材料にめっき
するための前処理方法の開示があるが、これについても
定性評価の記載があるのみで定量的な密着性は一切開示
されていない。また、特開平5−240238号は、C
FRPないしFRPに対して、直接、常法によって化学
めっき(無電解めっき)を被覆し、100℃以上の温度
で30分以上熱処理を行って、最終的に電気めっきする
ローラーの製造方法が提案されている。しかし、この手
法を再現し、90°方向ピール強度を求めて見ると僅か
0.3Kg/cmで、とても実用に供せられるものでは
ない。
【0005】なお、特許2741330号は、CFRP
パイプを製作する過程でABS樹脂などの熱可塑性シー
ト材をCFRPパイプ製造用プリプレグの外層に巻き付
けた後に、熱硬化、熱圧着させて一体化させてパイプを
製造する方法が提案されている。このパイプを利用して
ローラーとなし、一連の無電解めっき工程、電気めっき
工程を経たものは、1.20Kg/cmの90°ピール
強度を示すことが開示されている。これは一定外径と一
定全長とを有するローラーを大量に製作し、めっき被覆
する場合には極めて好都合で実用性の高い方法である
が、これを工業的に実施するとなればパイプ製造用の型
を事前に準備しなければならないと言った制約があって
多品種少量生産には向かない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上述べた如く、従来
のガイドローラーは、軽量で尚且つインク非汚染性、耐
摩耗性(耐久性)、耐傷性を同時に満足させる機能を有
するものは存在しない。本発明者らは、インク非汚染
性、耐摩耗性及び耐傷性などの表面機能を全て満足し得
る被覆材料について種々検討した結果、意外にも従来か
らインク非汚染性が悪いとされてきたクロムめっきにお
いて、ある特定の表面粗さプロファイルを付与すれば、
インクによる汚染が全く見られない表面とすることが出
来ることを見出した。また、耐摩耗性及び耐傷性は、元
々クロムめっきに固有な性質であるのでこれらも同時に
満足し得ることは言うまでもない。残る軽量化という課
題に対しては、CFRP製の素管を利用すれば、その達
成は容易ではあるが炭素繊維とエポキシ樹脂の組み合わ
せからなる複合材料に1.2Kg/cm以上の実用強度
で密着させ得る手法がないという現実がある。従来に見
られるCFRPのめっき手法は、0.3Kg/cm以下
の低い付着強度ゆえに、ローラー製作過程で必須とする
グラインダ研磨、バフ研磨、旋盤加工等の研磨熱や研削
熱などの加工熱を含めた加工応力に耐え得ないのが実態
で、特に本発明の如くクロムめっき後に特定の表面プロ
ファイルを持つように研磨する為には、通常よりも高い
研磨熱を伴うので、しばしばめっき皮膜がCFRP界面
から剥離し、ふくれを生ずるなど工程内不良率は50%
以上にも達する多大なものであった。
【0007】しかもこのように多数の工程不良を出しつ
つも完成したクロムめっきローラーは、回転体の宿命で
ある転動疲労場に於いて、CFRPとめっき皮膜とが剥
離するという現象をしばしば派生しており、この回避を
目的として0.3mm以上の厚い銅めっきやニッケルめ
っきを被覆し剛性を上げる方法を採れば、運転中に生ず
る界面剥離をしわにまで成長することを防止できるが、
CFRPの特徴とする軽量性が失われてしまうという問
題を生じ、この面でも最外層にクロムめっきを被覆した
CFRP製のローラーが印刷機械のガイドローラーとし
て利用されるのを阻害していた。
【0008】本発明は、CFRPないしFRPとその上
に被覆する電気めっきとの密着性を実用レベルにまで高
めて、ガイドローラー製作工程での工程内不良を皆無と
しつつ、軽量で尚且つインク非汚染性と耐久性、耐傷性
の全ての機能を満足するガイドローラーを経済的に得る
ことを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】1)密着性の改善手段 CFRPやFRPなどに被覆するめっきを密着させる為
