JP2002111018A - 太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池モジュール

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JP2002111018A
JP2002111018A JP2000304289A JP2000304289A JP2002111018A JP 2002111018 A JP2002111018 A JP 2002111018A JP 2000304289 A JP2000304289 A JP 2000304289A JP 2000304289 A JP2000304289 A JP 2000304289A JP 2002111018 A JP2002111018 A JP 2002111018A
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cell module
ethylene
support
copolymer
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JP2000304289A
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Hidesato Yoshimitsu
秀聡 善光
Satoshi Yamada
聡 山田
Hidenori Shiozuka
秀則 塩塚
Ichiro Kataoka
一郎 片岡
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期使用環境下において、光、熱、水などの
外的要因に対する封止材と支持体の間での接着強度低下
が引き起こす封止材の剥離を抑制し、長期信頼性を確保
することができる太陽電池モジュールを提供する。 【解決手段】 表面被覆材301と支持体308の間に
光起電力素子303が封止材302、304で封止され
てなる太陽電池モジュール300において、支持体30
8の封止材面側が少なくとも一種の無機材料を含む多孔
質層306である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面被覆材と支持
体の間に光起電力素子が封止材で封止されてなる太陽電
池モジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題に対する意識の高まり
が、世界的に広がりを見せている。中でも、CO2の排
出に伴う地球の温暖化現象に対する危惧感は深刻で、ク
リーンなエネルギーヘの希求はますます強まってきてい
る。また、エネルギー資源の枯渇が問題とされている
中、新しいエネルギー資源の開発の必要性も望まれてい
る。代替エネルギー源としての太陽電池は、現在のとこ
ろ、その安全性と扱いやすさから、クリーンなエネルギ
ー源として期待をもてるものだということができる。
【0003】太陽電池には様々な形態がある。代表的な
ものとしては、結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン
太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池(ここでは微
結晶をも含む)、銅インジウムセレナイド太陽電池、及
び化合物半導体太陽電池などがある。この中で、薄膜結
晶シリコン太陽電池、化合物半導体太陽電池及びアモル
ファスシリコン太陽電池は比較的低コストで大面積化が
可能なため、最近では各方面で活発に研究開発が進めら
れている。
【0004】従来、これらの太陽電池でモジュールを形
成したものとしては、図6に示す構成が代表的に知られ
ている。図6に示す太陽電池モジュールは、光起電力素
子103を支持体104上に封止材102で封止し、表
面を透明な表面被覆材101で被覆したモジュールであ
る。また、支持体104が金属鋼板などの導電性を有す
る場合においては、支持体104と光起電力素子103
の間にポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロ
ンに代表される電気絶縁フィルム等の絶縁材料が好適に
用いられている。
【0005】このような構成の太陽電池モジュールで
は、一般に支持体104にはガラス類、鋼板類及び硬質
プラスチックなどが使用されている。また、封止材10
2にはエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ
ビニルブチラール(PVB)等の有機樹脂組成物が使用
されている。これらの支持体104と封止材102との
接着性は単独で十分な接着強度が得られず、接着強度を
得る手段として、封止材102中にシランカップリング
剤、チタネート系カップリング剤、架橋剤等を添加した
り、又、プライマー層として熱可塑性樹脂、熱硬化性樹
脂やシランカップリング剤、チタネートカップリング
剤、またはイソシアネート系高活性化合物等を支持体1
04の表面に施すなどすることによって、支持体104
と封止材102との化学的相互作用を発現させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな手段は初期接着強度の向上には大きな効果を与えて
いるが、太陽電池モジュールの実使用下における屋外で
の接着強度の劣化要因である光、熱、水、湿度等の因子
に対して長期的に安定な化学的相互作用を保持すること
が困難であり、長期間にわたる太陽電池モジュールの屋
外設置に伴い、支持体104と封止材102との接着強
度が低下し、支持体104と封止材102との界面剥離
が生じるといった懸念がある。
