WO2020246057A1 - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

本開示は、高い耐久性を有しうる太陽電池モジュールを提供する。本開示による太陽電池モジュール(100)は、第一基板(1)、第一基板(1)と対向する位置に設けられた第二基板(2)、第一基板(1)上であって、かつ第一基板(1)と第二基板(2)との間に設けられた太陽電池(3)、第一基板(1)と第二基板(2)との間の空間を満たす充填材(4)、および太陽電池(3)の表面のうち第二基板(2)に面している主表面(3a)上に設けられた保護層(5)を具備する。太陽電池(3)は、ペロブスカイト化合物を含む光電変換層(6)、正孔輸送層(7)、および電子輸送層(8)を含む積層構造を有する。保護層(5)は、ポリイミドを含む。保護層(5)は、太陽電池(3)の主表面(3a)を被覆する第一領域(9)と、主表面(3a)を露出させる第二領域(10)とで構成されている。保護層(5)において、第一領域(9)または第二領域(10)が離散して配置されている。

Description

太陽電池モジュール
 本開示は、太陽電池モジュールに関する。
 近年、ペロブスカイト太陽電池の研究開発が進められている。ペロブスカイト太陽電池は、組成式ABX3(ここで、Aは1価のカチオンであり、Bは2価のカチオンであり、かつXは1価のアニオンである)で示されるペロブスカイト型結晶構造またはそれに類似する結晶構造を有する化合物(以下、「ペロブスカイト化合物」と呼ぶ)を、光吸収材料として用いている。なお、本明細書では、ペロブスカイト化合物を用いた太陽電池を「ペロブスカイト太陽電池」と呼ぶ。
 非特許文献1は、ペロブスカイト太陽電池の基本的な構成を開示している。基本的な構成を有するペロブスカイト太陽電池は、透明電極、電子輸送層、光吸収と光電荷分離とを行うペロブスカイト型結晶を用いた光吸収層(以下、「ペロブスカイト層」と呼ぶ)、正孔輸送層、および集電極をこの順に備える。すなわち、透明電極側から、電子輸送層(n)、ペロブスカイト層(i)、および正孔輸送層(p)がこの順に積層されている。このような構成は、n-i-p構造、あるいは順積構造と呼ばれる。
 非特許文献2は、透明電極側から、正孔輸送層、ペロブスカイト層、および電子輸送層がこの順に積層された構成を有する、ペロブスカイト太陽電池を開示している。このような構成は、p-i-n構造、あるいは逆積構造と呼ばれる。
 太陽電池は、太陽光を受光して発電するデバイス、すなわち太陽光をエネルギー源として利用するデバイスである。したがって、太陽電池は、通常は、屋外に設置されて使用される。そのため、太陽電池には、高温および風雨のような屋外環境に耐えうるように、太陽電池モジュールと呼ばれる封止構造が必要である。
Julian Burchcka、他6名、"Nature"(英国)、2013年7月、第499巻、p.316-319 Wei Chen、他10名、"SCIENCE"(米国)、2015年11月、第350巻、第6263号、p.944-948
 本開示の目的は、高い耐久性を有する太陽電池モジュールを提供することにある。
 本開示による太陽電池モジュールは、
 第一基板、
 前記第一基板と対向する位置に設けられた第二基板、
 前記第一基板上であって、かつ前記第一基板と前記第二基板との間に設けられた太陽電池、
 前記第一基板と前記第二基板との間の空間を満たす充填材、および
 前記太陽電池の表面のうち前記第二基板に面している主表面上に設けられた保護層、
を具備し、
 ここで、
 前記太陽電池は、ペロブスカイト化合物を含む光電変換層、正孔輸送層、および電子輸送層を含む積層構造を有し、
 前記保護層は、ポリイミドを含み、
 前記保護層は、前記太陽電池の前記主表面を被覆する第一領域と、前記主表面を露出させる第二領域と、で構成されており、かつ
 前記保護層において、前記第一領域または前記第二領域が離散して配置されている。
 本開示は、高い耐久性を有する太陽電池モジュールを提供する。
図1Aは、本開示の実施形態による太陽電池モジュールを模式的に示す断面図を示す。 図1Bは、図1Aに示された太陽電池モジュールのI-I鎖線上の平面における保護層の断面図を示す。 図2Aは、本開示の実施形態による太陽電池モジュールの変形例を模式的に示す断面図を示す。 図2Bは、図2Aに示された太陽電池モジュールのII-II鎖線上の平面における保護層の断面図を示す。 図3は、第一比較形態の太陽電池モジュールを模式的に示す断面図を示す。 図4Aは、第二比較形態の太陽電池モジュールを模式的に示す断面図を示す。 図4Bは、図4Aに示された太陽電池モジュールのIII-III鎖線上の平面における保護層の断面図を示す。 図5Aは、第三比較形態の太陽電池モジュールを模式的に示す断面図を示す。 図5Bは、図5Aに示された太陽電池モジュールのIV-IV鎖線上の平面における保護層の断面図を示す。 図6は、第二領域の面積比率と曲線因子(FF)の維持率との関係を示すグラフである。 図7は、第二領域の面積比率と開放電圧(Voc)の維持率との関係を示すグラフである。 図8は、第二領域の面積比率と開放電圧(Voc)の維持率との関係を示すグラフである。 図9は、第二領域の面積比率と開放電圧(Voc)の維持率との関係を示すグラフである。 図10は、第二領域の面積比率と開放電圧(Voc)の維持率との関係を示すグラフである。 図11は、第二領域の実効面積比率と開放電圧(Voc)の維持率との関係を示すグラフである。 図12は、第二領域の実効面積比率と開放電圧(Voc)の維持率との関係を示すグラフである。
