WO2021009994A1 - ケア情報送信装置、および制御プログラム - Google Patents

Abstract

データ化したケア記録を容易に家族に提供する。　ケア情報送信システム１０は、第１種ＩＤによるアクセスにより受け付けた情報であって、ケア対象者の第２種ＩＤに関連付けられた関連情報を登録する記憶部１３と、第２種ＩＤに関連付けられた第３種ＩＤによるアクセスを受け付けた場合に、記憶部１３から、第３種ＩＤに関連付けられた第２種ＩＤに関する関連情報を抽出する制御部１１と、抽出した関連情報を、第３種ＩＤによるアクセスへの応答として、送信する送信部１２２と、を備え、制御部１２は、受付部１２１が受け付けたケア記録を日付に対応づけて、記憶部１３に登録し、ケア対象者の第２種の識別情報に関連付けられた第３種の識別情報にケア記録を公開し、かつ、送信部１２２により第３種の識別情報のユーザーに向けて、ケア記録を公開した旨を通知する。

Description

ケア情報送信装置、および制御プログラム

　本発明はケア情報送信装置、および制御プログラムに関する。特に、本発明は、ケア対象者へのケアを行う施設で行われたケア対象者のケア記録を取り扱うケア情報送信装置、および制御プログラムに関する。

　被介護者へのケアを行う施設（以下、介護施設という）では、スタッフは、被介護者のケアを行うだけでなく、様々な雑務に追われる。この雑務としては、被介護者の家族からの電話による、被介護者の状況に関する問い合わせがある。このような問い合わせに対しては、本来の業務を中断して、回答に必要な情報を調べたり、本来の業務が中断できない場合には、業務が一時的に終了したところで、再度、電話を掛けたりしなければならない。このようなことから、スタッフは問い合わせへの対応による負担増が問題となる。その一方で、被介護者の家族側は、スタッフへの妨げとなることを避けるため、問い合わせの電話を掛けるのをためらい、必要な情報を得られないという問題が生じる。

　近年、スマートフォン等の携帯端末を用いたチャットサービスが普及している。また、このチャットサービスでは、ＡＩを用いた自動対話プログラムにより、自動応答するチャットボットシステムがある（例えば特許文献１）。

　特許文献１に開示されたようなチャットボットシステムを、適用することで、被介護者の家族からの問い合わせに関する問題を解決することができる。

特開２００９－３５３３号公報

　また、ケア施設では家族に提供するコンテンツとして、ケア対象者のケア記録があり、これによりケア対象者の状況を日々確認したいという要望がある。本願は、このような状況を鑑み、データ化したケア記録を容易に、家族に提供できるようにするケア情報送信システム、および制御プログラムを提供することを目的とする。

　本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。

　（１）ネットワークを介したアクセスを受け付ける受付部と、
　前記受付部により、第１種の識別情報によるアクセスにより受け付けた情報であって、ケア対象者の第２種の識別情報に関連付けられた関連情報を登録する記憶部と、
　前記受付部により、前記第２種の識別情報に関連付けられた第３種の識別情報によるアクセスを受け付けた場合に、前記記憶部から、前記第３種の識別情報に関連付けられた前記第２種の識別情報に関する前記関連情報を抽出する制御部と、
　抽出した前記関連情報を、前記第３種の識別情報によるアクセスへの応答として、送信する送信部と、を備え、
　前記受付部は、日付に関連付けた、前記ケア対象者のケア記録を受け付け、
　前記制御部は、前記関連情報として、前記受付部が受け付けた前記ケア記録を前記日付に対応づけて、前記記憶部に登録し、前記ケア対象者の前記第２種の識別情報に関連付け
られた前記第３種の識別情報に前記ケア記録を公開し、かつ、前記送信部により前記第３種の識別情報のユーザーに向けて、前記ケア記録を公開した旨を通知する、
ケア情報送信システム。

　（２）前記受付部は、前記ケア記録に対する公開要求を受け付け、
　前記制御部は、前記公開要求を受け付けることに応じて、前記ケア記録の公開、および通知を行う、上記（１）に記載のケア情報送信システム。

　（３）前記通知は、前記第３種の識別情報のユーザーに対する通知メッセージにより行う、上記（１）、または上記（２）記載のケア情報送信システム。

　（４）前記送信部は、予め設定した通知時刻に前記通知メッセージを送信する、上記（３）に記載のケア情報送信システム。

　（５）前記受付部により、前記第３種の識別情報によるアクセスを通じて、公開した前記ケア記録の送信要求を受け付けた場合に、
　前記制御部は、前記送信部により前記ケア記録を、前記第３種の識別情報のユーザーに送信する、上記（１）から上記（４）のいずれかに記載のケア情報送信システム。

　（６）前記記憶部に登録される前記ケア記録は、ケア記録シートを読み取って得られた読取画像データであり、
　１つのファイルに複数のケア対象者に関する情報が記録されているケア記録の場合は、
　前記制御部が、前記ケア対象者の前記第２種の識別情報に関連付けられた前記第３種の識別情報に向けて公開する前記ケア記録は、該ケア対象者以外の他のケア対象者のケア情報がマスクされている、上記（１）から上記（５）のいずれかに記載のケア情報送信システム。

　（７）前記記憶部に登録される前記ケア記録は、ケア記録シートを読み取って得られた読取画像データであり、
　１つのファイルに複数の日に行われたケア対象者に関する情報が記録されているケア記録の場合は、
　前記制御部が公開する前記ケア記録は、前記ケア記録に関連付けられた日付に対応する日以外のケア情報がマスクされている、上記（１）から上記（６）のいずれかに記載のケア情報送信システム。

　（８）前記記憶部に登録される前記ケア記録は、ケア記録シートを読み取って得られた読取画像データであり、
　前記制御部が、前記ケア対象者の前記第２種の識別情報に関連付けられた前記第３種の識別情報に向けて公開する前記ケア記録は、該ケア対象者以外の他のケア対象者を特定する個人情報がマスクされている、上記（１）から上記（７）のいずれかに記載のケア情報送信システム。

　（９）前記第１種の識別情報は、前記ケア対象者にケアを行う施設の識別情報であり、
　前記第３種の識別情報は、前記ケア対象者の家族の識別情報である、上記（１）から上記（８）いずれかに記載のケア情報送信システム。

