JPH09278024A - 液体または半液体物質の充填方法 - Google Patents

液体または半液体物質の充填方法

Info

Publication number
JPH09278024A
JPH09278024A JP8777096A JP8777096A JPH09278024A JP H09278024 A JPH09278024 A JP H09278024A JP 8777096 A JP8777096 A JP 8777096A JP 8777096 A JP8777096 A JP 8777096A JP H09278024 A JPH09278024 A JP H09278024A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxygen
liquid
layer
container
semi
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8777096A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidetoshi Hatakeyama
秀利 畠山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority to JP8777096A priority Critical patent/JPH09278024A/ja
Publication of JPH09278024A publication Critical patent/JPH09278024A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Packages (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の技術では脱酸素剤を直接適用すること
ができなかった液体または半液体物質を、酸素吸収性樹
脂層を備えた脱酸素性容器または袋に充填し、容器内の
酸素を効率的に吸収することにより、品質劣化を防止し
つつ、貯蔵、運搬を容易に可能とする、液体または半液
体物質の充填方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 酸素吸収性樹脂層を備えた多層材料から
なる容器または袋に液体または半液体物質を、容器内の
空間容積が充填容積の10%以下となるように充填する
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸素吸収樹脂層を備
えた脱酸素性容器または袋に液体または半液体物質を充
填する方法に関する。より詳しくは、酸素により品質劣
化を来す液体または半液体物質を容器に充填して、無酸
素状態で貯蔵、運搬を可能とする液体または半液体物質
の充填方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、飲料、調味料、薬剤、化粧品、衛
生用品等で液体または半液体物質の容器として、フレキ
シブルなプラスチックフィルムを利用した様々な形態の
容器が増加している。このようなプラスチックフィルム
を利用した容器は、従来のガラス瓶や金属容器に比べ
て、生産コストがかからず、軽くて取扱い易く、取扱中
の破損が少なく、またフレキシブルなために空容器が嵩
張らず、内容物もほとんど残量がないように取り出すこ
とができること等、経済性、取扱い易さ、安全性に多く
の利点を有している。しかしながら、液体または半液体
の前記飲料等は、酸素による品質劣化を受け易いものが
多く、これを防ぐために、容器にガスバリア性層を積層
したフィルムを用いたり、容器のヘッドスペースを極力
少なくして充填することが広く行われているが、必ずし
も品質劣化を完全に防止するに至っていない。
【0003】一方、酸素による品質劣化が起こるもので
あっても、食品、医薬品その他の固体のものの場合に
は、容器内に脱酸素剤小袋(単に脱酸素剤ということが
ある)を同封する脱酸素剤包装技術が進んでおり、この
場合、真空パック、ガス置換等のように単に容器内の酸
