WO2023079983A1

WO2023079983A1 - 画像形成装置、および、消耗品メモリの継続使用に係る判定方法

Info

Publication number: WO2023079983A1
Application number: PCT/JP2022/039282
Authority: WO
Inventors: 忠雄京谷
Original assignee: ブラザー工業株式会社
Priority date: 2021-11-02
Filing date: 2022-10-21
Publication date: 2023-05-11
Also published as: JP2023068336A

Abstract

消耗品メモリが交換されない状態で消耗品に印刷材が充填される場合に、消耗品メモリへの情報の書き込み回数を表す情報を用いることなく、消耗品メモリを使用できるかを判定する。画像形成装置（１）のコントローラ（６１）は、トナーメモリ（４２）に記憶される容量情報と、トナーメモリ（４２）または本体メモリ（６２）に記憶される上限印刷量情報とに基づき、印刷量情報が変更されてもトナーメモリ（４２）を継続して使用できるかを判定する判定処理を実行する。

Description

画像形成装置、および、消耗品メモリの継続使用に係る判定方法

　本開示は、画像形成装置、および、消耗品メモリの継続使用に係る判定方法に関する。

　制御部が不揮発性メモリに情報を書き込む書き込み回数には上限値がある。不揮発性メモリへの書き込み動作は不揮発性メモリを劣化させ、書き込み動作が上限値を超えると情報を書き込めなくなったり、書き込まれた情報の品質が保証されなくなったりする。すなわち、書き込み回数の上限値とは、不揮発性メモリに記憶された情報の品質が保証される書き込み回数の最大値をいう。このような書き込み回数に上限値を有する不揮発性メモリが、消耗品の寿命などを管理するための消耗品メモリとして用いられる。

　特許文献１には、情報を記憶する記憶部を備えた消耗部品が着脱可能であって、計数部と、計測部と、制御部とを有する画像形成装置が記載されている。計数部は、記憶部へのアクセス回数を計数する。計測部は、消耗部品の使用量を計測する。制御部は、アクセス回数と消耗部品の使用量とに応じて、記憶部へのアクセス頻度を制御する。

　例えば、プリンタに装着されるトナーカートリッジなどの消耗品はリサイクルできることが望まれる。

特開２００９－５３６８１号公報

　消耗品メモリが交換されない状態で消耗品に印刷材が充填された場合、消耗品を使用している状況において、消耗品メモリへの情報の書き込み回数が上限値に達してしまい、消耗品メモリが使用できなくなる虞がある。

　本開示は、消耗品メモリが交換されない状態で消耗品に印刷材が充填される場合に、消耗品メモリを使用できるかを判定することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。

　上記の課題を解決するために、本開示の第１態様の画像形成装置は、画像形成装置であって、本体筐体と、前記本体筐体に装着可能であって、消耗品メモリを備える消耗品と、コントローラと、本体メモリと、を備え、前記消耗品メモリは、前記消耗品の製品仕様として設定された印刷量を表す印刷量情報を記憶し、前記消耗品メモリまたは前記本体メモリは、前記消耗品メモリを用いて印刷する際に許容された上限印刷量情報であって、前記消耗品メモリを用いて印刷可能な前記印刷量の上限を表す上限印刷量情報を記憶し、前記コントローラは、前記印刷量情報と前記上限印刷量情報とに基づき、前記印刷量情報が変更されても前記消耗品メモリを継続して使用できるかを判定する判定処理を実行する。

　第２態様は、第１態様の画像形成装置であって、前記上限印刷量情報が表す印刷量の上限は、前記印刷量情報が表す印刷量よりも大きくてもよい。

　第３態様は、第１態様または第２態様の画像形成装置であって、前記印刷量情報が表す印刷量が変更される場合に、前記コントローラは前記判定処理を実行してもよい。

　第４態様は、第１態様から第３態様の何れかの画像形成装置であって、前記コントローラは、前記印刷量情報として設定する印刷量の選択指示を受け付ける受付処理を実行し、前記受付処理において前記選択指示を受け付けた場合に、前記判定処理において前記消耗品メモリを継続して使用できると判定してもよい。

　第５態様は、第１態様から第４態様の何れかの画像形成装置であって、前記コントローラは、前記判定処理において、変更される前記印刷量情報が表す印刷量が、前記消耗品メモリを用いて印刷可能な許容範囲内である場合に、前記消耗品メモリを継続して使用できると判定してもよい。

　第６態様は、第５態様の画像形成装置であって、前記コントローラは、前記上限印刷量情報が表す印刷量の上限から前記印刷量情報が表す印刷量を減算した第１印刷量を算出する第１算出処理を実行し、前記判定処理において、変更される前記印刷量情報が表す印刷量が前記第１印刷量以下である場合に、変更される前記印刷量情報が表す印刷量が前記許容範囲内であると判定してもよい。

　第７態様は、第５態様の画像形成装置であって、前記消耗品メモリは、前記消耗品の累積印刷量を表す累積印刷量情報を記憶し、前記コントローラは、前記上限印刷量情報が表す印刷量の上限から、前記印刷量情報が表す印刷量と前記累積印刷量とを加算した印刷量を減算した第２印刷量を算出する第２算出処理を実行し、前記判定処理において、変更される前記印刷量情報が表す印刷量が前記第２印刷量以下である場合に、変更される前記印刷量情報が表す印刷量が前記許容範囲内であると判定してもよい。

　第８態様は、第１態様から第６態様の何れかの画像形成装置であって、前記消耗品メモリは、前記上限印刷量情報を記憶し、前記コントローラは、前記判定処理において前記消耗品メモリを継続して使用できると判定した場合に、前記印刷量情報と前記上限印刷量情報とに基づき、前記上限印刷量情報を更新する第１更新処理を実行してもよい。

　第９態様は、第８態様の画像形成装置であって、前記コントローラは、前記上限印刷量情報が表す印刷量の上限から前記印刷量情報が表す印刷量を減算した第１印刷量を算出する第１算出処理を実行し、前記第１更新処理において、前記上限印刷量情報を前記第１印刷量に書き換えてもよい。

　第１０態様は、第１態様から第５態様および第７態様の何れかの画像形成装置であって、前記消耗品メモリは、前記消耗品の累積印刷量を表す累積印刷量情報を記憶し、前記本体メモリは、前記上限印刷量情報を記憶し、前記コントローラは、前記印刷量情報と前記累積印刷量情報とに基づき、前記累積印刷量情報を更新する第２更新処理を実行してもよい。

　第１１態様は、第１０態様の画像形成装置であって、前記コントローラは、前記第２更新処理において、前記累積印刷量情報を、前記印刷量情報が表す印刷量と前記累積印刷量とを加算した印刷量に書き換えてもよい。

　第１２態様は、第１態様から第１１態様の何れかの画像形成装置であって、前記コントローラは、前記印刷量情報として設定する印刷量の選択指示を受け付ける受付処理と、前記判定処理において前記消耗品メモリを継続して使用できると判定した場合に、前記印刷量情報を、前記選択指示によって選択された印刷量に書き換える書換処理と、を実行してもよい。

　第１３態様は、第１態様から第１２態様の何れかの画像形成装置であって、前記消耗品は、印刷材を収容するカートリッジであってもよい。

　第１４態様は、第１態様から第１３態様の何れかの画像形成装置であって、前記印刷量は、印刷材の容量であってもよい。

　上記の課題を解決するために、本開示の第１５態様の判定方法は、画像形成装置の本体筐体に装着される消耗品が有する消耗品メモリを継続して使用できるかを判定する判定方法であって、前記消耗品メモリに記憶される、前記消耗品の製品仕様として設定された印刷量を表す印刷量情報と、前記消耗品メモリまたは前記画像形成装置が備える本体メモリに記憶される、前記消耗品メモリを用いて印刷する際に許容された上限印刷量情報であって、前記消耗品メモリを用いて印刷可能な前記印刷量の上限を表す上限印刷量情報と、に基づき、前記印刷量情報が変更されても前記消耗品メモリを継続して使用できるかを前記画像形成装置が判定する判定工程を含む。

　第１６態様は、第１５態様の判定方法であって、前記上限印刷量情報が表す印刷量の上限は、前記印刷量情報が表す印刷量よりも大きくてもよい。

　第１７態様は、第１５態様または第１６態様の判定方法であって、前記印刷量情報が表す印刷量が変更される場合に、前記画像形成装置は前記判定工程を実行してもよい。

　第１８態様は、第１５態様から第１７態様の何れかの判定方法であって、前記印刷量情報として設定する印刷量の選択指示を、前記画像形成装置が受け付ける受付工程を含み、前記受付工程において前記画像形成装置が前記選択指示を受け付けた場合に、前記判定工程において、前記画像形成装置は前記消耗品メモリを継続して使用できると判定してもよい。

　第１９態様は、第１５態様から第１８態様の何れかの判定方法であって、前記判定工程において、変更される前記印刷量情報が表す印刷量が、前記消耗品メモリを用いて印刷可能な許容範囲内である場合に、前記画像形成装置は前記消耗品メモリを継続して使用できると判定してもよい。

　第２０態様は、第１９態様の判定方法であって、前記上限印刷量情報が表す印刷量の上限から前記印刷量情報が表す印刷量を減算した第１印刷量を、前記画像形成装置が算出する第１算出工程を含み、前記判定工程において、変更される前記印刷量情報が表す印刷量が前記第１印刷量以下である場合に、前記画像形成装置は、変更される前記印刷量情報が表す印刷量が前記許容範囲内であると判定してもよい。

　第２１態様は、第１９態様の判定方法であって、前記消耗品メモリは、前記消耗品の累積印刷量を表す累積印刷量情報を記憶し、前記上限印刷量情報が表す印刷量の上限から、前記印刷量情報が表す印刷量と前記累積印刷量とを加算した印刷量を減算した第２印刷量を、前記画像形成装置が算出する第２算出工程を含み、前記判定工程において、変更される前記印刷量情報が表す印刷量が前記第２印刷量以下である場合に、前記画像形成装置は、変更される前記印刷量情報が表す印刷量が前記許容範囲内であると判定してもよい。

　第２２態様は、第１５態様から第２０態様の何れかの判定方法であって、前記消耗品メモリは、前記上限印刷量情報を記憶し、前記判定工程において前記消耗品メモリを継続して使用できると判定した場合に、前記印刷量情報と前記上限印刷量情報とに基づき、前記画像形成装置が前記上限印刷量情報を更新する第１更新工程を含んでもよい。

　第２３態様は、第２２態様の判定方法であって、前記上限印刷量情報が表す印刷量の上限から前記印刷量情報が表す印刷量を減算した第１印刷量を、前記画像形成装置が算出する第１算出工程を含み、前記第１更新工程において、前記画像形成装置は、前記上限印刷量情報を前記第１印刷量に書き換えてもよい。

　第２４態様は、第１５態様から第１９態様および第２１態様の何れかの判定方法であって、前記消耗品メモリは、前記消耗品の累積印刷量を表す累積印刷量情報を記憶し、前記本体メモリは、前記上限印刷量情報を記憶し、前記印刷量情報と前記累積印刷量情報とに基づき、前記画像形成装置が前記累積印刷量情報を更新する第２更新工程を含んでもよい。

　第２５態様は、第２４態様の判定方法であって、前記第２更新工程において、前記画像形成装置は、前記累積印刷量情報を、前記印刷量情報が表す印刷量と前記累積印刷量とを加算した印刷量に書き換えてもよい。

　第２６態様は、第１５態様から第２５態様の何れかの判定方法であって、前記印刷量情報として設定する印刷量の選択指示を、前記画像形成装置が受け付ける受付工程と、前記判定工程において前記消耗品メモリを継続して使用できると判定した場合に、前記画像形成装置が、前記印刷量情報を、前記選択指示によって選択された印刷量に書き換える書換工程と、を含んでもよい。

