JP2010259374A - 植物栽培方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 太陽光利用の農業用ハウスにおいて、病虫害防除効果及び内部資材劣化防止効果を得ながら、単位面積当たりの収量増加に寄与する非常に効果的な植物栽培方法を具体的に提供する。特に、補光栽培、トマトにおける低段密植栽培、イチゴにおける遮光資材利用栽培等において効果が高い。
【解決手段】 太陽光利用ハウスにおいて、栽培植物に対して、半導体発光装置を光源として可視光成分を主成分とする光を照射する植物栽培方法であり、特に特定波長の透過特性を有する被覆資材を用い、特定照射量以上の光を特定栽培方法にて照射した場合に、非常に高いレベルの防虫害防除効果、内部資材劣化防止効果を栽培性への影響に配慮しつつ達成し、且つ、単位面積当たりの収量増加に寄与可能となる。
【選択図】なし

Description

本発明は、太陽光利用ハウスにおいて、半導体発光装置より光を植物へ照射して、効率的に栽培する方法に関し、特に、特定の光線透過特性を有する農業用被覆資材と組み合わせて使用することにより、ハウス内環境において病害菌やカビの繁殖抑制、害虫防除性及び内張資材の劣化防止性等を実現しながら、単位面積当たりの収量増加に貢献しうる優れた作物栽培方法に関するものである。
近年、消費者が安全で安心出来る食品を求める傾向がますます強くなってきており、管理状態の判らない海外からの輸入加工食品よりも、農薬使用や衛生状態等きちんと管理された国内生産食品を嗜好する動きがおこっている。一方、国内農業人口は高齢化に伴い減少の一途を辿っており、農業生産の新たな担い手が、安定的な所得を得る仕組みが求められている。食料安全保障の観点からも、農業生産方法を改善し、単位面積あたりの収量を増やし、安定的かつ効率的に農業生産可能な仕組みを構築する必要性に迫られている。
そんななか、いわゆる完全制御型植物工場と呼ばれる、建築物の中で人工光源を照射して作物を栽培する農業生産形態が注目されてきている。完全制御型植物工場では、単位面積当たりの収量を上げるため、多段式の栽培方式となり、背の高くなる作物が栽培しにくい上、初期投資額が膨大になるため、栽培期間が短く回転率の高い、葉菜類栽培を中心に利用されてきた。この栽培形態では、最適な温湿度、光環境、養液等環境管理により、極めて短期間で作物栽培可能であるが、一度病害虫が発生すると、その防除に膨大な手間と費用が発生する難点があった。このため、病害虫の発生原因を無菌の施設内に持ち込ませないように、エアシャワー等の高額な設備を準備する必要があった。
一方で、樹脂フィルムを使用した施設園芸による栽培形態は、露地栽培と比較して、農業所得を安定的に得られる為、様々な作物の栽培形態に合わせて進化してきた。しかしながら、高齢化等により、施設園芸面積は徐々に減少する傾向にあり、更なる効率的な栽培方法に関する具体的な提案が求められてきている。
単位面積当たりの収量増には、作業効率上や栽培環境管理上の観点から、農業用ハウスの大型化が効果的であり、このような大型ハウスをフィルムで覆うためのフィルム展張作業は多くの人手を要するようになってきている。前述の通り、農業従事者の数は年々減少すると共に高齢化が進行しており、毎年の展張作業に人手を確保することは容易ではない状況にある。この様な状況に鑑み、太陽光利用型植物工場に使用されるハウスに展張するフィルムとして、展張作業が容易で極力張り替えまでの使用期間の長いフィルム、言いかえれば、2年以上の長寿命を有し、長期間にわたり当初性能を保持できる高性能な農業用被覆資材の開発のみならず、照射装置をはじめとする内部資材の劣化保護により試用期間延長可能である事が求められてきている。
一方、病害菌やカビの繁殖抑制、害虫防除性をハウスない環境に付与することにより減農薬栽培を行なう試みがなされてきている。灰色カビ病や菌核病はハウス内で発生する代表的な病害であり、様々な農作物の茎、葉、花、実等を枯死させる被害を与えている。オンシツコナジラミ、ミナミキイロアザミウマ、ミカンキイロアザミウマは、トマト、キュウリ、メロン、イチゴ等ハウス内で広く栽培されている作物の代表的な害虫であり、食害、葉や果実の変色、変形の外にも、排泄物へのすす病菌寄生、トマト黄化えそウイルス病などのウイルス病を媒介等、多大な被害を発生させている。近年の食への安全要求から、減農薬栽培を行ううえで、これら病虫害の具体的抑制方法が望まれており、これら病害虫対策は、施設園芸において非常に重要な問題となっている。
品質リスクを低減しながら単位面積当たりの収量を増加する方法として、例えば、トマトにおいては、低段密植栽培(特に一段密植栽培)が注目されてきている。密植栽培では、栽培上のリスクが少ない一段目迄を密植状態で栽培する方法であり、従来の2倍以上の単位面積当たり収量が期待できる栽培法である。この栽培法は、栽培期間が短い為、栽培状態の均一管理が容易である一方、栽培時の株間が狭い為、栽培後期には、葉と葉の間に十分な距離が取れないことから株の下の方で光量不足が発生し問題となる。単位面積当たりの収量増加を達成するためには、人口照明による補光が考えられているが、性能やコスト等とのバランスがとれず、問題となっている。
例えば、栽培上の日照不足を補うための照明装置として、白熱電球、蛍光灯、高圧ナトリウムランプ、ハロゲンランプなどが用いられることもあるが、これらの照明装置は、多量のエネルギーを必要とし、光に変換できないエネルギーを熱として放出するため、葉に接近させることが出来ず、効率が悪いため問題となっていた。
一方、白熱電球などに代わる照明装置として、発光ダイオード(以下、LEDともいう。)を用いた植物栽培の可能性が提案されている。たとえば、特開平08−103167号には、赤色と青色の発光ダイオードによって波長400nm〜480nmおよび波長620nm〜700nmの光を植物に照射する植物栽培装置が提案されている。また、特開2001−258389号には、出力波長が400〜500nmに最大値を有し、かつ、光量子束密度が10μmol/m/s以上である光を青色発光ダイオードにより照射する植物栽培方法が提案されている。
発光ダイオードは、蛍光灯に比べて安全で長寿命であり、発光スペクトル中に熱線(赤外線)を含まないという利点がある。しかしながら、実際には加えた電機エネルギーのうち、光に変換できない分は、回路上から熱として放出される。その為、高温障害を避ける為に、モジュールと葉の距離を離さざるを得ず、いかに効率よく光エネルギーを葉に伝える具体的な光源の提案求められていた。
更に、光合成反応の光受容体であるクロロフィルは赤と青の領域に吸収を有するため、赤と青の光を使用した植物栽培の提案が多いものの、実際には、フィトクロムやフィトトロピン等の光受容体への影響で、形態形成反応を誘起してしまい、うまく成育しないケースが多い。光に対する生物の反応は一様ではなく、例えば、気温・湿度等同じ環境下で、同じ光質の光を照射しても、抑制に働く種類もあれば、徒長に働く種類もあり、分類学上の明確な整理は行われていない。こういった反応は光質だけでなく光量や照射時期等によっても決まるものであり、現在盛んに研究がなされている。
