JP2000012088A - 非水二次電池 - Google Patents
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Abstract
サイクル寿命を高める。 【解決手段】正極活物質を有する正極、負極材料を有す
る負極及び非水電解質を構成要素とする非水二次電池に
於いて、該正極活物質がリチウム含有遷移金属酸化物で
あり、該負極材料がリチウムの挿入放出可能なケイ素原
子を含む化合物であり、該負極の集電体が平均粗さ0.
03μm 以上、1μm 以下で厚さ5μm以上、100μ
m以下の金属支持体であることを特徴とする非水二次電
池。
Description
に高容量でサイクル寿命の長いリチウム二次電池に関す
る。
ウムを含有する正極活物質を用いるリチウム二次電池で
は、まず、正極活物質に含まれるリチウムを負極材料に
挿入して負極材料の活性を上げる。これが充電反応であ
り、その逆の負極材料からリチウムイオンを正極活物質
へ挿入させる反応が放電反応である。このタイプのリチ
ウム電池負極材料として、カーボンが用いられている。
カーボン(C6 Li)の理論容量は372mAh /gであ
り、さらなる高容量負極材料が望まれている。一方、リ
チウムと金属間化合物を形成するケイ素の理論容量は4
000mAh /gをこえ、カーボンのそれより大きいこと
はよく知られている。例えば、特開平5−74463で
は、単結晶のケイ素を開示しており、特開平7−296
02では、非晶質ケイ素を開示している。また、ケイ素
を含んだ合金では、Li−Al合金にケイ素を含む例
が、特開昭63−66369(ケイ素が19重量%)、
同63−174275(ケイ素が0.05〜1.0重量
%)、同63−285865(ケイ素が1〜5重量%)
に開示されている。ただし、これらの合金特許出願はい
ずれもリチウムを主体としているため、正極活物質には
リチウムを含有しない化合物が用いられていた。また、
特開平4−109562では、ケイ素が0.05〜1.
0重量%の合金が開示されている。特開昭62−226
563では、リチウムと合金可能な金属と黒鉛粉末を混
合する方法が開示されている。しかし、いずれもサイク
ル寿命が劣り、実用されるには至っていない。ケイ素の
サイクル寿命が劣る理由として、その電子伝導性が低い
こと、リチウム挿入により体積が膨張し、粒子が微粉化
されることが推測されている。一方、負極の集電体とし
ては、アルミニウムや銅の箔が通常用いられているが、
これらの材料を用いた電池でも、サイクル寿命は十分と
は言えない。サイクル寿命が不十分な原因の一つに集電
体と電極合剤層間の導通が大きくなることが推測されて
いる。
ウム二次電池のエネルギー量を高め、かつサイクル寿命
を高めることにある。
活物質を有する正極、負極材料を有する負極及び非水電
解質を構成要素とする非水二次電池に於いて、該正極活
物質がリチウム含有遷移金属酸化物であり、該負極材料
がリチウムの挿入放出可能なケイ素原子を含む化合物で
あり、該負極の集電体が平均表面粗さ0.03μm以
上、1μm以下で厚さ5μm以上、100μm以下の金
属箔支持体であることを特徴とする非水二次電池により
解決できた。
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (1)正極活物質を有する正極、負極材料を有する負極
及び非水電解質を構成要素とする非水二次電池に於い
て、該正極活物質がリチウム含有遷移金属酸化物であ
り、該負極材料がリチウムの挿入放出可能なケイ素原子
を含む化合物であり、該負極の集電体が平均表面粗さ
0.03μm以上、1μm以下で厚さ5μm以上、10
0μm以下の金属箔支持体であることを特徴とする非水
二次電池。 (2)項(1)に記載の集電体が銅、ニッケル、チタン
またはそれらの合金、ステンレスである非水二次電池。 (3)項(1)または(2)に記載の集電体が平均表面
粗さ0.05μm以上、0.5μm以下の金属箔である
非水二次電池。 (4)項(1)〜(3)に記載のケイ素化合物の平均粒
子サイズは0.01〜100μmである非水二次電池。 (5)項(1)〜(3)に記載のケイ素化合物が合金で
ある非水二次電池。 (6)項(5)に記載の合金において、ケイ素以外の金
属の少なくとも1種がアルカリ土類金属、遷移金属、半
金属である非水二次電池。 (7)項(5)または(6)に記載の金属の少なくとも
1種がGe、Be、Ag、Al、Au、Cd、Ga、I
n、Sb、Sn、Znである非水二次電池。 (8)項(5)〜(7)に記載のケイ素に対する該金属
の重量比率が5〜90%である非水二次電池。 (9)項(1)に記載のケイ素化合物が金属ケイ化物か
ら金属を除去したケイ素である非水二次電池。 (10)項(9)に記載の金属ケイ化物がリチウムケイ化
物である非水二次電池。 (11)項(10)に記載のリチウムケイ化物のリチウム含
量が、ケイ素に対して、100〜420原子%である非
水二次電池。 (12)項(1)に記載のケイ素化合物がリチウムと反応
しないセラミックと付着しているケイ素化合物である非
水二次電池。 (13)項(12)に記載のセラミックがAl2 O3 、Si
O2 、TiO2 、SiC、Si3 N4 から選ばれる少な
くとも1種のセラミックである非水二次電池。 (14)項(12)または(13)に記載のケイ素化合物に対
する該セラミックの重量比が2〜50%である非水二次
電池。 (15)項(12)〜(14)に記載のケイ素化合物に該セラ
ミックを付着させる方法が、300〜1300℃に加熱
する工程を含む負極材料の製造方法。 (16)項(1)に記載のケイ素化合物が、少なくとも金
属で被覆されている非水二次電池。 (17)項(16)に記載の金属で被覆させる方法が無電解
めっき法、蒸着法、スパッタリング法、化学気相成長法
である負極材料の製造方法。 (18)項(16)または(17)に記載の被覆される金属の
少なくとも1種がNi、Cu、Ag、Co、Fe、C
r、W、Ti、Au、Pt、Pd、Sn、Znである非
水二次電池。 (19)項(16)〜(18)に記載の金属で被覆されたケイ
素化合物の比伝導度が、被覆されていないケイ素化合物
の比伝導度の10倍以上である非水二次電池。 (20)項(1)に記載のケイ素化合物が、あらかじめ熱
可塑性樹脂で被覆されている非水二次電池。 (21)項(20)に記載の熱可塑性樹脂がポリフッ化ビニ
リデン、ポリテトラフルオロエチレンである非水二次電
池。
素化合物に対する熱可塑性樹脂の重量比が2〜30%で
ある非水二次電池。 (23)項(20)〜(22)に記載の熱可塑性樹脂の被覆率
が5〜100%である非水二次電池。 (24)項(1)に記載のケイ素化合物に対して、炭素を
重量比で5〜1900%共存させた負極を用いる非水二
次電池。 (25)項(24)に記載の炭素が鱗片状天然黒鉛である非
水二次電池。 (26)項(1)に記載のケイ素化合物の充放電範囲が、
ケイ素に挿入放出するリチウムの当量比として、Lix
Siで表すとxが0から4.2の範囲内である非水二次
電池。 (27)項(1)に記載のケイ素化合物の充放電範囲は、
Lix Siで表すとxが0から3.7の範囲内である非
水二次電池。 (28)項(1)に記載の正極活物質はLiy MO2 (M
=Co、Ni、Fe、Mn y=0〜1.2)を含む材
料、またはLiz N2 O4 (N=Mn z=0〜2)で
表されるスピネル構造を有する材料の少なくとも1種を
用いた非水二次電池。 (29)項(3)〜(27)に記載のケイ素の平均粒子サイ
ズが0.01〜50μmである非水二次電池。ここで言
うケイ素とは、リチウムと反応できるケイ素単体、ケイ
素合金、ケイ化物のことである。 (30)項(5)〜(8)に記載の合金が、項(9)〜
(15)に記載のセラミックを付着した合金である非水二
次電池。 (31)項(5)〜(8)に記載の合金が、項(16)〜
(19)に記載の金属を被覆した合金である非水二次電
池。 (32)項(30)に記載の材料が、項(16)〜(19)に記
載の金属を被覆した合金である非水二次電池。 (33)項(5)〜(8)に記載の合金が、項(20)〜
(23)に記載の熱可塑性樹脂を被覆した合金である非水
二次電池。 (34)項(30)〜(32)に記載の材料が、項(20)〜
(23)に記載の熱可塑性樹脂を被覆した材料である非水
二次電池。 (35)項(5)〜(8)に記載の合金に項(24)または
(25)の炭素を共存させた非水二次電池。 (36)項(30)〜(34)に記載の材料に項(24)または
(25)の炭素を共存させた非水二次電池。 (37)項(5)〜(8)に記載の合金を項(26)または
(27)の充放電範囲で用いた非水二次電池。 (38)項(30)〜(34)に記載の材料を項(26)または