【0007】このような界面剥離は太陽電池モジュール
の外観を損なうのみならず、界面剥離の進行に伴い太陽
電池モジュールヘの水分の浸食が著しくなり、太陽電池
モジュールの電気的性能の破壊等を引き起こすおそれが
ある。
【0008】また、接着強度向上の手段として用いたシ
ランカップリング剤、チタネートカップリング剤、架橋
剤、イソシアネート系高活性化合物は低分子量であり、
高分子量の封止材102との相溶性で優れているが、一
方で、光、熱、水などの外的な劣化要因に対して大きく
影響を受けてしまう。この劣化により、本来の接着強度
向上の効果が発現するだけでなく、逆に効果の妨げにな
るといったおそれがあり、材料の保管安定性に問題があ
る。
【0009】さらに、プライマー層として用いる熱可塑
性樹脂、熱硬化性樹脂は比較的外的要因に対して安定で
あるが、これらの樹脂のみでは支持体104や封止材1
02への吸着上が弱く、また封止材102とは高分子同
士であるため相溶性の点で使用される樹脂が限定されて
しまう。
【0010】また、建材一体型太陽電池モジュールにお
いては、建築物側への伝熱や建築物側からの放熱により
建材一体型太陽電池モジュールの温度が上昇するため、
支持体104と封止材102の界面での接着強度は熱の
影響を大きく受けることになり、支持体104と封止材
102の間における接着強度低下にともなる剥離問題は
建材一体型太陽電池モジュールにおいて、より懸念され
る。
【0011】さらに、従来の構成においては、封止材1
02が有機樹脂組成物で構成されていることから長期間
の使用において、光、熱、水などの外的要因のため封止
材102が分解されて分解ガスの発生、及び内部に溶存
していたガスの発生が生じる。こうして発生したガスが
太陽電池モジュール内に根瘤し気泡が生じることで、太
陽電池モジュールの外観不良及び各材料界面での界面剥
離を引き起こす原因となり、界面剥離の進行に伴い太陽
電池モジュールヘの水分の浸食が著しくなり、太陽電池
モジュールの電気的性能の破壊等を引き起こすおそれが
ある。
【0012】本発明は、上記課題に鑑み、長期使用環境
下において、光、熱、水などの外的要因に対する封止材
と支持体の間での接着強度低下が引き起こす封止材の剥
離を抑制し、長期信頼性を確保することができる太陽電
池モジュールを提供することを目的とする。
【0013】
【課題が解決するための手段】上記課題を解決すべく、
本発明の太陽電池モジュールは、表面被覆材と支持体の
間に光起電力素子が封止材で封止されてなる太陽電池モ
ジュールにおいて、前記支持体の封止材面側が少なくと
も一種の無機材料を含む多孔質層であることを特徴とす
る。
【0014】上記太陽電池モジュールにおいて、上記封
止材が有機樹脂組成物から構成されており、該有機樹脂
組成物のJIS K7210に規定される190℃、試
験荷重2.16kgfでのメルトフローレートが0.5
〜50g/10minであることが好ましい。
【0015】さらに、上記封止材の少なくとも一種が、
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−
メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エ
チルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチ
ルメタアクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−
メタアクリル酸共重合体(EMAA)、あるいはエチレ
ン−酢酸ビニル系多元共重合体、エチレン−メチルアク
リレート系多元共重合体、エチレン−エチルアクリレー
ト系多元共重合体、エチレン−メチルメタアクリレート
系多元共重合体、エチレン−メタアクリル酸系多元共重
合体から選択されることが好ましい。
【0016】また、上記多孔質層に少なくとも一種の不
燃性材料を用いることが好ましい。
【0017】さらに、上記多孔質層に少なくとも一種の
断熱性材料を用いることが好ましい。
【0018】そして、上記多孔質層が、陶磁器材料、セ
メント材料、石膏材料、繊維質材料、またはアスファル
ト材料類から選択される少なくとも一種の材料から構成
されてなることが好ましい。
【0019】また、上記太陽電池モジュールの最高使用
温度が80℃以上であることが好ましい。
【0020】さらに、上記支持体が建材であることが好
ましい。
【0021】本発明によれば、表面被覆材と支持体の間
に光起電力素子が封止材で封止されてなる太陽電池モジ
ュールの上記支持体の封止材面側を少なくとも一種の無
機材料を含む多孔質層とすることで、封止材と支持体と
の接着界面の表面積が増加し、接着面における封止材と
支持体の間での化学的及び物理的結合手が増えることに
よって接着強度が向上することが可能となる。さらに、
支持体の表面が多孔質層であるため、封止材が支持体の
空孔に充填されることにより、接着面における封止材と
支持体の間での機械的結合によるアンカー効果が発現す
ることで更なる接着強度の向上を図ることができ、封止
材と支持体との界面での封止材剥離が防止され、太陽電
池モジュールの長期的信頼性を確保することが可能とな
る。
【0022】また、上記封止材のJIS K7210に
規定される190℃、試験荷重2.16kgfでのメル
トフローレートが0.5〜50g/10minのとき、
封止材の多孔質層への充填性が良くなり、前記封止材と
前記支持体間のアンカー効果による機械的接着強度をよ
り有効とすることができる。特に前記支持体が建材であ
る建材一体型太陽電池モジュールにおいては前記封止材
と前記支持体界面での接着強度の熱による低下を従来と