　（１０）前記受付部は、前記施設に居る複数の前記ケア対象者に関する前記ケア記録の一括登録を受け付ける、上記（９）に記載のケア情報送信システム。

　（１１）ネットワークを介したアクセスを受け付ける受付部と、
　送信部と、を備えるケア情報送信システムを制御する制御プログラムであって、
　前記受付部により、第１種の識別情報によるアクセスにより受け付けた情報であって、ケア対象者の第２種の識別情報に関連付けられた関連情報を記憶部に登録するステップ（ａ）と、
　前記受付部により、前記第２種の識別情報に関連付けられた第３種の識別情報によるアクセスを受け付けた場合に、前記記憶部から、前記第３種の識別情報に関連付けられた前記第２種の識別情報に関する前記関連情報を抽出するステップ（ｂ）と、
　抽出した前記関連情報を、前記第３種の識別情報によるアクセスへの応答として、送信するステップ（ｃ）と、を含み
　前記ステップ（ａ）では、日付に関連付けた、前記ケア対象者のケア記録を受け付け、受け付けた前記ケア記録を、前記関連情報として前記記憶部に登録し、
　さらに、前記ケア対象者の前記第２種の識別情報に関連付けられた前記第３種の識別情報にステップ（ａ）で登録した前記ケア記録を公開するとともに、前記第３種の識別情報のユーザーに向けて、前記ケア記録を公開した旨を通知するステップ（ｄ）を含む処理をコンピューターに実行させるための制御プログラム。

　（１２）前記処理は、さらに、前記受付部により前記ケア記録に対する公開要求を受け付けるステップ（ｅ）を含み、
　前記ステップ（ｄ）では、前記ステップ（ｅ）で前記公開要求を受け付けることに応じて、前記ケア記録の公開、および通知を行う、上記（１１）に記載の制御プログラム。

　（１３）前記ステップ（ｄ）では、前記第３種の識別情報のユーザーに対する通知メッセージにより行う、上記（１）、または上記（１２）に記載の制御プログラム。

　（１４）前記ステップ（ｄ）では、予め設定した通知時刻に前記通知メッセージを送信する、上記（１３）に記載の制御プログラム。

　（１５）前記処理は、さらに、前記受付部により前記第３種の識別情報によるアクセスを通じて、公開した前記ケア記録の送信要求を受け付けるステップ（ｆ）と、
　前記送信部により前記ケア記録を、前記第３種の識別情報のユーザーに送信するステップ（ｇ）と、を含む、上記（１１）から上記（１４）のいずれかに記載の制御プログラム。

　（１６）前記記憶部に登録される前記ケア記録は、ケア記録シートを読み取って得られた読取画像データであり、
　１つのファイルに複数のケア対象者に関する情報が記録されているケア記録の場合は、前記ステップ（ｄ）では、前記ケア対象者の前記第２種の識別情報に関連付けられた前記第３種の識別情報に向けて公開する前記ケア記録は、該ケア対象者以外の他のケア対象者のケア情報がマスクされている、上記（１１）から上記（１５）のいずれかに記載の制御プログラム。

　（１７）前記記憶部に登録される前記ケア記録は、ケア記録シートを読み取って得られた読取画像データであり、
　１つのファイルに複数の日に行われたケア対象者に関する情報が記録されているケア記録の場合は、前記ステップ（ｄ）で公開する前記ケア記録は、前記ケア記録に関連付けられた日付に対応する日以外のケア情報がマスクされている、上記（１１）から上記（１６）のいずれかに記載の制御プログラム。

　（１８）前記記憶部に登録される前記ケア記録は、ケア記録シートを読み取って得られた読取画像データであり、
　前記ステップ（ｄ）では、前記ケア対象者の前記第２種の識別情報に関連付けられた前記第３種の識別情報に向けて公開する前記ケア記録は、該ケア対象者以外の他のケア対象者を特定する個人情報がマスクされている、上記（１１）から上記（１７）のいずれかに記載の制御プログラム。

　（１９）前記第１種の識別情報は、前記ケア対象者にケアを行う施設の識別情報であり、
　前記第３種の識別情報は、前記ケア対象者の家族の識別情報である、上記（１１）から上記（１８）いずれかに記載の制御プログラム。

　（２０）前記ステップ（ａ）では、前記受付部は、前記施設に居る複数の前記ケア対象者に関する前記ケア記録の一括登録を受け付ける、上記（１９）に記載の制御プログラム。

　本発明に係るケア情報送信システムは、ネットワークを介したアクセスを受け付ける受付部と、受付部により、第１種の識別情報によるアクセスにより受け付けた情報であって、ケア対象者の第２種の識別情報に関連付けられた関連情報を登録する記憶部と、受付部により、第２種の識別情報に関連付けられた第３種の識別情報によるアクセスを受け付けた場合に、記憶部から、第３種の識別情報に関連付けられた第２種の識別情報に関する関連情報を抽出する制御部と、抽出した関連情報を、第３種の識別情報によるアクセスへの応答として、送信する送信部と、を備え、受付部は、日付に関連付けた、ケア対象者のケア記録を受け付け、制御部は、関連情報として、受付部が受け付けたケア記録を日付に対応づけて、記憶部に登録し、ケア対象者の第２種の識別情報に関連付けられた第３種の識別情報にケア記録を公開し、かつ、送信部により第３種の識別情報のユーザーに向けて、ケア記録を公開した旨を通知する。これにより、データ化したケア記録を、容易に家族に提供できる。

本発明の実施形態に係るケア情報送信システムの概要を示す図である。 ケア情報送信システムの概略構成を示すブロック図である。 ＩＤリストの例を示す図である。 ＩＤリストの例を示す図である。 第１の実施形態におけるケア情報送信処理を示す図である。 端末装置に表示されるファイル登録用の操作画面の例である。 端末装置に表示されるファイル登録用の操作画面の例である。 携帯端末に表示されるメッセージの例である。 第２の実施形態におけるケア情報送信処理を示す図である。 マスク処理を説明するための模式図である。 マスク処理を説明するための模式図である。 マスク処理を説明するための模式図である。 マスク処理を説明するための模式図である。 マスク処理を説明するための模式図である。

　以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。

　（全体構成）
　図１は本実施形態に係るケア情報送信システム１０の概要を示す図であり、図２はケア情報送信システム１０の概略構成を示すブロック図である。

　本実施形態に係るケア情報送信システム１０は、ケア施設として介護施設において、被介護者のコンテンツを管理し、被介護者の家族に対する応答を行う場合を例にして説明する。しかしながら本実施形態の適用範囲は、介護施設に限られない。ケア施設には、介護施設以外にも、病院、および幼稚園もしくは保育園等の預かりサービスを行う施設が含まれる。また、ケア対象者には、被介護者、入院患者、および幼稚園児もしくは保育園児が含まれ、ケアには、介護ケア、看護ケア、乳幼児への世話が含まれる。また、コンテンツとしてのケア記録には、これらのケアを記録した対応記録（ケア記録シート）として、介護記録シート、看護記録シート（カルテ、生活記録）、および保育スタッフが記録した乳幼児の家族への連絡帳が含まれる。