(27)の充放電範囲で用いた非水二次電池。 (39)項(5)〜(8)に記載の合金負極の正極活物質
として項(28)の化合物を用いた非水二次電池。 (40)項(30)〜(36)に記載の材料の正極活物質とし
て項(28)の化合物を用いた非水二次電池。(41)項
(9)〜(11)に記載のケイ素が、項(12)〜(15)に
記載のセラミックを付着させたケイ素である非水二次電
池。 (42)項(9)〜(11)に記載のケイ素が、項(16)〜
(19)に記載の金属を被覆したケイ素である非水二次電
池。 (43)項(41)に記載の材料が、項(16)〜(19)に記
載の金属を被覆した材料である非水二次電池。 (44)項(9)〜(11)に記載のケイ素が、項(20)〜
(23)に記載の熱可塑性樹脂を被覆したケイ素である非
水二次電池。 (45)項(41)〜(43)の材料が、項(20)〜(23)に
記載の熱可塑性樹脂を被覆した材料である非水二次電
池。 (46)項(9)〜(11)に記載のケイ素が、項(24)ま
たは(25)の炭素を共存させたケイ素である非水二次電
池。 (47)項(41)〜(45)に記載の材料が、項(24)また
は(25)の炭素を共存させた材料である非水二次電池。 (48)項(9)〜(11)に記載のケイ素を項(26)また
は(27)に記載の充放電範囲で用いた非水二次電池。 (49)項(41)〜(47)に記載の材料を項(26)または
(27)に記載の充放電範囲で用いた非水二次電池。 (50)項(9)〜(11)に記載のケイ素負極の正極活物
質として項(28)の化合物を用いた非水二次電池。 (51)項(41)〜(47)に記載の負極の正極活物質とし
て項(28)の化合物を用いた非水二次電池。 (52)項(12)〜(15)に記載のケイ素化合物が、項
(16)〜(19)に記載の金属を被覆したケイ素化合物で
ある非水二次電池。 (53)項(12)〜(15)に記載のケイ素化合物が、項
(20)〜(23)に記載の熱可塑性樹脂を被覆したケイ素
化合物である非水二次電池。 (54)項(52)に記載の材料が、項(20)〜(23)に記
載の熱可塑性樹脂を被覆した材料である非水二次電池。 (55)項(12)〜(15)に記載のケイ素化合物に項(2
4)または(25)の炭素を共存させた非水二次電池。 (56)項(52)〜(54)に記載の材料に項(24)または
(25)の炭素を共存させた非水二次電池。 (57)項(12)〜(15)に記載のケイ素化合物を項(2
6)または(27)に記載の充放電範囲で用いた非水二次
電池。 (58)項(52)〜(54)に記載の材料を項(26)または
(27)に記載の充放電範囲で用いた非水二次電池。 (59)項(12)〜(15)に記載のケイ素化合物負極の正
極活物質として項(28)の化合物を用いた非水二次電
池。 (60)項(52)〜(54)に記載の材料負極の正極活物質
として項(28)の化合物を用いた非水二次電池。 (61)項(16)〜(19)に記載の材料が、項(9)〜
(15)のセラミックを付着させた材料である非水二次電
池。 (62)項(16)〜(19)の材料が、項(20)〜(23)に
記載の熱可塑性樹脂を被覆した材料である非水二次電
池。 (63)項(61)に記載の材料が、項(20)〜(23)に記
載の熱可塑性樹脂を被覆した材料である非水二次電池。 (64)項(16)〜(19)、(61)〜(63)に記載の材料
に項(24)または(25)の炭素を共存させた非水二次電
池。 (65)項(16)〜(19)、(61)〜(63)に記載の材料
を項(26)または(27)の充放電範囲で用いた非水二次
電池。 (66)項(16)〜(19)、(61)〜(63)に記載の材料
負極の正極活物質として項(28)の化合物を用いた非水
二次電池。 (67)項(20)〜(23)に記載の材料が、項(9)〜
(15)に記載のセラミックを付着した材料である非水二
次電池。 (68)項(20)〜(23)、(67)に記載の材料が、項
(16)〜(19)に記載の金属を被覆した非水二次電池。 (69)項(20)〜(23)、(67)、(68)に記載の材料
が、項(24)または(25)に記載の炭素を共存させた材
料である非水二次電池。 (70)項(20)〜(23)、(68)、(69)に記載の材料
を項(26)または(27)に記載の充放電範囲で用いた非
水二次電池。 (71)項(20)〜(23)、(68)、(69)に記載の材料
負極の正極活物質として項(28)の化合物を用いた非水
二次電池。 (72)項(24)または(25)に記載の負極の正極活物質
として項(28)に記載の化合物を用いた非水二次電池。
は、正極合剤(あるいは負極合剤)を集電体上に塗設、
成形して作ることができる。正極合剤(あるいは負極合
剤)には、正極活物質(あるいは負極材料)の他、導電
剤、結着剤、分散剤、フィラー、イオン導電剤、圧力増
強剤や各種添加剤を含むことができる。これらの電極
は、円盤状、板状であってもよいが、柔軟性のあるシー
ト状であることが好ましい。
述する。本発明の負極の用いられる集電体の材質として
は、銅、ニッケル、チタン単体またはこれらの合金、ま
たはステンレスである。本発明で用いられる好ましい負
極集電体の材質のひとつとして銅またはその合金が挙げ
られる。銅と合金化する好ましい金属としてはZn、N
i、Sn、Alなどがあるが、他にFe、P、Pb、M
n、Ti、Cr、Si、Asなどを少量加えても良い。
本発明で用いられる好ましい負極集電体の材質のもうひ
とつとしてチタンまたはその合金が挙げられる。チタン
はその酸化皮膜が安定であるため酸化性環境に対しては
完全に耐食性であり、本実施態様における深放電または
過放電時の溶解を防ぐことができる。また、耐食性をさ
らに向上するためにTa、Pd、Mo、NiまたはZr
などとの合金を用いてもよい。合金化する金属として
は、他にAl、Cr、Sn、Fe、Si、Mn、Cu、
V、Biなどがある。本発明で用いられる好ましい負極
集電体のもうひとつの材質としてニッケルまたはその合
金が挙げられる。ニッケルの酸化被膜は緻密で保護作用
が大きく、かつ導電性も優れているため本発明負極活物
質の集電体として好ましい。ニッケルを主体とする合金
も用いることが出来、例えば、Cu、Cr、Fe、M
o、Si、WまたはTaなどとの合金が好ましい。他に
Al、Nb、Mn、Coなどとの合金でも良い。
もうひとつの材質としてステンレス鋼が挙げられる。ス
テンレス鋼とはクロムを約11%以上含む、耐候性、耐
食性に優れたFe−Cr鋼である。この合金は大気中に
おいてその表面にごく薄い不働態皮膜を生成してその後
の腐食は殆ど生じない。ステンレス鋼はその金属組織に
よってマルテンサイト系、フェライト系、オーステナイ
ト系、フェライト・オーステナイト系、セミ・オーステ
ナイト系に分類される。オーステナイト系ステンレス鋼
とはFe−Cr−Ni系またはFe−Cr−Mn系に属
し、オーステナイト組織を示すもので、低温から高温に
わたる広い温度範囲において高い強度と優れた延性をも
っている。摂氏約1000度以上の温度から急冷する固
溶化熱処理によって非磁性の完全なオーステナイト組織
となり、優れた耐食性と最大の延性が得られる。本発明
で用いるステンレス鋼の好ましい組成としては、例えば
JIS規格のSUS304、SUS316、SUS31
6L、SUS430などが挙げられる。特に好ましくは
SUS316やSUS316Lの様なMoを含むオース
テナイト系ステンレス鋼である。モリブデンの含量は好
ましくは1から7重量%、より好ましくは1.2から6
重量%、最も好ましくは1.7から4重量%である。ニ
ッケルの含量は好ましくは8から18重量%、より好ま
しくは9から16重量%、最も好ましくは10から15
重量%である。クロムの含量は好ましくは11から26
重量%、より好ましくは15から20重量%、最も好ま
しくは16から19重量%である。ニッケル、クロム、
モリブデンの含量の組み合わせをこの順に記すと、好ま
しくは、8から18重量%、11から26重量%、1か
ら7重量%、より好ましくは9から16重量%、15か
ら20重量%、1.2から6重量%、最も好ましくは1
0から15重量%、16から19重量%、1.7から4
重量%である。
持体としても、またリード端子としても使うことができ
る。電極の支持体として用いる場合の集電体の形状とし
ては、箔状、エキスパンドメタル状、パンチングメタル
状、発泡メタル状または網状が好ましく、最も好ましく
は箔状である。本発明に用いる集電体の厚みは活物質の
充填量を上げるため薄い方が良く、具体的には5μ〜1
00μが好ましく、さらに好ましくは10μ〜50μで
ある。本発明に用いる集電体が箔の様な連続体の場合、
表面を物理的または化学的に処理して表面粗さを変えた
り、酸化被膜の厚みを調節しても良く、また導電性の塗
膜を施したり、銀、金、TiC、TiNなどでコーティ
