JP2018182074A - 太陽電池モジュールおよびその製造方法 - Google Patents

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慶 豊田
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Abstract

【課題】太陽電池の高効率化と、紫外線による光電変換素子の損傷抑制とを両立することにより、より長寿命で高効率な太陽電池モジュールを提供する。【解決手段】太陽電池モジュール100は、バックシート103と、第一の充填材層102と、電極材料104により電気的に接続された光電変換素子101と、紫外線吸収剤層105と、蛍光体シート材106と、保護材料107と、上記順序で積層された構造である太陽電池モジュール100であって、蛍光体シート材106は、透明な樹脂材料中に蛍光体を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池モジュールとその製造方法に関する。
太陽電池モジュールは、一般に短波長領域において感度特性が低く、太陽光に含まれる紫外線などの短波長領域の光を有効に利用できていない。この短波長領域の光を吸収し、長波長領域の蛍光を発する蛍光体を波長変換材料として利用し、感度特性の高い長波長領域の光量を増加させ、太陽電池モジュールの出力を向上させる取組みが従来から行われてきた。
一方、太陽電池モジュールの光電変換素子は、紫外線に長時間照射されることにより劣化するため、光電変換素子に届く光からは紫外線ができるだけ除去されていることが望ましく、一般に光電変換素子前面の充填材には紫外線吸収剤が配合されている。蛍光体のみで十分に紫外線を吸収できれば、紫外線吸収剤を使用する必要はないが、多くの場合、蛍光体のみでは十分な量の紫外線を吸収できず、そのような場合には、蛍光体と紫外線吸収剤を併用する必要がある。
しかしながら、蛍光体と紫外線吸収剤を、光電変換素子を保護する充填材中に混在させることは、蛍光体が吸収する紫外線領域の光を、紫外線吸収剤が吸収してしまうため、蛍光体の発光量の低下を招き、波長変換による高効率化の妨げとなる。
そこで、例えば、特許文献1では、紫外線吸収剤を含む層に、紫外線吸収剤とは吸収波長領域が異なる蛍光体を配置させ、紫外線による光電変換素子の損傷と波長変換による高効率化の両立が図られている。また、特許文献2では、光電変換素子を狭持する有機樹脂中に紫外線吸収剤が配合されており、蛍光体は前面保護ガラスの光入射面側に配置することにより、紫外線吸収剤と蛍光体の混在を避けている。
また、特許文献3では、紫外線吸収剤を含む充填材層の上部に、蛍光体を含む充填材層を配置することにより、まず上部の蛍光体を含む充填材層に紫外線を吸収、蛍光発光せしめ、吸収しきることのできなかった紫外線を下部の紫外線吸収剤層で吸収させている。これにより、蛍光体による高効率化と紫外線吸収剤による紫外線吸収を両立させようとしている。
特開2011−238639号公報 特開2012−191068号公報 国際公開番号WO2015/129177号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、蛍光体が、光電変換素子で有効に利用できる長波長側の光を吸収することになり、その分の効率低下を避けることができない。また、特許文献2では、保護ガラスの光入射面側に蛍光体を含有する別の層を構成することとなり、蛍光体層は屋外環境に直接暴露されることになり、蛍光体の劣化が早まるという課題がある。さらに特許文献3の構成では、本発明者らの検討によれば、紫外線吸収剤を含む層から、蛍光体を含む層へ、時間と共に紫外線吸収剤が拡散することとなる。結果として、蛍光体からみて、光の入射面側にも紫外線吸収剤が回りこむことになり、蛍光体の発光量が低下し、高効率化の妨げとなるという課題がある。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、短波長領域の光の長波長領域の光への波長変換による高出力化と、紫外線除去による長寿命化とを両立させた太陽電池モジュールとその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る太陽電池モジュールは、
バックシートと、
充填材層と、
電極材料により電気的に接続された光電変換素子と、
紫外線吸収剤層と、
蛍光体シート材と、
保護材料と、
を、上記順序で積層された構造である太陽電池モジュールであって、
前記蛍光体シート材は、透明な樹脂材料中に蛍光体が充填されている。
本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法は、シート状の透明な樹脂材料の表面に蛍光体を塗布する工程と、
塗布された前記蛍光体を、シート状の透明な前記樹脂材料に埋め込むことにより、蛍光体シート材を製造する工程と、
光電変換素子を電極材料で電気的に接続する工程と、
保護材料と、前記蛍光体を埋め込んだ前記樹脂材料の表面を前記保護材料側に配置した前記蛍光体シート材と、紫外線吸収剤層と、前記電極材料で電気的に接続された前記光電変換素子と、前記光電変換素子の間を満たす第一の充填材層と、バックシートと、を上記順序に重ね合わせる工程と、
