WO2024024736A1 - シート状電極用成形体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

支持体上に、電極活物質と電解液とを含む第1材料を付与し、第1材料による第1膜を形成する第1工程と、第1膜上に、電極活物質を含み且つ液体成分を含まない第2粉体材料を付与する第2工程と、を含み、第1膜と第2粉体材料との混合物である単層構造の電極材料膜を形成する、シート状電極用成形体の製造方法。

Description

シート状電極用成形体の製造方法
 本開示は、シート状電極用成形体の製造方法に関する。
 近年、半固体電池の開発が検討されている。
 半固体電池に適用される電極は、例えば、粉体である電極活物質と電解液とを少なくとも含む電極材料を用いて製造される。
 例えば、特開2017-183079号公報には、集電体上に第1活物質層形成用ペーストを付与して第1活物質層を形成した後、第1活物質層上に第1活物質層形成用ペーストよりも固形分率が高い第2活物質層形成用ペーストを付与して第2活物質層を形成することで、集電体上に第1活物質層と第2活物質層とを含む活物質層が保持された構成の電極を形成する方法が開示されている。
 また、特開2018-147807号公報には、第1固形分比率を有する第1湿潤顆粒を膜状に成形することにより第1層を形成し、第1固形分比率よりも高い第2固形分比率を有する第2湿潤顆粒を膜状に成形することにより第2層を形成し、一対の回転ロール間のロール間隙に、第1層、第2層および集電体を供給することにより、集電体の表面に第2層と第1層とがこの順に積層されてなる電極合材層を形成すること、を含む二次電池用電極の製造方法が開示されている。
 半固体電池に適用される電極としては、電解液に比べ電極活物質等の固体成分を高濃度で含む単層構造のシート状電極用成形体を適用し、エネルギー密度を高める技術が望まれている。
 電極活物質等の固体成分を高濃度で含むシート状電極用成形体を得るために、電解液に比べ電極活物質等の固体成分を高濃度で含む電極材料を用い、支持体上で単層構造の電極材料膜に成形する方法が用いられることがある。しかしながら、固体成分を高濃度で含む電極材料は、電解液と固体成分とを均一な状態に混合することが難しく、得られた電極材料膜において面内方向に固体成分濃度のムラが生じてしまうことがある。また、仮に、電解液に比べ電極活物質等の固体成分を高濃度で含む電極材料を均一な状態に混合することができた場合であっても、その電極材料は支持体に対する付着力が小さく、支持体上で電極材料膜に成形することが難しい。
 そこで、本開示は、上記の事情に鑑みてなされたものである。
 本開示の一実施形態は、固体成分濃度が高く、且つ、面内方向で固体成分濃度のムラが少ない単層構造のシート状電極用成形体を支持体上に製造しうる、シート状電極用成形体の製造方法を提供することを課題とする。
 本開示は、以下の態様を含む。
<1> 支持体上に、電極活物質と電解液とを含む第1材料を付与し、第1材料による第1膜を形成する第1工程と、
 第1膜上に、電極活物質を含み且つ液体成分を含まない第2粉体材料を付与する第2工程と、
 を含み、
 第1膜と第2粉体材料との混合物である単層構造の電極材料膜を形成する、シート状電極用成形体の製造方法。
<2> 第2工程が、第1膜上に、電極活物質を含み且つ液体成分を含まない第2粉体材料を付与した後、成形部材により第1膜上に付与された第2粉体材料を均し、第1膜と第2粉体材料との積層物の厚みを規制する工程である、<1>に記載のシート状電極用成形体の製造方法。
<3> 成形部材がブレード又はローラである、<2>に記載のシート状電極用成形体の製造方法。
<4> 第2工程において、振動しているブレード又はローラにより第1膜上に付与された第2粉体材料を均す、<2>に記載のシート状電極用成形体の製造方法。
<5> 第2工程が、第1膜上に、電極活物質を含み且つ液体成分を含まない第2粉体材料を付与した後、第1膜上に付与された第2粉体材料上にフィルムを載せ、フィルム上から成形部材にて第2粉体材料を押圧することで、第1膜上に付与された第2粉体材料を均し、第1膜と第2粉体材料との積層物の厚みを規制する工程である、<1>に記載のシート状電極用成形体の製造方法。
<6>第2工程にて、第1膜上に付与された第2粉体材料を均し、第1膜と第2粉体材料との積層物の厚みを規制した後、厚みが規制された積層物を、振動している加圧部材により圧縮する第3工程を更に含む、<2>~<5>のいずれか1つに記載のシート状電極用成形体の製造方法。
<7> 第1材料の固体成分濃度が5体積%~48体積%である、<1>~<6>のいずれか1つに記載のシート状電極用成形体の製造方法。
<8> 単層構造の電極材料膜は、厚みが50μm~250μmであり、且つ、固体成分濃度が50積%~80体積%である、<1>~<7>のいずれか1つに記載のシート状電極用成形体の製造方法。
 本開示の一実施形態によれば、固体成分濃度が高く、且つ、面内方向で固体成分濃度のムラが少ない単層構造のシート状電極用成形体を支持体上に製造しうる、シート状電極用成形体の製造方法を提供することができる。
図1は、本開示に係る電極用成形体の製造方法における第1工程及び第2工程を説明するための断面概略模式図である。 図2は、第2工程における、成形部材により第1膜上に付与された第2粉体材料を均す態様を説明するための断面概略模式図である。 図3は、第2工程における、成形部材により第1膜上に付与された第2粉体材料を均す態様を説明するための断面概略模式図である。 図4は、単層構造の電極材料膜を加圧する工程を説明するための断面概略模式図である。
 以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。本開示は、以下の実施形態に何ら制限されず、本開示の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。各図面において同一の符号を用いて示す構成要素は、同一の構成要素であることを意味する。各図面において重複する構成要素、及び符号については、説明を省略することがある。図面における寸法の比率は、必ずしも実際の寸法の比率を表すものではない。
 本開示において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
 本開示において、「工程」との用語には、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
 本開示において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルの双方、又は、いずれか一方を意味する。
 本開示において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
 本開示において、2以上の好ましい態様又は形態の組み合わせは、より好ましい態様又は形態である。
 本開示において、「固体成分」とは、25℃、1気圧下において固体状である成分を意味し、「液体成分」とは、25℃、1気圧下において液体状である成分を意味する。
 本開示において、支持体における「幅」とは、長手方向に直交する方向の長さを指し、長尺の支持体であれば、長尺方向に直交する方向の長さを指す。
 また、成膜部材(例えば、ブレード)における「幅方向」とは、成膜部材が支持体表面に沿って相対移動する方向(即ち、支持体上における電極材料膜の形成方向)に直交する方向を指す。つまり、ブレードにおける「幅方向」は、電極材料膜の「幅方向」にも該当することもある。
<シート状電極用成形体の製造方法>
 本開示に係るシート状電極用成形体の製造方法は、支持体上に、電極活物質と電解液とを含む第1材料を付与し、第1材料による第1膜を形成する第1工程と、第1膜上に、電極活物質を含み且つ液体成分を含まない第2粉体材料を付与する第2工程と、を含み、第1膜と第2粉体材料との混合物である単層構造の電極材料膜を形成する、シート状電極用成形体の製造方法である。
 以下、「シート状電極用成形体」を、単に、「電極用成形体」ともいう。
 また、本開示において、「単層構造の電極材料膜」とは、電極材料膜中に界面がないことを意味する。
 また、本開示に係る電極用成形体の製造方法で単層構造の電極材料膜が得られたかどうかの確認は、例えば、以下のような方法で行う。まず、予め所望の高固体成分濃度(例えば70体積%)の電極材料を用意し、この電極材料と押し型及び押し枠とを用いて、例えば、3cm×2cm程度の大きさの単層構造の電極材料膜を作製する。得られた電極材料膜の質量と厚みとを測定し、これを固体成分濃度70体積%の電極材料膜の基準とする。次いで、本開示に係る電極用成形体の製造方法にて、固体成分濃度70体積%の電極材料膜を形成し、得られた電極材料膜の厚みと質量とを測定し、その測定値が上述の基準と同様の傾向を有していれば、単層構造の電極材料膜であると推認することができる。また、軟X線検査装置を用いることで、電極材料膜の厚み方向の密度を測定することができ、測定された密度に厚み方向に差がない、又は、異常(大きな空隙のようなもの)がないことで、単層構造の電極材料膜であると確認することができる。
 本開示においては、単層構造の電極材料膜は、厚みが50μm~250μmであり、且つ、固体成分濃度が50体積%~80体積%であることが好ましい。つまり、本開示に係る電極用成形体の製造方法は、厚みが50μm~250μmであり、且つ、固体成分濃度が50体積%~80体積%である単層構造の電極材料膜を形成することが好ましい。
