WO2022050396A1 - 離型フィルム - Google Patents

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奈瑠美 河合
奈未 中島
宏明 小屋原
康成 日下
かずほ 内田
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積水化学工業株式会社
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    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J5/00Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
    • C08J5/18Manufacture of films or sheets

Definitions

  • the relaxation time (T 2 ) of the soft component at 180 ° C. measured by the CPMG method by pulse NMR is 220 ms or more and 330 ms or less, and the pulse is obtained after being exposed to the following temperature conditions. It is a release film having a soft component ratio of 0.1% or more and 15% or less at 30 ° C. measured by the Solid Echo method by NMR.
  • Tempoture conditions The present invention will be described in detail below, in which the temperature is raised from 30 ° C. to 180 ° C. at a temperature rising rate of 10 ° C./min, and then the temperature is lowered from 180 ° C. to 30 ° C. at a temperature lowering rate of 10 ° C./min.
  • the content of the polyolefin resin in the cushion layer is not particularly limited, but the preferable lower limit is 50% by weight and the preferable upper limit is 90% by weight.
  • the content of the polyolefin resin is 50% by weight or more, the flexibility of the cushion layer is sufficient, and the ability to follow the unevenness of the release film is improved.
  • the content of the polyolefin resin is 90% by weight or less, the adhesion between the release layer and the cushion layer is improved.
  • a more preferable lower limit of the content of the polyolefin resin is 60% by weight, and a further preferable lower limit is 65% by weight.
  • a more preferable upper limit of the content of the polyolefin resin is 80% by weight, and a further preferable upper limit is 75% by weight.

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Abstract

本発明は、離型性にも凹凸への追従性にも優れ、樹脂の染み出しが生じにくい離型フィルムを提供することを目的とする。本発明は、パルスNMRにてCPMG法で測定した180℃でのソフト成分の緩和時間(T)が220ミリ秒以上、330ミリ秒以下であり、かつ、下記温度条件に晒した後、パルスNMRにてSolid Echo法で測定した30℃でのソフト成分比が0.1%以上、15%以下である離型フィルムである。 [温度条件] 昇温速度10℃/分で30℃から180℃まで昇温、その後、降温速度10℃/分で180℃から30℃まで降温

Description

離型フィルム
本発明は、離型フィルムに関する。
プリント配線基板、フレキシブル回路基板、多層プリント配線板等の製造工程において離型フィルムが使用されている。
