JP2011254761A - 光質調整フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】特定の波長の光を選択的に吸収・発光し、かつ高い効率で変換光を取り出すことが可能な光質調整フィルムを提供する。
【解決手段】蛍光体11bを含有する光波長変換層11を有することによって、400nm以上、500nm以下の波長の光と、600nm以上、700nm以下の波長の光を多く発光することができる。また、表面に凹凸構造が形成された表面凹凸構造層12を有することによって、光取出し性能や防汚性、洗浄の簡便性の低下を少なくすることができる。
【選択図】図1
【解決手段】蛍光体11bを含有する光波長変換層11を有することによって、400nm以上、500nm以下の波長の光と、600nm以上、700nm以下の波長の光を多く発光することができる。また、表面に凹凸構造が形成された表面凹凸構造層12を有することによって、光取出し性能や防汚性、洗浄の簡便性の低下を少なくすることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、光質調整フィルムに関し、特に農業分野で利用可能な光質調整フィルムに関する。
農業用フィルムは、作物を外部の環境から保護し、収率を高めることや収穫時期を変更するために用いられている。農業フィルムとしては、高い光線透過性、長期使用が可能な耐久性や汚れによる光線透過の阻害を防止する防汚性等が提案されてきた。又、UV非透過性や光選択透過性等の光質調整機能も提案されている。
上記光質調整機能は、入射する光を実質的に遮断することで実現されており、遮断された分だけ光を損失していると言える。そのため、より有効に光を活用する方法として、光波長変換機能を有する資材を用いる方法が提案されている(特許文献1)。
上記光質調整機能は、入射する光を実質的に遮断することで実現されており、遮断された分だけ光を損失していると言える。そのため、より有効に光を活用する方法として、光波長変換機能を有する資材を用いる方法が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、従来技術に示されるような組成では、まだ光の利用効率として満足と言えるものではない。
そこで、本発明は、上記のような従来技術の課題を解決しようとするものであり、特定の波長の光を選択的に吸収・発光し、かつ高い効率で変換光を取り出すことが可能な光質調整フィルムを提供することを目的とする。
そこで、本発明は、上記のような従来技術の課題を解決しようとするものであり、特定の波長の光を選択的に吸収・発光し、かつ高い効率で変換光を取り出すことが可能な光質調整フィルムを提供することを目的とする。
本発明に係る第1の光質調整フィルムは、少なくとも1種類の蛍光体が分散され、光の波長を変換する光波長変換層を少なくとも1層有し、300nm以上、400nm以下の波長の光を400nm以上、500nm以下の波長の光に変換し、500nm以上、600nm以下の波長の光を600nm以上、700nm以下の波長の光に変換することを特徴とする。
この第1の光質調整フィルムによれば、光波長変換層を通過する光の成分のうち、400nm以上、500nm以下の波長の光量と、600nm以上、700nm以下の波長の光量とを増加させることが可能となる。
この第1の光質調整フィルムによれば、光波長変換層を通過する光の成分のうち、400nm以上、500nm以下の波長の光量と、600nm以上、700nm以下の波長の光量とを増加させることが可能となる。
本発明に係る第2の光質調整フィルムは、前記蛍光体の含有率が、前記光波長変換層を形成する透明樹脂の100質量部に対して、0.001質量部以上、10.0質量部以下であることを特徴とする。
この第2の光質調整フィルムによれば、蛍光体の含有率を上記の値にするによって、耐光性や濃度消光、透明性の低下を最も抑えることが可能となる。
この第2の光質調整フィルムによれば、蛍光体の含有率を上記の値にするによって、耐光性や濃度消光、透明性の低下を最も抑えることが可能となる。
本発明に係る第3の光質調整フィルムは、最表面層の表面に、凹凸構造が形成された表面凹凸構造層をさらに有し、前記凹凸構造は、表面粗度Rzが1μm以上、50μm以下であり、ヘイズ値が20%以上、100%以下であることを特徴とする。
この第3の光質調整フィルムによれば、表面凹凸構造層の表面密度およびヘイズ値を上記の値にすることによって、光取出し性能や防汚性、洗浄の簡便性の低下を最も抑えることが可能となる。
本発明に係る第4の光質調整フィルムは、透明樹脂を主材とする透明樹脂層をさらに有することを特徴とする。