 本開示において、「高い固体成分濃度」とは、固体成分濃度が50体積%以上であることを意味する。
 ここで、単層構造の電極材料膜の厚みは、断面観察によって測定される3か所の厚みの算術平均値とする。断面観察においては、公知の顕微鏡(例えば、走査型電子顕微鏡)を用いることができる。
 また、電極材料膜の固体成分濃度は、電極材料膜に含まれる各成分の組成比と、それらの成分の比重と、から算出される。
 既述のように、固体成分を高濃度で含む電極材料を用いて、単層構造の電極材料膜を支持体上に形成する場合、得られた電極材料膜において面内方向に固体成分濃度のムラが生じてしまうことがある。
 そこで、本発明者らは、面内方向の固体成分濃度のムラを低減する技術について検討を行ったところ、支持体上に、電解液と電極活物質とを含む第1材料による第1膜を形成しておき、第1膜上に、電極活物質を含み且つ液体成分を含まない第2粉体材料を付与することで、固体成分濃度が高く、且つ、面内方向で固体成分濃度のムラが少ない単層構造のシート状電極用成形体を製造しうることを見出した。
 上述のように、電解液と電極活物質とを含む第1膜上に、電極活物質を含み且つ液体成分を含まない第2材料を付与すると、毛管現象により第2粉体材料中の固体成分間(すなわち、粉体間)に第1膜中の液体成分(例えば、電解液)が浸潤していくものと推測される。これにより、第1膜と第2粉体材料とが混在化していき、固体成分濃度が高いものの、面内方向で固体成分濃度のムラが少ない単層構造の電極材料膜が得られる。得られた電極材料膜は、そのままか、加圧されることでシート状電極用成形体となりうる。よって、本開示に係る電極用成形体の製造方法によれば、固体成分濃度が高く、且つ、面内方向で固体成分濃度のムラが少ないシート状電極用成形体を製造することができる。
 特開2017-183079号公報、及び、特開2018-147807号公報には、いずれも、2層構造の電極層(本開示における電極材料膜に該当)を形成しており、単層構造の電極層を得ることについては、記載されていない。
〔第1工程〕
 第1工程では、支持体上に、電極活物質と電解液とを含む第1材料を付与し、第1材料による第1膜を形成する。
 以下、「電極活物質と電解液とを含む第1材料」を、単に、第1材料ともいう。
 ここで、図1を参照して第1工程を説明する。第1工程では、第1材料22を格納した付与手段20を用いて、矢印X方向に移動する支持体10上に第1材料22を連続的に付与し、第1材料による第1膜24を形成する。図1は、本開示に係る電極用成形体の製造方法における第1工程及び第2工程を説明するための断面概略模式図である。
(支持体)
 第1工程では、支持体が用いられる。
 第1工程で用いる支持体は、表面に電極材料膜を形成し得る支持体であれば、特に制限はない。特に、連続的に電極材料膜を形成する観点からは、長尺の支持体を用いることが好ましい。長尺の支持体の場合、その幅は、電極材料膜の大きさ、後述する成形部材(例えば、ブレード、ローラ)の幅方向の幅等に応じて決定されればよい。
 なお、支持体の詳細については、後述する。
(第1材料)
 第1工程で用いる第1材料は、電極活物質と電解液とを含む。
 第1材料における固体成分濃度は、第1膜の形成し易さの観点から、5体積%~48体積%であることが好ましく、15体積%~40体積%であることがより好ましく、20体積%~35体積%であることが更に好ましい。
 言い換えれば、第1材料における液体成分濃度は、第1膜の形成し易さの観点から、52体積%~95体積%であることが好ましく、60体積%~85体積%であることがより好ましく、65体積%~80体積%であることが更に好ましい。
 固体成分濃度及び液体成分濃度が上記範囲であると、目的とする厚み、固体成分濃度の第1膜を形成しやすくなる。
 第1材料は、電極活物質と電解液とを含み、更に必要に応じて、導電助剤、及びその他の成分を含んでいてもよい。
 第1材料の全体積に対する電極活物質の含有率は、5体積%~48体積%であることが好ましく、15体積%~40体積%であることがより好ましく、25体積%~35体積%であることが更に好ましい。
 第1材料の全体積に対する電解液の含有率は、95体積%~52体積%であることが好ましく、85体積%~60体積%であることがより好ましく、75体積%~65体積%であることが更に好ましい。
 第1材料の全体積に対する導電助剤の含有率は、0.05体積%~5体積%であることが好ましく、0.1体積%~3体積%であることがより好ましく、0.25体積%~2体積%であることが更に好ましい。
 第1材料がその他の成分を含む場合、第1材料の全体積に対するその他の成分の含有率は、0.01体積%~1体積%であることが好ましく、0.05体積%~0.75体積%であることがより好ましく、0.1体積%~0.5体積%であることが更に好ましい。
 なお、第1材料に含まれる、電極活物質、電解液、導電助剤、及びその他の成分の詳細については、後述する。
(第1材料の付与)
 第1工程では、上述の第1材料を、支持体上に付与する。
 上述の第1材料を支持体上に付与する際の付与手段としては、支持体上に必要な量の第1材料を付与させうる手段であればよく、例えば、上述の第1材料の粘度、形成する第1膜の厚み等に応じて、選択されればよい。
 付与手段としては、支持体上に必要な量の第1材料を付与させうる手段の他、支持体上に膜状の第1材料を付与する手段であってもよい。付与手段として、具体的には、支持体上に第1材料を断続的に又は連続的に供給する手段(例えば、ホッパー、スクリーン印刷等を用いた手段)、各種塗布手段(例えば、スリット塗布法、バー塗布、ブレード塗布等を用いた塗布手段)等が挙げられる。
(第1膜の形成)
 第1工程では、支持体上に第1膜を形成する。電極材料膜の厚みの均一性を高める観点から、第1膜は厚みの均一性が高いことが好ましい。
 第1膜の形成は、支持体上に断続的に又は連続的に供給された第1材料を均し、厚みの均一性に優れた第1膜を形成する方法であってもよいし、第1材料の付与手段として塗布手段を採用し、支持体上に厚みの均一性に優れた支持体上に膜状の第1材料を付与する方法であってもよい。
 支持体上に供給された第1材料を均す手段としては、特に制限はなく、後述する成形部材(具体的には、ブレード、ロール等)と同様のものを用いることができる。
 第1膜の厚みとしては、形成しようとする電極材料膜の厚み及び固体成分濃度に応じて、適宜、決定すればよい。
 上述した範囲の厚みと固体成分濃度とを有する単層構造の電極材料膜を得やすい観点から、第1膜の厚みは、例えば、5μm~150μmであることが好ましく、20μm~125μmであることがより好ましく、25μm~100μmであることが更に好ましい。
 図1に示すように、支持体上に第1膜を形成する際、固定した第1材料の付与手段20に対し、支持体10が矢印X方向に移動する態様を示しているが、この態様に限定されるものではない。
 第1膜を形成する際には、支持体表面と第1材料の付与手段とを相対移動させることが好ましく、上記の態様の他、固定した支持体に対して第1材料の付与手段を一方向に移動させる態様であってもよいし、支持体と成形部材との両方をそれぞれ一方向に移動させる態様であってもよい。
 但し、電極材料膜を連続的に形成するためには、すなわち、連続膜である電極材料膜を形成するためには、長尺の支持体を用い、固定したブレードに対し、長尺の支持体を搬送移動させる態様が好ましい。
〔第2工程〕
 第2工程では、第1膜上に、電極活物質を含み且つ液体成分を含まない第2粉体材料を付与する。
 以下、「電極活物質を含み且つ液体成分を含まない第2粉体材料」を、単に「第2粉体材料」ともいう。
 ここで、図1を参照して第2工程を説明する。第2工程では、第2粉体材料32を格納した付与手段30を用いて、矢印X方向に移動する支持体10上の第1膜24上に、第2粉体材料32を付与する。これにより、第1膜24上には、第2粉体材料32による第2膜34を形成することができる。第2膜34には、毛管現象により第1膜24の電解液が浸潤していき、第1膜24と第2膜(第2粉体材料)34とが混在化し、単層構造の電極材料膜(不図示)が形成される。
(第2粉体材料)
 第2工程で用いる第2粉体材料は、電極活物質を含むものの、液体成分を含まない。
 本開示において、「液体成分を含まない」とは、「液体成分を実質的に含まない」ことを意味する。「液体成分を実質的に含まない」とは、第2粉体材料の全体積に対する固体成分の含有率が100体積%であるか、又は、不可避的に混入した液体成分の存在は許容するが、意図して添加された液体成分の存在は許容しないことを意味する。
 また、「第2粉体材料」とは、構成する材料が粉体であることを意味する。
 つまり、第2粉体材料は、粉体で且つ固体成分である電極活物質のみを含む場合、粉体で且つ固体成分である電極活物質と粉体で且つ固体成分である電極活物質以外の成分(例えば、導電助剤)とを含む場合がある。
 第2粉体材料は、電極活物質を含み、更に必要に応じて、導電助剤、及びその他の成分のうち粉体で且つ固体成分である成分(例えば、エチレンカーボネートのような電解質)を含んでいてもよい。
