WO2023054629A1 - はんだ合金、はんだボール、はんだプリフォーム、はんだペースト及びはんだ継手 - Google Patents

はんだ合金、はんだボール、はんだプリフォーム、はんだペースト及びはんだ継手 Download PDF

Info

Publication number
WO2023054629A1
WO2023054629A1 PCT/JP2022/036552 JP2022036552W WO2023054629A1 WO 2023054629 A1 WO2023054629 A1 WO 2023054629A1 JP 2022036552 W JP2022036552 W JP 2022036552W WO 2023054629 A1 WO2023054629 A1 WO 2023054629A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
solder
less
alloy
solder alloy
content
Prior art date
Application number
PCT/JP2022/036552
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
貴大 横山
岳 齋藤
俊策 吉川
昴太 杉澤
Original Assignee
千住金属工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 千住金属工業株式会社 filed Critical 千住金属工業株式会社
Priority to KR1020247013098A priority Critical patent/KR20240056780A/ko
Publication of WO2023054629A1 publication Critical patent/WO2023054629A1/ja

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K35/00Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting
    • B23K35/22Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting characterised by the composition or nature of the material
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K35/00Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting
    • B23K35/22Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting characterised by the composition or nature of the material
    • B23K35/24Selection of soldering or welding materials proper
    • B23K35/26Selection of soldering or welding materials proper with the principal constituent melting at less than 400 degrees C
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C13/00Alloys based on tin

Abstract

濡れ性に優れ、はんだ継手の破断が抑制されることによって、高い信頼性を備えるはんだ合金、及びはんだ継手を提供する。はんだ合金は、質量%で、Ag:1.0~3.7%、Cu:0.4~0.8%、Sb:0.50~2.90%、In:5.00~10.00%、Ni:0.01~0.06%、および残部がSnからなる合金組成を有する。

