JP2000019758A - 負帯電単層型電子写真感光体 - Google Patents

負帯電単層型電子写真感光体

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JP2000019758A
JP2000019758A JP10226620A JP22662098A JP2000019758A JP 2000019758 A JP2000019758 A JP 2000019758A JP 10226620 A JP10226620 A JP 10226620A JP 22662098 A JP22662098 A JP 22662098A JP 2000019758 A JP2000019758 A JP 2000019758A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度でしかも光応答性に優れた負帯電単層
型電子写真感光体を提供するにある。 【解決手段】 少なくとも電荷発生顔料、電子輸送剤及
び正孔輸送剤を結着樹脂中に分散させた感光層を導電性
支持体上に設けてなる単層型電子写真感光体において、
感光層について電荷発生顔料の主吸収波長の光線で測定
した透過率が10乃至50%の範囲にあることを特徴と
する負帯電単層型電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高感度でしかも優
れた光応答性を有する負帯電単層型電子写真感光体に関
するもので、電子写真複写、プリンター、普通紙ファッ
クス等に使用するための負帯電単層型電子写真感光体に
関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法においては、電子写真感光体
を帯電し、画像露光して静電潜像を形成し、この静電潜
像を現像バイアス電圧が印加された状態でトナー現像
し、形成されるトナー像を転写紙等に転写し、定着して
画像形成を行う。この電子写真法はデジタル式またはア
ナログ式の複写、プリンター或いは普通紙FAX等に広
く使用されている。
【0003】この電子写真法に用いる感光体として、従
来セレン感光体やアモルファスシリコン感光体が使用さ
れていたが、近年有機感光体(OPC)も広く使用され
るに至っている。有機感光体には、電荷発生剤(CG
M)と電荷輸送剤(CTM)を別々の層として積層した
機能分離型の積層感光体と、これらCGM及びCTMを
単一の分散層として設けた単層感光体とが代表的なもの
としてある。これらの積層型感光体及び単層型感光体に
は、それぞれ正帯電型のものと負帯電型のものとが知ら
れている。
【0004】単層型感光体においては、電荷発生剤とし
て、電子輸送剤と正孔輸送剤との組み合わせを用いるこ
とはかなり一般化されており、例えば、特開平7−19
1474号公報には、導電性基体上に少なくとも電荷発
生物質、電子輸送物質及び正孔輸送物質とが同一層中に
含有されている単層型電子写真感光体において、該電子
輸送物質と該正孔輸送物質との比が3:2〜50:1
(重量比)であることを特徴とする負帯電単層型電子写
真感光体が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記提案による負帯電
単層型電子写真感光体では、電荷発生剤の光照射により
発生する電荷の内、電子の輸送が重要な役目を担ってお
り、従って電子輸送剤の正孔輸送剤に対する量比を大き
くすることによって、感度を増大させようとするもので
あるが、この提案においては、感光層の吸光度を増大さ
せて、電荷発生を感光層表面近傍で行わせ、発生する電
子を電子輸送剤によって導電性基体側に輸送することが
大前提になっていると解される。
【0006】しかしながら、同じ電荷輸送剤とはいえ、
現状の電子輸送剤は正孔輸送剤に比して電荷の移動度が
かなり低く、上記の提案のように電子輸送剤の量比を増
やしただけでは、高感度の負帯電単層型電子写真感光体
を得ることは困難であり、またこのような感光体は光応
答性においても未だ十分満足しうるものではない。
【0007】即ち、本発明の目的は、上記従来技術の欠
点を解消し、高感度でしかも光応答性に優れた負帯電単
層型電子写真感光体を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、少なく
とも電荷発生顔料、電子輸送剤及び正孔輸送剤を結着樹
脂中に分散させた感光層を導電性支持体上に設けてなる
単層型電子写真感光体において、感光層について電荷発
生顔料の主吸収波長の光線で測定した透過率が10乃至
50%の範囲にあることを特徴とする負帯電単層型電子
写真感光体が提供される。本発明の負帯電単層型電子写
真感光体においては、 1.前記感光層の膜厚が10乃至30μmであること、 2.前記電子輸送剤と正孔輸送剤の重量比が2:3以上
で且つ3:2未満であること、が好ましい。
【0009】
【発明の実施形態】[作用]本発明者らは、上記従来技
術の考えとは全く逆に、感光層中の電荷発生を感光層全
体にわたって可及的に均一に行わせ、発生する電荷の
内、電子輸送剤による電子の導電性基体側への輸送と、
正孔輸送剤による正孔の感光層表面への輸送とを並行的
に行うことが感度の増大及び光応答性の向上に連なると
の考えに到達した。
【0010】この考えの基に、電荷発生顔料、正孔輸送
剤及び電子輸送剤を含有する負帯電単層型電子写真感光
体の感光層を、電荷発生顔料の主吸収波長の光線で測定
した透過率が10乃至50%、特に好適には20乃至4
0%となるように調節するときには、顕著な感度の増大
及び光応答性の向上が得られることを見出した。
【0011】後述する実施例及び比較例の表1には、上
記負帯電単層型電子写真感光体について、感光層の透過
率を種々変化させた場合の感度と光応答性との測定結果
が示されている。これらの例において電荷発生顔料とし
