WO2021193482A1

WO2021193482A1 - 射出成形機の制御装置および制御方法

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Publication number: WO2021193482A1
Application number: PCT/JP2021/011563
Authority: WO
Inventors: 逢坂亮; 堀内淳史
Original assignee: ファナック株式会社
Priority date: 2020-03-27
Filing date: 2021-03-22
Publication date: 2021-09-30
Also published as: CN115362053A; US20230132160A1; JP6959479B1; JPWO2021193482A1; DE112021000874T5

Abstract

打ち抜き工程を信頼性よく行う射出成形機の制御装置および制御方法を提供する。射出成形機（１０）の制御装置（１０２）であって、射出成形機（１０）の金型（１６）が閉じた状態から、金型（１６）の固定金型（６２）と可動金型（６４）とを一体的に開方向に移動させることにより、固定金型（６２）と取付板（３６）との間に隙間（８０）を空ける金型開閉部（１１４）と、差込部材（９２）を隙間（８０）に差し込む差込部材制御部（１１６）と、隙間（８０）に差込部材（９２）が差し込まれたか否かを判定する判定部（１２０）と、隙間（８０）に差込部材（９２）が差し込まれたと判定された場合に打ち抜きピンを突き出す突出し制御部（１２２）と、を備える。

Description

射出成形機の制御装置および制御方法

　本発明は、射出成形機の制御装置および制御方法に関する。

　射出成形機の分野においては、閉じた金型のキャビティにピンを挿入することにより、該キャビティに充填された樹脂（成形品）に穴を形成する技術が知られている。その一例は、例えば特開平０３－２８４９２０号公報に開示されている。

　以下、金型内の樹脂にピンを挿すことで穴を形成する工程を指して「打ち抜き工程」とも記載する。打ち抜き工程は、キャビティの形成を維持したまま、すなわち固定金型と可動金型との連結を維持したまま、ピンを可動金型側から固定金型側へと突き出すことにより行われる。

　ここで、ピンを突き出す力が、固定金型と可動金型とを連結している力を上回ると、ピンを突き出したときに金型が開いてしまう。その結果、打ち抜き工程において成形品に穴を形成することができない。

　そこで、本発明は、打ち抜き工程を信頼性よく行う射出成形機の制御装置および制御方法を提供することを目的とする。

　発明の一つの態様は、第１の入れ子穴が設けられた固定金型と、前記固定金型と共にキャビティを形成する可動金型と、を有し、前記固定金型と前記可動金型とを互いに離接させることで開閉する金型を備える射出成形機の制御装置であって、前記射出成形機は、前記可動金型を支持し、前記金型の開閉方向に沿って移動することで前記可動金型を前記固定金型に対して離接させる可動プラテンと、前記固定金型を支持する固定プラテンと、前記可動プラテンが前記金型の閉方向に動くときに前記固定金型と前記可動金型とを連結し、前記金型が開くときに連結を解除するパーティングロックと、前記固定プラテンに前記固定金型を取り付ける取付板と、穴および切欠きの少なくとも一方を有する成形品を成形するために、前記キャビティ内の樹脂の一部を前記第１の入れ子穴を介して前記取付板の方に向かって打ち抜くように突き出される打ち抜きピンと、前記固定金型と前記取付板との間に挿入される差込部材と、を備え、前記制御装置は、前記金型が閉じた状態から前記固定金型を前記可動金型と一体的に前記金型の開方向に移動させることにより、前記固定金型と前記取付板との間に隙間を空ける金型開閉部と、前記差込部材を前記隙間に差し込む差込部材制御部と、前記隙間に前記差込部材が差し込まれたか否かを判定する判定部と、前記隙間に前記差込部材が差し込まれたと判定された場合に前記打ち抜きピンを突き出す突出し制御部と、を備える。

　発明のもう一つの態様は、第１の入れ子穴が設けられた固定金型と、前記固定金型と共にキャビティを形成する可動金型と、を有し、前記固定金型と前記可動金型とを互いに離接させることで開閉する金型を備える射出成形機の制御方法であって、前記射出成形機は、前記可動金型を支持し、前記金型の開閉方向に沿って移動することで前記可動金型を前記固定金型に対して離接させる可動プラテンと、前記固定金型を支持する固定プラテンと、前記可動プラテンが前記金型の閉方向に動くときに前記固定金型と前記可動金型とを連結し、前記金型が開くときに連結を解除するパーティングロックと、前記固定プラテンに前記固定金型を取り付ける取付板と、穴および切欠きの少なくとも一方を有する成形品を成形するために、前記キャビティ内の樹脂の一部を前記第１の入れ子穴を介して前記取付板の方に向かって打ち抜くように突き出される打ち抜きピンと、前記固定金型と前記取付板との間に挿入される差込部材と、を備え、前記制御方法は、前記金型が閉じた状態から前記固定金型を前記可動金型と一体的に前記金型の開方向に移動させることにより、前記固定金型と前記取付板との間に隙間を空ける隙間開放ステップと、前記差込部材を前記隙間に差し込む差込制御ステップと、前記隙間に前記差込部材が差し込まれたか否かを判定する差込判定ステップと、前記隙間に前記差込部材が差し込まれたと判定された場合に前記打ち抜きピンを突き出す打ち抜きステップと、を含む。

　本発明によれば、打ち抜き工程を信頼性よく行う射出成形機の制御装置および制御方法が提供される。

実施の形態の射出成形機の構成図である。金型および突き出し機構の構成を概略的に示す第１の断面図である。固定金型に設けられる入れ子、および固定金型の第１の入れ子穴に関する構造を説明するための断面図である。金型および突き出し機構の構成を概略的に示す第２の断面図である。図５Ａは、スライド板の第１の構成例である。図５Ｂは、スライド板の第２の構成例である。図５Ｃは、図５ＡのＶＣ－ＶＣ線の断面図である。実施の形態の射出成形機の制御装置の概略構成図である。実施の形態の射出成形機の制御方法の流れを例示するフローチャートである。隙間開放ステップを説明するための第１の図である。隙間開放ステップを説明するための第２の図である。制御方法に係るスライド板、エジェクタプレート、可動プラテンの各々の制御状態を例示するタイムチャートである。差込制御ステップを説明するための第１の図である。差込制御ステップを説明するための第２の図である。打ち抜きステップを説明するための第１の図である。打ち抜きステップを説明するための第２の図である。型開きステップおよび抜出制御ステップを説明するための第１の図である。図１６Ａは、型開きステップおよび抜出制御ステップを説明するための第２の図である。図１６Ｂは、型開きステップおよび抜出制御ステップを説明するための第３の図である。突き出しステップを説明するための図である。変形例３の差込部材を説明するための構成図である。変形例３の差込部材を隙間に差し込んだ状態を示す図である。変形例３の打ち抜き工程を説明するための図である。スライド板の第４の構成例である。

　以下、本発明に係る射出成形機の制御装置および制御方法について、好適な実施の形態を掲げ、詳細に説明する。

　［実施の形態］
　図１は、実施の形態の射出成形機１０の構成図である。

　まず、本実施の形態の射出成形機１０の全体的な構成について説明する。射出成形機１０は、射出装置１２と、型締装置１４と、金型１６と、突き出し機構１８（図４）と、スライド機構２０とを備える。また、射出装置１２と型締装置１４との少なくとも一方（図１の構成例では、両方）を支持する機台２２をさらに備える。

　射出装置１２は、樹脂Ｒを溶融および計量した後、溶融された樹脂Ｒ（図８）を金型１６に向けてノズル２４から射出する装置である。図１にはいわゆるインラインスクリュ式の射出装置１２を例示したが、本実施の形態の射出成形機１０の構成はこれに限定されない。射出成形機１０は、インラインスクリュ式の射出装置１２に代えて、例えばプリプラ式の射出装置を備えてもよい。