に導電塗料塗布法、サンドブラストによる粗面形成法、
プラスチックの導電化に利用される一連の無電解めっき
手法などを試みたが、いずれもその付着強度が0.3K
g/cmという低いものであった。そこでABS樹脂の
めっき高密着性に着目し、ABS樹脂の塗料化を図り、
ABS樹脂の一定量をMEKやアセトンに溶解して液状
化し、これをCFRPやFRPの表面に塗布し、乾燥・
硬化させた後、常法によって無水クロム酸と硫酸からな
る液でエッチング、続いて触媒化、無電解めっきの工程
で導電化して電気ニッケルめっきを100μm被覆した
後、90°方向ピール試験によって密着性の評価を行っ
た。しかし、ABS樹脂皮膜とCFRPないしFRPと
がそれ程密着せず、引き剥がしためっき皮膜の裏面(C
FRPないしFRP接触面)にはABS樹脂の層が観察
された。そして結果的に電気めっき皮膜の密着強度は、
0.5Kg/cmに止どまった。
【0010】そこでABS樹脂層とCFRPないしFR
Pとの付着強度を高めるべく種々検討した結果、ABS
樹脂を前記溶剤に溶かしたものにさらにイソシアネート
化合物を適量添加するとCFRPないしFRPを構成す
るエポキシ樹脂やポリエステル樹脂の部分にABS樹脂
を強固に付着させられることを発見し、本発明を構成す
るCFRPないしFRPとその表面に設ける電気めっき
による銅ないしニッケルめっきを実用付着強度迄に密着
させることが可能となった。なお、ABS樹脂を有機溶
剤に溶解したものにイソシアネート化合物を添加する代
わりに、事前にイソシアネート化合物の有機溶剤溶液を
CFRPないしFRPの表面に塗布、乾燥、硬化させた
後に、ABS樹脂を有機溶剤に溶解したものを塗布、乾
燥させても同じような結果を示すことも見出した。
【0011】ここで、本発明に利用するABS樹脂は、
めっきグレードのものであればいずれでも良く、MEK
やアセトン、MIBKなど極性基を有する有機溶剤に溶
解したものが好適である。一方、併用するイソシアネー
ト類は、ポリイソシアネート類、トリレンイソシアネー
ト等が利用でき、その添加量は、ABS樹脂に対して
0.1〜40重量%の範囲から選定される。つまり、イ
ソシアネートの添加量が少なければ、CFRPやFRP
に対する接着強度が低下し、多すぎれば無電解めっきの
析出性を阻害する。また、ABS樹脂の有機溶剤に対す
る濃度は、塗装性さえ許容出来れば任意であるが、5〜
50重量%の範囲が適切である。なお、ABS樹脂とイ
ソシアネートとを混合した塗料の塗布法としては、スプ
レー法、ディップコーティング法などが好ましく、塗布
したものの乾燥も自然乾燥から40〜100℃の温度範
囲から選定し得る。また、乾燥時の塗膜厚は、5〜80
μmの範囲が好適である。
【0012】表1は本発明の構成要素である電気めっき
皮膜の付着強度を従来から試みられた各種前処理法を用
いた場合のめっき付着強度と比較した一例である。電気
めっきは、いずれもニッケルめっきとし、50μm被覆
した。無電解めっきは、銅及びニッケルのいずれをも試
みたが差異は認められなかった。
【0013】
【表1】
【0014】表1によっても明らかなように、本発明の
構成によれば、CFRPないしFRPに電気めっきを強
固に密着させられるので、ガイドローラー製作過程、特
に最終のクロムめっき面の研磨でのめっきふくれ現象が
皆無となり、中間層の銅ないしニッケルの電気めっき皮
膜厚の低減が図れるだけでなく、実運転中での剥離事故
が皆無となった。
【0015】2)表面に対するインク非汚染性の確認手
段 ガイドローラーは、マシーン上で回転して利用されるも
のである。従って、実機を模して動的なインク非汚染性
を求めるのが適切であると判断し、60mm外径×50
mm内径×42mm面長のCFRPローラーを作製し、