素量を減少する場合より格段に効果が勝さり、酸素によ
る劣化の防止が実現している。しかし、酸素により品質
劣化し易い液体または半液体に脱酸素剤を直接用いた際
には、脱酸素剤成分の溶出による風味、色調の変化や安
全衛生上の問題があり、また脱酸素剤小袋表面に液体が
付着して通気孔を塞いだり、更に小袋内部に液体が侵入
して内容物が濡れたりして酸素吸収機能を阻害する問題
があるため、実用的ではなかった。
【0004】このため、容器に収納した液体または半液
体物質に従来の脱酸素剤を用いる方法があるが、この方
法は簡便でなく、また必ずしも効果的に脱酸素し得な
い。例えば、医療用輸液等の一部の液体では、酸素透過
性のプラスチック容器内に液体を収納し、この容器と脱
酸素剤とをさらにガスバリア性フィルムで外包装する形
態が見られるが、酸素吸収に時間を要するために対象物
が限定されてしまう上、包装を二重に行わなければなら
ず、煩雑でコストもかかり、必ずしも汎用的な技術では
ない。また特開平5−319454では、2枚のフィル
ムを重ねて作ったバッグインボックス用の袋を形成する
2枚のフィルム間に脱酸素剤を配した液体用容器が提案
されている。しかしながら、この方法では、袋全体のご
く一部に脱酸素剤があるのみで、袋に液体を満たした際
に、袋を形成する2枚のフィルムは脱酸素剤が無い部分
では完全に密着してしまうために、脱酸素剤への通気が
阻害され、脱酸素剤の十分な効果が得られない欠点があ
った。またこの方法は、2枚のフィルムを重ねた特殊袋
でないと使えず、製造にも手間がかかる問題があった。
【0005】一方、フィルム、シート等のプラスチック
容器自体に脱酸素機能を持たせる方法も開示されてい
る。例えば特表平2−500846、特公平4−451
52、特開平5−295171にはプラスチックと金属
触媒の混合層を容器に設けることで、プラスチックを酸
化分解して容器内の酸素を吸収する技術が記載されてい
る。しかしながら、これらには適用用途として液体を挙
げているものもあるが、実際に液体を充填した場合の効
果には触れられていない。これらの方法では酸素吸収量
が少なく、脱酸素効果が有効に機能しない欠点があっ
た。また、樹脂の酸化分解生成物の安全性、分解樹脂部
分の強度面にも問題があった。
【0006】また、樹脂中に鉄とハロゲン化金属からな
る脱酸素剤組成物を分散した樹脂組成物をキャップに取
り付ける提案も特開平2−235621、特公平3−2
751、特開平5−330567に見られるが、ヘッド
スペースの酸素濃度を低下させはするものの、ヘッドス
ペースの酸素を除去するには至らない問題がある。キャ
ップという小さな面積にヘッドスペースの酸素、及び容
器に収納される液体中の溶存酸素吸収の責を負わせるこ
とに欠点がある。また、キャップを液体を充填した瓶に
用いた場合には、キャップの酸素吸収機能が瓶底部の液
体までに影響する前に液体の劣化が始まってしまう問題
があった。そこで同様の組成物層を有するプラスチック
多層シート、フィルム及びこれらを成型した容器も特公
昭61−32348、特公昭62−1824、特開平5
−65176、特開平7−67594に開示されてい
る。しかしながら、これらにも液体または半液体物質に
適用した際の実際的な機能には触れられていない。この
ように現状では、酸素吸収機能を有する袋または容器に
液体または半液体物質を充填して、効果的に脱酸素し品
質を保持することができる技術はないというのが実状で
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解決し、従来の技術では脱酸素剤を直接適
用することができなかった液体または半液体物質を、酸
素吸収性樹脂層を備えた脱酸素性容器または袋に充填
し、容器内の酸素を効率的に吸収することにより、該流
動性物質の品質劣化を防止しつつ、液体または半液体物
質の貯蔵、運搬を容易に可能とする、液体または半液体
物質の充填方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酸素吸収
性樹脂層からなる脱酸素性多層材料の脱酸素性の改良を
重ねた結果、この脱酸素性多層材料のシートやフィルか