ングしても良い。
グ処理(酸処理など)、レーザー処理、電解メッキ、無
電解メッキ、サンドブラストなどの方法があるが、これ
らに限定されるものではない。表面の粗さは、活物質含
有層との親和性の観点では粗い方が良いが、粗すぎると
塗工やプレス等の工程中に金属箔の切断等を引き起こす
ので好ましくない。平均表面粗さとしては0.03μm
以上、1μm以下の範囲が好ましい。より好ましくは
0.05μm以上、0.5μm以下の範囲である。
ックシートの両面上に金属層を形成したものであっても
よい。プラスチックは、延伸性及び耐熱性に優れたもの
が好ましく、例えばポリエチレンテレフタレートであ
る。金属だけでは、弾性がほとんどないので、外力に弱
い。プラスチック上に金属層を形成すれば、衝撃に強く
なる。より具体的には、集電体は、合成樹脂フィルムや
紙等の基材を電子伝導性の上記金属または合金で被覆し
た複合集電体である。基材となる合成樹脂フィルムとし
ては、フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
カーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミド、セ
ルロース誘電体、ポリスルホンを挙げることができる。
基材を被覆する電子伝導性の物質としては、上記の銅、
ニッケル、チタン単体またはこれらの合金、またはステ
ンレスを用いるのが好ましい。これらの複合集電体は、
基材のシートと金属シートを張り合わせる形態であって
もよいし、蒸着等により金属層を形成してもよい。
挿入放出できるケイ素原子を含む化合物は、ケイ素単
体、ケイ素合金、ケイ化物を意味する。ケイ素単体とし
ては、単結晶、多結晶、非晶質のいずれも使用すること
ができる。単体の純度は85重量%以上が好ましく、特
に、95重量%以上が好ましい。さらに、99重量%以
上が特に好ましい。その平均粒子サイズは0.01〜1
00μmが好ましい。さらに0.05〜50μmがより
好ましく、0.1〜5μmが特に好ましい。
に生じるケイ素の膨張収縮による微粉化を抑制したり、
ケイ素の伝導性の低さを改良するので有効であると考え
られる。合金としては、アルカリ土類金属、遷移金属あ
るいは半金属との合金が好ましい。特に、固溶性合金や
共融性合金が好ましい。固溶性合金は固溶体を形成する
合金をいう。例えばGeの合金が固溶性合金である。共
融性合金とは、ケイ素とどんな割合でも共融するが、冷
却して得られる固体はケイ素と金属の混合体である合金
を言う。Be、Ag、Al、Au、Cd、Ga、In、
Sb、Sn、Znが共融性合金を形成する。これらの中
では、Ge、Be、Ag、Al、Au、Cd、Ga、I
n、Sb、Sn、Znの合金が更に好ましい。またこれ
らの2種以上の合金も好ましい。とくに、Ge、Ag、
Al、Cd、In、Sb、Sn、Znを含む合金が好ま
しい。これらの合金の混合比率は、ケイ素に対して5〜
70重量%が好ましい。とくに、10〜60重量%が好
ましい。この場合、電気伝導性が向上するが電池性能、
とくに、放電容量、ハイレート特性、サイクル寿命の点
で、比伝導度が合金前のケイ素またはケイ素化合物の比
伝導度の10倍以上になることが好ましい。合金の平均
粒子サイズは0.01〜40μmが好ましい。特に、
0.03〜5μmが好ましい。
う。ケイ化物としては、CaSi、CaSi2 、Mg2
Si、BaSi2 、SrSi2 、Cu5 Si、FeS
i、FeSi2 、CoSi2 、Ni2 Si、NiS
i2 、MnSi、MnSi2 、MoSi2 、CrS
i2 、TiSi2 、Ti5 Si3 、Cr3 Si、NbS
i2 、NdSi2 、CeSi2 、SmSi2 、DySi
2 、ZrSi2 、WSi2 、W5 Si3 、TaSi2 、
Ta5 Si3 、TmSi2 、TbSi2 、YbSi2 、
YSi2 、YSi2 、ErSi、ErSi2 、GdSi
2 、 PtSi、V3 Si、VSi2 、HfSi2 、Pd
Si、PrSi2 、HoSi2 、EuSi2 、LaS
i、RuSi、ReSi、RhSi等が用いられる。
金属を除去したケイ素を用いることができる。このケイ
素の形状としては、1μm以下の微粒子で多孔性のもの
や、微小粒子が凝集して多孔性の二次粒子を形成したも
のをあげることができる。このケイ素を用いるとサイク
ル寿命が改良される理由としては、微粉化されにくいと
考えられる。該金属ケイ化物の金属はアルカリ金属、ア
ルカリ土類金属であることが好ましい。なかでも、L
i、Ca、Mgであることが好ましい。とくに、Liが
好ましい。該リチウムケイ化物のリチウム含量は、ケイ
素に対して、100〜420モル%が好ましい。特に、
200〜420が好ましい。アルカリ金属やアルカリ土
類金属のケイ化物からアルカリ金属やアルカリ土類金属
を除去する方法は、アルカリ金属やアルカリ土類金属と
反応し、かつ、反応生成物が溶解させる溶媒で処理させ
ることが好ましい。溶媒としては、水、アルコール類が
好ましい。とくに、脱気し、かつ、脱水したアルコール
類が好ましい。アルコール類としては、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−
プロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチ
ルアルコール、t−ブチルアルコール、1−ペンチルア
ルコール、2−ペンチルアルコール、3−ペンチルアル
コールが好ましい。とくに、1−プロピルアルコール、
2−プロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−
ブチルアルコール、t−ブチルアルコールが好ましい。
CaやMgの除去は、水が好ましい。中性付近に保つよ
うなpH緩衝剤を用いると更に好ましい。
イ素の微粉化の抑制に有効であると考えられる。セラミ
ックとしては、リチウムと原則的に反応しない化合物が
好ましい。とくに、Al2 O3 、SiO2 、TiO2 、
SiC、Si3 N4 が好ましい。ケイ素とセラミックを
付着させる方法としては、混合、加熱、蒸着、CVDが
用いられるが、とくに、混合と加熱の併用が好ましい。
とくに、Al2 O3 やSiO2 ゾルとケイ素を分散混合
させた後、加熱し、固溶した固まりを粉砕してケイ素と
Al2 O3 やSiO2 の付着物を得ることができる。こ
の場合、Al2 O 3 やSiO2 の付着物とは、Al2 O
3 やSiO2 等の表面がケイ素粉末に覆われていたり、
Al2 O3 やSiO2 等の固まりの内部に閉じこめられ
ていたり、ケイ素の表面がそれらが覆われていたりする
状態を言う。混合分散は、機械的撹拌、超音波、混練に
より達成できる。加熱は不活性ガス中で300℃〜13
00℃の範囲で行うことが好ましいが、とくに500℃
〜1200℃が好ましい。不活性ガスはアルゴン、窒素
があげられる。これらの混合ガスも用いられる。粉砕法
はボールミル、振動ミル、遊星ボールミル、ジェットミ
ルなどよく知られた方法が用いられる。この粉砕も不活
性ガス中で行われることが好ましい。ケイ素に対するセ
ラミックスの混合比は2〜50重量%の範囲が好ましい
が、とくに3〜40%が好ましい。ケイ素の電子顕微鏡
観察から求めた平均粒子サイズは、0.01〜40μm
が好ましい。とくに、0.03〜5μmが好ましい。
は、電気めっき法、置換めっき法、無電解めっき法、抵
抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着、クラスターイオン蒸着
法などの蒸着法、スパッタリング法、化学気相成長法
(CVD法)により達成できる。とくに、無電解めっき
法、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着、クラスターイオ
ン蒸着法などの蒸着法、スパッタリング法、CVD法が
好ましい。さらに、無電解めっき法がとくに好ましい。
無電解めっき法は「無電解めっき 基礎と応用」電気鍍
金研究会編 日刊工業新聞社刊(1994)に記載され
ている。その還元剤はホスフィン酸塩、ホスホン酸塩、
水素化ホウ素化物、アルデヒド類、糖類、アミン類、金
属塩が好ましい。ホスフィン酸水素ナトリウム、ホスホ
ン酸水素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチ
ルアミンボラン、ホルムアルデヒド、蔗糖、デキストリ
ン、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、アスコルビン
酸、塩化チタンが好ましい。めっき液の中には還元剤の
他に、pH調節剤、錯形成剤を含ませることが好まし
い。これらについても上記「無電解めっき 基礎と応
