JP2003105588A - 樹脂部品のメッキ方法および樹脂部品 - Google Patents

樹脂部品のメッキ方法および樹脂部品

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JP2003105588A
JP2003105588A JP2001301625A JP2001301625A JP2003105588A JP 2003105588 A JP2003105588 A JP 2003105588A JP 2001301625 A JP2001301625 A JP 2001301625A JP 2001301625 A JP2001301625 A JP 2001301625A JP 2003105588 A JP2003105588 A JP 2003105588A
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Takashi Adachi
孝志 足立
Keiichi Noro
慶一 野呂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切削および肉盛りにより所定形状に成形した
樹脂部品に簡単かつ確実に電解メッキを施せるようにす
る。 【解決手段】 意匠モデル用のウレタン樹脂部品を切削
あるいは肉盛りして所望の形状に成形した後にサーフェ
ーサーをスプレーして塗膜を形成し、この塗膜を♯20
00の耐水ペーパーでサンデングして8μm以下の微細
な擦り傷を形成する。樹脂部品に無電解メッキによる銀
鏡メッキを施して導電性を付与した後に、銀メッキ層の
上に電解メッキによる銅、ニッケルおよびクロームのメ
ッキ層を形成して意匠モデルを完成する。銀鏡メッキを
行う際に前記擦り傷がアンカー効果を発揮して銀メッキ
層の密着性が高められるので、クロム酸によるエッチン
グを行って樹脂部品にアンカー孔を形成する必要がなく
なり、ウレタン製の樹脂部品自体や、その樹脂部品と肉
盛りとの界面がクロム酸により損傷するのを防止するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、切削および肉盛り
により所定形状に成形した樹脂部品に電解メッキを施す
ための樹脂部品のメッキ方法と、その方法を用いた樹脂
部品とに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の樹脂部品、例えば図4および図
5に示すフロントグリル11、ドアノブ12、リヤライ
センスフレーム13等には、質感を高めるためのクロー
ムメッキが施される。この種の樹脂部品Pに電解メッキ
の一種であるクロームメッキを施すには、その前工程で
樹脂部品に導電性を付与するための無電解メッキを施す
必要がある。無電解メッキによる金属メッキ層が樹脂部
品に対して強固に密着するように、図6に示すように、
従来はABS樹脂で成形した樹脂部品Pをクロム酸でエ
ッチング処理し、ABS樹脂に含まれるブタジエンゴム
14を溶かし出してアンカー孔15を形成し、このアン
カー孔15のアンカー効果で金属メッキ層16を樹脂部
品Pに強固に密着させていた。
【0003】また、特開2000−212759号公報
には、ウレタン樹脂製品をクロム酸でエッチングする代
わりに、過マンガン酸カリウム/水酸化ナトリウム混合
溶液を用いて化学研磨することで、表面が微細な多孔質
となるように粗化した後に、ウレタン樹脂製品の表面に
導電性を与えるための無電解質メッキを施し、更にその
表面に電解メッキを施すものが記載されている。
【0004】また、特開2001−11643号公報に
は、樹脂部品の表面に電解メッキを施すための前工程と
して導電性を付与すべく、樹脂部品に塗布するプライマ
に予め触媒を含ませておき、その表面に金属塩溶液と還
元剤溶液とを塗布して導電性を有する無電解メッキ層を
形成するものが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自動車の量
産前の試作段階で樹脂部品の意匠モデルを製作するため
に、切削性に優れたウレタン樹脂で成形した樹脂部品の
表面を切削したり、パテやサーフェーサーで肉盛りした
りして所望の形状に仕上げている。かかる意匠モデル用
の樹脂製品にクロームメッキを施す前工程として、導電
性を付与するための無電解メッキを施す際に、ABS製
の量産品の樹脂部品と同じクロム酸でエッチング処理し