　なお、本実施の形態において、樹脂Ｒの溶融、計量および射出については既知の技術に基づいて実現して構わない。したがって、樹脂Ｒの溶融、計量および射出についての詳細な説明は、以下では割愛する。

　型締装置１４は、金型１６を開閉させるほか、閉じた金型１６に型締力をかける装置である。本実施の形態では、型締装置１４はいわゆるトグル式の構成を有するものとして説明する。ただし、金型１６の開閉および型締力の印加を達成可能であれば、型締装置１４の構成はこれに限定されない。

　型締装置１４は、リアプラテン２６と、可動プラテン２８と、可動側取付板３０と、固定プラテン３２と、複数のタイバー３４と、固定側取付板３６と、ボールねじ機構３８と、トグル機構４０と、を備える。

　リアプラテン２６、可動プラテン２８および固定プラテン３２のうち、リアプラテン２６は射出装置１２に対して金型１６の開方向（図１）で最も遠くに配され、固定プラテン３２は射出装置１２に対して最も近くに配される。リアプラテン２６と固定プラテン３２とは、複数のタイバー３４により相互に連結される。可動プラテン２８は、開閉方向でリアプラテン２６と固定プラテン３２との間に配され、リアプラテン２６と固定プラテン３２とを連結した複数のタイバー３４が挿通する。

　可動プラテン２８には、固定プラテン３２側の面に可動側取付板３０が取り付けられる。可動側取付板３０は、後述する金型１６の可動金型６４を保持するための部材である。

　固定プラテン３２には、射出装置１２のノズル２４を受け入れる受け入れ部４２が設けられており、その受け入れ部４２の可動プラテン２８側には固定側取付板３６が設けられる。

　固定側取付板３６は、後述する金型１６の固定金型６２を保持するための部材である。固定金型６２の可動プラテン２８側の面には、開閉方向に沿って突出するガイドピン４４が複数設けられる。また、固定側取付板３６には射出装置１２が射出する樹脂Ｒの流路７８（図４）の一部が設けられる。なお、以下において単に「取付板」と記載するときは、特に断らない限り、それは固定側取付板３６のことを指す。

　ボールねじ機構３８は、リアプラテン２６とトグル機構４０とに接続される。ボールねじ機構３８は、開閉方向に平行な軸方向を中心に回転するネジ軸４６と、ネジ軸４６が回転するときにネジ軸４６に沿って直動するナット４８と、を備える。また、サーボモータ５０と、駆動プーリ５２と、ベルト５４と、従動プーリ５６と、をさらに備える。

　これらのうち、駆動プーリ５２は、サーボモータ５０の回転軸に接続されるプーリであって、該回転軸と一体的に回転する。ベルト５４は、駆動プーリ５２と従動プーリ５６とに架け渡され、駆動プーリ５２および自身を介してサーボモータ５０の発生する回転力を従動プーリ５６へと伝達する。従動プーリ５６は、ネジ軸４６と一体的に回転可能に設けられるプーリであって、サーボモータ５０の回転力によってネジ軸４６を回転させる。

　また、トグル機構４０は、可動プラテン２８に接続される。トグル機構４０は、ナット４８と一体的に直動可能に設けられるクロスヘッド５８と、クロスヘッド５８から可動プラテン２８へと直動力を伝達する複数のトグルリンク６０と、を備える。

　以上の型締装置１４の構成によれば、サーボモータ５０を駆動させることにより、可動プラテン２８を開閉方向に沿って移動させることが可能である。

　図２は、金型１６および突き出し機構１８の構成を概略的に示す第１の断面図である。

　金型１６は、射出装置１２が射出する樹脂Ｒを成形品の形状に形付けるものであって、可動プラテン２８と固定プラテン３２との間に設けられる。金型１６は、固定プラテン３２側の固定金型６２と、可動プラテン２８側の可動金型６４と、を備える。

　固定金型６２は、本実施の形態では金型１６の雌型である。固定金型６２には、ガイドピン４４の数および配置に対応するガイド穴６６が設けられる。固定金型６２は、このガイド穴６６に取付板３６のガイドピン４４を挿入することにより、取付板３６に保持される。この構成によれば、固定金型６２は、ガイドピン４４に沿うことで、取付板３６に対して開閉方向に離接可能である。

　また、固定金型６２には固定金型６２を開閉方向で貫通する第１の入れ子穴６８が設けられる。この第１の入れ子穴６８には入れ子７０が挿通する。

　図３は、入れ子７０および第１の入れ子穴６８を説明するための断面図である。なお、図３は、図２に示した破線領域（Ｘ）の拡大図である。

　第１の入れ子穴６８を挿通する入れ子７０は、開閉方向に沿って第１の入れ子穴６８内をスライド移動可能である。この入れ子７０の両端には、留め具７２Ａと、留め具７２Ｂと、が設けられる。

　留め具７２Ａは、第１の入れ子穴６８の開方向側６８ａに収容される留め具である。ここで、留め具７２Ａおよび第１の入れ子穴６８の開方向側６８ａは、第１の入れ子穴６８の中央部６８ｃよりも幅広である。これにより、入れ子７０が第１の入れ子穴６８の閉方向側に脱落することが防止される。

　また、留め具７２Ａの形状は、開方向側から見たときに第１の入れ子穴６８を塞ぐ形状である。これにより、樹脂Ｒを金型１６に充填したときに、第１の入れ子穴６８に樹脂Ｒが入り込むことが防止される。

　留め具７２Ｂは、第１の入れ子穴６８の閉方向側６８ｂに収容される留め具である。ここで、留め具７２Ｂおよび第１の入れ子穴６８の閉方向側６８ｂは、第１の入れ子穴６８の中央部６８ｃよりも幅広である。これにより、入れ子７０が第１の入れ子穴６８の開方向側に脱落することが防止される。

　以上の第１の入れ子穴６８を固定金型６２に設けることで、後述する打ち抜きピン８６で樹脂Ｒを打ち抜いたときに、打ち抜かれた樹脂Ｒの一部ｒ（図１３）を第１の入れ子穴６８に押し出すことができる。また、第１の入れ子穴６８にスライド移動可能な入れ子７０を挿通しておくことで、打ち抜きを行う前時点で樹脂Ｒが第１の入れ子穴６８に入り込むことが防止される。したがって、成形品の形状の一部に第１の入れ子穴６８の形状（意図しない形状）が表れることが防止される。

　可動金型６４は、本実施の形態では金型１６の雄型である。可動金型６４は、可動プラテン２８が開閉方向に移動することに伴って自身も開閉方向に移動することにより、固定金型６２に対して離接する。

　また、可動金型６４には、固定金型６２を挿通したガイドピン４４を受け入れる穴が適宜設けられる。これにより、型閉じ工程において、可動金型６４と固定金型６２との開閉方向での圧接がガイドピン４４に阻害されることが回避される。

　このほか、金型１６には、固定金型６２と可動金型６４とを所定の連結力で連結するパーティングロック７４が設けられる。パーティングロック７４は、本実施の形態ではスプリングロック方式のパーティングロックである。ただし、パーティングロック７４はスプリングロック方式のものに限定されず、例えばプラスチックロック方式のものであってもよい。

　以上の金型１６について、金型１６が「閉じる」とは、固定金型６２と可動金型６４とが開閉方向で圧接することを指す（図４）。また、金型１６が「開く」とは、固定金型６２と可動金型６４とが開閉方向で離間することを指す（図１７）。金型１６を閉じる工程は「型閉じ工程」とも呼ばれ、開く工程は「型開き工程」とも呼ばれる。