このように、実際には過去技術を使用しても、満足の行く、栽培効果が得られることは少なく、実際に実現可能な、園芸施設を利用した栽培技術の提案が求められていた。このような状況の中、初期投資の少ない一般園芸用施設(農業用ハウス)を用いて、半導体発光装置による栽培効果のみならず、病虫害防除効果及び徒張抑制効果を、長期間にわたり得るための具体的な方法は、農業生産者の所得向上に寄与するばかりか、消費者の食の安全確保の観点からも産業上の利用可能性が高く有用である。(特に病虫害防除効果は、農薬使用量を減らすことに繋がり、栽培作物の商品価値を著しく向上させるため、単純な単位面積当たりの収量増加よりも農家収入への貢献度が高い。)
本発明者は、初期投資の少ない農業用ハウスを利用した補光栽培において、特殊な光線透過特性を有する被覆資材や半導体発光装置により、消費電力が少なく長寿命であるという半導体発光素子の特徴を生かしながら、効果的な補光手段を提供できないかを検討したところ、本明細書に記載する、特殊な紫外線透過特性を有する被覆資材と半導体発光装置を用いて400〜800nmの可視光線成分を主成分とする光を栽培植物に対して照射し、補光栽培を行うことにより、効果的に増収効果が得られ、更に、病虫害防除効果も得ることが可能な具体的な方法を見出した。更に、本発明においては、特定の半導体発光装置を用いることにより、大量の可視光線(照射エネルギー)を効率的に、日照不足の葉に照射することができ、より効果的に植物を栽培することができる。
従って、本発明の目的は、病虫害防除効果と単位面積当たりの収量増加を両立できる具体的な栽培方法を提供することにある。
本発明者はかかる背景の下、鋭意検討を行った結果、特定の添加方法により、特に特定の紫外線吸収効果を特徴とする農業用フィルムや半導体発光装置を使用した栽培方法において、意外にもオンシツコナジラミを始めとするハウス栽培における害虫の行動抑制(繁殖抑制:防除)や病害菌やカビの繁殖抑制、及び内張資材や照射装置等の劣化防止性等にも優れ、更に単位面積当たりの収量を増大が可能であることを見出し、本発明を完成した。
本発明の栽培方法は、可視光成分を主成分とする半導体発光装置を、特に特定の光線透過特性を有する被覆資材と組み合わせた場合に非常に良好な病虫害防除効果と内部資材劣化防止効果を、栽培性(徒長抑制等)に配慮しながら、長期間維持することが出来る上、単位面積当たりの収量増加も達成可能な画期的な栽培方法であり、高いレベルでのハウス内環境制御の具体的な方法を提示するものである。
本発明における発光ダイオードを光源とする光を栽培植物に照射する態様の概略図。 本願に係る光線透過特性を有する三層フィルム(防曇塗膜塗布タイプ)の全光線透過率チャート。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用することができる半導体発光装置としては、400〜800nmの可視光線成分を主成分とする光を発光する公知のものを使用することが出来る。単一種類もしくは複数種類の半導体発光素子を組み合わせて使用することが出来る。
赤や青のような特定の波長域のみを有する波長の光を照射する場合は、照射対象となる植物の種類により、照射強度や波長域を慎重に選択することにより、栽培促進効果を得ることが出来る。
光合成産量を増やす目的で補光したい場合は、太陽光と類似した波長分布を有する白色発光ダイオード(LEDともいう)を好ましく使用することが出来る。白色発光ダイオードとして、は公知のものを使用することが出来るが、市販されている4種類のタイプのランプ、即ち、(1)青、緑、赤の3種類の発光ダイオードを用いるタイプ、(2)青色発光ダイオードの表面に黄色蛍光体を塗布したタイプ、(3)青色発光ダイオードの表面に緑と赤の蛍光体を塗布したタイプ、(4)紫外発光ダイオードの表面に青と緑と赤の蛍光体を塗布したタイプ、いずれを用いることができる。(1)のタイプは他のものに比べてコストが高く、(2)のタイプでは光合成に使用する600〜700nmの波長域の光放射エネルギーが少ない等の問題がある。従って、(3)のタイプである青色発光ダイオードに緑色蛍光体と赤色蛍光体を組合わせたタイプや、(4)の紫外発光ダイオードの表面に青と緑と赤の蛍光体を塗布したタイプを使用することがコスト及び効果の観点から好ましい。
上記の中でも、紫外領域から近紫外領域の光を発する固体発光装置と、前記固体発光素子からの光により励起されて発光する蛍光体とを組み合わせてなる半導体発光装置を光源として可視光線成分を含む光を照射できるものを好ましく使用することが出来る。前記蛍光体が、400〜500nmの波長領域に1以上の発光ピークを有する青色蛍光体、500〜540nmの波長領域に1以上の発光ピークを有する緑色蛍光体、および600〜680nmの波長領域に1以上の発光ピークを有する赤色蛍光体を含む場合に更に好ましく使用することが出来る。
本発明に使用できる、半導体発光素子の形状としては、砲弾型LED、チップ型LED、フラックス型LED、パワーLED等、公知の形状の半導体発光素子を任意の大きさで使用することが出来る。
大電流のパワーLEDを使用する場合には、放熱用のヒートシンクと組み合わせて使用することが出来る。
本発明の半導体発光装置のタイプとしては、公知のものを使用できるが、照度や発熱量のバランスから、高輝度LEDやパワーLEDを好ましく使用することが出来る。高輝度LEDとしては、定格電流値が順電流数mA〜100mA程度で、InGaAlP系、InGaAlN系、GaAlN系、ZnSeS系、InGaN系、等を使用したタイプを好ましく使用できる。パワーLEDとしては、定格電流値として順電流200〜数100mA程度のものを好ましく使用することが出来る。高出力にするには、光源サイズを大型化したり、光源の数を複数にしたりすることで対応可能である。
本発明の半導体発光装置としては、封止材の種類は特に限定されず、公知の通常、固体発光素子を覆ってモールディングすることのできる硬化性材料を用いることができる。硬化性材料とは、流体状の材料であって、何らかの硬化処理を施すことにより硬化する材料のことをいう。ここで、流体状とは、例えば液状又はゲル状のことをいう。硬化性材料は、固体発光素子から発せられた光を蛍光体へ導く役割を担保するものであれば、具体的な種類に制限は無い。また、硬化性材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。硬化性材料としては、無機系材料及び有機系材料並びに両者の混合物のいずれを用いることも可能である。
無機系材料としては、例えば、金属アルコキシド、セラミック前駆体ポリマー若しくは金属アルコキシドを含有する溶液をゾル−ゲル法により加水分解重合して成る溶液、またはこれらの組み合わせを固化した無機系材料(例えばシロキサン結合を有する無機系材料)等を挙げることができる。
一方、有機系材料としては、例えば、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等が挙げられる。具体例を挙げると、ポリ(メタ)アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル樹脂;ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のスチレン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエステル樹脂;フェノキシ樹脂;ブチラール樹脂;ポリビニルアルコール;エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース系樹脂;エポキシ樹脂;フェノール樹脂;シリコーン樹脂等が挙げられる。