重ね合わせた前記各部材をラミネートする工程と、
を含む。
本発明に係る別の太陽電池モジュールの製造方法は、熱溶融した透明樹脂の中に、蛍光体を配合分散させる工程と、
前記蛍光体を分散させた前記透明樹脂をシート状に加工することにより、蛍光体シート材を製造する工程と、
光電変換素子を電極材料で電気的に接続する工程と、
保護材料と、蛍光体シート材と、紫外線吸収剤層と、前記電極材料で電気的に接続された光電変換素子と、前記光電変換素子の間を満たす第一の充填材層と、バックシートと、を上記順序に重ね合わせる工程と、
重ね合わせた前記各部材をラミネートする工程と、
を含む。
本発明に係る太陽電池モジュールの構成によれば、蛍光体シート材は、透明な樹脂材料中に蛍光体が充填されている。これによって、紫外線吸収剤が蛍光体の保護材料側に回り込みにくく、すなわち蛍光体の紫外線吸収が阻害されにくくなる。また、紫外線吸収剤の紫外線吸収効果によって光電変換素子が紫外線によるダメージから保護される。これによって、波長変換による高効率化が長寿命に維持された太陽電池モジュールとすることができる。
実施の形態1における太陽電池モジュールの断面構造を示す断面図である。 実施の形態1における蛍光体シート材の断面構造を示す断面図である。 (a)及び(b)は、実施の形態1における太陽電池モジュール100の製造方法Aを表す断面図である。
第1の態様に係る太陽電池モジュールは、バックシートと、
第一の充填材層と、
電極材料により電気的に接続された光電変換素子と、
紫外線吸収剤層と、
蛍光体シート材と、
保護材料と、
を、上記順序で積層された構造である太陽電池モジュールであって、
前記蛍光体シート材は、透明な樹脂材料中に蛍光体を含む。
第2の態様に係る太陽電池モジュールは、上記第1の態様において、前記蛍光体シート材は、シート状の透明樹脂材料に、前記蛍光体を含み、前記保護材料に接触する面から内側に向かって、配合した前記蛍光体の平均粒径相当の深さ内における前記蛍光体の体積比率が49.8%以上80.1%以下であってもよい。
第3の態様に係る太陽電池モジュールは、上記第1又は第2の態様において、前記蛍光体シート材の厚みが10μm以上300μm以下であってもよい。
第4の態様に係る太陽電池モジュールは、上記第1から第3のいずれかの態様において、前記蛍光体は、粒子状であり、無機化合物から構成されてもよい。
第5の態様に係る太陽電池モジュールは、上記第1から第4のいずれかの態様において、前記紫外線吸収剤層の屈折率をn、前記透明な樹脂材料の屈折率をnとした場合、n≦nの関係式を満たしてもよい。
第6の態様に係る太陽電池モジュールは、上記第1から第5のいずれかの態様において、前記紫外線吸収剤層は、紫外線吸収剤を含む透明材料であって、前記透明材料は、ポリエチレンもしくはエチレン酢酸ビニル共重合体であってもよい。
第7の態様に係る太陽電池モジュールの製造方法は、シート状の透明な樹脂材料の表面に、蛍光体を塗布する工程と、
塗布された前記蛍光体を、シート状の透明な前記樹脂材料に埋め込むことにより、蛍光体シート材を製造する工程と、
光電変換素子を電極材料で電気的に接続する工程と、
保護材料と、前記蛍光体を埋め込んだ前記樹脂材料の表面を前記保護材料側に配置した前記蛍光体シート材と、紫外線吸収剤層と、前記電極材料で電気的に接続された前記光電変換素子と、前記光電変換素子の間を満たす第一の充填材層と、バックシートと、を上記順序に重ね合わせる工程と、
重ね合わせた前記各部材をラミネートする工程と、
を含む。
第8の態様に係る太陽電池モジュールの製造方法は、熱溶融した透明樹脂の中に、蛍光体を配合分散させる工程と、
前記蛍光体を分散させた前記透明樹脂をシート状に加工することにより、蛍光体シート材を製造する工程と、
光電変換素子を電極材料で電気的に接続する工程と、
保護材料と、蛍光体シート材と、紫外線吸収剤層と、前記電極材料で電気的に接続された光電変換素子と、前記光電変換素子の間を満たす第一の充填材層と、バックシートと、を上記順序に重ね合わせる工程と、
重ね合わせた前記各部材をラミネートする工程と、
を含む。
以下、実施の形態に係る太陽電池モジュール及びその製造方法について、添付図面を参照しながら説明する。なお、図面において実質的に同一の部材については同一の符号を付している。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施形態における太陽電池モジュール100の構造を示す断面図である。本実施形態の太陽電池モジュール100では、少なくとも光電変換素子101と、光電変換素子101を保護する背面の透明樹脂により形成された充填材層(第一の充填材層)102と、バックシート103と、光電変換素子同士を電気的に接続する電極104と、紫外線吸収剤が含有された紫外線吸収剤層105と、蛍光体108を含有し、保護材料に接する表面近傍に蛍光体が高充填された蛍光体シート材106と保護材料107を備えている。この太陽電池モジュールは、バックシート103と、第一の充填材層102と、電極材料104により電気的に接続された光電変換素子101と、紫外線吸収剤層105と、蛍光体シート材106と、保護材料107と、を、上記順序で積層された構造を有する。この蛍光体シート材106は、透明な樹脂材料中に蛍光体108を含む。