　金型１６は、閉じることにより、可動金型６４および固定金型６２はお互いの間にキャビティ７６を形成する。キャビティ７６は、本実施の形態では空洞のことを指す。

　キャビティ７６には、固定金型６２と取付板３６とに設けられる流路７８（スプルー、ランナーおよびゲート）を通じて、射出装置１２から射出される樹脂Ｒが充填される。キャビティ７６に充填された樹脂Ｒは、冷却されることにより、成形品の輪郭を得た状態で固化する。充填した樹脂Ｒを冷却する工程は「冷却工程」とも呼ばれる。

　金型１６が閉じた状態は、パーティングロック７４により可動金型６４と固定金型６２とを連結することによるほか、型締装置１４が可動金型６４側から型締力をかけることで維持される。特に、型締装置１４が型締力をかける工程は「型締め工程」とも呼ばれる。

　なお、固定金型６２は、前述の通り、取付板３６に対して開方向に離間することが可能である。したがって、金型１６が閉状態のときにパーティングロック７４の連結力を下回る力で可動プラテン２８を開方向に引っ張った場合には、金型１６の閉状態を維持したまま、固定金型６２と取付板３６との間に隙間８０（図９）を生じさせることができる。この隙間８０に対しては、後述する差込部材９２が挿抜される。

　突き出し機構１８は、エジェクタプレート８２Ａ、８２Ｂと、複数の突出部材（８６、８８、９０）と、突き出し装置８４と、を備える機構である。エジェクタプレート８２Ａ、８２Ｂは、固定金型６２と可動金型６４とのうちの可動金型６４側に設けられるプレートである。エジェクタプレート８２Ａとエジェクタプレート８２Ｂとは開閉方向で位置がずれて設けられており、エジェクタプレート８２Ｂの方がエジェクタプレート８２Ａよりも固定金型６２側である。

　上記のうちの突き出し装置８４は、エジェクタプレート８２Ａ、８２Ｂを開閉方向に平行な突き出し方向に沿って直動させる装置である。そのような突き出し装置８４は、例えばボールねじ機構や、油圧式あるいは空圧式のシリンダ、サーボモータを有することにより、エジェクタプレート８２Ａ、８２Ｂを直動させることが可能である。

　突き出し機構１８の複数の突出部材は、エジェクタプレート８２Ａに設けられる打ち抜きピン８６と、エジェクタプレート８２Ｂに設けられるエジェクタピン８８と、エジェクタプレート８２Ａに設けられるカッター９０と、を含む。以下、これらの突出部材が突き出し方向のうちの固定金型６２側に向かって移動することを指して、単に「突き出し」とも記載する。

　打ち抜きピン８６は、キャビティ７６に充填された樹脂Ｒの一部ｒを打ち抜くピン部材である。打ち抜きピン８６は、エジェクタプレート８２Ａが固定金型６２側に向かって移動することにより突き出される。これにより、穴を有する成形品が容易に成形される。打ち抜きピン８６で成形品に穴を開ける工程は「打ち抜き工程」とも呼ばれ、金型１６を閉じた状態で行われる。

　打ち抜きピン８６は、突き出し方向で固定金型６２に設けられた第１の入れ子穴６８に対向するように設けられる。これにより、樹脂Ｒのうちの打ち抜かれた部分が、打ち抜きピン８６の突き出し方向の先にある第１の入れ子穴６８の方に押し出されるようになる。このとき、第１の入れ子穴６８に挿入されていた入れ子７０は、突き出しに伴って固定側取付板３６の方に移動する。

　突出部材のうち、エジェクタピン８８は、キャビティ７６内で固化した樹脂Ｒ（成形品）を、金型１６が開状態のときに突き出すピン部材である。エジェクタピン８８はエジェクタプレート８２Ｂに設けられているため、打ち抜き工程においてエジェクタプレート８２Ａが移動しても自身は移動せず、キャビティ７６内の樹脂Ｒを貫通しない。エジェクタピン８８は、突き出し装置８４によって駆動されたエジェクタプレート８２Ｂが固定金型６２側に向かって移動することによりエジェクタプレート８２Ｂと共に並進し、キャビティ７６内に成形された成形品を突き出す。

　エジェクタピン８８で成形品を突き出す工程は「突き出し工程」とも呼ばれる。突き出し工程を行うことにより、金型１６から成形品が容易に取り出される。

　カッター９０は、キャビティ７６ではなく樹脂Ｒの流路７８のゲートに向かって突き出されるものである。このカッター９０は、打ち抜き工程と同じく金型１６が閉じた状態のときに突き出されることで、成形品（キャビティ７６の樹脂Ｒ）と、成形品以外の樹脂Ｒ（ゲート、ランナーおよびスプルーの樹脂Ｒ）と、を切断することができる。この切断は「ゲートカット」とも呼ばれ、ゲートカットを行う工程は「ゲートカット工程」とも呼ばれる。打ち抜き工程とゲートカット工程とは、いずれも金型１６を閉じた状態で行われる工程であることから、並行して行うことが可能である。

　スライド機構２０は、差込部材９２と、スライド装置９４と、を備える（図１）。これらのうち、差込部材９２は、本実施の形態では厚み方向が突き出し方向に平行になるように設けられる板状の部材である。本実施の形態では、板状の差込部材９２をスライド板９２とも記載する。なお、差込部材９２は板状の部材（スライド板）に限定されない。これについては変形例で後述する。

　また、スライド装置９４は、固定金型６２を可動金型６４と一体的に開方向に移動させることで生じる固定金型６２と取付板３６との間の隙間８０にスライド板９２を挿抜する装置である。

　本実施の形態のスライド装置９４は、突き出し方向に直交する挿抜方向上の所定の差込開始位置（抜出完了位置）と所定の差込完了位置との間でスライド板９２を直動的に往復させることにより、上記の挿抜を実現するものであるとする。そのようなスライド装置９４は、前述の型締装置１４と同様にボールねじ機構を有することでスライド板９２を直動させてもよいし、油圧式あるいは空圧式のシリンダを有することでスライド板９２を直動させてもよい。

図４は、金型１６および突き出し機構１８の構成を概略的に示す第２の断面図である。

　本実施の形態では、所定の差込開始位置は金型１６の重力方向下方（金型１６から見て機台２２側）に設定されており、スライド装置９４はスライド板９２を重力方向に沿って往復させるものであるとして説明する。ただし、スライド板９２が往復する方向はこれに限定されない。例えば、所定の差込開始位置を隙間８０に対して重力方向の上方に設定することで、スライド板９２が隙間８０の上方と隙間８０との間を直動的に往復するように構成してもよい。また、スライド板９２が水平方向（図１の紙面奥方向および手前方向）に沿って直動的に往復するように構成してもよい。さらに、隙間８０に対してスライド板９２を挿抜できればよいとの観点で言えば、スライド板９２を直動ではなく、振り子のように揺り動かすことで前述の隙間８０に挿抜する装置であってもよい。

　図５Ａは、スライド板９２の第１の構成例である。なお、図５Ａの視点は、スライド板９２の厚み方向である。

　スライド板９２について、さらに説明する。スライド板９２は、例えば図５Ａのように、一対の板部材の組として構成される。これにより、スライド板９２を固定金型６２と固定側取付板３６との間の隙間８０に差し込むとき、その差込みが流路７８（スプルー）および流路７８の形状で固化した樹脂Ｒに阻害されることが防止される。

　図５Ｂは、スライド板９２の第２の構成例である。図５Ｂの視点は、図５Ａと同様に、スライド板９２の厚み方向である。

　また、スライド板９２は、図５Ｂのように構成されてもよい。図５Ｂのスライド板９２は、２枚の板を１組とする構成ではなく、略Ｕ字状の１枚の板からなる構成であるという点で、図５Ａの構成例とは相違する。図５Ｂの構成であっても、スライド板９２を固定金型６２と固定側取付板３６との間の隙間８０に差し込むとき、その差込みが金型１６の流路７８（スプルー）に阻害されることが防止される。