　第２７態様は、第１５態様から第２６態様の何れかの判定方法であって、前記消耗品は、印刷材を収容するカートリッジであってもよい。

　第２８態様は、第１５態様から第２７態様の何れかの判定方法であって、前記印刷量は、印刷材の容量であってもよい。

　また、本開示の各態様に係る画像形成装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記画像形成装置が備える各部（ソフトウェア要素）として動作させることにより前記画像形成装置をコンピュータにて実現させる画像形成装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本開示の範疇に入る。

　第１態様の画像形成装置によれば、上限印刷量情報と印刷量情報とに基づき、印刷量情報が変更されても消耗品メモリを継続して使用できるかを判定する。従って、画像形成装置は、印刷量情報が変更されても、印刷量の上限を超えない場合には、消耗品メモリの継続的な使用を許可できる。つまり、画像形成装置は、印刷量情報が変更される場合に、消耗品メモリを継続して使用できるかを判定できる。

　第２態様の画像形成装置によれば、印刷量の上限を超えない範囲において、消耗品メモリの継続的な使用を許可できる。

　第３態様の画像形成装置によれば、印刷量情報が変更される場合に、印刷量の上限を超えて消耗品メモリの継続的な使用を許可することを防止できる。

　第４態様の画像形成装置によれば、消耗品メモリを継続して使用できるとの判定を、印刷量を選択する選択指示を受け付けたときに行うことができる。

　第５態様の画像形成装置によれば、消耗品メモリを継続して使用できるとの判定を、変更される印刷量が許容範囲内であると判定したときに行うことができる。

　第６態様の画像形成装置によれば、印刷量の上限以下である第１印刷量以下の印刷量を許容範囲内である判定できるため、印刷量の上限を超えない場合において消耗品メモリの継続的な使用を許可できる。

　第７態様の画像形成装置によれば、印刷量の上限以下である第２印刷量以下の印刷量を許容範囲内である判定できるため、印刷量の上限を超えない場合において消耗品メモリの継続的な使用を許可できる。

　第８態様の画像形成装置によれば、更新される上限印刷量情報を用いて、印刷量情報が変更されても消耗品メモリを継続して使用できるかを判定できる。

　第９態様の画像形成装置によれば、上限印刷量情報を書き換えることにより、次回、消耗品メモリの継続的な使用可否の判定を実行するときに、最新の上限印刷量情報を用いることできる。

　第１０態様の画像形成装置によれば、印刷量情報と累積印刷量情報とに基づき累積印刷量情報を更新する。従って、上限印刷量情報が印刷量の変動によって変動しない情報であっても、画像形成装置は、印刷量の上限を超えない範囲において、消耗品メモリの継続的な使用を許可できる。

　第１１態様の画像形成装置によれば、累積印刷量情報を書き換えることにより、次回、消耗品メモリの継続的な使用可否の判定を実行するときに、最新の累積印刷量情報を用いることができる。

　第１２態様の画像形成装置によれば、印刷量情報を書き換えることにより、次回、消耗品メモリの継続的な使用可否の判定を実行するときに、最新の印刷量情報を用いることができる。

　第１３態様の画像形成装置によれば、印刷材を収容するカートリッジが有する消耗品メモリの継続的な使用可否を判定できる。

　第１４態様の画像形成装置によれば、消耗品の製品仕様として設定された印刷量として印刷材の容量を用いて、消耗品メモリの継続的な使用可否を判定できる。

　なお、第１５態様～第２８態様の判定方法のそれぞれについては、これらの態様に係る判定方法に対応する、第１態様～第１４態様のいずれかの画像形成装置と同様の効果を奏する。

本開示の実施形態における画像形成装置の概略図である。ドラムカートリッジおよび現像カートリッジを含む画像形成装置の要部構成を示す図である。トナーメモリに記憶されているトナーカートリッジ情報のデータ構造の一例を示す図である。ドラムメモリに記憶されているドラムカートリッジ情報のデータ構造の一例を示す図である。カートリッジをリサイクルするための前提処理の流れを示すフローチャートである。初期化する処理の流れを示すフローチャートである。初期化する別の処理の流れを示すフローチャートである。ドラムカートリッジおよび現像カートリッジを含む画像形成装置の別の要部構成を示す図である。トナーメモリに記憶されているトナーカートリッジ情報の別のデータ構造の一例を示す図である。消耗品をリサイクルするために必要となる別の処理の流れを示すフローチャートである。

　〔実施形態１〕
　以下、本開示の実施形態１について図を参照しつつ説明する。本実施形態では、一例として、画像形成装置がレーザープリンタであり、画像形成とは、印刷である場合について説明する。しかしながら、画像形成装置は、レーザープリンタ以外のプリンタであってもよい。例えば、画像形成装置１は、インクジェットプリンタであってもよい。

　＜画像形成装置１の構造概要＞
　図１は、画像形成装置１の概略図である。図２は、ドラムカートリッジ２０および現像カートリッジ４を含む画像形成装置１の内部構造を示す図である。図１に示すように、画像形成装置１は、本体筐体１０と、カバー１１とから構成される。

　（本体筐体１０）
　画像形成装置１の本体筐体１０には、現像カートリッジ４が装着される。詳しくは後述するが、現像カートリッジ４は、ドラムカートリッジ２０に装着されることで、ドラムカートリッジ２０と一体となる。つまり、現像カートリッジ４は、ドラムカートリッジ２０に装着された状態で、ドラムカートリッジ２０と共に、本体筐体１０へ装着される。

　なお、本実施形態の画像形成装置１に、４個の現像カートリッジ４が装着される。すなわち、本実施形態の画像形成装置１は、４個のドラムカートリッジ２０と、４個の現像カートリッジ４が装着可能である。しかしながら、画像形成装置１に装着されるドラムカートリッジ２０および現像カートリッジ４の個数は、図１の例に限定されない。例えば、画像形成装置１は、１個のドラムカートリッジ２０および現像カートリッジ４が装着可能なモノクロプリンタであってもよい。

　現像カートリッジ４は、トナーを収容している。画像形成装置１は、現像カートリッジ４に収容されるトナーを消費して、印刷を行う。すなわち、現像カートリッジ４は画像形成装置１で使用される消耗品である。また、ドラムカートリッジ２０は、感光体ドラム２１を有する。ドラムカートリッジ２０も、画像形成装置１で使用される消耗品の一例である。

　本体筐体１０は、例えば矩形の箱状である。画像形成装置１は、４つのドラムカートリッジ２０、４つの現像カートリッジ４、転写ベルト７０、コントローラ６１、本体メモリ６２、操作部６４およびディスプレイ６５を備える。４つのドラムカートリッジ２０、４つの現像カートリッジ４、転写ベルト７０、コントローラ６１、本体メモリ６２、操作部６４およびディスプレイ６５は、本体筐体１０に収容される。なお、操作部６４がハードウェアボタンである場合、操作部６４の押下面は、ユーザが操作できるように本体筐体１０の外表面に設けられてもよい。また、ディスプレイ６５の表示面は、ユーザが表示された情報を視認できるように本体筐体１０の外表面に設けられてもよい。ディスプレイ６５は、タッチパネルと一体に構成されることにより、操作部として機能するように構成されてもよい。

　本体筐体１０は、４つのカートリッジ保持部１３を有する。カートリッジ保持部１３は、凹状に形成されており、開口を有する。ドラムカートリッジ２０および現像カートリッジ４は、カートリッジ保持部１３のそれぞれに保持されることで本体筐体１０に装着される。

　（カバー１１）
　画像形成装置１のカバー１１には、各ドラムカートリッジ２０に対応した光源ユニット５０が備えられている。つまり、画像形成装置１は、４つの光源ユニット５０を備える。カバー１１は、図１において実線で示す開口１０Ａを開ける開位置と、図１において二点鎖線で示す開口１０Ａを閉じる閉位置との間で、第１方向に延びる回動軸１１Ａを中心に回動可能（移動可能）である。カバー１１の回動によって、本体筐体１０の上端に設けられた開口１０Ａが開閉される。

　カバー１１が開位置に配置されたときには、カートリッジ保持部１３のそれぞれの開口が開放される。カバー１１が閉位置に配置されたときには、カートリッジ保持部１３のそれぞれの開口が、カバー１１により覆われる。

　本体筐体１０には、開口１０Ａに図示しない閉センサが設けられていてもよい。閉センサは、カバー１１が閉位置にあることを検知するセンサである。閉センサは、例えば、接触型のセンサであってもよいし、光学型のセンサであってもよい。

　（現像カートリッジ４）
　現像カートリッジ４は、現像ローラ４１と、印刷材の一例としての現像剤（例えばトナー）とを収容可能なカートリッジ筐体を有する。カートリッジ筐体は、本体筐体１０に装着可能である。４つの現像カートリッジ４は、画像形成を行うために使用される材料として、互いに異なる色（例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの各色）の現像剤を収容する。現像剤は、使用に伴って消費される材料である。現像カートリッジ４がドラムカートリッジ２０に装着されると、感光体ドラム２１の外周面は、現像ローラ４１の外周面と接触する。

　また、現像カートリッジ４は、図２に示すように、消耗品メモリの一例としてのトナーメモリ４２を有する。トナーメモリ４２は、現像カートリッジ４の第１方向における一方側の外表面に配置される。トナーメモリ４２は、情報の読み出しおよび書き込みが可能なメモリ、例えば、フラッシュＲＯＭ（Read Only Memory）またはＥＥＰＲＯＭ（登録商標，Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory）である。

　トナーメモリ４２は、現像カートリッジ４に関する情報であるトナーカートリッジ情報４２０を記憶する。トナーカートリッジ情報４２０のデータ構造については、図３を参照して後述する。

　（ドラムカートリッジ２０）
　ドラムカートリッジ２０は、カートリッジ筐体を有している。ドラムカートリッジ２０は、画像形成を行うために使用される部品として、感光体ドラム２１を含む。感光体ドラム２１は、使用に伴って、表面の磨耗などの劣化が生じるために交換が必要となる交換部品である。感光体ドラム２１の外周面は、感光材料に覆われている。

　また、ドラムカートリッジ２０は、消耗品メモリの一例としてのドラムメモリ２２を有していてもよい。ドラムメモリ２２は、情報の読み出しおよび書き込みが可能なメモリである。ドラムメモリ２２は、例えばフラッシュＲＯＭまたはＥＥＰＲＯＭ（登録商標）である。

　ドラムメモリ２２は、図２に示すように、ドラムカートリッジ２０に関する情報であるドラムカートリッジ情報２２０を記憶する。ドラムカートリッジ情報２２０のデータ構造については、図４を参照して後述する。

　＜カートリッジの装着と印刷機構＞
　図１に示すように、ドラムカートリッジ２０および現像カートリッジ４は、カバー１１が開位置に配置された状態で、本体筐体１０に装着される。この状態で、ドラムカートリッジ２０および現像カートリッジ４は、開口１０Ａからカートリッジ保持部１３に挿入される。

　４つの光源ユニット５０は、カバー１１の内表面に取り付けられている。光源ユニット５０は、本体筐体１０にドラムカートリッジ２０が装着されて、カバー１１が閉位置にある状態で、感光体ドラム２１の表面と向かい合って配置されている。また、光源ユニット５０は、第１方向に配列された複数の光源を有する。光源は、感光体ドラム２１の外周面に、光を照射可能である。光源は、例えばＬＥＤ（Light Emitting Diode：発光ダイオード）である。