これら硬化性材料の中では、特に、発光素子からの発光に対して劣化が少なく、耐熱性にも優れる珪素含有化合物を使用することが好ましい。珪素含有化合物とは分子中に珪素原子を有する化合物をいい、ポリオルガノシロキサン等の有機材料(シリコーン系化合物)、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素等の無機材料、及びホウケイ酸塩、ホスホケイ酸塩、アルカリケイ酸塩等のガラス材料を挙げることができる。中でも、透明性、接着性、ハンドリングの容易さ、機械的、熱適応力の緩和特性に優れる等の点から、シリコーン系材料が好ましい。
本発明の半導体発光装置としては、防水目的でモジュールの一部分もしくは全部を被覆することが出来る。農業用ハウス内環境は、高温多湿となり、回路や接続部等の防水対策が長期使用における重要な要素となる。モジュールの形状に応じて、チューブ状、パイプ状、箱状、球状等様々な形状の防水被覆を施すことができる。防水被覆の素材としては、公知の材料を使用することが出来るが、中でもコストと性能のバランスから、ガラス、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、等を好ましく使用することが出来る。更に好ましくは、硬質塩化ビニル樹脂、半硬質塩化ビニル樹脂、軟質塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素系樹脂、硬質ガラス、パイレックス(登録商標)等耐熱ガラス、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等を使用する半導体発光装置の波長分布等に応じて使用できる。
本発明の半導体発光装置としては、例えば発光ダイオードを固定し、回路を形成する基材として、樹脂系基板、セラミック系基板、金属ベース系基板等を使用することが出来る。樹脂系基板は大きく分けてリジッド基盤(基板)とフレキシブル基盤(基板)があり、目的に応じて使い分けることが出来る。リジッド基盤としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、テフロン(登録商標)樹脂、ポリサルフォン樹脂、異種基材の組み合わせ等があり、フレキシブル基盤としてはフィルム基材に用いられるような、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂等が使用される。異種基材の組み合わせとしては、例えば、ポリエーテルエーテルケトンと金属の張り合わせ板が好ましく使用でき、中でもポリエーテルエーテルケトン(PEEK)とアルミの張り合わせ板が好ましく使用できる。
本発明に使用する半導体発光装置としては、目的とする集光特性、光拡散特性を得るために、レンズ、光拡散板、光拡散シート等を組み合わせて使用することが出来る。これらは、LEDの放射特性を決める重要な部材であり、放射特性を決定するばかりでなく、LEDモジュールの保護部材としての役割も果たため、要求性能に応じて、公知の材料を適切に選択することで、目的とする性能が得られる。特に、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、等熱可塑性樹脂を好ましく使用することが出来る。光拡散シートに関しては、防水用被覆と組み合わせて使用するのみならず、防水用被覆自体に光拡散効果の高いフィラーを添加したり、防水用被覆表面を凹凸に加工して、光拡散効果を高めることも出来る。
本発明は、半導体発光装置を光源として400〜800nmの可視光線成分を主成分とする光を照射する植物栽培方法であり、可視光線成分を主成分とするとは、1nmごとに測定した分光放射計による照度積分値が、300〜1000nmの範囲で測定した照度積分値に対して、400〜800nmの範囲における照度積分値が、50%以上、好ましくは70%以上、更に好ましくは90%以上であることを意味する。上記計算の根拠となる照度データ測定には、公知の分光放射計を使用することが出来るが、LEDのデータシート等から明らかに350nm以下の放射が無いことが明らかな場合には、例えば、英弘精機株式会社製分光放射計「MS−720」(保障測定範囲:350〜1050nm(300〜350nmにも感度あり))のようなハンディタイプのものを使用することで簡便に測定することが出来る。
可視光成分の割合が前記範囲以下の場合は、与えたエネルギーのうち、植物に吸収される割合が極端に低下し、非効率であるばかりでなく、紫外部及び/又は赤外部の割合が高い光を照射することにより、太陽光線下で栽培した状態と異なる生育状態(徒長もしくは抑制)になるため問題となる場合がある。特に、紫外線の割合が強い光を照射した場合には、内部資材の劣化が問題となる。又、赤外線の割合が強い光を照射した場合には、LEDモジュールから出る廃熱に加えて、熱線が照射されることになり、高温障害が出やすくなり問題である。この場合、厳寒期においては、ハウス加温になるが、電気エネルギーをハウス加温に使用することは、エネルギー効率上好ましくなく、コスト上でも問題となる。
本発明の実施に必要な光強度は、対象とする植物種や生育段階、天候やハウス内の自然環境によって変化する。例えば、トマトの場合、光飽和点に達する程度まで補光効果は得られるが、光質を変化させての補光に関しては、光合成反応のみならず、形態形成反応を誘起する可能性があり、注意が必要となる。例えば、本発明の場合、光合成光量子束密度10μmol/m/sec以上の光を植物に照射した場合に、補光効果が得られやすい。
前記光合成光量子束密度は、市販の分光放射計を用いて測定することが可能であるが、例えば、前述のMS−720を用いた場合には、簡易に測定が出来る為好ましい。MS−720における光量子束密度の計算方法は、メーカー資料によると、MS−720による分光放射強度I( λ)にλ(μm )を乗じた値の400〜700nm 区間の積分値をhcm で除した値を光量子束密度[mol・m−2・s−1]とする。
Figure 2010259374
(但し,h=6.626E−34J・s(プランク定数),c=2.998E+8m/s(光速),M=6.022E+23(アボガドロ数))
本発明においては、半導体発光装置を1つまたは複数の基板上に配置して使用することができる。この場合、複数種類の半導体発光装置を別々の基板に配置することもできるが、栽培植物になるべく均質な光を照射することで、栽培作物の生育状態が均質になり好ましい。また、光源の回路接続において複数種類の半導体発光装置のそれぞれのグループを別の電源で点灯・駆動することもでき、これにより必要な栽培ステージに必要な光量・光質の光を容易に調整・変化させて照射させることができる為、好ましい。