 第2粉体材料の全体積に対する電極活物質の含有率は、90体積%~100体積%であることが好ましく、95体積%~99.9体積%であることがより好ましく、97体積%~99.5体積%であることが更に好ましい。
 第2粉体材料の全体積に対する導電助剤の含有率は、10体積%~0体積%であることが好ましく、5体積%~0.1体積%であることがより好ましく、3体積%~0.5体積%であることが更に好ましい。
 その他の成分のうち粉体で且つ固体成分である成分を含む場合、第2粉体材料の全体積に対するその他の成分のうち粉体で且つ固体成分である成分の含有率は、1体積%~0.01体積%であることが好ましく、0.5体積%~0.05体積%であることがより好ましく、0.25体積%~0.1体積%であることが更に好ましい。
 なお、第2粉体材料に含まれる電極活物質、導電助剤、及びその他の成分は、第1膜中に含まれる電極活物質、導電助剤、その他の成分と同じものを選択することが好ましい。
 第2粉体材料に含まれる、電極活物質、導電助剤、及びその他の成分のうち粉体で且つ固体成分である成分の詳細については、後述する。
(第2粉体材料の付与)
 第2工程では、上述の第2粉体材料を、支持体上に形成された第1膜上に付与する。
 上述の第2粉体材料を第1膜上に付与する際の付与手段としては、第1膜上に必要な量の第2粉体材料を付与させうる手段であればよく、例えば、上述の第2粉体材料のかさ密度、形成する第2膜の厚み等に応じて、選択されればよい。
 付与手段として、具体的には、支持体上に第2粉体材料を断続的に又は連続的に供給する手段(例えば、ホッパー、スクリューフィーダー、ディスクフィーダー、振動フィーダー等)が挙げられ、これらの手段を複数組み合わせてもよい。
 第2粉体材料の第1膜上への付与を均一化する観点から、上述の付与手段に加え、規制枠、メッシュ枠等を用いてもよい。
(好ましい態様)
 第2工程において、第1膜上に第2粉体材料が付与されると、毛管現象により第2粉体材料中の固体成分間(すなわち、粉体間)に第1膜中の液体成分(例えば、電解液)が浸潤していき、第1膜と第2粉体材料とが混在していくことで、単層構造の電極材料膜が形成されるものと推測される。
 第2工程では、第1膜上に第2粉体材料を付与した後、第1膜上に付与された第2粉体材料を均し、第1膜と第2粉体材料との積層物の厚みを規制することが好ましい。
 第1膜上に第2粉体材料が付与されると、第1膜と第2粉体材料との積層物が得られ、第1膜上に付与された第2粉体材料を均すことで、第1膜と第2粉体材料との積層物の厚みが規制される。
 このように、第1膜上に付与された第2粉体材料を均し、第1膜と第2粉体材料との積層物の厚みを規制することで、第1膜と第2粉体材料との両方に圧力がかかり、第1膜と第2粉体材料との混在化が促進され、且つ、第2粉体材料に含まれる気体(具体的には空気)の排出が促進される。その結果、固体成分濃度が高く、且つ、面内方向で固体成分濃度の均一性が高い単層構造の電極材料膜が形成され易くなる。
 以下、このような第2工程の好ましい態様について説明する。
-成形部材を用いた態様-
 第2工程において、第1膜上に、電極活物質を含み且つ液体成分を含まない第2粉体材料を付与した後、成形部材により第1膜上に付与された第2粉体材料を均す、ことが好ましい。
 また、第2工程は、第1膜上に、電極活物質を含み且つ液体成分を含まない第2粉体材料を付与した後、第1膜上に付与された第2粉体材料上にフィルムを載せ、フィルム上から成形部材にて第2粉体材料を押圧することで、第1膜上に付与された第2粉体材料を均し、第1膜と第2粉体材料との積層物の厚みを規制する工程であることも好ましい。
 ここで、成形部材としては、第2粉体材料の表面を平坦化させうる部材であれば特に制限はなく、例えば、ブレード、スクレーパー等の板状部材、ローラ、平板プレス機、ロールプレス機等が挙げられる。中でも、電極材料膜の厚みを制御しやすい及び均一化しやすい観点から、成形部材としては、ブレード又はローラが好ましい。なお、成形部材には、振動を伝達する部材として、超音波振動ホーン、ピエゾ振動ホーン等が接続されていてもよい。成形部材に振動を伝達する部材が接続されることで、成形部材を振動させることができる。特に、超音波振動している成形部材を用いることが好ましい。
 成形部材により第1膜上に付与された第2粉体材料を均し、第1膜と第2粉体材料との積層物の厚みを規制することについて、図2及び図3を参照して説明する。図2及び図3は、第2工程における、成形部材により第1膜上に付与された第2粉体材料を均す態様を説明するための断面概略模式図である。図2には、成形部材としてブレードを用いた例を示している。また、図3には、成形部材としてローラを用い、ローラと第2粉体材料との間にフィルムを介在させた例を示している。
 図2に示す例では、支持体10上に形成された第1膜24上に付与された第2粉体材料32による第2膜34を、成形部材であるブレード40を用いて均し、第1膜24と第2粉体材料32による第2膜34との積層物の厚みを規制している。このとき、第1膜24と第2膜34との積層物は、ブレード40によって加圧されているともいえる。
 図2に示すように、ブレード40は、その先端が、第2膜34に接し、且つ、支持体10表面から一定の距離を保つように設置されている。矢印X方向に支持体10上を移動させることで、支持体10の表面とブレード40の先端との間の空隙を、支持体10上に形成された第1膜24と第2膜34との積層物が通過することとなり、積層物に圧力がかかり第2膜34が均される。またこのとき、積層物の厚みを、上記の空隙と同じ厚みへと規制することができる。このように、ブレード40により積層物に圧力がかかると、第1膜24と第2膜(すなわち第2粉体材料)34との混在化が促進され、単層構造の電極材料膜50が得られる。
 図3に示す例では、支持体10上に形成された第1膜24上に付与された第2粉体材料32による第2膜34を、フィルム62を介して、成形部材であるローラ60を用いて均し、第1膜24と第2粉体材料32による第2膜34との積層物の厚みを規制している。このとき、第1膜24と第2膜34との積層物は、ローラ60によって加圧されているともいえる。
 図3に示すように、ローラ60は、その外周面が、第2膜34に接し、且つ、支持体10表面から一定の距離を保つように設置されている。矢印X方向に支持体10上を移動させることで、支持体10の表面とローラ60の先端との間の空隙を、支持体10上に形成された第1膜24と第2膜34との積層物が通過することとなり、積層物に圧力がかかり第2膜34が均される。図3に示す例では、第2膜34とローラ60との間に、フィルム62を介在させている。フィルム62を介在させることで、積層物からの電解液の揮発を抑制することができる。ローラ60は、第1膜24と第2膜34との積層物にフィルム62を介して接触しながら回転することで、積層物を圧密化することができ、厚みを規制することもできる。このように、ローラ60により積層物に圧力がかかると、第1膜24と第2膜(すなわち第2粉体材料)34との混在化が促進され、単層構造の電極材料膜50が得られる。
 なお、積層物からの電解液の揮発が許容される場合には、上述のフィルム62は、省略することができる。
 上述のように、ブレード、ローラ等の成形部材により、第1膜と第2膜との積層物が加圧される。このとき、加圧後に得られる単層構造の電極材料膜の厚みが、上述した厚み、具体的には、50μm~250μmのうちの設定した厚みになるまで、成形部材により第1膜と第2膜との積層物を加圧すればよい。
 なお、成形部材としては、振動しているブレード又はローラを用いることが好ましい。
 言い換えれば、第2工程においては、振動しているブレード又はローラにより第1膜上に付与された第2粉体材料を均すことが好ましい。
 ブレード、ローラ等の成形部材が振動していることで、第1膜と第2粉体材料との混在化をより促進させ、第2粉体材料に含まれる気体(具体的には空気)の排出も促進される。その結果、固体成分濃度が高く、且つ、面内方向の固体成分濃度の均一性により優れた単層構造の電極材料膜を形成することができる。
 なお、成形部材を振動させる際の振動方向は、特に制限されない。また、成形部材の振動は、連続的であってもよいし、間欠的であってもよい。
 成形部材の振動の振幅としては、例えば、0.1μm~60μmであることが好ましく、1μm~10μmであることがより好ましい。
 また、成形部材の振動の周波数としては、例えば、50Hz~40000Hzであることが好ましく、100Hz~37500Hzであることがより好ましい。なお、成形部材の振動の周波数には、複数の周波数が含まれていてもよい。例えば、成形部材の振動は、150Hz、300Hz、及び450Hzといった複数の周波数ピークが検出されるような振動であってもよい。
 ここで、振動の振幅及び周波数は、加速度センサ又は振動測定器によって測定することができる。なお、成形部材の振動の測定時、複数の周波数ピークが検出される場合、最も小さい値の周波数を、「成形部材の振動の周波数」とし、この周波数での振幅を「成形部材の振動の振幅」とする。例えば、成形部材の振動について、150Hz、300Hz、及び450Hzといった複数の周波数ピークが検出された場合、150Hzを「成形部材の振動の周波数」とし、周波数150Hzでの振幅を「成形部材の振動の振幅」とする。
 第2工程について、図2では固定したブレード40、図3では固定したローラ60に対し、支持体10が矢印X方向に移動する態様を示しているが、この態様に限定されるものではない。