従来鋼管の表面に被覆したクロムめっきの仕上げ状態と
したもの、また、比較用として、インク非汚染性に優れ
ることから現在でも多用されているフッ素樹脂(ETF
E)収縮チューブ及びアルミナ球形粒子を分散させたシ
リコン樹脂塗装ローラーを用いて、以下の実験を行い、
インクの付着という問題は、使用されるローラーの材質
が支配的なのかあるいは表面粗さを改善すれば良いのか
を詳細に比較検討することとした。
【0016】まず、図1に示すように、テスト用の印刷
機(印刷適性試験機)のインク転写用ゴムローラー2に
印刷インクを事前に塗布した後、50mm幅×200m
m長さの未印刷の新聞用紙1aにインク厚4〜5μmベ
タ刷り印刷したものを直ちに先に述べた評価用CFRP
ローラー3に通紙し、ローラー表面が印刷インクでこれ
以上汚染されない、いわゆる飽和状態までこの操作を繰
り返した時のローラー表面に付着するインク量から計算
によってインク付着膜厚を求め、インク付着性とした。
なお、供したインクは、大日本インク化学工業製ニュー
ズゼットGC墨である。
【0017】さらに、評価用ローラーの表面に付着した
インクの固着性(除去性)を見る為に、図2に示すよう
に、同じく50mm幅×200mm長さの未印刷の新聞
用紙1aを幾枚もインク転写評価用ローラー3aに通紙
し、この操作を評価用ローラー3aの重量が変化しなく
なるまで実施した。そしてこれらの2特性を評価してイ
ンク非汚染性の目安とした。
【0018】3)クロムめっき被覆CFRPの表面プロ
ファイル調整手段 一方、従来から利用されているフッ素樹脂(ETFE)
被覆CFRPや球形アルミナ粒子を添加したシリコン樹
脂コーティングしたCFRPは、インク非汚染性の良い
表面として実機評価が確定している。そこで、まず材質
的な違いはあるものの、表面プロファイルを調査するこ
とからインク非汚染性との関連を検討した。そして上記
の2種類の被覆材料とクロムめっき被覆ローラーの表面
状態は、次に示す表面粗さと表面プロファイルを有する
ことが判明した。
【0019】
【表2】
【0020】ここで、PC2とは、粗さを測定した時に
得られる粗さチャートの中心線に対して、0.06μm
だけ上方に平行線を引さ、基準(測定)長さ2.5mm
当たりを交差する凸部(山部)の数を意味する。球形ア
ルミナ粒子分散シリコン樹脂に用いた球形アルミナ粒子
のサイズは、平均20μmである。
【0021】表2によれば、必ずしも表面粗さの大小が
インク汚染性と関係するのではなく、PC2に代表され
る凸部(山数)が、材質差と無関係に寄与している可能
性を示唆した。そこでクロムめっきに対してPC2を低
減出来る研磨方法があるのかどうか詳細に検討した結
果、天然繊維や化学繊維からなる繊維状の研磨材料、例
えばバフとそれから無機質の研磨砥粒、例えば酸化クロ
ムやアルミナ等を併用し、研磨時にローラーの回転軌跡
に対して、直角方向に研磨を行えば、鋭角的な凹凸面を
なだらかな起伏面に変化せしめることができ、その結
果、PC2が低減出来ることを発見した。図3、図4に
従来のバフ研磨方法と本発明のPC2を低減させる研磨
方法とを図示する。なお、PC2を低減させるのに効果
のあるバフのローラーへの当り角度は、ローラーの回転
軌跡に対して直交する方向を基準に左右0〜85°、好
ましくは0〜60°の範囲にあることが分かった。
【0022】このような方法によって研磨したクロムめ
っき被覆CFRPローラーのインク非汚染性を上で記述
したインク付着性とインク除去性の両方で評価すると表
3のようになる。なお、図5、図6は、PC2の優劣を
示す代表例である。図5(a)はクロムめっき面をグラ
インダ研磨した表面の粗さ計測チャートである。この表
面は、粗さがRz3.06μm、PC2が44であり、
インクにより汚染される表面である。図5(b)は図5
(a)のグラインダ研磨したクロムめっき面を本発明の