　光源ユニット５０は、コントローラ６１と電気的に接続されている。コントローラ６１は、入力された画像データに応じて、光源ユニット５０の複数の光源を発光させる。光源は、感光体ドラム２１の外周面に向けて光を照射する。その結果、感光体ドラム２１の外周面の感光材料が、画像データに応じて露光される。

　転写ベルト７０は、感光体ドラム２１の表面にある現像剤（例えば、トナー）を、印刷用紙へ転写する部品である。転写ベルト７０は、使用に伴って、表面の磨耗などの劣化が生じるために交換が必要となる交換部品である。転写ベルト７０は、感光体ドラム２１と接触可能なベルトであって、環状（無端帯）である。感光体ドラム２１の外周面は、転写ベルト７０の外周面と接触可能である。印刷処理時には、印刷用紙が、転写ベルト７０と感光体ドラム２１との間へ搬送される。

　転写ベルト７０は、駆動ローラ７１と従動ローラ７２との間に掛け渡されている。駆動ローラ７１は、転写ベルト７０を駆動する。コントローラ６１は、駆動ローラ７１を回転させる。従動ローラ７２は、駆動ローラ７１の駆動に伴う転写ベルト７０の移動に従い、回転する。

　＜本体筐体の内部構造＞
　コントローラ６１は、例えば、ＡＳＩＣ（Application Specific Integrated Circuit：特定用途向け集積回路）を有する。コントローラ６１は、画像形成装置１の本体筐体１０に設けられた本体メモリ６２と電気的に接続されている。図２には示されていないが、操作部６４およびディスプレイ６５もまたコントローラ６１と電気的に接続されている。コントローラ６１は、種々の動作を実行することによって、画像形成装置１に印刷に関連する各種処理を行わせる。

　なお、コントローラ６１は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）等のプロセッサを備えてもよい。この場合、本体メモリ６２に、画像形成装置の制御方法を実現する制御プログラムが保存され、プロセッサが制御プログラムにしたがって動作することによって、コントローラ６１が画像形成装置１に各種処理を行わせてもよい。

　また、コントローラ６１は、制御プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な、本体メモリ６２などの記録媒体を備えていてもよい。記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ＲＯＭ等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、制御プログラムを展開するＲＡＭ（Random Access Memory）などを利用してもよい。また、制御プログラムは、制御プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体（通信ネットワークまたは放送波等）を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本開示の一態様は、制御プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。

　図２に示すように、画像形成装置１は、コネクタ１０１およびコネクタ１０２を有する。ドラムカートリッジ２０が図１に示すカートリッジ保持部１３に挿入された状態で、コネクタ１０１がドラムメモリ２２と電気的に接続されることより、コントローラ６１がドラムカートリッジ２０のドラムメモリ２２と通信可能になる。すなわち、コントローラ６１は、ドラムメモリ２２からの情報の読出処理と、ドラムメモリ２２への情報の書込処理（書き換え処理を含む）とを実行することが可能となる。

　また、現像カートリッジ４が本体筐体１０に装着された状態で、コネクタ１０２がトナーメモリ４２と電気的に接続されることより、コントローラ６１が現像カートリッジ４のトナーメモリ４２と通信可能になる。すなわち、コントローラ６１は、トナーメモリ４２からの情報の読出処理と、トナーメモリ４２への情報の書込処理（書き換え処理を含む）とを実行することが可能となる。

　本体メモリ６２は、情報の読み出しおよび書き込みが可能なメモリである。本体メモリ６２は、例えばフラッシュＲＯＭまたはＥＥＰＲＯＭ（登録商標）である。本体メモリ６２は、１つ以上の記憶領域を有し、各領域には、一例として、以下の各種情報が記憶されている。

　カートリッジ情報６２１は、画像形成装置１に装着されるカートリッジに関する情報である。具体的には、カートリッジ情報６２１は、各色の現像カートリッジ４のトナーメモリ４２から読み出されるトナーカートリッジ情報４２０を、現像カートリッジ４ごとに識別できるように含んでいる。また、カートリッジ情報６２１は、ドラムカートリッジ２０のドラムメモリ２２から読み出されるドラムカートリッジ情報２２０を、ドラムカートリッジ２０ごとに識別できるように含んでいる。トナーカートリッジ情報４２０は、一例として、現像カートリッジ４の使用量を表す使用量情報を含む。ドラムカートリッジ情報２２０は、一例として、ドラムカートリッジ２０の使用量を表す使用量情報を含む。カートリッジ情報６２１として記憶されるトナーカートリッジ情報４２０およびドラムカートリッジ情報２２０のデータ構造の詳細については、図３および図４を参照して後述する。

　以下では、「カートリッジをリサイクル」するとは、カートリッジの構成要素のうち、交換が必要となった部分品のみを交換または補充することにより、カートリッジを印刷の使用に適した状態へと復元することを指す。すなわち、カートリッジのリサイクルは、消費された材料を補充することだけでなく、劣化した交換部品を新しいものに交換することも含む。以下では、材料の補充または部品の交換などによってリサイクルされたカートリッジ（消耗品）を、リサイクルカートリッジ（リサイクル品）と称する。

　使用履歴情報６２４は、画像形成装置１において、リサイクルカートリッジを使用した履歴を示す情報である。使用履歴情報６２４は、一例として、画像形成装置１に装着されたリサイクルカートリッジの本数を示す情報であってもよい。他の例では、使用履歴情報６２４は、リサイクルカートリッジのカートリッジＩＤと、リサイクル回数との組合せを保持するテーブルであってもよい。さらに他の例では、使用履歴情報６２４は、リサイクルカートリッジが１度でも装着されたことがあるか、１度も装着されたことがないかを示すフラグであってもよい。

　仕様情報６２８は、画像形成装置１の仕様を示す情報である。本実施形態では、一例として、画像形成装置１および消耗品は、これらが使用される国の事情に適合する仕様にて製造されている。画像形成装置１および消耗品には、例えば、「ＥＵ（欧州）」向け、「ＵＳ（米国）」向け、「ＪＰ（日本）」向けの３つの仕様がある。仕様情報６２８は、上述のいずれかの仕様を示す。

　本体メモリ６２は、上述した情報の他に、例えば、画像形成装置１における累計印刷枚数を記憶するための領域、画像形成装置１において発生しているエラー状態を記憶するための領域などを有していてもよい。

　＜カートリッジ情報のデータ構造＞
　　（トナーカートリッジ情報）
　図３は、トナーメモリ４２に記憶されているトナーカートリッジ情報４２０のデータ構造の一例を示す図である。トナーカートリッジ情報４２０は、一例として、トナーＩＤ４２１、色情報４２３、純正情報４２４、仕様情報４２５、容量情報４３１、印刷可能枚数情報４３２、上限容量情報４３３、上限枚数情報４３４、使用量情報、および、初期化情報を含んでいる。

　使用量情報は、消耗品の使用量を表す情報である。使用量情報は、一例として、消耗品が使用された程度を特定するための消費情報、および、消耗品に残されている材料の量を特定するための残量情報、の少なくともいずれか１つを含む。限定されないが、例えば、印刷枚数、ドットカウント、印刷材の使用量、現像ローラ回転数、および、ドラム回転数などは、消費情報の一例である。限定されないが、例えば、トナー残量およびインク残量などの印刷材残量は、残量情報の一例である。

　現像カートリッジ４のトナーカートリッジ情報４２０は、使用量情報の一例として、印刷枚数４２６、現像ローラ回転数４２７およびトナー残量４２８などを含んでいる。他の例では、使用量情報として、ドットカウントが含まれていてもよい。初期化情報は、消耗品メモリに記憶されている情報の少なくとも一部が、ユーザの指示にしたがって初期化されたか否かを示す情報であり、一例として、リサイクル回数４３０である。リサイクル回数４３０は、トナーメモリ４２がリサイクルのために初期化された回数を示す。

　以上で挙げられた各種情報は、トナーカートリッジ情報４２０の一例に過ぎない。他の情報が追加されてもよいし、上述の各種情報の一部が適宜省略されてもよい。

　トナーＩＤ４２１は、現像カートリッジ４を一意に識別するための識別情報である。一例として、トナーＩＤ４２１は、現像カートリッジ４に固有のシリアルナンバーである。

　色情報４２３は、現像カートリッジ４が収容している印刷材の色を示す情報である。本実施形態では、一例として、現像カートリッジ４には、「Ｃ（シアン）」、「Ｍ（マゼンタ）」、「Ｙ（イエロー）」および「ＢＫ（ブラック）」の４色がある。色情報４２３は、上述のいずれかの色を示す。

　純正情報４２４は、現像カートリッジ４が純正か非純正かを示す情報である。一例として、現像カートリッジ４は、「純正」または「非純正」に分類される。純正情報４２４は、上述のいずれかの分類を示す。

　仕様情報４２５は、現像カートリッジ４の仕様を示す情報である。画像形成装置１と同様に、現像カートリッジ４にも、「ＥＵ（欧州）」向け、「ＵＳ（米国）」向け、「ＪＰ（日本）」向けの３つの仕様がある。仕様情報４２５は、上述のいずれかの仕様を示す。

　印刷枚数４２６は、現像カートリッジ４を使って画像形成装置１により印刷された印刷枚数の累積を示す情報である。換言すると、現像カートリッジ４が画像形成装置１に装着されてから画像形成装置１において印刷された用紙の枚数を示す情報である。

　現像ローラ回転数４２７は、現像カートリッジ４が画像形成装置１に装着されてから、印刷の実行に伴って生じた現像カートリッジ４における現像ローラ４１の回転数を示す情報である。

　トナー残量４２８は、現像カートリッジ４のトナーの残量を示す情報である。トナー残量４２８は、一例として、満杯から空までの複数の段階に対応する値で構成されていてもよい。例えば、トナー残量４２８は、「ＦＵＬＬ」～「ＥＭＰＴＹ」等の文字列であってもよいし、「１００％」～「０％」などの数値であってもよいし、文字列と数値を組み合わせた情報であってもよい。

　トナー残量４２８の初期値は、容量情報４３１に対応する容量の満杯の量に相当する。一例として、使用に伴ってトナーが消費されると、不図示のセンサが現像カートリッジ４を光学的に計測してもよい。コントローラ６１は、上述の計測により得られたトナー残量をトナー残量４２８としてトナーメモリ４２に書き込んでもよい。

　他の例では、コントローラ６１は、現像カートリッジ４から吐出されて消費されたトナー消費量を監視し、トナーメモリ４２に記憶されている容量情報４３１と監視していたトナー消費量とに基づいてトナー残量を算出してもよい。コントローラ６１は、算出したトナー残量をトナー残量４２８としてトナーメモリ４２に書き込んでもよい。また、トナー残量４２８に代えて、トナー消費量がトナーメモリ４２に書き込まれてもよい。トナー消費量の初期値は０であってよい。

　ドットカウント４２９は、現像カートリッジ４を使って画像形成装置１により印刷された際のドット数の累積値を示す情報である。換言すると、現像カートリッジ４が画像形成装置１に装着されてから画像形成装置１において印刷されたドット数の累積値を示す情報である。

　リサイクル回数４３０は、現像カートリッジ４のトナーメモリ４２に記憶されている情報の少なくとも一部が、ユーザの指示にしたがって初期化された回数（初期化回数）を示す情報である。