 以下、本開示の実施形態が、図面を参照しながら詳細に説明される。
 図1Aは、本実施形態による太陽電池モジュール100を模式的に示す断面図を示す。図1Bは、図1Aに示された太陽電池モジュール100のI-I鎖線上の平面における保護層の断面図を示す。
 図1Aに示すように、太陽電池モジュール100は、第一基板1と、第二基板2と、太陽電池3と、充填材4と、保護層5とを備える。第二基板2は、第一基板1と対向する位置に設けられている。太陽電池3は、第一基板1上であって、かつ第一基板1と第二基板2との間に設けられている。充填材4は、第一基板1と第二基板2との間の空間を満たしている。保護層5は、太陽電池3の表面のうち第二基板2に面している主表面3a上に設けられている。
 太陽電池3は、ペロブスカイト化合物を含む光電変換層6、正孔輸送層7、および電子輸送層8を含む積層構造を有する。例えば、太陽電池3では、電子輸送層8、光電変換層6、および正孔輸送層7が、この順に積層されている。太陽電池3は、他の層をさらに含んでいてもよい。例えば、電子輸送層8と光電変換層6との間に、多孔質層が設けられていてもよい。なお、図1には示されていないが、太陽電池3は、出力端子としての電極をさらに含んでいる。すなわち、太陽電池3は、第一電極(図示せず)、電子輸送層8、光電変換層6、正孔輸送層7、および第二電極(図示せず)がこの順で積層された積層構造を有していてもよい。
 保護層5は、太陽電池3の主表面3aを被覆する第一領域9と、主表面3aを露出させる第二領域10と、で構成されている。保護層5は、ポリイミドを含む。すなわち、保護層5の第一領域9は、ポリイミドを含む材料によって構成されている。
 図1Aおよび1Bに示す例では、保護層5において、第二領域10が離散して配置されている。この場合、保護層5において、第二領域10は、保護層5の厚み方向に貫通し、かつ離散して配置された複数の開口部である。より具体的に説明すると、この場合、保護層5は、例えばポリイミドを含む薄膜によって構成される。この薄膜は、図1Aに示すように、厚み方向に貫通し、かつ離散して配置された複数の開口部を、第二領域10として有する。開口部の形状は、特には限定されず、図1Bに示すような円形状であってもよいし、多角形状等であってもよい。複数の開口部は、太陽電池3の主表面3aにおいて、ほぼ一定の間隔で配置されていてもよい。
 次に、本実施形態の太陽電池モジュール100の各構成の基本的な作用効果を説明する。
 太陽電池3へ光が照射されると、光電変換層6が光を吸収し、励起された電子と、正孔とが発生する。この励起された電子は、電子輸送層8に移動する。一方、光電変換層6で生じた正孔は、正孔輸送層7に移動する。電子輸送層8に接続された第一電極を負極、正孔輸送層7に接続された第二電極を正極として、電流が取り出されることができる。
 太陽電池モジュール100において、第一基板1と第二基板2との間の空間は、充填材4で満たされている。充填材4が設けられることにより、太陽電池モジュール100の機械的強度の向上、および、内部構成物の変位抑制が可能になる。
 保護層5が太陽電池3の主表面3a上に設けられることにより、光電変換層6と正孔輸送層7との界面、または、光電変換層6と電子輸送層8との界面の剥離が抑制されうる。この作用効果について、より詳しく説明する。第一基板1と第二基板2との間の空間を充填材4で満たして全体を一体化する際、一般的に、例えば加熱圧着方法が用いられる。この場合、まず、太陽電池3が設けられている第一基板1と、第一基板1に対向して配置された第二基板2との間に充填材4の材料を配置した積層体が作製される。次に、充填材4の材料を加熱により溶融させて、積層体全体を圧着することによって、第一基板1、太陽電池3、充填材4、および第二基板2が一体化される。太陽電池3の主表面3aの全体が充填材4と接する構成の場合、充填材4を加熱溶融して積層体を圧着する際に、充填材4の流れに引きずられる等の原因によって、太陽電池3中の層間の接合力が弱い界面で剥離が生じる場合がある。この界面剥離は、光電変換層6と正孔輸送層7との界面、または、光電変換層6と電子輸送層8との界面で生じやすい。しかし、本実施形態の太陽電池モジュール100では、太陽電池3の主表面3aと充填材4との間に保護層5が設けられている。保護層5はポリイミドを含んでいるので、耐熱性に優れ、さらに耐摩擦性にも優れている。したがって、充填材4の材料が加熱溶融された状態で積層体が圧着される場合でも、太陽電池3の主表面3aと充填材4との間に保護層5が介在する。その結果、充填材4の流れに引きずられること等によって生じる太陽電池3の層間剥離が抑制され得る。
 保護層5には、離散して配置された、太陽電池3の主表面3aを露出させる第二領域10が設けられている。この第二領域10により、脱離ガスが太陽電池3の表面に高濃度で滞留することに起因する、太陽電池特性の低下を抑制することができる。なお、脱離ガスは、保護層5を構成する材料、すなわち第一領域9を構成するポリイミドを含む材料に由来する脱離ガスである。脱離ガスは、たとえば、充填材4内全体に拡散する。