Description

はんだ合金、はんだボール、はんだプリフォーム、はんだペースト及びはんだ継手
 本発明は、種々の電子機器に用いるはんだ合金、はんだボール、はんだプリフォーム、はんだペースト及びはんだ継手に関する。
 近年、パソコンなどの民生電子機器の高機能化により、基板に搭載される電子部品の性能が飛躍的に向上している。電子部品が高性能になるにつれて電子部品に大電流が通電されるため、民生電子機器の基板に用いられるはんだ継手は高温に曝されることがある。また、基板と電子部品がステップソルダリングによるはんだ付けで接合される場合には、はんだ継手は150℃程度の高温に曝される。一方、民生電子機器が寒冷地で使用されることは、容易に想定される。
 はんだ継手が過酷な環境下に曝される用途として、民生電子部品に加えて、車載電子機器もしくは産業電子機器が挙げられる。自動車はカーエレクトロニクス化が進み、ガソリン車からハイブリッド車を経て電気自動車に移行しつつある。これにともない、車載電子機器の基板は、用途の拡張によりエンジンルーム等の高温に曝される箇所に配置されることがある。一方、エンジン停止時には、寒冷地であれば-40℃以下という低温に曝される。さらに、使用環境によっては、衝撃などの物理的な外力が電子機器に加わることがある。
 また、産業電子機器は、作業者にとって作業が困難な場所などで使用される。このため、産業電子機器の基板は、車載電子機器の基板と同様に、寒暖差が激しい環境に曝されたり外力が電子機器に加わることが想定される。
 ところで、基板と電子部品を接続する合金としてSn-3Ag-0.5Cuはんだ合金が広く使用されている。はんだ合金の適用範囲は拡大しつつあるが、それに伴って、車載などの用途に代表されるように、過酷な環境で長期間使用しても、はんだ継手に破断や劣化が生じない高い接続信頼性が求められるようになってきている。
 しかし、電子回路が上述のような寒暖差に曝されると、電子部品とプリント基板の熱膨張係数の違いにより、はんだ継手に応力が集中する。また、外力が電子機器に加わった場合、断面積が小さいはんだ継手に応力が集中する。このため、従来のSn-3Ag-0.5Cuはんだ合金を用いるとはんだ継手が破断する懸念があり、これを抑制するはんだ合金が求められている。
 例えば特許文献1には、基板のスルーホールにフィレットを形成した際のリフトオフを抑制し、溶融はんだの濡れ広がり性に優れ、冷熱サイクルによるクラック進展度が低いはんだ合金として、Sn-Ag-Cu-Sb-Inはんだ合金に、任意元素としてNiなどを含有し得る合金組成が開示されている。同文献の比較例6には、Ag:3.5質量%、Cu:0.8質量%、Sb:1.0質量%、In:6.0質量%、Ni:0.07質量%、および残部がSnであるはんだ合金が開示されている。
 特許文献2には、金属間化合物の組織が小さく耐クラック性に優れ、ボイドおよびCu喰われが抑制されるとともに、冷熱サイクル後におけるクラックの進展が抑制されることにより耐久性に優れるはんだ合金として、Sn-Ag-Bi-Ni-Co系はんだ合金に、任意元素としてSb、Inなどを含有し得る合金組成が開示されている。同文献の実施例40には、Ag:3.0質量%、Cu:0.5質量%、Sb:1.5質量%、In:4.3質量%、Ni:0.05質量%、Bi:0.5質量%、Co:0.005質量%、および残部がSnであるはんだ合金が開示されている。
特開2019-063830号公報 特開2014-037005号公報
 しかし、特許文献1および2に記載のはんだ合金は、前述のように、主としてヒートサイクル特性に着目した合金設計がなされている。電子機器がヒートサイクルに曝されると、基板と電子部品の熱膨張係数の違いからはんだ継手に応力が加わる。一方、振動が車載電子回路に加えられる場合、その応力の加わり方は、ヒートサイクル時に発生するプリント基板や電子部品の伸縮による応力とは異なると考えられる。このように、近年の電子機器の高機能化や用途の拡張による使用環境の劣悪化により、はんだ継手に種々の応力が加わったとしても、はんだ継手の破断が回避されるためには、はんだ合金自体の強度を向上させることが必要である。
 また、はんだ継手の破断は、はんだ継手を構成するはんだ合金の破断の他に、はんだ合金の濡れ性が劣ることにより生じる接合界面での破断も挙げられる。このように、従来よりも信頼性が高いはんだ継手を形成するためには、公知の合金組成を再検討する必要がある。
 本発明の課題は、濡れ性に優れ、はんだ継手の破断が抑制されることにより高い信頼性を備えるはんだ合金、はんだボール、はんだプリフォーム、はんだペースト及びはんだ継手を提供することである。
 本発明者らは、Sn-Ag-Cuはんだ合金において、種々の応力を緩和することができる合金組成を検討した。従来では、冷熱サイクルの際に体積変化が大きいはんだ合金は、基板の線膨張係数との差によりはんだ継手が破断すると考えられていた。しかし、体積変化が小さいと、加えられた応力がひずみエネルギーとしてはんだ合金に蓄積され、むしろ破断を促進する恐れがある。
 まずは、冷熱サイクルの加熱時に加わる応力が緩和するように、敢えて、はんだ合金の体積変化が生じるInに着目した。Inは、含有量に応じてβSnとγSnとの固相変態を促進するため、固相変態による体積変化を生じさせる。そこで、本発明者らは、特許文献1に記載されているように、In含有量を多くしたはんだ合金について検討した。
 ただ、体積変化が大きいとはんだ継手が接合界面で破断する。そこで、本発明者らは、溶融はんだの濡れ性、ならびに、はんだ合金中の合金組織及び接合界面での合金組織の微細化の観点から、Cu、Sb、およびNiの含有量について詳細に検討を行った。さらに、本発明者らは、冷熱サイクル時にはんだ継手の温度が上昇する際、直ぐにβSnからγSnへの固相変態が発生すれば速やかに応力が緩和されることに着目し、Agの含有量についても詳細に検討した。その結果、添加元素であるAg、Cu、Sb、In、およびNiの含有量が同時に所定の範囲内であるはんだ合金では、濡れ性に優れ、はんだ継手の破断が抑制される知見が得られ、本発明は完成した。
 これらの知見により得られた本発明は以下のとおりである。