　図５Ａおよび図５Ｂの各々に示した構成に共通する事項として、スライド板９２には、第２の入れ子穴９６が設けられる。第２の入れ子穴９６は、スライド板９２が固定金型６２と固定側取付板３６との間の隙間８０に差し込まれたときに突き出し方向で固定金型６２の第１の入れ子穴６８と連通する穴である。この第２の入れ子穴９６により、スライド板９２を隙間８０に差し込んだ状態であっても、打ち抜き工程におけるエジェクタピン８８による固定側取付板３６の方への入れ子７０および樹脂Ｒの一部ｒの押し出しが許容される。

　なお、図５Ａおよび図５Ｂのうち、破線で示した成形品位置９８は、スライド板９２を隙間８０に差し込んだ状態において、突き出し方向でキャビティ７６（成形品）に並ぶ領域である。また、同様に破線で示したランナーゲート部１００は、スライド板９２を隙間８０に差し込んだ状態において、突き出し方向で金型１６の流路７８のランナーおよびゲートに並ぶ領域である。

　図５Ｃは、図５ＡのＶＣ－ＶＣ線の断面図である。

　スライド板９２の厚み、および第２の入れ子穴９６の突き出し方向での長さ（深さ）Ｌ_９２は、打ち抜き工程で打ち抜かれる樹脂Ｒの厚み以上である。

　また、第２の入れ子穴９６の側面９６ｕのうち、隙間８０への差込み方向側は、スライド板９２が隙間８０に差し込まれたときに固定金型６２側から取付板３６側にかけて第２の入れ子穴９６の幅（径）を狭めるスロープ状であることが好ましい。例えば、本実施の形態のようにスライド板９２を下方から上方の隙間８０に向かって差し込む構成の場合、上記のスロープ形状は、図５Ｃのように、第２の入れ子穴９６の上方の側面９６ｕに付与される。なお、このスロープ形状を第２の入れ子穴９６に付与する場合には、スライド板９２の全ての第２の入れ子穴９６に付与される。

　これにより、スライド板９２を隙間８０から抜き出すときに、第２の入れ子穴９６に入った入れ子７０および留め具７２Ｂがスライド板９２の抜出を阻害することが防止される。また、これにより、スライド板９２を抜き出すと同時に、入れ子７０をキャビティ７６側にスムーズに押し返すことができる。

　以上が、射出成形機１０の全体的な構成である。次に、本実施の形態に係る制御装置１０２について説明する。

　図６は、実施の形態の射出成形機１０の制御装置１０２の概略構成図である。

　制御装置１０２は、射出成形機１０を制御するために提供される装置である。制御装置１０２は、射出装置１２、型締装置１４、突き出し装置８４およびスライド装置９４に接続され（図１）、これらを制御する。ただし、以下では、射出装置１２を制御するために制御装置１０２が備え得る構成要素についての説明は割愛する。

　制御装置１０２は、表示部１０４と、操作部１０６と、記憶部１０８と、演算部１１０と、を備える。

　表示部１０４は、情報を表示する画面を有した表示装置である。表示部１０４の画面は、限定されないが、それは例えば液晶の画面である。

　操作部１０６は、オペレータが制御装置１０２に情報を入力するために提供されるものであって、それは例えばキーボード、マウス、あるいは表示部１０４の画面に取り付けられるタッチパネルにより構成される。

　記憶部１０８は、情報を記憶するものである。記憶部１０８は、それは例えばＲＡＭ（Random Access Memory）やＲＯＭ（Read Only Memory）等のハードウェアにより構成される。記憶部１０８は、本実施の形態においては、所定の制御プログラム１１２を予め記憶する。

　制御プログラム１１２は、打ち抜き工程を信頼性よく行う射出成形機１０の制御方法（以下、単に「制御方法」）が規定されたプログラムである。制御方法については、詳細を後述する。

　演算部１１０は、情報を演算により処理するものである。演算部１１０は、それは例えばＣＰＵ（Central Processing Unit）やＧＰＵ（Graphics Processing Unit）等のハードウェアにより構成される。

　また、本実施の形態の演算部１１０は、金型開閉部１１４と、差込部材制御部１１６と、位置取得部１１８と、判定部１２０と、突出し制御部１２２と、を備える。これらの各部は、演算部１１０が前述の制御プログラム１１２を読み取って実行することにより実現される。

　金型開閉部１１４は、基本的には型締装置１４を制御することで金型１６の開閉を制御するものであるが、本実施の形態においては固定金型６２と固定側取付板３６との間に隙間８０を空けることも行う。金型開閉部１１４は、金型１６が閉じた状態から、型締装置１４を制御することで固定金型６２を可動金型６４と一体的に金型１６の開方向に移動させることにより、固定金型６２と固定側取付板３６との間に隙間８０を空ける。

　差込部材制御部１１６は、スライド装置９４を制御することでスライド板９２を隙間８０に差込み、固定金型６２の第１の入れ子穴６８とスライド板９２の第２の入れ子穴９６とを突き出し方向で隣接させるものである。また、差込部材制御部１１６は、後述する打ち抜き制御部により打ち抜きピン８６が突き出された後には、スライド板９２を隙間８０から抜き出す制御も行う。なお、隙間８０が空いたか否かの判断は、例えば隙間８０が空いた旨を示す信号を金型開閉部１１４から受け取ることで、可能である。

　位置取得部１１８は、スライド板９２の挿抜方向での位置を取得するものであって、図６のように、本実施の形態では第１の位置取得部１２４と第２の位置取得部１２６とを有する。

　第１の位置取得部１２４は、スライド板９２が隙間８０に差し込まれるときに、スライド板９２の差込み方向での位置を取得するものである。第１の位置取得部１２４は、隙間８０に差し込まれるスライド板９２が所定の差込判定位置に到達したときに、所定の検出信号（第１の信号）を後述の判定部１２０に出力する。

　第２の位置取得部１２６は、スライド板９２が隙間８０から抜き出されるときに、スライド板９２の抜き出し方向での位置を取得するものである。第２の位置取得部１２６は、隙間８０から抜き出されるスライド板９２が所定の抜出位置に到達したときに、所定の検出信号（第２の信号）を後述の判定部１２０に出力する。

　なお、スライド板９２の位置を取得するためには、前提としてスライド板９２の位置が検出されるようにしておく必要がある。これは例えば、リニアスケール等の位置検出器をスライド装置９４あるいは金型１６に適宜設けておき、該検出器の検出信号が位置取得部１１８に入力されるように構成することで、実現可能である。

　判定部１２０は、隙間８０にスライド板９２が差し込まれたか否か、および抜き出されたか否かを判定するものである。本実施の形態の判定部１２０は、第１の位置取得部１２４から判定部１２０に第１の信号が入力されたか否かに基づいて、隙間８０にスライド板９２が差し込まれたか否かを判定する。また、本実施の形態の判定部１２０は、第２の位置取得部１２６から判定部１２０に第２の信号が入力されたか否かに基づいて、隙間８０からスライド板９２が抜き出されたか否かを判定する。

　突出し制御部１２２は、隙間８０にスライド板９２が差し込まれたと判定された場合に、打ち抜きピン８６を突き出すものである。これにより、本実施の形態では、スライド板９２が隙間８０に挿入された状態で打ち抜き工程が行われる。なお、このとき、打ち抜きピン８６と共にカッター９０が突き出される構成にすることで、打ち抜き工程に並行してゲートカット工程をも行うことができる。

　また、突出し制御部１２２は、打ち抜きピン８６を突き出した後、スライド板９２が隙間８０から抜き出されたと判定された場合には、エジェクタピン８８を突き出す。これにより、金型１６から成形品を取り出す突き出し工程が行われる。