 以上のように、保護層5は、太陽電池3を構成する多層構造体の各層間における界面剥離抑制と、脱離ガスによる劣化抑制とを、両立させることができる。
 保護層5は、図1Aおよび1Bに示された構造に限定されない。図2Aは、本実施形態による太陽電池モジュールの変形例である、太陽電池モジュール200を模式的に示す断面図を示す。図2Bは、図2Aに示された太陽電池モジュール200のII-II鎖線上の平面における保護層の断面図を示す。保護層は、図2Aおよび2Bに示すような、離散して配置された第一領域12と、第二領域13とで構成されている保護層11であってもよい。第一領域12は、ポリイミドを含む複数の薄膜によって構成されることができる。離散して配置される薄膜の形状は、特には限定されず、図2Bに示すような帯状であってもよいし、多角形状等であってもよい。複数の薄膜は、太陽電池3の主表面3aにおいて、ほぼ一定の間隔で配置されていてもよい。
 保護層5,11において、第一領域9,12および第二領域10,13の配置および形成による効果の違いについて、比較形態の太陽電池モジュールを参照しながら説明する。図3は、第一比較形態の太陽電池モジュール300を模式的に示す断面図を示す。図4Aは、第二比較形態の太陽電池モジュール400を模式的に示す断面図を示す。図4Bは、図4Aに示された太陽電池モジュール400のIII-III鎖線上の平面における保護層の断面図を示す。図5Aは、第三比較形態の太陽電池モジュール500を模式的に示す断面図を示す。図5Bは、図5Aに示された太陽電池モジュール500のIV-IV鎖線上の平面における保護層の断面図を示す。
 図3に示された太陽電池モジュール300は、保護層が太陽電池の主表面上に存在せず、太陽電池と充填材とが接する構成を有する。なお、図3に示された第一基板101、第二基板102、太陽電池103、充填材104、光電変換層106、正孔輸送層107、および電子輸送層108は、太陽電池モジュール100,200における第一基板1、第二基板2、太陽電池3、充填材4、光電変換層6、正孔輸送層7、および電子輸送層8に、それぞれ対応する。したがって、ここでは詳細な説明を省略する。以下の図4および5についても同様である。太陽電池モジュール300の構成では、光電変換層106と、正孔輸送層107または電子輸送層108との界面において、剥離が発生する可能性がある。このような剥離が発生した場合、太陽電池103におけるダイオード特性が低下する。したがって、このような剥離の発生は、整流性が低下する要因となる。
 図4Aおよび4Bに示された太陽電池モジュール400は、図1Aおよび1Bに示された太陽電池モジュール100および図2Aおよび2Bに示された太陽電池モジュール200とは、異なる保護層109を有する。太陽電池モジュール400の保護層109は、第二領域を含まず、第一領域のみで構成されている。すなわち、太陽電池モジュール400は、太陽電池103の発電領域である主表面の全てが、保護層109で完全に覆われている構成を有する。この構成の場合には、保護層109の材料に由来する脱離ガスが太陽電池103の表面に高濃度で滞留する。このようなガスの滞留は、太陽電池特性が低下する要因となる。
 図5Aおよび5Bに示された太陽電池モジュール500は、図1Aおよび1Bに示された太陽電池モジュール100および図2Aおよび2Bに示された太陽電池モジュール200とは、異なる保護層110を有する。太陽電池モジュール500の保護層110は、第一領域111および第二領域112を有する。しかし、保護層110において、第一領域111および第二領域112の両方が、共に離散して配置されていない。すなわち、第一領域111および第二領域112のそれぞれが、まとまった連続した領域として形成されている。この場合、図5Aおよび5Bに示すように、太陽電池103の発電領域である主表面のうち第一領域111で完全に覆われているひとまとまり領域において、保護層110の第一領域111を構成する材料に由来する脱離ガスが太陽電池103の表面に高濃度で滞留する。このようなガスの滞留は、太陽電池特性が低下する要因となる。
 本実施形態の太陽電池モジュール100,200は、太陽電池の第二基板に面する主表面上に設けられた保護層が、太陽電池の主表面を被覆する第一領域と、主表面を露出させる第二領域とで構成され、かつ、第一領域または第二領域が離散して配置されている構成を有する。この構成により、太陽電池モジュール100,200は、第一領域による界面剥離抑制の効果と、第二領域による脱離ガス劣化抑制の効果とを、両立させることができる。
 本実施形態の太陽電池モジュール100,200は、例えば以下の方法によって作製することができる。
 まず、第一基板1の表面に第一電極を形成する。次に、第一基板1の第一電極の上に、電子輸送層8をスパッタ法などによって形成する。次に、電子輸送層8の上に、塗布法などによって光電変換層6を形成する。次に、光電変換層6の上に、塗布法などによって正孔輸送層7を形成する。次に、正孔輸送層7の上に、蒸着などによって第二電極を形成する。