フレキシブル回路基板の製造工程においては、銅回路を形成したフレキシブル回路基板本体に、熱硬化型接着剤又は熱硬化型接着シートを介してカバーレイフィルムが熱プレス接着される。このとき、カバーレイフィルムと熱プレス板との間に離型フィルムを配置することで、カバーレイフィルムと熱プレス板とが接着するのを防止することができ、また、接着剤が染み出して電極部のめっき処理の障害となる等の不具合を防止することができる。
離型フィルムには、熱プレス接着後に容易に剥離する離型性が求められる。離型性の向上のために、例えば、離型フィルムの結晶化度を調整することが行われている。特許文献1には、少なくとも一方の面に、ポリエステル樹脂を含む離型層を有し、離型層の結晶化度が10%以上50%以下である離型フィルムが記載されている。
特開2016-2730号公報
近年、フレキシブル回路基板の薄膜化に伴い、離型フィルムには離型性の更なる向上が求められている。また、近年では、フレキシブル回路基板のL/S(ライン/スペース)の細線化にも対応して離型性、凹凸への追従性(埋め込み性)等の性能を確保できるよう、離型層とクッション層とを含む多層からなる離型フィルムも使用されている。
凹凸への追従性を向上させる観点からは、離型フィルム(特にクッション層)をより軟化させることが考えられる。しかしながら、離型フィルム(特にクッション層)を軟化させると弾性率が低下して離型性が悪くなることから、離型性と凹凸への追従性とをいずれも向上させることは困難である。また、クッション層を軟化させすぎると、熱プレス接着時にクッション層を構成する樹脂の染み出しが生じる問題もある。
本発明は、離型性にも凹凸への追従性にも優れ、樹脂の染み出しが生じにくい離型フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、パルスNMRにてCPMG法で測定した180℃でのソフト成分の緩和時間(T)が220ミリ秒以上、330ミリ秒以下であり、かつ、下記温度条件に晒した後、パルスNMRにてSolid Echo法で測定した30℃でのソフト成分比が0.1%以上、15%以下である離型フィルムである。
[温度条件]
昇温速度10℃/分で30℃から180℃まで昇温、その後、降温速度10℃/分で180℃から30℃まで降温
以下に本発明を詳述する。
熱プレス接着は、通常、160~180℃程度の高温で行われ、その後、常温に戻した後で離型フィルムが剥離される。離型性と凹凸への追従性とをいずれも向上させるためには、熱プレス接着時の高温では軟化する一方で、常温に戻して剥離する際には硬くなり、適度な弾性率を有する離型フィルムとする必要がある。このような挙動を示す離型フィルムを得るために、本発明者らは、H核を測定するパルスNMRを用いて離型フィルムの解析を行った。パルスNMRでは、得られたデータを結晶性の高いハード成分、結晶性の低いソフト成分等の複数の成分に分割し、それぞれの成分について「緩和時間」を測定することで、分子運動性を評価することができる。具体的には、得られたH核のスピン-スピン緩和の自由誘導減衰曲線を複数の成分に波形分離することで、各成分の緩和時間を得る。なお、スピン-スピン緩和時間は横緩和時間ともいい、一般にTと表現される。一方、スピン-格子緩和時間は縦緩和時間ともいい、一般にTと表現される。
本発明者らは、離型フィルム中の結晶性の低いソフト成分に着目し、パルスNMRにてCPMG法で測定した180℃でのソフト成分の緩和時間(T)と、特定の温度条件に晒した後、パルスNMRにてSolid Echo法で測定した30℃でのソフト成分比とを特定範囲に調整することを検討した。本発明者らは、このような離型フィルムであれば、熱プレス接着時の高温では軟化する一方で、常温に戻して剥離する際には硬くなり、適度な弾性率を有することから、優れた離型性と凹凸への追従性とを発揮できるとともに樹脂の染み出しも生じにくいことを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の離型フィルムは、パルスNMRにてCPMG法で測定した180℃でのソフト成分の緩和時間(T)の下限が220ミリ秒、上限が330ミリ秒である。
ここで、「ソフト成分」とは、パルスNMRにより得られたデータを、結晶性の高い成分、結晶性の低い成分、及び、これらの中間の性質を有する成分に分割したときの、結晶性の低い成分である。なお、結晶性の高い成分を「ハード成分」、中間の性質を有する成分を「ミドル成分」とする。
「ハード成分」は、分子内結合又は分子間結合を含む部分(例えば、結晶構造、架橋構造等)に相当し、「ソフト成分」は、非晶部分に相当し、「ミドル成分」は、比較的分子運動が可能な部分(例えば、結晶の折り畳み部分等)に相当する。
なお、各成分への分割は、パルスNMRにより得られたデータ(自由誘導減衰曲線)を最小二乗法で解析し、磁化強度がすぐに減衰する分子運動性の低い「ハード成分」、磁化強度の減衰に時間がかかる分子運動性の高い「ソフト成分」、及び、これらの中間の性質を有する「ミドル成分」に3分割することにより行う。
「緩和時間」は、磁場をかけた後、電子スピンが励起状態から基底状態に戻るまでの時間である。「緩和時間」が長いほど、分子運動性が高いことを意味する。
上記180℃でのソフト成分の緩和時間(T)が220ミリ秒以上であれば、熱プレス接着時の高温でのソフト成分の分子運動性が高くなることから、離型フィルムが充分に軟化し、優れた凹凸への追従性を発揮することができる。上記180℃でのソフト成分の緩和時間(T)が330ミリ秒以下であれば、ソフト成分の分子運動性が高くなりすぎて樹脂の染み出しが生じることを抑制することができる。上記180℃でのソフト成分の緩和時間(T)の好ましい下限は250ミリ秒、好ましい上限は310ミリ秒であり、より好ましい下限は270ミリ秒、より好ましい上限は290ミリ秒である。
