JP2000001626A - モノアゾレーキ顔料組成物、その製造方法及び印刷インキ組成物 - Google Patents

モノアゾレーキ顔料組成物、その製造方法及び印刷インキ組成物

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JP2000001626A JP16698498A JP16698498A JP2000001626A JP 2000001626 A JP2000001626 A JP 2000001626A JP 16698498 A JP16698498 A JP 16698498A JP 16698498 A JP16698498 A JP 16698498A JP 2000001626 A JP2000001626 A JP 2000001626A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種のインキに使用した場合に、透明で、色
相の鮮明なインキの製造が可能で、特に、リキッドタイ
プのインキに使用した場合には低粘度で、鮮明な色相を
持ったグロスの良好なインキの製造が可能な溶性アゾ顔
料及びその製造方法並びに印刷インキを提供すること。 【解決手段】 可溶性基をもった下記以外の芳香族アミ
ンのジアゾ成分と、βオキシナフトエ酸、ボン−アマイ
ド及びナフトールAS類から選ばれる少なくとも一種の
カップラーとをカップリング及びレーキ化してなるモノ
アゾレーキ顔料(a)と、オルタニール酸のジアゾ化物
と上記の少なくとも一種のカップラーとをカップリング
及びレーキ化してなるモノアゾレーキ顔料(b)とから
なることを特徴とするモノアゾレーキ顔料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は印刷インキ用顔料と
して有用であり、特にリキッドタイプの印刷インキの用
途において、低粘度で透明性があり、光沢があって色相
鮮明な発色を呈するモノアゾレーキ顔料(溶性アゾ顔
料)及びその製造方法並びに該顔料を用いた印刷インキ
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、可溶性基を有する芳香族アミンの
ジアゾ化物とβオキシナフトエ酸をカップリング及びレ
ーキ化して得られるモノアゾレーキ顔料は、印刷インキ
や塗料、プラスチクス等の着色に広く使用されている。
これらの用途の内、その大半は印刷インキ用であり、そ
の中でもリキッドタイプのグラビアインキやフレキソイ
ンキにおける使用は、平版インキと並んで大きなウエイ
トを占めている。
【0003】リキッドタイプのインキの最近の進展は、
新しい包装フィルムの出現によって生み出されたもので
あり、これに適合する多種多様のベヒクルが生まれ、顔
料に対する要求も厳しさを増してきた。即ち、この分野
で使用される顔料には、出来るだけ広範囲の種類のベヒ
クルに適合でき、低粘度で、色相鮮明なインキとなり、
且つ、グロスがあって、高級感の備わった印刷物になる
ことが求められている。この用途に使用される従来の赤
系の顔料の主なものは、例えば、パーマネントレッド2
B(Ca)(ピグメントレッド−48:2(レーキ金属
はCa。以下ではPR−48:2(Ca)と記す。他の
顔料についても同様である。))、パーマネントレッド
2B(Sr)(PR−48:3(Sr))、カーミン6
B(PR−57:1(Ca))、パーマネントレッド2
G(PR−52:1(Ca))等のモノアゾレーキ顔料
(溶性アゾ顔料とも称される)であるが、その中でも特
に低粘度のインキに仕上げが可能であるPR−48:3
(Sr)の使用が近年多くなっている。
【0004】しかしながら、この顔料は色相が元来、紅
色からはかなり黄味方向にシフトした赤色を呈するもの
であり、紅として採用するには青味色の強い赤にする必
要がある。そのため、トビアス酸、p−アニシジン−o
−スルホン酸あるいはダール酸等のジアゾ成分を少量導
入して補わねばならなかった。ところが、この方法では
色の鮮明性が甚だしく損なわれる結果を招くため、プロ
セスカラーとして使用されることは極めて希である。
【0005】一方、特公平4−41186号公報には、
ジアゾ成分の誘導体、即ち、アミノ基に対してメタ位又
はパラ位にカルボン酸あるいはスルホン基を持ったジア
