JP2000014374A - 液状加工食品 - Google Patents

液状加工食品

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JP2000014374A
JP2000014374A JP10188494A JP18849498A JP2000014374A JP 2000014374 A JP2000014374 A JP 2000014374A JP 10188494 A JP10188494 A JP 10188494A JP 18849498 A JP18849498 A JP 18849498A JP 2000014374 A JP2000014374 A JP 2000014374A
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layer
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packaging
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Toru Ikeda
徹 池田
Yoshihiro Kobayashi
義浩 小林
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Ajinomoto Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】液状食品を加熱・密封包装(熱充填食品の場
合)あるいは充填後加熱(調理)殺菌処理(レトルト食
品などの場合)中に、内容物が酸化されて内容物の香気
成分が加熱時に変質することを防止すると同時に、常温
で長期間にわたり内容物が変質せずに保たれることが可
能な液状加工食品を提供すること。 【解決手段】包装構成の一部が、外側から、酸素バリア
性外層、脱酸素層およびポリオレフィン層の順である積
層体を最少の構成要素としてなるフィルム状又はシート
状酸素吸収性積層材料であり、そしてその他の包装構成
部分が酸素バリア性の材料からなる包装材料の中に液状
食品を加熱後に密封包装するか、又は包装し密封後に加
熱殺菌することを特徴とする液状加工食品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液状加工食品に関す
る。さらに詳しくは、液状食品を加熱後に密封包装する
(酒、ジュース、清涼飲料水などの熱充填食品の場合)
かあるいは包装し密封後に加熱殺菌する(スープなどの
レトルト食品などの場合)間に、内容物に含まれる酸素
をほぼ完全に吸収し、内容物の香気成分が加熱時に変質
することを防止すると同時に、常温で長期間にわたり内
容物を無酸素状態に保持することによって内容物が変質
せずに保たれることが可能な液状加工食品に関する。
【0002】
【従来の技術】液状加工食品は、長期間保存中の内容物
の変質を防ぐ目的で、清浄な容器中に加熱しつつ充填・
密封する無菌充填法、あるいは容器中に内容物を充填し
た後に加熱・調理・殺菌処理を行う加熱殺菌法やレトル
ト処理法等の方法が広く用いられている。
【0003】しかし、これらの方法は、高温加熱では内
容物の香気成分が変質し、一方、低温で加熱すると内容
物を変質せずに常温で長期間にわたり保持することがで
きなかった。そこで、加熱処理中に内容物の香気成分が
変質することなく、常温で長期間にわたり内容物が変質
せずに保たれるような充填・包装方法が求められてい
る。
【0004】食品の香気成分は、低分子量で官能基を比
較的多く含む化合物からなる場合が多く、食品中に含ま
れる酸素ガスと反応してその一部分が消失して香気成分
のバランスを失うことにより香気が変質することがあ
る。また、食品成分の一部が酸素ガスと反応して不快な
においを有する化合物を生じることが知られている。こ
れら酸素ガスとの反応は加熱温度に依存し、高温で処理
するほど香気成分、延いては香気の変質が著しくなるこ
とが予想される。
【0005】一方、食品の長期保存を目的として品質劣
化の最大要因の一つである微生物の繁殖を防止する目的
で加熱殺菌処理が行われているが、効果的な殺菌のため
にはレトルト処理のような高温殺菌が必要となり、食品
の香気(成分)の変質は避けがたい状況にある。
【0006】加熱殺菌処理を用いることなく酸素ガスが
増殖に必要な好気性細菌の増殖を防止する目的で、脱酸
素剤を加工食品包装中に同封する方法が提案されてお
り、特公昭54−438、特公昭54−441、特公昭
54−476などの鉄系脱酸素剤小袋が実用化されてい
る。しかしながら、これらの脱酸素剤小袋は通気性の小
孔を有しており、液状加工食品への同封は食品を脱酸素
剤成分で汚染する、あるいは同封した脱酸素剤小袋を誤
って食べる等の恐れが大きく使用に問題がある。また、
単なる脱酸素処理は好気性細菌の増殖のみを防止するも
のであり、嫌気性細菌等による食品の腐敗防止には効果
がなく、長期間保存には適していない。
【0007】また、特開平2−72851および特開平
2−86758に鉄系脱酸素剤を熱可塑性樹脂に分散し
たフィルム又はシート状の脱酸素剤組成物が提案されて
