JP3930608B2 - プラスチック成形体の金属表面加工方法及びプラスチック成形体の金属表面加工品 - Google Patents

プラスチック成形体の金属表面加工方法及びプラスチック成形体の金属表面加工品 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック成形体の金属表面加工方法及びその加工品に係り、特に、リアルな金属感のある金属表面層を得ることができるようにしたものに関する。
【0002】
【発明の背景】
最近、プラスチック素材等の非金属材料により非金属成形体を形成し、この表面に疑似の木目模様や疑似の金属模様を施す技術が提供されている。上記木目模様を施す技術として、例えば、特開平3−275400号公報がある。この技術は、高級感のある木材の如き成型品を得るもので、素材の表面にメタリックベース(金属体、プラスチックにメタリック塗装または転写、メタリック樹脂体)を形成し、その表面にインクで木目模様のパターン層を印刷するものである。
【0003】
また、金属模様を施す技術として、特開平5−295566号公報がある。この技術は、金属表面に凹凸模様を付けた成形体を得るもので、金属または非金属素材に金属蒸着等により金属表面層を形成し、その表面にパターン層を水圧転写により印刷し、次に、エッチング加工をしてパターン層とパターン層以外の部分に凹凸模様を形成するものである。
【0004】
上記非金属成形体の表面へ木目模様を施す技術は、多くの分野で利用されている。その適用例として、自動車の内装品があり、例えばインストルメントパネル、パワーウインドのパネル、チェンジレバーのパネル、ドアの肘掛け等をプラスチック素材で成形し、この表面に上記木目模様を水圧転写により印刷している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、最近は木目模様の他に、スポーツ車等にはパネル等の内装品をメタリック調としたいとの要求がある。上記メタリック調の自動車内装品の各種パネルは、アルミニウムやその他の金属材で成形させたものが多い。このため、上記成形体は、自動車の衝突時に変形または破損せず、乗車している人体に対する危険を及ぼし、安全性に問題があるとともに、製造コストが高く、実用面で問題がある。そこで、プラスチック素材のプラスチック成形体の表面に金属表面層を形成したメタリック調の自動車内装品が要求されている。
【0006】
上記メタリック調の自動車内装品の要求に対して、プラスチック成形体の表面に金属調の柄を水圧転写したもの、金属メッキやパール塗装をして金属表面層を形成したもの、上記特開平5−295566号公報に見るものが提供されている。しかしながら、上記プラスチック成形体の表面に、金属調の柄を水圧転写したり金属メッキやパール塗装を施したものでは、リアルな金属感のあるメタリック調の表面が得られないという問題がある。
【0007】
また、特開平5−295566号公報においては、プラスチック成形体の表面に金属表面層を形成するけれども、その表面に立体的な凹凸模様を形成する技術であり、平面的な処理によりリアルな金属感を出すことができないという問題がある。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものでその目的とするところは、三次元の立体成形品であるプラスチック成形体の表面に平面的な処理によりリアルな金属感のある金属表面層を形成することができる金属表面加工方法とその金属表面加工品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するべく本発明の請求項1記載のプラスチック成形体の金属表面加工方法は、プラスチック素材によりプラスチック成形体を形成し、次に、上記プラスチック成形体の表面に金属蒸着または金属メッキにより金属表面層を形成させ、次いで、上記金属表面層にスジ模様や腐食模様等の金属調表面模様層を水圧転写により形成させたことを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の請求項2記載のプラスチック成形体の金属表面加工方法は、請求項1記載のプラスチック成形体の金属表面加工方法において、プラスチック成形体の表面に金属表面層を形成させた後、金属表面層の表面にプライマー層を形成させるとともに、プライマー層の表面に金属調表面模様層を形成させた後、金