上記180℃でのソフト成分の緩和時間(T)は、例えば、the minispec mq20(BRUKER社製)等のパルスNMR及び解析ソフトウエア(例えば、TD-NMRA、BRUKER社製等)を用い、離型フィルムを測定サンプルとして、昇温速度10℃/分で30℃から180℃まで昇温し、180℃で10分間維持した後でCPMG法にて測定することができる。
本発明の離型フィルムは、下記温度条件に晒した後、パルスNMRにてSolid Echo法で測定した30℃でのソフト成分比の下限が0.1%、上限が15%である。
[温度条件]
昇温速度10℃/分で30℃から180℃まで昇温、その後、降温速度10℃/分で180℃から30℃まで降温
上記温度条件は、熱プレス接着が、通常、160~180℃程度の高温で行われ、その後、常温に戻した後で離型フィルムが剥離される一連の工程を想定して設定した温度条件である。上記30℃でのソフト成分比が上記範囲内であれば、熱プレス接着時の高温に一旦加熱した後で常温に戻した際の離型フィルムの結晶化度が充分に高くなることから、離型フィルムが適度な弾性率を有し、優れた離型性を発揮することができる。上記30℃でのソフト成分比の好ましい下限は1%、好ましい上限は10%であり、より好ましい下限は3%、より好ましい上限は5%である。
上記30℃でのソフト成分比は、例えば、the minispec mq20(BRUKER社製)等のパルスNMR及び解析ソフトウエア(例えば、TD-NMRA、BRUKER社製等)を用いて測定することができる。より詳細には、離型フィルムを測定サンプルとして、昇温速度10℃/分で30℃から180℃まで昇温し、180℃で10分間維持し、その後、降温速度10℃/分で180℃から30℃まで降温し、30℃で10分間維持した後でSolid Echo法にて測定することができる。なお、上記30℃でのソフト成分比の測定は、上記180℃でのソフト成分の緩和時間(T)の測定後に続けて行ってもよい。
なお、上述のCPMG法及びSolid Echo法とは、いずれもパルスNMRにおける電磁波パルスの照射条件の一種である。一般的に緩和時間の長短によって測定方法が選択され、緩和時間の短い成分に着目して測定したい場合にはSolid Echo法が、緩和時間の長い成分を含めて測定したい場合にはCPMG法が適用される。
上記180℃でのソフト成分の緩和時間(T)を上記範囲に調整する方法は特に限定されないが、離型フィルムを構成する樹脂として、180℃において分子間の相互作用がより小さく、分子運動性がより高い樹脂を使用する方法が好ましい。より具体的には、後述するようにクッション層を構成する樹脂として、直鎖構造を有するポリオレフィン樹脂を使用する方法が挙げられる。更に、クッション層を構成する樹脂として、例えば、分子量の小さい樹脂、非極性高分子、不飽和結合を有さない樹脂等を使用する方法も挙げられる。
上記30℃でのソフト成分比を上記範囲に調整する方法は特に限定されないが、熱プレス接着時の高温に一旦加熱した後で常温に戻す際の結晶化を促進する方法が好ましい。より具体的には、後述するようにクッション層に結晶核剤を添加する方法が挙げられる。更に、冷却条件を調整する方法、クッション層を構成する樹脂の立体規則性を制御する方法、クッション層に結晶化度の高い樹脂と結晶化度の低い樹脂とを組み合わせて配合する方法等も挙げられる。
本発明の離型フィルムの構造は特に限定されず、単層構造であっても多層構造であってもよいが、離型層とクッション層とを有することが好ましい。更に、クッション層の両側に離型層を有することがより好ましい。
上記離型層は、離型フィルムに優れた離型性を発揮させる役割を果たす。また、上記クッション層を有することにより、離型フィルムの凹凸への追従性が向上する。上記離型層と上記クッション層とを有し、上記クッション層の両側に上記離型層を有する離型フィルムとすることで、上記180℃でのソフト成分の緩和時間(T)と上記30℃でのソフト成分比とを上記範囲に調整することが容易となり、離型フィルムがより優れた離型性と凹凸への追従性とを発揮することができる。
なお、両側の離型層は同じ樹脂組成であってもよいし、異なる樹脂組成であってもよい。また、両側の離型層は同じ厚みであってもよいし、異なる厚みであってもよい。また、離型層とクッション層とは直接接して一体化している構造であってもよいし、接着層を介して一体化している構造であってもよい。
上記離型層を構成する樹脂は特に限定されないが、離型フィルムの離型性が向上することから、ポリエステル、ポリオレフィン及びポリスチレンからなる群より選択される少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。
上記ポリエステルは、芳香族ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。上記ポリオレフィンは、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)又は脂環式オレフィン系樹脂を含有することが好ましい。上記ポリスチレンは、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂を含有することが好ましい。なかでも、凹凸への追従性に優れ、カバーレイフィルムに形成された接着剤の染み出し防止性に優れることから、上記離型層は、芳香族ポリエステル樹脂を含有することがより好ましい。