 支持体上に形成された第1膜上に付与された第2粉体材料を均す際には、支持体表面と成形部材とを相対移動させることが好ましく、上記の態様の他、固定した支持体に対して成形部材を一方向に移動させる態様であってもよいし、支持体と成形部材との両方をそれぞれ一方向に移動させる態様であってもよい。
 但し、電極材料膜を連続的に形成するためには、すなわち、連続膜である電極材料膜を形成するためには、長尺の支持体を用い、固定した成形部材に対し、長尺の支持体を搬送移動させる態様が好ましい。
 ここで、支持体を移動させるための手段としては、公知の搬送手段を利用することができる。支持体の搬送手段として具体的には、例えば、ベルトコンベア、リニアモーションガイド、クロスローラーテーブル等を使用することができる。
 なお、第2工程にて、支持体上の第1膜上に第2粉体材料を付与し、第2膜を形成した後、支持体と第1膜と第2膜との積層体を支持体の面方向で分割することもできる。なお、この積層体の分割は、成形部材により第1膜上に付与された第2粉体材料を均す前に、すなわち、成形部材により第2膜を均す前に、行うことが好ましい。
 つまり、本開示に係る電極用成形体の製造方法は、
 第2工程が、第1膜上に、電極活物質を含み且つ液体成分を含まない第2粉体材料を付与し、第2粉体材料による第2膜を形成する工程であり、
 第2工程により得られた、支持体と第1膜と第2膜とがこの順に積層された積層体を支持体の面方向で分割する第3工程を更に含むことが好ましい。
 この態様では、大面積の積層体を形成しておき、その後、それより小さい面積(例えば、電極の面積)の積層体へと分割する。
 そして、支持体と第1膜と第2膜とがこの順に積層された積層体を支持体の面方向で分割する工程の後に、成形部材により第2膜を均す工程を更に有することが好ましい。
 つまり、本開示に係る電極用成形体の製造方法は、
 第2工程が、第1膜上に、電極活物質を含み且つ液体成分を含まない第2粉体材料を付与し、第2粉体材料による第2膜を形成する工程であり、
 第2工程により得られた、支持体と第1膜と第2膜とがこの順に積層された積層体を支
持体の面方向で分割する第3工程と、
 成膜材料により分割された積層体の第2膜を均す第4工程と、
 を更に含むことが好ましい。
 上記の態様には、予め、少なくとも第1膜が接する表面がその面方向に分割可能な支持体を用いることが好ましい。
 上記の支持体としては、例えば、樹脂フィルム上に、所望の大きさの複数の金属層(集電体となる層)を互いに離間させて配置し、金属層間の樹脂フィルム部分を金属層側とは反対側に折り曲げ、離間していた金属層間を隙間なく接触させた支持体を用いればよい。このような支持体では、隙間なく接触させた金属層間を分割することで、支持体と第1膜と第2膜とがこの順に積層された積層体を支持体の面方向で分割することができる。
〔第3工程〕
 本開示に係る電極用成形体の製造方法は、第2工程にて、第1膜上に付与された第2粉体材料を均し、第1膜と第2粉体材料との積層物の厚みを規制した後、厚みが規制された積層物(具体的には、単層構造の電極材料膜)を、振動している加圧部材により圧縮する第3工程を更に含むことが好ましい。
 第3工程を含むことで、積層物中の第1層と第2粉体材料との混在化をより進めることができる。また、第3工程を含むことで、積層物の密度を高め、且つ、固体成分の密度、厚みの面内均一化を図ることができる。その結果、高い固体成分濃度を有し、且つ、厚み方向にて固体成分濃度の均一性がより高い単層構造の電極材料膜を得ることができる。
(積層体の圧縮)
 本工程では、例えば、図4に示す方法で、厚みが規制された積層体(具体的には、単層構造の電極材料膜)を、振動している加圧部材により圧縮することができる。図4は、単層構造の電極材料膜(厚みが規制された後の積層体)を振動している加圧部材により圧縮する工程を説明するための断面概略模式図である。
 図4では、ブレード40を用いて第2膜34を均すことで、支持体10上に第1膜と第2粉体材料を均し、第1膜と第2粉体材料との積層物の厚みを規制し、単層構造の電極材料膜(厚みが規制された積層物に該当)50を形成した後、形成された単層構造の電極材料膜50を振動している加圧部材により圧縮する工程を示している。図4に示す例では、支持体10上に形成された単層構造の電極材料膜50の上にフィルム72が載せ、フィルム72上から振動している加圧ローラ(加圧部材の一例)70を押し当てることで、単層構造の電極材料膜50を加圧する。電極材料膜50が加圧されることで、圧縮された電極材料膜52が得られる。
 なお、本工程は、図4に示す態様に限定されず、例えば、加圧部材として、振動することが可能な、加圧板、加圧ローラ対、及びプレス機を用いた方法であってもよい。また、本工程にて、加圧部材を振動させる方法としては、上述の加圧部材に、加振器、振動ホーン等を接続する方法が挙げられる。
 電極材料膜を圧縮する際の圧力は、0.01MPa~100MPaであることが好ましく、0.1MPa~50MPaであることがより好ましく、0.2MPa~10MPaであることが特に好ましい。
 また、振動している加圧部材の振動の振幅、及び、加圧部材の振動の周波数は、上述した、成形部材の振動の振幅、及び、成形部材の振動の周波数と、それぞれ、同様の条件であることが好ましい。
 なお、本工程では、面内方向における固体成分濃度のムラをより低減させる観点から、超音波振動している加圧部材を用いることが好ましい。
 なお、本工程では、振動している加圧部材を用いているが、加圧部材は振動していない状態であってもよい。つまり、第1膜上に付与された第2粉体材料を均し、第1膜と第2粉体材料との積層物の厚みを規制した後、厚みが規制された積層物(具体的には、単層構造の電極材料膜)を、振動していない加圧部材により圧縮してもよい。
 また、本工程では、加圧部材、加圧条件等を適宜変更し、電極材料膜を段階的に加圧(圧縮)してもよい。
 本工程では、加圧部材と積層物(具体的には、電極材料膜が形成された支持体)とを相対移動させて行うことが好ましい。
 本開示において、「加圧部材と積層物とを相対移動させる」とは、積層物に対して加圧部材を一方向に移動させること、加圧部材に対して積層物を一方向に移動させること、及び加圧部材と積層物とをそれぞれ一方向に移動させることを含むが、加圧部材に対して積層物を一方向に移動させることが好ましい。
 積層物(具体的には、電極材料膜が形成された支持体)を移動させる手段としては、制限されず、公知の搬送手段を利用でき、例えば、ベルトコンベア、リニアモーションガイド、及びクロスローラーテーブルが挙げられる。
 本工程においては、成形性の向上の観点から、例えば、30℃~100℃にて加熱された積層物を加圧(圧縮)してもよい。
 以上のように、第1工程及び第2工程を経ることで(好ましくは、更に第3工程を経ることで)、第1膜と第2粉体材料との混合物である単層構造の電極材料膜を形成することができる。
 単層構造の電極材料膜は、そのままの状態で、又は、更に加圧されることでシート状電極用成形体となりうる。
〔その他の工程〕
 本開示に係る電極用成形体の製造方法は、その他の工程を含んでいてもよい。
 その他の工程としては、例えば、支持体が離型紙である場合、離型紙上に形成された電極材料膜を集電体へと転写する工程等が挙げられる。
 以下、本開示に係る電極用成形体の製造方法で用いる、支持体、及び成形部材の詳細について説明する。
 また、第1材料及び第2粉体材料を構成する成分の詳細についても説明する。
[支持体]
 支持体として具体的には、集電体が好ましいものとして挙げられる。
 支持体の一例である集電体としては、特に制限されず、公知の集電体(正極集電体及び負極集電体)を利用できる。
 正極集電体としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、ニッケル、及びチタンが挙げられる。正極集電体は、アルミニウム、又はアルミニウム合金であることが好ましい。正極集電体は、表面に、カーボン、ニッケル、チタン、銀、金、白金、及び酸化バナジウムの1以上を含む被覆層を有する、アルミニウムであってもよい。
 負極集電体としては、例えば、アルミニウム、銅、銅合金、ステンレス鋼、ニッケル、及びチタンが挙げられる。負極集電体は、アルミニウム、銅、銅合金、又はステンレス鋼であることが好ましく、銅、又は銅合金であることがより好ましい。負極集電体は、表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀、及びリチウムの1以上を含む被覆層を有する、銅又はステンレス鋼であってもよい。
 集電体としては、アルミニウム箔(表面に上述の被覆層を有するアルミニウム箔を含む)、銅箔(表面に上述の被覆層を有する銅箔を含む)であることが好ましい。アルミニウム箔は、通常、正極における集電体として利用される。銅箔は、通常、負極における集電体として利用される。
 また、支持体は、上述した正極集電体又は負極集電体として例示された金属層と、樹脂フィルムと、の積層体であってもよい。積層体に用いられる樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、環状オレフィンポリマー(COP、COC)フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)ポリイミド(PI)フィルム、ポリアミド(PA)フィルム等の樹脂フィルムが挙げられる。