属調表面模様層の表面にトップコート層を形成させたことを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の請求項3記載のプラスチック成形体の金属表面加工方法は、請求項1または2記載のプラスチック成形体の金属表面加工方法において、上記金属調表面模様層を形成するインクには、メタリック顔料、パール顔料、BR顔料が添加されていることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の請求項4記載のプラスチック成形体の金属表面加工方法は、請求項1、2または3記載のプラスチック成形体の金属表面加工方法において、上記プラスチック成形体は、自動車の内装品であることを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の請求項5記載のプラスチック成形体の金属表面加工品は、プラスチック成形体の表面に金属蒸着または金属メッキにより金属表面層が形成され、上記金属表面層の表面にスジ模様や腐食模様等の金属調表面模様層が形成されていることを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明の請求項6記載のプラスチック成形体の金属表面加工品は、請求項5記載のプラスチック成形体の金属表面加工品において、プラスチック成形体の表面に金属表面層が形成され、上記金属表面層の表面にプライマー層が形成され、プライマー層の表面にスジ模様や腐食模様等の金属調表面模様層が形成され、金属調表面模様層の表面にトップコート層が形成されていることを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明の請求項7記載のプラスチック成形体の金属表面加工品は、請求項5または6記載のプラスチック成形体の金属表面加工品において、上記金属調表面模様層を形成するインクには、メタリック顔料、パール顔料、BR顔料が添加されていることを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明の請求項8記載のプラスチック成形体の金属表面加工品は、請求項5、6または7記載のプラスチック成形体の金属表面加工品において、上記プラスチック成形体は、自動車の内装品であることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の作用】
本発明の請求項1によると、まず、プラスチック素材によりプラスチック成形体を形成し、次に、上記プラスチック成形体の表面に金属表面層を形成する。そして、この金属表面層にスジ模様、腐食模様等の金属調表面模様層を水圧転写にて印刷する。これにより、プラスチック成形体の表面にリアルな金属感のある表面層を形成したプラスチック成形体の金属表面加工品が得られる。
【0018】
また、本発明の請求項2によると、プラスチック成形体の表面に金属表面層を形成するとともに、この金属表面層にプライマー層を形成させ、次に、プライマー層の表面に金属調表面模様層を形成し、更に、この金属調表面模様層の表面にクリヤーまたはカラークリヤーにてトップコート層を形成する。
【0019】
金属表面層の表面に施したプライマー層により、金属表面層と金属調表面模様層とが強固に結合され、両者の付着性が強化される。また、トップコート層により、金属調表面模様層の保護がなされる。よって、印刷模様が剥がれにくく、且つ、傷付き等の早期劣化のないプラスチック成形体の金属表面加工品が得られる。
【0020】
また、本発明の請求項3によると、上記請求項1または2記載のプラスチック成形体の金属表面加工方法において、金属調表面模様層を形成するインクに、メタリック顔料、パール顔料、BR顔料を添加するという構成をとる。これにより、金属表面層とともに、金属調表面模様層の模様自体にも金属感が現出されて一体感が増し、一層リアルな金属感のあるプラスチック成形体の金属表面加工品が得られる。
【0021】
また、本発明の請求項4によると、上記請求項1、2または3記載のプラスチック成形体の金属表面加工方法において、プラスチック成形体は自動車の内装品であるという構成をとる。これにより、スポーツ車等において、プラスチック成形体で形成されて安全性が高く、しかも、リアルな金属感のあるメタリック調のインストルメントパネル等の内装品が得られる。
【0022】