ゾ成分を導入する方法が開示されている。この方法で得
られる顔料では、生成したアモルファス(結晶化が進ん
でいない)状の粒子に対し、結晶の転移を妨害するリタ
ルダンド効果が顕著に現れ、非常に透明な顔料になりや
すい。このことは時には好ましい傾向ではあるものの、
粘度の上昇が必然的に起こり、又、色相が青味に移行す
るのが避けられず、依然としてクスミの解消には至ら
ず、不鮮明になることは免れない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、各種のインキに使用した場合に、透明で、色相の鮮
明なインキの製造が可能で、特に、リキッドタイプのイ
ンキに使用した場合には低粘度で、鮮明な色相を持った
グロスの良好なインキの製造が可能な赤系溶性アゾ顔料
及びその製造方法並びに印刷インキを提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は以下の本発
明によって達せられる。即ち、本発明は、可溶性基をも
った下記以外の芳香族アミンのジアゾ成分とβオキシナ
フトエ酸、ボン−アマイド及びナフトールAS類から選
ばれる少なくとも一種のカップラーとをカップリング及
びレーキ化してなるモノアゾレーキ顔料(a)と、オル
タニール酸のジアゾ化物と、上記の少なくとも一種のカ
ップラーとをカップリング及びレーキ化してなるモノア
ゾレーキ顔料(b)とからなり、モノアゾレーキ顔料
(b)の含有割合が0.1〜30モル%であることを特
徴とするモノアゾレーキ顔料組成物及びその製造方法並
びに上記のモノアゾレーキ顔料組成物を印刷インキベヒ
クルに含有させてなる印刷インキである。
【0008】
【発明の実施の形態】次に実施の形態を挙げて本発明を
更に詳細に説明する。本発明のモノアゾレーキ顔料(以
下では溶性アゾ顔料と称することがある)組成物は、β
オキシナフトエ酸、ボンアマイド及びナフトールAS類
の1種又は2種以上をともにカップラーとして、ジアゾ
成分として一方はオルタニール酸以外の可溶基を有する
芳香族アミンのジアゾ化物を、他方はオルタニール酸
(アニリンオルトスルホン酸)のジアゾ化物をそれぞれ
使用し、カップリング及びレーキ化してなる2種のモノ
アゾレーキ顔料を含むものである。一方のオルタニール
酸以外の可溶基を有する芳香族アミンを使用するモノア
ゾレーキ顔料(a)は、従来の赤系溶性アゾ顔料に相当
する。本発明の顔料組成物中のモノアゾレーキ顔料
(b)の好ましい含有割合は、0.1〜30モル%、更
に好ましくは0.5〜15モル%であり、顔料(b)の
含有割合が上記の範囲外となると、本発明の効果は不十
分となる。
【0009】本発明におけるモノアゾレーキ顔料(a)
に相当する従来の赤系溶性アゾ顔料としては、例えば、
PR48:2(Ca)及び48:3(Sr)、PR5
7:1(Ca)、PR52:1(Ca)等が挙げられ
る。従って、モノアゾレーキ顔料(a)の製造に使用さ
れるオルタニール酸以外の可溶性基を有する芳香族アミ
ンとしては、従来公知の赤系溶性アゾ顔料の製造に使用
される可溶性基を有する芳香族アミンがいずれも使用で
き、特に限定されない。例えば、2B酸、4B酸、C酸
(2−アミノ−5−クロロ−p−トルエンスルホン
酸)、トビアス酸等が挙げられる。
【0010】尚、本発明において、ナフトールAS類と
は、3−ヒドロキシ−N−フェニル−2−ナフタレンカ
ルボンアミド(ナフトールAS)の他、3−ヒドロキシ
−2−ナフトフェネチダイド(AS−PH)や5−クロ
ロ−3′−ヒドロキシ−2′−ナフトアニシダイド(A
S−Ca)等のベンゼン核にアルキル基やメトキシ基や
エトキシ基或いはハロゲン原子等の置換基を有するも
の、3−ヒドロキシ−N−ナフチル−2−ナフタレンカ
ルボンアミド(AS−BO)等の3−ヒドロキシ−N−
ナフチル−2−ナフタレンカルボンアミド類を包含す
る。
【0011】一般に、紅色として市販されている溶性ア
ゾ顔料、即ち、本発明における溶性アゾ顔料(a)に相
当する顔料は、前記のようにPR−48:2(Ca)、
PR−48:3(Sr)、PR−57:1、PR−5
2:1等であるが、これらの顔料はベースのアミン位置
からみたスルホン基の位置がいずれもO−位にあるのが
共通した点である。この原子配置(configura
tion)により、スルホン基の末端はアゾ基と電気的