 (1)質量%で、Ag:1.0~3.7%、Cu:0.4~0.8%、Sb:0.50~2.90%、In:5.00~10.00%、Ni:0.01~0.06%、および残部がSnからなる合金組成を有することを特徴とするはんだ合金。
 (2)更に、質量%で、Co:0.100%以下を含有する、上記(1)に記載のはんだ合金。
 (3)更に、質量%で、Bi:5.0%以下を含有する、上記(1)または上記(2)に記載のはんだ合金。
 (4)更に、質量%で、Zr、Fe、Ge、Ga、P、As、Pb、Zn、Mg、Cr、Ti、Mn、Mo、Pt、Pd、Au、Al、およびSiの少なくとも1種を合計で0.1%以下を含有する、上記(1)~上記(3)のいずれか1項に記載のはんだ合金。
 (5)合金組成は、下記(1)式および(2)式を満たす、上記(1)~上記(5)のいずれか1項に記載のはんだ合金。
 132≦(In/Sb)×(Sn/Ag)≦450    (1)
 251≦In/(Cu×Sb×Ni)≦699      (2)
 上記(1)式および(2)式中、In、Sb、Sn、Ag、Cu、およびNiは、合金組成の含有量(質量%)を表す。
 (6)上記(1)~上記(5)のいずれか1項に記載のはんだ合金を有するはんだ継手。
 (7)上記(1)~上記(5)のいずれか1項に記載のはんだ合金からなるはんだプリフォーム。
 (8)上記(1)~上記(5)のいずれか1項に記載のはんだ合金からなるはんだ粉末を有するはんだペースト。
 (9)上記(1)~上記(5)のいずれか1項に記載のはんだ合金を有するはんだ継手。
図1は、はんだ合金の断面SEM写真であり、図1(a)は実施例6であり、図1(b)は比較例3であり、図1(c)は比較例8である。
 本発明を以下により詳しく説明する。本明細書において、はんだ合金組成に関する「%」は、特に指定しない限り「質量%」である。
 1. はんだ合金
 (1) Ag:1.0~3.7%
 Agは、βSnがγSnに相変態する温度を下げることにより、昇温時にひずみエネルギーを速やかに緩和し、はんだ継手の破断を抑制することができる。また、AgSnのネットワークを形成し、はんだ合金自体の強度を向上させることができる。Ag含有量が1.0%未満であると、βSnからγSnへの相変態温度が下がらずに相変態が発生せず、はんだ継手の破断を抑制することができない。また、微細なAgSnのネットワークが形成されずに強度が低下する。Ag含有量の下限は1.0%以上であり、好ましくは1.5%以上であり、より好ましくは2.0%以上である。一方、Ag含有量が3.7%を超えると粗大なAgSnの初晶が晶出してしまい、強度が劣化する。Ag含有量の上限は3.7%以下であり、好ましくは3.0%以下であり、より好ましくは2.3%以下である。
 (2) Cu:0.4~0.8%
 Cuは、液相線温度を抑えることにより溶融はんだの濡れ性を向上させることができる。Cu含有量が0.4%未満であるか又は0.8%を超える場合には、液相線温度が上昇してしまい、接合温度での流動性が低下することにより濡れ性が劣化する。また、Cu含有量が0.8%を超えるとSnとの化合物が析出し、接合界面に形成された金属間化合物が硬くなる。Cu含有量の下限は0.4%以上であり、好ましくは0.5%以上である。Cu含有量の上限は0.8%以下であり、好ましくは0.7%以下であり、より好ましくは0.6%以下である。
 (3) Sb:0.50~2.90%
 Sbは、Inを所定量含有するはんだ合金に添加されると、微細なInSb化合物を晶出させ、はんだ合金自体の強度を向上させることができる。また、Sbは、室温を含む使用温度域においてSnに対する固溶限が変化するため、温度変化によりSnへのSbの固溶と析出が繰り返される。また、Sbは、高温域では過飽和固溶体を形成するため、はんだ合金が固溶強化によりバルク強度が向上する。これに伴い液相線温度が低下するために濡れ性が向上する。
 Sb含有量が0.50%未満であると、固溶強化および分散析出強化によるバルク強度の向上が図れない。また、InSb化合物が微細にならず、バルク強度が向上しない。Sb含有量の下限は0.50%以上であり、好ましくは0.70%以上であり、より好ましくは1.00%以上である。一方、Sb含有量が2.90%を超えると粗大なInSb化合物の晶出により、分散析出強化の持続性が消失する。Sb含有量の上限は2.90%以下であり、好ましくは2.50%以下であり、より好ましくは2.30%以下である。
 (4) In:5.00~10.00%
 Inは、温度変化により変態点に達すると、徐々にβSnをγSnに相変態させることにより、これによりひずみエネルギーを緩和し、はんだ継手の破断を抑制することができる。従来では冷熱サイクル時の体積変化が大きい場合にはんだ継手が破断しやすいと考えられていたが、敢えて、本発明では体積変化が大きくなるように合金組成が調製されているため、従来のはんだ合金よりもはんだ継手の破損を抑制することができる。In含有量が5.0%未満であるとSn相の固相変態が生じない。In含有量の下限は5.0%以上であり、好ましくは6.00%以上であり、より好ましくは7.50%以上である。一方、In含有量が10.00%を超えると液相線温度が下がりすぎ、また、Sn相の固相変態が生じない。In含有量の上限は10.00%以下であり、好ましくは9.00%以下である。
 (5)Ni:0.01~0.06%
 Niは、はんだ付け後にSnへのCuの拡散を阻害し、接合界面に析出する金属間化合物の成長を抑制し、また、接合界面に析出する金属化合物の粗大化を抑制することにより、接合界面の強化を図ることができる。Ni含有量が0.01%未満であると接合界面の強化を図ることができない。Ni含有量の下限は0.01%以上であり、好ましくは0.02%以上であり、より好ましくは0.03%以上である。一方、Ni含有量が0.06%を超えると液相線温度の上昇により濡れ性が低下する。Ni含有量の上限は0.06%以下であり、好ましくは0.05%以下であり、より好ましくは0.04%以下である。
 (6) 残部:Sn
 本発明に係るはんだ合金の残部はSnである。前述の元素の他に不可避的不純物を含有してもよい。不可避的不純物を含有する場合であっても、前述の効果に影響することはない。