本発明においては、半導体発光装置による照射はハウスの天井部や側面部から行うことも出来るが、栽培作物に必要な光を補光するという本発明の目的から、栽培している作物の周辺から補光することもできる。本発明における発光ダイオードを光源とする光を栽培植物に照射する態様の非限定的例を図1に示す。図中、1は栽培ベッド、2はトマトの株、3は発光ダイオード(LED)ランプ、4は作業・収穫スペースを表す。LEDランプのうち黒塗のものは赤色LEDランプ、白抜のものは白色LEDランプを表す。
本発明の栽培方法を適用する植物としては、長日植物(長日に反応して花芽形成を調節する植物)でも、短日植物(短日に反応して花芽形成を調節する植物)でも、中性植物(光周期に反応しない植物)でも特に限定されずに適用できる。具体的には、花き園芸植物、果菜類、果樹類及び穀物類が挙げられ、例えば、ファレノプシス、シンピジウム、デンドロジウムをはじめとするラン類、サボテン類、バラ、カーネーション、ガーベラ、カスミソウ、ユリ、スターチス等の切り花用途の花き類、及び、パンジー、プリムラ、ベコニア、ペチュニア、シクラメン等の鉢花用途の花き類;トマト、キュウリ、メロン、イチゴ、ピーマン等の果菜類;ナシ、リンゴ、ブドウ等の果樹類;及びトウモロコシ、コムギ、オオムギ、イネ等の穀物類などにも適用可能である。これら植物は、食料用、飼料用に限らず、遺伝子導入された医薬品原料としての植物生産や植物由来樹脂原料としての植物生産にも使用することが出来る。特に本発明の効果を最大限に活用するには、花芽形成が遅い植物、自然状態での花芽形成数が少ない植物、あるいは特別に通常状態よりも多くの実生が必要な状態になった植物を対象とすることが考えられる。
対象植物の栽培方法としては、とくに限定されるものではなく、培土をつめたトレイやポットを用いて発芽・育苗したものを圃場に定植し栽培する方法、スポンジキューブ上で発芽させた後、そのまま水耕栽培する方法、養分を含んだ寒天上で無菌的に組織培養し育苗する方法等、植物の種類や栽培の目的に応じた栽培法を用いることが出来る。
本発明の栽培方法は、特に、トマト低段密植栽培や遮光資材を用いたイチゴ栽培において効果的に使用することができる。
トマト低段密植栽培は、多段栽培よりも密植して1〜3花房程度を残して摘心する短期栽培を繰り返す栽培法であり、低農薬で高糖度果実の生産が期待できるが、一方密植するため影ができやすく自然光のみでは光量不足となりやすい。そのため本発明の栽培方法が効果的である。
また、夏期にイチゴ栽培をおこなう場合、高温による品質低下を防ぐ為、遮光資材を用いるが、逆に光量不足となり生育低下を招く。その場合、本発明の栽培方法が効果的である。
本発明において、栽培植物に対して、半導体発光装置を光源とし、可視光成分を主成分とする光を照射する時期は、栽培作物、栽培ステージにより適切に選択し、必要な光質及び光量の光を照射することで目的の栽培効果を得ることが出来る。その場合、光量により植物の光に対する形態形成反応が異なることがある為、注意が必要となる。
本発明において、太陽光を利用するハウスとしては、施設園芸に利用されている被覆材からなるハウス全般、例えば、ガラスハウス、塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、フッ素系樹脂フィルム等が展張されたハウスなどがあげられるが、これらに限定されない。
こうした被覆資材のなかでも、ポリオレフィン系樹脂を主体とした農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムは、密度が塩化ビニル樹脂より小さいために軽く、焼却しても有毒ガスの発生が少なく、可塑剤を添加する必要が無いためにブリードアウトによる硬化の問題も無く、更にインフレーション成型法により幅継ぎの為の接着加工を必要としない広幅フィルムが安価に提供できることなどから盛んに利用されるようになってきている。
本発明にポリオレフィン系樹脂を用いた多層フィルムを用いた場合、少なくとも外層、中間層、内層を有する3層以上の積層構造を有するフィルムを好適に使用することが出来る。ここで、外層とは、ハウスなどに展張した際に外側となる層をいい、内層とは、ハウス展張時に内側となる層をいい、中間層とは、その外層と内層に挟まれた層をいう。以下、外層と内層を合わせて表面層と称する場合もある。また、本発明の効果を損なわない範囲で、内層と中間層の間、外層と中間層の間に、更に樹脂層を積層したり、外層や中間層、内層など自体を2層で構成して、4層以上の多層フィルムとする態様も、本願発明の範囲に含まれる。その場合の中間層は、外層と内層以外(表面層以外)の層ということになる。
本発明における外層/中間層/内層の、層厚み比は特に限定されないが、たとえば、1/1/1〜1/5/1、好ましくは、1/2/1から1/3/1の層比で形成される。
なお、本発明で言う、外層、中間層、内層とは、農業用フィルムとして機能する樹脂主成分に他の成分を添加した樹脂組成物から構成される層を意味する。従って、後述するように、内層の内側に防曇特性を意図して薄く塗布する塗布型防曇塗膜や、外層の外側に、別途の目的で形成する場合の他の塗膜は、内層、外層の概念からは外して考えるものとする。
ポリオレフィン系樹脂としては、α−オレフィン系の単独重合体、α−オレフィンを主成分とする異種単量体との共重合体、α−オレフィンと共役ジエンまたは非共役ジエン等の多不飽和化合物、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル等との共重合体などがあげられ、例えば高密度、低密度または直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等が挙げられる。これらのうち、密度が0.890〜0.935の低密度ポリエチレンやエチレン−α−オレフィン共重合体および酢酸ビニル含有量が30重量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体が、透明性や耐候性および価格の点から被覆資材として好ましい。
また、本発明において、ポリオレフィン系樹脂の少なくとも一成分としてメタロセン触媒で共重合して得られるエチレン−α−オレフィン共重合樹脂を使用することができる。
これは、通常、メタロセンポリエチレンといわれているものであり、エチレンとブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテンなどのα−オレフィンとの共重合体である。
本発明のポリオレフィン系樹脂の少なくとも一成分として使用されるエチレン−α−オレフィン共重合体は、好ましくは以下の物性を示すものである。
メルトフローレート(MFR)
JIS−K7210により測定されたMFRが0.01〜10g/10分、好ましくは0.1〜5g/10分の値を示すものである。該MFRがこの範囲より大きいと成形時にフィルムが蛇行し安定しない。また、該MFRがこの範囲より小さすぎると成形時の樹脂圧力が増大し、成形機に負荷がかかるため、生産量を減少させて圧力の増大を抑制しなければならず、実用性に乏しい。
密度
JIS−K7112により測定された密度が0.880〜0.930g/cm 、好ましくは0.880〜0.920g/cmの値を示すものである。該密度がこの範囲より大きいと透明性が悪化する。また、密度がこの範囲より小さいと、フィルム表面のべたつきによりブロッキングが生じ実用性に乏しくなる。
分子量分布