 以上の工程により、第一基板1上に太陽電池3を形成することができる。
 次に、太陽電池3上に、保護層5,11を形成する。保護層5のような、第二領域が離散して配置された保護層を形成する場合、例えば、まず、厚み方向に貫通し、かつ離散して配置された複数の開口部が形成された、ポリイミドを含む薄膜を準備する。この薄膜を太陽電池3上に配置することによって、保護層5を形成することができる。保護層11のような、第二領域が離散して配置された保護層を形成する場合、例えば、所定の形状(例えば、帯状)を有するポリイミドを含む薄膜を複数準備する。この薄膜を、所定のパターンとなるように太陽電池3上に配置することによって、保護層11を形成することができる。
 次に、第一基板1と、第一基板1に対向する位置に設けられた第二基板2と、第一基板1と第二基板2との間に配置された充填材4とを、加熱圧着などによる一体成形によって一体化させる。これにより、太陽電池モジュール100,200を得ることができる。
 以下、太陽電池モジュール100,200の各構成について詳細に説明する。
 [第一基板1]
 第一基板1は、太陽電池モジュール100,200の受光面側に配置される。第一基板1は、例えば水蒸気バリア性および透光性を有する。第一基板1は、透明であってもよい。さらに、第一基板1は、太陽電池モジュール100,200を作製する際に、太陽電池3を構成する各層を物理的に膜として保持する役割を果たすものである。第一基板1の例は、ガラス基板またはプラスチック基板である。プラスチック基板は、プラスチックフィルムであってもよい。
 [第二基板2]
 第二基板2は、太陽電池モジュール100,200の第一基板1に対向する位置に設けられる。第二基板2は、例えば水蒸気バリア性を有する。第二基板2は、さらに、太陽電池3を保護する役割も果たす。第二基板2は、たとえば、砂粒のような外的要因による太陽電池3の物理的破損を抑制することができる。第二基板2の例は、ガラス基板またはプラスチック基板である。プラスチック基板は、プラスチックフィルムであってもよい。第二基板2には、必ずしも透光性が必要ではない。したがって、第二基板2として、Al蒸着フィルムなどを用いることができる。
 [光電変換層6]
 光電変換層6は、例えば、組成式ABX3で示されるペロブスカイト構造を有する化合物を光吸収材料として含む。Aは一価のカチオンである。Aの例としては、アルカリ金属カチオンまたは有機カチオンのような一価のカチオンが挙げられる。さらに具体的には、Aの例として、メチルアンモニウムカチオン(CH3NH3 +)、ホルムアミジニウムカチオン(NH2CHNH2 +)、セシウムカチオン(Cs+)、またはルビジウムカチオン(Rb+)が挙げられる。Bは2価のカチオンである。Bは、例えば、遷移金属または第13族元素~第15族元素の2価のカチオンである。さらに具体的には、Bの例として、Pb2 +、Ge2 +、またはSn2 +が挙げられる。Xはハロゲンアニオンなどの1価のアニオンである。A、B、またはXのそれぞれのサイトは、複数種類のイオンによって占有されていてもよい。ペロブスカイト構造を有する化合物の具体例は、CH3NH3PbI3、CH3CH2NH3PbI3、NH2CHNH2PbI3、CH3NH3PbBr3、CH3NH3PbCl3、CsPbI3、CsPbBr3、RbPbI3、またはRbPbBr3等である。また、光電変換層6は、組成式ABX3で示されるペロブスカイト構造を有する化合物に類似する構造体であるペロブスカイト化合物であってもよい。なお、類似の構造体の例は、ペロブスカイト化合物においてハロゲンアニオンの欠陥が含まれている構造体、または、ペロブスカイト化合物において1価のカチオンまたはハロゲンアニオンが複数種類の元素で構成されている構造体である。
 光電変換層6の厚さは、例えば100nm以上1000nm以下である。光電変換層6の厚さは、光電変換層6の光吸収の大きさに依存し得る。光電変換層6は、溶液による塗布法または共蒸着法などによって形成され得る。また、光電変換層6は、電子輸送層8と一部で混在するような形態であってもよい。
 [正孔輸送層7]
 正孔輸送層7は、例えば、有機半導体または無機半導体によって構成される。正孔輸送層7は、互いに同じ構成材料からなる層が積層された構成を有していてもよいし、互いに異なる材料からなる層が交互に積層された構成を有していてもよい。有機半導体の例としては、ポリトリアリルアミン(PTAA)、2,2’,7,7’-tetrakis(N,N’-di-p-methoxyphenylamine)-9-9’-spirobifluorene(Spiro-OMeTAD)、またはポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)が挙げられる。無機半導体の例としては、p型の無機半導体が挙げられる。p型の無機半導体の例としては、CuO、Cu2O、CuSCN、酸化モリブデン、または酸化ニッケルが挙げられる。
 [電子輸送層8]
 電子輸送層8は、半導体を含む。電子輸送層8は、バンドギャップが3.0eV以上の半導体であってもよい。バンドギャップが3.0eV以上の半導体で電子輸送層8を形成することにより、可視光および赤外光を光電変換層6まで透過させることができる。当該半導体の例は、有機のn型半導体および無機のn型半導体である。