研磨方法で仕上げた表面の粗さ計測チャートである。こ
の表面は、粗さがRz1.64μm、PC2が12であ
り、インクにより汚染されない表面である。図6(a)
は図5(a)のグラインダ研磨したクロムめっき面を従
来方法でバフ研磨して仕上げた表面の粗さ計測チャート
である。この表面は、粗さがRz0.50μm、PC2
が83であり、インクにより汚染される表面である。図
6(b)はグラインダ研磨した表面を従来法によりバフ
研磨した図6(a)の表面を本発明の方法で研磨した表
面の粗さ計測チャートである。この表面は、粗さがRz
0.37μm、PC2が12であり、インクにより汚染
されない表面である。
【0023】
【表3】
【0024】4)耐摩耗性とその評価方法 本発明のクロムめっき被覆CFRPと従来の球形アルミ
ナ粒子分散シリコン樹脂コーティングCFRPそれにE
TFE収縮チューブを被覆したCFRPの耐摩耗性を比
較する為に内径45mm、外径64mm、面長41mm
のローラーを作製し、図7の試験要領でライナー紙に負
荷を付与しつつ通紙し、ライナー紙1Km通紙ごとに摩
耗被膜厚みを求め、都合5Km通紙した時の平均摩耗量
を求めた。その結果を表4に示す。なお、ライナー紙の
通紙速度は100m/分、負荷は0.43Kg/cm、
巻き付け角度は約23°とした。
【0025】
【表4】
【0026】
【発明の実施の形態】外径101mm×内径90mm×
面長2000mmのCFRP素管の表面をグラインダ研
磨した後、ABS樹脂20重量%、イソシアネート3重
量%を含むMEK溶液をスプレー塗装した後、24時間
自然乾燥し、平均塗膜厚32μmのABS樹脂主体の絶
縁膜を有するローラーを10作製した。しかるのち常法
によってエッチング、触媒化を経て、電気めっきの為の
無電解ニッケル膜を形成した。次いで、脱脂、酸洗を経
て硫酸銅めっき液によって120μm目標の銅めっきを
形成し、グラインダ研磨によりローラーとしての形状精
度を出した後、寸法を計測するといずれも100±10
μmの範囲に仕上がっていた。なお、この工程が完了す
るまで、一切銅めっき皮膜のふくれは見当たらなかっ
た。次に再度軽く脱脂し、酸洗したのち、クロムめっき
液から20μm目標にクロムめっきし、その後、バフ研
磨機に装着して、軸を中心に円周方向にローラーを回転
させながらローラーの回転軌跡とは90°直交する方向
に綿で出来た研磨ホイールで酸化クロムを併用して研磨
し、表面粗さ0.4〜0.8μRz、PC2が8〜12
のガイドローラーを得た。この時にもバフ研磨による研
磨熱でめっき皮膜のふくれを生じたものは皆無であっ
た。これらのガイドローラー10本を実際の新聞輪転機
に組み込み、1箇年間運転に供したが、インク非汚染性
は球形アルミナ粒子分散シリコン樹脂コーティングガイ
ドローラーよりも優れており、表面手入れ回数が激減し
た。さらに摩耗状態については、1箇年程度の運転期間
であるので、納入時のままの状態で、摩耗した兆候は全
く見られず継続使用予定となっている。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、樹脂製の素管の表面に
ABS樹脂とイソシアネートを含む樹脂薄膜を介してめ
っき皮膜を形成したので、めっき皮膜を強固に密着させ
ることができ、ロールの加工中あるいは実運転中のめっ
き皮膜の剥離を防止することができ、中間層の銅ないし
ニッケルの電気めっき皮膜厚を低減できるから、ロール
を軽量化できる。また、最外層がクロムめっきされてい
るので、表面が高硬度で、長期に亘る耐久性、つまり耐
摩耗性や耐傷性に優れている。さらに、従来からインク
非汚染性が悪いとされてきたクロムめっき表面に、ある
特定の表面粗さプロファイルを付与すれば、インクによ
る汚染が全く見られない表面とすることが出来ることか
ら、インク非汚染性に優れた表面とすることが出来る。
これにより、軽量で尚且つインク非汚染性と耐久性、耐