この太陽電池モジュール100の構成によれば、蛍光体シート材106は、透明な樹脂材料109中に蛍光体108が充填されている。これによって、紫外線吸収剤層105の紫外線吸収剤が蛍光体の保護材料107側に回り込みにくく、すなわち蛍光体108の紫外線吸収が阻害されにくくなる。また、紫外線吸収剤層105の紫外線吸収剤の紫外線吸収効果によって光電変換素子101が紫外線によるダメージから保護される。これによって、波長変換による高効率化が長寿命に維持された太陽電池モジュール100とすることができる。
なお、蛍光体の配合量は、保護材料と接する表面から内側に向かって、蛍光体の平均粒径に相当する深さの領域における体積充填率が49.8%以上80.1%以下、さらに、50%以上80%以下としてもよい。このように、保護材料側の表面近傍において蛍光体を高充填することにより、さらに、波長変換による高効率化が長寿命に維持された太陽電池モジュール100を得ることができる。
以下に、この太陽電池モジュール100を構成する各構成部材について説明する。
<光電変換素子>
光電変換素子101は、単結晶シリコン系、多結晶シリコン系、アモルファスシリコン系などのシリコン半導体や、ガリウム砒素、カドミウムテルルなどの化合物半導体とすることができる。光電変換素子101は、電気的に相互に接続された複数の光電変換素子を含んでもよい。複数の光電変換素子を用いる場合には、直列に接続するか、あるいは、並列に接続するか、いずれであってもよい。
<電極(電極材料)>
光電変換素子101は、電極104により電気的に接合されている。電極104としては公知の金属材料や合金材料とすることができる。電極104は、一対の電極を含んでもよい。この一対の電極104によって光電変換素子101からの出力を得ることができる。また、複数の光電変換素子を電気的に相互に接続する場合には、直列又は並列のそれぞれの場合について出力が得られるように一対の電極104と接続する。
<第一の充填材層>
光電変換素子101を保護する背面の充填材層(第一の充填材層)102としては、エチレン酢酸ビニル共重合体、ビスフェノールエポキシ樹脂硬化物、ポリエチレン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂などを単独で使用することも出来る。また、これらを2種類以上混合して使用することもできる。また、充填材層102には、紫外線吸収剤が含有されていてもよい。
<バックシート>
バックシート103は、太陽電池モジュール100の裏面側からの内部への水や異物の浸入を防止するための保護部材であり、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどを用いることができる。
<保護材料>
保護材料としては、例えば保護ガラス107を用いることができる。保護ガラス107は、例えば透光性および遮水性を有する公知の板状ガラスとすることができる。
紫外線吸収剤層105および、蛍光体シート材106は、本発明の骨子となる重要な部位であり、その詳細を以下に述べる。
<紫外線吸収剤層>
紫外線吸収剤層105は、紫外線吸収剤を含む透明樹脂で構成される。透明樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、メタクリルスチレン重合体、酢酸セルロース、ポリカーボネート、ポリエステル、PET、三フッ化ビニリデン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィン、トリアセテートなどを単独で使用することも出来、これらを2種類以上混合して使用することもできる。厚みとしては100μm以上1000μm以下とすることができる。100μmより薄いと、蛍光体により吸収されなかった紫外線を十分に吸収することが出来ず、光電変換素子101への紫外線による損傷を抑制することができない。1000μmより厚い場合には、透明樹脂自体による可視領域光の吸収が増大し、光電変換素子101による変換効率の低下の原因となり、好ましくない。
透明樹脂中に含有される紫外線吸収剤としては、組成、系統共に限定されるものではないが、吸収波長のピークが300nm以上400nm以下のものとすることができる。吸収波長のピークが300nmより小さいと、蛍光体により吸収されなかった紫外線の波長を十分吸収することができず、光電変換素子への紫外線による損傷が大きくなる。400nmより大きいと、蛍光体シート材106を通過した紫外線の波長領域を外れることにより光電変換素子101を紫外線から保護しにくくなり、さらに蛍光体シート材中の蛍光体が発した長波長領域の光をも吸収することとなってしまい、蛍光体シート材106の波長変換による出力向上の妨げとなる。紫外線吸収剤としては、透明性が高いという観点からトリアジン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物等に代表される有機系紫外線吸収剤を使用することが好ましい。紫外線吸収剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