いるが、液状加工食品を包装する材料としては液状食品
との接触により脱酸素剤成分の溶出の恐れがあり、実用
的な包装材料とは言えない。
【0008】また、例えば、特公昭61−32348、
特公昭62−1824および特公平6−57319のよ
うに鉄系脱酸素剤を熱可塑性樹脂に分散したフィルム又
はシート状の酸素吸収性の包装材料が提案されている
が、その酸素吸収性能が必ずしも充分でないことによ
り、未だに有用な利用方法が見いだされていない。
【0009】上述のように、液状食品包装用フィルム又
はシート状材料として酸素を吸収することにより該食品
の加熱中に食品の香気(成分)の変質を防止し、あるい
は該食品の長期保存を可能とする包装材料がなく、食品
を加熱・密封包装あるいは充填後加熱殺菌処理中に、内
容物に含まれる酸素をほぼ完全に吸収し、内容物の香気
(成分)が加熱時に変質することを防止すると同時に、
常温で長期間にわたり内容物を無酸素状態に保持するこ
とによって内容物が変質せずに保たれる液状加工食品が
ないのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、液状食品を加熱・密封包装(熱充填食品の
場合)あるいは充填後加熱(調理)殺菌処理(レトルト
食品などの場合)中に、内容物が酸化されて内容物の香
気成分が加熱時に変質することを防止すると同時に、常
温で長期間にわたり内容物が変質せずに保たれることが
可能な液状加工食品を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこの課題を
解決すべく鋭意検討を行った結果、包装構成の一部が、
外側から、酸素バリア層、脱酸素層およびポリオレフィ
ン層の順である積層体を最少の構成要素としてなるフィ
ルム状又はシート状酸素吸収性積層材料であり、そして
その他の包装構成部分が酸素バリア性の材料からなる包
装材料が、食品を加熱・密封包装あるいは充填後加熱
(調理)殺菌処理中に、内容物に含まれる酸素をほぼ完
全に吸収しうる包装材料であること、延いては、該包装
材料で加熱後に密封包装するか又は充填後加熱処理して
作成した液状加工食品は内容物の香気(成分)が加熱時
に変質することなく、常温で長期間にわたり内容物が変
質せずに保たれる液状加工食品であることを見いだして
本発明を完成した。
【0012】すなわち、本発明は、包装構成の一部が、
外側から、酸素バリア性外層、脱酸素層およびポリオレ
フィン層の順である積層体を最少の構成要素としてなる
フィルム状又はシート状酸素吸収性積層材料であり、そ
してその他の包装構成部分が酸素バリア性の材料からな
る包装材料の中に液状食品を加熱後に密封包装するか、
又は包装し密封後に加熱殺菌することを特徴とする液状
加工食品に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0014】本発明の対象とする液状(加工)食品は、
飲料を含み、スープ等の液状食品はもとより、清涼飲料
水、ジュースなどのソフトドリンク、日本酒、醸造アル
コール飲料類、リキュール類などのアルコール飲料等を
言う。
【0015】本発明におけるフィルム状又はシート状酸
素吸収性積層材料は、外側から、酸素バリア性外層、脱
酸素層およびポリオレフィン層よりなる積層体を最少の
構成要素としてなるフィルム状又はシート状積層材料で
ある。該脱酸素層は、塩化ナトリウムや塩化カルシウム
を被覆した微細な鉄粉を分散した例えばポリオレフィン
樹脂層である。鉄粉の被覆剤としては、塩化カルシウム
が塩化ナトリウムに優れる(後述)。なお、一般に、フ
ィルムは250μm未満の厚さであり、シートはそれ以
上の厚さのものを差すことは、周知の通りである。
【0016】本発明におけるフィルム状又はシート状酸
素吸収性積層材料の酸素バリア性外層については特には
制限がないが、アルミニウム等の金属箔あるいは金属蒸
着膜、アルミナ、シリカ等の金属酸化物蒸着膜をバリア
材として積層した材料が好適に用いられる。該酸素バリ
ア性外層は、ポリエチレンテレフタレート等の耐熱性樹
脂層を最外層としたものが好ましい。
【0017】本発明におけるフィルム状又はシート状酸
素吸収性積層材料の脱酸素層は、好ましくは塩化カルシ
ウムを被覆した微細な鉄粉を分散したポリオレフィン樹
脂層が用いられる。鉄粉の粒径は、特には制限がない
が、平均粒径が7〜20μ、そして見かけ密度が2.3
g/ml以上のものが好ましく用いられる。鉄粉は、還
元鉄粉、噴霧鉄粉等の鉄粉の他、鋳鉄、鋼鉄屑、研削鉄
屑などの粉砕物が用いられる。
【0018】本発明における該鉄粉の酸化促進の目的
で、好ましくは塩化カルシウムで鉄粉を被覆して用いら
れる。塩化カルシウムは、熱可塑性樹脂に分散した脱酸
素層において鉄粉と共に一般的に用いられる塩化ナトリ
ウムと比較すると酸素吸収速度を促進する性質がはるか
に強い金属塩であり、乾式ミリング法を用いて鉄粉と共
に粉砕しつつ被覆する方法が好ましく適用される。
【0019】本発明におけるフィルム状又はシート状酸
素吸収性積層材料の該脱酸素層に分散する鉄粉の量は、
必要とする酸素吸収量に応じて決められる。本発明のご
とく食品を加熱・密封包装あるいは充填後加熱(調理)