　図１に示すように、ケア情報送信システム１０、および複数の端末装置３０、４０は、ネットワークを通じて相互に通信接続する。ネットワークは、公衆電話網またはデータ通信網等の通信回線である。一部のネットワークでは、有線ＬＡＮや、無線ＬＡＮ等（例えばＩＥＥＥ８０２．１１規格に従ったＬＡＮ）を用いてもよい。

　以下において、施設（介護施設）には第１種の識別ＩＤ（第１種の識別情報）が、この施設の入居者（被介護者）には第２種の識別ＩＤ（第２種の識別情報）が、この入居者の家族には第３種の識別ＩＤ（第３種の識別情報）がそれぞれ付与される。これらの第１種から第３種の識別ＩＤは、ケア情報送信システム１０により管理される。また、第１種～第３種の識別ＩＤは、以下のおいては単に、第１種ＩＤ～第３種ＩＤといい、また、第１種ＩＤ～第３種ＩＤは、それぞれ施設ＩＤ、被介護者ＩＤ、家族ＩＤともいう。さらに、以下の例では、端末装置３０は第１種ＩＤ（施設ＩＤ）を用い、端末装置４０は第３種ＩＤ（家族ＩＤ）を用いて、ケア情報送信システム１０のサービスにアクセスする。

　端末装置３０１、３０２、…３０ｎ（以下、これらを総称して単に端末装置３０ともいう。端末装置４０も同様。）は、それぞれの介護施設用の端末装置であり、例えばＰＣ（パーソナルコンピューター）であり、通常は介護施設の内部に設置されるが、これに限られず施設外部に設置された端末を施設が管理するＩＤを用いるようにしてもよい。また、端末装置３０には、端末装置３０２のように、ネットワークに接続する複合機（ＭＦＰ）であってもよい。この場合、端末装置３０の機能は、複合機に組み込まれる。ここで被介護者とは、介護施設に入所している者であり、ケアスタッフ（以下、単にスタッフという）により日常的にケアが行われる。端末装置４０１、４０２は、この被介護者の家族が用いる端末であり、ＰＣ、またはスマートフォン等の携帯型の端末装置である。家族は、基本的には、被介護者、またはその家族からの申請により介護施設の管理業者により登録される。家族には、被介護者等によって事前に登録された親族またはその他の非血縁を含む関係者等が含まれてもよい。

　ケア情報送信システム１０は、介護施設のコンテンツの管理、およびメッセージを管理するサービス提供するロボットサーバー（以下、「ＢＯＴサーバー」ともいう）である。ケア情報送信システム１０の詳細、およびケア情報送信システム１０が管理する第１～第３種ＩＤについての詳細は後述する。

　図２に示すように、ケア情報送信システム１０は、制御部１１、通信部１２、第１記憶部１３、および第２記憶部１４を備える。第１記憶部１３、および第２記憶部１４は、いわゆるデータベースである。第１記憶部１３、および第２記憶部１４は、図２に示すようにケア情報送信システム１０に組み込まれてもよく、あるいは、ＣＰＵ、メモリ、通信部、等を備え、ケア情報送信システム１０とは独立した構成としてもよい。また、ケア情報
送信システム１０全体がインターネット等のネットワーク上に配置された複数のサーバーによって仮想的に構築されるクラウドサーバーであってもよい。

　（第１記憶部１３）
　第１記憶部１３では、介護施設に関するコンテンツの管理を行う。この関連情報としてのコンテンツには、ＩＤリスト、および介護情報（ケア情報）が含まれる。

　「ＩＤリスト」には、第１～第３種ＩＤ、およびこれらの相互の対応関係の情報が含まれる。図３、図４は、第１記憶部１３に記憶しているＩＤリストの例である。図３を参照すると、テーブル６１には、第１種ＩＤ（施設ＩＤ）と、施設名、および所在地との対応関係が記述されている。テーブル６２には、第２種ＩＤ（被介護者ＩＤ）と、氏名、および部屋番号との対応関係が記述されている。テーブル６３には、第３種ＩＤ（家族ＩＤ）と、氏名、連絡先、および属性との対応関係が記述されている。図４を参照すると、テーブル６４には、第１種ＩＤと第２種ＩＤとの対応関係が記述されている。また、テーブル６４にはユニット名（「１Ｆ東」）が記述されている。ここでユニットとは、施設内の同じフロア等、共通するエリアに居る複数の被介護者が所属する被介護者ユニット、およびこれらの被介護者ユニットを担当する複数のスタッフが所属するスタッフユニットである。また、テーブル６５には、第２種ＩＤと第３種ＩＤとの対応関係が記述されている。すなわち、第１記憶部１３には、第１種ＩＤ～第３種ＩＤの相互の対応関係が記憶されている。なお、これらのテーブルの項目は、あくまでも例示であり、いずれかの項目を省略してもよく、他の項目を追加してもよい。

　第１記憶部１３には、関連情報が記憶されている。この関連情報には、ケア記録シートの例として、介護記録シートを読み取って得られた画像データ（以下、「読取画像データ」という）、および介護情報（ケア情報）が含まれる。関連情報は、第１種ＩＤ（施設ＩＤ）によるアクセスにより受け付けた情報であり、第１種ＩＤ、および／または第２種ＩＤと関連付けて記憶されている。介護情報には、介護記録シートの読取画像データを文字認識処理（ＯＣＲ：Ｏｐｔｉｃａｌ　ｃｈａｒａｃｔｅｒ　ｒｅｃｏｇｎｉｔｉｏｎ））により得られたテキストデータから検出した介護に関する情報を含ませてもよい。さらに、介護施設の被介護者へのケアを行うスタッフ、スタッフのリーダー、または施設管理者（以下、これらを単に「スタッフ等」という）により、端末装置３０によりキー入力（手入力）された介護に関する情報を含んでもよい。

　（第２記憶部１４）
　第２記憶部１４では、第３種ＩＤ（家族ＩＤ）等によるアクセスに関連するメッセージの管理を行う。この管理の対象には、メッセージ履歴が含まれる。メッセージ履歴は第３種ＩＤ毎に管理される。これらについては後述する。