トリアジン系化合物としては、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(1−オクチルオキシカルボニルエトキシ)フェニル]−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン等を使用することが出来る。
ベンゾトリアゾール系化合物としては、2−(3、5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(3、5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3、5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(5−ジ−t−オクチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、メタクリル酸2‐[3‐(2H‐ベンゾトリアゾール‐2‐イル)‐4‐ヒドロキシフェニル]エチル等が挙げられる。
ベンゾフェノン系としては、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン等とすることができる。
紫外線吸収剤の添加量としては、300nmから400nmの吸収波長における透過率が、5%未満となるように配合量を決定すればよい。例えば、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤では、紫外線吸収剤の透明樹脂に対して、0.05重量部以上、5重量部以下とすることが出来る。
<蛍光体シート材>
蛍光体シート材106の製造に使用する蛍光体108としては、無機化合物蛍光体(以下、無機蛍光体と称する)を使用することができる。本発明においては、光電変換素子の感度特性の低い短波長領域の光を吸収し、感度特性の高い長波長領域の光を蛍光として発し、出力を向上させるという観点から、400nm以下の紫外光を吸収し、400nmより長い波長の蛍光を発することが好ましい。また、2種類の蛍光体を使用する際には、第一の蛍光体が発した蛍光波長と第二の蛍光体の吸収波長が重なるように蛍光体を選択すると、より広い範囲の波長の蛍光を発することになり、出力向上の観点から好ましい。
無機蛍光体としては、特に限定するものではなく公知のものを使用することができる。一般的には母結晶に金属元素が発光イオンとして賦活した酸化物や窒化物、硫化物などを用いることができる。母結晶の組成として、B、Gd、O、S、Al、Ga、Ba、Sr、K、V、La、Cl、P、In、Zn、Y、Ca、Mg等の元素を1種類以上用い、発光中心元素としてZn、Ho、Tb、Nd、Ag、Mn、Ce、Eu、Dy、Tm等が1種類以上賦活され用いられている無機蛍光体が挙げられる。尚、本発明に以上のような無機蛍光体を使用する際には、その平均粒径としては0.03μm以上0.3μm以下とすることが望ましい。0.03μmより小さい場合、無機蛍光体の表面欠陥の影響が大きくなり、発光効率が低下する。0.3μmより大きい場合、光電変換素子にとって感度特性の高い波長の光を前記無機蛍光体の粒子による散乱で損失が発生する。
さらに、好適に使用できる無機蛍光体として、二酸化珪素を主成分とするいわゆるシリカフィラー内に発光イオンとなる元素を含む酸化物や窒化物、硫化物などが分布したシリカ蛍光体を挙げることができる。シリカ蛍光体は、主成分がシリカすなわち二酸化珪素であるため、その屈折率が1.49より大きく、1.51より小さい。従って、後述する透明なシート状の樹脂材料がエチレン酢酸ビニル共重合体やポリエチレンの場合に、それらに近い屈折率を有することになり、透明性を向上させることが容易であるため好ましい。このようなシリカ蛍光体を使用する場合は、平均粒子径としては、0.05μm以上、50μm以下とすることができる。0.05μmより小さい場合には、蛍光体粒子が凝集しやすく、凝集した場合には、その粒子間に空気をかみこむことになり、蛍光体シート材の透明性が損なわれ、効率向上が妨げられることになる。50μmより大きい場合には、蛍光体粒子による光の散乱が大きくなり、また蛍光体粒子の充填材表面からの露出が大きくなる。これにより、後述するラミネートによる太陽電池モジュールの組み立て工程において、保護材料107との密着力が小さくなり、蛍光体シート材と保護ガラス間の剥離などの原因となり得る。またシート状の透明な樹脂材料中における蛍光体の充填率を上げるために平均粒径の異なる粒子を併用してもよい。
他の蛍光体としては錯体蛍光体を使用することができる。錯体蛍光体は、特に限定されるものではないが一般的な定義に基づく。例えば、少なくとも1種以上の配位子が少なくとも1種類以上の中心金属原子に、配位結合または水素結合により少なくとも1つ以上配位されてなり、かつ、中心金属原子が発光中心となっている分子性化合物である。なお、中心金属原子がイオンであるか否かは限定されない。発光中心となる中心金属原子としては、例えばFe、Cu、Zn、Al、Auなどの遷移金属が挙げられる。特にランタノイド系に属するGd、Yb、Y、Eu、Tb、Yb、Nd、Er、Sm、Dy、Ceなどでは吸収する光の波長と、発光する光の波長の差が大きく、蛍光の再吸収などによる発光効率の低下が小さい、量子効率が高いなどの利点があり、好ましい。