 (7)Co:0.100%以下
 Coは、金属間化合物の成長を抑制し、合金組織を微細にする効果がある任意元素である。Co含有量の上限は、好ましくは0.100%以下であり、より好ましくは0.050%以下であり、さらに好ましくは0.010%以下である。Co含有量の下限は特に限定されないが、合金組織の微細化が図られる観点から、好ましくは0.001%以上であり、より好ましくは0.003%以上であり、更に好ましくは0.005%以上であり、更により好ましくは0.006%以上であり、特に好ましくは0.007%以上であり、最も好ましくは0.008%以上である。
 (8)Bi:5.0%以下
 Biは、Sn相に固溶し、はんだ合金の強度を向上させることができる任意元素である。また、適量が添加されるとはんだ合金が脆化せず、高い強度を維持することがある。Bi含有量の上限は、好ましくは5.0%以下であり、より好ましくは1.0%以下であり、さらに好ましくは0.3%以下である。Bi含有量の下限は特に限定されないが、固溶強化が十分に図られる観点から、0.1%以上であればよい。
 (9)その他の任意元素
 本発明に係るはんだ合金は、上記の他に、Zr、Fe、Ge、Ga、P、As、Pb、Zn、Mg、Cr、Ti、Mn、Mo、Pt、Pd、Au、Al、およびSiの少なくとも1種を合計で0.1%以下の量で含有してもよい。これらの元素が0.1%以下含有しても、粗大な化合物が析出することがなく、本発明の上記効果を発揮することができる。これらの元素の含有量の合計は、好ましくは0.1%以下であり、より好ましくは0.09%以下であり、さらに好ましくは0.05%以下である。各々の元素の含有量については特に限定されるものではないが、好ましくは0.0003~0.02%である。これらの中で、FeはNiと同様に、はんだ付け後にSnへのCuの拡散を阻害し、接合界面に析出する金属間化合物の成長を抑制し、また、接合界面に析出する金属化合物の粗大化を抑制することにより、接合界面の強化を図ることができる。
 (10)(1)式、(2)式
 132≦(In/Sb)×(Sn/Ag)≦450    (1)
 251≦In/(Cu×Sb×Ni)≦699      (2)
 上記(1)式および(2)式中、In、Sb、Sn、Ag、Cu、およびNiは、合金組成の含有量(質量%)を表す。
 本発明に係るはんだ合金は(1)式および(2)式を満たすことが好ましい。両式を満たすとはんだ合金自体の強度が向上するとともに、液相線温度の適正化により濡れ性の向上を図ることができる。
 本発明に係るはんだ合金は、(1)式を満たすと、AgSnが緻密に晶出するとともにInSbが微細に晶出することにより、相乗的にバルク強度の更なる向上を図ることができる。各金属間化合物が緻密で且つ微細に晶出するためには、各金属間化合物の構成元素がバランスよく含有されていることが望ましい。また、金属間化合物の晶出量がいずれか一方に偏らずに分散していることにより、金属間化合物の粗大化が抑制されると推察される。(1)式の下限は、好ましくは132以上であり、より好ましくは150以上であり、特に好ましくは180以上である。(1)の上限は、好ましくは450以下であり、より好ましくは430以下であり、さらに好ましくは410以下である。
 また、本発明に係るはんだ合金は、(2)式を満たすと、液相線温度を更に適正な範囲に調整することができる。このためには、含有量が多いと液相線温度が低下するIn、及び、含有量が多いと液相線温度が上昇するCu、Sb、およびNiが、均衡を保つように含有されることが望ましい。特にCu、Sb、およびNiは、Snより融点が高い金属間化合物を形成するため、液相線温度の適正化を図るためには、Inの含有量とともに総合的に調整することが望ましい。(2)式の下限は、好ましくは251以上であり、より好ましくは300以上であり、特に好ましくは345以上である。(2)式の上限は、好ましくは699以下であり、より好ましくは600以下であり、さらに好ましくは500以下である。
 本発明に係るはんだ合金は、上述のように機械的特性の向上を図るため、AgSnが緻密に晶出するとともにInSbが微細に晶出することが望ましい。緻密や微細の評価は、一般に平均結晶粒径で評価されている。しかし、粗大な化合物が1つでも存在すれば、はんだ合金の機械的特性は劣化する可能性がある。そこで、本発明では、これらの化合物の最大結晶粒径に着目し、最大結晶粒径が小さければ、緻密、微細な組織である、と評価することができる。AgSnでは、ネットワークを形成するために最適な大きさの粒径であることが好ましく、最大結晶粒径が5~15μmであることが好ましく、5~10μmであることがより好ましく、10μm超え15μm以下であってもよい。InSbでは、最大結晶粒径が7μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましく、1.8μm以下であることが更にこのましい。
 2.はんだボール
 本発明に係るはんだ合金は、はんだボールとして使用することができる。本発明に係るはんだボールは、BGA(ボールグリッドアレイ)などの半導体パッケージの電極や基板のバンプ形成に用いられる。本発明に係るはんだボールの直径は1~1000μmの範囲内が好ましい。はんだボールは、一般的なはんだボールの製造法により製造することができる。
 3.はんだプリフォーム
 本発明に係るはんだプリフォームの形状は、特に限定されるものではなく、板状、リング形状、円筒形状、リボン形状、スクエア形状、ディスク形状、ワッシャ形状、チップ形状、ワイヤ形状などの形態で使用することができる。はんだプリフォームは、融点がはんだ合金よりも高く、溶融はんだに濡れやすい高融点金属粒(たとえばNi粒やCu粒及び、NiやCuを主成分とする合金粉)を内部に含有してもよい。
 4.はんだペースト
 本発明に係るはんだ合金は、はんだペーストとして使用することができる。はんだペーストは、はんだ合金粉末を少量のフラックスと混合してペースト状にしたものである。本発明に係るはんだ合金は、リフローはんだ付け法によるプリント基板への電子部品の実装に、はんだペーストとして利用してもよい。はんだペーストに用いるフラックスは、水溶性フラックスと非水溶性フラックスのいずれでもよい。典型的にはロジンベースの非水溶性フラックスであるロジン系フラックスが用いられる。