　容量情報４３１は、現像カートリッジ４の詰め替え可能な印刷材の容量を示す情報である。容量情報４３１は、複数段階の容量から選択された１つの容量を示す情報である。本実施形態では、一例として、現像カートリッジ４がリサイクルされる場合、５段階の容量から、現像カートリッジ４の容量を選択できる。より具体的には、現像カートリッジ４は、少ないものから順に、「５Ｋ」、「１０Ｋ」、「１５Ｋ」、「２０Ｋ」および「２５Ｋ」の５段階の容量から選択されたいずれかの容量を有するカートリッジとしてリサイクルされ得る。「Ｋ」は印刷枚数が千枚であることを意味する。「５Ｋ」が示す容量は、５千枚の印刷を行うことが可能な容量を指す。同様に、「１０Ｋ」、「１５Ｋ」、「２０Ｋ」および「２５Ｋ」が示す容量は、それぞれ１万枚、１万５千枚、２万枚および２万５千枚の印刷を行うことが可能な容量を指す。

　本実施形態では、「５Ｋ」、「１０Ｋ」、「１５Ｋ」、「２０Ｋ」または「２５Ｋ」といった情報が、容量情報４３１としてトナーメモリ４２に記憶されている。但し、「５Ｋ」、「１０Ｋ」、「１５Ｋ」、「２０Ｋ」および「２５Ｋ」が示す容量のそれぞれに対して、「５Ｋ」、「１０Ｋ」、「１５Ｋ」、「２０Ｋ」および「２５Ｋ」が示す容量を識別可能なＩＤが設定されていてもよい。この場合、上述した何れかの容量を示すＩＤが、容量情報４３１としてトナーメモリ４２に記憶されていてよい。つまり、複数段階の容量のそれぞれを一意に識別可能な識別情報が、容量情報４３１としてトナーメモリ４２に記憶されていてよい。

　印刷可能枚数情報４３２は、容量情報４３１が示す容量の印刷材を用いて画像形成装置１が印刷できる枚数を示す情報である。印刷可能枚数情報４３２は、容量情報４３１と対応付けて記憶されている。印刷可能枚数情報４３２は、例えば、「５Ｋ」、「１０Ｋ」、「１５Ｋ」、「２０Ｋ」および「２５Ｋ」が示す容量のそれぞれに対応する印刷可能枚数を示す情報の何れかであってよい。

　容量情報４３１および印刷可能枚数情報４３２は、現像カートリッジ４の製品仕様として設定された印刷量を表す印刷量情報の一例である。容量情報４３１が示す容量、および、印刷可能枚数情報４３２が示す印刷可能枚数は、現像カートリッジ４の製品仕様として一意に設定された印刷量の一例である。その他、現像カートリッジ４の製品仕様として一意に設定されたドットカウントまたは現像ローラ回転数が、上述した印刷量の一例であってもよい。

　なお、後述するコントローラ６１の処理の流れの説明においては、印刷量情報が容量情報４３１である場合を例に挙げている。後述するように、コントローラ６１が、容量情報４３１が変更されてもトナーメモリ４２を継続して使用できると判定した場合に、コントローラ６１は、容量情報４３１を書き換える。

　上限容量情報４３３は、トナーメモリ４２を用いて印刷する際に許容された情報であって、トナーメモリ４２を用いて印刷可能な容量の上限を表す情報である。上限枚数情報４３４は、トナーメモリ４２を用いて印刷する際に許容された情報であって、トナーメモリ４２を用いて印刷可能な印刷可能枚数の上限を表す情報である。上限容量情報４３３および上限枚数情報４３４は、トナーメモリ４２を用いて印刷可能な印刷量の上限を表す上限印刷量情報の一例である。

　上限印刷量情報は、例えば、現像カートリッジ４の製造段階において、現像カートリッジ４の製造者によって設定される情報である。上限印刷量情報が表す印刷量の上限は、トナーメモリ４２への情報の書き込み回数が書き込み回数の上限以下となるように、書き込み回数の上限に基づき算出された値である。

　また、容量情報４３１として設定可能な容量は、上限容量情報４３３が表す容量の上限よりも小さい。換言すれば、上限容量情報４３３が表す容量の上限は、容量情報４３１が表す容量よりも大きい。同様に、印刷可能枚数情報４３２として設定可能な印刷可能枚数は、上限枚数情報４３４が表す印刷可能枚数の上限よりも小さい。換言すれば、上限枚数情報４３４が表す印刷可能枚数の上限は、印刷可能枚数情報４３２が表す印刷可能枚数よりも大きい。従って、コントローラ６１は、容量の上限または印刷可能枚数の上限を超えない範囲において、トナーメモリ４２の継続的な使用を許可できる。

　その他、上限印刷量情報は、例えば、印刷量としてのドットカウントの上限を表す上限ドットカウント情報、または、印刷量としての現像ローラ回数数の上限を表す上限ローラ回数情報であってもよい。但し、トナーメモリ４２は、上限容量情報４３３、上限枚数情報４３４、上限ドットカウント情報、および、上限ローラ回数情報の少なくとも１つを、上限印刷量情報として記憶していればよい。すなわち、トナーメモリ４２は、コントローラ６１がトナーメモリ４２を継続して使用できるかを判定するときに用いる上限印刷量情報として、上述した情報のうちの少なくとも１つを記憶していればよい。

　なお、後述するコントローラ６１の処理の流れの説明においては、上限印刷量情報が上限容量情報４３３である場合を例に挙げている。後述するように、本実施形態では、コントローラ６１がトナーメモリ４２を継続して使用できると判定した場合に、コントローラ６１は、上限容量情報４３３を更新する。具体的には、コントローラ６１は、上限容量情報４３３を、上限容量情報４３３が表す容量の上限から容量情報４３１が表す容量を減算した第１容量に書き換えることによって、上限容量情報４３３を更新する。第１容量は、上限印刷量情報が表す印刷量の上限から、印刷量情報が表す印刷量を減算した第１印刷量の一例である。

　（ドラムカートリッジ情報）
　図４は、ドラムメモリ２２に記憶されているドラムカートリッジ情報２２０のデータ構造の一例を示す図である。ドラムカートリッジ情報２２０は、一例として、ドラムＩＤ２２１、純正情報２２２、仕様情報２２３、使用量情報、および、初期化情報を含んでいる。

　ドラムカートリッジ２０のドラムカートリッジ情報２２０は、使用量情報の一例として、印刷枚数２２４、ドラム回転数２２５およびドットカウント２２６などを含んでいる。初期化情報は、現像カートリッジ４と同様に、一例として、リサイクル回数２２７である。

　以上で挙げられた各種情報は、ドラムカートリッジ情報２２０の一例に過ぎない。他の情報が追加されてもよいし、上述の各種情報の一部が適宜省略されてもよい。

　ドラムＩＤ２２１は、ドラムカートリッジ２０を一意に識別するための識別情報である。一例として、ドラムＩＤ２２１は、ドラムカートリッジ２０に固有のシリアルナンバーである。

　純正情報２２２は、ドラムカートリッジ２０が純正か非純正かを示す情報である。一例として、ドラムカートリッジ２０は、「純正」または「非純正」に分類される。純正情報２２２は、上述のいずれかの分類を示す。

　仕様情報２２３は、ドラムカートリッジ２０の仕様を示す情報である。画像形成装置１および現像カートリッジ４と同様に、ドラムカートリッジ２０にも、「ＥＵ（欧州）」向け、「ＵＳ（米国）」向け、「ＪＰ（日本）」向けの３つの仕様がある。仕様情報２２３は、上述のいずれかの仕様を示す。

　印刷枚数２２４は、ドラムカートリッジ２０を使って画像形成装置１により印刷された印刷枚数の累計を示す情報である。換言すると、ドラムカートリッジ２０が画像形成装置１に装着されてから画像形成装置１において印刷された用紙の枚数を示す情報である。

　ドラム回転数２２５は、ドラムカートリッジ２０が画像形成装置１に装着されてから、印刷の実行に伴って生じたドラムカートリッジ２０における感光体ドラム２１の回転数を示す情報である。

　ドットカウント２２６は、ドラムカートリッジ２０を使って画像形成装置１により印刷された際のドット数の累積値を示す情報である。換言すると、ドラムカートリッジ２０が画像形成装置１に装着されてから画像形成装置１において印刷されたドット数の累積値を示す情報である。

　リサイクル回数２２７は、ドラムカートリッジ２０のドラムメモリ２２に記憶されている情報の少なくとも一部が、ユーザの指示にしたがって初期化された回数を示す情報である。

　なお、トナーメモリ４２と同様、ドラムメモリ２２は、ドラムカートリッジ２０の製品仕様として設定された印刷量を表す印刷量情報の一例として、印刷可能枚数情報を記憶していてもよい。その他、ドラムメモリ２２は、ドラムカートリッジ２０の製品仕様として一意に設定されたドットカウントまたはドラム回転数を示す情報を、印刷量情報の一例として記憶していてもよい。

　また、トナーメモリ４２と同様、ドラムメモリ２２は、ドラムメモリ２２を用いて印刷する際に許容された情報であって、ドラムメモリ２２を用いて印刷可能な印刷量の上限を表す上限印刷量情報を記憶していてもよい。上限印刷量情報は、例えば、ドラムカートリッジ２０の製造段階において、ドラムカートリッジ２０の製造者によって設定される情報である。上限印刷量情報が表す印刷量の上限は、ドラムメモリ２２への情報の書き込み回数が書き込み回数の上限値以下となるように、書き込み回数の上限値に基づき算出された値である。

　上限印刷量情報としては、例えば、印刷量としての印刷可能枚数の上限を表す上限枚数情報、印刷量としてのドットカウントの上限を表す上限ドットカウント情報、および、印刷量としてのドラム回数数の上限を表す上限ドラム回数情報が挙げられる。トナーメモリ４２と同様、ドラムメモリ２２は、上限枚数情報、上限ドットカウント情報および上限ドラム回数情報の少なくとも１つを、上限印刷量情報として記憶していればよい。また、トナーメモリ４２の場合と同様、ドラムメモリ２２に記憶された上限印刷量情報が表す印刷量の上限は、ドラムメモリ２２に記憶された印刷量情報が表す印刷量よりも大きい。

　トナーメモリ４２の場合と同様、コントローラ６１が、印刷量情報が変更されてもドラムメモリ２２を継続して使用できると判定した場合に、コントローラ６１は、ドラムメモリ２２に記憶された印刷量情報を書き換えてよい。また、トナーメモリ４２の場合と同様、本実施形態では、コントローラ６１がドラムメモリ２２を継続して使用できると判定した場合に、コントローラ６１は、ドラムメモリ２２に記憶された上限印刷量情報を更新してよい。

　＜コントローラにより実行される処理＞
　次に、消耗品メモリを継続して使用できるかを判定する判定方法の一例について説明する。具体的には、消耗品メモリをリサイクルするための前提となる処理であって、かつ、カートリッジ情報を初期化するために必要な各種の処理の一例について説明する。また、カートリッジ情報を初期化する処理の一例について説明する。

　（消耗品をリサイクルするための前提処理）
　図５は、消耗品メモリをリサイクルするための前提処理の流れを示すフローチャートである。

　以下では、現像カートリッジ４をリサイクルする場合を例に挙げて説明する。また、後述するように、コントローラ６１は、ステップＳ９における初期化処理において、容量情報４３１が表す容量をユーザが選択した容量に変更する。すなわち、容量情報４３１が表す容量が変更される場合に、コントローラ６１は、ステップＳ１～Ｓ８の処理を実行する。なお、初期化する処理において、トナーメモリ４２を初期化することは、一例に過ぎない。コントローラ６１は、ユーザの指示にしたがってドラムメモリ２２を初期化する処理を実行することもできる。また、上述したように、以下では、印刷量情報が容量情報４３１であり、上限印刷量情報が上限容量情報４３３である場合を例に挙げて説明する。