 また、支持体の一例としては、離型材が挙げられる。
 支持体の一例である離型材としては、例えば、離型紙(例えば、リンテック株式会社製の剥離紙)、離型層を有するフィルム、及び離型層を有する紙が挙げられ、中でも、離型紙が好ましい。
 なお、支持体として離型材を用いる場合、離型材上に形成された電極材料膜は、離型材が有する離型性を利用して、集電体へと転写させることができる。
 支持体(好ましくは集電体)の厚みは、搬送性等の観点から、3μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることが特に好ましい。
 厚みは、柔軟性、及び軽量性の観点から、100μm以下であることが好ましく、70μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることが特に好ましい。
 支持体の厚みは、単層構造の電極材料膜の厚みと同様の方法で測定される。
 支持体の大きさは、制限されず、製造する電極用成形体の大きさ、製造工程に用いる各種部材の大きさ等に応じて決定すればよい。
 また、本工程において、支持体の搬送手段としては、第1工程及び第2工程における支持体の搬送手段を採用することができる。
[成形部材]
 成形部材としては、好ましい例として、ブレード、及びローラが挙げられる。
(ブレード)
 ブレードは、板状形状を有する部材であり、第2粉体材料(又は第2膜)に接触する接触部の形状、大きさ、材質等に関しては、第2粉体材料(又は第2膜)の諸物性(電極活物質の種類、固体成分濃度、電解液の組成(粘度、表面張力)等)、形成する電極材料膜の大きさ、厚み等に応じて、適宜、決定されればよい。
 また、ブレードの第2粉体材料(又は第2膜)との接触部は、電極材料が付着しにくいことが好ましく、例えば、ブレードの少なくとも表面は離型性を示すことが好ましい。
 例えば、ブレードとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の樹脂製であってもよいし、ステンレス鋼、アルミニウム、鉄、超硬合金等の金属製であってもよいし、セラミック製であってもよい。
 また、表面に離型性を付与するため、ブレードは、離型性を示す表面層(例えば、フッ素系樹脂を含む表面層、シリコン系の粒子及び樹脂を含む表面層)を備えていてもよい。
 更に、ブレードは、耐摩耗性を高める観点から、金属製又はセラミック製のブレード本体に、酸化チタン、窒化チタン(TiN)、タングステンカーバイト等の高硬度被膜を有していてもよい。
(ローラ)
 ローラは、外周面が回転可能な部材であり、大きさ、材質等に関しては、第2粉体材料(又は第2膜)の諸物性(電極活物質の種類、固体成分濃度、電解液の組成(粘度、表面張力)等)、形成する電極材料膜の大きさ、厚み等に応じて、適宜、決定されればよい。
 ローラの外周面を構成する材質としては、ブレードと同様であればよく、離型性を示す表面層を有していてもよい。
 ローラの外径としては、特に制限はないが、例えば、20mm~30mmであればよい。
 また、ローラは回転することから、その外周面と第2粉体材料(又は第2膜)との摩擦係数を0とみなすことができる。但し、その結果として、第2粉体材料(又は第2膜)との密着性が高まる場合があることから、図3に示すように、第2粉体材料(又は第2膜)とローラの外周面との間にはフィルムを介在することが好ましい。
[第1材料を構成する成分及び第2粉体材料を構成する成分]
 第1材料は、電極活物質と電解液とを少なくとも含む。第1材料における固体成分濃度は、第1膜の形成しやすさの観点から、上述のとおり、第1材料の全体積に対して、10体積%~45体積%であることが好ましい。
 また、第2粉体材料は、電極活物質を少なくとも含む。
(電極活物質)
 電極活物質は、周期律表における第1族又は第2族に属する金属元素のイオンを挿入、及び放出することが可能な物質である。電極活物質は、固体成分に含まれる。
 電極活物質としては、例えば、正極電極活物質及び負極電極活物質が挙げられる。
-正極電極活物質-
 正極電極活物質としては、制限されず、正極に用いられる公知の電極活物質を利用できる。正極電極活物質としては、可逆的にリチウムイオンを挿入及び放出できる正極電極活物質であることが好ましい。
 正極電極活物質としては、具体的には、例えば、遷移金属酸化物、及びリチウムと複合化できる元素(例えば、硫黄)が挙げられる。上記の中でも、正極電極活物質は、遷移金属酸化物であることが好ましい。
 遷移金属酸化物は、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Fe(鉄)、Mn(マンガン)、Cu(銅)、及びV(バナジウム)からなる群より選択される少なくとも1種の遷移金属元素(以下、「元素Ma」という。)を含む遷移金属酸化物であることが好ましい。
 遷移金属酸化物がLi及び元素Maを含む場合、Maに対するLiのモル比(Li/Ma)は、0.3~2.2であることが好ましい。
 また、遷移金属酸化物は、リチウム以外の第1族の元素、第2族の元素、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、Ge(ゲルマニウム)、Sn(スズ)、Pb(鉛)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)、Si(ケイ素)、P(リン)、及びB(ホウ素)からなる群より選択される少なくとも1種の遷移金属元素(以下、「元素Mb」という。)を含んでいてもよい。元素Mbの含有量は、元素Maの物質量に対して、0mol%~30mol%であることが好ましい。
 遷移金属酸化物としては、例えば、層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物、スピネル型構造を有する遷移金属酸化物、リチウム含有遷移金属リン酸化合物、リチウム含有遷移金属ハロゲン化リン酸化合物、及びリチウム含有遷移金属ケイ酸化合物が挙げられる。
 層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物としては、例えば、LiCoO(コバルト酸リチウム[LCO])、LiNi(ニッケル酸リチウム)、LiNi0.85Co0.10Al0.05(ニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム[NCA])、LiNi1/3Co1/3Mn1/3(ニッケルマンガンコバルト酸リチウム[NMC])、及びLiNi0.5Mn0.5(マンガンニッケル酸リチウム)が挙げられる。
 スピネル型構造を有する遷移金属酸化物としては、例えば、LiCoMnO、LiFeMn、LiCuMn、LiCrMn、及びLiNiMnが挙げられる。
 リチウム含有遷移金属リン酸化合物としては、例えば、オリビン型リン酸鉄塩(例えば、LiFePO、及びLiFe(PO)、ピロリン酸鉄塩(例えば、LiFeP)、リン酸コバルト塩(例えば、LiCoPO)、及び単斜晶ナシコン型リン酸バナジウム塩(例えば、Li(PO(リン酸バナジウムリチウム))が挙げられる。
 リチウム含有遷移金属ハロゲン化リン酸化合物としては、例えば、フッ化リン酸鉄塩(例えば、LiFePOF)、フッ化リン酸マンガン塩(例えば、LiMnPOF)、及びフッ化リン酸コバルト塩(例えば、LiCoPOF)が挙げられる。
 リチウム含有遷移金属ケイ酸化合物としては、例えば、LiFeSiO、LiMnSiO、及びLiCoSiOが挙げられる。
 遷移金属酸化物は、層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物であることが好ましく、LiCoO(コバルト酸リチウム[LCO])、LiNi0.85Co0.10Al0.05(ニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム[NCA])、及びLiNi1/3Co1/3Mn1/3(ニッケルマンガンコバルト酸リチウム[NMC])からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることがより好ましい。
 正極電極活物質は、市販品であってもよく、公知の方法(例えば、焼成法)によって製造された合成品であってもよい。例えば、焼成法によって得られた正極電極活物質は、水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、又は有機溶剤を用いて洗浄されていてもよい。
 また、正極電極活物質は、その表面にカーボン被膜を有していてもよい。
 正極電極活物質の形状は、制限されないが、取扱性の観点から、粒子状であることが好ましい。
 正極電極活物質の体積平均粒径は、制限されず、例えば、0.1μm~50μmとすることができる。正極電極活物質の体積平均粒径は、0.3μm~40μmであることが好ましく、0.5μm~30μmであることがより好ましい。
 正極電極活物質の体積平均粒径が0.3μm以上であることで、取り扱いの際に正極電極活物質が飛散することを抑制できる。正極電極活物質の体積平均粒径が40μm以下であることで、電極用成形体の厚みを容易に調節することができ、また、成形過程において空隙の発生を抑制することができる。