な繋がりが生じやすくなり、あたかも一つのリングのよ
うに振る舞い、このリングのもたらした平面がアゾ顔料
分子全体を一平面に発展させる。そして、この平面と直
交に近い方向(β角に沿って)に分子の堆積が行われ、
この方向に結晶化が進行するものと考えられている。
【0012】一方、本発明における溶性アゾ顔料(b)
は、従来、アクセサリーとして上記溶性アゾ顔料(a)
の物性改良に使用されてきた多くの誘導体がアミノ基か
らみてm−及びp−位に可溶性基を有しているのに対し
て、o−位に可溶性基があることが大きな特徴である。
更に、置換基の構成がスルホン基のみを持った最も簡単
な化学構造のベースアミンであるオルタニール酸を使用
している点である。このo−位の原子配置をとることに
より、同じo−位に溶性基を持った母体顔料(上記の溶
性アゾ顔料(a))の結晶の中に組み込まれることが容
易となり、結晶化過程のパッキングの障害にならないも
のと推定される。
【0013】オルタニール酸の優位性は、アクセサリー
として上記の溶性アゾ顔料(a)に使用した場合、m
−,p−位にスルホン基があるものと比較すると透明性
を高める効果はそれ程高くないものの、o−位に該基を
有するものの中では透明性が最も高いレベルにある化合
物であり、その際、色相がプロセスカラーの紅色の方向
にシフトし、決して青味化しないことである。又、この
アクセサリーはリキッドインキの使用では多くの場合
(特にNC系のベヒクルの場合)、仕上がりインキが低
粘度で安定供給できることが強みである。
【0014】これらの良好な特長は、今まで主にPR−
48:3(Sr)を中心に使用されてきた包装用グラビ
アインキやフレキソインキの顔料使用に大きな変化をも
たらすことが十分考えられる。即ち、色相面で紅色によ
り近いPR−48:2(Ca)やPR−52:1(C
a)の色相をより鮮明に、粘度の低粘度化に大きな効果
が期待できる。この他、平版インキヘの使用では、m
−,p−位のアクセサリーの導入に比較して湿し水によ
る乳化率の変化が小さいため、耐湿し水適性に良好な効
果が見込まれる。
【0015】このような優れた特徴を有する本発明の顔
料組成物は、それぞれ前記の溶性アゾ顔料(a)及び溶
性アゾ顔料(b)を、(i)これらの前記のジアゾ成分
及びカップラーを用い、従来公知のジアゾ化方法及びカ
ップリング方法及びレーキ化方法により(以下の場合も
同様である。)、生成各溶性アゾ顔料(a)及び(b)
の割合が顔料組成物中の上記の割合となるように各ジア
ゾ成分の使用割合を調整して、2種の顔料を同時に生成
させる方法、又は、(ii)前記の溶性アゾ顔料(a)
及び(b)をカップリングまではそれぞれ別々に行って
それぞれ水溶性染料(1)及び(2)を作製し、これら
の水溶性染料を顔料組成物中の溶性アゾ顔料(a)と
(b)との割合になるように混合し、同時にレーキ化す
る方法等によって製造することができる。尚、(i)の
方法におけるカップリングとレーキ化は同時に行って
も、又、別々に行っても構わない。
【0016】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。文中における部及び%は特に断りの
ない限り重量基準である。
【0017】実施例1 2−クロロ−p−トルイジン−5−スルホン酸(2B
酸)214.8部及びオルタニール酸5.2部とを水4
000部及び苛性ソーダ37.4部と共に70℃に加熱
して溶解する。次いで、この溶液に氷水を加えて液温を
20℃とし、引き続き35%塩酸207部を注入して酸
析する。これに195部の塩化カルシウムの2水塩粉末
を投入し、更に0〜2℃に冷却し、この酸析スラリーに
63部の亜硝酸ソーダ粉末を150部の水に溶解した溶
液を温度上昇に注意しながら注入する。1時間撹拌し、
ジアゾニウム塩溶液とする。一方、βオキシナフトエ酸
193.6部及び苛性ソーダ127部を水7400部に
60℃で溶解し、次いで20℃に冷却してカップラー溶
液とする。上記のジアゾニウム溶液を上記のカップラー
溶液に注入し、カップリングとレ−キ化を同時に行い、
次いで90℃まで加熱し、30分間撹拌した後、液温が
70℃となるまで注水し、濾過、水洗、乾燥、粉砕を経
てピグメントレッド48:2(Ca)の本発明の顔料組
成物450部を得た。
【0018】実施例2 2−クロロ−m−トルイジン−4−スルホン酸217.