　以上が本実施の形態の射出成形機１０およびその制御装置１０２の構成例である。続いて、制御装置１０２により実行される、本実施の形態の射出成形機１０の制御方法について説明する。

　図７は、実施の形態の射出成形機１０の制御方法の流れを例示するフローチャートである。

　本実施の形態の制御方法は、金型１６のキャビティ７６に樹脂Ｒを充填した後、つまり、いわゆる射出工程の後に行われる。この制御方法は、隙間開放ステップ（Ｓ１）と、差込制御ステップ（Ｓ２）と、差込判定ステップ（Ｓ３）と、打抜きステップ（Ｓ４）と、を含む。また、本実施の形態においては、抜出制御ステップ（Ｓ５）と、抜出判定ステップ（Ｓ６）と、型開きステップ（Ｓ７）と、突出しステップ（Ｓ８）と、をさらに含む。

　図８は、隙間開放ステップを説明するための第１の図である。また、図９は、隙間開放ステップを説明するための第２の図である。なお、図８－図９の視点は、図４の視点と同じ視点である。

　隙間開放ステップは、金型１６が閉じた状態から固定金型６２を可動金型６４と一体的に金型１６の開方向に移動させるステップである。本ステップは金型開閉部１１４により実行される。より具体的に、金型開閉部１１４は、キャビティ７６に樹脂Ｒが充填された後（図８）、型締装置１４を制御することにより、パーティングロック７４の連結力を下回る力で可動プラテン２８を開方向へと引っ張る。これにより、固定金型６２と取付板３６との間に隙間８０を空けることができる（図９）。

　図１０は、制御方法に係るスライド板９２、エジェクタプレート８２Ａ、８２Ｂ、可動プラテン２８の各々の制御状態を例示するタイムチャートである。

　図１０のタイムチャートにおいて、隙間開放ステップが行われる時間帯は、ｔ_１－ｔ_２の時間帯である。図１０から分かるように、隙間開放ステップが行われると、可動プラテン２８は、金型１６を閉じるための位置である型締位置から、差込待機位置に移動する。差込待機位置は、型締位置よりも開方向側の位置であって、固定金型６２と取付板３６との間に隙間８０を開けるための位置である。

　また、ｔ_１－ｔ_２の時間帯において、エジェクタプレート８２Ａ、８２Ｂの位置は、該時間帯で打ち抜きも突き出しも行われないような位置に維持される。本実施の形態では、この位置を便宜的に後退位置と呼ぶ。なお、図１０に示されたエジェクタプレート８２Ａ、８２Ｂの位置は、可動金型６４に対する相対位置である。

　差込制御ステップは、隙間開放ステップの実行により空けられた隙間８０にスライド板９２を差し込むステップである。本ステップは差込部材制御部１１６により実行される。

　図１１は、差込制御ステップを説明するための第１の図である。また、図１２は、差込制御ステップを説明するための第２の図である。なお、図１１－図１２の視点は、図４の視点と同じ視点である。

　差込制御ステップが行われる時間帯は、図１０のｔ_２－ｔ_３の時間帯である。スライド板９２は、時間ｔ_３までに、所定の差込完了位置に到達する（図１１）。このとき、スライド板９２と固定金型６２との間、あるいはスライド板９２と取付板３６との間になお隙間８０が生じている場合には、可動プラテン２８を閉方向に移動させることで、スライド板９２を固定金型６２および取付板３６に密接させる（図１２）。

　また、この時間帯（ｔ_２－ｔ_３）では、差込制御ステップに並行するようにして、判定部１２０による差込判定ステップが行われる。差込判定ステップは、スライド板９２が所定の差込み位置に到達したか否かを判定するステップである。この判定は、前述の通り、第１の位置取得部１２４から第１の信号が判定部１２０に入力されたか否かに基づくことで実現可能である。

　スライド板９２が所定の差込判定位置に到達したと判定されると、打ち抜きステップが実行される。打ち抜きステップは、前述の打ち抜き工程を実行するステップであって、突出し制御部１２２により実行される。

　図１３は、打ち抜きステップを説明するための第１の図である。図１４は、打ち抜きステップを説明するための第２の図である。

　打ち抜きステップが行われる時間帯は、図１０のｔ_４－ｔ_５の時間帯である。打ち抜きステップが実行されると、エジェクタプレート８２Ａは、前述の後退位置から、より突き出し方向側に位置する打抜位置へと移動する。これにより、キャビティ７６内の樹脂Ｒの一部ｒが第１の入れ子穴６８に突き出され、打ち抜きが完了する（図１３）。また、これと同時にカッター９０がゲートに突き出されることにより、ゲートカットも完了する。打ち抜きの完了直後では、入れ子７０はスライド板９２の第２の入れ子穴９６の方にスライド移動している（図１４）。

　打ち抜きピン８６が樹脂Ｒを打ち抜くとき、固定金型６２が開方向に移動することは、可動金型６４によって抑制されている。また、閉方向に移動することは、固定金型６２と取付板３６との間の隙間８０を埋めるように差し込まれたスライド板９２によって抑制されている。したがって、本実施の形態によれば、パーティングロック７４の連結力を上回る力で打ち抜きピン８６が樹脂Ｒを打ち抜いたとしても、その力によって金型１６が開くことはなく、可動金型６４と固定金型６２との連結は維持される。このように、本実施の形態によれば、打ち抜き工程を信頼性よく行うことが可能である。

　樹脂Ｒを打ち抜いた打ち抜きピン８６は、その後のｔ_５－ｔ_６の時間帯において、スライド板９２の抜出を阻害しない位置（打抜保持位置）まで一旦後退する。

　なお、図１０を参照すると分かるように、打ち抜きステップは、スライド板９２が所定の差込完了位置に到達する前に開始することが可能である。これは、エジェクタプレート８２Ａを突き出し方向に移動させる速度とスライド板９２を差し込む速度との兼ね合いにより、スライド板９２が所定の差込完了位置に到達するのとほぼ同時に打ち抜きが行われるようにすることで実現可能である。

　図１５は、型開きステップおよび抜出制御ステップを説明するための第１の図である。

　型開きステップは、金型１６を開くステップである。本ステップは金型開閉部１１４により実行される。より具体的に、金型開閉部１１４は、図１０のｔ_６－ｔ_７の時間帯において型締装置１４を制御することにより、パーティングロック７４の連結力を上回る力で可動プラテン２８を開方向に引っ張る。これにより、可動プラテン２８は金型１６が開かれる位置である型開き位置（図１０）へと移動し、金型１６は開かれる。

　抜出制御ステップは、打ち抜きステップの後、スライド板９２を隙間８０から抜き出すステップである。本ステップは差込部材制御部１１６により実行される。抜出制御ステップは、型開きステップと並行して行うことができる（図１０）。

図１６Ａは、型開きステップおよび抜出制御ステップを説明するための第２の図である。図１６Ｂは、型開きステップおよび抜出制御ステップを説明するための第３の図である。視点は、いずれも図３の視点と同様の視点である。

　抜出制御ステップでは、スライド板９２を抜き出し方向にスライドさせる。このとき、入れ子７０は、第２の入れ子穴９６に付与された前述のスロープ形状により、スライド板９２が抜き出し方向にスライドすることに伴って、固定金型６２の方へと押し返される（図１６Ｂ）。そして、スライド板９２をさらに抜き出すことにより、第２の入れ子穴９６から出て図３に示した状態へと戻ることができる。

　さらに、型開きステップおよび抜出制御ステップが行われる時間帯（ｔ_６－ｔ_７）では、判定部１２０による抜出判定ステップも行われる。抜出判定ステップは、スライド板９２が所定の抜出判定位置に到達したか否かを判定するステップである。この判定は、前述の通り、第２の位置取得部１２６から第２の信号が判定部１２０に入力されたか否かに基づくことで実現可能である。