 正極電極活物質の体積平均粒径は、以下の方法により測定する。
 正極電極活物質と溶剤(例えば、純水、エタノール、ヘプタン、オクタン、トルエン、又はキシレン)とを混合することによって、0.1質量%以下の正極電極活物質を含む分散液を調製する。1kHzの超音波を10分間照射した分散液を測定試料とする。レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(例えば、(株)堀場製作所製のLA-960)を用いて、温度25℃の条件下でデータの取り込みを50回行い、体積頻度粒度分布から体積平均粒径を求める。測定用のセルには、石英セルを用いる。上記測定を5つの試料を用いて行い、測定値の平均を正極電極活物質の体積平均粒径とする。その他の詳細な条件については、必要に応じて、「JIS Z 8828:2013」を参照する。
 正極電極活物質の粒径を調整する方法としては、例えば、粉砕機、解砕機、又は分級機を用いる方法が挙げられる。また、正極電極活物質の粒径を調整する方法としては、公知のミリング法を適用してもよい。
 第1材料及び第2粉体材料は、それぞれ、1種単独の正極電極活物質を含んでいてもよく、2種以上の正極電極活物質を含んでいてもよい。
 また、第1材料及び第2粉体材料がそれぞれ1種の正極電極活物質を含む場合であっても、粒径の異なる正極電極活物質を組み合わせて使用してもよい。
-負極電極活物質-
 負極電極活物質としては、制限されず、負極に用いられる公知の電極活物質を利用できる。負極電極活物質は、可逆的にリチウムイオンを挿入及び放出できる負極電極活物質であることが好ましい。
 負極電極活物質としては、例えば、炭素質材料、金属酸化物(例えば、酸化スズ)、酸化ケイ素、金属複合酸化物、リチウム単体、リチウム合金(例えば、リチウムアルミニウム合金)、及びリチウムと合金を形成可能な金属(例えば、Sn、Si、及びIn)が挙げられる。上記の中でも、負極電極活物質は、信頼性の観点から、炭素質材料、又はリチウム複合酸化物であることが好ましい。
 炭素質材料は、実質的に炭素からなる材料である。
 炭素質材料としては、例えば、石油ピッチ、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック)、黒鉛(例えば、天然黒鉛、及び人造黒鉛(例えば、気相成長黒鉛))、ハードカーボン、及び合成樹脂(例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、及びフルフリルアルコール樹脂)を焼成してなる炭素質材料が挙げられる。炭素質材料としては、例えば、炭素繊維(例えば、ポリアクリロニトリル系炭素繊維、セルロース系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、脱水PVA(ポリビニルアルコール)系炭素繊維、リグニン炭素繊維、ガラス状炭素繊維、及び活性炭素繊維)も挙げられる。黒鉛としては、例えば、メソフェーズ微小球体、グラファイトウィスカー、及び平板状の黒鉛も挙げられる。
 本開示において、「平板状」とは、反対方向を向く2つの主平面を有する形状を意味する。
 金属複合酸化物としては、リチウムを吸蔵及び放出可能な金属複合酸化物であることが好ましい。
 リチウムを吸蔵及び放出可能な金属複合酸化物は、高電流密度充放電特性の観点から、チタン及びリチウムからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含むことが好ましい。
 金属酸化物、及び金属複合酸化物は、特に非晶質酸化物であることが好ましい。
 金属酸化物、及び金属複合酸化物は、カルコゲナイドであることも好ましい。カルコゲナイドは、金属元素と周期律表における第16族の元素との反応生成物である。
 非晶質酸化物、及びカルコゲナイドからなる化合物群の中でも、半金属元素の非晶質酸化物、及びカルコゲナイドが好ましく、周期律表における第13族~15族の元素、Al、Ga、Si、Sn、Ge、Pb、Sb、及びBiからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物、並びにカルコゲナイドがより好ましい。
 負極電極活物質は、チタンを更に含むことも好ましい。リチウムイオンの吸蔵放出時の体積変動が小さいことから急速充放電特性に優れ、そして、電極の劣化が抑制されることでリチウムイオン二次電池の寿命向上が可能となる観点から、チタンを含む負極電極活物質は、LiTi12(チタン酸リチウム[LTO])であることが好ましい。
 負極電極活物質は、市販品であってもよく、公知の方法(例えば、焼成法)によって製造された合成品であってもよい。例えば、焼成法によって得られた負極電極活物質は、水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、又は有機溶剤を用いて洗浄されていてもよい。
 負極電極活物質は、例えば、CGB20(日本黒鉛工業(株))として入手可能である。
 負極電極活物質の組成は、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法を用いて測定する。
 負極電極活物質の形状は、制限されないが、取り扱い易く、そして、量産の際に均一性を管理しやすいという観点から、粒子状であることが好ましい。
 負極電極活物質の体積平均粒径は、0.1μm~60μmであることが好ましく、0.3μm~50μmであることがより好ましく、0.5μm~40μmであることが特に好ましい。
 負極電極活物質の体積平均粒径は、上記正極電極活物質の体積平均粒径の測定方法に準ずる方法により測定する。
 負極電極活物質の粒径を調整する方法としては、例えば、粉砕機、又は分級機を用いる方法が挙げられる。
 第1材料及び第2粉体材料は、それぞれ、1種単独の負極電極活物質を含んでいてもよく、2種以上の負極電極活物質を含んでいてもよい。
 正極電極活物質及び負極電極活物質の表面は、それぞれ、表面被覆剤で被覆されていてもよい。表面被覆剤としては、例えば、Ti、Nb、Ta、W、Zr、Si、又はLiを含む金属酸化物が挙げられる。上記金属酸化物としては、例えば、チタン酸スピネル、タンタル系酸化物、ニオブ系酸化物、及びニオブ酸リチウム系化合物が挙げられる。
(電解液)
 電解液としては、特に制限されず、公知の電解液を利用できる。電解液としては、例えば、電解質と、溶剤と、を含む電解液が挙げられる。具体的な電解液としては、例えば、電解質としてリチウム塩化合物と、溶剤としてカーボネート化合物と、を含む電解液が挙げられる。
 リチウム塩化合物としては、例えば、ヘキサフルオロリン酸リチウムが挙げられる。電解液は、1種単独のリチウム塩化合物を含んでいてもよく、2種以上のリチウム塩化合物を含んでいてもよい。
 カーボネート化合物としては、例えば、炭酸エチルメチル(EMCともいう)、炭酸ジメチル(DMCともいう)、炭酸ジエチル(DEC)等の鎖状カーボネート化合物、及び、炭酸エチレン(ECともいう)、炭酸プロピレン(PCともいう)等の環状カーボネート化合物が挙げられる。電解液は、1種単独のカーボネート化合物を含んでいてもよく、2種以上のカーボネート化合物を含んでいてもよいし、1種以上の鎖状カーボネート化合物と1種以上の環状カーボネート化合物とを併用してもよい。
 電解液に含まれる電解質としては、例えば、公知の無機固体電解質も使用することができる。
 電解液の成分として、例えば、イオン液体を用いてもよい。イオン液体は、電解質として用いても溶剤として用いてもよい。
(溶剤)
 第1材料は、液体成分として、電解液の成分として含まれる溶剤以外の溶剤(以下、単に「溶剤」ともいう。)を含んでいてもよい。
 溶剤としては、例えば、アルコール化合物溶剤、エーテル化合物溶剤、アミド化合物溶剤、アミノ化合物溶剤、ケトン化合物溶剤、芳香族化合物溶剤、脂肪族化合物溶剤、及びニトリル化合物溶剤が挙げられる。
 溶剤の沸点は、常圧(即ち1気圧)において、50℃以上であることが好ましく、70℃以上であることがより好ましい。溶剤の沸点の上限は、常圧(即ち1気圧)において、250℃以下であることが好ましく、220℃以下であることがより好ましい。
 第1材料は、1種単独の溶剤を含んでいてもよく、2種以上の溶剤を含んでいてもよい。
 なお、第1材料中の液体成分、即ち、第1材料中の25℃で液体状である成分は、-10℃であっても液体状であることが好ましく、-20℃であっても液体状であることが好ましい。つまり、第1材料中の25℃で液体状である成分は、-10℃で固化しない成分であることが好ましく、-20℃でも固化しない成分であることが好ましい。
(導電助剤)
 第1材料及び第2粉体材料は、それぞれ、電極活物質の電子伝導性の向上という観点から、導電助剤を含むことが好ましい。導電助剤としては、制限されず、公知の導電助剤を利用できる。
 導電助剤は、固体成分に含まれる。
 導電助剤としては、例えば、黒鉛(例えば、天然黒鉛、及び人造黒鉛)、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、及びファーネスブラック)、無定形炭素(例えば、ニードルコークス)、炭素繊維(例えば、気相成長炭素繊維、及びカーボンナノチューブ)、他の炭素質材料(例えば、グラフェン、及びフラーレン)、金属粉(例えば、銅粉、及びニッケル粉)、金属繊維(例えば、銅繊維、及びニッケル繊維)、及び導電性高分子(例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、及びポリフェニレン誘導体)が挙げられる。