比較して飛躍的に抑制することが可能となっている。ま
た前記封止材が前記支持体の多孔質層に面していること
から、前記封止材から発生したガスが封止材中に滞留す
ることなく多孔質層を通して鋭気されるため太陽電池モ
ジュール内に気泡が発生することがなくなる。
【0023】さらに、上記多孔質層と接着する封止材の
少なくとも一種が、耐候性に優れたエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体(EVA)、エチレン−メチルアクリレート
共重合体(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共
重合体(EEA)、エチレン−メチルメタアクリレート
共重合体(EMMA)、エチレン−メチルメタアクリル
酸共重合体(EMAA)、あるいはエチレン−酢酸ビニ
ル系多元共重合体、エチレン−メチルアクリレート系多
元共重合体、エチレン−エチルアクリレート系多元共重
合体、エチレン−メチルメタアクリレート系多元共重合
体、エチレン−メタアクリル酸系多元共重合体から選択
されることにより、耐候性に優れた太陽電池モジュール
を提供すると共に、これら封止材単独では支持体との接
着強度は弱いが、支持体に多孔質層を設けることで飛躍
的に接着強度を向上させることができる。
【0024】また、上記多孔質層に少なくとも一種の不
燃性材料を用いることで、以下の作用効果が発現する。
一般に太陽電池モジュールに用いられる封止材は可燃性
の有機樹脂組成物から構成されており、これらの燃焼を
抑制する効果を考慮に入れることは必要である。特に建
材一体型太陽電池モジュールにおいては、内装材などの
建材と直接接触することから支持体に不燃性を付加する
耐火、防火対策を施すことは重要な要素であり、前記多
孔質層が不燃性を有することで他の建材への引火、延焼
を防ぐことが可能となる。
【0025】さらに、上記多孔質層に少なくとも一種の
断熱性材料を用いることで、以下の作用効果が発現す
る。太陽電池モジュール及び建材―体型太陽電池モジュ
ールにおいては他の建材と直接接触していることから、
熱伝導による発火反応を生じることが考えられる。特に
建材の中でも木材は最も燃えやすいもの一つで、その火
災危険温度は260℃前後であることから前記支持体と
他の建材との断熱性を保つことが重要となる。これは木
材のみならず内装材等に用いられる有機成分材料におい
ても懸念される事項である。従って、支持体に断熱性を
付加する発火対策を施すことは重要な要素であり、多孔
質層が断熱性を有することで熱による発火を防ぐことが
可能となる。従来においては断熱効果によって太陽電池
モジュールの使用温度が高くなることから、封止材と支
持体との接着強度は熱劣化による影響を大きく受ける
が、本発明に従うことで封止材と支持体の間でのアンカ
ー効果による機械的接着強度を確保していることから断
熱効果による接着強度の著しい低下を引き起こすことが
ない。
【0026】そして、上記多孔質層を陶磁器、セメン
ト、石膏、繊維質材料、アスファルトから選択される少
なくとも一種の材料から構成することで、不燃性、断熱
性の優れた支持体を構成するだけでなく、電気絶縁性に
優れた支持体を形成することが可能となり、従来用いら
れていたポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイ
ロンに代表される電気絶縁フィルム等の絶縁材料を省く
ことができ、太陽電池モジュールを安価し、かつ生産性
を向上することが可能となる。また、これらの材料は建
材として好適に用いられ、機械的強度、耐食性の優れた
太陽電池モジュールを提供することができる。
【0027】また、太陽電池モジュールの最高使用温度
が80℃以上であることによって、封止材と支持体の間
の接着強度低下抑制効果を最大限に引き出すことができ
る。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を説明するが、本発明は本実施形態に限られない。
【0029】図1は、本発明の太陽電池モジュールの一
例を示す概略構成図である。図1において、太陽電池モ
ジュールは、光起電力素子201、表面封止材202、
表面被覆材203、裏面封止材204、支持体205か
ら構成される。ここで、外部からの光は、表面被覆材2
03から入射し、光起電力素子201に到達する。そし
て、光起電力素子201で生じた起電力は、出力端子
(不図示)より外部に取り出される。
【0030】(光起電力素子)光起電力素子201は、
所望する電圧あるいは電流に応じて直列ないし並列に接
続される。この場合、絶縁化した基板上に光起電力素子
を集積化して所望の電圧あるいは電流を得ることもでき
る。
【0031】(表面封止材)表面封止材202は、光起
電力素子の凹凸を樹脂で被覆し、素子を温度変化、湿
度、衝撃などの過酷な外部環境から守り、かつ表面被覆
材と素子との接着を確保するために必要である。従っ
て、表面封止材202には、耐候性、接着性、充填性、
耐熱性、耐寒性、耐衝撃性などが要求される。これらの
要求を満たす樹脂としてはポリオレフィン系樹脂、ウレ
タン樹脂、あるいはシリコーン樹脂などが挙げられる
が、好ましくはエチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EM
A)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EE
A)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(E
MMA)、エチレン−メチルメタアクリル酸共重合体
(EMAA)、あるいはエチレン−酢酸ビニル系多元共