用」に記載されている化合物が用いられる。めっき液の
pHはとくに限定されないが、4〜13が好ましい。液
の温度は10℃〜100℃が好ましいが、とくに、20
℃〜95℃がこのましい。めっき浴の他にSnCl2 塩
酸水溶液からなる活性化浴、PdCl2 塩酸水溶液から
なる核形成浴を用いたり、さらに濾過工程、水洗工程、
粉砕工程、乾燥工程が用いられる。
ては、粉体状、塊状、板状等のいずれもが用いられる。
被覆される金属は導電性の高い金属であれば何でもよい
が、とくに、Ni、Cu、Ag、Co、Fe、Cr、
W、Ti、Au、Pt、Pd、Sn、Znが好ましい。
とくに、Ni、Cu、Ag、Co、Fe、Cr、Au、
Pt、Pd、Sn、Znが好ましく、さらに、Ni、C
u、Ag、Pd、Sn、Znがとくに好ましい。被覆さ
れる金属量はとくに限定がないが、比伝導度が、素地で
あるケイ素化合物の比伝導度の10倍以上になるように
被覆することが好ましい。
性樹脂で被覆することが好ましい。熱可塑性樹脂は含フ
ッ素高分子化合物、イミド系高分子、ビニル系高分子、
アクリレート系高分子、エステル系高分子、ポリアクリ
ロニトリルなどが用いられる。とくに、熱可塑性樹脂は
電解液に膨潤しにくい樹脂が好ましい。具体例として
は、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸Na、ポリビニル
フェノール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミ
ド、ポリヒドロキシ(メタ)アクリレート、スチレン−
マレイン酸共重合体等の水溶性ポリマー、ポリビニルク
ロリド、ポリテトラフルロロエチレン、ポリフッ化ビニ
リデン、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレ
ン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフロロエチ
レン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンタ
ーポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、ポリビ
ニルアセタール樹脂、メチルメタアクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エス
テルを含有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体、
(メタ)アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合
体、ビニルアセテート等のビニルエステルを含有するポ
リビニルエステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重
合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリブ
タジエン、ネオプレンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレン
オキシド、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテ
ルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂
等のエマルジョン(ラテックス)あるいはサスペンジョ
ンを挙げることが出来る。特にポリアクリル酸エステル
系のラテックス、カルボキシメチルセルロース、ポリテ
トラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンが挙げら
れる。これらの化合物は単独または混合して用いること
が出来る。とくに、含フッ素高分子化合物が好ましい。
なかでもポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニ
リデンが好ましい。あらかじめ被覆する方法としては、
熱可塑性樹脂を溶剤に溶解させておき、その溶液にケイ
素化合物を混合、混練する。その溶液を乾燥し、得られ
た固形物を粉砕する方法が好ましい。ケイ素化合物に対
する熱可塑性樹脂の使用量としては、2〜30重量%が
好ましい。とくに、3〜20重量%が好ましい。被覆率
は5〜100%が好ましいが、とくに、5〜90%が好
ましい。被覆された粒子の平均サイズは、0.01μm
〜40μmが好ましい。とくに、0.03〜5μmが好
ましい。
を混合して用いることが好ましい。炭素質材料は導電剤
や負極材料で用いられる材料が用いられる。炭素質材料
としては、難黒鉛化炭素材料と黒鉛系炭素材料を挙げる
ことができる。具体的には、特開昭62−122066
号、特開平2−66856号、同3−245473号等
の各公報に記載される面間隔や密度、結晶子の大きさの
炭素材料、特開平5−290844号公報に記載の天然
黒鉛と人造黒鉛の混合物、特開昭63−24555号、
同63−13282号、同63−58763号、特開平
6−212617号公報に記載の気相成長炭素材料、特
開平5−182664号公報に記載の難黒鉛化炭素を2
400℃を超える温度で加熱焼成された材料であり、か
つ複数の002面に相当するX線回折のピークを持つ材
料、特開平5−307957号、同5−307958
号、同7−85862号、同8−315820号公報に
記載のピッチ焼成により合成されたメソフェース炭素材
料、特開平6−84516号公報に記載の被覆層を有す
る黒鉛、さらには、各種の粒状体、微小球体、平板状
体、微小繊維、ウィスカーの形状の炭素材料、フェノー
ル樹脂、アクリロニトリル樹脂、フルフリルアルコール
樹脂の焼成体、水素原子を含むポリアセン材料などの炭
素材料等を挙げることができる。さらに、導電剤として
の具体例としては、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛等
の天然黒鉛、石油コークス、石炭コークス、セルロース
類、糖類、メソフェーズピッチ等の高温焼成体、気相成
長黒鉛等の人工黒鉛等のグラファイト類、アセチレンブ
ラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、チ
ャンネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック
等のカーボンブラック類、アスファルトピッチ、コール
タール、活性炭、メソフューズピッチ、ポリアセン等の
炭素材料が好ましい。これらは単独で用いても良いし、
混合物として用いても良い。
記載の炭素材料や各種の粒状体、微小球体、平板状体、
繊維、ウィスカーの形状の炭素材料、また、メソフェー
ズピッチ、フェノール樹脂、アクリロニトリル樹脂の焼
成体、さらに、水素原子を含むポリアセン材料が好まし
い。なかでも、鱗片状天然黒鉛が合剤膜を強固にさせる
ため好ましい。混合比は、ケイ素化合物に対して、20
00重量%以下が好ましい。さらに10〜1000重量
%がより好ましく、20〜500重量%が特に好まし
い。導電剤としては、炭素の他金属を用いることができ
る。Ni、Cu、Ag、Feが好ましい。
は、挿入放出できるリチウムとケイ素原子の比をLix
Siで表すとき、x=0〜4.2が好ましい。ケイ素の
サイクル寿命改良を鋭意検討した結果、x=0〜3.7
の範囲に留めるとサイクル寿命が大きく改良することを
見いだした。充電電位では、リチウム金属対極に対し
て、x=4.2では、過電圧を含めて、0.0Vである
のに対し、x=3.7では、約0.05Vであった。こ
のとき、放電曲線の形状は変化し、0.0V充電折り返
しでは0.5V(対リチウム金属)付近に平坦な放電曲
線が得られるのに対し、0.05V以上、とくに0.0
8V以上(x=3.6)では、約0.4Vに平均電圧を
もつなだらかな曲線が得られる。即ち、充電終始電圧を
上げた方が放電電位が下がるという特異的な現象を見い
だし、かつ、充放電反応の可逆性もあがった現象を見い
だしたことを示している。
クル寿命を改良する効果を持つ方法を個々に記述してき
たが、さらに好ましい態様は、上記方法の組み合わせに
よりさらに高い改良効果を得ることを見いだした。
イ素化合物の他炭素質材料、酸化物材料、窒化物材料、
硫化物材料、リチウム金属、リチウム合金などリチウム
を挿入放出できる化合物と組み合わせることができる。
有遷移金属酸化物である。好ましくはTi、V、Cr、
Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Wから選ばれる少なく
とも1種の遷移金属元素とリチウムとを主として含有す
る酸化物であって、リチウムと遷移金属のモル比が0.