ゲルパーミュレーションクロマトグラフィー(GPC)によって求められる分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は1.5〜3.5、好ましくは1.5〜3.0の値を示すものである。該分子量分布がこの範囲より大きいと機械的強度が低下し好ましくない。該分子量分布がこの範囲より小さいと成形時にフィルムが蛇行し安定しない。
本発明で用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂は、酢酸ビニル含有量が3〜25重量%の範囲が好ましく、更に好ましくは5〜20重量%の範囲である。酢酸ビニル含有量がこの範囲より小さいと、得られるフィルムが硬くなりハウスへの展張時にシワや弛みが出来やすく、防曇性に悪影響が出るため実用性に乏しく、また、酢酸ビニル含有量がこの範囲より大きいと、樹脂の融点が低いためハウス展張時に夏場の高温下でフィルムが弛み、風でばたつきハウス構造体との擦れ等により破れが生じやすくなるため実用性に乏しい。
本発明で用いられる波長300nm〜360nmの紫外線を実質的に遮蔽する被覆資材は、300〜360nmにおいて1nmごとに測定した全光線透過率の平均値が2%未満である場合に、病虫害防除効果を得られながら、内部資材保護にもなる上、徒長しにくく、好ましく使用することが出来る。更に好ましくは、被覆資材が、320〜350nmの波長域の紫外線の平均透過率が10%以下であり、380〜400nmの波長域の光の平均透過率が50%以上であり、且つ、ポリオレフィン系樹脂とトリアリールトリアジン型紫外線吸収剤の少なくとも一種を含有してなる層を少なくとも一層有する、多層又は単層の基体フィルムからなるポリオレフィン系農業用フィルムである場合に、良好な光線透過特性を有利なコストで達成することができ、更にインフレーション成形により広幅のフィルムを容易に得ることが出来るため好ましい。
上記トリアリールトリアジン型紫外線吸収剤は、下記一般式(1)記載のトリアリールトリアジン型紫外線吸収剤である場合に、長期間良好な紫外線吸収特性を持続することが出来る為、好ましい。特に、前記式(1)におけるR1がヘキシル基であり、R2〜R5が水素原子の場合や、前記式(1)におけるR1がオクチル基であり、R2〜R5がメチル基である場合、又、それらの混合の場合に、コストと性能のバランスが取りやすく好ましい。
Figure 2010259374
(式中、R1〜R5は、それぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
基体フィルムにポリオレフィン系樹脂を用いる場合、基体フィルムの厚みにもよるが、本発明の基体フィルム中の全ポリオレフィン系樹脂の重量に基づき、前記式(1)で表されるトリアリールトリアジン型紫外線吸収剤を0.30%より多く2.00%未満含有する場合には、本発明にかかる特定の紫外線透過特性を得ることが容易となり、好ましい。
本発明に係る被覆資材は、波長300nm〜380nmの紫外線を実質的に遮蔽する(実質的に遮蔽するとは、300〜380nmにおいて1nmごとに測定した全光線透過率の平均値が2%未満であることを意味する。)場合に、良好な病虫害防除効果及び内部資材劣化防止効果を得られる為に好ましい。更に好ましくは、前記被覆資材が少なくとも1種のベンゾトリアゾール型紫外線吸収剤を含有し、当該ベンゾトリアゾール型紫外線吸収剤のうち少なくとも1種が下記化学構造を有する紫外線吸収剤であることを特徴とする場合であり、良好な病虫害防除効果及び内部資材劣化防止効果を非常に長期間安定的に得ることが出来るために好ましい。
Figure 2010259374
(2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール)
更に、前記一般式(1)のトリアリールトリアジン型紫外線吸収剤に加えて、下記化学構造を有する紫外線吸収剤を組み合わせて使用することにより、150μm以下の薄い厚みのポリオレフィン系樹脂フィルムにおいても良好な病害虫防除効果と内部資材劣化防止効果を透明性低下を伴うことなく長期間に渡り得ることが出来る為、好ましい。
Figure 2010259374
(2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)フェノール])
本発明にかかる被覆資材が、波長300nm〜400nmの紫外線を実質的に遮蔽する(実質的に遮蔽するとは、300〜400nmにおいて1nmごとに測定した全光線透過率の平均値が2%未満であることを意味する。)である場合に、非常に強力な病虫害防除効果と内部資材劣化防止効果を高いレベルで得ることが出来る為に好ましい。
特に紫外線吸収剤のうち少なくとも1種がベンゾトリアゾール型紫外線吸収剤であり、当該ベンゾトリアゾール型紫外線吸収剤のうち少なくとも1種類の最大吸収波長が350nm以上である場合に、本発明にかかる特殊な紫外線透過特性を付与することが容易となり好ましい。
本発明における被覆資材は、添加する紫外線吸収剤の量が多く、ブリードアウトによる白化が問題になる場合には、フィルム厚みを上げて、且つ添加濃度を下げる事で対応が可能となる。
本発明における農業用被覆資材は、求める効果に影響を与えない範囲で、公知の紫外線吸収剤を単独もしくは組み合わせて使用することが出来る。特にベンゾトリアゾール型紫外線吸収剤を好ましく使用することが出来る。使用可能な紫外線吸収剤としては、例えば、(2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール)や2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール等があげられる。これらの紫外線吸収剤は、一種又は二種以上を本発明の効果を妨げない範囲で公知の紫外線吸収剤に併用して用いることが出来る。また、金属酸化物を始めとする無機酸化物系紫外線吸収剤を併用することも出来る。
併用可能な紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル) ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル) ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’.5’−ジクミルフェニル) ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノール等の2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニル−3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチロキシ)フェノール等のトリアジン類等があげられる。また、酸化亜鉛、酸化セリウム等の無機酸化物系紫外線吸収剤も挙げられる。これらの紫外線吸収剤は、一種又は二種以上を本発明に係る紫外線吸収剤に併用して用いられる。