て用いたX型無金属フタロシアニンは、主吸収波長が7
80nmであるので、透過率の測定にはこの波長の光線
を使用し、感度の評価には露光開始330msec後の
感光層表面電位(VL)及び光応答性の評価には半減露
光量(E1/2 )を用いている。
【0012】この結果によると、上記感光体における光
線透過率は、感度や光応答性と密接な関係を有してお
り、透過率が上記10乃至50%の範囲にある感光体で
は、透過率が10%を下回る感光体や、透過率が50%
を上回る感光体に比して、顕著な感度の増大及び光応答
性の向上がもたらされているという驚くべき事実が明ら
かとなる。
【0013】感光体における光線透過率(T)と、感光
層表面からの厚み(t)との関係は、一般に下記式
(I) T=exp(−kt) ‥(I) 式中、kは感光層によって定まる係数である、で表され
るように、表面からの厚みに従って、指数関数的に減少
する。
【0014】添付図面の図1は、感光層全体の光線透過
率が50%、30%、10%及び1%である感光体につ
いて、感光層表面からの厚み(深さ)tと透過率Tとの
関係がプロットされている。
【0015】この図1のプロットから、感光層の透過率
が10%未満の場合には、表面からの厚みと透過率とを
プロットした曲線が下に凸となる程度が大きくなり、感
光層表面乃至その近傍での光線の吸収、即ち電荷発生が
優先的に起こる度合いが高くなることを示している。こ
れに対して、光線透過率が10乃至50%の範囲にある
本発明の負帯電単層型電子写真感光体では、光線の透過
がより直線に近い形で行われ、光線の吸収、即ち電荷の
発生が、感光層表面乃至その近傍は勿論のこと、導電性
支持体側でも有効に行われ、電子輸送の平均距離を短く
するのに役立っており、これが感度の増大及び光応答性
の向上につながっていると考えられる。
【0016】光線透過率が10%を下回る感光層では感
度及び光応答性とも低下しているが、このような感光体
では、電子輸送の平均距離が長くなっており、これによ
る電子輸送の失速が感度等の低下に結びついているため
と考えられる。一方、光線透過率が50%を上回る感光
層でも感度及び光応答性とも低下しているが、このよう
な感光体では、感光層全体での光吸収効率が低く、これ
がやはり感度等の低下に結びついていると考えられる。
【0017】本発明において、透過率が10乃至50%
の感光体を用いることは、感度の増大及び光応答性の向
上に加えて、感光体の繰り返し特性を向上させるという
付加的な利点をもたらす。即ち、感光層が同じ厚みの感
光体で比較した場合、透過率が10%未満の従来の感光
体に比して電荷発生顔料を低い濃度で含有している。一
般に、感光層の繰り返し時における帯電性の低下(帯電
電位の低下)や、感度の低下は、感光層中の顔料の劣化
によることが知られている。本発明の感光体では、感光
層中の顔料濃度を低くできるので、感光体の繰り返し特
性をも向上させることができる。
【0018】本発明の感光体では、感光層の膜厚が10
乃至30μm、特に15乃至25μmの範囲にあること
が好適である。感光層の厚みが上記範囲を下回ると、感
光体の帯電電位が低下する傾向があると共に、感度や光
応答性も上記厚みを有するものに比して低下する傾向が
ある。一方、感光層の厚みが上記範囲を上回ると、感度
や光応答性も上記厚みを有するものに比して低下する傾
向がある。
【0019】また、本発明の感光体では、電子輸送剤と
正孔輸送剤との重量比が2:3以上で且つ3:2未満で
あること、特に4:5乃至7:5の範囲にあることが好
ましい。即ち、電子輸送剤と正孔輸送剤との間には一定
の量的バランスが必要であり、電子輸送剤の量が上記範
囲よりも多い場合或いは上記範囲よりも少ない場合の何
れの場合も、上記範囲にある場合に比して感度或いは光
応答性が低下する傾向がある。
【0020】[電子写真感光体]本発明の電子写真感光
体の一例を示す図2において、この負帯電単層型電子写
真感光体1は、導電性支持体2と単層有機感光層3とか
ら構成される。この単層有機感光層3は、少なくとも電
荷発生顔料、正孔輸送剤及び電子輸送剤が結着樹脂中に
分散させたものから形成されており、感光層3は、電荷
発生顔料の主吸収波長の光線で測定した透過率が10乃
至50%になるように構成されている。露光に先立っ
て、感光層3の表面は負帯電されており、一方導電性支
持体2の感光層側表面は正に誘導帯電されている。この
感光層3を画像露光すると、電荷発生顔料4には正孔H
と電子eとの対が発生し、発生する電子eは電子輸送剤
により導電性支持体1の表面に輸送され、一方発生する
正孔Hは正孔輸送剤により感光層3の表面に輸送され
て、表面電荷の消失が行われ、静電潜像の形成が行われ
る。本発明では、既に説明した原理で、電子及び正孔の
輸送が有効に行われ、感度の増大及び光応答性の向上が
達成されるものである。以下感光層の組成について詳細
に説明する。
【0021】[感光層組成] (1)電荷発生顔料 電荷発生顔料としては、例えば、セレン、セレン−テル
ル、アモルファスシリコン、ピリリウム塩、アゾ系顔
料、ジスアゾ系顔料、アンサンスロン系顔料、フタロシ
アニン系顔料、インジコ系顔料、スレン系顔料、トルイ
ジン系顔料、ピラゾリン系顔料、ペリレン系顔料、キナ
クリドン系顔料等が例示され、所望の領域に吸収波長域
を有するよう、一種または二種以上混合して用いられ
る。
【0022】本発明の目的に特に好適なものとして、次
のフタロシアニン顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料
等が例示される。フタロシアニン系顔料としては、メタ
ルフリーフタロシアニン、アルミニウムフタロシアニ
ン、バナジウムフタロシアニン、カドミウムフタロシア
ニン、アンチモンフタロシアニン、クロムフタロシアニ
ン、銅4−フタロシアニン、ゲルマニウムフタロシアニ
ン、鉄フタロシアニン、クロロアルミニウムフタロシア