らなる容器または袋に液体または半液体物質を、容器内
の空間容積が充填容積の10%以下となるように充填す
ることより、充填物内部の酸素を含め容器内の酸素を効
率的に吸収して液体または半液体物質の品質劣化を防止
できることをを見出し、本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明は、20℃100%RHにおける酸素透
過係数が1.0cc-mm/m2・ day ・ atm 以下である材質か
らなるガスバリア層と、熱可塑性樹脂中に粒状脱酸素剤
組成物を分散してなる酸素吸収層と、酸素透過性樹脂層
とを備えた多層材料からなる容器または袋に、容器内の
空間容積が充填容積の10%以下であるように液体また
は半液体物質を充填することを特徴とする液体または半
液体物質の充填方法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の容器または袋は、外層に
100%RHにおける酸素透過係数が1.0cc-mm/m2
day ・ atm 以下である材質からなるガスバリア層を、内
層に酸素透過性樹脂層を備え、中間層に熱可塑性樹脂中
に粒状脱酸素剤組成物を分散してなる酸素吸収層を備え
た多層材料からなる。粒状脱酸素剤組成物を配合するこ
とにより上記の酸素吸収層を形成する熱可塑性樹脂とし
ては、酸素透過性が大きく、粒状脱酸素剤組成物その他
の分散物によって押し出し加工時に熱分解しにくい熱可
塑性樹脂が用いられる。具体的にはポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン−プロピレン各種共重合体、エチ
レン−αオレフィン各種共重合体等のポリオレフィン及
びこれらの変性物が単独または混合で用いられる。
【0010】粒状脱酸素剤組成物としては、金属粉を主
剤としたものが用いられ、酸素吸収能力、安全性から鉄
粉とハロゲン化金属からなる組成物が好ましい。更には
鉄粉表面にハロゲン化金属が付着し1粒子となっている
ものが特に好ましい。粒状脱酸素剤組成物の粒子径は平
均10〜50μmが好ましく、最大粒子径は隣接層への
露出の影響を考慮して制限される。層中に占める粒状脱
酸素剤の重量比は酸素吸収効率と加工性から20〜80
%が好ましい。また、酸素吸収層には脱酸素剤組成物以
外に保存性、加工性向上のためのアルカリ土類金属酸化
物や臭気成分等のガス吸着剤、着色剤、フィラー等を分
散させても良い。
【0011】ガスバリア性層は、20℃100%RHに
おける酸素透過係数が1.0cc-mm/m2・ day ・ atm 以下
である材質からなり、アルミ箔、鉄箔等の金属箔、金属
及び金属酸化物蒸着層、エチレン−ビニルアルコール共
重合体、ナイロンMXD6、塩化ビニリデン等の樹脂膜
層が好適に用いられ、用途、製造工程により適宜選択す
ることができる。
【0012】酸素透過性樹脂層は、酸素吸収層と隣接し
て容器または袋の最内層を形成し、充填される液体また
は半液体物質への酸素吸収層の脱酸素剤成分の溶出を防
止する役割を果たす。また酸素透過性樹脂層には、ヒー
トシール性等の加工性を確保しつつ、液体または半液体
物質と酸素吸収層との間の通気性を妨げないことが要求
される。酸素透過性樹脂層に用いられる樹脂の種類とし
ては、酸素吸収層に用いられる各種の熱可塑性樹脂の
他、シール性、ピール性調整ためEVA、ポリスチレ
ン、アイオノマー等の樹脂を添加したり、多層化しても
良い。また、酸素吸収層と同様に各種添加剤を分散して
も良いが、上記要求を満たすためには、添加剤の溶出す
るものや異臭を伴うものは避けることが好ましい。
【0013】上記各層の多層材料からなる本発明の容器
または袋は、各種公知の加工技術を組み合わせて製造す
ることができる。次のような方法が例示される。なお、
何れの場合も酸素透過性樹脂層は容器の最内面層とな
る。 1)複数の押し出し機と多層Tダイ設備を用い、酸素透
過性樹脂層/酸素吸収層/ガスバリア層/ポリオレフィ
ン層の構成を有する多層シートを共押し出しするか、上
記構成の一部を除いて共押し出し後、残りの部分をラミ
ネートして多層シートを得る。上記構成に更に接着剤層