　図１７は、突き出しステップを説明するための図である。

　スライド板９２が所定の抜出判定位置に到達したと判定されると、突き出しステップが実行される。突き出しステップは、前述の突き出し工程を実行するステップであって、打ち抜きステップと同様に、突出し制御部１２２により実行される。突き出しステップを実行することにより、金型１６から成形品を容易に取り出すことができる（図１７）。

　突き出しステップが実行される時間帯は、図１０のｔ_８－ｔ_９の時間帯である。図１０を参照すると分かるように、突き出しステップは、スライド板９２が所定の抜出完了位置（差込開始位置）に到達する前、且つ可動プラテン２８が型開き位置に到達する前に開始することが可能である。これは、エジェクタプレート８２Ｂを突き出し方向に移動させる速度とスライド板９２を抜き出す速度との兼ね合いにより実現される。すなわち、スライド板９２が所定の抜出完了位置に到達するのとほぼ同時に型開きが完了すると共に成形品の突き出しが行われるようにすることで、実現可能である。ただし、突き出しステップは、金型１６が開いた後、すなわち図１０の可動プラテン２８が型開き位置に到達したｔ_７以降に開始しても構わない。

　以上の制御方法によれば、打ち抜き工程を信頼性よく行うことが可能である。また、突き出しステップまで完了した後は、金型１６を閉じることにより、再びキャビティ７６に樹脂Ｒを充填可能な状態にすることができる。つまり、以上の制御方法は、いわゆる成形サイクルの一部として適用することができるものであり、その制御方法を実行する制御装置１０２は、良質な成形品の効率的な量産に貢献するものである。

　［変形例］
　以上、本発明の一例として実施の形態が説明された。実施の形態には、多様な変更または改良を加えることが可能である。また、その様な変更または改良を加えた形態が本発明の技術的範囲に含まれ得ることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。

　（変形例１）
　実施の形態では、第１の位置取得部１２４が取得するスライド板９２の位置に基づいて隙間８０にスライド板９２が差し込まれたか否かを判定部１２０が判定する構成を説明した。しかしながら、制御装置１０２の構成はこれに限定されない。

　例えば、隙間８０に対するスライド板９２の差込み速度が分かっていれば、スライド板９２の差込みが開始してからの経過時間に基づくことでも、差込みが完了したか否かを判断することが可能である。すなわち、制御装置１０２の差込部材制御部１１６は、スライド部材を第１の速度で隙間８０に差し込んでもよい。そしてその場合、判定部１２０は、スライド板９２の差込みが開始した後、第１の所定時間が経過したか否かに基づいて、スライド板９２が差し込まれたか否かを判定してもよい。なお、経過時間の計測は、演算部１１０によってタイマ機能を実現することで容易に達成可能である。

　これにより、実施の形態と同様に、打ち抜き工程を信頼性よく行う射出成形機１０の制御装置１０２および制御方法が提供される。また、本変形例の構成の場合、第１の位置取得部１２４を制御装置１０２の構成から省略することができる。

　（変形例２）
　実施の形態では、第２の位置取得部１２６が取得するスライド板９２の位置に基づいて隙間８０からスライド板９２が抜き出されたか否かを判定部１２０が判定する構成を説明した。しかしながら、制御装置１０２の構成はこれに限定されない。

　例えば、隙間８０に対するスライド板９２の抜出速度が分かっていれば、スライド板９２の抜出が開始してからの経過時間に基づくことでも、抜出が完了したか否かを判断することが可能である。すなわち、制御装置１０２の差込部材制御部１１６は、スライド部材を第２の速度で隙間８０から抜き出してもよい。そしてその場合、判定部１２０は、スライド板９２の抜き出しが開始した後、第２の所定時間が経過したか否かに基づいて、スライド板９２が抜き出されたか否かを判定してもよい。なお、経過時間の計測は、変形例１と同様に、演算部１１０によってタイマ機能を実現することで容易に達成可能である。

　これにより、実施の形態と同様に、打ち抜き工程を信頼性よく行う射出成形機１０の制御装置１０２および制御方法が提供される。また、本変形例の構成の場合、第２の位置取得部１２６を制御装置１０２の構成から省略することができる。

　（変形例３）
　図１８は、変形例３の差込部材９２’を説明するための構成図である。

　差込部材９２は、第２の入れ子穴９６が形成されたスライド板に限定されない。その一例を図１８に例示する。なお、本変形例の差込部材９２を、便宜的に差込部材９２’とも記載する。

　例示の差込部材９２’は、開閉方向を長手とする円柱状または角柱状の部材であって、第１の入れ子穴６８に開閉方向で隣接しないように隙間８０に差し込まれる。本変形例では、図１８のように、差込部材９２’を２つ用意し、第１の入れ子穴６８に対して重力方向の一方側（上側）と他方側（下側）とのそれぞれに差し込む。これにより、隙間８０に差し込まれたときに固定金型６２および取付板３６から受ける押圧力が２つの差込部材９２’の各々に分散されるようになり、差込部材９２’が押圧力によって歪むおそれを低減することができる。

　図１９は、変形例３の差込部材９２’を隙間８０に差し込んだ状態を示す図である。

　本変形例では、実施の形態とは異なり、差込部材９２’を差し込むことにより、隙間８０を埋めることが防止される。なお、本変形例では、入れ子７０を取付板３６に設けている。また、図３に例示した第１の入れ子穴６８の中央部６８ｃは、本変形例においては開方向側６８ａと同等の幅であり、第１の入れ子穴６８に対する入れ子７０の挿抜を許容する。したがって、差込部材９２’が隙間８０に差し込まれている間においては、第１の入れ子穴６８は隙間８０に連通した状態が維持される。

　図２０は、変形例３の打ち抜き工程を説明するための図である。

　図２０には、隙間８０に差込部材９２’を差し込んだ状態で打ち抜きピン８６を突き出したときの様子が例示されている。打ち抜きピン８６を突き出したときに固定金型６２が開方向に移動することは可動金型６４によって抑制され、閉方向に移動することは差込部材９２’によって抑制されている点は実施の形態と同様である。このため、本変形例においても打ち抜き工程を信頼性よく行うことが可能である。

　このように、第２の入れ子穴９６が形成されていない差込部材９２’によってでも、打ち抜き工程を信頼性よく行うことが可能である。打ち抜いた樹脂Ｒの一部ｒは、型開き時に排出される。

　なお、図１８で例示した差込部材９２’は開閉方向を長手とする柱状の部材であったが、差込部材９２’の構成はこれに限定されない。差込部材９２’は、例えばブロック形状の部材であってもよいし、板状の部材であってもよい。

　また、図１９では、図１８の状態から重力方向に沿って差込部材９２’を差し込んだが、差込部材９２’の挿抜時のスライド方向は、実施の形態の差込部材９２と同様に、重力方向に限定されない。

　また、図１８では差込部材９２’が２つ設けられた構成を例示したが、本変形例の構成はこれに限定されない。例えば、開閉方向に貫通した開口を有する筒状の部材を隙間８０に対して挿抜してもよい。

　（変形例４）
　図２１は、スライド板９２の第４の構成例である。以下、便宜的に、図２１のスライド板９２をスライド板９２’’とも記載する。

　実施の形態では成形品に穴を形成する射出成形機１０の構成を説明したが、実施の形態は、成形品に切欠きを形成する場合にも適用可能である。その場合には、スライド板９２’’には、図２１に示すように、成形品に切欠きを形成するための第２の入れ子穴９６（以下、「第２の入れ子穴９６’」）が設けられる。打ち抜き工程において、第２の入れ子穴９６’に向かって打ち抜きピン８６を突き出すことにより、成形品に切欠きを形成することが可能である。