 第1材料及び第2粉体材料は、それぞれ、1種単独の導電助剤を含んでいてもよく、2種以上の導電助剤を含んでいてもよい。
(その他の成分)
 第1材料及び第2粉体材料は、それぞれ、上述成分の他、バインダー、分散剤、その他の添加剤等を含んでいてもよい。但し、第1材料及び第2粉体材料のいずれにおいても、エネルギー密度の向上の観点から、バインダーの含有率が低い方が好ましく、含まない方がより好ましい。
 バインダーとしては、例えば、含フッ素樹脂、炭化水素系熱可塑性樹脂、アクリル樹脂、及びウレタン樹脂が挙げられる。
 また、分散剤としては、分散対象物を分散しうる公知の分散剤であればよい。
 更に、その他の添加剤としては、電極に添加される公知の添加剤を利用することができる。
(第1材料及び第2粉体材料の調製方法)
 第1材料は、例えば、電極活物質と、電解液と、必要に応じて用いるその他の成分(例えば、導電助剤)と、を混合することによって調製できる。
 また、第2粉体材料は、例えば、電極活物質と、必要に応じて用いるその他の成分(例えば、導電助剤)と、を混合することによって調製できる。
 混合方法としては、例えば、ボールミル、ビーズミル、プラネタリミキサー、ブレードミキサー、ロールミル、ニーダー、又はディスクミルを用いる方法が挙げられる。
<<シート状電極用成形体>>
 本開示に係る電極用成形体の製造方法によって得られるシート状電極用成形体は、種々の電極として用いることができる。なお、シート状電極用成形体をそのまま電極として用いてもよいし、シート状電極用成形体に更に加工を加えて電極としてもよい。
 シート状電極用成形体は、半固体二次電池の電極用成形体であることが好ましい。
 シート状電極用成形体は、電池性能(例えば、放電容量、及び出力特性)の向上の観点から、上述の単層構造の電極材料膜と同様、厚みが50μm~250μmであり、且つ、固体成分濃度が50体積%~80体積%であることが好ましい。
 シート状電極用成形体の厚みは、単層構造の電極材料膜の厚みと同様の方法で測定される。また、シート状電極用成形体の固体成分濃度も、単層構造の電極材料膜の固体成分濃度と同様の方法で算出される。
 本開示に係る電極用成形体の製造方法によって得られるシート状電極用成形体は支持体上に形成されるが、この支持体付きシート状電極用成形体においては、支持体の平滑性が高い傾向にある。これは、本開示に係る電極用成形体の製造方法では、高い固体成分濃度を有するシート状電極用成形体を製造しうるものの、その過程で大きな圧力を必要としないためである。
 具体的には、支持体が集電体である場合、集電体付きシート状電極用成形体における集電体の算術平均粗さRaは、0.1nm~1000nmであることが好ましく、1nm~30nmであることがより好ましい。
 また、支持体が集電体である場合、集電体付きシート状電極用成形体においては、表面に被覆層を必要としない傾向にある。一般に、集電体の被覆層は、表面を粗くするために設けられる。集電体の表面を粗くすることで、集電体上に付与された材料との密着性を高めることができる。本開示に係る電極用成形体の製造方法では、電解液を含む第1材料による第1膜を支持体である集電体上に形成するため、電解液の作用により集電体への密着効果が発現することから、集電体における被覆層が不要となる。
 そのため、支持体が集電体である場合、集電体付きシート状電極用成形体における集電体は被覆層を有しないことが好ましい。
 更に、シート状電極用成形体においては、針状形状又は繊維状形状を有する導電助剤の含有率が高い傾向にある。高い固体成分濃度を有し、固体成分濃度にムラのないシート状電極用成形体を製造するには、導電助剤、電極活物質等の固体成分を多く含み、電解液が少ない電極材料を、非常に高い圧力をかけて均一分散させてから使用することが多い。この分散処理の際の高い圧力により、導電助剤の針状形状又は繊維状形状が破壊(例えば切断)されてしまうことから、得られたシート状電極用成形体に残存する針状形状又は繊維状形状を有する導電助剤は少なかった。本開示に係る電極用成形体の製造方法では、上記の電極材料よりも電解液を多く含む第1材料を用いることができることから、第1材料を構成する成分を均一分散させるための圧力を小さくすることができる。その結果、本開示に係る電極用成形体の製造方法で製造されたシート状電極用成形体においては、針状形状又は繊維状形状を有する導電助剤の含有率が高くなる。
 以下、実施例により本開示を詳細に説明するが、本開示はこれらに制限されるものではない。
 なお、後述する各例における各工程は、22℃のドライルーム(低露点室)内にて行った。
[正極用第1材料(1-1)の調製]
(1)炭酸エチレン(EC)と、炭酸プロピレン(PC)と、炭酸ジエチル(DEC)と、を混合した混合液に、LiPF(電解質)を混合した後に、更に、ビニレンカーボネート(VC)を混合した。得られた混合液のうち、64gを取り出し、これを電解液X1とした。
(2)導電助剤(ケッチェンブラック)1gと、正極電極活物質(リン酸鉄リチウム)80gと、をミキサー(あわとり練太郎ARE-310、(株)シンキー製)にて、1500rpm(revolutions per minute、以下同じ)で30秒撹拌し、混練物Y1(81g)を調製した。
(3)混練物Y1(81g)に電解液X1(64g)を加え、ミキサー(あわとり練太郎ARE-310、(株)シンキー製)にて、1500rpmで120秒撹拌して、正極用第1材料(1-1)を得た。
 得られた正極用第1材料(1-1)の固体成分と液体成分との体積比率は31:69であった。つまり、正極用第1材料(1-1)の固体成分濃度は31体積%であった。
[正極用第1材料(1-2)の調製]
(1)正極用第1材料(1-1)の調製と同様にして、電解液X1(64g)を得た。
(2)導電助剤(ケッチェンブラック)0.4gと、正極電極活物質(リン酸鉄リチウム)34.1gと、をミキサー(あわとり練太郎ARE-310、(株)シンキー製)にて、1500rpmで30秒撹拌し、混練物Y2(34.5g)を調製した。
(3)混練物Y2(34.5g)に電解液X1(64g)を加え、ミキサー(あわとり練太郎ARE-310、(株)シンキー製)にて、1500rpmで120秒撹拌して、正極用第1材料(1-2)を得た。
 得られた正極用第1材料(1-2)の固体成分と液体成分との体積比率は15:85であった。つまり、正極用第1材料(1-2)の固体成分濃度は15体積%であった。
[正極用第2粉体材料(2-1)の調製]
 導電助剤(ケッチェンブラック)1gと、正極電極活物質(リン酸鉄リチウム)80gと、をミキサー(あわとり練太郎ARE-310、(株)シンキー製)にて、1500rpmで30秒撹拌し、正極用第2粉体材料(2-1)を得た。
 得られた正極用第2粉体材料(2-1)は固体成分濃度100体積%であった。
[支持体の準備]
 支持体(S1):正極集電体(アルミニウム箔、平均厚み20μm、Ra0.5μm)
 支持体(S2):樹脂フィルム(270mm×500mm×20μm(厚さ))上に、150mm×200mm×20μm(厚さ)の集電箔を2枚、集電箔同士を40mm離間させて貼り付け、集電箔間の樹脂フィルム部分を集電箔側とは反対側に折り曲げ、離間していた集電箔間を隙間なく付き合わせてなる支持体(集電箔の表面Ra0.5μm)
 なお、上記集電体のRaは、電極材料膜の形成面における算術平均粗さRaを指す。
[成形部材の準備]
 ブレード(B1):ステンレス鋼製のブレード
<実施例1>
 連続搬送されている支持体(S1)上に、ドクターブレードを用いて、正極用第1材料(1-1)を塗布し、厚み100μmの第1膜を形成した。
 次いで、第1膜上に、クボタ社製スクリューフィーダーで圧送した第2粉体材料(2-1)を、電磁フィーダーを用いて付与し、第2膜を形成した。
 続いて、図2に示す例のようにして、超音波振動が可能なブレード(B1)を用いて第2膜(第2粉体材料)を均した。
 具体的には、支持体10表面とブレード40の先端との距離を200μmとするようにブレード40を配置した。なお、ブレード40は、精電舎電子工業(株)の超音波発振器とフォーンとを接続し、超音波振動を可能とした。そして、図2に示すように、支持体10を矢印X方向に搬送移動させ、支持体10上に形成された第1膜24と第2膜34との積層物を、超音波振動しているブレード40に接触させて、空隙を通過させた。この空隙を通過させることで、厚み100μmの第1膜24上に、厚み100μmの第2膜34が形成されるよう、第1膜24と第2膜34との積層物の厚みを規制した。このとき、超音波振動しているブレードの振動の振幅1μmであり、周波数は35kHzであった。
 以上のようにして、支持体10上に、支持体10の搬送方向(矢印X方向)に沿って、連続膜であり単層構造の電極材料膜50を形成した。得られた電極材料膜50の膜厚は200μmであった。
 続いて、まず、SUS製のφ100mmのローラに、タービンバイブレーター(UT322、エクセン(株))を装着した振動ローラを用意した。図4に示すように、上述のようにして得られた電極材料膜50を架台の上に載せた後に、用意した振動ローラを、振動させながら電極材料膜50に押し付け、支持体10表面に対して相対移動させて、電極材料膜50を加圧し、圧縮した。このとき、振動ローラの振動の振幅は10μmであり、周波数は400Hzであった。