ニン、オキソチタニルフタロシアニン、クロロインジウ
ムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、マ
グネシウムフタロシアニン、ジアルキルフタロシアニ
ン、テトラメチルフタロシアニン、テトラフェニルフタ
ロシアニン等が挙げられる。また、結晶形も、α型、β
型、γ型、δ型、ε型、σ型、x型、τ型等のものが何
れも使用可能である。X型無金属フタロシアニンが特に
好適なものである。
【0023】ペリレン系顔料としては、特に一般式
(8)、
【化8】 式中、R21及びR22の各々は、炭素数18以下の置換ま
たは未置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、アルカリール基、またはアラールキル基である。で
表されるもの。アルキル基としては、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられ、
シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基等が挙げ
られ、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等
が挙げられ、アルカリール基としては、トリル基、キシ
リル基、エチルフェニル基等が挙げられ、アラールキル
基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられ
る。置換基としては、アルコキシ基、ハロゲン原子等が
ある。
【0024】ビスアゾ顔料としては、特に下記式(9)
【化9】 式中、Yは複素環基を含んでいてもよい2価の芳香族性
の基であり、Cpはカップラー残基である、で表わされ
るビスアゾ顔料が挙げられる。2価の芳香族性の基とし
ては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナン
トレン、クリセン、アントラキノン、ビフェノール、ビ
スフェノール類、或いは複素環或いは更にこれらの組み
合わせから誘導される2価の基が挙げられる。複素環基
としては、窒素、酸素、硫黄或いはこれらの組み合わせ
を環中に含有する単環或いは多環の飽和乃至不飽和の複
素環が挙げられ、、具体的には、ピロール、ピラゾー
ル、チオフェン、フラン、イミダゾリン、ピリミジン、
ピラゾリン、ピラン、ピリジン、ピリミジン、ベンゾフ
ラン、ベンゾイミダゾリン、ベンゾオキサゾール、イン
ドリン、キノリン、クロメン、カルバゾール、ジベンゾ
フラン、キサンテン、チオキサンテン等が挙げられる。
これら2価の基は、未置換でも或いは置換されていても
よく、置換基としては、アルキル基、アリール基或いは
複素環基が挙げられる。ここで、アルキル基としては、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル基等が挙げ
られ、アリール基としてはフェニル、ナフチル、ビフェ
ニル、アントリル、フェナントリル、フルオレニル基等
が挙げられ、複素環基としては、窒素、酸素、硫黄或い
はこれらの組み合わせを環中に含有する単環或いは多環
の飽和乃至不飽和の複素環基、例えばチエニル基、フリ
ル基、イミダゾリル基、ピロリル基、ピリミジニル基、
イミダゾール基、ピラジニル基、ピラゾリニル基、ピロ
リジニル基、ピラニル基、ピペリジル基、ピペラジニル
基、モルホリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピロリ
ジニル基、ピロリニル基、ベンゾフリル基、ベンゾイミ
ダゾリル基、ベンゾフラニル基、インドリル基、キノリ
ル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基等が挙げら
れる。一方、式(9)におけるカプラー残基としては、
この種のアゾ顔料に使用されるカプラー(アゾカップリ
ング成分)の残基であれば任意のもの、例えば置換或い
は未置換のフェノール類、ナフトール類、或いは水酸基
含有複素環環化合物等であってよく、ここで置換基とし
ては、低級アルキル基、低級アルコキシ基、アリール
基、アシルオキシ基、クロール等のハロゲン原子、ヒド
ロキシル基、ニトリル基、ニトロ基、アミノ基、アミド
基、アシルオキシ基、カルボキシル基等が挙げられる。
【0025】(2)電子輸送剤 電子輸送剤としては、電子輸送性を有する任意の材料が
単独或いは2種以上の組み合わせで使用される。電子輸
送剤としては、次のものが知られており、電子輸送性に
優れ、溶解性に優れたものを選択して用いることができ
る。
【0026】パラジフェノキノン誘導体、ベンゾキノン
誘導体、ナフトキノン誘導体、ジナフトキノン誘導体 テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、ク
ロルアニル、ブロモアニル、2,4,7−トリニトロ−
9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9
−フルオレノン、2,4,7−トリニトロ−9−ジシア
ノメチレンフルオレノン、2,4,5,7−テトラニト
ロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン
などの電子吸引性物質や、これら電子吸引性物質を高分
子化したもの。
【0027】本発明の目的に特に好適な電子輸送剤とし
て、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体、特に
一般式(1)
【化10】 式中、m及びnはゼロを含む6以下の整数であって、互
いに同一でも異なっていてもよく、R1 は水素原子、ア
ルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子であり、R