 5.はんだ継手
 本発明に係るはんだ継手は、半導体パッケージにおけるICチップとその基板(インターポーザ)との接続、或いは半導体パッケージとプリント基板とを接合して接続する。すなわち、本発明に係るはんだ継手は電極の接続部をいい、一般的なはんだ付け条件を用いて形成することができる。
 本発明に係るはんだ合金を用いた接合方法は、例えばリフロー法によるステップソルダリングなどを用いて常法に従って行えばよい。加熱温度はチップの耐熱性やはんだ合金の液相線温度に応じて適宜調整してもよい。この他の接合条件は、はんだ合金の合金組成に応じて適宜調整することができる。
 表1および表2に示す合金組成からなるはんだ合金を調製し、評価1として液相線温度を測定し、評価2としてAgSnの緻密性を評価し、評価3としてInSbの微細化を評価し、評価4としてSn相の固相変態を評価し、評価5として接合界面の均一微細化を評価した。
 ・評価1:液相線温度
 表1の各はんだ合金を作製し、はんだ合金の液相線温度を測定した。液相線温度は、JIS Z 3198-1の固相線温度の測定方法と同様のDSCによる方法で実施した。液相線温度が200~215℃の場合には「〇」と評価し、215℃を超える場合には「×」と評価し、200℃を下回る場合にも「×」とした。
  ・評価2、3:AgSnの緻密性、InSbの微細化
 所定の金型に表1に示す合金組成からなるはんだ合金を鋳込み、得られたはんだ合金を樹脂でモールドして研磨し、はんだ合金が半分程度研磨された箇所をFE-SEMにて1000倍の倍率で撮影した。断面観察及びEDSによるマッピング組成分析によりAgSnの緻密性およびInSbの微細化を評価した。マッピング組成分析により各々の化合物を同定し、目視にて最大の結晶粒を選択した。その結晶粒について、間隔が最大となるように平行な2本の接線を引き、その間隔を最大結晶粒径とした。AgSnの最大結晶粒径が5μm以上10μm以下である場合には「◎」とし、10μm超え15μm以下である場合には「〇」とし、5μm未満である場合および15μmを超える場合には「×」とした。また、InSbの最大結晶粒径が1.8μm以下である場合には「◎」とし、1.8μm超え7μm以下である場合には「〇」とし、7μmを超える場合には「×」とした。
 ・評価4:Sn相の固相変態
 表1に示す各はんだ合金から、φ0.6mmのはんだボールを調製した。このはんだボールを恒温槽を用いて、-40℃⇔125℃条件のヒートサイクル環境に200サイクル曝し、Sn相の固相変態が発生する環境下で評価を実施した。その後、恒温槽から取り出したはんだボールの真球度を評価した。真球度は、CNC画像測定システムで測定した。装置は、ミツトヨ社製のウルトラクイックビジョン、ULTRA QV350-PROである。真球度が0.95未満であれば「◎」と評価し、真球度が0.95以上0.99未満であれば「〇」と評価し、真球度が0.99以上であれば「×」と評価した。
 ・評価5:接合界面の均一微細化
 表1に示す各はんだ合金から、φ0.6mmのはんだボールを調製したはんだボールをCuパット上に搭載した後、245℃でリフローを行い、はんだバンプを作製した。はんだバンプとCuパットの接合界面の断面を撮影した断面SEM写真から、金属間化合物(IMC)の厚みを測定することにより接合界面の均一微細化を評価した。接合界面が均一で微細になっている場合には金属間化合物層が薄くなることから、評価5では、均一微細化の評価を金属間化合物の厚みで評価した。断面SEM写真を画像解析ソフト(西華産業株式会社製:Scandium)により解析し、金属間化合物層の厚みを計測した。金属間化合物の厚みが1.5μm以下であれば「◎」、1.5μm超え2.5μm以下であれば「〇」、2.5μm超えであれば「×」と評価した。
 評価結果を表1~3に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 
 表1~3から明らかなように、実施例1~48は構成元素がいずれも適正であるため、液相線温度が所定の範囲内の温度を示した。また、AgSnが緻密でInSbが微細であり、βSnからγSnへの固相変態が確認され、接合界面の組織が均一で微細になっていた。特に、(1)式および(2)式を満たす実施例3~8、14、15、および18~48は、すべての評価で優れた結果を示すことが確認された。
 一方、比較例1は、Ag含有量が少なくInを含有しないため、バルク強度が向上する程度にAgSnが緻密にならず、また、Sn相の固相変態を確認することができなかった。
 比較例2および3は、Ag含有量が適正ではないため、バルク強度が向上する程度にAgSnが緻密にならなかった。
 比較例4~6は、Cu含有量が適正ではないために優れた濡れ性を示す液相線温度にはならなかった。
 比較例7および8は、Sb含有量が適正ではないため、バルク強度が向上する程度にInSbが微細にならなかった。
 比較例9~11は、In含有量が適正ではないためにSn相の固相変態を確認することができなかった。また、比較例11はSbを含有しないため、InSb化合物が析出されなかった。
 比較例12および13は、Ni含有量が少ないために接合界面の均一微細化を確認することができなかった。また、比較例12はSbを含有しないため、InSb化合物が析出されなかった。
 比較例14は、Ni含有量が多いために優れた濡れ性を示す液相線温度にはならなかった。
 これらの結果を、図を用いて説明する。図1は、はんだ合金の断面SEM写真であり、図1(a)は実施例6であり、図1(b)は比較例3であり、図1(c)は比較例8である。図1(b)に示すAgSnは、破線で囲まれた部分の結晶粒径を測定した。図1から明らかなように、実施例6ではAgSnが10μm以下であり緻密に晶出するとともにInSbが微細に晶出することがわかった。また、接合界面に析出した金属間化合物が均一で微細であることにより薄いこともわかった。一方、比較例3は、AgSnが粗大であることがわかった。また、比較例8は、InSbが粗大であることがわかった。