また、本発明の請求項5によると、プラスチック成形体の表面に金属蒸着または金属メッキにより金属表面層を形成し、この金属表面層の表面にスジ模様や腐食模様等の金属調表面模様層を形成したから、プラスチック成形体の表面にリアルな金属感のある金属表面層が形成されたものとなる。
【0023】
また、請求項6によると、上記請求項5記載のプラスチック成形体の金属表面加工品において、プラスチック成形体の表面に金属表面層を形成し、この金属表面層の表面にプライマー層を形成し、このプライマー層の表面にスジ模様や腐食模様等の金属調表面模様層とトップコート層を形成するという構成をとる。このものは、金属表面層に施したプライマー層により、金属調表面模様層が強固に結合され、更に、印刷模様がトップコート層により保護されたものとなる。よって、表面の印刷模様が剥がれにくく、且つ、傷付き等の早期劣化がないものとなる。
【0024】
また、請求項7によると、上記請求項5または6記載のプラスチック成形体の金属表面加工品において、金属調表面模様層を形成するインクには、メタリック顔料、パール顔料、BR顔料が添加されているという構成をとる。これにより、金属表面層とともに、金属調表面模様層の模様自体にも金属感が現出されて一体感が増し、一層リアルな金属感のあるものとなる。
【0025】
また、請求項8によると、上記請求項5、6または7記載のプラスチック成形体の金属表面加工品において、プラスチック成形体の金属表面加工品は自動車の内装品であるという構成をとる。これにより、スポーツ車等においてプラスチック成形体で形成されて安全性が高く、しかも、リアルな金属感のあるメタリック調のインストルメントパネル等の内装品となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図5を参照して本発明の第1実施形態を説明する。図1は金属表面加工品たる自動車用インストルメントパネルの正面図であり、図2は金属表面加工品の断面図である。
【0027】
上記インストルメントパネル100は、図2に示すように、プラスチック成形体10をベースとし、その表面に金属表面層20が形成され、さらに、その表面に金属調表面模様層30が形成されてなるものである。上記プラスチック成形体10は、プラスチック素材により成形される。上記プラスチック素材としては、ABS樹脂が代表的なものであり、射出成形等により、所定の形状に成形されるものである。もっとも、このものはプラスチック素材であればよく、各種の樹脂等が使用し得る。
【0028】
上記プラスチック成形体10の表面に形成した金属表面層20は、各種の金属材料を金属蒸着または金属メッキの処理により金属薄膜として形成されている。具体的には、金属表面層としては、アルミニウム、銅、チタン、ステンレス等の金属材料が使用される。上記プラスチック成形体10への金属蒸着や金属メッキの方法は、一般的な従来技術が採用される。例えば、ABS樹脂へのメッキは、脱脂、水洗、中和、水洗、エッチング、水洗、キャタリスティング、水洗、アクセレーション、化学銅メッキ、水洗、ニッケルメッキ、水洗、乾燥の各工程をへて製造される。
【0029】
上記プラスチック成形体10の表面に金属表面層20を形成したものは、鏡面状または曇りガラス様の艶消し調の外観を呈するが、リアルな金属感という点については十分なものではない。本発明は、この金属表面層20の表面に金属調表面模様層30を形成することによりリアルな金属感を付与する。この模様は三次元立体成形品であるプラスチック成形体10の金属表面層20に水圧転写により印刷される。
【0030】
上記金属調表面模様層30は、金属の表面に出現する模様、たとえば、図4に示すような金属板が圧延ロールを通過するときに発生するスジ模様(ヘアーライン調と称する)や、図5に示すような金属板が腐食したとき発生する腐食模様(アンチークメタル調と称する)が採用される。またこれ以外にも梨地模様や高級メタル調の模様等を採用してもよい。ちなみに、この金属調表面模様層30を印刷する時に用いるインクとしては、メタリック顔料、パール顔料、BR顔料を添加したインクを用いた方が、リアルな金属感をより良く表現できる。つまり、金属表面層20とともに、金属調表面模様層30の模様自体にも、キラキラとした金属感が現出されて一体感が増し、一層リアルな金属感のあるものとなるのである。
【0031】