2 及びR3 の各々は、置換または未置換のアルキル基、
アリール基、アルコキシ基またはアミノ基であって、互
いに同一でも異なっていてもよい、で表されるナフタレ
ンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を挙げることができ
る。
【0028】この誘導体中に存在するR1 は、水素原
子、アルキル基、アルコキシ基、またはハロゲン原子で
あり、アルキルとしては、炭素数1乃至6のアルキル
基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、is
o−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t
−ブチル基、アミル基、2−エチルヘキシル基が挙げら
れ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。また、ハロ
ゲン原子としては、塩素原子、臭素原子等が挙げられ
る。R2 及びR3 の各々は、置換または未置換のアルキ
ル基、アルコキシ基またはアリール基であって、アルキ
ル基またはアルコキシ基としては、基R1 について例示
したものがあり、アリール基としては、フェニル基やナ
フチル基が挙げられる。これらは未置換でも、或いはア
ルキル基、アルコキシ基、またはハロゲン原子等により
置換されていてもよく、これらの置換基は、基R1 に関
して説明したものであってよい。
【0029】ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導
体の具体的な例としては、次のものが例示される。 N,N’−ビス(2−エチル−6−メチルフェニル)ナ
フタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミ
ド、N,N’−ビス(2,4−ジメチル−6−エチルフ
ェニル)ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン
酸ジイミド、N,N’−ビス(2−メチル−6−エチル
フェニル)ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボ
ン酸ジイミド、N,N’−ビス(2−メチル−6−エト
キシフェニル)ナフタレン−1,4,5,8−テトラカ
ルボン酸ジイミド、N,N’−ビス(2−メチル−6−
メトキシフェニル)ナフタレン−1,4,5,8−テト
ラカルボン酸ジイミド、N,N’−ビス(2−メチル−
6−メトキシエチルフェニル)ナフタレン−1,4,
5,8−テトラカルボン酸ジイミド。 N−(2−エトキシエチル)−N’−(2−メチル−6
−エチルフェニル)ナフタレン−1,4,5,8−テト
ラカルボン酸ジイミド、N((1,2−ジメチルプロピ
ル)−N’−(2−メチル−6−エチルフェニル)ナフ
タレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド、
N−(2−エトキシエチル)−N’−(1,2−ジメチ
ルプロピル)ナフタレン−1,4,5,8−テトラカル
ボン酸ジイミド。
【0030】上記ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド
誘導体は、対応するナフタレンテトラカルボン酸無水物
と、対応する1級アミン類とを溶媒中で還流下に反応さ
せることにより合成される。溶媒としては、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミド等の非プロトン性極
性有機溶媒を用いるのが好ましく、反応温度は溶媒の沸
点とするのが好ましい。また、反応は、ナフタレンテト
ラカルボン酸無水物に対して、化学量論的量以上の1級
アミンを使用して行うのが好ましい。
【0031】本発明の目的に特に好適な他の電子輸送剤
として、ジフェノキノン誘導体、特に下記式(2)
【化11】 式中、R4 、R5 、R6 及びR7 の各々は、アルキル
基、アルコキシ基または置換或いは未置換のアリール基
であって、これらは互いに同一であっても、或いは異な
っていてもよい、で表されるジフェノキノン誘導体を挙
げることができる。アルキル基、アルコキシ基或いはア
リール基の適当な例は、前記式(1)の化合物に関して
説明したものである。
【0032】ジフェノキノン誘導体の具体例としては、
次のものが挙げられる。 3,5−ジメチル−3’,5’−ジt−ブチルジフェノ
キノン、3,5−ジメトキシ−3’,5’−ジt−ブチ
ルジフェノキノン、3,3’−ジメチル−5,5’−ジ
t−ブチルジフェノキノン、3,5’−ジメチル−
3’,5−ジt−ブチルジフェノキノン、3,5,
3’,5’−テトラメチルジフェノキノン、2,6,
2’,6’−テトラt−ブチルジフェノキノン、3,
5,3’,5’−テトラフェニルジフェノキノン、3,
5,3’,5’−テトラシクロヘキシルジフェノキノン
【0033】(3)正孔輸送剤 正孔輸送性物質としては、例えば次のものが知られてお
り、これらの内から、溶解性や、正孔輸送性に優れてい
るものが使用される。
【0034】ピレン、N−エチルカルバゾール、N−イ
ソプロピルカルバゾール、N−メチル−N−フエニルヒ
ドラジノ−3−メチリデン−9−カルバゾール、N,N
−ジフエニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチル
カルバゾール、N,N−ジフエニルヒドラジノ−3−メ
チリデン−10−エチルフエノチアジン、N,N−ジフ
エニルヒドラジノ−3−メチリデン−10−エチルフエ
ノキサジン、p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−
N,N−ジフエニルヒドラゾン、p−ジエチルアミノベ
ンズアルデヒド−α−ナフチル−N−フエニルヒドラゾ