蛍光体の配合量は、蛍光体シート材の断面図を表した図2において示したように、保護材料と接する表面から内側に向かって、蛍光体の平均粒径に相当する深さLの領域における体積充填率が49.8%以上80.1%以下、さらに、50%以上80%以下とすることができる。49.8%より小さいと、配合される蛍光体の総量が小さくなり、太陽電池モジュールの発電効率の向上が十分でない。また80.1%より大きいと、蛍光体シート材の表面が固くなり、保護材料との密着などが十分でなくなる。
蛍光体シート材106の製造に使用するシート状の透明な樹脂材料としては、透明樹脂で構成される。透明樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、メタクリルスチレン重合体、酢酸セルロース、ポリカーボネート、ポリエステル、PET、三フッ化ビニリデン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィン、トリアセテートなどを単独で使用することも出来、これらを2種類以上混合して使用することもできる。蛍光体シート材の透明性向上の観点から、透明樹脂の屈折率は、選択する蛍光体の屈折率と近いものが望ましい。
<蛍光体シート材の製造方法>
(製造方法A)
本発明における蛍光体シート材は、例えば、製造方法Aとして次のように製造することができる。
(a)まず、シート状の透明な樹脂材料を用意する。前述した透明樹脂材料から選んだ樹脂材料をロール延伸や熱プレスによりシート状に加工し、シート状の透明な樹脂材料とする。
(b)次に、粒子状の蛍光体を用意し、次に述べる工法で蛍光体シート材を作製する。すなわち、上記シート状の透明な樹脂材料に適当量の粒子状である蛍光体を、シート状の透明な樹脂材料の表面に付着させて、例えば、ヘラ状の板の端やスキージ、あるいは刷毛などで略均一に分布させる。このとき、粒子は静電気力や物理吸着などで安定してシート状の透明な樹脂材料の表面に付着させることとなり、一度付着した粒子は安定してシート状の透明な樹脂材料の表面に保持させることができる。さらに粒子状である蛍光体が、その表面に均一に付着し保持されているシート状の透明な樹脂材料をスペーサなどで一定のギャップを維持、または、蛍光体粒子そのものがスペーサとなる程度の厚みまで熱プレスする。これによって、表面に付着していた粒子状である蛍光体をシート状の透明な樹脂材料の表面近傍に埋め込むこととなり、本発明における蛍光体シート材とすることができる。さらにこの際、加熱しながら、蛍光体をシート状透明樹脂材料に埋め込むという観点からは、熱プレスに限定される必要はなく、熱ロール工法などを用いることもできる。前述した製造方法で蛍光体シート材を製造する場合、蛍光体を塗布−プレスという工程を複数回繰り返すことができ、表面から塗布した蛍光体の平均粒径相当の深さ内における蛍光体の体積比率を制御し易い。
蛍光体シート材の厚みは、10μm以上300μm以下とすることができる。厚さが10μmより薄いと、その強度が弱くなり、また生産工程上扱いが難しくなり好ましくない。厚さが300μmより厚くなると、蛍光体シート材を構成する透明樹脂材料による光の吸収が大きくなり、効率向上の妨げとなるため好ましくない。
(製造方法B)
蛍光体シート材の製造方法は、上記製造方法Aに限られない。例えば、製造方法Bとして、熱溶融させた透明樹脂に蛍光体を配合し、混練するといった公知の方法によりあらかじめ蛍光体を溶解あるいは分散させ、ロール延伸や熱プレスによりシート状に加工することによって製造することもできる。この場合には、蛍光体の配合量を体積比率として50%以上、80%以下とし、さらに、ロール延伸や熱プレスによりシート状に加工する際、その厚みを配合した蛍光体の平均粒径程度となるように加工することにより、保護材料側の表面から内側に向かって、配合している蛍光体粒子の粒径に相当する深さ内における蛍光体の体積比率が50%以上、80%以下となり、本発明の蛍光体シート材とすることができる。つまり、この場合には、蛍光体シート材の厚みそのものが、蛍光体の平均粒径程度の厚みに相当することになる。
蛍光体による入射光の反射や屈折を抑制するという観点から、蛍光体の屈折率と、シート状の透明な樹脂材料の屈折率との差は、小さいことが好ましく、蛍光体の屈折率をn、シート状の透明な樹脂材料の屈折率をnとした場合、−0.1≦n−n≦0.1であることが好ましい。さらに、紫外線吸収剤層と蛍光体シート材の間の反射低減という観点から、紫外線吸収剤層の屈折率をnとしたとき、n≦nであることが好ましい。
(太陽電池モジュールの製造方法)
次に、本発明の実施形態における太陽電池モジュール100の製造プロセスを説明する。
(1)まず、紫外線吸収剤層105を製造する。熱溶融させた透明樹脂に紫外線吸収剤を配合し、混練するといった公知の方法によりあらかじめ紫外線吸収剤を溶解あるいは分散させ、ロール延伸や熱プレスによりシート状にした紫外線吸収剤層105を作製する。例えば、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤である2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン1gを、エチレン酢酸ビニル共重合体200gに添加し、120℃に加熱したプラネタリミキサ内で、100rpmで約30分混合する。さらに混合物を120℃に加熱した熱プレス機で一定厚みのステンレススペーサでギャップ調整し、プレスし冷却することにより紫外線吸収剤層105を作製する。