なお、ここに例示したような樹脂を用いる場合、離型層は比較的硬いものとなるため、離型層単体(単層)では、30℃でのソフト成分はほとんど含まないと考えられる。
上記芳香族ポリエステル樹脂は特に限定されないが、結晶性芳香族ポリエステル樹脂が好ましい。具体的には例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリヘキサメチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、テレフタル酸ブタンジオールポリテトラメチレングリコール共重合体等が挙げられる。これらの芳香族ポリエステル樹脂は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。なかでも、耐熱性、離型性、凹凸への追従性等のバランスの観点から、ポリブチレンテレフタレート樹脂が好ましい。
また、ポリブチレンテレフタレート樹脂に、ポリブチレンテレフタレートと脂肪族ポリエーテルとのブロック共重合体を混合した混合樹脂も好ましい。上記脂肪族ポリエーテルは特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコール、ポリジエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
上記芳香族ポリエステル樹脂は、フィルム製膜性の観点から、メルトボリュームフローレートが30cm/10min以下であることが好ましく、20cm/10min以下であることがより好ましい。なお、メルトボリュームフローレートは、ISO1133に従って、測定温度250℃、荷重2.16kgで測定することができる。
上記芳香族ポリエステル樹脂のうち、市販されているものとして、例えば、「ペルプレン(登録商標)」(東洋紡社製)、「ハイトレル(登録商標)」(東レ・デュポン社製)、「ジュラネックス(登録商標)」(ポリプラスチックス社製)、「ノバデュラン(登録商標)」(三菱エンジニアリングプラスチックス社製)等が挙げられる。
上記ポリ(4-メチル-1-ペンテン)を含有するポリオレフィンには、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)樹脂が90重量%以上含有されていることが好ましい。
上記ポリ(4-メチル-1-ペンテン)樹脂は、例えば、三井化学社製の商品名TPX(登録商標)等の市販品を用いることができる。
上記脂環式オレフィン系樹脂とは、主鎖又は側鎖に環状脂肪族炭化水素を有するオレフィン系樹脂であり、耐熱性、強度等の点から、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂が好ましい。
上記熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂として、例えば、ノルボルネン系モノマーの開環重合体又は開環共重合体を、(必要に応じてマレイン酸付加やシクロペンタジエン付加のような変性を行った後に)水素添加した樹脂が挙げられる。また、ノルボルネン系モノマーを付加重合させた樹脂、ノルボルネン系モノマーとエチレン又はα-オレフィン等のオレフィン系モノマーとを付加重合させた樹脂、ノルボルネン系モノマーとシクロペンテン、シクロオクテン、5,6-ジヒドロジシクロペンタジエン等の環状オレフィン系モノマーとを付加重合させた樹脂が挙げられる。更に、これらの樹脂の変性物等も挙げられる。
上記シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂を含有するポリスチレンには、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂が70重量%以上、90重量%以下含有されていることが好ましい。
なお、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂とは、シンジオタクチック構造、即ち、炭素-炭素シグマ結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフェニル基や置換フェニル基が交互に反対方向に位置する立体規則構造を有する樹脂である。
上記シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂は、特に限定されない。例えば、ラセミダイアッドで75%以上、又は、ラセミペンタッドで30%以上のシンジオタクティシティーを有するポリスチレン、ポリ(アルキルスチレン)、ポリ(アリールスチレン)、ポリ(ハロゲン化スチレン)、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)、ポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(ビニル安息香酸エステル)等が挙げられる。また、これらの水素化重合体及びこれらの混合物、これらを主成分とする共重合体等が挙げられる。上記シンジオタクチック構造を有するポリスチレン系樹脂は、例えば、出光興産社製の商品名ザレック(登録商標)(XAREC(登録商標))等の市販を用いることができる。
上記離型層は、ゴム成分を含有してもよい。上記離型層がゴム成分を含有することにより、離型フィルムの凹凸への追従性が向上する。