Claims (10)

  1.  質量%で、Ag:1.0~3.7%、Cu:0.4~0.8%、Sb:0.50~2.90%、In:5.00~10.00%、Ni:0.01~0.06%、および残部がSnからなる合金組成を有することを特徴とするはんだ合金。
  2.  更に、質量%で、Co:0.100%以下を含有する、請求項1に記載のはんだ合金。
  3.  更に、質量%で、Bi:1.0%以下を含有する、請求項1または2に記載のはんだ合金。
  4.  更に、質量%で、Zr、Fe、Ge、Ga、P、As、Pb、Zn、Mg、Cr、Ti、Mn、Mo、Pt、Pd、Au、Al、およびSiの少なくとも1種を合計で0.1%以下を含有する、請求項1または2に記載のはんだ合金。
  5.  更に、質量%で、Bi:5.0%以下を含有し、Zr、Ge、Ga、As、Pb、Mg、Cr、Ti、Mn、Mo、Pt、Pd、およびSiの少なくとも1種を合計で0.1%以下を含有する、請求項1または2に記載のはんだ合金。
  6.  前記合金組成は、下記(1)式および(2)式を満たす、請求項1~5のいずれか1項に記載のはんだ合金。
     132≦(In/Sb)×(Sn/Ag)≦450    (1)
     251≦In/(Cu×Sb×Ni)≦699      (2)
     上記(1)式および(2)式中、In、Sb、Sn、Ag、Cu、およびNiは、前記合金組成の含有量(質量%)を表す。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載のはんだ合金からなるはんだボール。
  8. 請求項1~6のいずれか1項に記載のはんだ合金からなるはんだプリフォーム。
  9. 請求項1~6のいずれか1項に記載のはんだ合金からなるはんだ粉末を有するはんだペースト。
  10.  請求項1~6のいずれか1項に記載のはんだ合金を有するはんだ継手。
PCT/JP2022/036552 2021-09-30 2022-09-29 はんだ合金、はんだボール、はんだプリフォーム、はんだペースト及びはんだ継手 WO2023054629A1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR1020247013098A KR20240056780A (ko) 2021-09-30 2022-09-29 땜납 합금, 땜납 볼, 땜납 프리폼, 땜납 페이스트 및 솔더 조인트

