JP2000017039A - 生分解性を有する発泡性樹脂組成物 - Google Patents

生分解性を有する発泡性樹脂組成物

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JP2000017039A JP10183907A JP18390798A JP2000017039A JP 2000017039 A JP2000017039 A JP 2000017039A JP 10183907 A JP10183907 A JP 10183907A JP 18390798 A JP18390798 A JP 18390798A JP 2000017039 A JP2000017039 A JP 2000017039A
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真弘 山
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寛 内藤
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Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】生分解性を有しながら生産性に優れる発泡性樹
脂組成物を提供する。 【解決手段】L体とD体のモル比が95/5〜60/4
0、又は40/60〜5/95で溶融粘度がメルトイン
デックス値(MI)で1〜10の範囲にある直鎖状ポリ
乳酸にイソシアネート基≧2.3当量/モルのポリイソ
シアネート化合物を該ポリ乳酸に対して0.7〜5重量
%配合し、反応させた樹脂組成物の溶融粘度がメルトイ
ンデックス値で3以下であることを特徴とする直鎖状ポ
リ乳酸樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性を有し、
乳酸を主たる原料とする包装材料として用いられる発泡
成形体用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】軽量性、緩衝性、成形加工性を生かした
プラスチック発泡体が包装、梱包材として多量に用いら
れており、その素材はポリスチレン(PS)、ポリオレ
フィンといった石油を原料とする化学製品で、使用後の
処分が困難で、焼却すれば燃焼カロリーが高く焼却炉を
いため、また埋め立てても分解しないうえに容積が大き
いために処分場のスペースを占有してしまうといった大
きな社会問題となっている。
【0003】また、処分されずに投棄された発泡体が及
ぼす、河川、海洋等の汚染など自然態系への影響も無視
できなくなっている。そこで生態系の中で分解し地球環
境への影響が少ない生分解性樹脂が開発された。例え
ば、微生物の体内で合成されるポリヒドロキシブチレー
ト系樹脂、脂肪族グリコールと脂肪族カルボン酸からな
るポリエステルまたはカプロラクトンを主成分とするポ
リエステル系樹脂等が提案されているが、前者は、微生
物が作り出すため純度が悪いうえ極めて生産性が悪く利
用が制限される。
【0004】そして後者は、原料が石油、天然ガスとい
った安価で多量に入手できるものであるから生産性は良
好であるが、結晶性樹脂である上にガラス転移点が低い
ため生分解性発泡樹脂としては実用性に乏しいと共に原
料を石油、天然ガスに依存しているため、分解すると地
球上に存在する炭酸ガス系に新たに炭酸ガスが加算され
炭酸ガスの抑制効果に寄与しない。また、長期的に見た
場合、原料ソースが有限であるため、やがて入手困難と
なり、真の意味での地球環境保全に資し得ない。
【0005】更に、生分解性の素材としてグリコール酸
や乳酸などもグリコリドやラクチドの開環重合によりポ
リマーが得られ、縫合糸等医療用の繊維として利用され
ているが、繊維形成要件として樹脂に結晶性を持たせて
いるため、そのままでは発泡成形体として包装材料用途