殺菌処理中に内容物に含まれる酸素をほぼ完全に吸収し
て内容物の長期間保存を可能にする目的で用いる場合に
は、鉄粉1gあたり10〜100mlの酸素を吸収する
ことができる。本発明をより好ましく実施するには、鉄
粉1gあたり5〜50mlの酸素を吸収するものとして
鉄粉の使用量を設定するとよい。
【0020】一方、工業的な加工上の制限から該脱酸素
層に分散する鉄粉の濃度は、分散する樹脂100重量部
あたり100重量部以下が好ましく、150重量部以上
分散させることは樹脂の流動性を低下させるため好まし
くない。また、微細な鉄粉は比較的高価であるため、よ
り好ましくは10〜50重量部を分散させた脱酸素層が
適用される。
【0021】本発明における該脱酸素層に用いられる塩
化カルシウムは、鉄粉100重量部あたり少なくとも2
重量部用いることが好ましく、使用量を増すと酸素吸収
速度が向上する傾向を示すが、過剰の使用は包装材料と
しての耐久性に悪影響を及ぼし、より好ましくは鉄粉1
00重量部あたり3〜30重量部の使用範囲が選ばれ
る。
【0022】本発明におけるフィルム状又はシート状酸
素吸収性積層材料の該脱酸素層および該ポリオレフィン
層に用いられるポリオレフィンとしてはポリエチレン、
エチレン含量が70%以上のエチレン共重合体、ポリプ
ロピレン、またはプロピレン含量が70%以上のプロピ
レン共重合体が好ましく選ばれる。該脱酸素層および該
ポリオレフィン層のポリオレフィンは同材質の場合には
接着性が良く好ましいが、異なった材質のものを用いる
ことは何ら差し支えがない。該脱酸素層および該ポリオ
レフィン層の厚さは、それぞれ、20〜70μが好まし
いが、酸素吸収速度を早くするためには該ポリオレフィ
ン層の厚さは20〜40μがより好ましい。
【0023】本発明におけるフィルム状又はシート状酸
素吸収性積層材料を構成するポリオレフィンとしては、
ポリプロピレンまたはプロピレン含量が70%以上のプ
ロピレン共重合体がさらに好ましく選ばれる。ポリオレ
フィンとしてポリプロピレンまたはプロピレン含量が7
0%以上のプロピレン共重合体を使用した場合、材料自
体の耐熱性がより向上するために、本発明における液状
食品の包装密封後に加熱殺菌する温度をより高く設定す
ることが可能であり、例えば120〜135℃の加圧加
熱殺菌処理、いわゆるレトルト処理の適用ができる。
【0024】本発明におけるフィルム状又はシート状酸
素吸収性積層材料は、外側から、酸素バリア性外層、脱
酸素層およびポリオレフィン層よりなる積層体を最少の
構成要素とするが、該酸素バリア性外層と該脱酸素層の
間に接着層あるいは他の材料を積層することは何ら差し
支えない。該酸素バリア性外層にアルミニウム箔または
アルミニウム蒸着膜を使用する場合、ナイロン及び/ま
たはポリオレフィンの樹脂層を中間に積層することがさ
らに好ましい。
【0025】本発明におけるフィルム状又はシート状酸
素吸収性積層材料の製造方法に特段の制限はないが、例
えば酸素バリア性外層、脱酸素層およびポリオレフィン
層をドライラミネートする方法、酸素バリア性外層の内
側にポリオレフィン層を積層した基材の内側に脱酸素層
を押し出し製膜しつつポリオレフィン層を熱接着して積
層する方法、および少なくとも脱酸素層とポリオレフィ
ン層を多層押出し法で積層製膜した後酸素バリア性外層
の内側にドライラミネートする方法が例示される。
【0026】本発明における液状加工食品を包装する包
装材料は、少なくとも一部分が該フィルム状又はシート
状酸素吸収性積層材料であり、そしてその他の包装構成
部分が酸素バリア性の材料からなることが必要かつ充分
な条件である。このような包装材料としては、例えば、
該フィルム状又はシート状酸素吸収性積層材料を加工し
た袋状容器、該フィルム状又はシート状酸素吸収性積層
材料を紙、金属および合成樹脂から選ばれる材料で補強
して円筒状に加工し上下両面を金属等の酸素バリア性材
料で加工した缶状容器、該フィルム状又はシート状酸素
吸収性積層材料を紙、金属および合成樹脂から選ばれる
材料で補強してカートン状に加工したカートン状容器、
該フィルム状又はシート状酸素吸収性積層材料をふた材
として用いた酸素バリア性トレーまたはカップ状容器が
例示できるが、本発明に関わる包装容器(包装材料)は
該条件を満たすものであれば上に例示の容器に限られる
ものではない。
【0027】本発明において包装材料の少なくとも一部
分が該フィルム状又はシート状酸素吸収性積層材料とす
る利点は、本発明の適用可能な包装容器形状の自由度が
極めて大きい点にある。すなわち、酸素吸収性の材料が
フィルム又はシート状であることから3方または4方シ
ールの袋状容器、スタンディングパウチ袋容器あるいは
ふた材等種々の形状に加工して用いることが可能であ
り、また他の材料と貼り合わせることで強固な容器とし
て加工することも可能である。
【0028】また、フィルム又はシート状の柔軟性のあ
る包装容器は、液状食品を充填する際にヘッドスペース
を自由に制限することが可能で、ヘッドスペースに含ま
れる酸素ガスを制限して容器自体の酸素吸収性をより有
効に利用することが可能となり、高価な脱酸素剤組成物
の使用を最少限に抑えることができる。