上記金属調表面模様層30は水圧転写により金属表面層20の表面に形成される。図6は、水圧転写による印刷装置21の一例を示すものであるが、この例では、金属調表面模様層30を写真製版したパターン現出用の版ローラ21aと、これに水圧転写用インクを供給するインクローラ21bと、上記版ローラ21aからパターンを転写されるウレタンロール等の印刷ローラ21cと、上記印刷ローラ21cと圧接して転写フィルム22を送る受ローラ21dと、インクローラ21bと接したインク練りローラ21eとを有し、上記転写フィルム22は印刷ローラ21cで転写パターンを印刷される。なお、この印刷装置21によるときは、比較的ラフで同一の金属調表面模様層を大量に形成しようとする場合に好適である。勿論、通常行われているように、別途の精緻なグラビ印刷機等にて予め金属調表面模様層を印刷し、乾燥の後、ロール状としたものから順次繰り出しつつ、活性剤を塗布してインクを膨潤させた上で、水圧転写するようにしてもよい。
【0032】
転写装置23は、上面開口の水槽23aを有し、水槽23a内には水が貯留される。また、被転写体たるプラスチック成形体10の保持装置25を備える。保持装置25は、非金属成形体10を保持して、これを水中に没入させるとともに、水面上に引き上げて、転写パターンをプラスチック成形体10の表面に転写するものである。尚、勿論これら印刷装置や保持装置は、図示の構造のものに限られるものではない。
【0033】
続いて、第1実施形態のプラスチック成形体の金属表面加工方法について、図3により、その製造工程を説明する。まず、プラスチック材料によりプラスチック成形体10を形成する。次に、上記プラスチック成形体10の表面に金属表面層20を形成させ、この金属表面層20に各種金属調表面模様層30を水圧転写にて印刷し、金属表面加工品100を完成させる。これにより、プラスチック成形体10の表面に、スジ模様,腐食模様,梨地模様等が印刷され、リアルな金属感が現出される。
【0034】
上記水圧転写工程について説明すると、まず、上記印刷装置21を使用して転写フィルム22に金属調表面模様層30を印刷する。水溶性転写フィルム22の一方の面に、例えば、スジ模様の転写パターンを印刷し、インクの乾燥前に転写フィルム22を転写装置23に送る。
【0035】
次に、転写装置23を使用して、上記転写フィルム22を印刷面を上にして水槽23aの水面上に浮かべ、次いで、保持装置25を使用して、成形基材であるプラスチック成形体10を上記転写フィルム22に向かって上方から水中に没入させ、これに伴う水圧によりプラスチック成形体10の表面にスジ模様の転写パターンを転写する。
【0036】
本実施形態は上記水圧転写工程だけで済ますこともできるが、その後、必要に応じて、残留する転写フィルム22成分を除去する水溶性フィルムの脱膜工程を行い、金属表面加工品100を完成する。
【0037】
以上、第1実施形態によると、以下の効果を奏する。プラスチック成形体10の表面に、スジ模様,腐食模様等の金属調表面模様層30によるリアルな金属感を出すための表面処理が可能となり、リアルな金属感のある金属表面加工品100が得られる。また、この方法を自動車の内装品に適用できるから、スポーツ車等のメタリック調のインストルメントパネル等の製造が可能となり、プラスチック成形体で形成されて安全性が高く、しかも、リアルな金属感のある自動車内装品が得られる。
【0038】
次に、図7〜図8を参照して本発明の第2実施形態を説明する。図7は金属表面加工品200の断面図である。また、図8は上記第2実施形態の製造工程図である。金属表面加工品200は、プラスチック素材により成形したプラスチック成形体10と、上記プラスチック成形体10の表面に形成された金属表面層20と、この金属表面層20の表面に形成されたプライマー層40と、上記プライマー層40の表面に形成された金属調表面模様層30と、この金属調表面模様層30の表面に形成されたトップコート層50と、からなるものである。
【0039】
続いて、上記第2実施形態となるプラスチック成形体の金属表面加工方法について、図8により説明する。まず、プラスチック材料によりプラスチック成形体10を形成する。次に、上記プラスチック成形体10の表面に金属表面層20を形成させる。そして、この金属表面層20に接着性を強化するためプライマー層40を形成させ、次に、プライマー層の表面に金属調表面模様層30を形成する。その後、この金属調表面模様層30の表面にトップコート層50を形成させ、金属表面加工品200を完成させる。