(2)次に、粒子状の蛍光体とシート状の透明な樹脂材料を用意し、次に述べる工法で蛍光体シート材を製造する。例えば、粒子状の蛍光体として平均粒径が10μmのシリカ蛍光体、シート状の透明な樹脂材料として200μm厚みのエチレン酢酸ビニル共重合体のシートを選択する。次いで、適当量のシリカ蛍光体を、エチレン酢酸ビニル共重合体に付着させて、例えばヘラ状の板の端、やスキージ、あるいは刷毛などで略均一に分布させる。このとき、粒子は静電気力や物理吸着などで安定してエチレン酢酸ビニル共重合体のシート表面に付着させることとなり、一度付着した粒子は安定してエチレン酢酸ビニル共重合体のシート表面に保持させることができる。さらに、シリカ蛍光体が、その表面に均一に付着し保持されているエチレン酢酸ビニル共重合体をスペーサなどで一定のギャップを維持しながら熱プレスする。これによって、表面に付着していた粒子状であるシリカ蛍光体をエチレン酢酸ビニル共重合体内に埋め込むことができ、蛍光体シート材とすることができる。また、加熱しながら、シリカ蛍光体をエチレン酢酸ビニル共重合体のシート内に埋め込むという観点からは、熱プレスに限定される必要はなく、熱ロール工法などを用いることもできる。
(3)次いで、蛍光体が少なくとも表面近傍に高充填された蛍光体シート材106を他部材と共にラミネートして、太陽電池モジュールを得る工程を図3(a)、(b)に示す。この工程では、バックシート103と、第一の充填材層102と、電極104により電気的に接続された光電変換素子101と、上記のように作製した紫外線吸収剤層105と、上記のように作製し、蛍光体を埋めこんだ表面が保護ガラス側になるように配置した蛍光体シート材106と、保護ガラス110と、の順に重ねてラミネート処理して、太陽電池モジュール100を作製する。これにより、蛍光体シート材106中の蛍光体によって、紫外線をより長波長の光へ変換して出力を向上させる。また、紫外線吸収剤層105中の紫外線吸収剤が、蛍光体シート材106で吸収されなかった紫外線を吸収する。また、紫外線吸収剤層105から拡散した紫外線吸収剤は、蛍光体の光の入射側に回り込むことが出来ない。そこで、光電変換素子101が紫外線による損傷から保護された、出力が高く、長寿命な太陽電池モジュール100とすることができる。具体的には、電極材料104として、銀メッキした銅配線、光電変換素子101として単結晶シリコン光電変換素子、光電変換素子101の第一の充填材層102として、エチレン酢酸ビニル共重合体を使用し、本実施形態の太陽電池モジュール100を製造することができる。
なお、蛍光体の粒径よりも厚いシート状透明樹脂を用意し、蛍光体の塗布と、適当な厚みのスペーサなどでシート状透明樹脂の厚みを制御しながら熱プレスの工程を繰り返すことで、蛍光体がより多く充填された蛍光体シート材とすることができる。
以下、実施例および比較例について具体的に説明する。
それぞれの実施例における、蛍光体シート材についての配合と製造方法、比較例の配合と、後述する評価結果について、下記の表1および表2に示す。
Figure 2018182074
Figure 2018182074
(実施例1)
実施例1は、蛍光体として、多孔質シリカフィラーの多孔質部分にEu2+を発光中心とする蛍光体微粒子を埋め込み、焼結することにより形成したシリカ蛍光体を使用し、前述の製造方法Aで蛍光体シート材を製造した例である。シリカ蛍光体の平均粒径は10μmである。エチレン酢酸ビニル共重合体を、ロールによる延伸によりシート状に加工し、さらにシリカ蛍光体を刷毛により塗布した。シリカ蛍光体を塗布したエチレン酢酸ビニル共重合体を、200μmのスペーサを設置した、120℃に加熱した熱プレス機でプレスすることにより、蛍光体シート材とした。蛍光体シート材の断面をSEM観察し、シリカ蛍光体を埋め込んだ表面から10μmの深さまでの領域で、エチレン酢酸ビニル共重合体と、蛍光体の面積比率を見積もり、面積比率を1.5乗倍した値を蛍光体の体積比率とした。なお、表1、表2には上記体積比率を表面体積比率として記載している。紫外線吸収剤層としては、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤である2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン1gを、低密度ポリエチレン樹脂200gに添加し、150℃に加熱したプラネタリミキサ内で、100rpmで約30分混合する。さらに混合物を150℃に加熱した熱プレス機で550μmのステンレススペーサでギャップ調整し、プレスし冷却することにより製造した紫外線吸収剤層とした。さらに、保護ガラス、蛍光体シート材、紫外線吸収剤層、電極で互いに接続された光電変換素子、第一の充填材層、バックシートの順に重ねてラミネートすることにより、評価用モジュールを作製した。
(実施例2)