この第4の光質調整フィルムによれば、透明樹脂層を積層することで、光波長変換層から色素がブリードアウトすることを防ぎ、耐候性を高めることが可能となる。
この第3の光質調整フィルムによれば、表面凹凸構造層の表面密度およびヘイズ値を上記の値にすることによって、光取出し性能や防汚性、洗浄の簡便性の低下を最も抑えることが可能となる。
本発明に係る第4の光質調整フィルムは、透明樹脂を主材とする透明樹脂層をさらに有することを特徴とする。
この第4の光質調整フィルムによれば、透明樹脂層を積層することで、光波長変換層から色素がブリードアウトすることを防ぎ、耐候性を高めることが可能となる。
本発明によれば、植物の成長に有利な波長の光を増加させ、かつ変換光の取出し効率を向上させることができるため、植物の成長を良好に促すことができる。
また、耐光性や濃度消光、透明性が良好で、光取出し性能や防汚性、洗浄の簡便性も良好であるため、植物を生育する様々な農業用設備に利用することができる。さらに、耐候性も高いため、農業用設備のメンテナンスの手間を容易にすることができる。
また、耐光性や濃度消光、透明性が良好で、光取出し性能や防汚性、洗浄の簡便性も良好であるため、植物を生育する様々な農業用設備に利用することができる。さらに、耐候性も高いため、農業用設備のメンテナンスの手間を容易にすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。実施の形態において、同一構成要素には同一符号を付け、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
まず、図1を参照して、第1実施形態に係る光質調整フィルム10の構造を説明する。
図1に示す光質調整フィルム10は、光波長変換層11の上に、表面凹凸構造層12が形成されている。
(第1実施形態)
まず、図1を参照して、第1実施形態に係る光質調整フィルム10の構造を説明する。
図1に示す光質調整フィルム10は、光波長変換層11の上に、表面凹凸構造層12が形成されている。
光波長変換層11は、透明樹脂11aを主材とし、蛍光体11bが分散されている。
透明樹脂11aは、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン等の透明性の高い樹脂である。特に、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体を用いることが好ましい。
透明樹脂11aは、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン等の透明性の高い樹脂である。特に、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体を用いることが好ましい。
又、透明樹脂11aには、耐候性や熱安定性の観点から、紫外線吸収剤や酸化防止剤を添加しても良い。
耐光性を向上させるために用いられる紫外線吸収剤としては、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン等が挙げられる。
耐光性を向上させるために用いられる紫外線吸収剤としては、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン等が挙げられる。
又、熱安定性を向上させるために用いられる酸化防止剤としては、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等が挙げられる。
蛍光体11bは、300nm以上、400nm以下の波長の光を吸収し、400nm以上、500nm以下の波長の光を発光する蛍光物質と、500nm以上、600nm以下の波長の光を吸収し、600nm以上、700nm以下の波長の光を発光する蛍光物質とからなる。
蛍光物質は、吸収蛍光特性を満たす限りどのような化合物を用いても良いが、樹脂中への相溶性の高い有機系化合物を用いることが好ましい。又、蛍光体11bの含有率は、光波長変換層11を形成する樹脂100質量部に対して、0.001質量部以上、10.0質量部以下が好ましく、特に0.01質量部以上、2.0質量部以下とすることがより好ましい。この値が0.001を下回るだけで、耐光性が低下し屋外での長期使用に問題が起こり易くなる。逆に、値が10.0を上回ると、濃度消光や透明性の低下して見栄えが悪くなる。