傷性の全ての機能を満足するローラーを経済的に得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インク付着性評価試験装置の概略構成を示す説
明図である。
【図2】インク除去性評価試験装置の概略構成を示す説
明図である。
【図3】従来の研磨要領を示す説明図である。
【図4】本発明の研磨要領を示す説明図である。
【図5】PC2の優劣を説明するための表面の粗さ計測
チャートである。
【図6】PC2の優劣を説明するための表面の粗さ計測
チャートである。
【図7】耐摩耗性評価装置の概略構成を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1a 未印刷の新聞紙 1b 印刷済みの新聞紙 1c インク転写済みの新聞紙 2 インク転写用ゴムローラー 3 評価用CFRPローラー
フロントページの続き Fターム(参考) 4K024 AA02 AA03 AA09 AB03 AB17 AB19 BA14 BB06 BB16 BC04 DB07 GA03 GA16 4K044 AA16 AB03 BA02 BA06 BA21 BB04 BB14 BC01 CA15 CA18 CA61

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂製の素管の表面に、ABS樹脂と
    イソシアネートからなる樹脂薄膜、無電解めっきされた
    導電層、電気めっきされた銅ないしニッケルめっきから
    なる中間層、クロムめっきからなる最外層を有して成る
    クロムめっきされた樹脂ローラー。
  2. 【請求項2】 最外層のクロムめっき表面は、表面粗
    さ曲線の中心線に対して外側に0.06μm隔てた仮想
    線と交差する山数が、粗さ測定長2.5mm当り20山
    以下となるように調整研磨された請求項1記載のクロム
    めっきされた樹脂ローラー。
  3. 【請求項3】 最外層のクロムめっきの表面粗さが
    0.1〜6μRzの範囲である請求項1又は2記載のク
    ロムめっきされた樹脂ローラー。
  4. 【請求項4】 ABS樹脂を有機溶剤に溶解したもの
    にABS樹脂に対して0.1〜40重量%のイソシアネ
    ート化合物を添加した塗料を樹脂製の素管の表面に塗布
    し、乾燥させた後、無電解めっき法により導電層を形成
    し、さらに電気めっき法により銅ないしニッケルめっき
    からなる中間層、クロムめっきからなる最外層を形成
    し、最外層のクロムめっき表面を、ロールの回転の軌跡
    と研磨材料の回転の軌跡とが一致しないように研磨する
    ことを特徴とするクロムめっきされた樹脂ローラーの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 イソシアネート単体の有機溶剤溶液を
    事前に樹脂製素管の表面に塗布し、乾燥、硬化させ、次
    いでABS樹脂を有機溶剤に溶解したものを塗布乾燥さ
    せた後、無電解めっき法により導電層を形成し、さらに
    電気めっき法により銅ないしニッケルめっきからなる中
    間層、クロムめっきからなる最外層を形成し、最外層の
    クロムめっき表面を、ロールの回転の軌跡と研磨材料の
    回転の軌跡とが一致しないように研磨することを特徴と
    するクロムめっきされた樹脂ローラーの製造方法。
  6. 【請求項6】 最外層のクロムめっき表面を研磨する
    材料が、少なくとも天然繊維または化学繊維と無機質の
    研磨材とからなる研磨材ホイールである請求項4又は5
    記載のクロムめっきされた樹脂ローラーの製造方法。
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