3乃至2.2の化合物である。より好ましくは、V、C
r、Mn、Fe、Co、Niから選ばれる少なくとも1
種の遷移金属元素とリチウムとを主として含有する酸化
物であって、リチウムと遷移金属のモル比が0.3乃至
2.2の化合物である。なお主として存在する遷移金属
に対し30モルパーセント未満の範囲でAl、Ga、I
n、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、Bなど
を含有していても良い。上記の正極活物質の中で、一般
式Lix MO2 (M=Co、Ni、Fe、Mnx=0〜
1.2)、またはLiy N2 O4 (N=Mn y=0〜
2)で表されるスピネル構造を有する材料の少なくとも
1種を用いることがこのましい。具体的には、Lix C
oO2 、Lix NiO2 、Lix MnO2 、Lix Co
a Ni 1-a O2 、Lix Cob V1-b Oz 、Lix Co
b Fe1-b O2 、Lix Mn2O4 、Lix Mnc Co
2-c O4 、Lix Mnc Ni2-c O4 、Lix Mnc V
2-c O4 、Lix Mnc Fe2-c O4 (ここでx=0.
02〜1.2、a=0.1〜0.9、b=0.8〜0.
98、c=1.6〜1.96、z=2.01〜2.3)
である。最も好ましいリチウム含有遷移金属酸化物とし
ては、Lix CoO2 、LixNiO2 、Lix MnO
2 、Lix Coa Ni1-a O2 、Lix Mn2 O4 、L
ix Cob V1-b Oz (x=0.02〜1.2、a=
0.1〜0.9、b=0.9〜0.98、z=2.01
〜2.3)があげられる。なおxの値は充放電開始前の
値であり、充放電により増減する。
合物と遷移金属化合物を混合、焼成する方法や溶液反応
により合成することができるが、特に焼成法が好まし
い。焼成の為の詳細は、特開平6−60,867号の段
落35、特開平7−14,579号等に記載されてお
り、これらの方法を用いることができる。焼成によって
得られた正極活物質は水、酸性水溶液、アルカリ性水溶
液、有機溶剤にて洗浄した後使用してもよい。更に、遷
移金属酸化物に化学的にリチウムイオンを挿入する方法
としては、リチウム金属、リチウム合金やブチルリチウ
ムと遷移金属酸化物と反応させることにより合成する方
法であっても良い。
ズは特に限定されないが、0.1〜50μmが好まし
い。0.5〜30μmの粒子の体積が95%以上である
ことが好ましい。粒径3μm以下の粒子群の占める体積
が全体積の18%以下であり、かつ15μm以上25μ
m以下の粒子群の占める体積が、全体積の18%以下で
あることが更に好ましい。比表面積としては特に限定さ
れないが、BET法で0.01〜50m2/gが好まし
く、特に0.2m2/g〜1m2/gが好ましい。また正極
活物質5gを蒸留水100mlに溶かした時の上澄み液
のpHとしては7以上12以下が好ましい。
合、焼成温度としては500〜1500℃であることが
好ましく、さらに好ましくは700〜1200℃であ
り、特に好ましくは750〜1000℃である。焼成時
間としては4〜30時間が好ましく、さらに好ましくは
6〜20時間であり、特に好ましくは6〜15時間であ
る。
された電池において化学変化を起こさない電子伝導性材
料であれば何でもよい。具体例としては、鱗状黒鉛、鱗
片状黒鉛、土状黒鉛等の天然黒鉛、石油コークス、石炭
コークス、セルロース類、糖類、メソフェーズピッチ等
の高温焼成体、気相成長黒鉛等の人工黒鉛等のグラファ
イト類、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケ
ッチェンブラック、チャンネルブラック、ランプブラッ
ク、サーマルブラック等のカーボンブラック類、アスフ
ァルトピッチ、コールタール、活性炭、メソフューズピ
ッチ、ポリアセン等の炭素材料、金属繊維等の導電性繊
維類、銅、ニッケル、アルミニウム、銀等の金属粉類、
酸化亜鉛、チタン酸カリウム等の導電性ウィスカー類、
酸化チタン等の導電性金属酸化物等を挙げる事ができ
る。黒鉛では、アスペクト比が5以上の平板状のものを
用いると好ましい。これらの中では、グラファイトやカ
ーボンブラックが好ましく、粒子の大きさは、0.01
μm以上、20μm以下が好ましく、0.02μm以
上、10μm以下の粒子がより好ましい。これらは単独
で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。併用す
る場合は、アセチレンブラック等のカーボンブラック類
と、1〜15μmの黒鉛粒子を併用すると好ましい。導
電剤の合剤層への添加量は、負極材料または正極材料に
対し1〜50重量%であることが好ましく、特に2〜3
0重量%であることが好ましい。カーボンブラックやグ
ラファイトでは、3〜20重量%であることが特に好ま
しい。
剤を用いる。結着剤の例としては、多糖類、熱可塑性樹
脂及びゴム弾性を有するポリマー等が挙げられる。好ま
しい結着剤としては、でんぷん、カルボキシメチルセル
ロース、セルロース、ジアセチルセルロース、メチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、アルギン酸Na、ポリアクリル酸、
ポリアクリル酸Na、ポリビニルフェノール、ポリビニ
ルメチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシ(メ
タ)アクリレート、スチレン−マレイン酸共重合体等の
水溶性ポリマー、ポリビニルクロリド、ポリテトラフル
ロロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフロロエ
チレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ビニリデン
フロライド−テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロ
ピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、
スルホン化EPDM、ポリビニルアセタール樹脂、メチ
ルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート
等の(メタ)アクリル酸エステルを含有する(メタ)ア
クリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステ
ル−アクリロニトリル共重合体、ビニルアセテート等の
ビニルエステルを含有するポリビニルエステル共重合
体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル
−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ネオプレンゴ
ム、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシド、ポリエステル
ポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポ
リカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂等のエマルジョン(ラテ
ックス)あるいはサスペンジョンを挙げることが出来
る。特にポリアクリル酸エステル系のラテックス、カル
ボキシメチルセルロース、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリフッ化ビニリデンが挙げられる。これらの結着
剤は、微小粉末を水に分散したものを用いるのが好まし
く、分散液中の粒子の平均サイズが0.01〜5μmの
ものを用いるのがより好ましく、0.05〜1μmのも
のを用いるのが特に好ましい。これらの結着剤は単独ま
たは混合して用いることが出来る。結着剤の添加量が少
ないと電極合剤の保持力・凝集力が弱い。多すぎると電
極体積が増加し電極単位体積あるいは単位重量あたりの
容量が減少する。このような理由で結着剤の添加量は1
〜30重量%が好ましく、特に2〜10重量%が好まし
い。
変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いること
ができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの
オレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊維が用い