重合体、エチレン−メチルアクリレート系多元共重合
体、エチレン−エチルアクリレート系多元共重合体、エ
チレン−メチルメタアクリレート系多元共重合体、エチ
レン−メタアクリル酸系多元共重合体を用いることが望
ましい。
【0032】これらの中でも特にエチレン−酢酸ビニル
共重合体(EVA)は、太陽電池用途としてバランスの
とれた物性を有しており、好んで用いられる。但し、そ
のままでは熱変形温度が低く、高温使用下で容易に変形
やクリープを呈するために、架橋して耐熱性を高めてお
くことが望ましい。このような架橋は、エチレン−酢酸
ビニル共重合体(EVA)の場合には有機過酸化物によ
り行うのが一般的である。また上記の架橋反応を効率良
く行うためには、架橋助剤を用いることが望ましい。
【0033】封止材の樹脂には高温下での安定性を付与
するために、熱酸化防止剤を添加することがしばしば行
われる。また本発明に用いられる封止材の材料は耐候性
において優れたものであるが、更なる耐候性の改良、あ
るいは封止材下層の保護のために、紫外線吸収剤を併用
することもできる。さらに紫外線吸収剤以外に耐候性を
付与する方法としては、ヒンダードアミン系光安定化剤
を使用できることが知られており、紫外線吸収剤を併用
することによって著しい相乗効果を示す。もちろんヒン
ダードアミン系以外にも光安定化剤として機能するもの
はあるが、着色している場合が多く本発明の封止材には
望ましくない。
【0034】尚、太陽電池モジュールの使用環境を考慮
して、低揮発性の紫外線吸収剤、光安定化剤および熱酸
化防止剤を用いることが好ましい。
【0035】封止材と光起電力素子、表面被覆材、支持
体との密着力をより向上させる手段としてシランカップ
リング剤や有機チタネート化合物などのカップリング剤
を適性に応じて封止材に添加することが可能である。
【0036】一方、光起電力素子に到達する光量の減少
をなるべく抑えるために、表面封止材102の光透過率
は、400nm以上、800nm以下の可視光波長領域
において80%以上であることが望ましく、90%以上
であることがより望ましい。また、大気からの光の入射
を容易にするために、屈折率が1.1〜2.0であるこ
とが好ましく、1.1〜1.6であることがより好まし
い。
【0037】表面被覆材203は、太陽電池モジュール
の最表層に位置するため、耐候性、撥水性、耐汚染性、
機械強度をはじめとして、太陽電池モジュールの屋外暴
露における長期信頼性を確保するための性能が必要であ
る。本発明において好適に用いられる材料としては、ガ
ラス、四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETF
E)、ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)、ポリフッ化ビ
ニリデン樹脂(PVDF)、ポリ四フッ化エチレン樹脂
(PTFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン
共重合体(FEP)、ポリ三フッ化塩化エチレン樹脂
(CTFE)等がある。表面被覆材にガラスを用いる場
合、光透過性、耐候性および機械的強度が優れている白
板強化ガラスを用いることが望ましい。しかし、太陽電
池モジュールに可撓性を必要とする場合、ガラスは可撓
性に劣っているため、樹脂フィルムが用いられる。中で
も耐候性の観点ではポリフッ化ビニリデン樹脂が優れて
おり、耐候性および機械的強度の両立では四フッ化エチ
レン−エチレン共重合体が優れている。また封止材との
接着性の改良のために、コロナ処理、プラズマ処理、化
学的処理等を表面フィルムに行うことが望ましい。
【0038】表面被覆材に樹脂を用いた場合、機械的強
度を確保するために、表面フィルムの厚さをある程度厚
くしなければならず、またコストの観点からはあまり厚
すぎるのにも問題があり、具体的には10乃至200μ
mが好ましく、より好適には30乃至100μmの厚さ
が必要である。また機械的強度を確保する方法として補
強材を封入する方法も好適に用いられる。具体的な方法
としては、ガラス繊維不織布、有機樹脂からなる不織布
を被覆形成時に封入することや、表面封止材に予めガラ
スの短繊維、ガラスビーズ等のフィラーを混合すること
が挙げられる。
【0039】(裏面封止材)裏面封止材204は、光起
電力素子201と支持体205との接着を図るためのも
のである。その材料としては、導電性基板と充分な接着
性を確保でき、しかも長期耐久性に優れ熱膨張、熱収縮
に耐えられる、柔軟性を兼ね備えた材料が好ましい。
【0040】裏面封止材204に好適に用いられる材料
としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、
エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エ
チレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチ
レン−メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)、
エチレン−メチルメタアクリル酸共重合体(EMA
A)、エチレン−酢酸ビニル系多元共重合体、エチレン
−メチルアクリレート系多元共重合体、エチレン−エチ
ルアクリレート系多元共重合体、エチレン−メチルメタ
アクリレート系多元共重合体、エチレン−メタアクリル
酸系多元共重合体、ポリビニルブチラールなどのホット
メルト材、両面テープ、柔軟性を有するエポキシ接着剤
などが挙げられが、充填性の優れたエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体(EVA)、エチレン−メチルアクリレート