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021-161531 2021-09-30
JP2021161531A JP7161133B1 (ja) 2021-09-30 2021-09-30 はんだ合金、はんだボール、はんだプリフォーム、はんだペースト及びはんだ継手

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2023054629A1 true WO2023054629A1 (ja) 2023-04-06

Family

ID=83782320

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2022/036552 WO2023054629A1 (ja) 2021-09-30 2022-09-29 はんだ合金、はんだボール、はんだプリフォーム、はんだペースト及びはんだ継手

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP7161133B1 (ja)
KR (1) KR20240056780A (ja)
TW (1) TW202315698A (ja)
WO (1) WO2023054629A1 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH037005A (ja) 1989-06-02 1991-01-14 Fuji Electric Co Ltd 配電盤の引出形機器の落下防止装置
CN103341699A (zh) * 2013-07-04 2013-10-09 浙江亚通焊材有限公司 一种取代锡铅钎料的Sn-In-Ag无铅钎料
JP2015020182A (ja) * 2013-07-17 2015-02-02 ハリマ化成株式会社 はんだ組成物、ソルダペーストおよび電子回路基板
WO2015198496A1 (ja) * 2014-06-24 2015-12-30 ハリマ化成株式会社 はんだ合金、はんだ組成物、ソルダペーストおよび電子回路基板
JP2018122324A (ja) * 2017-01-31 2018-08-09 株式会社タムラ製作所 ソルダペースト、電子回路基板及び電子制御装置
CN108994480A (zh) * 2018-10-10 2018-12-14 云南锡业锡材有限公司 一种SnBiAgCu高可靠性无铅焊料合金
JP2019063830A (ja) 2017-10-03 2019-04-25 株式会社弘輝 はんだ合金、はんだ接合材料及び電子回路基板
WO2021043437A1 (en) * 2019-09-02 2021-03-11 Alpha Assembly Solutions Inc. High temperature ultra-high reliability alloys

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004188453A (ja) 2002-12-11 2004-07-08 Harima Chem Inc Sn系はんだ合金
JP7089491B2 (ja) 2019-04-23 2022-06-22 株式会社タムラ製作所 フラックス組成物、ソルダペースト及び電子回路基板