　ステップＳ１では、コントローラ６１は、ディスプレイ６５にリサイクル選択画面を表示させる。リサイクル選択画面は、例えば、カートリッジをリサイクルするかしないかをユーザに選択させるためのユーザインタフェース部品（以下、ＵＩ部品）を含む。一例として、ＵＩ部品は、カートリッジのリサイクルをユーザが希望することを意味する「リサイクルする」に対応するボタンと、カートリッジのリサイクルをユーザが希望しないことを意味する「リサイクルしない」に対応するボタンとで構成されている。

　ステップＳ２では、コントローラ６１は、リサイクル選択画面において、ＵＩ部品のうちいずれのボタンが選択されたのかを判定する。コントローラ６１が「リサイクルする」のボタンが選択されたと判定した場合、コントローラ６１は、ステップＳ２のＹＥＳからステップＳ３に処理を進める。コントローラ６１が、「リサイクルしない」のボタンが選択されたと判定した場合、コントローラ６１は、ステップＳ２のＮＯに進み、一連の処理を終了する。コントローラ６１は、ステップＳ２のＮＯからステップＳ１に戻ってリサイクル選択画面をディスプレイ６５に表示させてもよい。

　次いで、コントローラ６１は、トナーメモリ４２に記憶されている上限容量情報４３３および容量情報４３１を読み出す。そして、ステップＳ３では、コントローラ６１は、上限容量情報４３３が表す容量の上限から、容量情報４３１が表す容量を減算した第１容量を算出する第１算出処理を実行する。

　ステップＳ４では、コントローラ６１は、ディスプレイ６５に容量選択画面を表示させる。容量選択画面は、リサイクル後の現像カートリッジ４の容量をユーザに選択させるためのＵＩ部品を含む画面である。コントローラ６１は、容量選択画面を表示させるときに、ステップＳ３において算出した容量に基づき、容量情報４３１として設定可能な全ての容量の中から、リサイクル後の現像カートリッジ４の容量としてユーザが選択可能な容量を決定する。換言すれば、コントローラ６１は、容量情報４３１として選択可能な全ての容量の中から、リサイクル後の現像カートリッジ４の容量として設定可能であり、かつトナーメモリ４２を用いて印刷可能な容量の許容範囲を決定する。

　本実施形態では、コントローラ６１は、ステップＳ３において算出した第１容量以下の容量を、リサイクル後の現像カートリッジ４の容量として設定可能な容量として決定する。そして、コントローラ６１は、容量選択画面に、リサイクル後の現像カートリッジ４の容量としてユーザが選択可能な容量として、第１容量以下の容量を表示する。これにより、ユーザは、容量選択画面を介して、リサイクル後の現像カートリッジ４の容量として適切な容量を選択できる。

　例えば、上限容量情報４３３が表す容量の上限が初期値としての４０Ｋを示し、容量情報４３１が表す容量が２５Ｋを示す場合を考える。この場合、ステップＳ３において、コントローラ６１は、４０Ｋから２５Ｋを減算することにより、第１容量が１５Ｋであると算出する。そして、コントローラ６１は、リサイクル後の現像カートリッジ４の容量としてユーザが選択可能な容量として、上述した５段階の容量の中から、１５Ｋ以下の容量である「５Ｋ」、「１０Ｋ」および「１５Ｋ」が示す容量に決定する。コントローラ６１は、容量選択画面に、ユーザが選択可能な容量として「５Ｋ」、「１０Ｋ」および「１５Ｋ」を表示する。

　ステップＳ５では、コントローラ６１は、容量選択画面を介して、ユーザによって第１容量以下の容量が選択されたかを判定する。ステップＳ５において、コントローラ６１が、ユーザによって第１容量以下の容量が選択されたと判定した場合、コントローラ６１は、ステップＳ５のＹＥＳからステップＳ６に処理を進める。すなわち、コントローラ６１が、ユーザによって第１容量以下の容量が選択されたと判定した場合、ステップＳ６において、コントローラ６１は、トナーメモリ４２を継続して使用できると判定する。

　一方、ステップＳ５において、コントローラ６１が、容量選択画面を介して、ユーザによって第１容量以下の容量が選択されていないと判定した場合、コントローラ６１は、ステップＳ５のＮＯからステップＳ７に処理を進める。

　具体的には、ステップＳ５においてＮＯの場合、ステップＳ７に先立ち、コントローラ６１は、ディスプレイ６５にキャンセル指示画面を表示させる。キャンセル指示画面は、トナーメモリ４２の継続的な使用についてのキャンセル指示をユーザに行わせるためのＵＩ部品を含む画面である。

　そして、ステップＳ７において、コントローラ６１は、キャンセル指示画面を介してキャンセル指示を受け付けたかを判定する。ステップＳ７において、コントローラ６１がキャンセル指示を受け付けたと判定した場合、コントローラ６１は、ステップＳ７のＹＥＳからステップＳ８に処理を進める。すなわち、コントローラ６１がキャンセル指示を受け付けたと判定した場合、ステップＳ８において、コントローラ６１は、トナーメモリ４２を継続して使用できないと判定する。そして、コントローラ６１は、一連の処理を終了する。一方、ステップＳ７において、コントローラ６１がキャンセル指示を受け付けなかったと判定した場合、コントローラ６１は、ステップＳ７のＮＯからステップＳ４に処理を戻す。

　以上の通り、コントローラ６１は、ステップＳ５およびステップＳ７において、容量情報４３１と上限容量情報４３３とに基づき、容量情報４３１が変更されてもトナーメモリ４２を継続して使用できるかを判定する判定処理を実行する。従って、画像形成装置１は、容量情報４３１が変更されても、容量の上限を超えない場合には、トナーメモリ４２の継続的な使用を許可できる。つまり、画像形成装置１は、容量情報４３１が変更される場合に、トナーメモリ４２への情報の書き込み回数を表す情報を用いることなく、トナーメモリ４２を継続して使用できるかを判定できる。すなわち、トナーメモリ４２に、トナーメモリ４２への情報の書き込み回数を記憶するための領域を予め設定することなく、画像形成装置１は、トナーメモリ４２を継続して使用できるかを判定できる。また、画像形成装置１は、トナーメモリ４２への情報の書き込みのたびに書き込み回数を更新する処理を実行することなく、トナーメモリ４２を継続して使用できるかを判定できる。

　具体的な判定処理として、上述したように、ステップＳ５においてＹＥＳの場合、コントローラ６１は、容量情報４３１として設定する容量の選択指示を受け付ける受付処理を実行する。そして、コントローラ６１が選択指示を受け付けた場合に、ステップＳ６において、コントローラ６１は、トナーメモリ４２を継続して使用できると判定する。

　また、上述したように、ステップＳ４において、コントローラ６１は、変更される容量情報４３１が表す容量として、トナーメモリ４２を用いて印刷可能な許容範囲内の容量を、容量表示画面に表示する。そして、ステップＳ５において、コントローラ６１が、トナーメモリ４２を用いて印刷可能な許容範囲内の容量を選択する選択指示を受け付けた場合に、ステップＳ６において、コントローラ６１は、トナーメモリ４２を継続して使用できると判定する。換言すれば、コントローラ６１は、変更される容量情報４３１が表す容量が、トナーメモリ４２を用いて印刷可能な許容範囲内である場合に、トナーメモリ４２を継続して使用できると判定する。

　また本実施形態では、上述したように、ステップＳ４において、コントローラ６１は、ステップＳ３において算出した第１容量以下の容量を、容量表示画面に表示する。そして、ステップＳ５において、コントローラ６１が、第１容量以下の容量を選択する選択指示を受け付けた場合に、ステップＳ６において、コントローラ６１は、トナーメモリ４２を継続して使用できると判定する。換言すれば、コントローラ６１は、変更される容量情報４３１が表す容量が第１容量以下である場合に、変更される容量情報４３１が表す容量が、トナーメモリ４２を用いて印刷可能な許容範囲内であると判定する。

　また、コントローラ６１は、ステップＳ３において算出した第１容量が、容量情報４３１として設定可能な最低容量以上である場合、第１容量以下の容量を、トナーメモリ４２を用いて印刷可能な許容範囲内の容量として、容量表示画面に表示する。換言すれば、コントローラ６１は、第１容量が最低容量未満である場合には、容量表示画面にディスプレイ６５に表示させず、ステップＳ８の処理を実行する。

　一例として、第１容量が１５Ｋである場合であり、容量情報４３１として設定可能な最低容量が５Ｋである場合、トナーメモリ４２を用いて印刷可能な許容範囲は、５Ｋ以上かつ１５Ｋ以下の容量となる。

　ステップＳ６の後、ステップＳ９では、コントローラ６１は、トナーメモリ４２に記憶されているトナーカートリッジ情報４２０を初期化する初期化処理を実行する。初期化処理については、後述の図６においてより詳細に説明する。

　ステップＳ１０では、コントローラ６１は、ステップＳ９の初期化の過程でエラーが検出されたか否かを判定する。エラーが検出されなかった場合、コントローラ６１は、トナーカートリッジ情報４２０の初期化に成功したと判断して、ステップＳ１０のＮＯからステップＳ１１に処理を進める。

　ステップＳ１１では、コントローラ６１は、容量情報４３１と上限容量情報４３３とに基づき、上限容量情報４３３を更新する第１更新処理を実行する。本実施形態では、コントローラ６１は、上限容量情報４３３を、ステップＳ３において容量情報４３１と上限容量情報４３３とに基づき算出した第１容量に書き換える。一例として、上限容量情報４３３が表す容量の上限が４０Ｋであり、第１容量が１５Ｋである場合、コントローラ６１は、上限容量情報４３３を４０Ｋから１５Ｋに書き換える。そして、コントローラ６１は、一連の処理を終了する。

　本実施形態では、トナーメモリ４２が上限容量情報４３３を記憶している。そのため、ステップＳ１１において、コントローラ６１は上限容量情報４３３を更新できる。従って、コントローラ６１は、更新した上限容量情報４３３を用いて、トナーメモリ４２を継続的に使用できるかを判定できる。また、トナーメモリ４２が上限容量情報４３３を記憶していることにより、コントローラ６１がトナーメモリ４２を継続的に使用できるかの判定を実行するための上限容量情報４３３以外の情報を、トナーメモリ４２または本体メモリ６２に記憶しなくてよい。

　ステップＳ１０では、上述のステップＳ９の初期化の過程でエラーが検出された場合、コントローラ６１は、トナーカートリッジ情報４２０の初期化に失敗したと判断して、ステップＳ１０のＹＥＳからステップＳ１２に処理を進める。ステップＳ１２では、コントローラ６１は、ディスプレイ６５にエラー画面を表示させる。例えば、コントローラ６１は、トナーカートリッジ情報４２０が初期化されていないことをユーザに通知するためのエラー画面をディスプレイ６５に表示させる。コントローラ６１は、ステップＳ１２の処理後、一連の処理を終了する。

　（初期化処理）
　図６は、図５に示すステップＳ９に対応する、トナーカートリッジ情報４２０を初期化する処理の流れを示すフローチャートである。

　ステップＳ２１では、コントローラ６１は、トナーメモリ４２に記憶されている印刷枚数４２６を初期化する。具体的には、コントローラ６１は、所定の枚数までカウントアップされた印刷枚数４２６をゼロにする。

　ステップＳ２２では、コントローラ６１は、トナーメモリ４２に記憶されている現像ローラ回転数４２７を初期化する。具体的には、コントローラ６１は、所定の回転数までカウントアップされた現像ローラ回転数４２７をゼロにする。

　ステップＳ２３では、コントローラ６１は、トナーメモリ４２に記憶されているトナー残量４２８を初期化する。具体的には、コントローラ６１は、トナーの消費に伴って値が減らされたトナー残量４２８を、初期値に戻す。すなわち、コントローラ６１は、トナー残量４２８を、図５のステップＳ５において選択された容量のＦＵＬＬ値に戻す。ＦＵＬＬ値は、本体メモリ６２に予め記憶されていてもよいし、トナーメモリ４２に予め記憶されていてもよい。