共重合体(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共
重合体(EEA)、エチレン−メチルメタアクリレート
共重合体(EMMA)、エチレン−メチルメタアクリル
酸共重合体(EMAA)、エチレン−酢酸ビニル系多元
共重合体、エチレン−メチルアクリレート系多元共重合
体、エチレン−エチルアクリレート系多元共重合体、エ
チレン−メチルメタアクリレート系多元共重合体、エチ
レン−メタアクリル酸系多元共重合体を用いることが好
ましい。
【0041】特に、支持体205の多孔質層が有する空
孔に裏面封止材が十分に充填されるために、裏面封止材
のJIS K7210に規定される190℃、試験荷重
2.16kgfでのメルトフローレートは0.5〜50
g/10minであることが好ましく、2〜40g/1
0minであることがより好ましい。このメルトフロー
レートが0.5g/10minより小さい場合、裏面封
止材の流れ性が悪いため、裏面封止材と支持体との機械
的接着強度を発現させるのに必要となる支持体の有する
多孔質層の空孔への裏面封止材の充填性が不十分となっ
てしまう。一方、メルトフローレートが50g/10m
inより大きい場合、封止材の流れ性が大きいため、空
孔への充填性は優れているものの封止材の端部への流出
量(はみ出し量)が増加し、その結果太陽電池モジュー
ルの封止材層が薄くなり、太陽電池の耐候性を落とす原
因となるおそれが生じる。
【0042】また、太陽電池モジュールが高温で使用さ
れることから、高温下での接着を確実にするために、表
面封止材と同じく有機過酸化物での架橋や表面封止材で
添加した架橋助剤、熱酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒン
ダードアミン系光安定化剤、シランカップリング剤を用
いることがより好ましい。
【0043】さらに、裏面封止材204は表面材と異な
り透明性を有する必要性が高くないことから、封止材の
燃焼性を抑制するために種々の難燃剤を添加することが
望ましい。具体的にはハロゲン系有機難燃剤、窒素系有
機難燃剤、リン系有機難燃剤や無機難燃剤としてホウ素
化合物、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウムなどが
挙げられるが、衛生環境問題の観点からハロゲン系有機
難燃剤を用いることは好ましくない。
【0044】(支持体)次に、本発明に用いられる支持
体205について以下に詳しく説明する。
【0045】支持体の封止面側が多孔質層であることを
特徴とする太陽電池モジュールの構成図の一例を図2に
示す。図2において、300は太陽電池モジュール積層
体、301は表面被覆材、302は表面封止材、303
は光起電力素子、304は裏面封止材、305は多孔質
支持体、306は多孔質層、307はシート板、308
は支持体である。
【0046】多孔質支持体305、多孔質層306を構
成する材料としては、例えば、無機材料として、陶磁
器、耐火れんが、無機保温材、けいそう土質断熱れん
が、耐火断熱れんが、セメント、石膏、無機繊維質材
料、アスファルト材料などが用いられる。また、有機材
料として、有機繊維質材料、プラスチックフォーム材料
などが用いられる。そして、有機材料を用いる場合には
無機材料を含有させる。
【0047】より具体的には、耐火れんがには、ケイ
石、粘土質、高アルミナ質、マグネシア、マグネシア−
クロム形、ドロマイトれんが等が用いられる。また無機
保温材には、ケイ酸カルシウム、パーライト質、バーミ
キュライト質保温材等が用いられる。耐火断熱れんがに
は、粘土質、アルミナ質、アノーサイト質、炭化けい素
質れんが等が用いられる。セメントには、自硬性、潜在
水硬性、混合系セメント等が用いられる。無機繊維質材
料には、ガラス繊維、石綿、岩綿、スラヴウール、シリ
カ繊維、アルミニウムシリケート繊維、ジルコニア繊
維、アルミナ繊維等が用いられる。
【0048】有機繊維質材料には、ポリプロピレン繊
維、ポリエチレン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポ
リアミド繊維、ポリアクリル繊維等が用いられる。プラ
スチツクフォーム材料には、硬質フォームラバー、ポリ
ウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレ
ンフォーム、硬質塩化ビニルフォーム、ユリアフォー
ム、フェノールフォーム等が用いられる。
【0049】その中でも、耐熱性、不燃性、断熱性、機
械的強度、電気絶縁性の優れた陶磁器類、耐火断熱れん
が、セメント、石膏、無機繊維質材料、アスファルトを
用いることが好ましい。これらの多孔質材料は単独で多
孔質支持体305として用いられるが、より好ましくは
これらの多孔質材料を2種類以上複合させて多孔質支持
体305とすることで、多孔質支持体305の耐熱性、
不燃性、断熱性、機械的強度、耐食性を向上させること
ができる。
【0050】複合化には窯業的製法のほかに樹脂バイン
ダを用いても構わない。このような樹脂バインダとして
は、ポリエチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリプロピ
レン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、
ABS樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリエーテル系樹脂などの熱可塑性樹脂、あるいは
尿素系樹脂、メラミン系樹脂等のアミノ樹脂、エポキシ