ても、ブタジエンゴムを含まないウレタン製の樹脂部品
ではアンカー効果を発揮させるアンカー孔を形成するこ
とができないばかりか、ウレタン樹脂自体が損傷した
り、ウレタン樹脂とパテやサーフェーサーとの界面が剥
がれたりする問題が発生する。
【0006】クロム酸でエッチング処理を行わずに樹脂
部品に導電性を付与する手段として、無電解銅メッキを
複数回繰り返して行う方法があるが、この方法は多くの
時間を要するだけでなく、大がかりなメッキ槽が必要に
なってコストが嵩む問題がある。また別の手段として、
銀鏡メッキを複数回繰り返して行う方法があるが、この
方法も多くの時間を要するだけでなく、アンカー効果が
期待できないためにメッキ層が剥離し易いという問題が
ある。
【0007】また、特開2000−212759号公報
に記載されてものは、ウレタン樹脂製品の表面にパテや
サーフェーサーで肉盛りがされている場合に、その肉盛
り部分の界面が化学研磨の際に剥離する可能性があるだ
けでなく、化学研磨によるウレタン樹脂製品の粗度の調
整が難しく、樹脂部品の意匠モデルの製作には適さない
という問題がある。
【0008】また、特開2001−11643号公報に
記載されたものは、プライマに触媒を均一に分散させる
ことが困難であるため、触媒の分布むらにより無電解メ
ッキ層の厚さが不均一になり易いという問題がある。
【0009】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、切削および肉盛りにより所定形状に成形した樹脂部
品に簡単かつ確実に電解メッキを施せるようにすること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明によれば、切削および肉
盛りにより所定形状に成形した樹脂部品に電解メッキを
施すための樹脂部品のメッキ方法において、樹脂部品の
表面に微細な擦り傷よりなるアンカー溝を形成する第1
工程と、アンカー溝を形成した樹脂部品の表面を活性化
する第2工程と、活性化した樹脂部品の表面に無電解メ
ッキを施して導電性を付与する第3工程と、導電性を付
与した樹脂部品の表面に電解メッキを施す第4工程とを
含むことを特徴とする樹脂部品のメッキ方法が提案され
る。
【0011】上記構成によれば、樹脂部品の表面に微細
な擦り傷よりなるアンカー溝を形成した後に、その樹脂
部品の表面を活性化して無電解メッキを施すことで導電
性を付与し、更にその導電性を利用して樹脂部品の表面
に電解メッキを施すので、樹脂部品の表面にエッチング
によるアンカー孔を形成することができない場合でも、
そのアンカー孔の代わりに前記微細な擦り傷よりなるア
ンカー溝にアンカー効果を発揮させ、樹脂部品の表面に
無電解メッキによる強固なメッキ層を形成することがで
きる。これにより、大がかりな設備を必要とせずに、樹
脂部品に短時間で高品質な電解メッキを施すことができ
る。
【0012】また請求項2に記載された発明によれば、
請求項1の構成に加えて、前記第3工程における無電解
メッキは銀鏡メッキであることを特徴とする樹脂部品の
メッキ方法が提案される。
【0013】上記構成によれば、無電解メッキとして銀
鏡メッキを採用することで、メッキ槽を不要にしてコス
トダウンを図ることができ、しかも処理時間を短縮する
ことができる。
【0014】また請求項3に記載された発明によれば、
請求項1の構成に加えて、前記樹脂部品はウレタン樹脂
であることを特徴とする樹脂部品のメッキ方法が提案さ
れる。
【0015】上記構成によれば、樹脂部品をウレタン樹
脂製としたので、所定の形状に成形するための切削が容
易であり、しかもクロム酸によるエッチングができない
ウレタン樹脂製の樹脂部品に無電解メッキによる強固な
メッキ層を形成することができる。
【0016】また請求項4に記載された発明によれば、
請求項1の構成に加えて、前記第2工程において使用す
る活性化処理剤は、水1000mlに対して塩化水素5
0ml乃至90mlおよび塩化第1錫溶液15ml乃至
30mlを含む無機錫塩の酸性溶液であることを特徴と
する樹脂部品のメッキ方法が提案される。
【0017】上記構成によれば、活性化処理剤が水10
00mlに対して塩化水素50ml乃至90mlおよび
塩化第1錫溶液15ml乃至30mlを含む無機錫塩の
酸性溶液であって高価なパラジウムを含まないため、コ
ストダウンに寄与することができる。
【0018】また請求項5に記載された発明によれば、