に大量に使用されるには至っていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生分解性を
有しながら生産性に優れる発泡性樹脂組成物、即ち、微
生物等による分解が可能で、使用後処分するに際しても
地球環境への負荷が少なく、高い生産性を有し、実用に
耐えうる発泡性樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明者等は、高い発泡性を有する生分解性樹脂と
しての必要不可欠な条件、即ちベースポリマー、高分子
量化するため、あるいは発泡させるための添加剤の種
類、量、添加条件等について、詳細に亘り鋭意検討を重
ねた結果、実用上十分な生産性を有する生分解性発泡樹
脂組成物を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち本発明は、L体とD体のモル比が95
/5〜60/40、又は40/60〜5/95で溶融粘
度がメルトインデックス値(MI)で1〜10の範囲に
ある直鎖状ポリ乳酸にイソシアネート基≧2.3当量/
モルのポリイソシアネート化合物を該ポリ乳酸に対して
0.7〜5重量%配合し、反応させた樹脂組成物の溶融
粘度がメルトインデックス値で3以下であることを特徴
とする直鎖状ポリ乳酸樹脂組成物である。
【0009】
【発明の実施の形態】まず、基本条件の一つであるベー
スポリマーは、生分解性を有し、自然界の炭酸ガス増加
を最小限に抑制し、且つ、実用に耐えうる生産性、コス
トを考慮すると、とうもろこし等穀物の澱粉をスタート
物質とする乳酸を原料とするポリ乳酸系樹脂が好まし
い。しかし、通常繊維用として使用されるものは結晶性
が必要であることより、光学異性体のL体がほぼ100
%のものを使用している。これに対し発泡体を形成する
ためには少なくとも結晶性はできる限り小さくする必要
がある。その理由は、結晶性樹脂は発泡剤を含浸する工
程で結晶化が進行し、発泡性を阻害するからである。
【0010】従って、本発明で言う直鎖状ポリ乳酸と
は、実質的に非晶性の直鎖状ポリ乳酸樹脂であり、L体
とD体のモル比が95/5〜60/40、又は40/6
0〜5/95の範囲の乳酸を用いる。L体とD体のモル
比が95/5を越えるもの、或いは5/95未満のもの
は結晶性が高く、発泡倍率が上がらなかったり、発泡が
不均一になり使用できない。好ましくはL体とD体のモ
ル比が90/10〜70/30、又は30/70〜10
/90の範囲の乳酸を用いる。
【0011】一方、発泡成形体の中でもビーズ発泡用に
使用される樹脂は、貯蔵中に予め含浸させた発泡剤の揮
散を抑制することが必要であり、ガラス転移点の高いも
のとが好ましく用いられる。ポリ乳酸は上記の範囲のL
体/D体共重合物であるかぎりガラス転移点は50℃以
上で、他の生分解性樹脂に比して際立って高いので極め
て好都合である。乳酸以外のヒドロキシ酸または脂肪族
グリコールと脂肪族ジカルボン酸との共重合物はガラス
転移点が低下するので好ましくない。勿論、押し出し発
泡シートの製造に於いても発泡剤の揮散を減少させ良好
な発泡シートとするためにはガラス転移点が高い方が有
利である。
【0012】また、本発明に使用するポリ乳酸は直鎖状
であることが必要である。一般に、高い溶融粘度を有す
るポリマーを得るには直鎖状よりも分岐状ポリマーの方
が好ましいが、本発明に関しては当てはまらない。その
理由は、後述するようにポリイソシアネート化合物を使
用して分岐状ポリマーから更に溶融粘度を高くすると、
分岐密度が過大となり、発泡性が低下するからである。
【0013】ポリ乳酸樹脂を使用した生分解を有する発
泡性樹脂組成物については、既に本発明者等は発明提案
(特願平9−314479)している。しかし、本発明
者等は更に詳細に検討した結果、優れた発泡性を有する
樹脂組成物が得られることを見出し本発明に到達したも
のである。