【0029】本発明における液状加工食品を加熱後に密
封包装するかあるいは包装し密封後に加熱殺菌するには
液状加工食品を包装する包装材料の少なくとも一部分が
該フィルム状又はシート状酸素吸収性積層材料であり、
そしてその他の包装構成部分が酸素バリア性の材料から
なる容器が選ばれる。このような容器は、結局は、器壁
全面に酸素バリア層を有することになる。該容器は、加
熱後の密封包装あるいは密封包装後の加熱殺菌の際に液
状加工食品中およびヘッドスペース中の酸素ガスを急速
に吸収して無酸素状態とすることにより、酸素ガスによ
る食品の香気(成分)が加熱時における変質を防止し、
また常温で長期間にわたり外部からの酸素の侵入が妨げ
られ、内容物が変質せずに保たれることを可能にする。
【0030】本発明において発明をより効果的にする目
的で、以下の包装・密封方法がより好ましく選ばれる。
第1の方法は、包装・密封後に加熱殺菌する際において
ヘッドスペースを可能な限り小さく制限する方法であ
る。これは、容器形状及び充填量を最適化することでも
達成できるが、本発明の容器が少なくとも一部分がフィ
ルム状又はシート状積層材料であることから、該積層材
料の可撓性を活かして、容器を軽く変形せしめることに
よって達成できる。袋状容器あるいは該積層材料をふた
材として用いたトレー状容器において適用可能である。
【0031】第2の方法は、液状食品を加熱・密封包装
する前に該液状食品中に溶存する酸素を窒素ガス及び/
または炭酸ガスで置換し、あるいは充填後ヘッドスペー
ス中の空気を窒素ガス及び/または炭酸ガスで置換した
後加熱・殺菌を行う方法である。液状食品を加熱・密封
包装する場合には、該液状食品中に溶存する酸素を窒素
ガス及び/または炭酸ガスで置換することが望ましく、
例えば加熱前の液状食品を貯留する際に窒素ガス及び/
または炭酸ガスをバブリングする方法が例示され、液状
食品を密封包装した後に加熱・殺菌する場合には液状食
品を充填後ヘッドスペースに窒素ガス及び/または炭酸
ガスを吹き込む方法が例示される。
【0032】第2の方法においては例示した方法は、単
独で実施してもよく、また組み合わせて実施してもよ
い。また、本発明においては酸素吸収性積層材料を容器
の少なくとも一部分に用いてることから窒素ガス及び/
または炭酸ガスのような不活性ガス置換は酸素ガスが実
質的に存在しないレベルにまで置換する必要がなく、あ
る程度低レベルであれば容器自体の酸素吸収能によっ
て、加熱時の無酸素状態が実現できる。
【0033】本発明における酸素吸収性積層材料の例を
以下の図1A〜Dに例示する。本発明における積層材料
は少なくとも外側から酸素バリア層、脱酸素層およびポ
リオレフィン層よりなる積層体であり、特に、酸素バリ
ア層、強化層、脱酸素層およびポリオレフィン層の順で
構成される積層体であることが好ましく、図示された例
に限定されるものではない。
【0034】図1Aは、外側から、内面印刷ポリエチレ
ンテレフタレート層〔保護層〕、アルミニウム箔層〔酸
素バリア層〕、ナイロン層〔強化層〕、鉄粉+塩化カル
シウム分散低密度ポリエチレン層〔脱酸素層〕および低
密度ポリエチレン層〔シーラント層〕の構成例であり;
図1Bは、外側から、外面印刷し内面にアルミニウム蒸
着(600nm)を施したポリエチレンテレフタレート
層〔酸素バリア層〕、ナイロン層〔強化層〕、ポリプロ
ピレン層〔スペース層〕、鉄粉+塩化カルシウム分散ポ
リプロピレン層〔脱酸素層〕およびポリプロピレン層
〔シーラント層〕の構成例であり;図1Cは、外側か
ら、内面印刷ポリエチレンテレフタレート層〔保護
層〕、ナイロン層〔強化層〕、外面シリカ蒸着(500
nm)ポリエチレンテレフタレート層〔酸素バリア
層〕、変性ポリプロピレン層〔接着層〕、鉄粉+塩化カ
ルシウム分散ポリプロピレン層〔脱酸素層〕およびポリ
プロピレン層〔シーラント層〕の構成例であり;そし
て、図1Dは、外側から、内面印刷ポリエチレンテレフ
タレート層〔保護層〕、アルミニウム箔層〔酸素バリア
層〕、ナイロン層〔強化層〕、ポリエチレン層〔接着
層〕、鉄粉+塩化カルシウム分散低密度ポリエチレン層
〔脱酸素層〕および低密度ポリエチレン層〔シーラント
層〕の構成例である。
【0035】本発明の効果を説明する目的で、本発明に
よらない包材構成例を以下の図2A〜Cに例示する。図
2AおよびBは、脱酸素層のない例であり、そして図2
Cは、塩化カルシウムの代わりに塩化ナトリウムを用い
た脱酸素層構成の例である。
【0036】図2Aは、外側から、内面印刷ポリエチレ
ンテレフタレート層〔保護層〕、アルミニウム箔層〔酸
素バリア層〕、ナイロン層〔強化層〕および低密度ポリ
エチレン層〔シーラント層〕の構成例であり;図2B
は、外側から、外面印刷し内面にアルミニウム蒸着(6
00nm)を施したポリエチレンテレフタレート層〔酸
素バリア層〕、ナイロン層〔強化層〕、ポリプロピレン
層〔接着層〕、押出しポリプロピレン層〔脱酸素層代
替〕およびポリプロピレン層〔シーラント層〕の構成例
であり;そして図3Cは、外側から、外面印刷し内面に
アルミニウム蒸着(600nm)を施したポリエチレン
テレフタレート層〔酸素バリア層〕、ナイロン層〔スペ
ース層〕、ポリプロピレン層〔接着層〕、鉄粉+塩化ナ