ン、p−ピロリジノベンズアルデヒド−N,N−ジフエ
ニルヒドラゾン、1,3,3−トリメチルインドレニン
−ω−アルデヒド−N,N−ジフエニルヒドラゾン、p
−ジエチルベンズアルデヒド−3−メチルベンズチアゾ
リノン−2−ヒドラゾンなどのヒドラゾン塩、2,5−
ビス(p−ジエチルアミノフエニル)−1,3,4−オ
キサジゾール、1−フエニル−3−(p−ジエチルアミ
ノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフエニル)ピ
ラゾリン、1−[キノニル(2)]−3−(p−ジエチ
ルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフエニ
ル)ピラゾリン、1−[ピリジル(2)]−3−(p−
ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノ
フエニル)ピラゾリン、1−[6−メトキシ−ピリジル
(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−
(p−ジエチルアミノフエニル)ピラゾリン、1−[ピ
リジル(3)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)
−5−(p−ジエチルアミノフエニル)ピラゾリン、1
−[レピジル(3)]−3−(p−ジエチルアミノスチ
リル)−5−(p−ジエチルアミノフエニル)ピラゾリ
ン、1−[ピリジル(2)]−3−(p−ジエチルアミ
ノスチリル)−4−メチル−5−(p−ジエチルアミノ
フエニル)ピラゾリン、1−[ピリジル(2)]−3−
(α−メチル−p−ジエチルアミノスチリル)−3−
(p−ジエチルアミノフエニル)ピラゾリン、1−フエ
ニル−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−4−メチ
ル−5−(p−ジエチルアミノフエニル)ピラゾリン、
スピロピラゾリンなどのピラゾリン類、2−(p−ジエ
チルアミノスチリル)−3−ジエチルアミノベンズオキ
サゾール、2−(p−ジエチルアミノフエニル)−4−
(p−ジメチルアミノフエニル)−5−(2−クロロフ
エニル)オキサゾールなどのオキサゾール系化合物、2
−(p−ジエチルアミノスチリル)−6−ジエチルアミ
ノベンゾチアゾールなどのチアゾール系化合物、ビス
(4−ジエチルアミノ−2−メチルフエニル)フエニル
メタンなどのトリアリ−ルメタン系化合物、1,1−ビ
ス(4−N,N−ジエチルアミノ−2−メチルフエニ
ル)ヘプタン、1,1,2,2−テトラキス(4−N,
N−ジメチルアミノ−2−メチルフエニル)エタンなど
のポリアリールアルカン類、N,N´−ジフエニル−
N,N´−ビス(メチルフエニル)ベンジベン、N,N
´−ジフエニル−N,N´−ビス(エチルフエニル)ベ
ンジジン、N,N´−ジフエニル−N,N´−ビス(プ
ロピルフエニル)ベンジジン、N,N´−ジフエニル−
N,N´−ビス(ブチルフエニル)ベンジジン、N,N
´−ビス(イソプロピルフエニル)ベンジジン、N,N
´−ジフエニル−N,N´−ビス(第2級ブチルフエニ
ル)ベンジジン、N,N´−ジフエニル−N,N´−ビ
ス(第3級ブチルフエニル)ベンジジン、N,N´−ジ
フエニル−N,N´−ビス(2,4−ジメチルフエニ
ル)ベンジベン、N,N´−ジフエニル−N,N´−ビ
ス(クロロフエニル)ベンジジンなどのベンジジン系化
合物、トリフエニルアミン、ポリ−N−ビニルカルバゾ
ール、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポ
リビニルアリクジン、ポリ−9−ビニルフエニルアント
ラセン、ピレン−ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバ
ゾールホルムアルデヒド樹脂。
【0035】本発明の目的に特に好適な正孔輸送剤とし
て、次のものが揚げられる。
【0036】下記式(3)
【化12】 式中、a、b及びcの各々はゼロを含む2以下の整数で
あって、互いに同一でも異なっていてもよく、R8 、R
9 及びR10の各々は水素原子、アルキル基またはアリー
ル基であって、互いに同一でも異なっていてもよい、で
表されるベンジジン誘導体。具体例として、次のものが
挙げられる。N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル
−3,3’−ジメチルベンジジン、
【0037】下記式(4)
【化13】 式中、d及びeの各々はゼロを含む2以下の整数であっ
て、互いに同一でも異なっていてもよく、R11、R12
びR13の各々は水素原子、アルキル基またはアリール基
であって、互いに同一でも異なっていてもよい、で表さ
れるフェニレンジアミン誘導体。具体例として次のもの
が挙げられる。N,N,N’,N’−テトラ−m−トリ
ル−メタフェニレンジアミン、
【0038】下記式(5)
【化14】 式中、p及びqの各々はゼロを含む2以下の整数であっ
て、互いに同一でも異なっていてもよく、R14及びR15
の各々は、アルキル基、アリール基またはアラールキル
基であって、互いに同一でも異なっていてもよい、で表
されるフェナントリレンジアミン誘導体。具体例として
次のものが挙げられる。N,N’−ジ−p−トリル−
N,N’−ジ(p−イソプロピルフェニル)フェナント
リレン−9,10−ジアミン、
【0039】下記式(6)
【化15】 式中、r及びsの各々はゼロを含む2以下の整数であっ
て、互いに同一でも異なっていてもよく、R16及びR17
の各々は、アルキル基、アリール基またはアラールキル
基であって、互いに同一でも異なっていてもよい、で表
されるナフチレンジアミン誘導体。N,N,N’,N’
−テトラ−m−トリル−ナフチレン−1,4−ジアミ
ン、
【0040】下記式(7)
【化16】 式中、t、u及びwの各々はゼロを含む2以下の整数で