上記ゴム成分は特に限定されず、例えば、天然ゴム、スチレン-ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、アクリルニトリル-ブタジエン共重合体、エチレン-プロピレン共重合体(EPM、EPDM)、ポリクロロプレン、ブチルゴム、アクリルゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。また、上記ゴム成分として、例えば、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
上記離型層は、安定剤を含有してもよい。
上記安定剤は特に限定されず、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、熱安定剤等が挙げられる。
上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤は特に限定されず、例えば、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9-ビス{2-〔3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-プロピオニロキシ〕-1,1-ジメチルエチル}-2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン等が挙げられる。上記熱安定剤は特に限定されず、例えば、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、2-t-ブチル-α-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-p-クメニルビス(p-ノニルフェニル)ホスファイト、ジミリスチル3,3’-チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’-チオジプロピオネート、ペンタエリスチリルテトラキス(3-ラウリルチオプロピオネート)、ジトリデシル3,3’-チオジプロピオネート等が挙げられる。
上記離型層は、更に、繊維、無機充填剤、難燃剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、無機物、高級脂肪酸塩等の従来公知の添加剤を含有してもよい。
上記離型層の厚みは特に限定されないが、相対的に上記離型層の厚みを薄く、上記クッション層の厚みを厚くすることで、離型フィルム全体に対する上記クッション層の寄与を増大させ、ソフト成分比を増大させることができる。これにより、離型フィルムがより優れた凹凸への追従性を発揮することができる。上記離型層の厚みの好ましい下限は10μm、好ましい上限は40μmである。上記離型層の厚みが10μm以上であれば、離型フィルムの耐熱性が向上する。上記離型層の厚みが40μm以下であれば、離型フィルムの凹凸への追従性が向上する。上記離型層の厚みのより好ましい下限は15μm、より好ましい上限は30μmである。
上記クッション層を構成する樹脂は特に限定されないが、ポリオレフィン樹脂が好ましい。
上記ポリオレフィン樹脂は特に限定されず、例えば、ポリエチレン樹脂(例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。また、エチレン-メチルメタクリレート共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体等のエチレン-アクリル系モノマー共重合体等も挙げられる。これらのポリオレフィン樹脂は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。なかでも、より優れた離型性と凹凸への追従性とを発揮できる離型フィルムが得られることから、ポリエチレン樹脂が好ましい。
上記ポリオレフィン樹脂は、直鎖構造を有するポリオレフィン樹脂を含有することが好ましい。
具体的には例えば、上記ポリオレフィン樹脂が上記ポリエチレン樹脂を含有する場合、従来からクッション層によく用いられている分岐の多い低密度ポリエチレン(LDPE)に加えて、直鎖構造の高密度ポリエチレン(HDPE)を適切な配合量で使用することが好ましい。これにより、上記180℃でのソフト成分の緩和時間(T)を上記範囲に調整することが容易となり、離型フィルムがより優れた凹凸への追従性を発揮することができる。これは、分岐の多い低密度ポリエチレン(LDPE)に比べて、直鎖構造の高密度ポリエチレン(HDPE)は、融点以上の温度での分子間の相互作用が小さく、分子運動性が高いためである。
また、直鎖構造の高密度ポリエチレン(HDPE)は、融点以下の温度に冷却して常温に戻した際には結晶構造をとりやすく、結晶化度を高めることができる。このため、高密度ポリエチレン(HDPE)を使用することで、上記30℃でのソフト成分比を上記範囲に調整することも容易となり、離型フィルムがより優れた離型性を発揮することもできる。
上記クッション層における上記直鎖構造を有するポリオレフィン樹脂の含有量は特に限定されないが、上記180℃でのソフト成分の緩和時間(T)と上記30℃でのソフト成分比とを上記範囲に調整する観点から、好ましい下限は5重量%、好ましい上限は25重量%である。上記直鎖構造を有するポリオレフィン樹脂の含有量が5重量%以上であると、離型フィルムがより優れた離型性と凹凸への追従性とを発揮しやすくなる。上記直鎖構造を有するポリオレフィン樹脂の含有量が25重量%以下であれば、ソフト成分の分子運動性が高くなりすぎて樹脂の染み出しが生じることをより抑制することができる。上記直鎖構造を有するポリオレフィン樹脂の含有量のより好ましい下限は10重量%、より好ましい上限は20重量%であり、更に好ましい下限は15重量%である。