　なお、スライド板９２’’の構成は、図２１に例示した構成に限定されない。すなわち、スライド板９２’’には、図２１のように成形品に穴を形成するための第２の入れ子穴９６と、切欠きを形成するための第２の入れ子穴９６（９６’）との両方が設けられてもよいし、どちらかのみが設けられてもよい。

　（変形例５）
　実施の形態および前述の各変形例は、矛盾が生じない範囲内で適宜組み合わされてもよい。

　［実施の形態から得られる発明］
　上記実施の形態および変形例から把握しうる発明について、以下に記載する。

　＜第１の発明＞
　第１の入れ子穴（６８）が設けられた固定金型（６２）と、前記固定金型（６２）と共にキャビティ（７６）を形成する可動金型（６４）と、を有し、前記固定金型（６２）と前記可動金型（６４）とを互いに離接させることで開閉する金型（１６）を備える射出成形機（１０）の制御装置（１０２）であって、前記射出成形機（１０）は、前記可動金型（６４）を支持し、前記金型（１６）の開閉方向に沿って移動することで前記可動金型（６４）を前記固定金型（６２）に対して離接させる可動プラテン（２８）と、前記固定金型（６２）を支持する固定プラテン（３２）と、前記可動プラテン（２８）が前記金型（１６）の閉方向に動くときに前記固定金型（６２）と前記可動金型（６４）とを連結し、前記金型（１６）が開くときに連結を解除するパーティングロック（７４）と、前記固定プラテン（３２）に前記固定金型（６２）を取り付ける取付板（３６）と、穴および切欠きの少なくとも一方を有する成形品を成形するために、前記キャビティ（７６）内の樹脂（Ｒ）の一部（ｒ）を前記第１の入れ子穴（６８）を介して前記取付板（３６）の方に向かって打ち抜くように突き出される打ち抜きピン（８６）と、前記固定金型（６２）と前記取付板（３６）との間に挿入する差込部材（９２）と、を備え、前記制御装置（１０２）は、前記金型（１６）が閉じた状態から前記固定金型（６２）を前記可動金型（６４）と一体的に前記金型（１６）の開方向に移動させることにより、前記固定金型（６２）と前記取付板（３６）との間に隙間（８０）を空ける金型開閉部（１１４）と、前記差込部材（９２）を前記隙間（８０）に差し込む差込部材制御部（１１６）と、前記隙間（８０）に前記差込部材（９２）が差し込まれたか否かを判定する判定部（１２０）と、前記隙間（８０）に前記差込部材（９２）が差し込まれたと判定された場合に前記打ち抜きピン（８６）を突き出す突出し制御部（１２２）と、を備える。

　これにより、打ち抜き工程を信頼性よく行う射出成形機（１０）の制御装置（１０２）が提供される。

　前記差込部材制御部（１１６）は、前記差込部材を第１の速度で前記隙間（８０）に差し込み、前記判定部（１２０）は、前記差込部材（９２）の差し込みが開始した後、第１の所定時間が経過したか否かに基づいて、前記差込部材（９２）が差し込まれたか否かを判定してもよい。これにより、第１の位置取得部（１２４）を制御装置（１０２）の構成から省略することができる。

　前記差込部材（９２）の差し込み方向での位置を取得する第１の位置取得部（１２４）をさらに備え、前記判定部（１２０）は、前記第１の位置取得部（１２４）が取得する前記差込部材（９２）の位置に基づいて、前記差込部材（９２）が差し込まれたか否かを判定してもよい。これにより、差込部材（９２）が所定の差込判定位置に到達したことが容易に把握される。

　前記差込部材制御部（１１６）は、前記打ち抜きピン（８６）が突き出された後、前記差込部材（９２）を前記隙間（８０）から抜き出し、前記金型開閉部（１１４）は、前記差込部材（９２）の抜き出しが開始した後、前記可動金型（６４）を前記固定金型（６２）から離すことで前記金型（１６）を開いてもよい。これにより、金型（１６）から成形品を取り出すことが可能となる。

　前記射出成形機（１０）は、前記金型（１６）から前記成形品を突き出して取り出すためのエジェクタピン（８８）をさらに備え、前記判定部（１２０）は、前記差込部材（９２）の抜き出しが開始した後、前記隙間（８０）から前記差込部材（９２）が抜き出されたか否かをさらに判定し、前記突出し制御部（１２２）は、前記隙間（８０）から前記差込部材（９２）が抜き出されたと判定された場合に前記エジェクタピン（８８）を突き出すことにより、前記金型（１６）から成形品を取り出してもよい。これにより、成形品を容易に取り出すことが可能となる。

　前記差込部材制御部（１１６）は、前記差込部材を第２の速度で前記隙間（８０）から抜き出し、前記判定部（１２０）は、前記差込部材（９２）の抜き出しが開始した後、第２の所定時間が経過したか否かに基づいて、前記差込部材（９２）が抜き出されたか否かを判定してもよい。これにより、第２の位置取得部（１２６）を制御装置（１０２）の構成から省略することができる。

　前記差込部材（９２）の抜き出し方向での位置を取得する第２の位置取得部（１２６）をさらに備え、前記判定部（１２０）は、前記第２の位置取得部（１２６）が取得する前記差込部材（９２）の位置に基づいて、前記差込部材（９２）が抜き出されたか否かを判定してもよい。これにより、差込部材（９２）が所定の抜出判定位置に到達したことが容易に把握される。

　前記射出成形機（１０）は、前記金型（１６）のゲートを遮断するカッター（９０）をさらに備え、前記突出し制御部（１２２）は、前記隙間（８０）に前記差込部材（９２）が差し込まれたと判定された場合に、前記カッター（９０）を前記打ち抜きピン（８６）と共に突き出すことでゲートカットを行ってもよい。これにより、ゲートカットを効率的に行うことが可能となる。

　前記固定金型（６２）は、前記第１の入れ子穴（６８）を挿通する入れ子（７０）をさらに備え、前記差込部材（９２）は、前記打ち抜きピン（８６）による前記取付板（３６）の方への前記入れ子（７０）および前記樹脂（Ｒ）の一部（ｒ）の押し出しを許容する第２の入れ子穴（９６）を有する板状の部材であって、前記差込部材制御部（１１６）は、前記差込部材（９２）を前記隙間（８０）に差し込むことにより、前記固定金型（６２）の前記第１の入れ子穴（６８）と前記差込部材（９２）の前記第２の入れ子穴（９６）とを前記打ち抜きピン（８６）の突き出し方向で隣接させてもよい。これにより、開閉方向で固定金型（６２）と差込部材（９２）との間に隙間（８０）がなくても、打ち抜き工程の際には入れ子（７０）が第２の入れ子穴（９６）内に移動することができるので、打ち抜き工程を行うことが可能となる。

　＜第２の発明＞
　第１の入れ子穴（６８）が設けられた固定金型（６２）と、前記固定金型（６２）と共にキャビティ（７６）を形成する可動金型（６４）と、を有し、前記固定金型（６２）と前記可動金型（６４）とを互いに離接させることで開閉する金型（１６）を備える射出成形機（１０）の制御方法であって、前記射出成形機（１０）は、前記可動金型（６４）を支持し、前記金型（１６）の開閉方向に沿って移動することで前記可動金型（６４）を前記固定金型（６２）に対して離接させる可動プラテン（２８）と、前記固定金型（６２）を支持する固定プラテン（３２）と、前記可動プラテン（２８）が前記金型（１６）の閉方向に動くときに前記固定金型（６２）と前記可動金型（６４）とを連結し、前記金型（１６）が開くときに連結を解除するパーティングロック（７４）と、前記固定プラテン（３２）に前記固定金型（６２）を取り付ける取付板（３６）と、穴および切欠きの少なくとも一方を有する成形品を成形するために、前記キャビティ（７６）内の樹脂（Ｒ）の一部（ｒ）を前記第１の入れ子穴（６８）を介して前記取付板（３６）の方に向かって打ち抜くように突き出される打ち抜きピン（８６）と、前記固定金型（６２）と前記取付板（３６）との間に挿入する差込部材（９２）と、を備え、前記制御方法は、前記金型（１６）が閉じた状態から前記固定金型（６２）を前記可動金型（６４）と一体的に前記金型（１６）の開方向に移動させることにより、前記固定金型（６２）と前記取付板（３６）との間に隙間（８０）を空ける隙間開放ステップと、前記差込部材（９２）を前記隙間（８０）に差し込む差込制御ステップと、前記隙間（８０）に前記差込部材（９２）が差し込まれたか否かを判定する差込判定ステップと、前記隙間（８０）に前記差込部材（９２）が差し込まれたと判定された場合に前記打ち抜きピン（８６）を突き出す打ち抜きステップと、を含む。