トリウム分散ポリプロピレン層〔脱酸素層〕およびポリ
プロピレン層〔シーラント層〕の構成例である。
【0037】本発明における液状加工食品は、包装材料
の少なくとも一部分が上に説明したフィルム状又はシー
ト状酸素吸収性積層材料であって、残余の包装構成部分
が酸素バリア性の材料からなる容器を用いて加熱・密封
包装あるいは包装・密封後に加熱・殺菌するために、該
容器が加熱・密封包装あるいは包装・密封後に加熱・殺
菌の際に液状加工食品中およびヘッドスペース中の酸素
ガスを急速に吸収して無酸素状態とすることにより、酸
素ガスによる食品香気成分が加熱時における変質を防止
し、また常温で長期間にわたり内容物が変質せずに保た
れることを可能にする。
【0038】
【実施例】以下、実施例によって本発明の内容を更に例
示説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に
よって制限されるものではない。
【0039】実施例1(積層材料(その1)) 厚さ12μmの延伸ポリエチレンテレフタレート・フィ
ルムに白色印刷を施し、印刷面を接着面側にして、厚さ
9μmのアルミ箔と、アルミ箔の反対面に厚さ15μm
の延伸ナイロンを脂肪族ウレタン系接着剤を用いてドラ
イラミネートして酸素バリア・フィルムを調製した。平
均粒径12μmの還元鉄粉20重量部および塩化カルシ
ウム粉末2重量部をあらかじめボールミルで粉砕混合し
た混合物を2軸エクストルーダーを用いて汎用の低密度
ポリエチレン100重量部に混合分散した脱酸素層樹脂
ペレットを調製した。厚さ30μmの低密度ポリエチレ
ン・フィルムの上に該樹脂ペレットを33μmの厚さで
押出しラミネートして積層フィルムを調製した。酸素バ
リア・フィルムのナイロン側の面と脱酸素層を接着面側
にし脂肪族ウレタン系接着剤を用いてドライラミネート
した。得られた積層材料の構成は図1Aに例示したもの
に相当する。
【0040】検査例1(上記積層材料の検査) 実施例1で調製した積層材料10cm四方を切り取り、
その体積を測定したところちょうど1mlであった。内
容量102mlのガラスビンの中に水2mlと共にこの
積層材料10cm四方10枚を短冊状に切って入れ、密
封して80℃で20分間加熱後30分間放冷した。加熱
・放冷前後のガラス容器内のヘッドスペースの酸素濃度
をガスクロマトグラフィー法で測定したところ加熱・放
冷前の酸素濃度は21.0%であり、そして加熱・放冷
後の酸素濃度は14.3%であった。ガラス容器内のヘ
ッドスペース容量は90mlであることから、この積層
材料の1000cm2あたりの酸素吸収量は80℃で2
0分間加熱後30分間放冷の条件下で6.0mlであ
り、鉄粉1gあたり10mlと算出された。
【0041】比較例1(比較積層材料(その1)) 厚さ12μmの延伸ポリエチレンテレフタレート・フィ
ルムに白色印刷を施し、印刷面を接着面側にして、厚さ
9μmのアルミ箔と、アルミ箔の反対面に厚さ15μm
の延伸ナイロンを脂肪族ウレタン系接着剤を用いてドラ
イラミネートして酸素バリア・フィルムを調製した。酸
素バリア・フィルムのナイロン側の面と脱酸素層の内面
側に厚さ63μmの低密度ポリエチレン・フィルムを脂
肪族ウレタン系接着剤を用いてドライラミネートして積
層フィルムを調製した。得られた積層材料の構成は図2
Aに例示したものに相当する。
【0042】検査例2(上記積層材料の検査) 実施例1の積層材料の代わりに比較例1の積層材料を用
いる以外は検査例1と全く同様にして、内容量102m
lのガラスビンの中に水2mlと共にこの積層材料10
cm四方10枚を短冊状に切って入れ、密封して80℃
で20分間加熱後30分間放冷した。加熱・放冷前後の
ガラス容器内のヘッドスペースの酸素濃度をガスクロマ
トグラフィー法で測定したところ加熱・放冷前後の酸素
濃度は共に21.0%であり、この積層材料はまったく
酸素吸収を示さなかった。
【0043】実施例2(リンゴジュース) 実施例1で調製した積層材料2枚を側面にし、比較例1
の積層材料を底面として内容量250mlのスタンディ
ングパウチ袋を調製した。該スタンディングパウチにお
ける実施例1で調製した積層材料の内面積は330cm
2であった。予め冷却しつつ窒素ガスをバブリングした
リンゴジュースを熱交換機を通じて80℃に加熱しつつ
250mlを充填してヘッドスペース10mlを残して
開口部を熱シールした。50分間放冷後、袋内のヘッド
スペースのガス組成をガスクロマトグラフィーで測定し
たところ、酸素濃度は0%であった。また、袋を1年間
室温保存した後に袋内のヘッドスペースのガス組成をガ
スクロマトグラフィーで測定したところ、酸素濃度はや
はり0%であった。
【0044】比較例2(比較リンゴジュース) 実施例1の積層材料の代わりに比較例1の積層材料を用
いる以外は実施例2と全く同様にして、内容量250m
lのスタンディングパウチ袋を調製し、リンゴジュース
を80℃に加熱しつつ250mlを充填して開口部を熱
シールした。50分間放冷後、袋内のヘッドスペースの
ガス組成をガスクロマトグラフィーで測定したところ、
酸素濃度は8.3%であった。また、袋を1年間室温保