 有機のn型半導体の例は、イミド化合物、キノン化合物、フラーレン、またはフラーレンの誘導体である。無機のn型半導体の例は、金属酸化物またはペロブスカイト酸化物である。金属酸化物の例は、Cd、Zn、In、Pb、Mo、W、Sb、Bi、Cu、Hg、Ti、Ag、Mn、Fe、V、Sn、Zr、Sr、Ga、Si、またはCrの酸化物である。具体的な例としては、酸化チタン(すなわち、TiO2)が挙げられる。ペロブス
カイト酸化物の例は、SrTiO3またはCaTiO3である。
 [充填材4]
 充填材4には、公知の太陽電池モジュール用充填材が用いられ得る。充填材4の例は、エチレン・ビニル・アセテート(EVA)またはポリオレフィン(PO)である。
 [保護層5,11]
 上述のとおり、保護層5,11は、太陽電池3の主表面3aを被覆する第一領域9,12と、太陽電池3の主表面3aを露出させる第二領域10,13とを有する。保護層5,11の材料、すなわち第一領域9,12の材料は、ポリイミドを含む。ポリイミドは、絶縁性であり、かつ、柔軟性、耐熱性、および耐薬品性に優れる。このような材料によって形成された第一領域9,12は、充填材4の変位に伴う応力が太陽電池3における各層間の界面に伝わるのを低減できる。したがって、第一領域9,12は、太陽電池3における界面剥離を抑制することができる。
 保護層5,11の第二領域10,13は、太陽電池3の主表面3aを露出させる。換言すると、第二領域10,13は、保護層5,11において太陽電池3の主表面3aを被覆しない領域である。すなわち、第二領域10,13は、主表面3aの全体が第一領域9,12によって完全に被覆されることなく、主表面3aを部分的に露出させる役割を果たす。したがって、第二領域10,13により、第一領域9,12の材料に由来する脱離ガスが太陽電池3の表面に高濃度で滞留することに起因する、太陽電池特性の低下が抑制され得る。なお、第二領域が、薄膜に設けられた開口部によって構成される第二領域10、および、離散して配置された第一領域を除く領域として設けられた第二領域13のいずれの構成であっても、上記効果を実現し得る。
 保護層5,11における第二領域10,13の面積比率は、例えば7%以上60%以下であってもよい。第二領域の面積比率が7%以上の場合、第一領域9,12に由来する脱離ガスの滞留が十分に抑制され得る。第二領域の面積比率が60%以下の場合、太陽電池3における界面剥離が十分に抑制され、かつ保護層5,11の十分な機械的強度も保たれることができる。
 保護層5,11における第二領域10,13の実効面積比率は、例えば24%以上91%以下であってもよい。第二領域の実効面積比率が24%以上の場合、第一領域9,12に由来する脱離ガスの滞留が十分に抑制され得る。第二領域の実効面積比率が91%以下の場合、太陽電池3における界面剥離が十分に抑制され、かつ保護層5,11の十分な機械的強度も保たれることができる。ここで、第二領域の実効面積について説明する。保護層の第二領域は、離散して配置された複数の開口部によって構成されてもよいし、離散して配置された第一領域を除く領域部分によって構成されていてもよい。いずれの構成においても、脱離ガスが第二領域から抜けるためには、その脱離ガスの位置から第二領域までの距離が一定の距離以下であることが必要と考えられる。この一定の距離は、すなわち脱離ガスが抜け得る有効距離である。有効距離は、例えば0.2mmとできる。例えば第二領域が開口部である場合、その開口の縁までの距離が有効距離以下の距離に位置するガスは、その開口から抜けることができると考えられる。したがって、第二領域の面積を、この有効距離の分だけ拡張して算出し、得られた面積を第二領域の実効面積と定義する。例えば開口部が円形状を有し、かつ有効距離が0.2mmである場合、「開口部の直径+0.4mm」を1つの開口部の直径として算出された面積が、その開口部の実効面積となる。第二領域が、離散して配置された第一領域を除く領域部分である場合も同様に、第二領域の縁から外側(すなわち、第一領域側)に0.2mm拡張して、第二領域の実効面積が求められ得る。このようにして算出された第二領域の実効面積を用いて保護層に対する面積比率が求められ、得られた値が実効面積比率となる。
 なお、充填材4と太陽電池3の主表面3aとの間に脱離ガスが高濃度で滞留することはないので、充填材4が第二領域10,13の一部または全てに入り込んでいてもよい。また、第二領域10,13の形状は、上記を満たしていれば、特に問われない。
 (実施例)
 以下の実施例を参照しながら、本開示はより詳細に説明される。
 実施例1~9および比較例1~3の太陽電池モジュールが作製され、それら太陽電池モジュールの特性が評価された。
 まず、各実施例および比較例の太陽電池モジュールの構成および作製方法が説明される。
 [実施例1]
 実施例1の太陽電池モジュールは、図1Aおよび図1Bに示された太陽電池モジュール100と同じ構造を有する。実施例1の太陽電池モジュールにおける各構成要素の材料、大きさ、及び厚さが以下に示される。
 第一基板1:フッ素ドープSnO2層付きガラス基板(日本板硝子社製、厚さ0.7mm、表面抵抗10Ω/sq.)