られる。フィラーの添加量は特に限定されないが、0〜
30重量%が好ましい。イオン導電剤は、無機及び有機
の固体電解質として知られている物を用いることがで
き、詳細は電解液の項に記載されている。圧力増強剤
は、電池の内圧を上げる化合物であり、炭酸リチウム等
の炭酸塩が代表例である。
て説明する。正負電極は集電体の両面に電極合剤を塗布
した形態であることが好ましい。この場合、片面あたり
の層数は1層であっても2層以上から構成されていても
良い。片面あたりの層の数が2以上である場合、正極活
物質(もしくは負極材料)含有層が2層以上であっても
良い。より好ましい構成は、正極活物質(もしくは負極
材料)を含有する層と正極活物質(もしくは負極材料)
を含有しない層から構成される場合である。正極活物質
(もしくは負極材料)を含有しない層には、正極活物質
(もしくは負極材料)を含有する層を保護するための保
護層、分割された正極活物質(もしくは負極材料)含有
層の間にある中間層、正極活物質(もしくは負極材料)
含有層と集電体との間にある下塗り層等があり、本発明
においてはこれらを総称して補助層と言う。
いずれかにあることが好ましい。リチウムを電池内で負
極材料に挿入する場合は負極は保護層を有する形態であ
ることが望ましい。保護層は、少なくとも1層からな
り、同種又は異種の複数層により構成されていても良
い。また、集電体の両面の合剤層の内の片面にのみ保護
層を有する形態であっても良い。これらの保護層は、水
不溶性の粒子と結着剤等から構成される。結着剤は、前
述の電極合剤を形成する際に用いられる結着剤を用いる
ことが出来る。水不溶性の粒子としては、種種の導電性
粒子、実質的に導電性を有さない有機及び無機の粒子を
用いることができる。水不溶性粒子の水への溶解度は、
100PPM 以下、好ましくは不溶性のものが好ましい。
保護層に含まれる粒子の割合は2.5重量%以上、96
重量%以下が好ましく、5重量%以上、95重量%以下
がより好ましく、10重量%以上、93重量%以下が特
に好ましい。
属酸化物、金属繊維、炭素繊維、カーボンブラックや黒
鉛等の炭素粒子を挙げることが出来る。これらの水不溶
導電性粒子の中で、アルカリ金属特にリチウムとの反応
性が低いものが好ましく、金属粉末、炭素粒子がより好
ましい。粒子を構成する元素の20℃における電気抵抗
率としては、5×109 Ω・m以下が好ましい。
低い金属、即ちリチウム合金を作りにくい金属が好まし
く、具体的には、銅、ニッケル、鉄、クロム、モリブデ
ン、チタン、タングステン、タンタルが好ましい。これ
らの金属粉末の形は、針状、柱状、板状、塊状のいずれ
でもよく、最大径が0.02μm以上、20μm以下が
好ましく、0.1μm以上、10μm以下がより好まし
い。これらの金属粉末は、表面が過度に酸化されていな
いものが好ましく、酸化されているときには還元雰囲気
で熱処理することが好ましい。
性でない場合に併用する導電材料として用いられる公知
の炭素材料を用いることが出来る。具体的には電極合剤
を作る際に用いられる導電剤が用いられる。
しては、テフロンの微粉末、SiC、窒化アルミニウ
ム、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、ムライト、フ
ォルステライト、ステアタイトを挙げることが出来る。
これらの粒子は、導電性粒子と併用してもよく、導電性
粒子の0.01倍以上、10倍以下で使うと好ましい。
を集電体の上に塗布、乾燥、圧縮する事により作成する
事ができる。合剤の調製は正極活物質(あるいは負極材
料)および導電剤を混合し、結着剤(樹脂粉体のサスペ
ンジョンまたはエマルジョン状のもの)、および分散媒
を加えて混練混合し、引続いて、ミキサー、ホモジナイ
ザー、ディゾルバー、プラネタリミキサー、ペイントシ
ェイカー、サンドミル等の攪拌混合機、分散機で分散し
て行うことが出来る。分散媒としては水もしくは有機溶
媒が用いられるが、水が好ましい。このほか、適宜充填
剤、イオン導電剤、圧力増強剤等の添加剤を添加しても
良い。分散液のpHは負極では5〜10、正極では7〜
12が好ましい。
例えば、リバースロール法、ダイレクトロール法、ブレ
ード法、ナイフ法、エクストルージョン法、スライド
法、カーテン法、グラビア法、バー法、ディップ法及び
スクイーズ法を挙げることが出来る。エクストルージョ
ンダイを用いる方法、スライドコーターを用いる方法が
特に好ましい。塗布は、0.1〜100m/分の速度で
実施されることが好ましい。この際、合剤ペーストの液
物性、乾燥性に合わせて、上記塗布方法を選定すること
により、良好な塗布層の表面状態を得ることが出来る。
電極層が複数の層である場合にはそれらの複数層を同時
に塗布することが、均一な電極の製造、製造コスト等の
観点から好ましい。その塗布層の厚み、長さや巾は、電
池の大きさにより決められる。典型的な塗布層の厚みは
乾燥後圧縮された状態で10〜1000μmである。塗
布後の電極シートは、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、
電子線及び低湿風の作用により乾燥、脱水される。これ
らの方法は単独あるいは組み合わせて用いることが出来
る。乾燥温度は80〜350℃の範囲が好ましく、特に
100〜260℃の範囲が好ましい。乾燥後の含水量は
2000ppm以下が好ましく、500ppm以下がよ
り好ましい。電極シートの圧縮は、一般に採用されてい
るプレス方法を用いることが出来るが、特に金型プレス
法やカレンダープレス法が好ましい。プレス圧は、特に
限定されないが、10kg/cm2 〜3t/cm2 が好
ましい。カレンダープレス法のプレス速度は、0.1〜
50m/分が好ましい。プレス温度は、室温〜200℃
が好ましい。
透過度が大きく、所定の機械的強度を持ち、絶縁性の薄
膜であれば良く、材質として、オレフィン系ポリマー、
フッ素系ポリマー、セルロース系ポリマー、ポリイミ
ド、ナイロン、ガラス繊維、アルミナ繊維が用いられ、
形態として、不織布、織布、微孔性フィルムが用いられ
る。特に、材質として、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンとポリエチレンの混合体、ポリプロ
ピレンとテフロンの混合体、ポリエチレンとテフロンの
混合体が好ましく、形態として微孔性フィルムであるも
のが好ましい。特に、孔径が0.01〜1μm、厚みが
5〜50μmの微孔性フィルムが好ましい。これらの微
孔性フィルムは単独の膜であっても、微孔の形状や密度
等や材質等の性質の異なる2層以上からなる複合フィル
ムであっても良い。例えば、ポリエチレンフィルムとポ
リプロピレンフィルムを張り合わせた複合フィルムを挙
げることができる。
る。リチウム二次電池における支持塩はリチウム塩が主
として用いられる。本発明で使用出来るリチウム塩とし
ては、例えば、LiClO4 、LiBF4、LiP
F6 、LiCF3 CO2 、LiAsF6 、LiSb
F6 、LiB10Cl 10、LiOSO2 Cn F2n+1で表さ
れるフルオロスルホン酸(nは6以下の正の整数)、L
iN(SO2 Cn F2n+1)(SO2 Cm F2m+1)で表さ
れるイミド塩(m、nはそれぞれ6以下の正の整数)、
LiC(SO2 Cp F2p+1)(SO2Cq F2q+1)(S
O2 Cr F2r+1)で表されるメチド塩(p、q、rはそ
れぞれ6以下の正の整数)、低級脂肪族カルボン酸リチ
ウム、LiAlCl4 、LiCl、LiBr、LiI、
クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウムなど
のLi塩を上げることが出来、これらの一種または二種
以上を混合して使用することができる。なかでもLiB
F4 及び/あるいはLiPF6 を溶解したものが好まし
い。支持塩の濃度は、特に限定されないが、電解液1リ
ットル当たり0.2〜3モルが好ましい。
レンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカ
ーボネート、クロロエチレンカーボネート、炭酸トリフ
ルオロメチルエチレン、炭酸ジフルオロメチルエチレ
ン、炭酸モノフルオロメチルエチレン、六フッ化メチル
アセテート、三フッ化メチルアセテート、ジメチルカー
ボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボ
ネート、γ−ブチロラクトン、ギ酸メチル、酢酸メチ
ル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、