上記クッション層における上記ポリオレフィン樹脂の含有量は特に限定されないが、好ましい下限が50重量%、好ましい上限が90重量%である。上記ポリオレフィン樹脂の含有量が50重量%以上であれば、上記クッション層の柔軟性が充分となり、離型フィルムの凹凸への追従性が向上する。上記ポリオレフィン樹脂の含有量が90重量%以下であれば、上記離型層と上記クッション層との密着性が向上する。上記ポリオレフィン樹脂の含有量のより好ましい下限は60重量%、更に好ましい下限は65重量%である。上記ポリオレフィン樹脂の含有量のより好ましい上限は80重量%、更に好ましい上限は75重量%である。
上記クッション層は、上記離型層を構成する樹脂を含有していてもよい。上記クッション層が上記離型層を構成する樹脂を含有することにより、上記離型層と上記クッション層との密着性が向上する。上記クッション層は、上記離型層の主成分樹脂を含有することがより好ましい。ここで、上記離型層の主成分樹脂とは、上記離型層に含まれる樹脂の中で含有量が最も多い樹脂のことを意味する。
上記クッション層における上記離型層を構成する樹脂の含有量は特に限定されないが、好ましい下限が10重量%、好ましい上限が50重量%である。上記離型層を構成する樹脂の含有量が10重量%以上であれば、上記離型層と上記クッション層との密着性が向上する。上記離型層を構成する樹脂の含有量が50重量%以下であれば、上記クッション層の柔軟性が充分となり、離型フィルムの凹凸への追従性が向上する。上記離型層を構成する樹脂の含有量のより好ましい下限は20重量%、更に好ましい下限は25重量%である。上記離型層を構成する樹脂の含有量のより好ましい上限は40重量%、更に好ましい上限は35重量%である。
上記クッション層は、更に、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエステル等の樹脂を含有してもよい。
上記クッション層は、更に、結晶核剤を含有することが好ましい。
上記クッション層が上記結晶核剤を含有することで、熱プレス接着時の高温に一旦加熱した後で常温に戻す際の上記クッション層を構成する樹脂の結晶化が促進される。これにより、上記30℃でのソフト成分比を上記範囲に調整することが容易となり、離型フィルムがより優れた離型性を発揮することができる。
上記結晶核剤は、高分子化合物の結晶化を促進する化合物であれば特に限定されない。例えば、上記ポリプロピレン樹脂に対する結晶核剤として、リン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩系核剤、ピメリン酸金属塩、ロジン金属塩、ソルビトール系核剤、キナクリドン、シアニンブルー、タルク等が挙げられる。
上記カルボン酸金属塩系核剤として、例えば、安息香酸ナトリウム、アルミニウムジベンゾエート、カリウムベンゾエート等が挙げられる。上記ソルビトール系核剤として、例えば、ジベンジリデンソルビトール、ジ-アルキル-ベンジリデンソルビトール等が挙げられる。
また、上記ポリエチレン樹脂に対する結晶核剤として、シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸塩、アントラセン、フタル酸水素カリウム、安息香酸系化合物、超高分子量ポリエチレン、リン酸エステル金属塩、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素、硫酸バリウム、バーミキュライト、カーボンナノチューブ等が挙げられる。
上記クッション層における上記結晶核剤の含有量は特に限定されないが、好ましい下限は0.5重量%、好ましい上限は5重量%であり、より好ましい下限は1重量%、より好ましい上限は3重量%である。上記結晶核剤の含有量が1重量%以上であれば、離型フィルムがより優れた離型性を発揮することができる。上記結晶核剤の含有量が3重量%以下であれば、上記クッション層の柔軟性を保ちつつ、樹脂の染み出しが生じることを抑制することができる。上記結晶核剤の含有量の更に好ましい下限は1.5重量%、更に好ましい上限は2重量%である。
上記クッション層は、更に、繊維、無機充填剤、難燃剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、無機物、高級脂肪酸塩等の添加剤を含有してもよい。なかでも、上記クッション層が上記無機充填剤を含有することで、上記180℃でのソフト成分の緩和時間(T)と上記30℃でのソフト成分比とに悪影響を及ぼすことなく、樹脂の染み出しをより抑制することができる。
上記クッション層は、単独の層からなる単層構造であってもよいし、複数の層の積層体からなる多層構造であってもよい。クッション層が多層構造である場合は、複数の層が接着層を介して積層一体化していてもよい。
上記クッション層の厚みは特に限定されないが、相対的に上記離型層の厚みを薄く、上記クッション層の厚みを厚くすることで、離型フィルム全体に対する上記クッション層の寄与を増大させ、ソフト成分比を増大させることができる。これにより、離型フィルムがより優れた凹凸への追従性を発揮することができる。