　（制御部１１）
　制御部１１は、各種の演算処理を実行するプロセッサー（ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ　Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ　Ｕｎｉｔ）、およびＧＰＵ（Ｇｒａｐｈｉｃｓ　Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ　Ｕｎｉｔ））、およびメモリにより構成される。制御部１１は、メモリに記憶されている制御プログラムに基づいてケア情報送信システム１０全体を制御する。制御部１１を、文字認識処理部１１１、およびマスク処理部１１２として機能させてもよい。

　文字認識処理部１１１は、介護記録シートの読取画像データに対して文字認識処理により、テキストデータを抽出して、介護記録をテキストデータ化する。この文字認識処理に際して、第１記憶部１３に記憶しているＩＤリスト（テーブル６１～６５）を用いるようにしてもよい。例えば、読取画像データを送信した施設の第１種ＩＤに関連する情報を、文字認識処理に利用する。例えば、第１種ＩＤにより、その施設に居る被介護者の第２種
ＩＤ、およびこれに関連する被介護者名等の情報が分かる。また、第１種ＩＤ毎に、その施設で用いる介護記録シートの定型フォーマットを予め、ケア情報送信システム１０側で取得し、第１記憶部１３に登録しておき、その定型フォーマットの画像データと、読取画像データの差分データから手書き等で、追記された情報を抽出するようにしてもよい。

　マスク処理部１１２は、文字認識処理部１１１により得られたテキストデータから、「介護情報」を検出するとともに、第３種の識別情報のユーザー（家族）に介護情報を開示する際に「支障となる情報」をマスクする。

　この「介護情報」には、ケアの種類、介護記録、ケアの対象の被介護者名（第２種ＩＤ）、ケアを担当したスタッフ名、ケアの対応時刻等が含まれる。また、制御部１１は、検出した介護情報のうち、第２種ＩＤと、介護記録を関連付けて第１記憶部１３に記憶させる。

　開示する際に、「支障となる情報」とは、介護記録シートの読取画像データに含まれる情報であり、不要な情報や、プライバシー上問題となる情報である。例えば、マスクする不要な情報としては、開示する日付以外の日の介護情報（後述の図１０Ａ～図１０Ｃ参照）である。例えば、マスクする不要な情報やプライバシー上問題となる情報としては、ユーザーの被介護者以外の他の被介護者の介護情報や、自由記述形式の介護記録シートにおいて、ある被介護者（Ａさん）と他の被介護者（Ｂさん）とのやりとりを記述した介護記録シートを、Ａさんの家族に開示する場合に、他の介護者を特定する情報（例えば氏名）である。具体的には、ＡさんとＢさんがトラブルになった場合に、そのことを、Ａさんの家族に報告するために、介護情報を開示する場合である。この場合、Ｂさんの個人情報（氏名等）はマスクされる。

　制御部１１は、メッセージ応答機能（チャット機能）を有し、端末装置４０による第３種ＩＤ（家族ＩＤ）を用いたアクセスにおける対話型メッセージの送受信を行う。制御部１１は、第３種ＩＤの家族からの端末装置４０によりキー入力されたメッセージ、または音声入力された音声データをテキスト変換したメッセージ内容を解析する。そして、制御部１１は、そのメッセージ内容に対する回答、またはメッセージ内容に対応する、介護記録情報、介護記録シートの読取画像データ、等の第２種ＩＤに関連するファイルデータ（関連情報）を、発信元の端末装置４０に送信（提供）する。このファイルデータは、第１記憶部１３に記憶されている介護記録シートの読取画像データ等のデータから生成され得る。

　このメッセージ応答機能は、予め質問文とそれに対する回答を準備したルールベースにより、実現してもよい。この場合、さらに、複数のメニューを表示する画面を提示し、その中から選択した項目により、応答を行うようにしてもよい。また、メッセージ履歴を第３種ＩＤ毎に管理し、応答に反映させるようにしてもよい。あるいは、この応答機能の一部、または全部を、ニューラルネットワーク等の学習済みモデルを用いたＡＩにより実現してもよい。これらの機能の一部、または全部を、商用事業者が提供するＢＯＴプラットフォームを利用することにより実現してもよい。

　（通信部１２）
　通信部１２は、ネットワークを介して、他の装置と通信する機能を有する。通信部１２は、受付部１２１、および送信部１２２として機能する。受付部１２１は、ネットワークを介して、他の装置からのアクセスを受け付ける。制御部１１は、受付部１２１と協働することで認証処理を行う。認証処理では、ユーザーが提供する、ＩＤ（第１種ＩＤ、および第３種ＩＤ、またはその他のユーザーＩＤ）、およびパスワード等のクレデンシャル情報を用いて、ケア情報送信システム１０の提供サービスへのログイン（アクセス）を許可
する。また送信部１２２は、アクセスへの応答として、後述する関連情報の送信、提供を行う。

　（ケア情報送信処理）
　（第１の実施形態）
　次に、図５から図７を参照し、第１の実施形態に係るケア情報送信システム１０により行われるケア情報送信処理について説明する。図５は、ケア情報送信システム１０のＢＯＴ機能によるケア情報送信処理を示す図である。

　（ステップＳ１）
　スタッフ等は、コンテンツの入力を行う。例えば、スタッフ等はスキャナー機能を有する複合機（ＭＦＰ）や、スキャナーを操作することで、介護記録シートの読み取りを行わせ、読取画像データを生成する。この介護記録シートは、例えば、予め印刷した定型フォーマットに対して、担当のスタッフが介護に関する情報を手書きで入力したものである。１つのファイルとして登録する介護記録シートに記録されている介護情報は、１人の被介護者の１日分の記録であることが好ましい。また、その介護記録シートは、１枚の用紙であることが好ましいが、２枚以上の介護記録シートを連続でスキャンすることで得られた読取画像データを１ファイルとしてもよい。なお、コンテンツとしては、この介護記録シートの読取画像データに限られない。例えば被介護者の状況を撮影した写真（画像データ）や、キー入力で作成したスプレッドシート形式の介護情報が含まれてもよい。このステップＳ１の処理は、例えば、日毎の介護記録シートであれば、その日の最後に、介護記録シートを用いてステップＳ１の処理を行う。

　（ステップＳ２、Ｓ３）
　介護記録シートの読取画像データ（例えばＪＰＥＧ形式、ＰＤＦ形式）等の介護情報のファイル（以下、単にコンテンツデータという）は、介護施設の端末装置３０の第１種ＩＤ（施設ＩＤ）を用いたアクセスにより、ケア情報送信システム１０に送信される。このとき、端末装置３０を操作するスタッフ等は、以下に示すような操作画面等を通じて、対応する被介護者名（または第２種ＩＤ）、および介護ケアを行った日付を、コンテンツデータに付与して、ケア情報送信システム１０に送信する（ステップＳ２）。以下においては、送信されたコンテンツデータに付与された被介護者名、および日付の情報を「属性情報」という。