2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシ
ド、1,3−ジオキソラン、2,2−ビス(トリフルオ
ロメチル)−1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジ
メチルホルムアミド、ジオキソラン、ジオキサン、アセ
トニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン
酸トリエステル、ホウ酸トリエステル、トリメトキシメ
タン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、3−メチル−
2−オキサゾリジノン、3−アルキルシドノン(アルキ
ル基はプロピル、イソプロピル、ブチル基等)、プロピ
レンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、
エチルエーテル、1,3−プロパンサルトンなどの非プ
ロトン性有機溶媒を挙げることができ、これらの一種ま
たは二種以上を混合して使用する。これらのなかでは、
カーボネート系の溶媒が好ましく、環状カーボネートと
非環状カーボネートを混合して用いるのが特に好まし
い。環状カーボネートとしてはエチレンカーボネート、
プロピレンカーボネートが好ましい。また、非環状カー
ボネートとしては、ジエチルカーボネート、ジメチルカ
ーボネート、メチルエチルカーボネートをが好ましい。
本発明で使用できる電解液としては、エチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネ−ト、1,2−ジメトキシエ
タン、ジメチルカーボネートあるいはジエチルカーボネ
ートを適宜混合した電解液にLiCF3 SO3 、LiC
lO4 、LiBF4 および/またはLiPF6 を含む電
解液が好ましい。特にプロピレンカーボネートもしくは
エチレンカーボネートの少なくとも一方とジメチルカー
ボネートもしくはジエチルカーボネートの少なくとも一
方の混合溶媒に、LiCF3 SO 3 、LiClO4 、も
しくはLiBF4 の中から選ばれた少なくとも一種の塩
とLiPF6 を含む電解液が好ましい。これら電解液を
電池内に添加する量は特に限定されず、正極材料や負極
材料の量や電池のサイズに応じて用いることができる。
併用することができる。固体電解質としては、無機固体
電解質と有機固体電解質に分けられる。無機固体電解質
には、Liの窒化物、ハロゲン化物、酸素酸塩などがよ
く知られている。なかでも、Li3 N、LiI、Li5
NI2、Li3 N−LiI−LiOH、Li4 SiO4 、
Li4 SiO4 −LiI−LiOH、x Li3 PO4 −
(1-x) Li4 SiO4 、Li2 SiS3 、硫化リン化合
物などが有効である。
イド誘導体か該誘導体を含むポリマー、ポリプロピレン
オキサイド誘導体あるいは該誘導体を含むポリマー、イ
オン解離基を含むポリマー、イオン解離基を含むポリマ
ーと上記非プロトン性電解液の混合物、リン酸エステル
ポリマー、非プロトン性極性溶媒を含有させた高分子マ
トリックス材料が有効である。さらに、ポリアクリロニ
トリルを電解液に添加する方法もある。また、無機と有
機固体電解質を併用する方法も知られている。
で、他の化合物を電解質に添加しても良い。例えば、ピ
リジン、ピロリン、ピロール、トリフェニルアミン、フ
ェニルカルバゾール、トリエチルフォスファイト、トリ
エタノールアミン、環状エーテル、エチレンジアミン、
n−グライム、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼ
ン誘導体、硫黄、キノンイミン染料、N−置換オキサゾ
リジノンとN, N’−置換イミダリジノン、エチレング
リコールジアルキルエーテル、第四級アンモニウム塩、
ポリエチレングリコール、ピロール、2−メトキシエタ
ノール、AlCl 3 、導電性ポリマー電極活物質のモノ
マー、トリエチレンホスホルアミド、トリアルキルホス
フィン、モルホリン、カルボニル基を持つアリール化合
物、12−クラウン−4のようなクラウンエーテル類、
ヘキサメチルホスホリックトリアミドと4−アルキルモ
ルホリン、二環性の三級アミン、オイル、四級ホスホニ
ウム塩、三級スルホニウム塩などを挙げることができ
る。特に好ましいのはトリフェニルアミン、フェニルカ
ルバゾールを単独もしくは組み合わせて用いた場合であ
る。
ゲン溶媒、例えば、四塩化炭素、三弗化塩化エチレンを
電解液に含ませることができる。また、高温保存に適性
をもたせるために電解液に炭酸ガスを含ませることがで
きる。
含有しないことが望ましい。このため、電解液の原料は
充分な脱水と精製をしたものが好ましい。また、電解液
の調整は、露点がマイナス30℃以下の乾燥空気中もし
くは不活性ガス中が好ましい。電解液中の水分及び遊離
酸分の量は、0.1〜500ppm、より好ましくは
0.2〜100ppmである。
が、2回以上に分けて注入することが好ましい。2回以
上に分けて注入する場合、それぞれの液は同じ組成で
も、違う組成(例えば、非水溶媒あるいは非水溶媒にリ
チウム塩を溶解した溶液を注入した後、前記溶媒より粘
度の高い非水溶媒あるいは非水溶媒にリチウム塩を溶解
した溶液を注入)でも良い。また、電解液の注入時間の
短縮等のために、電池缶を減圧したり、電池缶に遠心力
や超音波をかけることを行ってもよい。
材質としてニッケルメッキを施した鉄鋼板、ステンレス
鋼板(SUS304、SUS304L、SUS304
N、SUS316、SUS316L、SUS430、S
US444等)、ニッケルメッキを施したステンレス鋼
板(同上)、アルミニウムまたはその合金、ニッケル、
チタン、銅であり、形状として、真円形筒状、楕円形筒
状、正方形筒状、長方形筒状である。特に、外装缶が負
極端子を兼ねる場合は、ステンレス鋼板、ニッケルメッ
キを施した鉄鋼板が好ましく、外装缶が正極端子を兼ね
る場合は、ステンレス鋼板、アルミニウムまたはその合
金が好ましい。電池缶の形状はボタン、コイン、シー
ト、シリンダー、角などのいずれでも良い。電池缶の内
圧上昇の対策として封口板に安全弁を用いることができ
る。この他、電池缶やガスケット等の部材に切り込みを
いれる方法も利用することが出来る。この他、従来から
知られている種々の安全素子(例えば、過電流防止素子
として、ヒューズ、バイメタル、PTC素子等)を備え
つけても良い。
性をもつ金属(例えば、鉄、ニッケル、チタン、クロ
ム、モリブデン、銅、アルミニウム等)やそれらの合金
を用いることが出来る。電池蓋、電池缶、電極シート、
リード板の溶接法は、公知の方法(例、直流又は交流の
電気溶接、レーザー溶接、超音波溶接)を用いることが
出来る。封口用シール剤は、アスファルト等の従来から
知られている化合物や混合物を用いることが出来る。
して、オレフィン系ポリマー、フッ素系ポリマー、セル
ロース系ポリマー、ポリイミド、ポリアミドであり、耐
有機溶媒性及び低水分透過性から、オレフィン系ポリマ
ーが好ましく、特にプロピレン主体のポリマーが好まし
い。さらに、プロピレンとエチレンのブロック共重合ポ
リマーであることが好ましい。
エージング処理を施すのが好ましい。エージング処理に
は、前処理、活性化処理及び後処理などがあり、これに
より高い充放電容量とサイクル性に優れた電池を製造す
ることができる。前処理は、電極内のリチウムの分布を
均一化するための処理で、例えば、リチウムの溶解制
御、リチウムの分布を均一にするための温度制御、揺動
及び/または回転処理、充放電の任意の組み合わせが行
われる。活性化処理は電池本体の負極に対してリチウム
を挿入させるための処理で、電池の実使用充電時のリチ
ウム挿入量の50〜120%を挿入するのが好ましい。
後処理は活性化処理を十分にさせるための処理であり、
電池反応を均一にするための保存処理と、判定のための
充放電処理当があり、任意に組み合わせることができ
る。
件(前処理条件)は次の通りである。温度は30℃以上
70℃以下が好ましく、30℃以上60℃以下がより好
ましく、40℃以上60℃以下がさらに好ましい。ま
た、開路電圧は2.5V以上3.8V以下が好ましく、
2.5V以上3.5V以下がより好ましく、2.8V以
上3.3V以下がさらに好ましい。エージング期間は1
日以上20日以下が好ましく、1日以上15日以下が特
に好ましい。活性化の充電電圧は4.0V以上が好まし
く、4.05V以上4.3V以下がより好ましく、4.