上記クッション層の好ましい下限は15μm、好ましい上限は200μmである。上記クッション層の厚みが15μm以上であれば、離型フィルムの凹凸への追従性が向上する。上記クッション層の厚みが200μm以下であれば、熱プレス接着時におけるフィルム端部で生じる上記クッション層からの樹脂の染み出しを抑制できる。上記クッション層の厚みのより好ましい下限は30μm、より好ましい上限は150μmである。
本発明の離型フィルムを製造する方法は特に限定されず、例えば、水冷式又は空冷式共押出インフレーション法、共押出Tダイ法で製膜する方法、溶剤キャスティング法、熱プレス成形法等が挙げられる。
上記クッション層の両側に上記離型層を有する構造を有する場合には、一方の離型層となるフィルムを作製した後、このフィルムにクッション層を押出ラミネート法にて積層し、次いで他方の離型層をドライラミネーションする方法が挙げられる。また、一方の離型層となるフィルム、クッション層となるフィルム及び他方の離型層となるフィルムをドライラミネーションする方法が挙げられる。
なかでも、各層の厚み制御に優れる点から、共押出Tダイ法で製膜する方法が好適である。
本発明の離型フィルムの用途は特に限定されないが、プリント配線基板、フレキシブル回路基板、多層プリント配線板等の製造工程において好適に用いることができる。具体的には例えば、フレキシブル回路基板の製造工程において、銅回路を形成したフレキシブル回路基板本体に、熱硬化型接着剤又は熱硬化型接着シートを介してカバーレイフィルムを熱プレス接着する際に本発明の離型フィルムを用いることができる。
本発明によれば、離型性にも凹凸への追従性にも優れ、樹脂の染み出しが生じにくい離型フィルムを提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)離型フィルムの製造
ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)60重量部と、ポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールとの共重合体(PBT/PTMG共重合体)40重量部とを混合し、離型層用樹脂組成物を得た。
低密度ポリエチレン(LDPE)(サンテック-LD(M2102)、旭化成社製)39重量部と、エチレン-メチルメタクリレート共重合体(EMMA1)(アクリフトWH401、住友化学社製)59.5重量部と、PE結晶核剤(リケマスターCN、理研ビタミン社製)1.5重量部とを混合し、クッション層用樹脂組成物を得た。
得られた離型層用樹脂組成物及びクッション層用樹脂組成物を、押出機を用いて、Tダイ幅400mmにて三層共押出することにより、クッション層(厚み90μm)の両側に離型層(片面の厚み15μm)を有する離型フィルムを得た。押出機はジーエムエンジニアリング社製、GM30-28を用い、スクリュー径30mm、L/D28とした。
(2)パルスNMR測定
測定サンプルとして離型フィルム約10gを筒状に丸め、直径10mmのガラス製のサンプル管(BRUKER社製、品番1824511、長さ180mm、フラットボトム)に高さ20mmになるように導入した。
パルスNMR「the minispec mq20」(BRUKER社製)を用い、上記サンプル管内の離型フィルムを昇温速度10℃/分で30℃から180℃まで昇温し、180℃で10分間維持した後でCPMG法にて180℃でのソフト成分の緩和時間(T)を求めた。
[CPMG法測定条件]
Scans:128times
Recycle Deray:2sec
90-180 plus searation:0.05
Total number of acquired echoes:3000
また、パルスNMR「the minispec mq20」(BRUKER社製)を用い、30℃でのソフト成分比を求めた。より詳細には、上記サンプル管内の離型フィルムを昇温速度10℃/分で30℃から180℃まで昇温し、180℃で10分間維持し、その後、降温速度10℃/分で180℃から30℃まで降温し、30℃で10分間維持した後でSolid Echo法にて30℃でのソフト成分比を求めた。
[Solid Echo法測定条件]
Scans:64times
Recycle Deray:2sec
Acquisition scale:1ms
CPMG法による180℃でのソフト成分の緩和時間(T)、及び、Solid Echo法による30℃でのソフト成分比は、以下の方法により算出した。
パルスNMRの測定結果として得られたH核のスピン-スピン緩和の自由誘導減衰曲線(縦軸:磁化強度、横軸:時間)を、ソフト成分、ミドル成分及びハード成分の3成分に由来する3つの曲線に波形分離し、ソフト成分、ミドル成分及びハード成分の成分比率及び緩和時間を求めた。波形分離は、ガウシアン型とエクスポーネンシャル型との両方を用いて、フィッティングさせることで行った。具体的には、BRUKER社製の解析ソフトウエア「TD-NMRA(Version 4.3 Rev 0.8)」を用い、製品マニュアルに従って、30℃でのSolid Echo法ではハード成分はガウシアン型、ミドル成分及びソフト成分はエクスポーネンシャル型を用いてフィッティングを行った。180℃でのCPMG法ではハード成分、ミドル成分及びソフト成分の全てについてエクスポーネンシャル型を用いてフィッティングを行った。また、Solid Echo法では得られた自由誘導減衰曲線(緩和曲線)の0.5ミリ秒までのポイントを用いてフィッティングを行い、CPMG法では全てのポイントを用いてフィッティングを行った。フィッティングには以下の式を用い、最小二乗法により行った。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