　これを受けた、ケア情報送信システム１０の受付部１２１は、コンテンツデータを取得し、このコンテンツデータを、日付、被介護者の第２種ＩＤ、および送信元の端末装置３０の第１種ＩＤに関連付けて登録する。登録されたコンテンツデータは、関連情報としてコンテンツ管理用の第１記憶部１３に記憶される（ステップＳ３）。

　図６Ａ、図６Ｂは、端末装置３０に表示されるファイル登録用の操作画面の例であり、ケア情報送信システム１０が提供するｗｅｂ　ＡＰＩや、端末装置３０上で動作する入力用アプリケーションにより表示される。

　図６Ａの操作画面ｄ３１は、横方向に日付が、縦方向には、複数の被介護者名が並んでいる。操作画面ｄ３１にボタンｂ１１からｂ１７等の複数のボタンが配置されている。スタッフ等は、プルダウンのボタンｂ１１を操作することでユニットを選択できる。選択可能なユニットは、第１記憶部１３に予め登録されている介護施設（第１種の識別情報）毎のリストから抽出される。操作画面ｄ３１では、介護施設ｘのユニット（１Ｆ東）が選択され、このユニットに所属する被介護者名（Ａさん、Ｂさん、等）が一覧表示される。

　またスタッフ等は、日付、該当する被介護者名に対応するボタンｂ１２を選択すること
で、ファイル選択画面がポップアップし、そのポップアップ画面を通じて、読取画像データ等のファイルを登録できる。例えばボタンｂ１２を選択することで、日付６月１２日の、１０５号室Ｅさんに関するコンテンツデータを登録できる。登録するファイルは、日付、および被介護者の情報が付与されて、端末装置３０からケア情報送信システムに送信される。ファイルが登録済みであることは、ボタンｂ１２からボタンｂ１３のようにアイコンが変化することにより確認できる。また、１つの属性情報（被介護者名、日付）で複数のファイルを登録した場合には、ボタンｂ１４のようにその数を示す文字（「×２」）が付与されたアイコンになる。

　スタッフ等は、日付に対応する一括登録用のボタンｂ１５を選択する。これにより端末装置３０に表示は、図６Ｂに示す一括登録用の操作画面ｄ３２に遷移する。図６Ｂでは、スタッフ等は、ボタンｂ１５の日付６月１２に対応する介護記録シート、すなわち６月１２日に行われた複数の被介護者それぞれに対する介護情報のファイルを一括登録できる。操作画面ｄ３２では、領域ａ１内のボタンを操作することで、１０１号室Ａさんの介護記録シートの読取画像データ等のコンテンツデータを選択できる。スタッフ等は、複数の被介護者のコンテンツデータを選択した後に、ボタンｂ２１の登録ボタンを操作することで、選択された複数のファイルを一括で登録できる。登録する複数のファイルは、端末装置３０からケア情報送信システムにまとめて送信される。

　（ステップＳ４）
　ここでは、ケア情報送信システム１０の受付部１２１は、端末装置３０から、公開要求を受け付ける。具体的には、図６Ａの操作画面ｄ３１において、スタッフ等は、非公開状態を示す公開用のボタンｂ１６操作することで、各日付の登録ファイルの公開要求を行える。スタッフ等によりボタンｂ１６が操作されることに応じて、端末装置３０は、対応する日付６月１２日の複数のファイルに対する公開要求をケア情報送信システム１０に送信する。なお、公開要求は、操作画面ｄ３１の例のように日付毎に一斉に行うだけでなく被介護者毎に個別に行えるようにしてもよい。

　（ステップＳ５）
　ケア情報送信システム１０は、ステップＳ４で受付部１２１が受けた公開要求に応じて、コンテンツデータを公開状態にする。具体的には、コンテンツデータの被介護者（第２種ＩＤ）に関連付けられた第３種ＩＤのユーザー（家族）に対して、閲覧権限を付与して公開する。そしてこの公開処理にともない公開通知、すなわち第３種ＩＤのユーザーに対して公開した旨の通知を行う。

　具体的には、公開通知として、制御部１１は、公開要求の対象となる読取画像データ等のコンテンツデータに対応付けられている被介護者の第２種ＩＤを取得する。そして第１記憶部１３記憶しているリストを参照し、この第２種ＩＤに対応する第３種ＩＤ（家族ＩＤ）のユーザーに対して公開通知を行う。この公開通知先の第３種ＩＤは、第２種ＩＤ毎に予め登録されている。この登録は、被介護者の家族が複数であれば、その中で代表者（キーパーソン）を設定し、その代表者が公開通知先を設定変更できるようにしてもよい。

　なお、公開通知の処理は、端末装置３０からの公開要求を受けた場合に直ちに行うが、予め設定した時刻に行うようにしてもよい。例えば、図６Ａのボタンｂ１７により、第１種ＩＤによるアクセスを行うスタッフ等は、送信時刻（通知時刻）を設定できる。ケア情報送信システム１０は、その公開要求を受けた後に、その設定時刻になった時点で、公開通知を行うようにする。介護の現場では、スタッフ等は、２４時間の交代制で業務を行うため公開要求を夜中に行うような場合があり、その場合に、即時の公開通知の処理を行った場合には、家族に迷惑になる虞があるからである。また、昼間の一定の時刻（定時）に公開通知を行うことで、家族側では、公開されたコンテンツデータを見る機会が増えるか
らである。

　図７は、携帯端末（端末装置４０２）に表示されるメッセージの例である。端末装置４０２では、チャットアプリ（メッセージアプリ）が動作する。左側の操作画面ｄ４１では、ステップＳ５の公開通知に対応して、制御部１１のＢＯＴ機能により自動送信された通知メッセージの例である。この端末装置４０２は、被介護者Ａさんの家族が用いるものであり、表示されるメッセージには、「Ａ様の２０１ｘ年６月１２日の介護記録を公開しました。」とあり、被介護者名、および対象となる日付の情報が含まれる。

　（ステップＳ６）
　ここでは、被介護者の家族は、送信要求を行う。例えば図７の右側の操作画面ｄ４２のように、メッセージｍ１を送ることにより、被介護者の家族は、ケア情報送信システム１０に対する送信要求を行う。この送信要求のメッセージｍ１は、例えば、操作画面ｄ４１に送信要求ボタンを配置して、そのボタンを操作することで、送信要求のメッセージｍ１を送信できるようにしてもよい。