【0014】本発明者等は使用するポリ乳酸の溶融粘度
(分子量)が発泡性に決定的ともいえる影響を与えるこ
とを見出した。通常、ポリ乳酸として得られる樹脂の溶
融粘度はメルトインデックス値で10〜30の範囲であ
るが、これよりも更に高粘度化したポリ乳酸を使用して
得た樹脂組成物は優れた発泡性を示した。即ち、メルト
インデックス値(MI)が1〜10の溶融粘度を有する
ポリ乳酸樹脂を使用することが必要であり、好ましくは
1〜5のポリ乳酸樹脂を使用することである。
【0015】その理由は明らかでないが、以下に述べる
ポリイソシアネート化合物と反応させて同程度の粘度を
有する樹脂を得たとき、低溶融粘度(低分子量)樹脂と
高溶融粘度(高分子量)樹脂ではポリマーとポリイソシ
アネート化合物との反応(分岐)密度が異なり、低溶融
粘度(低分子量)樹脂のほうが反応(分岐)密度が高く
なって架橋構造を取り、発泡を阻害すると推定される。
【0016】メルトインデックス値が1未満の直鎖状ポ
リ乳酸は、通常用いられる後述の方法では製造すること
は困難であり、一方、10を越える溶融粘度を有する直
鎖状ポリ乳酸から得られるポリ乳酸樹脂組成物は発泡倍
率の低い発泡体しか得られない。
【0017】高溶融粘度(高分子量)のポリ乳酸を得る
手段として、通常の反応釜での高真空下、攪拌効率の良
好な状態での溶融重合、二軸混練反応機による溶融重
合、高真空下での薄膜重合法、溶融重合と固相重合の組
み合わせにより高溶融粘度(高分子量)を得ることは可
能であるが、高粘度であるため反応サイクル低下による
生産性の低下、樹脂の熱分解による品質低下に十分注意
することが必要である。これらの方法により溶融粘度が
メルトインデックス値(MI)で1〜10の範囲のポリ
乳酸を得ることができる。
【0018】しかし、本発明によるポリ乳酸に発泡剤を
含浸、発泡させても発泡倍率は低く実用に耐えるもので
はない。高発泡倍率の樹脂を得るには更に高溶融粘度
(高分子量)化が必要であり、溶融重合のみでは限界が
ある。
【0019】本発明者等は鋭意検討の結果、イソシアネ
ート基≧2.3当量/モルのポリイソシアネート化合物
を該ポリ乳酸に対して0.7〜5重量%、好ましくは1
〜3重量%をポリ乳酸と溶融状態で混合、反応させるこ
とにより溶融粘度がメルトインデックス値(MI)で3
以下の範囲の高分子量ポリ乳酸樹脂組成物を得ることが
出来た。ポリイソシアネート化合物が0.7重量%未満
ではポリ乳酸樹脂組成物の溶融粘度があまり上昇せず、
また5重量%を越えると未反応のポリイソシアネート化
合物が残留したり、分岐密度が大になる上に架橋反応も
進行しゲル化物が多量に生成して発泡性を逆に低下させ
る。
【0020】また、ポリイソシアネート化合物のイソシ
アネート官能基数は2.3当量/モル以上、好ましくは
2.7当量/モル以上である。ポリイソシアネート化合
物のイソシアネート官能基数をなるべく多くし、分岐点
の数を増やさないで超高粘度化することが好ましい。
【0021】ポリ乳酸とポリイソシアネート化合物を溶
融状態で混合、反応させ高分子量化させる方法は通常の
公知の方法が可能である。例えば、ペレット化したポリ
乳酸にポリイソシアネート化合物を添加混合し単軸また
は二軸混練機等で溶融混合する方法、予めポリ乳酸を単
軸または二軸混練機等で溶融した後ポリイソシアネート
化合物を添加する方法、単軸または二軸混練機等で溶融
重合によりポリ乳酸を製造し又は製造中にポリイソシア
ネート化合物を添加する方法等により目的物であるポリ
乳酸樹脂組成物を得ることができる。
【0022】ポリ乳酸を更に高分子量化させる添加剤と
してはイソシアネートの他に、酸無水物、酸塩化物、カ
ーボネート、エポキシ等種々の化合物があり、それぞれ
効果は示すもののポリイソシアネート化合物が顕著であ
り、それ以外の化合物は添加しても高分子量化が十分で
なく発泡性も不十分である。ポリイソシアネート化合物