【0040】
すなわち、上記第1実施形態との相違点は、金属表面層20に対し金属調表面模様層の付着性を強化するために、プライマー層40が形成される点である。このプライマー層40は、金属表面層20と金属調表面模様層30側に、いわゆる化学的な足が出て両者の付着性を強化する。これにより上記印刷模様が剥がれにくくなる。
【0041】
更に、もう一つの相違点は、金属調表面模様層30の表面に、トップコート層50が形成される点である。このトップコート層50には、普通クリヤーまたはカラークリヤーが使用される。トップコート層50は、金属表面層20と金属調表面模様層30を保護するから、表面の傷付きも防止され、長期間にわたりリアルな金属感のある模様を維持する。尚、その他の構成は上記第1実施形態と同様であり、その説明を省略する。
【0042】
以上、上記第2実施形態によると以下の効果を奏する。プラスチック成形体10の表面に、スジ模様,腐食模様等の金属調表面模様層30によるリアルな金属感を出すための表面処理が可能となり、リアルな金属感のある金属表面加工品200が得られる。また、この方法を自動車の内装品に適用できるから、スポーツ車等のメタリック調のインストルメントパネル等の製造が可能となり、プラスチック成形体で形成されて安全性が高く、しかも、リアルな金属感のある自動車の内装品が得られる。
【0043】
また、金属表面層の表面に施したプライマー層により、金属表面層に対する金属調表面模様層の付着性が強化され、各層の接着性が向上して、印刷模様が剥がれにくくなる。
【0044】
また、金属調表面模様層の表面はトップコート層により保護されるから、表面の傷付きも防止され、長期間にわたりリアルな金属感のある模様が維持される。
【0045】
本発明は上記実施形態に限定されることなく、その実施形態を変更できる。例えば、プラスチック成形体の金属表面加工品は、自動車の内装品に限らず、その他の金属表面を適用する種々の内装品や外装品に適用できる。
【0046】
【発明の効果】
以上、本発明の請求項1によると、プラスチック成形体の表面に金属表面層を形成させ、この金属表面層にスジ模様、腐食模様等の金属調表面模様層を水圧転写にて印刷形成する加工方法としたから、プラスチック成形体の表面にリアルな金属感のある表面層を形成したプラスチック成形体の金属表面加工品が得られる。
【0047】
また、請求項2によると、プラスチック成形体の表面に形成した金属表面層にプライマー層を形成させ、続いて、プライマー層の表面に金属調表面模様層を形成し、且つ、この金属調表面模様層の表面にトップコート層を形成する加工方法としたから、金属表面層と金属調表面模様層とが強固に結合され、両者の付着性が強化される。また、トップコート層により、金属調表面模様層の保護がなされ、印刷模様が剥がれにくく、且つ、傷付き等の早期劣化のないプラスチック成形体の金属表面加工品が得られる。
【0048】
また、請求項3によると、上記請求項1または2記載のプラスチック成形体の金属表面加工方法において、金属調表面模様層を形成するインクに、メタリック顔料、パール顔料、BR顔料を添加したから、金属表面層とともに、金属調表面模様層の模様自体にも金属感が現出されて一体感が増し、一層リアルな金属感のあるプラスチック成形体の金属表面加工品が得られる。
【0049】
また、請求項4によると、請求項1、2または3記載のプラスチック成形体の金属表面加工方法において、プラスチック成形体は自動車の内装品であるという構成としたから、スポーツ車等において、プラスチック成形体で形成されて安全性が高く、しかも、リアルな金属感のあるメタリック調のインストルメントパネル等の内装品が得られる。
【0050】
また、請求項5によると、プラスチック成形体の表面に金属蒸着または金属メッキにより金属表面層を形成し、この金表面層の表面にスジ模様や腐食模様等の金属調表面模様層を形成したから、プラスチック成形体の表面にリアルな金属感のある金属表面層が形成されたものとなる。
【0051】
また、請求項6によると、プラスチック成形体の表面に形成した金属表面層にプライマー層と、このプライマー層の表面に金属調表面模様層と、この金属調表面模様層の表面にトップコート層と、を形成しているから、金属表面層に施したプライマー層により、金属調表面模様層が強固に結合され、更に、トップコート層により表面の模様が剥がれにくく、且つ、傷付き等の早期劣化がないものとなる。