蛍光物質は、吸収蛍光特性を満たす限りどのような化合物を用いても良いが、樹脂中への相溶性の高い有機系化合物を用いることが好ましい。又、蛍光体11bの含有率は、光波長変換層11を形成する樹脂100質量部に対して、0.001質量部以上、10.0質量部以下が好ましく、特に0.01質量部以上、2.0質量部以下とすることがより好ましい。この値が0.001を下回るだけで、耐光性が低下し屋外での長期使用に問題が起こり易くなる。逆に、値が10.0を上回ると、濃度消光や透明性の低下して見栄えが悪くなる。
表面凹凸構造層12は、透明樹脂11aを主材とし、その表面に凹凸構造が形成されている。表面凹凸構造層12は、表面粗度Rzが1μm以上、50μm以下であり、ヘイズ値が20%以上、100%以下であることが好ましい。表面粗度Rzが1μm未満でヘイズ値が20%未満では、良好な光取出し性能を得ることができず、表面粗度Rzが50μm以上ではフィルム表面の防汚性、洗浄の簡便性が低下する。
又、各層間の密着性を高めるためにシランカップリング剤を添加しても良い。シランカップリング剤としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシプロピルシラン、トリメトキシメチルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリクロロプロピルシラン、トリエトキシフェニルシラン等が挙げられる。
又、光波長変換層11及び表面凹凸構造層12をそれぞれ単独で成膜し、各樹脂層間に透明粘着剤を介してこれらを張り合わせて積層しても良い。又、光波長変換層11と表面凹凸構造層12とを同一の層であっても構わない。また、光波長変換層11等を複数積層しても構わない。
光質調整フィルム10の製造方法の一例としては、主材料・添加剤を混合して加熱溶融させた樹脂を、直線状スリットを有するTダイを用いて、押し出し法にて成膜する方法がある。又、組成の異なる樹脂を2種類以上同時に押出して積層する共押し出し法にて成膜しても良い。
光質調整フィルム10の製造方法の一例としては、主材料・添加剤を混合して加熱溶融させた樹脂を、直線状スリットを有するTダイを用いて、押し出し法にて成膜する方法がある。又、組成の異なる樹脂を2種類以上同時に押出して積層する共押し出し法にて成膜しても良い。
その成膜工程の中で、過熱溶融した状態の樹脂フィルムを、表面に凹凸構造が形成されている金属又はゴム製のロールにかける。これにより、樹脂フィルムの片面にそのロールの凹凸構造を転写させ、光質調整フィルム10に表面凹凸構造を形成する。
具体的な光質調整フィルム10の製造方法として、透明樹脂11aにポリエチレンを用いる場合、ポリエチレン100質量部に対し、青色発光蛍光体を0.02質量部、赤色発光蛍光体を0.005質量部、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノンを0.1質量部配合し、Tダイ法により成膜する方法がある。さらに、成膜の工程で熱溶融した状態の樹脂フィルムを、凹凸構造が形成されたロールにかけることで、フィルムの片面に凹凸構造を転写、成形する。なお、光質調整フィルム10の平均の厚みは、100μmとする。
具体的な光質調整フィルム10の製造方法として、透明樹脂11aにポリエチレンを用いる場合、ポリエチレン100質量部に対し、青色発光蛍光体を0.02質量部、赤色発光蛍光体を0.005質量部、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノンを0.1質量部配合し、Tダイ法により成膜する方法がある。さらに、成膜の工程で熱溶融した状態の樹脂フィルムを、凹凸構造が形成されたロールにかけることで、フィルムの片面に凹凸構造を転写、成形する。なお、光質調整フィルム10の平均の厚みは、100μmとする。
続いて、図2〜図5を参照して、図1に示した光質調整フィルム10による光質調整の効果を説明する。
図2は、図1に示した光質調整フィルム10の太陽光透過スペクトルと、図3に示す比較例1の光質調整フィルム18の太陽光透過スペクトルとを示すグラフである。グラフの横軸は波長を示し、縦軸は分光フォント照射強度を示す。太陽光透過スペクトルを測定するのにあたっては、分光放射照度計を用いて、受光側に凹凸構造がくるように配置して行った。
図2は、図1に示した光質調整フィルム10の太陽光透過スペクトルと、図3に示す比較例1の光質調整フィルム18の太陽光透過スペクトルとを示すグラフである。グラフの横軸は波長を示し、縦軸は分光フォント照射強度を示す。太陽光透過スペクトルを測定するのにあたっては、分光放射照度計を用いて、受光側に凹凸構造がくるように配置して行った。
比較例1の光質調整フィルム18は、図3に示すように、ポリエチレン100質量部に対し、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノンを0.1質量部配合した樹脂材料を用いて、Tダイ法により成膜したものである。光質調整フィルム18の平均の厚みは、100μmとする。