請求項2の構成に加えて、前記第3工程における銀鏡メ
ッキに使用する溶液はA液およびB液よりなり、A液は
水1000mlに対してアンモニア水40ml乃至60
ml、アンモニア性硝酸銀溶液35ml乃至60mlお
よび水酸化アンモニウム20ml乃至35mlを含み、
B液は水1000mlに対してぶどう糖25g乃至40
gおよび水酸化ナトリウム5ml乃至15mlを含むこ
とを特徴とする樹脂部品のメッキ方法が提案される。
【0019】上記構成によれば、銀鏡メッキに使用する
B液を水酸化ナトリウムによりアルカリ性にしたので、
A液およびB液を混合したときにphの大きな変動をな
くして銀鏡反応を促進することができる。
【0020】また請求項6に記載された発明によれば、
請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の方法でメッキ
した樹脂部品が提案される。
【0021】上記構成によれば、樹脂部品の表面にエッ
チングによりアンカー孔を形成することができない場合
でも、樹脂部品の表面に形成した微細な擦り傷よりなる
アンカー溝を利用して強固な無電解メッキを施すこと
で、その表面に高品質な電解メッキを施した樹脂部品を
得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0023】図1〜図5は本発明の一実施例を示すもの
で、図1は意匠モデル用の樹脂部品にメッキを施す各工
程を示すフローチャート、図2は樹脂部品の表面のメッ
キ層等を示す断面図、図3はスプレーガンによる銀鏡メ
ッキ処理の説明図、図4は車両の斜め前方からの斜視
図、図5は車両の斜め後方からの斜視図である。
【0024】図4および図5に示す車両のフロントグリ
ル11、ドアノブ12、リヤライセンスフレーム13等
の意匠モデル用の樹脂部品Pに最終的にクロームメッキ
を施すための工程を、図1のフローチャートを参照しな
がら説明する。
【0025】先ず、ステップS1で意匠モデル用の樹脂
部品Pのデザインを検討し、ステップS2でウレタン樹
脂を素材にして樹脂部品Pの造作作業を行う。この造作
作業は、ウレタン樹脂の素材をNC加工して、あるいは
ノミやカンナ等の手工具を用いたハンドワークにより樹
脂部品Pを大まかに成形した後、例えば♯180、♯3
20、♯500等の種々の粗さのサンドペーパーで樹脂
部品Pをサンディングし、あるいはパテやサーフェーサ
ーで肉盛りすることで、樹脂部品Pを所望の最終形状に
成形する。続くステップS3で、図2(A)に示すよう
に、成形済みの樹脂部品Pの表面にエポキシ樹脂のサー
フェーサーをスプレーして60℃で60分乾燥させ、乾
燥厚さが70μm〜100μmのサーフェーサー塗膜1
7を形成することで表面の凹凸を埋め、最終的なクーロ
ムメッキを完了したときの質感を高めるべく樹脂部品P
の表面を平滑化する。サーフェーサーのエポキシ樹脂は
樹脂部品Pの母材であるウレタン樹脂よりも耐薬品性に
優れるため、後の各メッキ工程において樹脂部品Pの母
材を保護することができる。
【0026】続くステップS4で、図2(B)に示すよ
うに、前記サーフェーサー塗膜17を、例えば♯200
0番の耐水ペーパーでサンデングし、サーフェーサー塗
膜17の表面のゴミやブツを除去して更に平滑化すると
ともに、その表面に8μm以下の微細な擦り傷18を形
成する。この擦り傷18は、無電解メッキの一種である
銀鏡メッキの銀メッキ層の密着性を高めるためのアンカ
ー溝を構成する。
【0027】続くステップS5で樹脂部品Pを中性洗剤
で洗浄・脱脂して水切りした後に、ステップS6で活性
化処理剤をスプレーで塗布して錫イオンを付着させるこ
とで、樹脂部品Pの表面を活性化する。この活性化処理
剤は、水1000mlに対して塩化水素50ml乃至9
0mlおよび塩化第1錫溶液15ml乃至30mlを含
む無機錫塩の酸性溶液であり、高価なパラジウムを含ま
ないためにコストダウンに寄与することができる。続く
ステップS7で樹脂部品Pの表面を純水で洗浄した後
に、ステップS8で樹脂部品Pに銀鏡メッキを施して導
電性を付与する。銀鏡メッキはA液およびB液を1対1
の割合で混合して使用するもので、図3に示すように、
噴射方向が相互に接近する2個のノズル19,20を備
えたスプレーガン21を用いて樹脂部品Pに塗布され
る。A液およびB液は樹脂部品Pに付着する前に空中で
混合することにより反応が促進され、樹脂部品Pの表面
に安定した銀メッキ層を短時間で形成することができ