系樹脂、フェノール系樹脂、アルキド系樹脂、不飽和ポ
リエステル系樹脂などの熱硬化性樹脂などが挙げられ、
これらは単独または2種以上組合わせて使用することが
できる。
【0051】また、表面が多孔質となる形状を保ちうる
条件で、多孔質層表面に無機または有機の被覆層を有し
てもかまわない。無機の被覆層とは、セラミック、ガラ
ス質等が蒸着法、溶射法、焼付け法等で形成された被膜
である。有機の被膜層とは、高分子樹脂あるいは着色剤
を含む高分子樹脂が塗布等で形成された被膜であり、例
えば、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリ
ル、ポリエステル、シリコン、フッ素系樹脂などが挙げ
られる。
【0052】上記の多孔質支持体305を多孔質層30
6に使用することができる。この場合シート板307上
に多孔質材料を一体化させた支持体308となる。この
ときのシート板307は機械的強度の比較的優れた材料
が好ましく、具体的には、鋼板、ガラス繊維強化プラス
チック、硬質プラスチック、ガラス、木材などが挙げら
れる。また、シート板307に金属鋼板を用いる場合に
おいては、金属鋼板表面をアノード酸化処理によって、
表面に多孔質被膜を形成する手段を行うことも可能であ
る。このとき使用される金属種としてはAl、Mg、T
i、Zn、Ta、あるいはそれらの合金が挙げられる。
【0053】また、各種金属鋼板表面に多孔質層を有す
る無機または有機の被覆層を形成させる方法が挙げられ
る。無機の被覆層とは、セラミック、ガラス質等が蒸着
法、溶射法、焼付け法等で形成された被膜であり、具体
的にはほうろう等が挙げられる。有機の被膜層とは、高
分子樹脂あるいは着色剤を含む高分子樹脂が塗布等で形
成された被膜であり、例えば、アクリル、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、シリコン、
フッ素系樹脂などが挙げられる。具体的には、塩化ビニ
ル塗膜鋼板、アクリル塗膜鋼板等が挙げられる。
【0054】上記の材料から構成される多孔質支持体3
05、支持体308は一般に機械的強度、耐候性、耐食
性、難燃性等が優れていることから、多孔質支持体30
5、支持体308と光起電力素子とを一体化させた太陽
電池モジュールは好適に建材として用いることが可能で
ある。
【0055】以上述べた光起電力素子、封止材、表面被
覆材、支持体を用いて太陽電池モジュールとする方法を
次に説明する。
【0056】封止材樹脂で光起電力素子受光面を被覆す
るには、加熱溶融させた封止材をスリットから押し出し
封止材のシートを作製し、これを素子上に加熱圧着する
方法が一般的ある。封止材が光起電力素子上に予め形成
されている場合は、裏面に裏面封止材304、支持体3
05、308を、表面に表面被覆材301を重ね加熱圧
着し、封止材を熱架橋する。
【0057】一方、封止材がシート状に成形されている
場合は、素子と表面被覆材の間に挿入して同様に加熱圧
着し、封止材を熱架橋することで太陽電池モジュールを
作製することができる。加熱圧着の方法としては、従来
公知である真空ラミネーション、ロールラミネーション
等を種々選択して用いることができる。
【0058】ここでは、一重真空室方式を用いた真空ラ
ミネーションの一例について、図3を用いて詳しく説明
する。
【0059】まず図3に示すように、光起電力素子50
1、表面被覆材504、支持体505、封止材シート5
03を重ねて太陽電池モジュール積層体500とする。
【0060】次に、図4(a)に示すように、太陽電池
モジュール積層体404をプレート401上に置きシリ
コンラバーシート402を重ねる。なお、図4におい
て、403はO−リングである。
【0061】この後、以下の工程によって太陽電池モジ
ュール積層体を貼り合せる。
【0062】第一工程として、図4(b)に示すよう
に、真空ポンプ406を駆動させてプレート401の排
気口から排気し、シリコンラバーシート402で太陽電
池モジュール積層体404を圧着する。
【0063】第二工程として、プレート401を封止材
が架橋反応を起こす温度まで加熱し、架橋が終了するま
でその温度を保持する。
【0064】第三工程として、冷却後、モジュールを取
出す。
【0065】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、
本発明はこれらの実施例に限られない。
【0066】〔実施例1〕光起電力素子を被覆して太陽
電池モジュールを作製する方法を図5を用いて説明す
る。図5において、600は太陽電池モジュール積層
体、601は光起電力素子群、602は封止材シート、
603は表面被覆材、604は補強材、605は支持体
である。
【0067】光起電力素子群601、封止材602(E
VAシート)、表面被覆材603にETFEフィルム、
補強材604にガラス繊維不織布、表面が多孔質である
支持体605にケイ酸アルカリ系混合セメントを用い
て、ETFEフィルム/EVAシート/ガラス繊維不織
布/光起電力素子群/EVAシート/ケイ酸アルカリ系
混合セメントの順に重ねて積層体600とした。
【0068】ガラス繊維不織布604は、排気工程にお
ける積層体間隙の空気の鋭気を助けるとともに、加熱工
程でEVAに含浸されることによりEVAの補強材とし
て機能するので、表面部材が樹脂フィルムであるような
場合には、表面の傷が素子にまで及び難くするという付
随的効果も併せ持つ。
【0069】またETFEフィルムは、EVAの接着面
をプラズマ処理したものである。ここで用いたEVAシ
ートは、EVA樹脂(酢酸ビニル含有率28%)100
重量部に対して架橋剤1.5重量部、紫外線吸収剤0.