5部とオルタニール酸3.1部と苛性ソーダ37.4部
とを水4000部に加え、80℃に加熱して溶解する。
次いで、この溶液に注水して液温を85℃とし、引き続
き35%塩酸207部を加えて酸析し、更に195部の
塩化カルシウムを300部の水に溶解して注入する。こ
れに更に氷を投入して液温を0〜2℃に冷却し、温度上
昇に注意しながら63部の亜硝酸ソーダ粉末を150部
の水に溶解した溶液を注入する。1時間撹拌し、ジアゾ
ニウム塩溶液とする。一方、βオキシナフトエ酸18
9.4部と5.8部のナフトールASを苛性ソーダ12
7部と共に7400部の水に加え、80℃に加熱して溶
解し、引き続き液温を30℃にして、これにガムロジン
のアルカリ溶液46部(樹脂分)を注入し、更に20℃
に冷却してカップラー溶液を作製する。上記のジアゾニ
ウム塩溶液をこのカップラー溶液に注入し、30分間撹
拌した後、加熱して95℃とし、1時間この温度で撹拌
熟成する。次いで、液温が70℃となるまで注水し、濾
過、水洗、乾燥、粉砕して480部のピグメントレッド
52:1(Ca)の本発明の顔料組成物を得た。
【0019】実施例3 p−トルイジン−m−スルホン酸(4B酸)185.1
部とトビアス酸2.23部を苛性ソーダ38部と共に8
0℃の温水3000部に溶解する。次いで、この溶液に
氷水を投入して液温を20℃とし、更に35%塩酸20
7部を加えて酸析し、引き続き液温を0〜5℃に冷却す
る。この溶液に温度上昇に注意しながら亜硝酸ソーダ6
3部を150部の水に溶解して注入し、1時間撹拌して
ジアゾニウム溶液を作製する。一方、βオキシナフトエ
酸194部を苛性ソーダ127部と共に70℃の温水7
400部に溶解し、次いで、これに800部の氷水を加
え、液温が5℃のカップラー液を作製する。上記のジア
ゾニウム溶液をこのカップラー液に注入し、30分間撹
拌した後、液温を8〜10℃に、又、pHを8〜9にそ
れぞれ調整し、更にロジンのアルカリソープ溶液(樹脂
分64部)を添加して処理し、PR−57の水可溶性染
料(1−1)を作製した。更に、この染料溶液にオルタ
ニール酸をベースとする下記の方法で調製した水可溶性
染料(2−1)の溶液を注入し、1時間撹拌混合し、次
いで195部の塩化カルシウムの2水塩粉末を500部
の水に溶解させて注入し、レーキ化する。引き続き、9
0℃まで液温を加熱して、30分間撹拌下に熟成させ、
注水して液温を70℃にした後、濾過、水洗、乾燥、粉
砕して、ピグメントレッド57(Ca)の本発明の顔料
組成物460部を得た。
【0020】水可溶性染料(2−1)の製法 オルタニール酸3.5部を苛性ソーダ1.3部と共に7
0℃の温水100部に溶解し、氷を添加して液温20℃
とする。次いで、この溶液に35%塩酸4.0部を加え
て酸析し、引き続き液温を0〜5℃に冷却する。温度上
昇に注意しながら1.5部の亜硝酸ソーダを加え、60
分間撹拌してジアゾニウム塩溶液を作製する。一方、ナ
フトールAS−PH(3−ヒドロキシ−2−ナフトフェ
ネチダイド)6.6部を苛性ソーダの1.3部と共に5
0℃の温水300部に溶解し、次いで、これに氷水を加
えて液温を20℃に冷却してカップラー液とする。この
カップラー液に上記のジアゾニウム塩を30〜40分か
けて注入し、オルタニール酸をジアゾ成分とする水可溶
性の染料(2−1)を得た。
【0021】実施例4 2−クロロ−p−トルイジン−5−スルホン酸221部
を苛性ソーダ37.4部と共に70℃の温水4000部
に溶解する。次いで、この溶液に氷水を加えて液温を2
0℃とし、これに引き続き35%塩酸207部を注入し
て酸析する。酸析スラリーを0〜2℃に冷却し、これに
63部の亜硝酸ソーダ粉末を150部の水に溶解した溶
液を温度上昇に注意しながら注入し、60分間撹拌して
ジアゾニウム塩溶液とする。一方、βオキシナフトエ酸