る。
【0028】前記A液(金属液)は水1000mlに対
してアンモニア水40ml乃至60ml、アンモニア性
硝酸銀溶液35ml乃至60mlおよび水酸化アンモニ
ウム20ml乃至35mlを含むものであり、またB液
(還元液)は水1000mlに対してぶどう糖25g乃
至40gおよび水酸化ナトリウム5ml乃至15mlを
含むものである。上記B液は水酸化ナトリウムを含むこ
とでアルカリ性になり、A液およびB液を混合したとき
にphの大きな変動をなくして銀鏡反応を促進すること
ができる。
【0029】A液およびB液の反応により樹脂部品Pの
表面に銀が析出して、例えば厚さが1μmの銀メッキ層
22(図2(C)参照)が形成されると、ステップS9
で樹脂部品Pを純水で洗浄して無電解メッキの各工程
(ステップS5〜S9)を終了する。このように、銀鏡
メッキを採用することにより、大がかりなメッキ槽が不
要になってスペースが削減されるだけでなく、銅のよう
な重金属を用いないなめに廃液の処理が容易になってコ
ストが削減される。
【0030】上述した銀鏡メッキの工程において、樹脂
部品Pのサーフェーサー塗膜17に♯2000の耐水ペ
ーパーによる8μm以下の微細な擦り傷18を形成され
ているため、その擦り傷18がアンカー溝として機能す
ることで、銀メッキ層22を樹脂部品Pに強固に密着さ
せるアンカー効果が発揮される。
【0031】以上のようにして、銀メッキ層22により
樹脂部品Pに導電性が付与されると、図3(D)に示す
ように、ステップS10〜S12で樹脂部品Pに電解メ
ッキが施される。先ずステップS10で樹脂部品Pの銀
メッキ層22の上に電解銅メッキが施されて銅メッキ層
23(例えば、厚さ20μm)が形成され、続くステッ
プS11で銅メッキ層23の上に電解ニッケルメッキが
施されてニッケルメッキ層24(例えば、厚さ15μ
m)が形成され、続くステップS12でニッケルメッキ
層24の上に電解クロームメッキが施されてクロームメ
ッキ層25(例えば、厚さ0.3μm)が形成される。
【0032】厚みのある銅メッキ層23は樹脂部品Pの
サーフーェサー塗膜17の擦り傷18を隠すととも樹脂
部品Pの表面を平滑化して最上層のクロームメッキ層2
5の品質を高める働きをし、ニッケルメッキ層24は銅
メッキ層23の強度を保持する働きをし、クロームメッ
キ層25は意匠モデル用の樹脂部品Pに量産品と同じ質
感を与える働きをする。
【0033】そして最後のステップS13で、完成した
意匠モデル用の樹脂部品Pのデザインの確認および評価
を行うことで、量産品用の樹脂部品Pの最終デザインを
決定する。
【0034】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0035】例えば、実施例では意匠モデル用の樹脂部
品Pの素材として熱硬化性樹脂であるウレタン樹脂を採
用しているが、他の熱硬化性樹脂であるポリエステル樹
脂やエポキシ樹脂、あるいは熱可塑性樹脂であるポリス
チエン樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンを採用すること
ができる。また上記各樹脂を繊維補強したもの(FR
P)を採用することもできる。
【0036】また樹脂部品Pのサーフェーサー塗膜17
に擦り傷18を付けるための手段は、実施例の耐水ペー
パーによるサンデングに限定されず、サーフェーサー塗
膜17を砥粒やコンパウンドで研磨したり、細かいワイ
ヤーブラシやスチールウールで擦ったりしても良い。
【0037】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、樹脂部品の表面に微細な擦り傷よりなるアン
カー溝を形成した後に、その樹脂部品の表面を活性化し
て無電解メッキを施すことで導電性を付与し、更にその
導電性を利用して樹脂部品の表面に電解メッキを施すの
で、樹脂部品の表面にエッチングによるアンカー孔を形
成することができない場合でも、そのアンカー孔の代わ
りに前記微細な擦り傷よりなるアンカー溝にアンカー効
果を発揮させ、樹脂部品の表面に無電解メッキによる強
固なメッキ層を形成することができる。これにより、大
がかりな設備を必要とせずに、樹脂部品に短時間で高品
質な電解メッキを施すことができる。
【0038】また請求項2に記載された発明によれば、
無電解メッキとして銀鏡メッキを採用することで、メッ
キ槽を不要にしてコストダウンを図ることができ、しか