3重量部、光安定化剤0.1重量部、酸化防止剤0.2
重量部、シランカップリング剤0.25重量部を配合し
たものである。またJIS K7210で規定されてい
る190℃、試験荷重2.16kgfでのメルトフロー
レートは16g/10minである。
【0070】この積層体を一重真空室方式のラミネート
装置のプレート上にETFEフィルム側を上にして置
き、シリコンラバーシートを重ねた。次いで、プレート
の排気口から真空ポンプを用いて排気し、シリコンラバ
ーをプレートに吸着させた。真空度5Torrで30分
間排気後、プレートに埋め込んだヒーターで太陽電池モ
ジュール積層体600を150℃で30分間加熱した。
その後、ヒーターを切り、ファンで風を送りプレートを
40℃程度にまで冷却してから排気を止め太陽電池モジ
ュールを取り出した。
【0071】上記方法にて作製した太陽電池モジュール
について後述する項目について評価を行った。
【0072】〔実施例2〕実施例1において支持体60
5を表面が多孔質である岩綿を混入した石膏板を用いて
太陽電池モジュールを作製した。
【0073】〔実施例3〕実施例1において支持体60
5に表面が多孔質である高アルミナ質耐火れんがを用い
て太陽電池モジュールを作製した。また表面被覆材60
3には白板強化ガラスを使用した。
【0074】〔実施例4〕実施例1において、封止材6
02にEMAシート、支持体605に表面が多孔質であ
るガラス繊維を混入したセメントを使用した。ここで用
いたEMAシートは、EMA樹脂(メチルアクリレート
含有率15%)に実施例1と同様の添加剤を配合した。
またJIS K7210で規定されている190℃、試
験荷重2.16kgfでのメルトフローレートは10g
/10minである。
【0075】〔実施例5〕実施例4において、支持体6
05にアスファルト−ガラス繊維−無機質粉体−合成樹
脂類から構成される表面が多孔質であるボードを用い
て、太陽電池モジュールを作製した。
【0076】〔実施例6〕実施例1において、支持体6
05にアクリル塗膜を表面の多孔質形状を保持しうるよ
うに吹き付けたアノード酸化処理済アルミニウム系金属
鋼板を用いて、太陽電池モジュールを作製した。
【0077】〔比較例1〕実施例1において、支持体6
05に表面が平坦である白板ガラスを用いて太陽電池モ
ジュールを作製した。
【0078】〔比較例2〕実施例1において、支持体6
05に岩綿を混入した石膏板表面に平坦なアクリル樹脂
系化粧塗膜が形成されたボードを用いて太陽電池モジュ
ールを作製した。
【0079】〔比較例3〕実施例1において支持体60
5にプレス成形で表面が平坦となるように加工された高
アルミナ質耐火れんがを用いて、太陽電池モジュールを
作製した。
【0080】〔比較例4〕実施例4において、支持体6
05にプレス成形で表面が平坦となるように加工された
ガラス繊維を混入したセメントを用いて太陽電池モジュ
ールを作製した。
【0081】〔比較例5〕実施例5において、支持体6
05に表面が平坦なポリ塩化ビニルラミネート鋼板を用
いて、太陽電池モジュールを作製した。
【0082】〔比較例6〕実施例6において、支持体6
05に表面が平坦であるアクリルフィルムラミネート鋼
板を用いて、太陽電池モジュールを作製した。
【0083】(評価結果)以上述べた実施例及び比較例
で作製した太陽電池モジュールについて、下記項目の評
価を行った。その結果を表1に示す。
【0084】(1)耐光性試験 超エネルギー照射試験機(スガ試験機社製)に太陽電池
モジュールを投入し、メタルハライドランプによる5時
間の紫外線の照射(照射強度:300nm−400nm
において100mW/cm2、雰囲気:ブラックパネル
温度70度/湿度70%RH)と、1時間の結露(温度
30度/湿度96%RH)を繰り返すデューサイクル試
験を行い、2000時間後の封止材602と支持体60
5間の接着強度の測定と外観上の変化を観察した。接着
強度の測定は180゜剥離試験で行った。観察結果は、
変化のないものは○とし、変化のあったものはその状況
を簡単にコメントした。
【0085】(2)耐湿性−高温高湿試験 環境試験機に太陽電池モジュールを投入し、温度85度
/湿度85%RHの環境下に1000時間放置し、封止
材602と支持体605間の接着強度の測定と外観上の
変化を観察した。接着強度の測定は180゜剥離試験で
行った。観察結果は、変化のないものは○とし、変化の
あったものはその状況を簡単にコメントした。
【0086】(3)温湿度サイクル試験 環境試験機に太陽電池モジュールを投入し、−40℃/
1時間、85℃/85%RH/4時間の温湿度サイクル
試験を行い、200サイクル後の接着強度の測定と外観
上の変化を観察した。封止材602と支持体605間の
接着強度の測定は180゜剥離試験で行った。観察結果
は、変化のないものは○とし、変化のあったものはその
状況を簡単にコメントした。
【0087】
【表1】
【0088】表1から明らかなように、実施例1〜6の
太陽電池モジュールはいずれも試験後における接着強度
低下の小さいものであった。また外観においては、剥
離、気泡等の不良は親察されなかった。
【0089】これらに対して、比較例1〜6において
は、いずれも得られた太陽電池モジュールは試験後の接
着強度の低下が著しいもの、外観での若干の剥離、気泡
等が観察された。
【0090】これらの実施例と比較例から、支持体の表
面を多孔質層とすることで、支持体と封止材との初期接
着強度の向上及び接着強度低下の抑制により、長期的信
頼性を確保しうる太陽電池モジュールの安定供給が可能
であることが分かる。
【0091】なお、本発明に係わる太陽電池モジュール
は以上の実施例に何等限定されるものではなく、その要