を追加しても良い。この多層シートを真空成形、圧空成
形等の熱成形によりトレイ、カップ、どんぶり等の容器
とする。蓋部分はガスバリア性及び/または酸素吸収性
を有するフィルム、上記同様の成形体をヒートシールす
る。
【0014】2)複数の押し出し機と多層サーキュラー
ダイから上記同様の多層樹脂を押し出し、ブロー金型で
ブロー成形容器を得る。または酸素透過性樹脂層/酸素
吸収層/ポリオレフィン層の構成を有するブロー成形容
器を得たのち、最外層にガスバリア層を設けるかまたは
容器をガスバリア包装する。
【0015】3)フィルムラミネート設備を用い、押し
出しコーティング、ドライラミネート、押し出しラミネ
ート等により、酸素透過性樹脂層/酸素吸収層/ガスバ
リア層の基本構成を持つ多層フィルムを得る。脱酸素層
は押し出し直後、酸素透過性樹脂層側から平滑ロールで
押圧冷却することが更に好ましい。ガスバリア層の前後
に他の樹脂層を設けても良い。このフィルムを製袋して
袋とする。袋の一部をガスバリア性を有し、酸素吸収層
を含まない透明フィルムとしても良い。
【0016】4)1)と同様の共押し出しで3)同様の
構成の多層フィルムを得、上記同様に製袋する。
【0017】本発明においては、上記本発明の容器また
は袋に液体または半液体物質を容器内空間容積が充填容
積の10%以下になるように充填して容器を密封するこ
とが肝要であり、容器内空間容積を少なく制限すること
が本発明で重要な意味を有する。
【0018】従来、脱酸素剤の入った小袋を被保存物と
ともにガスバリア性の外包材に包装する従来の脱酸素剤
包装技術では、脱酸素剤と被保存物との間に空間のある
ことが酸素の流通に必要であった。即ち、被保存物の表
面積に比べれば圧倒的に小さい脱酸素剤の小袋の吸収面
に、速やかに酸素を到達させるためには、被保存物と外
包材との間に空間が無いことは酸素の流通を妨げる障害
になり、また外部から外包材を透過して侵入する酸素は
少量でも、直接被保存物に到達することになるため、上
記空間のないことは好ましくないことであった。空間が
あっても、被保存物の含有する油分や水分で塞がれるこ
とも同様に好ましくない。
【0019】ところが本発明の方法においては、本発明
の容器に充填された被保存物の液体または半液体物質は
酸素吸収層を備えた多層材料面は殆ど被保存物を包み込
む形となり、酸素吸収面である酸素透過性樹脂層と被保
存物の間に空間はない。このため、本発明の態様は、前
記従来の脱酸素剤技術からは当然品質保持には不利が予
想された。しかし予想に反し本発明の態様では、単に空
間容積内の酸素量を少なくした効果だけではなく、明ら
かに脱酸素による品質保持効果が認められた。例えば完
全にガスバリア性を有するアルミ箔積層袋に同じ液体ま
たは半液体物質を容器内に空間のないように充填した場
合に比べても、はるかに優れた品質保持効果が認められ
た。
【0020】すなわち、本発明においては従来の脱酸素
剤に必要とされていた酸素吸収面に必要とされてい空間
の確保は必要でなく、液体または半液体物質に直接接す
る酸素吸収面からの酸素吸収が大きく寄与している。し
たがって、本発明では、被保存物の液体または半液体物
質を充填した容器内の空間は10%以下で、できるだけ
少ない方が好ましく、できれば全くなくするのがよい。
また本発明では液体または半液体物質が酸素吸収面に直
接長期間接触していても、従来の脱酸素剤とは異なり、
脱酸素能力が低下することもなく、また脱酸素剤成分が
溶出するようなこともない。
【0021】本発明の方法は、ジュース、酒、コーヒ
ー、茶、ゼリー飲料、健康飲料等の飲料、調味液、ソー
ス、醤油、ドレッシング、液体だし、マヨネーズ、味
噌、すりおろし香辛料等の調味料、クリーム、餡、チョ
コレートペースト等の菓子材料、スープ、煮物、漬け
物、シチュー等の加工食品、工業材料や殺虫剤等化学薬
品の溶液および乳液、液体およびペースト状医薬品、液
体化学品等の薬剤、化粧水、化粧クリーム、化粧乳液等
の化粧品、洗剤、床用ワックス、シャンプー、水歯磨
き、練り歯磨き等の衛生用品等の、従来直接脱酸素剤を
適用できなかった液体物質または半液体物質にに広く適