あって、互いに同一でも異なっていてもよく、R18、R
19及びR20の各々は、アルキル基、アリール基またはア
ラールキル基であって、互いに同一でも異なっていても
よい、で表されるスチルベン誘導体。1,4−ビス[p
−(N−フェニル−N−2−メチル−5−エチルフェニ
ル)アミノスチリル]ベンゼン、
【0041】(4)結着樹脂 電荷発生剤や電子輸送剤及び正孔輸送剤を分散させる樹
脂媒質としては、種々の樹脂が使用でき、例えば、スチ
レン系重合体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル
系重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピ
レン、アイオノマー等のオレフィン系重合体、ポリ塩化
ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステ
ル、アルキッド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、エポ
キシ樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリス
ルホン、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ケ
トン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹
脂、フェノール樹脂や、エポキシアクリレート等の光硬
化型樹脂等、各種の重合体が例示できる。これらの結着
樹脂は、一種または二種以上混合して用いることもでき
る。好適な樹脂は、スチレン系重合体、アクリル系重合
体、スチレン−アクリル系重合体、ポリエステル系樹
脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレー
ト等である。
【0042】特に好適な樹脂は、ポリカーボネート、帝
人化成社製パンライト、三菱瓦斯化学社製PCZ等であ
り、下記一般式(10)、
【化17】 式中、R23及びR24は水素原子または低級アルキル基で
あって、R23及びR24は連結して、結合炭素原子と共
に、シクロヘキサン環のごときシクロ環を形成していて
もよい、で表されるビスフェノール類とホスゲンとから
誘導されるポリカーボネートである。
【0043】(4)組成 本発明に用いる単層感光層は、用いる電荷発生顔料の主
吸収波長で測定して10乃至50%の透過率を有する。
この透過率の制御は、第一に感光層の厚みの調節によ
り、第二に感光層中の電荷発生顔料の濃度の調節により
行われる。即ち、感光層の厚みを小さくすると、感光層
の透過率は大きくなり、逆に厚みを大きくすると、透過
率は小さくなる。一方、感光層中の電荷発生顔料の濃度
を高くすると、感光層の透過率は小さくなり、逆に感光
層中の電荷発生顔料の濃度を低くすると、感光層の透過
率は大きくなる。かくして、感光層中の電荷発生顔料の
濃度が比較的高い場合には、感光層の厚みを比較的小さ
くし、逆に感光層中の電荷発生顔料の濃度が比較的低い
場合には、感光層の厚みを比較的大きくするような配慮
も有効である。
【0044】感光層の厚みは、既に指摘したとおり、1
0乃至30μmの範囲にあり、この範囲で厚さの調節を
行うことができる。一方、感光層中の電荷発生顔料の濃
度は、一般的にいって、固形分基準で0.1乃至1.5
重量%、特に0.25乃至1.0重量%の範囲にあるこ
とが好ましい。
【0045】また、感光層中における電子輸送剤と正孔
輸送剤の重量比は2:3以上で且つ3:2未満であるこ
と、特に4:5乃至7:5の範囲にあるのが望ましい
が、電子輸送剤と正孔輸送剤とは、合計で、固形分基準
で30乃至70重量%、特に40乃至60重量%の範囲
の濃度で存在するのが望ましい。
【0046】[感光体の作成]本発明に用いる感光体形
成用組成物には、電子写真学的特性に悪影響を及ぼさな
い範囲で、それ自体公知の種々の配合剤、例えば、酸化
防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、UV吸
収剤、軟化剤、表面改質剤、消泡剤、増量剤、増粘剤、
分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を配合
させることができる。
【0047】また、感光層の少なくとも上層に全固形分
当たり0.1乃至50重量%の立体障害性フェノール系
酸化防止剤を配合すると、電子写真学的特性に悪影響を
与えることなく、感光層の耐久性を顕著に向上させるこ
とができる。感光層にさらに−0.8乃至−1.4Vの
酸化還元電位を有する電子受容性化合物を添加してもよ
い。
【0048】感光層を設ける導電性基板としては、導電
性を有する種々の材料が使用でき、例えば、アルミニウ
ム、銅、錫、白金、金、銀、バナジウム、モリブデン、
クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、インジウム、
ステンレス鋼、真鍮等の金属単体や、上記金属が蒸着ま
たはラミネートされたプラスック材料、ヨウ化アルミニ
ウム、酸化錫、酸化インジウム等で被覆されたガラス等
が例示される。本発明の感光体では、通常のアルミニウ
ム素管、特に膜厚が1乃至50μmとなるようにアルマ
イト処理を施した素管を好適に用い得る。
【0049】感光体を形成させるには、電荷発生顔料、
電子輸送剤、正孔輸送剤及び結着樹脂の組み合わせを、
従来公知の方法、例えば、ロールミル、ボールミル、ア
トライタ、ペイントシェイカーあるいは超音波分散器等
を用いて塗布用組成物を調製し、従来公知の塗布手段に
より塗布し、乾燥すればよい。
【0050】塗布液を形成するのに使用する溶剤として
は、種々の有機溶剤が使用でき、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、