ここで、Yは自由誘導減衰曲線であり、w1、w2及びw3はワイブル係数である。Solid Echo法のw1は2、w2及びw3は1の値を取り、CPMG法のw1~w3は1の値を取る。A1はハード成分の、B1はミドル成分の、C1はソフト成分のそれぞれ成分比(単位:%)であり、A1+B1+C1=100を満たす。T2Aはハード成分の、T2Bはミドル成分の、T2Cはソフト成分のそれぞれ緩和時間(単位:ミリ秒)であり、T2A<T2B<T2Cを満たす。tは時間(単位:ミリ秒)である。
なお、本発明の実施例においてはRecycle Derayの値は2secとしたが、適切な測定結果(緩和曲線)が得られない場合は、T(スピン-格子緩和時間;縦緩和時間)の5倍の値を設定する。T測定には、一般的に、飽和回復法や反転回復法が適用される。
(実施例2~5、比較例1~6)
クッション層の組成を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、離型フィルムを得た。なお、表1に示す各材料は下記のとおりであった。
高密度ポリエチレン(HDPE)(サンテック-HD(F371)、旭化成社製)
EMMA2(アクリフトWD106、住友化学社製)
<評価>
実施例及び比較例で得られた離型フィルムについて、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)離型性の評価
離型フィルムをエポキシ接着シート(ニッカン工業社製、CISV2535)に重ね、180℃、30kgf/cmの条件で5分間熱プレスした。その後、幅25mmにカットし、試験速度500mm/分、剥離角度180°で剥離試験を行った。剥離強度が20gf/cm以下であった場合を○、20gf/cmを超えて30gf/cm以下であった場合を×、30gf/cmを超えた場合を××とした。
(2)凹凸への追従性の評価
銅張積層板(CCL)(12.5cm×12.5cm、ポリイミド厚み25μm、銅箔厚み35μm)の銅箔面に、φ=1mmの穴を空けたカバーレイフィルム(12.5cm×12.5cm、ポリイミド厚み25μm、エポキシ接着剤層厚み35μm)をエポキシ接着剤層が接するようにして積層させた。更に、離型フィルムをカバーレイフィルムに積層した。この積層体を、180℃、30kgf/cmの条件で2分間熱プレスした。その後、離型フィルムを剥離し、銅張積層板(CCL)上に流れ出したエポキシ接着剤を光学顕微鏡にて観察した。エポキシ接着剤の染み出し幅を12点測定してその平均値を算出し、離型フィルムの凹凸への追従性を評価した。エポキシ接着剤の染み出し幅の平均値が55μm未満であった場合を○、55μm以上、65μm以下であった場合を△、65μmを超えた場合を×とした。
(3)樹脂の染み出しの評価
離型フィルムを10cm四方にカットした。25cm四方のSUS板、クッション紙、SiPETシート、離型フィルム、SiPETシート、クッション紙、25cm四方のSUS板をこの順で積層し、スライド式真空ヒータープレス(MKP-3000v-MH-ST、ミカドテクノス社製)により熱プレスした。離型フィルムから染み出したクッション層を構成する樹脂の端部と、離型フィルムの離型層の端部との距離を測定し、染み出し距離とした。染み出し距離が1mm以下であった場合を〇、1mmを超えて2mm以下であった場合を△、2mmを超えた場合を×とした。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
本発明によれば、離型性にも凹凸への追従性にも優れ、樹脂の染み出しが生じにくい離型フィルムを提供することができる。

Claims (7)

  1. パルスNMRにてCPMG法で測定した180℃でのソフト成分の緩和時間(T)が220ミリ秒以上、330ミリ秒以下であり、かつ、
    下記温度条件に晒した後、パルスNMRにてSolid Echo法で測定した30℃でのソフト成分比が0.1%以上、15%以下である
    ことを特徴とする離型フィルム。
    [温度条件]
    昇温速度10℃/分で30℃から180℃まで昇温、その後、降温速度10℃/分で180℃から30℃まで降温
  2. 離型層とクッション層とを有し、前記クッション層の両側に前記離型層を有することを特徴とする請求項1記載の離型フィルム。
  3. クッション層は、ポリオレフィン樹脂を含有することを特徴とする請求項2記載の離型フィルム。
  4. ポリオレフィン樹脂は、ポリエチレン樹脂を含有することを特徴とする請求項3記載の離型フィルム。
  5. ポリオレフィン樹脂は、直鎖構造を有するポリオレフィン樹脂を含有することを特徴とする請求項3又は4記載の離型フィルム。
  6. クッション層は、結晶核剤を含有することを特徴とする請求項2、3、4又は5記載の離型フィルム。
  7. 離型層は、ポリエステル、ポリオレフィン及びポリスチレンからなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の離型フィルム。
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