実施例2は、シリカ蛍光体の平均粒径が50μmであり、製造方法が前述の製造方法Bであり、蛍光体シート材が50μmであり、表面体積比率が57%である点を除いて、実施例1と同様である。すなわち、平均粒径50μmのシリカ蛍光体を、エチレン酢酸ビニル共重合体に体積比率として57%添加し、150℃に加熱したプラネタリミキサ内で、100rpmで約30分混合する。さらに混合物を120℃に加熱した熱プレス機で50μmのステンレススペーサでギャップ調整し、プレスし冷却することにより蛍光体シート材とした。表面体積比率はシリカ蛍光体の配合量である57%として、表1内に記載した。
(実施例3)
実施例3は、蛍光体が、平均粒径0.04μmのZnSiO:Mn(以下、マンガン含有ケイ酸亜鉛と称する)であり、蛍光体シート材を構成する透明樹脂が低密度ポリエチレンであり、表面体積比率が53%である点を除いて実施例1と同様である。
(実施例4乃至7)
実施例4は、蛍光体シート材の厚みが10μmであり、表面体積比率が54.7%である点を除いて実施例1と同様である。
実施例5は、蛍光体シート材の厚みが300μmであり、表面体積比率が53.5%である点を除いて実施例1と同様である。
実施例6は、表面体積比率が49.8%である点を除いて、実施例1と同様である。
実施例7は、表面体積比率が80.1%である点を除いて、実施例1と同様である。
(比較例1乃至7)
比較例1は、蛍光体を配合しなかった点を除き、実施例1と同様である。
比較例2は、表面体積比率が47.5%である点を除き、実施例1と同様である。
比較例3は、表面体積比率が85.3%である点を除き、実施例1と同様である。
比較例4は、蛍光体が平均粒径0.04μmのマンガン含有ケイ酸亜鉛であり、蛍光体シート材を構成する透明樹脂が低密度ポリエチレンであり、蛍光体シート材の厚みが8μmであり、表面体積比率が56%である点を除いて、実施例1と同様である。
比較例5は、蛍光体シート材の厚みが350μmであり、表面体積比率が55.4%である点を除いて実施例1と同様である。
比較例6は、紫外線吸収剤層を構成する樹脂材料がシリコーン樹脂である点であり、その屈折率が1.43である点を除いて実施例1と同様である。
比較例7は、紫外線吸収剤層に該当する層において、紫外線吸収剤が配合されていない点を除いて、実施例1と同様である。
以上の、評価用モジュールについて、変換効率測定、紫外線照射装置により、100mW/cmの強度の紫外線を240時間照射し、出力値の変化率を測定した。
それぞれの評価項目の判定基準を下記する。
(出力値)
作製したそれぞれのモジュールについて、ソーラーシミュレータによるXeランプ光照射時の出力を求め、比較例1を100としたときの、相対値を求めた。
判定基準
出力値向上が特に優れた範囲として 0.5より大きい ・・・ ◎
出力値向上が優れた範囲として 0より大きく0.5以下 ・・・ ○
出力値の向上が観られない範囲として 0以下 ・・・ △
(紫外線100mW/cmを240時間連続照射時の出力値維持率)
判定基準
100mW/cmの紫外線を、240時間連続で照射した。照射前の出力値に対する、照射後の出力値の比を、出力維持率として求めた。
紫外線による損傷抑制が優れた範囲として 95%以上 ・・・ ○
紫外線による損傷抑制が十分でない範囲として 95%未満 ・・・ △
(総合判定)
各実施例および比較例において、出力値の判定と、紫外線照射時の出力維持率の判定との両者を考慮した総合判定を行った。
即ち、総合判定◎は、出力値の判定及び紫外線照射時の出力維持率の判定において△がなく◎が1個以上の場合であり、特に高効率化と高信頼性化の両立が可能な構成であると判断した。
次に、総合判定○は、出力値の判定及び紫外線照射時の出力維持率の判定において◎と△以外の場合であり、高効率化と高信頼性化の両立が可能な構成であると判断した。
最後に、総合判定△は、出力値の判定及び紫外線照射時の出力維持率の判定において少なくとも1個の△の判定がある場合であり、高効率化と高信頼性化が両立できない構成であると判断した。
上記表1および表2に示した結果から次のことが分かる。
実施例1から本発明における構成は、太陽電池の高出力化と高信頼性化とを両立することのできる構造であることがわかる。
一方、実施例1と比較して、比較例1では、蛍光体が配置されていないため、高効率化が達成できず、比較例7では紫外線吸収剤が配合されていないため高信頼性化が達成できていない。
実施例1と実施例2から、製造方法はAにおいてもBにおいても高効率化に有効な蛍光体シート材を製造することができる。
実施例1と実施例3の比較から、蛍光体として無機蛍光体、中でもシリカ蛍光体が有用に使用できることがわかる。
実施例4、実施例5から、蛍光体シート材の厚みとして10μm以上300μm以下が適当であることがわかる。
一方、比較例4では、蛍光体シート材の厚みが10μmより薄く、比較例5では蛍光体シート材の厚みが300μmより厚いために高効率化が達成できていない。
実施例6、実施例7から、蛍光体の表面体積比率として、49.8%以上80.1%以下が適当であることがわかる。
一方、比較例2では、表面体積率が49.8%より小さく、比較例3では表面体積比率が80.1%より大きいために高効率化が達成できていない。