図2からもわかるように、比較例1の光質調整フィルム18のよも光質調整フィルム10の方が、400nm以上、500nm以下の波長の光と、600nm以上、700nm以下の波長の光とを多く発光している。
図2からもわかるように、比較例1の光質調整フィルム18のよも光質調整フィルム10の方が、400nm以上、500nm以下の波長の光と、600nm以上、700nm以下の波長の光とを多く発光している。
また、図4は、図1に示した光質調整フィルム10の太陽光透過スペクトルと、図5に示す比較例2の光質調整フィルム19の太陽光透過スペクトルとを示すグラフである。
比較例2の光質調整フィルム19は、図5に示すように、凹凸構造を転写されていない以外は、光質調整フィルム10と構造が全く同じものである。
図5に示すように、比較例2の光質調整フィルム19よも光質調整フィルム10の方が、400nm以上、500nm以下の波長の光と、600nm以上、700nm以下の波長の光をより多く発光している。
上記のような特性を持つ光質調整フィルム10で、例えば植物を囲うことで、植物の成長を促進する効果を得られることが期待できる。
比較例2の光質調整フィルム19は、図5に示すように、凹凸構造を転写されていない以外は、光質調整フィルム10と構造が全く同じものである。
図5に示すように、比較例2の光質調整フィルム19よも光質調整フィルム10の方が、400nm以上、500nm以下の波長の光と、600nm以上、700nm以下の波長の光をより多く発光している。
上記のような特性を持つ光質調整フィルム10で、例えば植物を囲うことで、植物の成長を促進する効果を得られることが期待できる。
(第2実施形態)
続いて、図6を参照して、第2実施形態の光質調整フィルム20の構造を説明する。
図2に示す光質調整フィルム20は、2つの樹脂材料をそれぞれ熱溶融し、共押し出し法により一体化して成膜したものである。
1つ目の樹脂材料は、ポリエチレン100質量部に対し、青色発光蛍光体を0.04質量部、赤色発光蛍光体を0.01質量部、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノンを0.1質量部配合したものである。青色発光蛍光体および赤色発光蛍光体の含有率が、光質調整フィルム10よりも高い。また、2つ目の樹脂材料は、ポリエチレン100質量部に対し、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノンを0.1質量部配合したものである。
又、上述したように凹凸構造が形成されたロールにかけることで、光質調整フィルム20の片面に表面凹凸構造が成形されている。光波長変換層11の平均の厚みは50μmであり、フィルムの全体の平均の厚みは100μmである。
続いて、図6を参照して、第2実施形態の光質調整フィルム20の構造を説明する。
図2に示す光質調整フィルム20は、2つの樹脂材料をそれぞれ熱溶融し、共押し出し法により一体化して成膜したものである。
1つ目の樹脂材料は、ポリエチレン100質量部に対し、青色発光蛍光体を0.04質量部、赤色発光蛍光体を0.01質量部、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノンを0.1質量部配合したものである。青色発光蛍光体および赤色発光蛍光体の含有率が、光質調整フィルム10よりも高い。また、2つ目の樹脂材料は、ポリエチレン100質量部に対し、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノンを0.1質量部配合したものである。
又、上述したように凹凸構造が形成されたロールにかけることで、光質調整フィルム20の片面に表面凹凸構造が成形されている。光波長変換層11の平均の厚みは50μmであり、フィルムの全体の平均の厚みは100μmである。
続いて、図7を参照して、図6に示した光質調整フィルム20による光質調整の効果を説明する。
図7は、図1に示した光質調整フィルム10の太陽光透過スペクトルと、図3に示す比較例1の光質調整フィルム18の太陽光透過スペクトルとを示すグラフである。
蛍光体11bの含有率を高めることによって、図5からもわかるように、比較例1の光質調整フィルム18のよりも光質調整フィルム20の方が、400nm以上、500nm以下の波長の光と、600nm以上、700nm以下の波長の光を発光している。また、上述した光質調整フィルム10よりも、上記の波長の光を多く発光している。