本発明の農業用フィルム中の、紫外線吸収剤の含有量は、特に指定がある場合を除き、各々、全フィルム対し5重量%未満、好ましくは0.1〜3重量%、更に好ましくは0.2〜1.5重量%である。含有量が上記範囲未満では紫外線遮蔽効果が低く、上記範囲を超えるとコスト的に不利になる上に一般的な農業用フィルムに適応した場合、ブリードアウトによる白化等で問題がある。これらの含有量は、樹脂の種類及び紫外線吸収剤の種類の選択で決まる値となる。
本発明にかかる300nm〜400nmの領域の紫外線を実質完全に遮蔽する農業用フィルムにおいて、実質完全に遮蔽するとは、300〜400nmにおいて、1nmごとに全光線透過率を測定したときに、各波長における透過率の平均値が、2%未満になるということである。
更に、上記透過率の平均値が1%以下であると好ましく、紫外線遮蔽による効果を得られやすい。
本発明の好ましい態様としては、特開2003−61483記載のように、中間層の単位体積当たりの樹脂組成物に対する紫外線吸収剤(2種以上の合計)含有率(重量%)をX、内層中の単位体積当たりの紫外線吸収剤含有率(重量%)をY、外層中の単位体積当たりの紫外線吸収剤含有率(重量%)をZとしたとき、X>Y、かつX>Zであると、長期にわたり紫外線吸収能を保持できる効果が顕著であることが好ましい。
特に本願発明の特定の2種類の紫外線吸収剤を用いてこの層構成にすると、単独の各紫外線吸収剤を同様の層構成にした場合や、他の紫外線吸収剤の2種の組み合わせで同様の層構成にした場合に比べても、顕著な効果を有する。
ここで、Y及びZはY=Zであっても、異なっていてもよい。また、特に好ましい態様としては、Y=Z=0である場合が挙げられる。
具体的には、中間層中の樹脂組成物に対する紫外線吸収剤含有率であるXとしては、0.1〜3.0重量%、好ましくは0.15〜2.0重量%、更に好ましくは0.2〜1.0重量%の範囲が挙げられる。YおよびZとしては、0〜2.0重量%、好ましくは0または、0.001〜0.5重量%の範囲が挙げられる。
更に本発明の好ましい態様としては、少なくとも外層、中間層、内層を有する3層以上の積層構造を有する農業用ポリオレフィン系多層フィルムであって、外層および内層(表面層)には紫外線吸収剤を配合せず、中間層に紫外線吸収剤を配合してなることを特徴とする農業用ポリオレフィン系多層フィルムが挙げられる。
本発明の農業用ポリオレフィン系多層フィルムには、少なくとも3層以上を有する多層フィルムの少なくとも一層にその構成成分としてSi,Al,Mg,Ca,Liから選ばれた少なくとも1つの原子を含有する無機化合物をフィルム全層中に換算した場合で3%含有することを特徴とする。上記無機化合物を添加することでフィルムに保温性を付与することが可能となる。使用できる無機化合物として、例えば赤外線吸収剤(保温剤)や充填剤として公知のものを挙げることが出来る。この様な無機化合物の添加量が少ない場合、相容可能な樹脂量が多くなる為、添加可能な紫外線吸収剤量が多くなる一方、保温性を付与することが出来ず、農業用フィルムとしての必要な性能を具備することが難しい。よって、上記無機化合物の添加量が多い場合でも、添加可能な紫外線吸収剤の具体的な組み合わせが求められていた。
赤外線吸収剤(保温剤)は、赤外線吸収能を有する無機微粒子であり、これらは一種又は二種以上で組み合わせて用いることができる。用いることの出来る無機微粒子は特に制限はないが、成 分:Si ,Al ,Mg ,Ca,Li から選ばれた少なくとも1つの原子を含有する無機化合物である。例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、燐酸リチウム、燐酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、アルミン酸カルシウム、アルミン酸マグネシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、アルミノ珪酸カリウム、アルミノ珪酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、マイカ、ゼオライト、ハイドロタルサイト類化合物、リチウム・アルミニウム複合水酸化物、アルミニウム・リチウム・マグネシウム複合炭酸塩化合物、アルミニウム・リチウム・マグネシウム複合珪酸塩化合物、マグネシウム・アルミニウム・珪素複合水酸化物、マグネシウム・アルミニウム・珪素複合硫酸塩化合物、マグネシウム・アルミニウム・珪素複合炭酸塩化合物、複数種アニオンを含有する金属複合水酸化物塩等が挙げられる。これらは結晶水を脱水したものであってもよい。
上記赤外線吸収剤(保温剤)として用いる無機微粒子は天然物であってもよく、また合成品であってもよい。また、上記無機微粒子は、その結晶構造、結晶粒子径などに制限されることなく使用することが可能である。
また、上記赤外線吸収剤(保温剤)として用いる無機微粒子は、その表面をステアリン酸のごとき高級脂肪酸、オレイン酸アルカリ金属塩のごとき高級脂肪酸金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩のごとき有機スルホン酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステルまたはワックスなどで被覆したものも使用できる。
上記赤外線吸収剤(保温剤)として用いる無機微粒子は、単独または2種以上組み合わせて使用することが出来る。その平均粒子径は好ましくは、0.05〜15μm、より好ましくは0.1〜10μmの範囲である。無機微粒子の平均粒子径が上記範囲より小さいと、樹脂中での分散性が劣りブツ(無機物の2次凝集物)が生成してフィルム外観が悪化すると共に、樹脂との混練時の粉立ちが激しくハンドリング性が劣る。逆に、無機微粒子の平均粒子径が上記範囲より大きいと、透明性で劣ったり押出し機ブレーカースクリーン部で目詰まりが生じ、生産性が悪化する。
これら金属複合水酸化物塩の使用量は、フィルム全層中に、3〜30重量部、より好ましくは3〜20重量部、更に好ましくは3〜15重量部である。3重量部未満では、充分に赤外線を吸収することはできず、30重量部を超える範囲では農業用フィルムとしての透明性及び機械的強度が劣る上、コスト的に不利である。
また、充てん剤としては、フィルムのベタツキを抑制するために、あるいは保温性をさらに高めるために、例えばシリカ、タルク、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、カオリンクレー、マイカ、アルミナ、炭酸マグネシウム、アルミン酸ナトリウム、導電性酸化亜鉛、リン酸リチウムなどが用いられる。これらの充てん剤は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において用いられる農業用ポリオレフィン系多層フィルムには耐候剤としてヒンダードアミン化合物を多層フィルム中の少なくとも1層に添加することが出来る。また、このヒンダードアミン化合物は、一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。ヒンダードアミン化合物は、もちろん全層に同じ種類を含有させてもよいが、例えば最内層と最外層(ハウス外面)にブリードアウトしにくい高分子量タイプ含有させ、その他の層には農業用として通常配合されるヒンダードアミン化合物を含有させることもできる。また、これら高分子量ヒンダードアミン化合物は、エチレンやその他モノマーとの共重合タイプ(例えばエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体)でも構わないし、ポリエチレンを始めとするポリマーにグラフト付加させたものでも構わない。その場合、例えば同一の層にエチレン・環状アミノビニル化合物共重合体と農業用として通常配合されるヒンダードアミン系光安定剤を含有させることもできる。