用可能である。
【0022】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものでは
ない。 実施例1 多層シート共押し出し装置を用い、酸化チタン顔料15
重量%含有ポリプロピレンからなる酸素透過性樹脂層
(100μm)/ポリプロピレンとポリエチレンの混合
樹脂に、塩化カルシウムコーティング鉄粉(平均粒径3
5μm、最大粒径105μm)、酸化カルシウム(平均
粒径20μm、最大粒径60μm)、酸化チタン顔料を
50:44:1:5の重量比で混合した酸素吸収層(1
60μm)/無水マレイン酸変性ポリプロピレン(15
μm)/エチレン−ビニルアルコール共重合体(25
μ)/無水マレイン酸変性ポリプロピレン(15μm)
/ブロック共重合ポリプロピレン、酸化チタン顔料、帯
電防止剤マスターバッチ(花王製エレストマスター)を
90:9:1の重量比で混合した外層(485μm)の
構成を有する多層シートを作成し、真空成形により酸素
透過性樹脂層を最内層とした容積70ccのカップ(口
径62mm)を得た。
【0023】得られた上記カップにこうじみそ65cc
を充填し、ポリエチレンテレフタレート/アルミ箔/ポ
リプロピレンの構成を有するフィルムで開口部をヒート
シールして密封し、室温で1ヶ月保存後、開封した。開
封直前にカップ内の酸素濃度を測定したところ、0.1
%以下であった。こうじみそは変色もなく、風味も良好
であった。
【0024】比較例1 こうじみその量を40ccに変えたこと以外は実施例1
と同様の操作で保存テストを行った。開封直前の酸素濃
度は0.1%以下であったが、みその色調は褐色が増し
ており、風味も低下が見られた。
【0025】実施例2 塩化ビニリデンコートナイロンに裏印刷を施したフィル
ムの印刷側にLLDPEフィルムを押し出しラミネート
した積層フィルムをタンデムラミネーターにかけ、LD
PE、塩化カルシウムコーティングした鉄粉(平均粒径
25μm、最大粒径45μm)、酸化カルシウム(平均
粒径20μm、最大粒径60μm)、および粒径30μ
m以下の粉末活性炭を、50:46:2:2の重量比で
混合した樹脂組成物と、酸化チタン顔料10%含有LL
DPEとを順に押し出しコーティングして、ガスバリア
層(塩化ビニリデンコートナイロン(15μm)/印刷
/LDPE/LLDPE(25μm)/酸素吸収層(5
0μm)/酸素透過性樹脂層(白色LLDPE、30μ
m)からなる多層フィルムを得た。この多層フィルムを
用いて自立型袋(スタンディングパウチ、150mm×9
0mm) を製袋した。
【0026】得られた自立型袋にかぼす果汁80ccを充
填し、ヘッドスペースを0、8、ccにして袋口をヒート
シールし、10℃下に10日間保存した後、開封して果
汁をビーカーにあけ、色調、風味を観察したが、良好に
保存されていた。尚、開封直前のヘッドスペース中の酸
素濃度は0.1%以下(ヘッドスペース8cc品、ガスク
ロマトグラフィーによる)、開封直後の果汁中の溶存酸
素は2者とも0.1ppm 以下(溶存酸素計による)であ
った。
【0027】比較例2 ヘッドスペース量を30cc、60ccに変えた以外は実施
例2と同様の操作でかぼす果汁の保存テストを行った。
ヘッドスペース30cc品は開封直前のヘッドスペース酸
素濃度は0.1%以下であったものの若干の色調の薄れ
が見られ、香りも低下していた。また、ヘッドスペース
60cc品は開封直前の酸素濃度0.47%、色調は薄
れ、おり状の浮遊物が存在し、変質臭が認められた。
【0028】実施例3 押し出しラミネーターに延伸ポリプロピレンフィルム
(25μm)をかけ、樹脂をポリプロピレンに変えた他
は実施例2と同様の酸素吸収層を接着層(60μm)と
して酸化チタン顔料含有無延伸ポリプロピレンフィルム
(50μm)をラミネートした。このフィルムの延伸ポ
リプロピレンフィルム側に、片面にエポキシエステル系
ニスをコーティングしたアルミ箔(12μm)をウレタ
ン系接着剤を用いてドライラミネートし、ガスバリア層
(オーバープリントコートアルミ箔)/ポリプロピレン
/酸素吸収層(粒状脱酸素剤組成物含有ポリプロピレ