存した後に袋内のヘッドスペースのガス組成をガスクロ
マトグラフィーで測定したところ、酸素濃度は4.5%
であった。
【0045】検査例3(各種リンゴジュースの官能検
査) 実施例2の方法で加熱充填・密封を行ったリンゴジュー
ス、および実施例2の方法で加熱充填・密封後1年間室
温保存したリンゴジュース、そして比較として、同じ調
製方法・組成の出来立てのリンゴジュース、および比較
例2の方法で加熱充填・密封を行ったリンゴジュース、
および該方法で加熱充填・密封後1年間室温保存したリ
ンゴジュースの5点につき、10人のパネルを用いてジ
ュースの味、風味および色調(明度)について官能評価
を行った。ジュースは各サンプルの量および温度は同一
となるように調製して供試した。官能評価の結果を下記
第1表に示す。なお、評価点は平均値として表示し、味
および風味の好ましさは出来立てのリンゴジュースの評
点を5として評価した。
【0046】
【表1】
【0047】実施例3(積層材料(その2)) 厚さ600nmのアルミニウム蒸着した厚さ12μmの
ポリエチレンテレフタレートフィルムの蒸着面の反対側
に印刷を施し、さらに蒸着面側に厚さ15μmの2軸延
伸6−ナイロン・フィルムを脂肪族ウレタン系接着剤を
用いてドライラミネートして酸素バリア積層物を調製し
た。平均粒径11μmの還元鉄粉20重量部および塩化
カルシウム粉末1重量部をあらかじめボールミルで粉砕
混合した混合物を2軸エクストルーダーを用いて低臭グ
レードのポリプロピレン100重量部に混合分散した脱
酸素樹脂混合物ペレットを調製した。該酸素バリア積層
物のナイロン面に厚さ30μmの無延伸ポリプロピレン
フィルムを同様にドライラミネートした後、厚さ30μ
mの低臭グレード無延伸ポリプロピレンフィルムとの間
に該脱酸素樹脂混合物を30μmの厚さでサンドウィッ
チ・押出しラミネーションして、図1Bに示す構成の積
層材料を調製した。
【0048】比較例3(比較積層材料(その2)) サンドウィッチ・押出しラミネーション工程において脱
酸素樹脂混合物ペレットを用いる代わりに低臭グレード
のポリプロピレン樹脂を用いた以外は実施例3と全く同
様の方法で図2Bに示す構成の積層材料を調製した。
【0049】比較例4(比較積層材料(その3)) 脱酸素樹脂混合物ペレットの調製において、塩化カルシ
ウム粉末1重量部の代わりに塩化ナトリウム2重量部を
用いた以外は実施例3と全く同様の方法で図2Cに示す
構成の積層材料を調製した。
【0050】検査例4(積層材料(その2)の検査) 実施例3で調製した積層材料10cm四方を切り取り5
枚を短冊状に切って、比較例3で調製した図2Bに示す
構成の積層材料を用いて調製した内容量250mlのス
タンディングパウチ袋中に水2ml及び空気200ml
と共に入れ、密封して125℃で7分間レトルト加熱処
理を行った。レトルト処理前後のパウチ袋内ヘッドスペ
ースの酸素濃度をガスクロマトグラフィー法で測定した
ところ、レトルト処理前酸素濃度は21.0%であり、
レトルト処理後酸素濃度は9.7%であった。パウチ袋
内ヘッドスペース容量は200mlであることから、こ
の積層材料500cm2あたりの酸素吸収量は125℃
で7分間レトルト加熱処理条件下で25.0mlであ
り、鉄粉1gあたり50mlと算出された。
【0051】実施例3で調製した積層材料を入れない他
は同様にレトルト処理を行ったパウチ袋内ヘッドスペー
スの酸素濃度測定を行ったところ、レトルト処理前後共
に酸素濃度は21.0%であり、パウチ袋自体はレトル
ト処理の間に酸素吸収に関わらないことを確認した。
【0052】実施例4(クラムチャウダー・スープ) 実施例3で調製した積層材料3枚を内層ポリプロピレン
・フィルム側を内側に熱シールして内容量250mlの
スタンディングパウチ袋容器を作つた。該スタンディン
グパウチにおける実施例1で調製した積層材料の内面積
は360cm2であった。
【0053】パウチ袋容器中にクラムチャウダー・スー
プ200g及び空気を50mlを入れて開口部を熱シー
ルした。125℃で7分間レトルト処理を行い、容器内
のヘッドスペースのガス組成をガスクロマトグラフィー
で測定したところ、酸素濃度は0%であった。また、袋
を1年間室温保存後に袋内のヘッドスペースのガス組成
をガスクロマトグラフィーで測定したところ、酸素濃度
はやはり0%であった。
【0054】比較例5(比較クラムチャウダー・スー
プ) 実施例3で調製した積層材料(図1B)の代わりに比較
例4で調製した積層材料(図2C)を用いる他は実施例
4と全く同様にして、レトルト処理前後のパウチ袋内ヘ
ッドスペースの酸素濃度測定を行ったところ、レトルト
処理前酸素濃度は21.0%であり、そしてレトルト処
理後酸素濃度は19.7%であった。パウチ袋内のヘッ
ドスペース容量は200mlであることから、この積層
材料の500cm2あたりの酸素吸収量は125℃で7
分間レトルト加熱処理の条件下で2.5mlであり、鉄
粉1gあたり5mlと算出された。
【0055】さらに、実施例4と同様にして内容量25
0mlのスタンディングパウチ袋容器を作り、クラムチ
ャウダー・スープ200gを充填後レトルト処理してヘ
ッドスペースガスを測定したところ、酸素濃度は17.