　図５のステップＳ６において、コントローラ６１がトナーメモリ４２を継続して使用できると判定した場合に、ステップＳ２４では、コントローラ６１は、図５のステップＳ５において選択された容量を示すように容量情報４３１を書き換える書換処理を実行する。

　なお、リサイクル後の現像カートリッジ４に充填するトナーの色が操作部６４を介してユーザによって選択されている場合には、コントローラ６１は、選択されたトナーの色を示すように色情報４２３を書き換えてよい。また、コントローラ６１は、トナーメモリ４２に記憶されているリサイクル回数４３０を１つインクリメントしてよい。

　ステップＳ２５では、コントローラ６１は、トナーメモリ４２からの読み出し動作およびトナーメモリ４２への書き込み動作に成功したかを判定する。すべての読み出し動作および書き込み動作に成功した場合、コントローラ６１は、ステップＳ２５のＹＥＳに進み、一連の初期化する処理を終了する。一方、上述のいずれかのステップで読み出し動作または書き込み動作に失敗した場合には、コントローラ６１は、ステップＳ２５のＮＯからステップＳ２６へ処理を進める。ステップＳ２６では、コントローラ６１は、トナーカートリッジ情報４２０を初期化することができなかったために、エラーを出力する。

　（初期化処理の別例）
　図７は、図５に示すステップＳ９に対応する、トナーカートリッジ情報４２０を初期化する別の処理の流れを示すフローチャートである。

　上述した図５に示すステップＳ４では、コントローラ６１は、容量情報４３１として設定可能な全ての容量のうち、第１容量以下の容量を、ユーザが選択可能な容量として容量選択画面に表示している。但し、図５に示すステップＳ４において、コントローラ６１は、容量情報４３１として設定可能な全ての容量を、ユーザが選択可能な容量として容量選択画面に表示してもよい。コントローラ６１が、容量情報４３１として設定可能な全ての容量を、ユーザが選択可能な容量として容量選択画面に表示した場合、コントローラ６１は、図５に示すステップＳ９の処理として、図７に示す処理を実行する。

　図５のステップＳ５において、コントローラ６１が、容量選択画面を介して、ユーザによって容量が選択されたと判定した場合、コントローラ６１は、ステップＳ５のＹＥＳからステップＳ９に処理を進める。容量選択画面には、容量情報４３１として設定可能な全ての容量が表示されているため、ステップＳ５においてユーザによって選択された容量が、トナーメモリ４２を用いて印刷可能な許容範囲内の容量であるとは限らない。

　そのため、コントローラ６１は、図７に示すステップＳ３１の処理において、容量選択画面を介してユーザによって選択された容量が、トナーメモリ４２を用いて印刷可能な許容範囲内の容量であるか否かを判定する。本実施形態では、コントローラ６１が、ユーザによって選択された容量が、最低容量以上かつ第１容量以下であると判定した場合に、トナーメモリ４２を用いて印刷可能な許容範囲内であると判定する。

　コントローラ６１が、ユーザによって選択された容量が、トナーメモリ４２を用いて印刷可能な許容範囲内の容量であると判定した場合、ステップＳ３１のＹＥＳからステップ３２に処理を進める。すなわち、ユーザによって選択された容量が、トナーメモリ４２を用いて印刷可能な許容範囲内の容量であると判定した場合、ステップＳ３２では、コントローラ６１は、トナーメモリ４２が継続して使用できると判定する。そして、コントローラ６１は、図６を用いて説明したように、ステップＳ２１以降の処理を実行する。

　一方、コントローラ６１が、トナーメモリ４２を用いて印刷可能な許容範囲外の容量であると判定した場合、ステップＳ３１のＮＯからステップ３３に処理を進める。すなわち、ユーザによって選択された容量が、トナーメモリ４２を用いて印刷可能な許容範囲外の容量であると判定した場合、ステップＳ３３では、コントローラ６１は、トナーメモリ４２を継続して使用できないと判定する。そして、コントローラ６１は、図７に示す処理を終了する。

　以上の通り、コントローラ６１が、容量情報４３１として設定可能な全ての容量を容量選択画面に表示した場合であっても、コントローラ６１は、容量情報４３１を更新する前に、トナーメモリ４２が継続して使用できるかを判定できる。

　〔実施形態２〕
　本開示の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。

　図８は、ドラムカートリッジおよび現像カートリッジを含む画像形成装置１の別の要部構成を示す図である。図８に示すように、本実施形態の本体メモリ６２は、カートリッジ情報６２１、使用履歴情報６２４および仕様情報６２８に加えて、上限印刷量情報を記憶している。すなわち、本実施形態では、上限印刷量情報がトナーメモリ４２またはドラムメモリ２２ではなく、本体メモリ６２に記憶されている。

　上限容量情報６３１および上限枚数情報６３２は、実施形態１で説明した上限容量情報４３３および上限枚数情報４３４と同様、トナーメモリ４２を用いて印刷可能な印刷量の上限を表す上限印刷量情報の一例である。また、上限容量情報４３３と同様、上限容量情報６３１が表す容量の上限は、容量情報４３１が表す容量よりも大きい。上限枚数情報４３４と同様、上限枚数情報６３２が表す印刷可能枚数の上限は、印刷可能枚数情報４３２が表す印刷可能枚数よりも大きい。

　その他、本体メモリ６２は、上限印刷量情報として、実施形態１で説明した上限ローラ回数情報および上限ドットカウント情報を記憶していてもよい。但し、トナーメモリ４２の場合と同様、本体メモリ６２は、コントローラ６１がトナーメモリ４２を継続して使用できるかを判定するときに用いる上限印刷量情報として、上述した情報のうちの少なくとも１つを記憶していればよい。

　図９は、トナーメモリ４２に記憶されているトナーカートリッジ情報４２０Ａのデータ構造の一例を示す図である。トナーカートリッジ情報４２０Ａは、トナーＩＤ４２１、色情報４２３、純正情報４２４、仕様情報４２５、印刷枚数４２６、現像ローラ回転数４２７、トナー残量４２８、ドットカウント４２９および印刷量情報に加え、累積印刷量情報を含んでいる。すなわち、トナーカートリッジ情報４２０Ａは、上限印刷量情報に代えて累積印刷量情報を含んでいる点で、トナーカートリッジ情報４２０と異なる。

　累積印刷量情報は、現像カートリッジ４の累積印刷量を表す情報である。累積印刷量情報は、過去にトナーメモリ４２に記憶されていた印刷量情報が表す印刷量の累積値を表す情報であり、初期値は０である。累積印刷量情報は、例えば、累積容量情報４３５および累積枚数情報４３６である。累積容量情報４３５は、過去にトナーメモリ４２に記憶されていた容量情報４３１が表す容量の累積値を表す情報である。累積枚数情報４３６は、過去にトナーメモリ４２に記憶されていた印刷可能枚数情報４３２が表す印刷可能枚数の累積値を表す情報である。

　その他、累積印刷量情報は、印刷量としてのドットカウントまたは現像ローラ回転数の累積値を表す情報であってもよい。但し、トナーメモリ４２は、コントローラ６１がトナーメモリ４２を継続して使用できるかを判定するときに用いる累積印刷量情報として、上述した情報のうちの少なくとも１つを記憶していればよい。

　なお、後述するコントローラ６１の処理の流れの説明においては、印刷量情報が容量情報４３１であり、上限印刷量情報が上限容量情報６３１である場合を例に挙げている。すなわち、累積印刷量情報が累積容量情報４３５である場合を例に挙げている。後述するように、本実施形態では、コントローラ６１がトナーメモリ４２を継続して使用できると判定した場合に、コントローラ６１は、累積容量情報４３５を更新する。具体的には、コントローラ６１は、累積容量情報４３５を、容量情報４３１が表す容量と累積容量情報４３５が表す累積容量とを加算した容量に書き換えることによって、累積容量情報４３５を更新する。

　また、ドラムメモリ２２が、ドラムカートリッジ２０の製品仕様として設定された印刷量情報を記憶していてもよい。この場合、本体メモリ６２は、ドラムメモリ２２を用いて印刷する際に許容された情報であって、ドラムメモリ２２を用いて印刷可能な容量の上限を表す上限印刷量情報を記憶していてもよい。また、ドラムメモリ２２は、ドラムカートリッジ２０の累積印刷量を表す累積印刷量情報を記憶していてもよい。

　ドラムメモリ２２は、実施形態１で説明したように、印刷量情報の一例として、印刷可能枚数情報、ドットカウント情報またはドラム回転数情報を記憶していてもよい。この場合、本体メモリ６２は、実施形態１で説明した上限枚数情報、上限ドットカウント情報および上限ドラム回数情報の内の少なくとも１つを記憶していればよい。また、累積印刷量情報は、例えば、印刷量としての印刷可能枚数の累積値を表す累積枚数情報であってよい。その他、累積印刷量情報は、印刷量としてのドットカウントの累積値を表す累積ドットカウント情報、または、印刷量としてのドラム回転数の累積値を表す累積ドラム回転数情報であってよい。ドラムメモリ２２は、累積枚数情報、累積ドットカウント情報および累積ドラム回転数情報の少なくとも１つを記憶していればよい。

　＜消耗品をリサイクルするための前提処理＞
　図１０は、現像カートリッジ４をリサイクルするために必要となる別の処理の流れを示すフローチャートである。

　図５と同様、以下では、現像カートリッジ４をリサイクルする場合を例に挙げて説明する。また、後述するように、コントローラ６１は、ステップＳ５０における初期化処理において、容量情報４３１が表す容量をユーザが選択した容量に変更する。すなわち、容量情報４３１が表す容量が変更される場合に、コントローラ６１は、ステップＳ４１～Ｓ４９の処理を実行する。なお、初期化する処理において、トナーメモリ４２を初期化することは、一例に過ぎない。コントローラ６１は、ユーザの指示にしたがってドラムメモリ２２を初期化する処理を実行することもできる。また、上述したように、以下では、印刷量情報が容量情報４３１であり、上限印刷量情報が上限容量情報６３１であり、累積印刷量情報が累積容量情報４３５である場合を例に挙げて説明する。

　ステップＳ４１では、図５のステップＳ１と同様、コントローラ６１は、ディスプレイ６５にリサイクル選択画面を表示させる。ステップＳ４２では、図５のステップＳ２と同様、コントローラ６１は、リサイクル選択画面において、「リサイクルする」のボタンが選択されたかを判定する。

　ステップＳ４２においてＹＥＳの場合、ステップＳ４３に先立ち、トナーメモリ４２に記憶されている累積容量情報４３５および容量情報４３１と、本体メモリ６２に記憶されている上限容量情報６３１と、を読み出す。そして、ステップＳ４３では、コントローラ６１は、累積容量情報４３５が表す累積容量に、容量情報４３１が表す容量を加算することにより、累積容量を更新する。

　次いで、ステップＳ４４では、コントローラ６１は、上限容量情報６３１が表す容量の上限から、ステップＳ４３において算出した更新後の累積容量を減算した第２容量を算出する第２算出処理を実行する。第２容量は、上限印刷量情報が表す印刷量の上限から、印刷量情報が表す印刷量と累積印刷量情報が表す累積印刷量とを加算した容量を減算した第２印刷量の一例である。

　ステップＳ４５では、図５のステップＳ４と同様、コントローラ６１は、ディスプレイ６５に容量選択画面を表示させる。図５のステップＳ４と同様、コントローラ６１は、容量選択画面を表示させるときに、ステップＳ４４において算出した第２容量に基づき、容量情報４３１として設定可能な全ての容量の中から、リサイクル後の現像カートリッジ４の容量としてユーザが選択可能な容量を決定する。