n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系
炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭
素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジメチル
エーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エ
チレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸
エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド等、種々の溶剤が例示さ
れ、一種または二種以上混合して用いられる。塗布液の
固形分濃度は一般に5乃至50%とするのがよい。
【0051】本発明の電子写真感光体を用いる画像形成
法は、特に限定されず、一般に感光体を一様に負帯電し
た後、画像露光して静電潜像を形成させ、次いで非磁性
1成分系トナー、磁性1成分系トナー、磁性二成分系現
像剤、非磁性二成分系現像剤等を用いて現像を行い、次
いで転写紙に転写し、定着して画像形成を行う。
【0052】
【実施例】本発明を次の例で説明する。
【0053】感光層の形成に用いた各材料は次の通りで
ある。
【0054】電荷発生顔料 x−H2Pc:X型無金属フタロシアニン
【0055】電子輸送剤 ETM−1:下記式(11)
【化18】 のN−2−メチル−6−エチルフェニル−N’−1,2
−ジメチルプロピル−ナフタレン−1,4,5,8−テ
トラカルボン酸ジイミド、 ETM−2:下記式(12)
【化19】 のN,N’−ビス[N−2−メチル−6−エチルフェニ
ル]ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸ジ
イミド ETM−3:下記式(13)
【化20】 のN−2−メチル−6−エチルフェニル−N’−2−エ
トキシエチル−ナフタレン−1,4,5,8−テトラカ
ルボン酸ジイミド ETM−4:下記式(14)
【化21】 のN,N’−ビス[1,2−ジメチルプロピル]ナフタ
レン−1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド ETM−5:下記式(15)
【化22】 のN−2−メチル−6−エチルフェニル−N’−4−メ
チルフェニル−ナフタレン−1,4,5,8−テトラカ
ルボン酸ジイミド ETM−6:下記式(16)
【化23】 のN−2−エトキシエチル−N’−4−メチルフェニル
−ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイ
ミド ETM−7:下記式(17)
【化24】 の3,3’−ジメチル−5,5’−ジ−t−ブチルジフ
ェノ−4,4’−キノン ETM−8:下記式(18)
【化25】 の3,5−ジメチル−3’,5’−ジ−t−ブチルジフ
ェノ−4,4’−キノン
【0056】正孔輸送剤 HTM−1:下記式(19)
【化26】 のN,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−3,3’
−ジメチルベンジジン、 HTM−2:下記式(20)
【化27】 のN,N,N’,N’−テトラ−m−トリル−メタフェ
ニレンジアミン、 HTM−3:下記式(21)
【化28】 のN,N’−ジ−p−トリル−N,N’−ジ(p−イソ
プロピルフェニル)フェナントリレン−9,10−ジア
ミン、 HTM−4:下記式(22)
【化29】 のN,N,N’,N’−テトラ−m−トリル−ナフチレ
ン−2,3−ジアミン、 HTM−5:下記式(23)
【化30】 の1,4−ビス[p−(N−フェニル−N−2−メチル
−5−エチルフェニル)アミノスチリル]ベンゼン、
【0057】[実施例1乃至18及び比較例1乃至7] [試料作製] <感光体>表1に示した電荷発生剤、電子輸送剤及び正
孔輸送剤を表1に示した重量部、結着性樹脂としてポリ
カーボネートを100重量部及び、溶媒として800重
量部のテトラヒドロフランをボールミルで50時間分散
して感光層用塗布液を調製し、この調製液をアルミニウ
ム素管上に塗布した後、100℃で60分間熱風乾燥す
ることにより、負帯電単層型感光体を得た。
【0058】[評価] <光感度>ドラム感度試験機を用いて、各実施例及び、
比較例で得られた感光体に電圧を印加して−700Vに
帯電させ、バンドパスフィルターにより780nmに単
色化した光を所定の時間照射し、その時の電位減衰を観
測することにより電子写真特性を測定した。 光源 :ハロゲンランプ 光強度 :25μW/cm2(780nm) 露光後電位計測 :露光開始後330msec後 その結果を表1に示した。尚、表中VL は露光開始後3
30msec後の感光体の表面電位を、E1/2 は半減露
光量(700Vの帯電電位が350Vに半減するのに必
要な露光量)を表す。VL の絶対値が小さい程感光体の
感度は良いという評価になり、またE1/2 が小さいほど
光応答性が良いことを意味している。
【0059】<透過率>電子写真特性を測定した各感光
体の感光層をアルミニウム素管から剥離し、これを石英
板に貼り付けて、日立製作所 自記分光光度計U−32
10により780nmの光の透過率を測定した。その結
果を表1に示した。
【0060】
【表1】
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、少なくとも電荷発生顔
料、電子輸送剤及び正孔輸送剤を結着樹脂中に分散させ
た感光層を導電性支持体上に設けてなる負帯電単層型電
子写真感光体において、感光層について電荷発生顔料の
主吸収波長の光線で測定した透過率が10乃至50%の