はポリ乳酸との反応による高分子量化とともにポリイソ
シアネート化合物同志がアロハネート結合により更に高
分子量化するが、該結合は再溶融時解離して、可塑剤と
して作用するので樹脂組成物の溶融流動性が良くなり極
めて好都合である。樹脂組成物が冷却固化するとアロハ
ネート結合は再び形成され高粘度化する。
【0023】使用されるポリイソシアネート化合物とし
ては、芳香族、脂環族、脂肪族系のポリイソシアネート
があり、例えば、芳香族ポリイソシアネートとしてはト
リレン、ジフェニルメタン、ナフチレン、トリジン、キ
シレン、トリフェニルメタンを骨格とするポリイソシア
ネート化合物、脂環族ポリイソシアネートとしてはイソ
ホロン、水素化ジフェニルメタンを骨格とするポリイソ
シアネート化合物、脂肪族ポリイソシアネートとしては
ヘキサメチレン、リジンを骨格とするポリイソシアネー
ト化合物があり、いずれも使用可能であるが、汎用性、
取扱い性、耐候性等からトリレン、ジフェニルメタン、
特にジフェニルメタンのポリイソシアネートが好ましく
使用される。
【0024】一方、均一で微細な発泡セルを形成させる
ためには発泡核剤を配合することが好ましい。用いる発
泡核剤としては、固体状の粒子状物、例えば、タルク、
シリカ、カオリン、ゼオライト、マイカ、アルミナ等の
無機粒子、炭酸又は重炭酸塩、カルボン酸のアルカリ金
属塩等の塩が好適に用いられる。この中でもタルクは本
発明の樹脂組成物に対して特に好ましく用いられる。
【0025】核剤は、通常粒子径0.5〜30μm程度
のものが樹脂に対する分散状態が良く、安定した気泡が
得られるので好ましい。添加する量は樹脂組成物に対し
て通常0.1重量%以上用いるのが好ましく、多くても
30重量%までに留めておくのが良い。更に好ましくは
0.5〜5重量%である。0.1重量%未満では気泡に
大小が出来、不均一な発泡体となってしまう恐れがあ
る。一方、添加量が30重量%を越えると、発泡効果に
限度がある上に、機械物性の低下、比重の増大による重
量増のため軽量であることの利点が損なわれてしまう。
【0026】また、その他添加剤についても、目的に応
じ、適宜添加することができ、例えば、熱安定剤、酸化
防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、可塑剤等がある。但
し、難燃剤は塩素、臭素等のハロゲン化物であることが
多く、生分解や焼却処分時の有害物質発生という観点か
ら最少限に留めておくのが良い。
【0027】こうして得られた樹脂組成物はペレットま
たはビーズとした後、発泡剤及び発泡助剤を含浸させ
る。含浸された粒子は通常加熱により第1次の発泡(予
備発泡)で発泡倍率が30〜50倍の発泡粒子とし、次
いでこれらを金型に充填し更び加熱して2次発泡させ、
所望の成形体を成形する。
【0028】発泡剤及び発泡助剤を含浸させるペレット
またはビーズは成形体の大きさ、形状等に応じて適宜選
択することができるが、発泡ポリスチレンの場合は通
常、直径0.5〜2mmの大きさのものが用いられる。
精密な成形体の場合は直径0.5〜1mmの粒子が一般
的である。
【0029】ここで用いる発泡剤及び発泡助剤として
は、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタ
ン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、ヘ
キサン等の炭化水素類、塩化メチル、塩化メチレン、ジ
クロロジフルオロメタン等のハロゲン化炭化水素類、ジ
メチルエーテル、メチルエチルエーテル等のエーテル類
等が発泡剤として、また、炭素数1〜4のアルコール、
ケトン類、エーテル、ベンゼン、トルエン等が発泡助剤
として用いられる。
【0030】発泡剤と発泡助剤との組み合わせは、使用
する樹脂により適宜選択する必要があるが、本発明のポ
リ乳酸樹脂組成物の場合、発泡剤としてブタン、ペンタ