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH037005A (ja) 1989-06-02 1991-01-14 Fuji Electric Co Ltd 配電盤の引出形機器の落下防止装置
CN103341699A (zh) * 2013-07-04 2013-10-09 浙江亚通焊材有限公司 一种取代锡铅钎料的Sn-In-Ag无铅钎料
JP2015020182A (ja) * 2013-07-17 2015-02-02 ハリマ化成株式会社 はんだ組成物、ソルダペーストおよび電子回路基板
WO2015198496A1 (ja) * 2014-06-24 2015-12-30 ハリマ化成株式会社 はんだ合金、はんだ組成物、ソルダペーストおよび電子回路基板
JP2018122324A (ja) * 2017-01-31 2018-08-09 株式会社タムラ製作所 ソルダペースト、電子回路基板及び電子制御装置
JP2019063830A (ja) 2017-10-03 2019-04-25 株式会社弘輝 はんだ合金、はんだ接合材料及び電子回路基板
CN108994480A (zh) * 2018-10-10 2018-12-14 云南锡业锡材有限公司 一种SnBiAgCu高可靠性无铅焊料合金
WO2021043437A1 (en) * 2019-09-02 2021-03-11 Alpha Assembly Solutions Inc. High temperature ultra-high reliability alloys

Also Published As

Publication number Publication date
KR20240056780A (ko) 2024-04-30
TW202315698A (zh) 2023-04-16
JP7161133B1 (ja) 2022-10-26
JP2023051074A (ja) 2023-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN111745321B (zh) 软钎料合金、焊料球、软钎料预成型坯、焊膏和钎焊接头
CN111683785B (zh) 焊料合金、焊膏、焊球、带芯焊料及焊接接头
TWI645047B (zh) 焊料合金、焊料球及焊接接頭
KR102153273B1 (ko) 땜납 합금, 땜납 페이스트, 땜납 볼, 수지 내장 땜납 및 땜납 이음매
JP6128211B2 (ja) 半導体装置および半導体装置の製造方法
WO2014097390A1 (ja) 鉛フリーはんだ合金
KR102498103B1 (ko) 납 프리 및 안티몬 프리의 땜납 합금, 땜납 볼, 볼 그리드 어레이 그리고 솔더 조인트
JP2016040051A (ja) 鉛フリーはんだ、鉛フリーはんだボール、この鉛フリーはんだを使用したはんだ継手およびこのはんだ継手を有する半導体回路
CN113166851B (zh) 软钎料合金、焊膏、软钎料预成型坯和钎焊接头
JP5187465B1 (ja) 高温鉛フリーはんだ合金
KR20240013669A (ko) 땜납 합금, 땜납 볼, 땜납 페이스트 및 솔더 조인트
WO2023054629A1 (ja) はんだ合金、はんだボール、はんだプリフォーム、はんだペースト及びはんだ継手
JP5131412B1 (ja) はんだ合金
WO2023054630A1 (ja) はんだ合金、はんだボール、はんだプリフォーム、はんだペースト及びはんだ継手
CN111954585B (zh) 焊料合金、以及焊料接头
CN118043166A (en) Solder alloy, solder ball, solder preform, solder paste, and solder joint
JP7381980B1 (ja) はんだ合金、はんだボール、はんだプリフォーム、はんだ継手、および回路
JP7376842B1 (ja) はんだ合金、はんだボール、はんだペースト及びはんだ継手
CN118043165A (en) Solder alloy, solder ball, solder preform, solder paste, and solder joint
JP7421157B1 (ja) はんだ合金、はんだペースト及びはんだ継手
WO2024034689A1 (ja) はんだ合金、はんだペースト及びはんだ継手
KR20240058199A (ko) 땜납 합금, 땜납 볼, 땜납 프리폼, 땜납 페이스트 및 솔더 조인트

Legal Events

Date Code Title Description
121 Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application

Ref document number: 22876492

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1

WWE Wipo information: entry into national phase

Ref document number: 2022876492

Country of ref document: EP

Ref document number: 2401002048

Country of ref document: TH

REG Reference to national code

Ref country code: BR

Ref legal event code: B01A

Ref document number: 112024006302

Country of ref document: BR

ENP Entry into the national phase

Ref document number: 2022876492

Country of ref document: EP

Effective date: 20240328

ENP Entry into the national phase

Ref document number: 20247013098

Country of ref document: KR

Kind code of ref document: A

WWE Wipo information: entry into national phase

Ref document number: KR1020247013098

Country of ref document: KR