　これにより、打ち抜き工程を信頼性よく行う射出成形機（１０）の制御方法が提供される。

Claims

　第１の入れ子穴（６８）が設けられた固定金型（６２）と、前記固定金型と共にキャビティ（７６）を形成する可動金型（６４）と、を有し、前記固定金型と前記可動金型とを互いに離接させることで開閉する金型（１６）を備える射出成形機（１０）の制御装置（１０２）であって、
　前記射出成形機は、
　前記可動金型を支持し、前記金型の開閉方向に沿って移動することで前記可動金型を前記固定金型に対して離接させる可動プラテン（２８）と、
　前記固定金型を支持する固定プラテン（３２）と、
　前記可動プラテンが前記金型の閉方向に動くときに前記固定金型と前記可動金型とを連結し、前記金型が開くときに連結を解除するパーティングロック（７４）と、
　前記固定プラテンに前記固定金型を取り付ける取付板（３６）と、
　穴および切欠きの少なくとも一方を有する成形品を成形するために、前記キャビティ内の樹脂（Ｒ）の一部（ｒ）を前記第１の入れ子穴を介して前記取付板の方に向かって打ち抜くように突き出される打ち抜きピン（８６）と、
　前記固定金型と前記取付板との間に挿入される差込部材（９２）と、
　を備え、
　前記制御装置は、
　前記金型が閉じた状態から前記固定金型を前記可動金型と一体的に前記金型の開方向に移動させることにより、前記固定金型と前記取付板との間に隙間（８０）を空ける金型開閉部（１１４）と、
　前記差込部材を前記隙間に差し込む差込部材制御部（１１６）と、
　前記隙間に前記差込部材が差し込まれたか否かを判定する判定部（１２０）と、
　前記隙間に前記差込部材が差し込まれたと判定された場合に前記打ち抜きピンを突き出す突出し制御部（１２２）と、
　を備える、射出成形機の制御装置。
　請求項１に記載の射出成形機の制御装置であって、
　前記差込部材制御部は、前記差込部材を第１の速度で前記隙間に差し込み、
　前記判定部は、前記差込部材の差し込みが開始した後、第１の所定時間が経過したか否かに基づいて、前記差込部材が差し込まれたか否かを判定する、射出成形機の制御装置。
　請求項１に記載の射出成形機の制御装置であって、
　前記差込部材の差し込み方向での位置を取得する第１の位置取得部（１２４）をさらに備え、
　前記判定部は、前記第１の位置取得部が取得する前記差込部材の位置に基づいて、前記差込部材が差し込まれたか否かを判定する、射出成形機の制御装置。
　請求項１～３のいずれか１項に記載の射出成形機の制御装置であって、
　前記差込部材制御部は、前記打ち抜きピンが突き出された後、前記差込部材を前記隙間から抜き出し、
　前記金型開閉部は、前記差込部材の抜き出しが開始した後、前記可動金型を前記固定金型から離すことで前記金型を開く、射出成形機の制御装置。
　請求項４に記載の射出成形機の制御装置であって、
　前記射出成形機は、前記金型から前記成形品を突き出して取り出すためのエジェクタピン（８８）をさらに備え、
　前記判定部は、前記差込部材の抜き出しが開始した後、前記隙間から前記差込部材が抜き出されたか否かをさらに判定し、
　前記突出し制御部は、前記隙間から前記差込部材が抜き出されたと判定された場合に前記エジェクタピンを突き出すことにより、前記金型から前記成形品を取り出す、射出成形機の制御装置。
　請求項５に記載の射出成形機の制御装置であって、
　前記差込部材制御部は、前記差込部材を第２の速度で前記隙間から抜き出し、
　前記判定部は、前記差込部材の抜き出しが開始した後、第２の所定時間が経過したか否かに基づいて、前記差込部材が抜き出されたか否かを判定する、射出成形機の制御装置。
　請求項５に記載の射出成形機の制御装置であって、
　前記差込部材の抜き出し方向での位置を取得する第２の位置取得部（１２６）をさらに備え、
　前記判定部は、前記第２の位置取得部が取得する前記差込部材の位置に基づいて、前記差込部材が抜き出されたか否かを判定する、射出成形機の制御装置。
　請求項１～７のいずれか１項に記載の射出成形機の制御装置であって、
　前記射出成形機は、前記金型のゲートを遮断するカッター（９０）をさらに備え、
　前記突出し制御部は、
　前記隙間に前記差込部材が差し込まれたと判定された場合に、前記カッターを前記打ち抜きピンと共に突き出すことでゲートカットを行う、射出成形機の制御装置。
　請求項１～８のいずれか１項に記載の射出成形機の制御装置であって、
前記固定金型は、前記第１の入れ子穴を挿通する入れ子（７０）をさらに備え、
前記差込部材は、前記打ち抜きピンによる前記取付板の方への前記入れ子および前記樹脂の一部の押し出しを許容する第２の入れ子穴（９６）を有する板状の部材であって、
前記差込部材制御部は、
前記差込部材を前記隙間に差し込むことにより、前記固定金型の前記第１の入れ子穴と前記差込部材の前記第２の入れ子穴とを前記打ち抜きピンの突き出し方向で隣接させる、射出成形機の制御装置。
　第１の入れ子穴（６８）が設けられた固定金型（６２）と、前記固定金型と共にキャビティ（７６）を形成する可動金型（６４）と、を有し、前記固定金型と前記可動金型とを互いに離接させることで開閉する金型（１６）を備える射出成形機（１０）の制御方法であって、
　前記射出成形機は、
　前記可動金型を支持し、前記金型の開閉方向に沿って移動することで前記可動金型を前記固定金型に対して離接させる可動プラテン（２８）と、
　前記固定金型を支持する固定プラテン（３２）と、
　前記可動プラテンが前記金型の閉方向に動くときに前記固定金型と前記可動金型とを連結し、前記金型が開くときに連結を解除するパーティングロック（７４）と、
　前記固定プラテンに前記固定金型を取り付ける取付板（３６）と、
　穴および切欠きの少なくとも一方を有する成形品を成形するために、前記キャビティ内の樹脂（Ｒ）の一部（ｒ）を前記第１の入れ子穴を介して前記取付板の方に向かって打ち抜くように突き出される打ち抜きピン（８６）と、
　前記固定金型と前記取付板との間に挿入される差込部材（９２）と、
　を備え、
　前記制御方法は、
　前記金型が閉じた状態から前記固定金型を前記可動金型と一体的に前記金型の開方向に移動させることにより、前記固定金型と前記取付板との間に隙間を空ける隙間開放ステップと、
　前記差込部材を前記隙間に差し込む差込制御ステップと、
　前記隙間に前記差込部材が差し込まれたか否かを判定する差込判定ステップと、
　前記隙間に前記差込部材が差し込まれたと判定された場合に前記打ち抜きピンを突き出す打ち抜きステップと、
　を含む、射出成形機の制御方法。