 加圧し、圧縮させた後の電極材料膜52の膜厚は190μmであり、固体成分濃度は65.5体積%であった。
<実施例2>
 連続搬送されている支持体(S1)上に、ドクターブレードを用いて、正極用第1材料(1-2)を塗布し、厚み80μmの第1膜を形成した。
 続いて、第1膜上に、クボタ社製スクリューフィーダーで圧送した第2粉体材料(2-1)を、電磁フィーダーを用いて付与し、第2膜を形成した。
 続いて、図2に示す例のようにして、実施例1と同様に、超音波振動が可能なブレード(B1)を用いて第2膜(第2粉体材料)を均した。具体的には、支持体10表面とブレード40の先端との距離を200μmとするようにブレード40を配置した。そして、図2に示すように、支持体10を矢印X方向に搬送移動させ、支持体10上に形成された第1膜24と第2膜34との積層物を、超音波振動しているブレード40に接触させて、空隙を通過させた。この空隙を通過させることで、厚み80μmの第1膜24上に、厚み120μmの第2膜34が形成されるよう、第1膜24と第2膜34との積層物の厚みを規制した。このとき、超音波振動しているブレードの振動の振幅は1μmであり、周波数は35kHzであった。
 続いて、実施例1と同様の条件で振動ローラを用いて電極材料膜50を加圧し、圧縮した。
 加圧、圧縮させた後の電極材料膜52の膜厚は190μmであり、固体成分濃度は65.5体積%であった。
<実施例3>
 実施例1と同様の方法で、膜厚200μmの電極材料膜50を得た後、ロールプレス機(テスター産業(株)製SA-602)を用い、以下の方法で、電極材料膜50を加圧し、圧縮した。
 まず、支持体表面とロールプレス機の外周との距離を190μmとするようにロールプレス機を配置した。そして、支持体を搬送移動させ、支持体上に形成された電極材料膜50をロールプレス機に接触させて、空隙を10mm/sで通過させて、電極材料膜50を加圧し、圧縮した。
 加圧し、圧縮させた後の電極材料膜52の膜厚は190μmであり、固体成分濃度は65.5体積%であった。
<実施例4>
 実施例1と同様の方法で、膜厚200μmの電極材料膜50を得た後、超音波振動しているブレードを用い、以下の方法で、電極材料膜50を加圧し、圧縮した。
 まず、超音波発振器(DGS35-100-S、ユーシー・ジャパン(株))とコンバータ(C35-SD8、ユーシー・ジャパン(株))とを用いて、超音波振動するブレードを作製した。作製したブレードを、支持体表面とブレードの先端との距離を190μmとするように配置した。そして、支持体を搬送移動させ、支持体上に形成された電極材料膜50を超音波振動しているブレードに接触させて、空隙を通過させた。このとき、超音波振動しているブレードの振動の振幅は1μmであり、周波数は35KHzであった。
 加圧し、圧縮させた後の電極材料膜52の膜厚は190μmであり、固体成分濃度は65.5体積%であった。
<実施例5>
 実施例1と同様の方法で、膜厚200μmの電極材料膜50を得た後、振動しているブレードを用い、以下の方法で、電極材料膜50を加圧し、圧縮した。
 まず、電極材料膜50上に、PTFE製の樹脂フィルムを載せて、その上から、実施例4と同様の超音波振動するブレードを接触させて、電極材料膜50を加圧し、圧縮した。具体的には、超音波振動するブレードを、支持体表面とブレードの先端との距離を190μmとするように配置した。そして、支持体を搬送移動させ、支持体上に形成された電極材料膜50を、PTFEフィルムを介して超音波振動しているブレードに接触させて、空隙を通過させた。このとき、超音波振動しているブレードの振動の振幅は1μmであり、周波数は35KHzであった。
 以上のようにして、支持体10上に、支持体10の搬送方向(矢印X方向)に沿って、連続膜であり単層構造の電極材料膜50を形成した。得られた電極材料膜50の膜厚は190μmであった。
<実施例6>
 支持体(S2)の集電箔上に、ドクターブレードを用いて、正極用第1材料(1-1)を塗布し、厚み100μmの第1膜を形成した。次いで、第1膜上に、クボタ社製スクリューフィーダーで圧送した第2粉体材料(2-1)を、電磁フィーダーを用いて付与し、第2膜を形成した。
 その後、支持体(S2)の樹脂フィルムを引っ張り、付き合わせた2枚の集電箔を分離した。集電箔を分離した後、集電箔上の第1膜と第2膜との積層物の形状について、CCDカメラにて観察したところ、崩れた箇所は見られなかった。
 その後、実施例1と同様の方法を用い、超音波振動しているブレード(B1)を用いて、集電箔の第1膜上に形成された第2膜(第2粉体材料)を均し、厚み100μmの第1膜上に、厚み100μmの第2膜が形成されるよう、第1膜と第2膜との積層物の厚みを規制した。これにより、2枚の集電箔のそれぞれの上に連続膜であり単層構造の電極材料膜を形成した。
 続いて、実施例1と同様の条件で振動ローラを用いて電極材料膜を加圧し、圧縮した。
 加圧、圧縮させた後の電極材料膜の膜厚は190μmであり、固体成分濃度は65.5体積%であった。なお、加圧、圧縮させた後の電極材料膜にも、崩れは見られなかった。
<評価>
(面内方向における固体成分濃度のムラの評価)
 形成された電極材料膜の厚みをキーエンス社製マルチカラーレーザー変位計にて測定し、同じ厚み(ここでは、誤差5μm以下を「同じ厚み」とする)を有することを確認した。
 厚みを測定した電極材料膜について、2cm角の打ち抜き機を用いて、幅10箇所、長手方向に10カ所の計100カ所を打ち抜き、2cm角の100個の試料を得た。
 次いで、得られた100個分の試料の質量を、それぞれ、電子天秤にて測定した。
 得られた測定値から算術平均値を求め、これを基準質量とした。この基準質量に対し、5質量%以内の質量であった試料の数をカウントし、カウントされた試料の数にて、評価を行った。カウントされた試料の数が多い程、面内方向における固体成分濃度のムラが少ないといえる。結果を表1に示す。
 評価基準は以下のとおりである。
-評価基準-
 A:カウントされた試料の数が95個以上である。
 B:カウントされた試料の数が90個以上94個以下である。
 C:カウントされた試料の数が85個以上89個以下である。
 D:カウントされた試料の数が84個以下である。
 以上のように、各実施例によれば、固体成分濃度が高く、且つ、面内方向で固体成分濃度のムラが少ない単層構造のシート状電極用成形体が支持体上に製造されたことが分かる。
[符号の説明]
 10:支持体
 20:付与手段
 22:第1材料
 24:第1膜
 30:付与手段
 32:第2粉体材料
 34:第2膜
 40:ブレード
 50:単層構造の電極材料膜
 52:加圧された単層構造の電極材料膜
 60:ローラ
 62:フィルム
 70:加圧ローラ
 72:フィルム
 X:支持体の搬送方向
 2022年7月28日に出願された日本国特許出願2022-120969号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記載された場合と同程度に、本明細書に参照により取り込まれる。

Claims (8)

  1.  支持体上に、電極活物質と電解液とを含む第1材料を付与し、第1材料による第1膜を形成する第1工程と、
     第1膜上に、電極活物質を含み且つ液体成分を含まない第2粉体材料を付与する第2工程と、
     を含み、
     第1膜と第2粉体材料との混合物である単層構造の電極材料膜を形成する、シート状電極用成形体の製造方法。
  2.  第2工程が、第1膜上に、電極活物質を含み且つ液体成分を含まない第2粉体材料を付与した後、成形部材により第1膜上に付与された第2粉体材料を均し、第1膜と第2粉体材料との積層物の厚みを規制する工程である、請求項1に記載のシート状電極用成形体の製造方法。
  3.  成形部材がブレード又はローラである、請求項2に記載のシート状電極用成形体の製造方法。
  4.  第2工程において、振動しているブレード又はローラにより第1膜上に付与された第2粉体材料を均す、請求項2に記載のシート状電極用成形体の製造方法。
  5.  第2工程が、第1膜上に、電極活物質を含み且つ液体成分を含まない第2粉体材料を付与した後、第1膜上に付与された第2粉体材料上にフィルムを載せ、フィルム上から成形部材にて第2粉体材料を押圧することで、第1膜上に付与された第2粉体材料を均し、第1膜と第2粉体材料との積層物の厚みを規制する工程である、請求項1に記載のシート状電極用成形体の製造方法。
  6.  第2工程にて、第1膜上に付与された第2粉体材料を均し、第1膜と第2粉体材料との積層物の厚みを規制した後、厚みが規制された積層物を、振動している加圧部材により圧縮する第3工程を更に含む、請求項2又は請求項5に記載のシート状電極用成形体の製造方法。
  7.  第1材料の固体成分濃度が5体積%~48体積%である、請求項1又は請求項2に記載のシート状電極用成形体の製造方法。
  8.  単層構造の電極材料膜は、厚みが50μm~250μmであり、且つ、固体成分濃度が50体積%~80体積%である、請求項1又は請求項2に記載のシート状電極用成形体の製造方法。
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