ン)/酸素透過性樹脂層(白色ポリプロピレン)からな
る多層フィルムを得た。この多層フィルムと、ナイロン
MXD6積層フィルム(三菱化学製スーパーニール、1
5μm)/ポリプロピレン(50μm)の構成を有する
透明ガスバリア性フィルムとをポリプロピレン側同士を
ヒートシールして、片面透明4方シール袋(100mm×
180mm)を製袋した。
【0029】得られた袋に、栗きんとん、いわし油漬
け、化粧クリーム、および機械用グリースを各200cc
ずつ、空間容積が20cc以下になるように充填して袋口
をヒートシールした。栗きんとん、いわし油漬けの食品
2種を密封した袋は、更に120℃30分のレトルト処
理を施した後、他の2種を密封した袋はそのまま、室内
の蛍光灯直下に保存した。1ヶ月後に開封して保存性を
調べたところ、何れも良好に品質が保持されていた。
【0030】比較例3 ポリエステル(12μm)/アルミ箔(12μm)/ナ
イロン(15μm)/ポリプロピレン(50μm)の構
成を有する多層フィルムと、ナイロンMXD6積層フィ
ルム(三菱化学製スーパーニール、15μm)/ポリプ
ロピレン(50μm)の構成を有する透明ガスバリア性
フィルムとを、ポリプロピレン側同士をヒートシールし
て、片面透明4方シール袋(100mm×180mm)を製
袋した。得られた上記の袋を用い、実施例3と同様の操
作で、栗きんとん、いわし油漬け、化粧クリーム、およ
び機械用グリースの保存テストを行った。この結果、そ
れぞれ、栗きんとんは色調が薄れて風味が低下し、いわ
し油漬けは油やけが発生し、化粧クリームは黄ばみが見
られて香りが変質し、機械用グリースは褐色味が増して
滑らかさが低下した。
【0031】
【発明の効果】本発明の方法によれば、従来の技術では
脱酸素剤を直接適用することができなかった液体または
半液体物質を本発明の脱酸素性容器または袋に充填し、
容器内の酸素を効率的に吸収することにより、該流動性
物質の品質劣化を防止しつつ、液体または半液体物質の
貯蔵、運搬を容易に可能とすることができる。殊に脱酸
素剤を直接適用することができないために金属缶やガラ
ス瓶のような完全ガスバリア性を有する容器を用いて真
空パックやガス置換を行わざるを得なかった液体または
半液体の商品の容器を、プラスチック化した本発明の利
点は大きい。さらに本発明の方法により積極的に酸素を
除去することで、従来では考えられなかったレベルで、
液体または半液体の商品の品質保持を簡便かつ安全に行
うことが可能となる。この結果、商品のより長期間貯蔵
が可能となり、より広範囲の地域により多くの良質な商
品を経済的に供給することが可能となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 20℃100%RHにおける酸素透過係
    数が1.0cc-mm/m2・ day ・ atm 以下である材質からな
    るガスバリア層と、熱可塑性樹脂中に粒状脱酸素剤組成
    物を分散してなる酸素吸収層と、酸素透過性樹脂層とを
    備えた多層材料からなる容器または袋に、容器内の空間
    容積が充填容積の10%以下であるように液体または半
    液体物質を充填することを特徴とする液体または半液体
    物質のの充填方法。
JP8777096A 1996-04-10 1996-04-10 液体または半液体物質の充填方法 Pending JPH09278024A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8777096A JPH09278024A (ja) 1996-04-10 1996-04-10 液体または半液体物質の充填方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8777096A JPH09278024A (ja) 1996-04-10 1996-04-10 液体または半液体物質の充填方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09278024A true JPH09278024A (ja) 1997-10-28