図7は、図1に示した光質調整フィルム10の太陽光透過スペクトルと、図3に示す比較例1の光質調整フィルム18の太陽光透過スペクトルとを示すグラフである。
蛍光体11bの含有率を高めることによって、図5からもわかるように、比較例1の光質調整フィルム18のよりも光質調整フィルム20の方が、400nm以上、500nm以下の波長の光と、600nm以上、700nm以下の波長の光を発光している。また、上述した光質調整フィルム10よりも、上記の波長の光を多く発光している。
(第3実施形態)
続いて、図8を参照して、第3実施形態の光質調整フィルム30の構造を説明する。
図8に示す光質調整フィルム30は、図6に示した光質調整フィルム20の表面凹凸構造層12とは逆の面に、透明樹脂層31が粘着剤を介して張り合わせられている。
透明樹脂層31は、例えばPEフィルム等である。透明樹脂層31を張り合わせることで、光質調整フィルム30の平均の厚みは、150μmになる。
続いて、図8を参照して、第3実施形態の光質調整フィルム30の構造を説明する。
図8に示す光質調整フィルム30は、図6に示した光質調整フィルム20の表面凹凸構造層12とは逆の面に、透明樹脂層31が粘着剤を介して張り合わせられている。
透明樹脂層31は、例えばPEフィルム等である。透明樹脂層31を張り合わせることで、光質調整フィルム30の平均の厚みは、150μmになる。
続いて、図9を参照して、図8に示した光質調整フィルム30による光質調整の効果を説明する。
図9は、図8に示した光質調整フィルム30の太陽光透過スペクトルと、図3に示す比較例1の光質調整フィルム18の太陽光透過スペクトルとを示すグラフである。
光質調整フィルム30は透明樹脂層31が積層されているが、図9からもわかるように、比較例1の光質調整フィルム18のよりも、400nm以上、500nm以下の波長の光と、600nm以上、700nm以下の波長の光を多く発光している。このように、透明樹脂層31を積層することで、上述した発光特性を保ちながら、光波長変換層11から色素がブリードアウトすることを防ぎ、光質調整フィルムの耐候性を高めることができる。
図9は、図8に示した光質調整フィルム30の太陽光透過スペクトルと、図3に示す比較例1の光質調整フィルム18の太陽光透過スペクトルとを示すグラフである。
光質調整フィルム30は透明樹脂層31が積層されているが、図9からもわかるように、比較例1の光質調整フィルム18のよりも、400nm以上、500nm以下の波長の光と、600nm以上、700nm以下の波長の光を多く発光している。このように、透明樹脂層31を積層することで、上述した発光特性を保ちながら、光波長変換層11から色素がブリードアウトすることを防ぎ、光質調整フィルムの耐候性を高めることができる。
本発明は、特定の波長の光を選択的に吸収・発光し、かつ高い効率で変換光を取り出すことが可能な光質調整フィルムとして、植物を生育する様々な農業用設備で用いることができる。
10,20,30 光質調整フィルム
11 光波長変換層
11a 透明樹脂
11b 蛍光体
12 表面凹凸構造層
31 透明樹脂層
11 光波長変換層
11a 透明樹脂
11b 蛍光体
12 表面凹凸構造層
31 透明樹脂層
Claims (4)
- 少なくとも1種類の蛍光体が分散され、光の波長を変換する光波長変換層を少なくとも1層有し、
300nm以上、400nm以下の波長の光を400nm以上、500nm以下の波長の光に変換し、500nm以上、600nm以下の波長の光を600nm以上、700nm以下の波長の光に変換することを特徴とする光質調整フィルム。 - 前記蛍光体の含有率が、前記光波長変換層を形成する透明樹脂の100質量部に対して、0.001質量部以上、10.0質量部以下であることを特徴とする請求項1に記載の光質調整フィルム。
- 最表面層の表面に、凹凸構造が形成された表面凹凸構造層をさらに有し、
前記凹凸構造は、表面粗度Rzが1μm以上、50μm以下であり、ヘイズ値が20%以上、100%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光質調整フィルム。 - 透明樹脂を主材とする透明樹脂層をさらに有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光質調整フィルム。
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2010
- 2010-06-10 JP JP2010132830A patent/JP2011254761A/ja active Pending
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