194部及び苛性ソーダ127部を水7400部に60
℃で溶解し、次いでこの溶液を20℃に冷却してカップ
ラー溶液とする。このカップラー液に上記のジアゾニウ
ム溶液を30分かけて注入し、PR48:3の水可溶性
染料(1−2)を得た。次いで、上記の水可溶性染料
(1−2)の溶液に、オルタニール酸5.8部をジアゾ
成分とし、βオキシナフトエ酸をカップラーとして下記
方法により作製した水可溶性染料(2−2)を注入混合
し、30分間撹拌した後30℃に加熱し、次いで塩化ス
トロンチウム6水塩粉末235部を水1000部に溶解
して注入し、引き続き90℃まで加熱してレーキ化し、
熟成させた後、濾過・水洗・乾燥・粉砕してピグメント
レッド48:3(Sr)の本発明の顔料組成物495部
を得た。
【0022】水可溶性染料(2−2)の製法 AS−PHを等モルのβオキシナフトエ酸に代える以外
は水可溶性染料(2−1)と同様にして水可溶性染料
(2−2)を作製した。
【0023】比較例1 実施例1における一方のジアゾ成分であるオルタニール
酸をPR48:2(Ca)の母体ベースである2−クロ
ロ−p−トルイジン−5−スルホン酸に代えてジアゾ化
する以外は実施例1と同様にしてモノアゾレーキ顔料を
作製した。
【0024】比較例2a〜2c 実施例2における一方のジアゾ成分であるオルタニール
酸を、それぞれ、PR52の母体ベースである2−ク
ロロ−m−トルイジン−5−スルホン酸に(比較例2
a)、アニリン−p−スルホン酸に(比較例2b)、
o−トルイジン−5−スルホン酸に代えてジアゾ化す
る以外は実施例2と同様にしてモノアゾレーキ顔組成物
を作製した。
【0025】比較例3a〜3b 実施例3における水可溶性のPR−57の染料(1−
1)をレーキ化してモノアゾレーキ顔料を得た(比較例
3a)。実施例3のパラトルイジンメタスルホン酸の一
部(2モル%だけ)をアニリン−p−スルホン酸に代
え、実施例3におけると同様にして水可溶性のPR−5
7の染料(1−1′)を作製し、レーキ化してモノアゾ
レーキ顔料を得た(比較例3b)。
【0026】比較例4 実施例4における水可溶性のPR48:3の染料(1−
2)をレーキ化してモノアゾレーキ顔料を得た。
【0027】(顔料組成物の評価) (1)実施例3及び比較例3を除く他の全ての実施例及
び比較例で得られる顔料組成物又は顔料については全て
リキッドインキを作製して評価した。リキッドインキ
は、顔料組成物又は顔料7.0部と硝化綿ワニス(SS1/
4) 63部を100ccのポリ容器に配合し、径2mm
のスチールボール100部と共にペイントコンデイ ショ
ナーに60分間かけてインキ化して作製した。展色(d
raw down)は、#3バーコーターを用い、黒帯
コート紙及びマイラーフィルムに行った。粘度の測定は
インキを作製してから1日経過後、B型粘度計(ロータ
No3、60rpm)を用い、室温で測定した。
【0028】色相(刷り色、肉色を含めて)は包装用グ
ラビアインキ及び枚葉平版インキの代表銘柄のプロセス
カラーの紅色を標準(5点とする)にし、黄味の赤は5
より小さい数値で、青味の赤は5より大きい数値で表示
した。透明性とグロスの評価は各実施例のものをそれぞ
れ基準(5点)にして、これより不透明、又は、グロス
が小さいものは5未満の数値で、そして、これより透
明、又は、グロスが大きいものを5を超える数値で表示
した。尚、グロス及び透明性は、マイラーフィルムの展
色物から視覚によって評価した。以上の結果を表1に示
す。
【0029】
【表1】
【0030】(2)実施例3及び比較例3の顔料組成物
又は顔料については、平版インキを作製して評価した。
平版インキは、顔料組成物又は顔料40部を樹脂ワニス
160部とよく混合し、3本ロ−ルにて粗通し2回の
後、本練りを3回行って作製した。展色は比較例のイン