　（ステップＳ７）
　制御部１１は、送信部１２２により介護記録等のコンテンツデータを、第３種ＩＤのユーザー（家族）に送信し、提供する。操作画面ｄ４２では、コンテンツデータのファイルｆ１がサムネイルで表示されている。ユーザーは、サムネイル画像を操作することで、ファイルｆ１を閲覧できる。

　このように第１の実施形態に係るケア情報送信システムは、ネットワークを介したアクセスを受け付ける受付部と、受付部により、第１種の識別情報によるアクセスにより受け付けた情報であって、ケア対象者の第２種の識別情報に関連付けられた関連情報を登録する記憶部と、受付部により、第２種の識別情報に関連付けられた第３種の識別情報によるアクセスを受け付けた場合に、記憶部から、第３種の識別情報に関連付けられた第２種の識別情報に関する関連情報を抽出する制御部と、抽出した関連情報を、第３種の識別情報によるアクセスへの応答として、送信する送信部と、を備え、受付部は、日付に関連付けた、ケア対象者のケア記録を受け付け、制御部は、関連情報として、受付部が受け付けたケア記録を日付に対応づけて、記憶部に登録し、ケア対象者の第２種の識別情報に関連付けられた第３種の識別情報にケア記録を公開し、かつ、送信部により第３種の識別情報のユーザーに向けて、ケア記録を公開した旨を通知する。

　このような構成とすることで、データ化したケア記録を容易に家族に提供できるようになる。

　特に本実施形態では、ケア記録を、そのファイルの登録を行った第１種ＩＤによる公開要求に応じて、公開状態にするとともに、公開した旨の通知を行っている。すなわち、登録、公開の２段階で、公開を行う。これにより、ケア記録の誤配信を防止できる。

　また、携帯端末（端末装置４０２）上で動作するいわゆる、チャットアプリによる通知メッセージを通じてファイルを公開した旨の通知、およびそのファイルの送信要求の受け付けを行うことにより、通知を受けた第３種ＩＤを用いるユーザー（家族）は、容易にそのケア記録のファイルにアクセスできる。

　（第２の実施形態）
　次に図８から図１０Ｃを参照し、第２の実施形態について説明する。上述の第１の実施形態においては、１ファイル（１枚のケア記録シート）に記録されている介護情報は、１人の被介護者の１日の記録であった。そのため、特に被介護者の家族へ公開する際に「支
障となる情報」は含まれていなかった。第２の実施形態においては、以下に説明するように、１つのファイルに「支障となる情報」が含まれている場合に、その情報に対してマスク処理を行う。

　図８は、第２の実施形態におけるケア情報送信処理を示す図である。同図に示す処理は、図５に示すステップＳ３のコンテンツデータの登録処理のサブルーチン処理に相当する。この処理は、受け付けた全てのファイルにそれぞれに対して、実行される。

　（ステップＳ３１）
　ケア情報送信システム１０の受付部１２１は、スタッフ等による、端末装置３０の第１種の識別情報によるアクセスにより、ケア記録シートの読取データのファイルを受け付ける。

　（ステップＳ３２、Ｓ３３）
　制御部１１は、ステップＳ３１で受け付けた１つのファイル（１枚の介護記録シートに対応）に複数の被介護者の介護情報が含まれるか否かを判定する。そして複数の被介護者の情報が含まれていると判定した場合には（ＹＥＳ）、処理をステップＳ３３に進め、含まれていなければ（ＮＯ）、処理をステップＳ３４に進める。ステップＳ３３では、対象となるファイルの属性情報に対応しない、他の被介護者の介護情報に対してマスク処理を行う。

　これらの判定、およびマスク処理は、以下の手法のいずれか、または組み合わせにより行える。

　手法１（文字認識処理）：文字認識処理部１１１により、介護記録シートの読取画像データを解析し、それぞれの文に対して、いずれの被介護者を対象に記載された介護情報であるかを判定する。またこの判定に際し、第１記憶部１３に記憶されている施設毎の被介護者名リスト（テーブル６１～６４等）、および介護記録シートに対応する定型フォーマットのデータを参照するようにしてもよい。そして、他の被介護者の介護情報の記載部分に関してはマスク処理を行う。

　手法２（定型フォーマットによる判定処理）：施設毎、または施設のユニット毎に使用する介護記録シートの定型フォーマットに対応して、被介護者毎の記載領域を判別し、他の被介護者の記載領域に対してマスク処理を行う。

　図９Ａ、図９Ｂは、マスク処理を説明するための模式図である。図９Ａは、図５のステップＳ２の処理により受け付けて登録した、１つのファイルに対応する介護記録シートの読取画像データである。ステップＳ２で付与された、このファイルの属性情報としての被介護者名はＡさん（１０１号室）である。図９Ａ等に示す介護記録シートは、ケアを行うスタッフが使用し易いように、一人のスタッフが対応する被介護者の介護情報をまとめて１枚の介護記録シートに記録する際に用いるものである。

　図９Ａの例では、制御部１１のマスク処理部１１２は、主に上述の手法２により、マスク処理を行う。具体的には、制御部１１では、領域ａ１～ａ４はそれぞれ被介護者ＡさんからＤさんの記載領域であることを、施設ｘで使用する定型フォーマットの情報から把握する。そのため、マスク処理部１１２は、図９Ｂのように、属性情報に対応する被介護者（Ａさん）以外の被介護者（Ｂ、Ｃ、Ｄさん）の介護情報に対してマスク処理し、マスク処理後の公開用のファイルを生成する。

　（ステップＳ３４、Ｓ３５）
　ここでは、制御部１１は、１つのファイルに複数の所定期間、すなわち日付の介護情報が含まれるか否かを判定する。そして複数の日付の介護情報が含まれていると判定した場合には（ＹＥＳ）、処理をステップＳ３５に進め、含まれていなければ（ＮＯ）、処理をステップＳ３６に進める。ステップＳ３５では、対象となるファイルの属性情報に対応しない、他の日付に関する介護情報に対してマスク処理を行う。この判定、およびマスク処理は、上述の手法１、または手法１、２の組み合わせにより行える。

　図１０Ａ～図１０Ｃは、マスク処理を説明するための模式図である。図１０Ａは、図５のステップＳ２の処理により受け付けて登録した、１つのファイルに対応する介護記録シートの読取画像データである。ステップＳ２で付与された、このファイルの属性情報としての日付は、６月１２日である。図１０Ａ等に示す介護記録シートは、一人の被介護者への介護記録を、１週間分まとめて記録するものである。このような介護記録シートでは、１週間の最初の日には、他の日の介護情報は、記録されていないが、最終日には、７日分の介護情報が記録される。