　本実施形態では、コントローラ６１は、ステップＳ４４において算出した第２容量以下の容量を、リサイクル後の現像カートリッジ４の容量として設定可能な容量として決定する。そして、コントローラ６１は、容量選択画面に、リサイクル後の現像カートリッジ４の容量としてユーザが選択可能な容量として、第２容量以下の容量を表示する。

　例えば、累積容量情報４３５が表す累積容量が初期値としての０Ｋを示し、容量情報４３１が表す容量が２５Ｋである場合を考える。なお、実施形態１と同様に、上限容量情報６３１が表す容量の上限は４０Ｋであるものとする。この場合、ステップＳ４３において、コントローラ６１は、０Ｋと２５Ｋとを加算することにより、累積容量を２５Ｋに更新する。次いで、ステップＳ４３において、コントローラ６１は、４０Ｋから、更新後の累積容量である２５Ｋを減算することにより、第２容量が１５Ｋであると算出する。そして、コントローラ６１は、リサイクル後の現像カートリッジ４の容量としてユーザが選択可能な容量として、上述した５段階の容量の中から、１５Ｋ以下の容量である「５Ｋ」、「１０Ｋ」および「１５Ｋ」が示す容量に決定する。コントローラ６１は、容量選択画面に、リサイクル後の現像カートリッジ４の容量として「５Ｋ」、「１０Ｋ」および「１５Ｋ」を表示する。但し、コントローラ６１は、容量選択画面に、「５Ｋ」、「１０Ｋ」および「１５Ｋ」に加え、「２０Ｋ」および「２５Ｋ」を表示してもよい。この場合、コントローラ６１は、「２０Ｋ」および「２５Ｋ」の選択を受け付けない。

　ステップＳ４６では、図５のステップＳ５と同様、コントローラ６１は、容量選択画面を介して、ユーザによって第２容量以下の容量が選択されたかを判定する。ステップＳ４６において、コントローラ６１が、ユーザによって第２容量以下の容量が選択されたと判定した場合、コントローラ６１は、ステップＳ４６のＹＥＳからステップＳ４７に処理を進める。ステップＳ４７において、図５のステップＳ６と同様、コントローラ６１は、トナーメモリ４２を継続して使用できると判定する。

　一方、ステップＳ５において、コントローラ６１が、容量選択画面を介して、ユーザによって第２容量以下の容量が選択されていないと判定した場合、コントローラ６１は、ステップＳ４６のＮＯからステップＳ４８に処理を進める。ステップＳ４８では、図５のステップ７と同様、コントローラ６１は、キャンセル指示画面を介してキャンセル指示を受け付けたかを判定する。ステップＳ４８において、コントローラ６１がキャンセル指示を受け付けたと判定した場合、コントローラ６１は、ステップＳ４８のＹＥＳからステップＳ４９に処理を進める。ステップＳ４９では、図５のステップＳ８と同様、コントローラ６１は、トナーメモリ４２を継続して使用できないと判定する。そして、コントローラ６１は、一連の処理を終了する。一方、ステップＳ４８において、コントローラ６１がキャンセル指示を受け付けなかったと判定した場合、コントローラ６１は、ステップＳ４８のＮＯからステップＳ４５に処理を戻す。

　以上の通り、コントローラ６１は、ステップＳ４６およびステップＳ４８において、容量情報４３１と上限容量情報４３３とに基づき、容量情報４３１が変更されてもトナーメモリ４２を継続して使用できるかを判定する判定処理を実行する。従って、実施形態１と同様、画像形成装置１は、容量情報４３１が変更されても、容量の上限を超えない場合には、トナーメモリ４２の継続的な使用を許可できる。

　また本実施形態では、ステップＳ４５において、コントローラ６１は、ステップＳ４４において算出した第２容量以下の容量を、容量表示画面に表示する。そして、ステップＳ４６において、コントローラ６１が、第２容量以下の容量を選択する選択指示を受け付けた場合に、ステップＳ４７において、コントローラ６１は、トナーメモリ４２を継続して使用できると判定する。換言すれば、コントローラ６１は、変更される容量情報４３１が表す容量が第２容量以下である場合に、変更される容量情報４３１が表す容量が、トナーメモリ４２を用いて印刷可能な許容範囲内であると判定する。

　また、コントローラ６１は、ステップＳ４４において算出した第２容量が、容量情報４３１として設定可能な最低容量以上である場合、第２容量以下の容量を、トナーメモリ４２を用いて印刷可能な許容範囲内の容量として、容量表示画面に表示する。換言すれば、コントローラ６１は、第２容量が最低容量未満である場合には、容量表示画面にディスプレイ６５に表示させず、ステップＳ４９の処理を実行する。

　一例として、第２容量が１５Ｋである場合であり、容量情報４３１として設定可能な最低容量が５Ｋである場合、トナーメモリ４２を用いて印刷可能な許容範囲は、５Ｋ以上かつ１５Ｋ以下の容量となる。

　ステップＳ４７の後、ステップＳ５０では、コントローラ６１は、図５のステップＳ９と同様に初期化処理を実行する。ステップＳ５１では、コントローラ６１は、図５のステップＳ１０と同様、ステップＳ５０の初期化の過程でエラーが検出されたか否かを判定する。エラーが検出されなかった場合、コントローラ６１は、トナーカートリッジ情報４２０Ａの初期化に成功したと判断して、ステップＳ５１のＮＯからステップＳ５２に処理を進める。

　ステップＳ５２において、コントローラ６１は、容量情報４３１と累積容量情報４３５とに基づき、累積容量情報４３５を更新する第２更新処理を実行する。本実施形態では、コントローラ６１は、累積容量情報４３５を、ステップＳ４３において容量情報４３１が表す容量と累積容量情報４３５が表す累積容量とを加算した更新後の累積容量に書き換える。一例として、累積容量情報４３５が表す容量が０Ｋであり、更新後の累積容量が２５Ｋである場合、コントローラ６１は、累積容量情報４３５を２５Ｋに書き換える。そして、コントローラ６１は、一連の処理を終了する。

　本実施形態では、本体メモリ６２は、上限容量情報６３１として、容量の変動によって変動しない、固定されている閾値を表す情報を記憶している。そのため本実施形態では、閾値を表す上限容量情報６３１の代わりに、容量情報４３１が変更される場合にコントローラ６１が書き換える累積容量情報４３５をトナーメモリ４２に記憶している。そして、上述したように、コントローラ６１は、閾値としての上限容量情報６３１が表す容量の上限から、容量情報４３１が表す容量と累積容量情報４３５が表す累積容量を加算した容量を減算した第２容量を算出する。そのため、コントローラ６１は、上限容量情報６３１が固定されている情報であっても、実施形態１の第１容量に相当する容量を、第２容量として算出できる。従って、上限容量情報６３１が固定されている情報であっても、実施形態１と同様に、コントローラ６１は、リサイクル後の現像カートリッジ４の容量としてユーザが選択可能な容量を決定できる。

　また本実施形態では、本体メモリ６２が上限容量情報６３１を記憶している。そのため、トナーメモリ４２が上限容量情報４３３を記憶している場合と異なり、コントローラ６１は、トナーメモリ４２の製造段階において設定された上限容量情報４３３の初期値を変更できる。従って、コントローラ６１は、例えば現像カートリッジ４をリサイクルするときの実際の印刷量の残量に基づき、上限容量情報４３３の初期値を柔軟に変更できる。

　ステップＳ５１では、上述のステップＳ５０の初期化の過程でエラーが検出された場合、コントローラ６１は、トナーカートリッジ情報４２０の初期化に失敗したと判断して、ステップＳ５１のＹＥＳからステップＳ５３に処理を進める。ステップＳ５３では、図５のステップＳ１２と同様、コントローラ６１は、ディスプレイ６５にエラー画面を表示させる。コントローラ６１は、ステップＳ５３の処理後、一連の処理を終了する。

　なお、実施形態１と同様、ステップＳ４５において、コントローラ６１は、容量情報４３１として設定可能な全ての容量を、ユーザが選択可能な容量として容量選択画面に表示してもよい。上述のように、コントローラ６１が、例えば、ユーザが選択可能な容量として「５Ｋ」、「１０Ｋ」および「１５Ｋ」が示す容量に決定した場合、コントローラ６１は、「５Ｋ」、「１０Ｋ」および「１５Ｋ」に加え、「２０Ｋ」および「２５Ｋ」を表示してもよい。コントローラ６１が、容量情報４３１として設定可能な全ての容量を、ユーザが選択可能な容量として容量選択画面に表示した場合、コントローラ６１は、図１０に示すステップＳ５０の処理として、図６に示す処理に代えて、図７に示す処理を実行すればよい。上述の例では、コントローラ６１は、「５Ｋ」、「１０Ｋ」および「１５Ｋ」の選択を受け付けて、トナーメモリ４２が継続して使用できると判定する。一方、コントローラ６１は、「２０Ｋ」および「１５Ｋ」の選択を受け付けず、トナーメモリ４２が継続して使用できないと判定する。また、図１０のステップＳ４６において、コントローラ６１が、容量選択画面を介して、ユーザによって容量が選択されたと判定した場合、コントローラ６１は、ステップＳ４５のＹＥＳからステップＳ５０に処理を進める。

　そのため、コントローラ６１は、図７に示すステップＳ３１の処理において、容量選択画面を介してユーザによって選択された容量が、トナーメモリ４２を用いて印刷可能な許容範囲内の容量であるか否かを判定する。本実施形態では、コントローラ６１が、ユーザによって選択された容量が、最低容量以上かつ第２容量以下であると判定した場合に、トナーメモリ４２を用いて印刷可能な許容範囲内であると判定する。

　〔変形例〕
　（変形例１）
　実施形態１および２では、画像形成装置が備えるコントローラ６１による制御について説明した。しかしながら、コントローラ６１による制御は、現像カートリッジ４が備えるＩＣチップによって実現してもよい。ＩＣチップは、本開示に係るコントローラの一例である。

　（変形例２）
　画像形成装置１は、インクジェットプリンタであってもよい。画像形成装置１がインクジェットプリンタである場合、画像形成装置１のカートリッジ保持部１３には、実施形態１において説明したドラムカートリッジ２０および現像カートリッジ４ではなく、インクカートリッジが装着される。なお、画像形成装置１に装着されるインクカートリッジの個数は、特に限定されない。例えば、画像形成装置１には、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの４色それぞれに対応する、合計４個のインクカートリッジが装着されてもよいし、ブラック１色に対応するインクカートリッジのみが装着されてもよい。

　インクカートリッジは、印刷材であるインクが充填されたカートリッジ筐体と、インクカートリッジ情報が記憶されているインクメモリと、を含む。インクカートリッジ情報は、例えば、インクＩＤと、容量情報と、色情報と、純正情報と、仕様情報と、印刷枚数と、インク残量と、リサイクル回数と、上限容量情報または累積容量情報と、を含む。

　インクＩＤはインクカートリッジの識別情報であり、トナーＩＤ４２１に代えてインクカートリッジ情報に含まれる情報である。インク残量はインクカートリッジ内のインクの残量を示す情報であり、トナー残量４２８に代えてインクカートリッジ情報に含まれる情報である。容量情報、色情報、純正情報、仕様情報、印刷枚数、リサイクル回数、上限容量情報および累積容量情報はそれぞれ、トナーカートリッジ情報４２０または４２０Ａにおける同名の情報に相当する情報である。但し、トナーカートリッジ情報４２０および４２０Ａにおける「トナー」が「インク」に、「トナーカートリッジ」が「インクカートリッジ」に置き換わる。