 電子輸送層8:酸化チタン(厚さ30nm)、多孔質酸化チタン(厚さ200nm)
 光電変換層6:CH3NH3PbI3(厚さ300nm)
 正孔輸送層7:PTAA(Aldrich社製)
 第二基板2:Al蒸着フィルム(PET(厚さ50μm)/Al(厚さ7μm)/PET(厚さ50μm))
 充填材4:ポリオレフィン(厚さ450μm)
 保護層5の第一領域9:ポリイミドテープ(P-221:日東電工社製)(厚さ25μm)
 保護層5の第二領域10:面積比率10%、実効面積比率24%、開口部の直径0.71mm、開口部の中心間隔2mm
 実施例1の太陽電池モジュールの作製方法は以下の通りである。
 主面上にフッ素ドープSnO2層を有する、厚さ0.7mmの導電性ガラス基板を用意した。これを、第一基板1として用いた。なお、この導電性ガラス基板におけるフッ素ドープSnO2層が、第一電極として用いられた。
 第一基板1の第一電極上に、電子輸送層8として、厚さが約30nmの酸化チタン層と、厚さが0.2μmの多孔質酸化チタン層とが形成された。酸化チタン層は、第一基板1の第一電極上に、スパッタ法により形成された。多孔質酸化チタン層は、酸化チタン層上に、酸化チタンペーストを塗布して乾燥し、その乾燥膜をさらに500℃で30分間空気中で焼成することによって形成された。酸化チタンペーストは、平均1次粒子径が20nmの高純度酸化チタン粉末をエチルセルロース中に分散させることによって調製された。
 次に、電子輸送層8上に光電変換層6が形成された。PbI2を1mol/Lおよびヨウ化メチルアンモニウムを1mol/Lの濃度で含むジメチルスルホキシド(DMSO)溶液を作製した。この溶液を電子輸送層8上にスピンコートにより塗布し、塗膜を形成した。それから、形成された塗膜を130℃のホットプレート上で熱処理することによって、光電変換層6であるペロブスカイト構造を有するCH3NH3PbI3層を得た。
 次に、PTAAを10mg/mL、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiTFSI)を5mmol/L、tert-ブチルピリジン(tBP)を6μL/mLの濃度で含むトルエン溶液を光電変換層6上にスピンコートにより塗布し、正孔輸送層7を得た。
 正孔輸送層7上に第二電極として金を80nm蒸着した。
 以上により、第一基板1上に太陽電池3が形成された。
 次に、太陽電池3上に保護層5が形成された。厚み方向に貫通し、かつ離散して配置された複数の開口部を有するポリイミドテープが準備された。各開口部は、直径が0.71mmの円形状であった。複数の開口部は、開口部の中心間隔が2mmとなるように形成された。開口部は、円錐状の突起部を等間隔に配置した金型をポリイミドテープに押し当てることによって形成された。保護層5における開口部の面積比率、すなわち第二領域の面積比率は、10%であった。また、開口部の実効直径は0.71mm+0.4mm=1.11mmであった。開口部の実効面積比率、すなわち第二領域の実効面積比率は、24%であった。このような開口部が形成されたポリイミドテープを太陽電池3上に配置することによって、保護層5が形成された。
 次に、第一基板1と、第一基板1に対向する位置に設けられた第二基板2としてのAl蒸着フィルムと、第一基板1と第二基板2との間に配置された充填材4としてのポリオレフィンシートとからなる積層体を、真空ラミネート法で加熱圧着して、太陽電池モジュール100を得た。加圧圧着は、130℃において、180秒で脱気して300秒で積層体をプレスすることによって実施された。
 [実施例2~8]
 実施例1の太陽電池モジュールにおいて、保護層5における開口部の直径、開口部の中心間隔、および第二領域の面積比率を表1に示されている値に変化させて、実施例2~8の太陽電池モジュールが作製された。
 [実施例9]
 実施例9の太陽電池モジュールは、図2Aおよび図2Bに示された太陽電池モジュール200と同じ構造を有する。なお、実施例9の太陽電池モジュールは、保護層11以外の構成は、実施例1の太陽電池モジュールと同様の方法で作製された。したがって、ここでは、実施例9の太陽電池モジュールの保護層11についてのみ説明する。
 実施例9の太陽電池モジュールの保護層11では、太陽電池の表面を被覆する第一領域12が離散して配置されていた。第一領域12には、実施例1で保護層5の形成に用いられたものと同様のポリイミドテープが使用された。このポリイミドテープが、第二領域13の実効面積比率が33%となるように、幅6.0mmの帯状であって、かつ各第一領域12間の離散距離は1.45mmで、太陽電池3上にストライプ状に配置された。なお、第二領域13の実効面積比率は、後述のとおり、有効距離が0.2mmに設定された場合の値である。
 [比較例1]
 比較例1の太陽電池モジュールは、図3に示された太陽電池モジュール300と同じ構造を有する。実施例1の太陽電池モジュールにおいて保護層を形成しなかった点を除き、実施例1と同様の方法で、比較例1の太陽電池モジュールが作製された。
 [比較例2]