　図１０Ａの例では、制御部１１のマスク処理部１１２は、上述の手法１、２により、マスク処理を行う。具体的には、制御部１１では、領域ａ５～ａ６はそれぞれ６月１０日～６月１２日の記載領域であることを、施設ｘで使用する定型フォーマットの情報、および文字認識したテキスト情報から把握する。これにより、マスク処理部１１２は、図１０Ｂのように、属性情報に対応する６月１２日以外の介護情報に対してマスク処理し、マスク処理後の公開用のファイルを生成する。なお、参考として、翌日に端末装置３０により同様の処理により送信された、属性情報が翌日の６月１３日のファイルについて、マスク処理部１１２がマスク処理を行った公開用のファイルを図１０Ｃに示す。

　（ステップＳ３６、Ｓ３７）
　ここでは、制御部１１は、登録の対象となるファイルに、他の被介護者の情報が含まれるか否かを判定する。例えば、業務日誌等の申し送り事項や、発生した状況を記録する自由記述のフォーマットの介護記録シートを用いる場合に、他の被介護者の情報が含まれる場合がある。例えば、被介護者Ａさんが、他の被介護者Ｂさんとの間で、口論した等の特記事項があり、それの内容が介護記録シートに記入されている場合である。この場合、Ａさんの介護記録に、他の被介護者Ｂさんの個人情報が含まれていることになる。この処理は、上述の手法１、または手法１、２の組み合わせにより行える。

　他の被介護者の介護情報が含まれていると判定した場合には（ＹＥＳ）、処理をステップＳ３７に進め、含まれていなければ（ＮＯ）、ステップＳ３７をスキップしてサブルーチン処理を終了する。ステップＳ３７では、対象となるファイルの属性情報に対応しない、他の被介護者を特定する個人情報に対してマスク処理を行い、マスク処理後の公開用のファイルを生成する。

　以上により、図８のサブルーチン処理を終了する。その後、ケア情報送信システム１０では、図５の処理を行う。すなわち、ケア情報送信システム１０は、当該サブルーチン処理で生成したマスク処理後の公開用のファイルを、公開し、ユーザー（家族）の送信要求に応じて提供する。

　このように、第２の実施形態に係るケア情報送信システム１０は、属性情報に対応しない、他の被介護者の介護情報、他の日付の介護情報、他の被介護者を特定する個人情報、等の支障となる情報が介護記録（ケア記録）に含まれている場合には、その情報をマスク処理して公開用のファイルを生成する。このようにすることで、支障となる情報が公開されることを未然に防ぐことが容易に可能となる。

　特にプライバシー保護の観点から他の被介護者の介護情報や、他の被介護者の個人情報が意図せずに公開されてしまうことを防げるとともに、他の日付の介護情報をマスクすることで、不要な情報を除いて開示できるので、ユーザー（家族）は見やすいという利点がある。

　以上に説明したケア情報送信システム１０の構成は、上述の実施形態の特徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、上述の構成に限られず、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。例えば、第１の実施形態においては、図２に示した構成の一部を省略してもよい。例えば、文字認識処理部１１１、またはマスク処理部１１２を省略してもよい。また、一般的なケア情報送信システム１０が備える構成を排除するものではない。

　（各変形例）
　上述の実施形態においては、受け付けるファイルの属性情報として日付を用い、日毎の介護記録を登録する例を示したが、これに限られず、半日単位、または、２日単位の属性情報を用い、その属性情報に対応する期間で行われたケアを記録した介護記録であってもよい。

　また、第２の実施形態においては、マスク処理をケア情報送信システム１０（マスク処理部１１２）により、自動的に行う例を示したが、スタッフ等が、送信する前のファイルに対して端末装置３０を用いて手動でマスク処理を行うようにしてもよく、あるいは、端末装置３０側にマスク処理部の機能を持たせ、端末装置３０側でマスク処理したファイルを送信、登録するようにしてもよい。さらに、公開要求（図５のステップＳ４）、および／または送信要求（ステップＳ６）を省略してもよい。この場合、コンテンツの送信（ステップＳ２）に応じて、コンテンツ（ケア記録）が、ユーザー（家族）に送信される。

　また、上述した実施形態に係るケア情報送信システム１０における各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウエア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、例えば、ＵＳＢメモリやＤＶＤ（Ｄｉｇｉｔａｌ　Ｖｅｒｓａｔｉｌｅ　Ｄｉｓｃ）－ＲＯＭ等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、一機能として装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。

　本出願は、２０１９年７月１２日に出願された日本特許出願（特願２０１９－１３０３５０号）に基づいており、その開示内容は、参照され、全体として組み入れられている。

１０　ケア情報送信システム
１１　制御部
　１１１　文字認識処理部
　１１２　マスク処理部
１２　通信部
　１２１　受付部
　１２２　送信部
１３　第１記憶部（コンテンツ管理用）
１４　第２記憶部（メッセージ管理用）
３０、３０１、３０２、３０ｎ　端末装置（施設用）
４０、４０１、４０２　端末装置（家族用）

Claims (20)