も処理時間を短縮することができる。
【0039】また請求項3に記載された発明によれば、
樹脂部品をウレタン樹脂製としたので、所定の形状に成
形するための切削が容易であり、しかもクロム酸による
エッチングができないウレタン樹脂製の樹脂部品に無電
解メッキによる強固なメッキ層を形成することができ
る。
【0040】また請求項4に記載された発明によれば、
活性化処理剤が水1000mlに対して塩化水素50m
l乃至90mlおよび塩化第1錫溶液15ml乃至30
mlを含む無機錫塩の酸性溶液であって高価なパラジウ
ムを含まないため、コストダウンに寄与することができ
る。
【0041】また請求項5に記載された発明によれば、
銀鏡メッキに使用するB液を水酸化ナトリウムによりア
ルカリ性にしたので、A液およびB液を混合したときに
phの大きな変動をなくして銀鏡反応を促進することが
できる。
【0042】また請求項6に記載された発明によれば、
樹脂部品の表面にエッチングによりアンカー孔を形成す
ることができない場合でも、樹脂部品の表面に形成した
微細な擦り傷よりなるアンカー溝を利用して強固な無電
解メッキを施すことで、その表面に高品質な電解メッキ
を施した樹脂部品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】意匠モデル用の樹脂部品にメッキを施す各工程
を示すフローチャート
【図2】樹脂部品の表面のメッキ層等を示す断面図
【図3】スプレーガンによる銀鏡メッキ処理の説明図
【図4】車両の斜め前方からの斜視図
【図5】車両の斜め後方からの斜視図
【図6】ABS樹脂部品のアンカー孔の説明図
【符号の説明】
P 樹脂製品 18 擦り傷
フロントページの続き Fターム(参考) 3D023 AA01 AB01 AC15 AD02 4K022 AA13 AA31 AA41 AA47 BA01 CA02 CA05 CA09 CA15 CA18 DA01 DA03 DB01 DB04 DB19 4K024 AA02 AA03 AA09 AB02 AB17 BA12 BB02 BC09 BC10 DA05 DA08 GA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切削および肉盛りにより所定形状に成形
    した樹脂部品(P)に電解メッキを施すための樹脂部品
    のメッキ方法において、 樹脂部品(P)の表面に微細な擦り傷(18)よりなる
    アンカー溝を形成する第1工程と、 アンカー溝を形成した樹脂部品(P)の表面を活性化す
    る第2工程と、 活性化した樹脂部品(P)の表面に無電解メッキを施し
    て導電性を付与する第3工程と、 導電性を付与した樹脂部品(P)の表面に電解メッキを
    施す第4工程と、を含むことを特徴とする樹脂部品のメ
    ッキ方法。
  2. 【請求項2】 前記第3工程における無電解メッキは銀
    鏡メッキであることを特徴とする、請求項1に記載の樹
    脂部品のメッキ方法。
  3. 【請求項3】 前記樹脂部品(P)はウレタン樹脂であ
    ることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂部品のメッ
    キ方法。
  4. 【請求項4】 前記第2工程において使用する活性化処
    理剤は、水1000mlに対して塩化水素50ml乃至
    90mlおよび塩化第1錫溶液15ml乃至30mlを
    含む無機錫塩の酸性溶液であることを特徴とする、請求
    項1に記載の樹脂部品のメッキ方法。
  5. 【請求項5】 前記第3工程における銀鏡メッキに使用
    する溶液はA液およびB液よりなり、A液は水1000
    mlに対してアンモニア水40ml乃至60ml、アン
    モニア性硝酸銀溶液35ml乃至60mlおよび水酸化
    アンモニウム20ml乃至35mlを含み、B液は水1
    000mlに対してぶどう糖25g乃至40gおよび水
    酸化ナトリウム5ml乃至15mlを含むことを特徴と
    する、請求項2に記載の樹脂部品のメッキ方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5の何れか1項に記載
    の方法でメッキした樹脂部品。
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