キと黒帯展色紙にて共引きし、濃度は平版インキを白イ
ンキで25倍に希釈して比較した。乳化率の測定は上記
インキのタックをインコメータで1200rpm(30
℃)で9±0.5に調整し、そのインキ50部に湿し水
100部を加え、デュークミキサー(Duke社製)に
て15分間撹拌した後、湿し水を除去してその重量を秤
り、インキ中に捕らえられた水の総量を測定して求め
た。粘度測定、色相、透明性及びグロスの評価はリキッ
ドインキの場合と同様にして行った。結果を表2に示
す。
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】以上の本発明によれば、低粘度で、透明
性があり、光沢があって色相鮮明な発色を呈する赤系の
モノアゾレーキ顔料(溶性アゾ顔料)組成物が提供され
る。本発明の顔料組成物は、印刷インキ用の顔料として
有用であり、特にリキッドタイプの印刷インキ用に好適
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 昇 東京都中央区日本橋馬喰町1−7−6 大 日精化工業株式会社内 (72)発明者 寺田 敏高 東京都中央区日本橋馬喰町1−7−6 大 日精化工業株式会社内 Fターム(参考) 4J039 BC40 BE01 BE09 EA15 GA02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可溶性基をもった下記以外の芳香族アミ
    ンのジアゾ成分と、βオキシナフトエ酸、ボン−アマイ
    ド及びナフトールAS類から選ばれる少なくとも一種の
    カップラーとをカップリング及びレーキ化してなるモノ
    アゾレーキ顔料(a)と、オルタニール酸のジアゾ化物
    と上記の少なくとも一種のカップラーとをカップリング
    及びレーキ化してなるモノアゾレーキ顔料(b)とから
    なり、モノアゾレーキ顔料(b)の含有割合が0.1〜
    30モル%であることを特徴とするモノアゾレーキ顔料
    組成物。
  2. 【請求項2】 モノアゾレーキ顔料(a)が、赤系のモ
    ノアゾレーキ顔料である請求項1に記載のモノアゾレー
    キ顔料組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のモノアゾレーキ顔料組
    成物を製造するに際し、オルタニール酸を0.1〜30
    モル%含む可溶性基を有する芳香族アミンのジアゾ成分
    と、βオキシナフトエ酸、ボン−アマイド及びナフトー
    ルAS類から選ばれる少なくとも一種のカップラーと
    を、カップリング及びレーキ化することを特徴とするモ
    ノアゾレーキ顔料組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のモノアゾレーキ顔料組
    成物を製造するに際し、可溶性基を有する下記以外の芳
    香族アミンのジアゾ成分と、βオキシナフトエ酸、ボン
    −アマイド及びナフトールAS類から選択される少なく
    とも一種のカップラーとをカップリングして得られる水
    溶性の染料(1)と、オルタニール酸のジアゾ化物と上
    記の少なくとも一種のカップラーとをカップリングして
    なる水溶性の染料(2)0.1〜30モル%との混合物
    をレーキ化することを特徴とするモノアゾレーキ顔料組
    成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のモノアゾレーキ顔料組
    成物を印刷インキベヒクルに含有させてなる印刷インキ
    組成物。
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