1. 　ネットワークを介したアクセスを受け付ける受付部と、
   　前記受付部により、第１種の識別情報によるアクセスにより受け付けた情報であって、ケア対象者の第２種の識別情報に関連付けられた関連情報を登録する記憶部と、
   　前記受付部により、前記第２種の識別情報に関連付けられた第３種の識別情報によるアクセスを受け付けた場合に、前記記憶部から、前記第３種の識別情報に関連付けられた前記第２種の識別情報に関する前記関連情報を抽出する制御部と、
   　抽出した前記関連情報を、前記第３種の識別情報によるアクセスへの応答として、送信する送信部と、を備え、
   　前記受付部は、日付に関連付けた、前記ケア対象者のケア記録を受け付け、
   　前記制御部は、前記関連情報として、前記受付部が受け付けた前記ケア記録を前記日付に対応づけて、前記記憶部に登録し、前記ケア対象者の前記第２種の識別情報に関連付けられた前記第３種の識別情報に前記ケア記録を公開し、かつ、前記送信部により前記第３種の識別情報のユーザーに向けて、前記ケア記録を公開した旨を通知する、
   ケア情報送信システム。
2. 　前記受付部は、前記ケア記録に対する公開要求を受け付け、
   　前記制御部は、前記公開要求を受け付けることに応じて、前記ケア記録の公開、および通知を行う、請求項１に記載のケア情報送信システム。
3. 　前記通知は、前記第３種の識別情報のユーザーに対する通知メッセージにより行う、請求項１、または請求項２記載のケア情報送信システム。
4. 　前記送信部は、予め設定した通知時刻に前記通知メッセージを送信する、請求項３に記載のケア情報送信システム。
5. 　前記受付部により、前記第３種の識別情報によるアクセスを通じて、公開した前記ケア記録の送信要求を受け付けた場合に、
   　前記制御部は、前記送信部により前記ケア記録を、前記第３種の識別情報のユーザーに送信する、請求項１から請求項４のいずれかに記載のケア情報送信システム。
6. 　前記記憶部に登録される前記ケア記録は、ケア記録シートを読み取って得られた読取画像データであり、
   　１つのファイルに複数のケア対象者に関する情報が記録されているケア記録の場合は、
   　前記制御部が、前記ケア対象者の前記第２種の識別情報に関連付けられた前記第３種の識別情報に向けて公開する前記ケア記録は、該ケア対象者以外の他のケア対象者のケア情報がマスクされている、請求項１から請求項５のいずれかに記載のケア情報送信システム。
7. 　前記記憶部に登録される前記ケア記録は、ケア記録シートを読み取って得られた読取画像データであり、
   　１つのファイルに複数の日に行われたケア対象者に関する情報が記録されているケア記録の場合は、
   　前記制御部が公開する前記ケア記録は、前記ケア記録に関連付けられた日付に対応する日以外のケア情報がマスクされている、請求項１から請求項６のいずれかに記載のケア情報送信システム。
8. 　前記記憶部に登録される前記ケア記録は、ケア記録シートを読み取って得られた読取画像データであり、
   　前記制御部が、前記ケア対象者の前記第２種の識別情報に関連付けられた前記第３種の識別情報に向けて公開する前記ケア記録は、該ケア対象者以外の他のケア対象者を特定する個人情報がマスクされている、請求項１から請求項７のいずれかに記載のケア情報送信システム。
9. 　前記第１種の識別情報は、前記ケア対象者にケアを行う施設の識別情報であり、
   　前記第３種の識別情報は、前記ケア対象者の家族の識別情報である、請求項１から請求項８いずれかに記載のケア情報送信システム。
10. 　前記受付部は、前記施設に居る複数の前記ケア対象者に関する前記ケア記録の一括登録を受け付ける、請求項９に記載のケア情報送信システム。
11. 　ネットワークを介したアクセスを受け付ける受付部と、
    　送信部と、を備えるケア情報送信システムを制御する制御プログラムであって、
    　前記受付部により、第１種の識別情報によるアクセスにより受け付けた情報であって、ケア対象者の第２種の識別情報に関連付けられた関連情報を記憶部に登録するステップ（ａ）と、
    　前記受付部により、前記第２種の識別情報に関連付けられた第３種の識別情報によるアクセスを受け付けた場合に、前記記憶部から、前記第３種の識別情報に関連付けられた前記第２種の識別情報に関する前記関連情報を抽出するステップ（ｂ）と、
    　抽出した前記関連情報を、前記第３種の識別情報によるアクセスへの応答として、送信するステップ（ｃ）と、を含み
    　前記ステップ（ａ）では、日付に関連付けた、前記ケア対象者のケア記録を受け付け、受け付けた前記ケア記録を、前記関連情報として前記記憶部に登録し、
    　さらに、前記ケア対象者の前記第２種の識別情報に関連付けられた前記第３種の識別情報に前記ステップ（ａ）で登録した前記ケア記録を公開するとともに、前記第３種の識別情報のユーザーに向けて、前記ケア記録を公開した旨を通知するステップ（ｄ）を含む処理をコンピューターに実行させるための制御プログラム。
12. 　前記処理は、さらに、前記受付部により前記ケア記録に対する公開要求を受け付けるステップ（ｅ）を含み、
    　前記ステップ（ｄ）では、前記ステップ（ｅ）で前記公開要求を受け付けることに応じて、前記ケア記録の公開、および通知を行う、請求項１１に記載の制御プログラム。
13. 　前記ステップ（ｄ）では、前記第３種の識別情報のユーザーに対する通知メッセージにより行う、請求項１、または請求項１２に記載の制御プログラム。
14. 　前記ステップ（ｄ）では、予め設定した通知時刻に前記通知メッセージを送信する、請求項１３に記載の制御プログラム。
15. 　前記処理は、さらに、前記受付部により前記第３種の識別情報によるアクセスを通じて、公開した前記ケア記録の送信要求を受け付けるステップ（ｆ）と、
    　前記送信部により前記ケア記録を、前記第３種の識別情報のユーザーに送信するステップ（ｇ）と、を含む、請求項１１から請求項１４のいずれかに記載の制御プログラム。
16. 　前記記憶部に登録される前記ケア記録は、ケア記録シートを読み取って得られた読取画像データであり、
    　１つのファイルに複数のケア対象者に関する情報が記録されているケア記録の場合は、前記ステップ（ｄ）では、前記ケア対象者の前記第２種の識別情報に関連付けられた前記第３種の識別情報に向けて公開する前記ケア記録は、該ケア対象者以外の他のケア対象者のケア情報がマスクされている、請求項１１から請求項１５のいずれかに記載の制御プログラム。
17. 　前記記憶部に登録される前記ケア記録は、ケア記録シートを読み取って得られた読取画像データであり、
    　１つのファイルに複数の日に行われたケア対象者に関する情報が記録されているケア記録の場合は、前記ステップ（ｄ）で公開する前記ケア記録は、前記ケア記録に関連付けられた日付に対応する日以外のケア情報がマスクされている、請求項１１から請求項１６のいずれかに記載の制御プログラム。
18. 　前記記憶部に登録される前記ケア記録は、ケア記録シートを読み取って得られた読取画像データであり、
    　前記ステップ（ｄ）では、前記ケア対象者の前記第２種の識別情報に関連付けられた前記第３種の識別情報に向けて公開する前記ケア記録は、該ケア対象者以外の他のケア対象者を特定する個人情報がマスクされている、請求項１１から請求項１７のいずれかに記載の制御プログラム。
19. 　前記第１種の識別情報は、前記ケア対象者にケアを行う施設の識別情報であり、
    　前記第３種の識別情報は、前記ケア対象者の家族の識別情報である、請求項１１から請求項１８のいずれかに記載の制御プログラム。
20. 　前記ステップ（ａ）では、前記受付部は、前記施設に居る複数の前記ケア対象者に関する前記ケア記録の一括登録を受け付ける、請求項１９に記載の制御プログラム。

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