使用可能な農業用として通常配合されるヒンダードアミン系光耐候剤は、公知のピペリジンン環含有ヒンダードアミン化合物を使用することが出来る。上記ピペリジン環含有ヒンダードアミン化合物のピペリジン環の数が2個未満では十分な耐候性が得られにくく、また、分子量が500未満では揮発しやすくなり、長期の耐候性を得ることが難しい可能性がある。また、上記ピペリジン環含有ヒンダードアミン化合物のピペリジン環の数は2〜50個であることが好ましく、また、分子量は750以上であることが好ましい。
上記ピペリジン環含有ヒンダードアミン化合物としては、例えば、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、テトラ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラ(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、1,5,8,12−テトラキス〔4,6−ビス{N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジメチル縮合物、2−第三オクチルアミノ−4,6−ジクロロ−s−トリアジン/N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン/ジブロモエタン縮合物などがあげられる。使用可能な市販のヒンダードアミン系化合物を例示すれば、TINUVIN770、TINUVIN780、TINUVIN144、TINUVIN622LD、TINUVIN NOR 371、CHIMASSORB119FL、CHIMASSORB944(以上、チバガイギー社製)、サノールLS−765(三共(株)製)、MARK LA−63、MARK LA−68、MARK LA−68、MARK LA−62、MARK LA−67、MARK LA−57、LA−900(以上、旭電化(株)製)、UV−3346、UV−3529、UV−3581、UV−3853(以上、サイテック社製)、ホスタビンN20、ホスタビンN24、ホスタビンN30、ホスタビン845、サンデュボアPR−31、ナイロスタッブS−EED(以上、クラリアント・ジャパン社製)、UVINUL5050H(以上、BASFジャパン社製)、XJ100H(日本ポリエチレン(株))等が挙げられる。これらのピペリジン環含有ヒンダードアミン化合物は、一種又は二種以上で用いられる。
また、本発明の熱可塑性樹脂フィルム中には、通常合成樹脂に使用される各種添加剤を併用することができる。それらの添加剤としては、例えば、金属の有機酸塩、塩基性有機酸塩および過塩基性有機酸塩、ハイドロタルサイト化合物、エポキシ化合物、β−ジケトン化合物、多価アルコール、ハロゲン酸素酸塩、硫黄系、フェノール系およびホスファイト系などの酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、防霧剤などがあげられる。
上記の金属の有機酸塩、塩基性有機酸塩および過塩基性有機酸塩を構成する金属種としては、Li,Na,K,Ca,Ba,Mg,Sr,Zn,Cd,Sn,Cs,Al,有機Snがあげられ、有機酸としては、カルボン酸、有機リン酸類またはフェノール類があげられ、該カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ネオデカン酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸、エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、オクチルメルカプトプロピオン酸、安息香酸、モノクロル安息香酸、p−第三ブチル安息香酸、ジメチルヒドロキシ安息香酸、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸、トルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、クミン酸、n−プロピル安息香酸、アセトキシ安息香酸、サリチル酸、p−第三オクチルサリチル酸等の一価カルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、メタコン酸、イタコン酸、アコニット酸、チオジプロピオン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、オキシフタル酸、クロルフタル酸等の二価のカルボン酸あるいはこれらのモノエステル又はモノアマイド化合物、ブタントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、メロファン酸、ピロメリット酸等の三価又は四価カルボン酸のジ又はトリエステル化合物などがあげられ、また該有機リン酸類としては、モノまたはジオクチルリン酸、モノまたはジドデシルリン酸、モノまたはジオクタデシルリン酸、モノまたはジ−(ノニルフェニル)リン酸、ホスホン酸ノニルフェニルエステル、ホスホン酸ステアリルエステルなどがあげられ、また該フェノール類としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、メチルプロピルフェノール、メチル第三オクチルフェノール、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、第三ブチルフェノール、n−ブチルフェノール、ジイソブチルフェノール、イソアミルフェノール、ジアミルフェノール、イソヘキシルフェノール、オクチルフェノール、イソオクチルフェノール、2−エチルヘキシルフェノール、第三オクチルフェノール、ノニルフェノール、ジノニルフェノール、第三ノニルフェノール、デシルフェノール、ドデシルフェノール、オクタデシルフェノール、シクロヘキシルフェノール、フェニルフェノールフェノール、クレゾール、エチルフェノール、シクロヘキシルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノールなどがあげられる。