Family

ID=13924213

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8777096A Pending JPH09278024A (ja) 1996-04-10 1996-04-10 液体または半液体物質の充填方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09278024A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011529695A (ja) * 2008-08-07 2011-12-15 ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ 消費可能生産物を安定化するパッケージ
JP2013035557A (ja) * 2011-08-05 2013-02-21 Kikkoman Corp 吐出容器
JP6198182B1 (ja) * 2016-12-09 2017-09-20 三菱瓦斯化学株式会社 多層体、包装容器、及び食品の保存方法
WO2022113807A1 (ja) * 2020-11-30 2022-06-02 三菱瓦斯化学株式会社 酸素吸収性樹脂組成物、酸素吸収性フィルム、酸素吸収性多層フィルム及び蓋材

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011529695A (ja) * 2008-08-07 2011-12-15 ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ 消費可能生産物を安定化するパッケージ
JP2013035557A (ja) * 2011-08-05 2013-02-21 Kikkoman Corp 吐出容器
US9315313B2 (en) 2011-08-05 2016-04-19 Kikkoman Corporation Dispensing container
JP6198182B1 (ja) * 2016-12-09 2017-09-20 三菱瓦斯化学株式会社 多層体、包装容器、及び食品の保存方法
WO2018105274A1 (ja) * 2016-12-09 2018-06-14 三菱瓦斯化学株式会社 多層体、包装容器、及び食品の保存方法
JP2018094760A (ja) * 2016-12-09 2018-06-21 三菱瓦斯化学株式会社 多層体、包装容器、及び食品の保存方法
US11325360B2 (en) 2016-12-09 2022-05-10 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Multilayer body, packaging container, and food storing method
WO2022113807A1 (ja) * 2020-11-30 2022-06-02 三菱瓦斯化学株式会社 酸素吸収性樹脂組成物、酸素吸収性フィルム、酸素吸収性多層フィルム及び蓋材
JP7148028B1 (ja) * 2020-11-30 2022-10-05 三菱瓦斯化学株式会社 酸素吸収性樹脂組成物、酸素吸収性フィルム、酸素吸収性多層フィルム及び蓋材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6113927A (en) Package and packaging method for aqueous liquid materials
US6391407B1 (en) Oxygen absorbing multi-layer film and oxygen absorbing packaging container
US5820956A (en) Multi-layer structural body
US6596191B2 (en) Oxygen absorbing composition, oxygen absorbing resin composition using the oxygen absorbing composition, and preserving method utilizing these compositions
JP4441195B2 (ja) 脱酸素性蓋材及び脱酸素性密封容器
JP3496427B2 (ja) 脱酸素樹脂組成物及びこれを用いた包装材、多層包装材、包装体、又は包装方法
JP3687720B2 (ja) 酸素吸収多層フィルム及び酸素吸収包装容器
JP4196142B2 (ja) 酸素吸収性多層フィルム及び包装容器
JPH09278024A (ja) 液体または半液体物質の充填方法
JP3882860B2 (ja) 注ぎ口付き脱酸素性容器及び液状又は半液状物質の充填方法
JP2001121652A (ja) 酸素吸収性多層フィルム及び脱酸素性容器
JP2003341747A (ja) 包装容器
JP2002238521A (ja) 食品の保存方法
JP4139924B2 (ja) 脱酸素性フィルム及びその製造方法
JP4120735B2 (ja) 酸素吸収性多層体、製造方法及び包装容器
JP3376915B2 (ja) 脱酸素性多層体、これを用いた包装容器、及び食品又は医薬品の保存方法
JP2002052655A (ja) 酸素吸収性多層体及びこれを用いた低水分含有物品の保存方法
JP2003335367A (ja) 脱酸素性密封容器
JP2008006635A (ja) 引裂き性に優れる酸素吸収性多層フィルム及び酸素吸収包装容器。
JP4186035B2 (ja) 脱酸素性密封容器
JP2000062102A (ja) 紙基材脱酸素性多層体及び紙容器
JP4429710B2 (ja) 脱酸素性密封容器のヒートシール方法及び密閉容器
JPH11235780A (ja) 脱酸素性多層フィルム及び包装袋
JP2002103530A (ja) 脱酸素性多層体
JP2009132441A (ja) 包装用積層材料および包装容器

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Effective date: 20031210

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

A521 Written amendment

Effective date: 20040206

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A521 Written amendment

Effective date: 20040315

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20040324

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20040416