　画像形成装置１がインクジェットプリンタである場合でも、実施形態１および２で説明した各フローチャートに示される各処理の流れは同様である。具体的には、画像形成装置１がインクジェットプリンタである場合、実施形態１の「現像カートリッジ４」、「トナーメモリ４２」、「トナーカートリッジ情報４２０」をそれぞれ、インクカートリッジ、インクメモリ、およびインクカートリッジ情報に読み替えればよい。また、トナーカートリッジ情報４２０または４２０Ａに含まれる各種情報はそれぞれ、インクカートリッジ情報において相当する情報に読み替えればよい。なお、現像ローラ回転数４２７はインクカートリッジ情報に含まれないため、本変形例の場合、画像形成装置１は、現像ローラ回転数４２７に係る各種処理は省いてもよい。本変形例の画像形成装置１は実施形態１または２の画像形成装置１と同様の効果を奏する。

　（変形例３）
　また、画像形成装置１は、スキャナまたはファクシミリなどの他の機能を併せて備えるＭＦＰ（Multi Function Printer）であってもよい。画像形成装置１がＭＦＰである場合でも、画像形成装置１は、実施形態１および２で説明した各種処理を実施形態１および２の画像形成装置１と同様に実行してよい。本変形例の画像形成装置１は実施形態１または２の画像形成装置１と同様の効果を奏する。

　〔ソフトウェアによる実現例〕
　画像形成装置１の機能は、画像形成装置１としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、画像形成装置１のコントローラ６１としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。

　この場合、画像形成装置１は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも１つの制御装置（例えばプロセッサ）と少なくとも１つの記憶装置（例えばメモリ）を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。

　上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、１または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。

　また、コントローラ６１の機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、コントローラ６１として機能する論理回路が形成された集積回路も本開示の範疇に含まれる。

　また、コントローラ６１の機能の一部または全部は、ＩＣチップ内蔵のマイクロプロセッサで実現することも可能である。

　〔付記事項〕
　本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。

１　画像形成装置、４　現像カートリッジ（消耗品、カートリッジ）、１０　本体筐体、２０　ドラムカートリッジ（消耗品、カートリッジ）、２２　ドラムメモリ（消耗品メモリ）、４２　トナーメモリ（消耗品メモリ）、６１　コントローラ、６２　本体メモリ、４３１　容量情報（印刷量情報）、４３２　印刷可能枚数情報（印刷量情報）、４３３、６３１　上限容量情報（上限印刷量情報）、４３４、６３２　上限枚数情報（上限印刷量情報）、４３５　累積容量情報（累積印刷量情報）、４３６　累積枚数情報（累積印刷量情報）

Claims

　画像形成装置であって、
　本体筐体と、
　前記本体筐体に装着可能であって、消耗品メモリを備える消耗品と、
　コントローラと、
　本体メモリと、を備え、
　前記消耗品メモリは、前記消耗品の製品仕様として設定された印刷量を表す印刷量情報を記憶し、
　前記消耗品メモリまたは前記本体メモリは、前記消耗品メモリを用いて印刷する際に許容された上限印刷量情報であって、前記消耗品メモリを用いて印刷可能な前記印刷量の上限を表す上限印刷量情報を記憶し、
　前記コントローラは、
　　前記印刷量情報と前記上限印刷量情報とに基づき、前記印刷量情報が変更されても前記消耗品メモリを継続して使用できるかを判定する判定処理を実行する、
画像形成装置。
　前記上限印刷量情報が表す印刷量の上限は、前記印刷量情報が表す印刷量よりも大きい、
請求項１に記載の画像形成装置。
　前記印刷量情報が表す印刷量が変更される場合に、前記コントローラは前記判定処理を実行する、
請求項１または２に記載の画像形成装置。
　前記コントローラは、
　　前記印刷量情報として設定する印刷量の選択指示を受け付ける受付処理を実行し、
　　前記受付処理において前記選択指示を受け付けた場合に、前記判定処理において前記消耗品メモリを継続して使用できると判定する、
請求項１から３の何れか１項に記載の画像形成装置。
　前記コントローラは、
　　前記判定処理において、変更される前記印刷量情報が表す印刷量が、前記消耗品メモリを用いて印刷可能な許容範囲内である場合に、前記消耗品メモリを継続して使用できると判定する、
請求項１から４の何れか１項に記載の画像形成装置。
　前記コントローラは、
　　前記上限印刷量情報が表す印刷量の上限から前記印刷量情報が表す印刷量を減算した第１印刷量を算出する第１算出処理を実行し、
　　前記判定処理において、変更される前記印刷量情報が表す印刷量が前記第１印刷量以下である場合に、変更される前記印刷量情報が表す印刷量が前記許容範囲内であると判定する、
請求項５に記載の画像形成装置。
　前記消耗品メモリは、前記消耗品の累積印刷量を表す累積印刷量情報を記憶し、
　前記コントローラは、
　　前記上限印刷量情報が表す印刷量の上限から、前記印刷量情報が表す印刷量と前記累積印刷量とを加算した印刷量を減算した第２印刷量を算出する第２算出処理を実行し、
　　前記判定処理において、変更される前記印刷量情報が表す印刷量が前記第２印刷量以下である場合に、変更される前記印刷量情報が表す印刷量が前記許容範囲内であると判定する、
請求項５に記載の画像形成装置。
　前記消耗品メモリは、前記上限印刷量情報を記憶し、
　前記コントローラは、
　　前記判定処理において前記消耗品メモリを継続して使用できると判定した場合に、前記印刷量情報と前記上限印刷量情報とに基づき、前記上限印刷量情報を更新する第１更新処理を実行する、
請求項１から６の何れか１項に記載の画像形成装置。
　前記コントローラは、
　　前記上限印刷量情報が表す印刷量の上限から前記印刷量情報が表す印刷量を減算した第１印刷量を算出する第１算出処理を実行し、
　　前記第１更新処理において、前記上限印刷量情報を前記第１印刷量に書き換える、請求項８に記載の画像形成装置。
　前記消耗品メモリは、前記消耗品の累積印刷量を表す累積印刷量情報を記憶し、
　前記本体メモリは、前記上限印刷量情報を記憶し、
　前記コントローラは、前記印刷量情報と前記累積印刷量情報とに基づき、前記累積印刷量情報を更新する第２更新処理を実行する、
請求項１から５および７の何れか１項に記載の画像形成装置。
　前記コントローラは、前記第２更新処理において、前記累積印刷量情報を、前記印刷量情報が表す印刷量と前記累積印刷量とを加算した印刷量に書き換える、
請求項１０に記載の画像形成装置。
　前記コントローラは、
　　前記印刷量情報として設定する印刷量の選択指示を受け付ける受付処理と、
　　前記判定処理において前記消耗品メモリを継続して使用できると判定した場合に、前記印刷量情報を、前記選択指示によって選択された印刷量に書き換える書換処理と、を実行する、
請求項１から１１の何れか１項に記載の画像形成装置。
　前記消耗品は、印刷材を収容するカートリッジである、
請求項１から１２の何れか１項に記載の画像形成装置。
　前記印刷量は、印刷材の容量である、
請求項１から１３の何れか１項に記載の画像形成装置。
　画像形成装置の本体筐体に装着される消耗品が有する消耗品メモリを継続して使用できるかを判定する判定方法であって、
　前記消耗品メモリに記憶される、前記消耗品の製品仕様として設定された印刷量を表す印刷量情報と、前記消耗品メモリまたは前記画像形成装置が備える本体メモリに記憶される、前記消耗品メモリを用いて印刷する際に許容された上限印刷量情報であって、前記消耗品メモリを用いて印刷可能な前記印刷量の上限を表す上限印刷量情報と、に基づき、前記印刷量情報が変更されても前記消耗品メモリを継続して使用できるかを前記画像形成装置が判定する判定工程を含む、
判定方法。
　前記上限印刷量情報が表す印刷量の上限は、前記印刷量情報が表す印刷量よりも大きい、
請求項１５に記載の判定方法。
　前記印刷量情報が表す印刷量が変更される場合に、前記画像形成装置は前記判定工程を実行する、
請求項１５または１６に記載の判定方法。
　前記印刷量情報として設定する印刷量の選択指示を、前記画像形成装置が受け付ける受付工程を含み、
　前記受付工程において前記画像形成装置が前記選択指示を受け付けた場合に、前記判定工程において、前記画像形成装置は前記消耗品メモリを継続して使用できると判定する、請求項１５から１７の何れか１項に記載の判定方法。
　前記判定工程において、変更される前記印刷量情報が表す印刷量が、前記消耗品メモリを用いて印刷可能な許容範囲内である場合に、前記画像形成装置は前記消耗品メモリを継続して使用できると判定する、
請求項１５から１８の何れか１項に記載の判定方法。
　前記上限印刷量情報が表す印刷量の上限から前記印刷量情報が表す印刷量を減算した第１印刷量を、前記画像形成装置が算出する第１算出工程を含み、
　前記判定工程において、変更される前記印刷量情報が表す印刷量が前記第１印刷量以下である場合に、前記画像形成装置は、変更される前記印刷量情報が表す印刷量が前記許容範囲内であると判定する、
請求項１９に記載の判定方法。
　前記消耗品メモリは、前記消耗品の累積印刷量を表す累積印刷量情報を記憶し、
　前記上限印刷量情報が表す印刷量の上限から、前記印刷量情報が表す印刷量と前記累積印刷量とを加算した印刷量を減算した第２印刷量を、前記画像形成装置が算出する第２算出工程を含み、
　前記判定工程において、変更される前記印刷量情報が表す印刷量が前記第２印刷量以下である場合に、前記画像形成装置は、変更される前記印刷量情報が表す印刷量が前記許容範囲内であると判定する、
請求項１９に記載の判定方法。
　前記消耗品メモリは、前記上限印刷量情報を記憶し、
　前記判定工程において前記消耗品メモリを継続して使用できると判定した場合に、前記印刷量情報と前記上限印刷量情報とに基づき、前記画像形成装置が前記上限印刷量情報を更新する第１更新工程を含む、
請求項１５から２０の何れか１項に記載の判定方法。
　前記上限印刷量情報が表す印刷量の上限から前記印刷量情報が表す印刷量を減算した第１印刷量を、前記画像形成装置が算出する第１算出工程を含み、
　前記第１更新工程において、前記画像形成装置は、前記上限印刷量情報を前記第１印刷量に書き換える、
請求項２２に記載の判定方法。
　前記消耗品メモリは、前記消耗品の累積印刷量を表す累積印刷量情報を記憶し、
　前記本体メモリは、前記上限印刷量情報を記憶し、
　前記印刷量情報と前記累積印刷量情報とに基づき、前記画像形成装置が前記累積印刷量情報を更新する第２更新工程を含む、
請求項１５から１９および２１の何れか１項に記載の判定方法。
　前記第２更新工程において、前記画像形成装置は、前記累積印刷量情報を、前記印刷量情報が表す印刷量と前記累積印刷量とを加算した印刷量に書き換える、
請求項２４に記載の判定方法。
　前記印刷量情報として設定する印刷量の選択指示を、前記画像形成装置が受け付ける受付工程と、
　前記判定工程において前記消耗品メモリを継続して使用できると判定した場合に、前記画像形成装置が、前記印刷量情報を、前記選択指示によって選択された印刷量に書き換える書換工程と、を含む、
請求項１５から２５の何れか１項に記載の判定方法。
　前記消耗品は、印刷材を収容するカートリッジである、
請求項１５から２６の何れか１項に記載の判定方法。
　前記印刷量は、印刷材の容量である、
請求項１５から２７の何れか１項に記載の判定方法。