範囲に設定することにより、従来技術の欠点を解消し、
高感度でしかも光応答性に優れた負帯電単層型電子写真
感光体を提供することが可能となった。更に、この感光
体は繰り返し時の感度や帯電性等の安定性にも優れてい
るという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】感光層についての表面からの厚さ(深さ)と透
過率との関係を示すグラフである。
【図2】本発明の感光体について動作をも同時に示す断
面図である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも電荷発生顔料、電子輸送剤及
    び正孔輸送剤を結着樹脂中に分散させた感光層を導電性
    支持体上に設けてなる単層型電子写真感光体において、
    感光層について電荷発生顔料の主吸収波長の光線で測定
    した透過率が10乃至50%の範囲にあることを特徴と
    する負帯電単層型電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記感光層の膜厚が10乃至30μmで
    ある請求項1に記載の負帯電単層型電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記電子輸送剤と正孔輸送剤の重量比が
    2:3以上で且つ3:2未満であることを特徴とする請
    求項1または2に記載の負帯電単層型電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記電子輸送剤が下記式(1) 【化1】 式中、m及びnはゼロを含む6以下の整数であって、互
    いに同一でも異なっていてもよく、 R1 は水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはハロ
    ゲン原子であり、 R2 及びR3 の各々は、置換または未置換のアルキル
    基、アリール基、 アルコキシ基またはアミノ基であって、互いに同一でも
    異なっていてもよい、で表されるナフタレンテトラカル
    ボン酸ジイミド誘導体であることを特徴とする請求項1
    乃至3の何れかに記載の負帯電単層型電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記電子輸送剤が下記式(2) 【化2】 式中、R4 、R5 、R6 及びR7 の各々は、アルキル
    基、アルコキシ基または置換或いは未置換のアリール基
    であって、これらは互いに同一であっても、或いは異な
    っていてもよい、で表されるジフェノキノン誘導体であ
    ることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の負
    帯電単層型電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 前記正孔輸送剤が下記式(3) 【化3】 式中、a、b及びcの各々はゼロを含む2以下の整数で
    あって、互いに同一でも異なっていてもよく、 R8 、R9 及びR10の各々は水素原子、アルキル基また
    はアリール基であって、互いに同一でも異なっていても
    よい、で表されるベンジジン誘導体であることを特徴と
    する請求項1乃至5の何れかに記載の負帯電単層型電子
    写真感光体。
  7. 【請求項7】 前記正孔輸送剤が下記式(4) 【化4】 式中、d及びeの各々はゼロを含む2以下の整数であっ
    て、互いに同一でも異なっていてもよく、 R11、R12及びR13の各々は水素原子、アルキル基また
    はアリール基であって、互いに同一でも異なっていても
    よい、で表されるフェニレンジアミン誘導体であること
    を特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の負帯電単
    層型電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 前記正孔輸送剤が下記式(5) 【化5】 式中、p及びqの各々はゼロを含む2以下の整数であっ
    て、互いに同一でも異なっていてもよく、 R14及びR15の各々は、アルキル基、アリール基または
    アラールキル基であって、互いに同一でも異なっていて
    もよい、で表されるフェナントリレンジアミン誘導体で
    あることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の
    負帯電単層型電子写真感光体。
  9. 【請求項9】 前記正孔輸送剤が下記式(6) 【化6】 式中、r及びsの各々はゼロを含む2以下の整数であっ
    て、互いに同一でも異なっていてもよく、 R16及びR17の各々は、アルキル基、アリール基または
    アラールキル基であって、互いに同一でも異なっていて
    もよい、で表されるナフチレンジアミン誘導体であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の負帯電
    単層型電子写真感光体。
  10. 【請求項10】 前記電子輸送剤が下記式(7) 【化7】 式中、t、u及びwの各々はゼロを含む2以下の整数で
    あって、互いに同一でも異なっていてもよく、 R18、R19及びR20の各々は、アルキル基、アリール基
    またはアラールキル基であって、互いに同一でも異なっ
    ていてもよい、で表されるスチルベン誘導体であること
    を特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の負帯電単
    層型電子写真感光体。
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