 比較例2の太陽電池モジュールは、図4Aおよび図4Bに示された太陽電池モジュール400と同じ構造を有する。実施例1の太陽電池モジュールの保護層において開口部を形成しなかった点を除き、実施例1と同様の方法で、比較例2の太陽電池モジュールが作製された。すなわち、比較例2では、開口部を有さないポリイミドテープが用いられて、保護層が形成された。
 [比較例3]
 比較例3の太陽電池モジュールは、図5Aおよび図5Bに示された太陽電池モジュール500と同じ構造を有する。太陽電池の主表面を中心で2分割して、一方の領域を第一領域として、開口部を有さないポリイミドテープを配置した。他方の領域にはポリイミドテープを配置せず、保護層の第二領域とした。
 [評価方法]
 太陽電池モジュールが、85℃、露点-30℃の環境下にて300時間放置(以下、「高温環境下での300時間放置」と記載する)され、放置前後の太陽電池特性が比較された。太陽電池特性は、ハロゲンランプ(分光計器株式会社製「BPS X300BA」)を用いて100mW/cm2の照度の光を太陽電池モジュールに照射して、安定化後の電流-電圧特性をBAS株式会社製「ALS440B」を用いて測定した。これにより、各太陽電池における開放電圧(Voc)、曲線因子(FF)、および変換効率が求められた。各太陽電池特性の維持率とは、放置前の各パラメータを100とした場合の、放置後の各パラメータの相対値である。Voc及びFFの両維持率が95%以上で、効果ありと判定した。Voc及びFFの両維持率が99%以上で、十分な効果ありと判定した。結果を表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 まず、FFの維持率に着目する。保護層5が設置されない比較例1の太陽電池モジュールにおいては、FFの維持率が49.8%であった。比較例1の太陽電池モジュールでは、高温環境下での300時間放置により、FFが半分程度まで大きく低下した。これは、太陽電池3の正孔輸送層7と充填材4とが接していたため、光電変換層6と正孔輸送層7との界面に剥離が発生したことが原因と考えられる。実施例1から8の太陽電池モジュールにおいては、FFの維持率が95%以上であり、FFの維持率についての効果が得られた。さらに、第二領域の面積比率60%以下を満たす実施例1から7の太陽電池モジュールにおいては、FFの維持率が99%以上であり、FFの維持率の十分な効果が得られた。図6は、第二領域の面積比率とFFの維持率との関係を示すグラフである。図6のグラフは、実施例1から4、7、および8の太陽電池モジュール、および、比較例1および2の太陽電池モジュールのFFの維持率に基づいている。
 次に、Vocの維持率に着目する。第二領域の面積比率0%、すなわち第二領域が設けられていない保護層を有する比較例2の太陽電池モジュールにおいては、Vocの維持率が95%未満であり、Vocの維持率が不十分であった。これは、保護層に第二領域が設けられていないので脱離ガスが保護層を通りにくく、太陽電池の表面に脱離ガスが高濃度で滞留したことが原因と考えられる。実施例1から8の太陽電池モジュールにおいては、Vocの維持率が95%以上であり、Vocの維持率についての効果が得られた。さらに、第二領域の面積比率7%以上を満たす実施例1から6、および8の太陽電池モジュールにおいては、Vocの維持率が99%以上であり、Vocの維持率の十分な効果が得られた。図7は、第二領域の面積比率とVocの維持率との関係を示すグラフである。図7のグラフは、実施例1から4、7、および8の太陽電池モジュール、および、比較例2の太陽電池モジュールのVocの維持率に基づいている。
 なお、比較例1の太陽電池モジュールにおいて、第二領域の面積比率100%にもかかわらずVoc維持率が大きく低下したのは、上記したように界面剥離が原因であり、脱離ガスによる劣化とは機構が異なると考えられる。図8は、第二領域の面積比率とVocの維持率との関係を示すグラフである。図8のグラフは、実施例1から4、7、および8の太陽電池モジュール、および、比較例1および2の太陽電池モジュールのVocの維持率に基づいている。
 次に、開口部、すなわち第二領域の離散配置に着目した。第一領域および第二領域の両方が共に連続して配置されている比較例3の太陽電池モジュールにおいては、第二領域の面積比率が50%であったにもかかわらず、Vocの維持率が99%を下回った。図9は、第二領域の面積比率とVocの維持率との関係を示すグラフである。図9のグラフは、実施例1から4、7、および8の太陽電池モジュール、および、比較例2および3の太陽電池モジュールのVocの維持率に基づいている。これは、太陽電池の発電領域のうち、保護層の第一領域で完全に覆われた領域において、脱離ガスが太陽電池の表面に高濃度で滞留したことが原因と考えられる。よって、第二領域の離散配置の必要性が確認された。
 ただし、開口部、すなわち第二領域までの距離が有効距離以下であれば、脱離ガスの滞留は抑制できると考えらえる。そこで、有効距離を調べるために、開口部中心の間隔が他の実施例とは異なる実施例5および6も含めて、実際の開口部から有効距離まで拡げた領域を含めた面積を考慮して「実効開口面積率」を算出し、Voc維持率との関係を確認した。実効開口面積率は、有効距離を0.2mmとして算出された。