【0052】
また、請求項7によると、上記請求項5または6記載のプラスチック成形体の金属表面加工品において、金属調表面模様層を形成するインクには、メタリック顔料、パール顔料、BR顔料を添加したから、金属表面層とともに、金属調表面模様層の模様自体にも金属感が現出されて一体感が増し、一層リアルな金属感のあるものとなる。
【0053】
また、請求項8によると、請求項5、6または7記載のプラスチック成形体の金属表面加工品は自動車の内装品であるという構成をとるから、スポーツ車等においてプラスチック成形体で形成されて安全性が高く、しかも、リアルな金属感のあるメタリック調のインストルメントパネル等の内装品となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す図で、インストルメントパネルの正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示す図で、インストルメントパネルの断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態を示す図で、プラスチック成形体の金属表面加工品の製造工程図である。
【図4】本発明の第1実施形態を示す図で、プラスチック成形体の金属表面層に現出される金属調表面模様の一例を示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態を示す図で、プラスチック成形体の金属表面層に現出される金属調表面模様の他の例を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態を示す図で、印刷装置と転写装置を示す説明図である。
【図7】本発明の第2実施形態を示す図で、プラスチック成形体の金属表面加工品の断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態を示す図で、プラスチック成形体の金属表面加工品の製造工程図である。
【符号の説明】
10 プラスチック成形体
10A 表面
20 金属表面層
30 金属調表面模様層
40 プライマー層
50 トップコート層
100,200 プラスチック成形体の金属表面加工品

Claims (8)

  1. プラスチック素材によりプラスチック成形体を形成し、次に、上記プラスチック成形体の表面に金属蒸着または金属メッキにより金属表面層を形成させ、次いで、上記金属表面層にスジ模様や腐食模様等の金属調表面模様層を水圧転写により形成させたことを特徴とするプラスチック成形体の金属表面加工方法。
  2. プラスチック成形体の表面に金属表面層を形成させた後、金属表面層の表面にプライマー層を形成させるとともに、プライマー層の表面に金属調表面模様層を形成させた後、金属調表面模様層の表面にトップコート層を形成させたことを特徴とする請求項1記載のプラスチック成形体の金属表面加工方法。
  3. 上記金属調表面模様層を形成するインクには、メタリック顔料、パール顔料、BR顔料が添加されていることを特徴とする請求項1または2記載のプラスチック成形体の金属表面加工方法。
  4. 上記プラスチック成形体は、自動車の内装品であることを特徴とする請求項1,2または3記載のプラスチック成形体の金属表面加工方法。
  5. プラスチック成形体の表面に金属蒸着または金属メッキにより金属表面層が形成され、上記金属表面層の表面にスジ模様や腐食模様等の金属調表面模様層が形成されていることを特徴とするプラスチック成形体の金属表面加工品。
  6. プラスチック成形体の表面に金属表面層が形成され、上記金属表面層の表面にプライマー層が形成され、プライマー層の表面にスジ模様や腐食模様等の金属調表面模様層が形成され、金属調表面模様層の表面にトップコート層が形成されていることを特徴とする請求項5記載のプラスチック成形体の金属表面加工品。
  7. 上記金属調表面模様層を形成するインクには、メタリック顔料、パール顔料、BR顔料が添加されていることを特徴とする請求項5または6記載のプラスチック成形体の金属表面加工品。
  8. 上記プラスチック成形体は、自動車の内装品であることを特徴とする請求項5、6または7記載のプラスチック成形体の金属表面加工品。
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