1V以上4.2V以下が更に好ましい。活性化後のエー
ジング条件としては、開路電圧が3.9V以上4.3V
以下が好ましく、4.0V以上4.2V以下が特に好ま
しく、温度は30℃以上70℃以下が好ましく、40℃
以上60℃以下が特に好ましい。エージング期間は0.
2日以上20日以下が好ましく、0.5日以上5日以下
が特に好ましい。
される。外装材としては、熱収縮チューブ、粘着テー
プ、金属フィルム、紙、布、塗料、プラスチックケース
等がある。また、外装の少なくとも一部に熱で変色する
部分を設け、使用中の熱履歴がわかるようにしても良
い。
及び/または並列に組み電池パックに収納される。電池
パックには正温度係数抵抗体、温度ヒューズ、ヒューズ
及び/または電流遮断素子等の安全素子の他、安全回路
(各電池及び/または組電池全体の電圧、温度、電流等
をモニターし、必要なら電流を遮断する機能を有す回
路)を設けても良い。また電池パックには、組電池全体
の正極及び負極端子以外に、各電池の正極及び負極端
子、組電池全体及び各電池の温度検出端子、組電池全体
の電流検出端子等を外部端子として設けることもでき
る。また電池パックには、電圧変換回路(DC−DCコ
ンバータ等)を内蔵しても良い。また各電池の接続は、
リード板を溶接することで固定しても良いし、ソケット
等で容易に着脱できるように固定しても良い。さらに
は、電池パックに電池残存容量、充電の有無、使用回数
等の表示機能を設けても良い。
特に、ビデオムービー、モニター内蔵携帯型ビデオデッ
キ、モニター内蔵ムービーカメラ、デジタルカメラ、コ
ンパクトカメラ、一眼レフカメラ、レンズ付きフィル
ム、ノート型パソコン、ノート型ワープロ、電子手帳、
携帯電話、コードレス電話、ヒゲソリ、電動工具、電動
ミキサー、自動車等に使用されることが好ましい。
説明するが、発明の主旨を越えない限り、本発明は実施
例に限定されるものではない。
学的に合成した以下の合金化合物として、Si−Ag合
金(化合物−2 重量比40−60)、冶金学的に合成
したLi4 Siからイソプロピルアルコールを用いてL
iを溶出させたケイ素をアルゴンガス中で粉砕して得ら
れたケイ素(化合物−3)、多結晶ケイ素とコロイダル
シリカを混合し、1000℃で加熱して得られた固形物
をアルゴンガス中で振動ミルにて粉体にしたSi−Si
O2 (化合物−4 重量比90−10)、無電解めっき
法にて多結晶ケイ素表面にめっきした化合物としてAg
めっきしたSi(化合物−5 Si−Agの重量比 4
0−60)、ポリフッ化ビニリデン3gをN−メチルピ
ロリドン50gに溶かした液にケイ素を30g添加し、
混合混練した後、乾燥し、自動乳鉢にて粉砕した粉体
(化合物−6)を用いた。上記負極材料(化合物1〜
6)の平均粒子サイズはいずれも0.05〜4μmの範
囲の粒子を用いた。次にケイ素と等重量の鱗片状天然黒
鉛を十分に混合して得られた粉体を190g、結着剤と
してポリフッ化ビニリデン10gをN−メチル−2−ピ
ロリドン500mlに分散して、負極ペーストを作成し
た。
レンブラック10gとをホモジナイザーで混合し、続い
て結着剤としてポリフッ化ビニリデン5gを混合し、N
−メチル−2−ピロリドン500mlを加え混練混合
し、正極合剤ペーストを作成した。
ドコーターで厚さ30μmのアルミニウム箔集電体の両
面に塗布、150℃乾燥後ローラープレス機で圧縮成型
し所定の大きさに裁断し、帯状の正極シートを作成し
た。さらにドライボックス(露点;−50℃以下の乾燥
空気)中で遠赤外線ヒーターにて充分脱水乾燥し、正極
シートを作成した。同様に、負極合剤ペーストを20μ
mの表面粗さ0.07μmの金属箔集電体(銅、ニッケ
ル、チタン、ステンレス)に塗布し、上記正極シート作
成と同様の方法で負極シートを作成した。正負極の塗布
量は、正極活物質がリチウム金属に対して4.2Vにな
る第1サイクルの充電容量と上記負極材料が0.0Vに
なる第1サイクルの充電容量が合うようにそれぞれの電
極合剤の塗布量を調整した。
ルゴン雰囲気で、200ccの細口のポリプロピレン容
器に65.3gの炭酸ジエチルをいれ、これに液温が3
0℃を越えないように注意しながら、22.2gの炭酸
エチレンを少量ずつ溶解した。次に、0.4gのLiB
F4 、12.1gのLiPF6 を液温が30℃を越えな
いように注意しながら、それぞれ順番に、上記ポリプロ
ピレン容器に少量ずつ溶解した。得られた電解液は比重
1.135で無色透明の液体であった。水分は18pp
m(京都電子製 商品名MKC−210型カールフィシ
ャー水分測定装置で測定)、遊離酸分は24ppm(ブ
ロムチモールブルーを指示薬とし、0.1規定NaOH
水溶液を用いて中和滴定して測定)であった。
た。図1に従い電池の作り方を説明する。上記で作成し
た正極シート、微孔性ポリエチレンフィルム製セパレー
ター、負極シートさらにセパレーターを順に積層し、こ
れを渦巻き状に巻回した。この巻回した電極群(2)を
負極端子を兼ねるニッケルめっきを施した鉄製の有底円
筒型電池缶(1)に収納し、上部絶縁板(3)を更に挿
入した。この電池缶内に上記電解液を注入した後、正極
端子(6)、絶縁リング、PTC素子(63)、電流遮断
体(62)、圧力感応弁体(61)を積層したものをガスケ
ット(5)を介してかしめて円筒型電池を作成した。
この場合、充電は4.2Vまで定電流で充電し、充電開
始から2.5時間が経過するまで4.2Vで一定に保つ
ように充電電流を制御した。放電は0.2C電流にて
3.0Vまで定電流で実施した。そのときの第1サイク
ルの放電容量、平均放電電圧、エネルギー量(放電容量
×平均放電電圧)また、充放電を繰り返した30サイク
ル目の容量維持率を表1に示した。
0.03μm、0.05μm、0.1μm、1μmとす
る以外は電池1と同様にして電池25〜28を作製し
た。次に比較用電池は次のようにして作った。電池1の
負極集電体を厚さ20μmで表面粗さが0.01μmの
銅箔に変更する以外は電池1と全く同様にして比較電池
29を、電池1の負極集電体を厚さ20μmで表面粗さ
が0.1μmのアルミニウム箔に変更する以外は電池1
と全く同様にして比較電池30を作った。これらの電池
25〜30を用い、実施例1と同様な試験を行い表2の
結果を得た。
m、表面粗さが2μmの銅箔を用いる以外は電池1の負
極と同様にして比較用の負極シートを作成し電池31の
作製を試みたが、この負極シートは塗布工程において切
断故障を引き起こし、工程安定性のないことがわかっ
た。
較電池30を比較すると、アルミニウム箔を用いた場合
に比べ銅、チタン、ニッケル、ステンレスの箔を用いた
方がサイクル寿命が改良されている。さらに電池25〜
28と電池29と31の比較から、表面粗さは0.03
μm以上、1μm以下が適当であることがわかった。ま
た、実施例で用いた正極活物質LiCoO2 をLiNi
O2 やLiMn2 O 4 に変えても実施例1、2と同様な
効果が得られた。
ル寿命の向上した非水二次電池を得ることができる。
したものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 正極活物質を有する正極、負極材料を有
する負極及び非水電解質を構成要素とする非水二次電池
に於いて、該正極活物質がリチウム含有遷移金属酸化物
であり、該負極材料がリチウムの挿入放出可能なケイ素
原子を含む化合物であり、該負極の集電体が平均表面粗
さ0.03μm以上、1μm以下で厚さ5μm以上、1
00μm以下の金属箔支持体であることを特徴とする非
水二次電池。 - 【請求項2】 該負極の集電体が銅、ニッケル、チタン
またはそれらの合金またはステンレスからなることを特
徴とする請求項1に記載の非水二次電池。
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