 図10は、第二領域の面積比率とVocの維持率との関係を示すグラフである。図10のグラフは、実施例1から8の太陽電池モジュール、および、比較例2および3の太陽電池モジュールのVocの維持率に基づいている。図11は、第二領域の実効面積比率とVocの維持率との関係を示すグラフである。図11のグラフは、実施例1から8の太陽電池モジュール、および、比較例2および3の太陽電池モジュールのVocの維持率に基づいている。図10に示すように、開口部中心間隔が2mmで一定の実施例1から4と、開口部中心間隔の異なる実施例5(開口中心間隔1mm)および実施例6(開口中心間隔4mm)とは、第二領域の面積比率とVocの維持率との関係に多少の差が認められた。一方、図11に示すように、有効距離として0.2mmまでを考慮した第二領域の実効面積比率とVocの維持率とは、開口部中心間隔の異なる実施例5及び実施例6を含めて、非常に良好な相関を示した。よって、開口部までの距離が0.2mm以下であれば、脱離ガスの滞留は抑制できると考えらえる。
 図12は、第二領域の実効面積比率とVocの維持率との関係を示すグラフである。図12のグラフは、実施例1から9の太陽電池モジュール、および、比較例2の太陽電池モジュールのVocの維持率に基づいている。実施例9の太陽電池モジュールと、実施例1から8の太陽電池モジュールとは、保護層の形態が異なる。しかし、図12に示されているように、有効距離として0.2mmまでを考慮した第二領域の実効面積比率とVocの維持率とについて、実施例9の太陽電池モジュールは、実施例1から8の太陽電池モジュールと、非常に良好な相関を示した。
 本開示の太陽電池モジュールは、太陽光を電気に変換する発電システム用のデバイスとして広く用いられる。
1,101 第一基板
2,102  第二基板
3,103  太陽電池
3a  主表面
4,104  充填材
5,11,109,110  保護層
6,106  光電変換層
7,107  正孔輸送層
8,108  電子輸送層
9,12,111  第一領域
10,13,112  第二領域
100,200,300,400,500  太陽電池モジュール

Claims (9)

  1.  太陽電池モジュールであって、
     第一基板、
     前記第一基板と対向する位置に設けられた第二基板、
     前記第一基板上であって、かつ前記第一基板と前記第二基板との間に設けられた太陽電池、
     前記第一基板と前記第二基板との間の空間を満たす充填材、および
     前記太陽電池の表面のうち前記第二基板に面している主表面上に設けられた保護層、
    を具備し、
     ここで、
     前記太陽電池は、ペロブスカイト化合物を含む光電変換層、正孔輸送層、および電子輸送層を含む積層構造を有し、
     前記保護層は、ポリイミドを含み、
     前記保護層は、前記太陽電池の前記主表面を被覆する第一領域と、前記主表面を露出させる第二領域と、で構成されており、かつ
     前記保護層において、前記第一領域または前記第二領域が離散して配置されている、
    太陽電池モジュール。
  2.  前記保護層において、前記第二領域は、前記保護層の厚み方向に貫通し、かつ離散して配置された複数の開口部である、
    請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3.  前記保護層において、前記第一領域が離散して配置されている、
    請求項1または2に記載の太陽電池モジュール。
  4.  前記保護層における、前記第二領域の面積比率は、7%以上60%以下である、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
  5.  前記保護層における、前記第二領域の実効面積比率は、24%以上91%以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
  6.  前記第一基板は、透明である、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
  7.  前記電子輸送層は、酸化チタンを含む、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
  8.  前記正孔輸送層は、ポリトリアリルアミンを含む、
    請求項1から7のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  9.  前記光電変換層は、CH3NH3PbI3を含む、
    請求項1から8のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
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