ンまたはそれら混合物が好ましく用いられる。また、こ
れと組み合わせる発泡助剤としては炭素数1〜4の一価
のアルコールが好適である。その他の組み合わせも種々
あり、目的や経済性に鑑みて選択することができる。
【0031】発泡剤と発泡助剤の使用比率は(体積
比)、発泡剤/発泡助剤=1/2〜10/1が可能であ
るが、発泡剤と発泡助剤との組み合わせによってこの比
率は変わり、1/1〜5/1が一般的である。発泡剤及
び発泡助剤の含浸量は目的とする発泡倍率、ペレット又
はビーズの保存期間によって異なるが、発泡剤として5
〜15重量%であることが多い。一般に、低発泡品は含
浸量を低く、高発泡品は含浸量を高くすれば良い。
【0032】発泡剤及び発泡助剤を含浸させたペレット
又はビーズは、予備発泡させた後、所望の金型に入れ、
更に加熱して発泡を進め、発泡ペレット又はビーズ同志
を融着させて強固な成形体を成形する。成形方法はポリ
スチレン(PS)発泡体のそれと基本的には同一であ
る。即ち、予備発泡、発泡成形共に熱容量の大きい水蒸
気が好ましく用いられる。熱風による発泡も可能ではあ
るが、熱容量が小さいため発泡効率は良くない。特に、
高発泡品には不適である。
【0033】
【実施例】以下に実施例及び比較例により、本発明を更
に具体的に説明する。なお、評価は下記の方法で行なっ
た。
【0034】(評価方法) (1)MI:ポリ乳酸…JIS K 7210に準拠し
た方法で測定。測定条件;測定温度190℃、オリフィ
ス径2mm、荷重2.16kgf。 ポリ乳酸樹脂組成物…JIS K 7210に準拠した
方法で測定。測定条件;測定温度190℃、オリフィス
径2mm、荷重21.6kgf。
【0035】(2)発泡倍率(倍):メスシリンダーを
用いて、発泡前の発泡剤含浸ペレット又はビーズの体積
及び予備発泡粒子の体積を測定し、次式により発泡倍率
(倍)を算出した。 発泡倍率(倍)=予備発泡粒子の体積/発泡前の発泡剤
含浸ペレットの体積
【0036】(3)生分解性:予備発泡粒子をコンポス
トに1カ月間入れ、外観状態で次のように評価した。 ◎:原形をとどめない状態まで分解 ○:元の状態はとどめているがぼろぼろに分解 △:変化は認められるが変化はわずか ×:全く変化なし
【0037】(4)耐熱性:上記予備発泡粒子から発泡
体を成形し、該発泡成形体より100×100×30m
mの試験片を切り出し、60℃でオーブン中2時間処理
したときの寸法変化で評価した。 ◎:全く変化なし ○:1%以下の変化 △:1〜5%の変化 ×:5%以上の変化
【0038】(5)圧縮応力比:上記発泡体より30×
30×30mmの試験片を切り出し、圧縮速度10mm
/分で測定し、50%圧縮時における応力をポリスチレ
ン(PS)のそれとの比で評価した。
【0039】製造例 直鎖状ポリ乳酸:市販のL−ラクチド、D−ラクチドを
ぞれぞれ酢酸エチルを用いて再結晶して精製した。精製
したL−ラクチド、D−ラクチド及び触媒としてオクチ
ル酸スズを所定量攪拌付オートクレーブに仕込み、減圧
脱気した後窒素ガス雰囲気下で所定温度、所定時間重合
反応を行い表1のポリマーを得た。 分岐状ポリ乳酸:特開平06−287347号公報に記
載の乳酸の重合法に準じて分岐状ポリ乳酸を製造した。
即ち、L−乳酸、D−乳酸、及びL,D−両乳酸水溶液
に対してそれぞれ0.05モル%のペンタエリスリトー
ル、ピロメリット酸を添加し、170℃/50mmH
g、2時間エステル化反応を行いオリゴマーを得た後、
高分子量化するための重合触媒(錫粉末),共沸溶媒
(ジフェニルエーテル)を添加し170℃/50mmH
g、50時間、生成する水を除去しながら共沸溶媒を環
流して重合を進め表2のポリマーを得た。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】実施例1〜10、比較例1〜6 P1〜16のポリ乳酸にイソシアネート基2.7〜2.