7%であった。また、袋を1年間室温保存後には酸素濃
度は13.2%であった。
【0056】検査例5(各種クラムチャウダー・スープ
の官能検査) 実施例4の方法で充填・レトルト処理を行ったクラムチ
ャウダー・スープ、およびレトルト処理後1年間室温保
存したクラムチャウダー・スープ、そして比較として、
同じ調製方法・組成の出来立てのクラムチャウダー・ス
ープ、比較例5の方法で充填・レトルト処理を行ったク
ラムチャウダー・スープ、および比較例5の方法で充填
・レトルト処理後1年間室温保存したクラムチャウダー
・スープの5点につき、10人のパネルを用いてスープ
の味および風味について官能評価を行った。スープは各
サンプルの量および温度が同一となるように調製して供
試した。官能評価の結果を下記第2表に示す。なお、評
価点は平均値として表示し、味および風味の好ましさは
出来立てのクラムチャウダー・スープの評点を5として
評価した。
【0057】
【表2】
【0058】実施例5(積層材料(その3)) 厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの
片面にシリカを500nmの厚さに蒸着させ、蒸着面側
に厚さ15μmの延伸6−ナイロンフィルム及び内面側
に印刷を施した厚さ12μmのポリエチレンテレフタレ
ートフィルムを脂肪族ウレタン系接着剤を用いてドライ
ラミネートして酸素バリア積層フィルムを調製した。該
酸素バリア積層フィルムの蒸着面と反対側と厚さ30μ
mの低臭グレード無延伸ポリプロピレンフィルムとの間
に、無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレンを6μ
mの厚さで、及び前掲実施例3記載の脱酸素樹脂混合物
を30μmの厚さで、サンドウィッチ・2層押出しラミ
ネーションして図1Cに示す構成の積層材料を作製し
た。
【0059】検査例6(積層材料(その3)の検査) 実施例3で調製した積層材料の代わりに実施例5で作製
した積層材料を用いる以外は全く検査例4と同様にして
実施例5で作製した積層材料の125℃で20分間レト
ルト加熱処理における酸素吸収量を測定したところ、レ
トルト処理後酸素濃度が1.3%であることから、この
積層材料500cm2あたりの酸素吸収量は40.0m
lであり、鉄粉1gあたり80mlと算出された。
【0060】実施例6(煎茶飲料) 実施例5で作製した積層材料2枚を側面にし、比較例3
の積層材料を底面として内容量250mlのスタンディ
ングパウチ袋を調製した。該スタンディングパウチにお
ける実施例5で調製した積層材料の内面積は330cm
2であった。
【0061】煎茶5gを窒素ガスをバブリングした80
℃の熱水250mlで抽出・濾過し煎茶飲料を調製し
た。該煎茶飲料を上記スタンディングパウチに充填して
ヘッドスペース10mlを残して開口部を熱シール密封
した。50分間放冷後、袋内のヘッドスペースのガス組
成をガスクロマトグラフィーで測定したところ、酸素濃
度は2.0%であった。充填・密封後125℃で20分
間レトルト加熱処理を行った袋内、およびレトルト加熱
処理後1年間室温保存した後に袋内のヘッドスペースの
ガス組成をガスクロマトグラフィーで測定したところ、
酸素濃度はいずれも0%であった。
【0062】比較例6(比較煎茶飲料) 実施例5で作製した積層材料の代わりに比較例3記載の
方法で得られた図2Cに示す構成の積層材料を用いる他
は実施例6と全く同様にして煎茶飲料を充填・密封後1
25℃で20分間レトルト加熱処理を行った。加熱処理
直後の袋内、およびレトルト加熱処理後1年間室温保存
した後に袋内のヘッドスペースのガス組成をガスクロマ
トグラフィーで測定したところ、酸素濃度は、それぞ
れ、15.2%および15.8%であった。
【0063】検査例7(各種煎茶飲料の官能検査) 実施例6の方法で充填・レトルト処理を行った煎茶飲料
およびレトルト処理後1年間室温保存した煎茶飲料、そ
して比較として、比較例6記載の方法で充填・レトルト
処理を行った煎茶飲料、およびレトルト処理後1年間室
温保存した煎茶飲料の4点につきに、同じ調製方法・組
成の出来立ての煎茶飲料をスタンダードとして、10人
のパネルを用いて煎茶飲料の味、風味および色調(明
度)について官能評価を行った。煎茶飲料は電子レンジ
加熱を行い各サンプルの量および温度は同一となるよう
に調整して供試した。官能評価の結果を下記第3表に示
す。なお、評価点は平均値として表示し、味および風味
の好ましさは出来立ての煎茶飲料の評点を5として評価
した。
【0064】
【表3】
【0065】実施例7(カートン容器) 実施例1で調製した酸素バリア・フィルムと厚さ20μ
mの低密度ポリエチレン・フィルムの間に実施例1で調
製した脱酸素層樹脂ペレットを33μmの厚さでサンド
イッチ押出しラミネートして酸素吸収性と酸素バリア性
とを有する積層フィルムを調製した。得られた積層材料
の構成は図1Aに例示したものに相当する。耐水加工を
施した板紙材を該積層フィルムの酸素バリア・フィルム
側に貼合して内容量200mlのカートン容器を調製し
た。
【0066】該カートン容器に窒素ガスをバブリングし
つつ65℃に加熱した水150mlを入れ、熱シール密
封して1時間放置した。カートン内のヘッドスペース5
5ml中の酸素濃度を測定したところ0%であった。
【0067】実施例8(日本酒) 実施例7で作製したカートン容器に市販の日本酒(生
酒)200mlを65℃に加熱して詰め、熱シール密封
して6か月室温保存した。保存後のカートン容器のヘッ
ドスペースの酸素濃度は0%であった。
【0068】また、10人のパネルを用いて、瓶詰めの
まま未開封状態で6か月間冷凍保存した同じ日本酒を対
照として、日本酒の味、香りおよび風味につき比較した
が全ての項目において差が認められなかった。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、包装構成の一部