実施例1では、蛍光体シート材の屈折率は紫外線吸収剤の屈折率よりも小さいことが、高効率化に有効であることがわかる。
一方、実施例1と比較し、比較例6では、蛍光体シート材の屈折率が紫外線吸収剤の屈折率よりも大きいために、蛍光体シート材と紫外線吸収剤の界面での反射が大きく、高効率化が達成できていない。
次に、総合判定◎と○の相違点について考察する。総合判定◎である実施例1では、無機蛍光体として好ましいシリカ蛍光体を使用していること、シリカ蛍光体の粒径が総合判定○である実施例2に比べて小さいためにその比表面積が大きく、発光量が大きいこと、蛍光体シート材の厚みや表面体積比率が総合判定○である他の実施例と比較して、適正範囲のより中央値に近いことなどより、特に効率向上が大きいと考えられる。
なお、本開示においては、前述した様々な実施の形態及び/又は実施例のうちの任意の実施の形態及び/又は実施例を適宜組み合わせることを含むものであり、それぞれの実施の形態及び/又は実施例が有する効果を奏することができる。
以上説明したように、本発明に係る太陽電池モジュールは、光電変換素子が有効に利用できない光を有効な光に変換し、紫外線による光電変換素子への損傷を抑制することで、太陽電池モジュールの光電変換効率が向上しかつ、長寿命であり産業上の利用可能性は高い。
100 太陽電池モジュール
101 光電変換素子
102 第一の充填材層
103 バックシート
104 電極(電極材料)
105 紫外線吸収剤層
106 蛍光体シート材
107 保護材料(保護ガラス)
108 蛍光体
109 透明な樹脂材料
110 保護材料(保護ガラス)

Claims (8)

  1. バックシートと、
    第一の充填材層と、
    電極材料により電気的に接続された光電変換素子と、
    紫外線吸収剤層と、
    蛍光体シート材と、
    保護材料と、
    を、上記順序で積層された構造である太陽電池モジュールであって、
    前記蛍光体シート材は、透明な樹脂材料中に蛍光体を含む、太陽電池モジュール。
  2. 前記蛍光体シート材は、シート状の透明樹脂材料に、前記蛍光体を含み、前記保護材料に接触する面から内側に向かって、配合した前記蛍光体の平均粒径相当の深さ内における前記蛍光体の体積比率が49.8%以上80.1%以下である、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記蛍光体シート材の厚みが10μm以上300μm以下である、請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記蛍光体は、粒子状であり、無機化合物から構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記紫外線吸収剤層の屈折率をn、前記透明な樹脂材料の屈折率をnとした場合、n≦nの関係式を満たす、請求項1から4のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
  6. 前記紫外線吸収剤層は、紫外線吸収剤を含む透明材料であって、前記透明材料は、ポリエチレンもしくはエチレン酢酸ビニル共重合体である、請求項1から5のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
  7. シート状の透明な樹脂材料の表面に蛍光体を塗布する工程と、
    塗布された前記蛍光体を、シート状の透明な前記樹脂材料に埋め込むことにより、蛍光体シート材を製造する工程と、
    光電変換素子を電極材料で電気的に接続する工程と、
    保護材料と、前記蛍光体を埋め込んだ前記樹脂材料の表面を前記保護材料の側に配置した前記蛍光体シート材と、紫外線吸収剤層と、前記電極材料で電気的に接続された前記光電変換素子と、前記光電変換素子の間を満たす第一の充填材層と、バックシートと、を上記順序に重ね合わせる工程と、
    重ね合わせた前記各部材をラミネートする工程と、
    を含む、太陽電池モジュールの製造方法。
  8. 熱溶融した透明樹脂の中に、蛍光体を配合分散させる工程と、
    前記蛍光体を分散させた前記透明樹脂をシート状に加工することにより、蛍光体シート材を製造する工程と、
    光電変換素子を電極材料で電気的に接続する工程と、
    保護材料と、蛍光体シート材と、紫外線吸収剤層と、前記電極材料で電気的に接続された光電変換素子と、前記光電変換素子の間を満たす第一の充填材層と、バックシートと、を上記順序に重ね合わせる工程と、
    重ね合わせた前記各部材をラミネートする工程と、
    を含む、太陽電池モジュールの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113841258A (zh) * 2019-06-05 2021-12-24 松下知识产权经营株式会社 太阳能电池模块
CN116997633A (zh) * 2021-03-15 2023-11-03 松下知识产权经营株式会社 荧光体和使用了它的太阳能电池模块

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