旨の範囲内で種々変更することができる。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の太陽電池
モジュールによれば、太陽電池モジュールの支持体の封
止材面側が多孔質層であることにより、封止材と支持体
との接着強度の向上を従来の物理的、化学的結合の改良
以外にアンカー効果による機械的結合を付加することが
でき、長期信頼性に優れた太陽電池モジュールを安定供
給することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の太陽電池モジュールの一例を示す概略
構成図である。
【図2】本発明の太陽電池モジュールの詳細な構成例を
示す模式図である。
【図3】本発明における太陽電池モジュール積層体の積
層例を示す模式図である。
【図4】本発明において、一重真空室方式による太陽電
池モジュールの製造工程の一例を示す模式図である。
【図5】実施例1の太陽電池モジュール積層体の概略構
成図である。
【図6】従来の太陽電池モジュールの一般的な構成例を
示す模式図である。
【符号の説明】
101 表面被覆材 102 封止材 103 光起電力素子 104 支持体 201 光起電力素子 202 表面封止材 203 表面被覆材 204 裏面封止材 205 支持体 300 太陽電池モジュール積層体 301 表面被覆材 302 表面封止材 303 光起電力素子 304 裏面封止材 305 多孔質支持体 306 多孔質層 307 シート板 308 支持体 401 金属プレート 402 シリコンラバーシート 403 O−リング 404 太陽電池モジュール積層体 405 排気口 406 真空ポンプ 500 太陽電池モジュール積層体 501 光起電力素子 502 補強材 503 封止材シート 504 表面被覆材 505 支持体 600 太陽電池モジュール積層体 601 光起電力素子群 602 封止材シート 603 表面被覆材 604 補強材 605 支持体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩塚 秀則 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 片岡 一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 5F051 BA18 DA02 JA02 JA04 JA05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面被覆材と支持体の間に光起電力素子
    が封止材で封止されてなる太陽電池モジュールにおい
    て、 前記支持体の封止材面側が少なくとも一種の無機材料を
    含む多孔質層であることを特徴とする太陽電池モジュー
    ル。
  2. 【請求項2】 前記封止材が有機樹脂組成物から構成さ
    れており、該有機樹脂組成物のJIS K7210に規
    定される190℃、試験荷重2.16kgfでのメルト
    フローレートが0.5〜50g/10minであること
    を特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 【請求項3】 前記封止材の少なくとも一種が、エチレ
    ン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチル
    アクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エチルア
    クリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルメタ
    アクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−メタア
    クリル酸共重合体(EMAA)、あるいはエチレン−酢
    酸ビニル系多元共重合体、エチレン−メチルアクリレー
    ト系多元共重合体、エチレン−エチルアクリレート系多
    元共重合体、エチレン−メチルメタアクリレート系多元
    共重合体、エチレン−メタアクリル酸系多元共重合体か
    ら選択されることを特徴する請求項2に記載の太陽電池
    モジュール。
  4. 【請求項4】 前記多孔質層に少なくとも一種の不燃性
    材料を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の太陽電池モジュール。
  5. 【請求項5】 前記多孔質層に少なくとも一種の断熱性
    材料を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    に記載の太陽電池モジュール。
  6. 【請求項6】 前記多孔質層が、陶磁器材料、セメント
    材料、石膏材料、繊維質材料、またはアスファルト材料
    類から選択される少なくとも一種の材料から構成されて
    なることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
    太陽電池モジュール。
  7. 【請求項7】 前記太陽電池モジュールの最高使用温度
    が80℃以上であることを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれかに記載の太陽電池モジュール。
  8. 【請求項8】 前記支持体が建材であることを特徴とす
    る請求項1〜7のいずれかに記載の太陽電池モジュー
    ル。
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