が、外側から、酸素バリア性外層、脱酸素層およびポリ
オレフィン層の順である積層体を最少の構成要素として
なるフィルム状又はシート状酸素吸収性積層材料であ
り、そしてその他の包装構成部分が酸素バリア性の材料
からなる包装材料中に液状食品を加熱・密封包装あるい
は包装・密封後に加熱・殺菌することによって、液状食
品中およびヘッドスペース中の酸素ガスを急速に吸収す
ることによって香気成分の変質・消失がなく、耐久性に
優れ長期保存が可能な液状加工食品が得られ、香気に満
ちた食品を常時容易に供給できる点で産業上の意義は極
めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1A】本発明の酸素吸収性積層材料の例を示す。
【図1B】本発明の酸素吸収性積層材料の例を示す。
【図1C】本発明の酸素吸収性積層材料の例を示す。
【図1D】本発明の酸素吸収性積層材料の例を示す。
【図2A】比較積層材料の例を示す。
【図2B】比較積層材料の例を示す。
【図2C】比較積層材料の例を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/18 C12H 1/00 4F100 27/32 A23L 2/00 P B65D 81/26 W C12H 1/00 2/16 Fターム(参考) 3E067 AA03 AB26 BB15A BB16A BB25A CA04 CA07 CA17 CA24 EE25 EE32 EE33 FB13 GB13 GC02 GD02 4B017 LC10 LE10 LG01 LG14 LP13 LP15 LP16 4B021 LA05 LA14 LA15 LA17 LA24 LA25 LA33 LA42 LP01 LP07 LW06 MC04 MK10 MK13 MK14 MQ02 MQ05 4B028 AC10 AG04 AG05 AG06 AG08 AP01 AP25 AP30 AS01 4B036 LC05 LE05 LF01 LP01 LP18 LP19 LP24 4F100 AA05B AB02B AB10 AK03B AK03C AK04B AK04C AK04J AK42 AK51G AL01B AL01C AL05B AL05C AR00A AR00B AR00D BA04 BA07 BA10A BA10D BA14 CB00 DE01B GB15 GB23 HB31 JB16B JB16C JD03A JD03D JD15B JL00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】包装構成の一部が、外側から、酸素バリア
    性外層、脱酸素層およびポリオレフィン層の順である積
    層体を最少の構成要素としてなるフィルム状又はシート
    状酸素吸収性積層材料であり、そしてその他の包装構成
    部分が酸素バリア性の材料からなる包装材料の中に液状
    食品を加熱後に密封包装するか、又は包装し密封後に加
    熱殺菌することを特徴とする液状加工食品。
  2. 【請求項2】該脱酸素層が塩化カルシウムを被覆した微
    細な鉄粉を分散したポリオレフィン樹脂層であることを
    特徴とする請求項1記載の液状加工食品。
  3. 【請求項3】包装材料の構成部分が該フィルム状又はシ
    ート状酸素吸収性積層材料であって、該脱酸素層の加熱
    ・密封包装条件あるいは加熱殺菌条件下での吸収酸素量
    が該液状食品およびヘッドスペースに含まれる酸素含量
    より大きく、加熱後に密封包装又は加熱殺菌した後の包
    装体ヘッドスペース中に酸素ガスが実質的に含まれない
    ことをことを特徴とする請求項1又は2記載の液状加工
    食品。
  4. 【請求項4】液状食品が果汁を10%以上含有する清涼
    飲料水あるいはジュースであることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載の液状加工食品。
  5. 【請求項5】液状食品がスープであることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の液状加工食品。
  6. 【請求項6】液状食品が日本酒、醸造アルコール飲料類
    およびリキュール類から選ばれる一つであることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の液状加工食品。
  7. 【請求項7】包装材料の構成部分である該フィルム状又
    はシート状酸素吸収性積層材料を構成する該脱酸素層お
    よび該ポリオレフィン層を構成するポリオレフィンがポ
    リエチレン、エチレン含量が70%以上のポリエチレン
    共重合体、ポリプロピレンおよびプロピレン含量が70
    %以上のポリプロピレン共重合体から選ばれる一つの熱
    可塑性樹脂である包装材料で包装することを特徴とする
    請求項1〜6のいずれかに記載の液状加工食品。
  8. 【請求項8】包装材料の構成部分が該フィルム状又はシ
    ート状酸素吸収性積層材料であって、液状食品を加熱・
    密封包装する前に該液状食品中に溶存する酸素を窒素ガ
    ス及び/または炭酸ガスで置換し、あるいは充填後ヘッ
    ドスペース中の空気を窒素ガス及び/または炭酸ガスで
    置換することによって、加熱・密封包装あるいは加熱殺
    菌した後の包装体ヘッドスペース中に酸素ガスが実質的
    に含まれないことをことを特徴とする請求項1〜7のい
    ずれかに記載の液状加工食品。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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