8当量/モルのイソシアネート化合物(「ミリオネート
MR−200」日本ポリウレタン工業(株)製)1.0
重量%、タルク(「LMP100」富士タルク工業
(株)製)1.0重量%を表3の組成になるように二軸
混練機(PCM30、池貝鉄工(株)製)でシリンダー
温度180℃で混練し、それぞれの樹脂組成物を得た。
【0043】これら樹脂組成物のMIを測定後、回転式
の反応容器に樹脂組成物2000部、発泡剤としてイソ
ペンタン1200部、メタノール240部を仕込み、密
封した後、反応容器の回転数10回/分、昇温速度20
℃/時間の割合で昇温し、70℃に1時間保持した。そ
の後、室温まで冷却し発泡剤含浸樹脂組成物を取りだ
し、風乾後、重量を測定し、含浸率を求めた。次いで得
られた該樹脂組成物を水蒸気(92℃、1分)で予備発
泡させ、発泡倍率および生分解性を測定、評価した。
【0044】さらに、予備発泡粒子を1日熟成後、発泡
成形機にて水蒸気圧0.5kg/cm2、加熱時間30
秒の条件にて300×300×30mmの発泡成形体を
得、これら発泡成形体より試験片を切り出し、耐熱性及
び圧縮応力を評価した。各々の評価の対照として市販の
発泡ポリスチレン「リューパール55KSY−317
1」(大日本インキ工業(株)製)を用いた。評価を表
3、表4に示した。
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】評価結果 L体とD体のモル比との関係において、本願発明の範囲
のものは良好な物性を示した。 一方、L/D比が90
/10、70/30と良好な範囲にあり、ポリ乳酸のM
Iが10以下で、且つ樹脂組成物のMIが5以下と発泡
性に対して好ましい条件を具備しているにも拘らず、分
岐したポリ乳酸から形成される樹脂組成物の発泡倍率が
低く不良であった。
【0048】実施例11〜21、比較例7〜10 P4のポリ乳酸にイソシアネート基が平均1.8当量/
モル、平均2.0当量/モル(「ミリオネートMT」日
本ポリウレタン工業(株)製)、平均2.3当量/モル
(「ミリオネートMT」/「ミリオネートMR−20
0」日本ポリウレタン工業(株)製)、平均2.7〜
2.8当量/モル(「ミリオネートMR−200」日本
ポリウレタン工業(株)製)、平均3.0当量/モル
(「PAPI20J」三菱化学(株)製)を所定量及び
タルク(「LMP100」富士タルク工業(株)製)
1.0重量%を表4に示す組成になるように二軸混練機
(PCM30、池貝鉄工(株)製)でシリンダー温度1
80℃で混練し、それぞれの樹脂組成物を得た。以下、
発泡剤の含浸、発泡テスト及び評価は実施例1〜10、
比較例1〜6と同様に行った。結果を表5、表6に示し
た。
【0049】
【表5】
【0050】
【表6】
【0051】
【発明の効果】以上、本発明の樹脂組成物は発泡性、耐
熱性、機械物物性は従来から用いられてきたポリスチレ
ン(PS)に匹敵するものが得られ、さらには生分解性
が著しく優れており、地球環境保全に資する樹脂であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内藤 寛 山口県山口市大字吉敷2265−5 (72)発明者 中江 綱大 山口県防府市大字大崎276−516 Fターム(参考) 4J029 AA02 AB07 AC01 AD01 AD07 AD10 EA05 JC152 KD07 KE05 KE12 KH01 KH08 4J034 DA01 DB03 DB07 DF24 HA01 HA07 HB12 HC03 HC09 HC12 HC13 HC17 HC22 HC46 HC52 HC61 HC64 HC65 HC67 HC71 HC73 NA01 NA02 NA06 QA05 QB19 RA06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 L体とD体のモル比が95/5〜60/
    40、又は40/60〜5/95で溶融粘度がメルトイ
    ンデックス値で1〜10の範囲にある直鎖状ポリ乳酸に
    イソシアネート基≧2.3当量/モルのポリイソシアネ
    ート化合物を該ポリ乳酸に対して0.7〜5重量%配合
    し、且つ、反応させた樹脂組成物の溶融粘度がメルトイ
    ンデックス値(MI)で3以下であることを特徴とする
    生分解性を有する発泡性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 L体とD体のモル比が90/10〜70
    /30、又は30/70〜10/90である請求項1に
    記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 直鎖状ポリ乳酸のMIが1〜5である請
    求項1に記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 イソシアネート化合物がイソシアネート
    基≧2.7当量/モルである請求項1に記載の樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 イソシアネート化合物の配合量が1〜3
    重量%である請求項1に記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 MIが0.5以下である請求項1に記載
    の樹脂組成物。
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