上記防曇剤については特に制限はないが、公知の種々の非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等を始めとする、多価アルコールと高級脂肪酸類とから成る多価アルコール部分エステル系のものが好適である。このような防曇剤の具体例としては、例えば非イオン系界面活性剤、例えばソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノミリステート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノベヘネート、ソルビタンとアルキレングリコールの縮合物と脂肪酸とのエステルなどのソルビタン系界面活性剤やグリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノパルミテート、グリセリンジパルミテート、グリセリンジステアレート、ジグリセリンモノパルミテート・モノステアレート、トリグリセリンモノステアレート、トリグリセリンジステアレートあるいはこれらのアルキレンオキシド付加物等などのグリセリン系界面活性剤やポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノパルミテート、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテルなどのポリエチレングリコール系界面活性剤やその他トリメチロールプロパンモノステアレートなどのトリメチロールプロパン系界面活性剤やペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレートなどのペンタエリスリトール系界面活性剤、アルキルフェノールのアルキレンオキシド付加物;ソルビタン/グリセリンの縮合物と脂肪酸とのエステル、ソルビタン/アルキレングリコールの縮合物と脂肪酸とのエステル;ジグリセリンジオレートナトリウムラウリルサルフェート、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルアミン塩酸塩、ラウリン酸ラウリルアミドエチルリン酸塩、トリエチルセチルアンモニウムイオダイド、オレイルアミノジエチルアミン塩酸塩、ドデシルピリジニウム塩などやそれらの異性体を含むものなどを挙げることができる。
上記防霧剤としては、例えばフッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤が挙げられ、フッ素系界面活性剤の具体例としては、通常の界面活性剤の疎水基のCに結合したHの代わりにその一部または全部をFで置換した界面活性剤で、特にパーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルケニル基を含有する界面活性剤である。以上の各種添加剤は、それぞれ1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。パーフルオロアルキル基を有する含フッ素化合物としては、例えば、アニオン系含フッ素界面活性剤、カチオン系含フッ素界面活性剤、両性含フッ素界面活性剤、ノニオン系含フッ素界面活性剤、含フッ素オリゴマーなどがあげられる。
上記パーフルオロアルキル基を有する含フッ素化合物の使用量は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、好ましくは0.001〜10重量部、更に好ましくは0.01〜5重量部である。該含フッ素化合物の使用量が0.001重量部未満では防霧性効果がほとんど発揮されず、10重量部を超えても効果が飽和されるため好ましくない。
上記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール) 、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチルフェノール) 、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドルキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル) フェノール、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5. 5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕、n−オクタデシル3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン等があげられる。
上記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、ジミリスチル、ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート類及びペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類があげられる。
上記ホスファイト系酸化防止剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノ(ジノニルフェニル)ビス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ (ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(C 12−15 混合アルキル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール) ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)( オクチル) ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスホナイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等があげられる。
上記着色剤としては例えば、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエロー、アリザリンレーキ、酸化チタン、亜鉛華、群青、パーマネントレッド、キナクリドン、カーボンブラック等を挙げることができる。
アンチブロッキング剤としては、珪藻土、合成シリカ、タルク、マイカ、ゼオライト等が挙げられる。これらアンチブロッキング剤は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができ、通常0.01〜0.5重量%の範囲が好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、上述した成分が組合わされて含有してなり、更に本発明の熱可塑性樹脂フィルムに含有することができる下記の任意成分を、必要に応じて含有させることができる。任意成分とは、その他安定剤、耐衝撃性改善剤、架橋剤、充填剤、発泡剤、帯電防止剤、造核剤、プレートアウト防止剤、表面処理剤、難燃剤、螢光剤、防黴剤、殺菌剤、金属不活性剤、離型剤、顔料、加工助剤などを挙げることができる。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、各種添加剤を配合するには、各々必要量秤量し、リボンブレンダー、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、単軸又は二軸押出機、ロールなどの配合機や混練機その他従来から知られている配合機、混合機を使用すればよい。このようにして得られた樹脂組成物をフィルム化するには、それ自体公知の方法、例えば、溶融押出し成形法(Tダイ法、インフレーション法を含む)、カレンダー加工、ロール加工、押出成型加工、ブロー成型、インフレーション成型、溶融流延法、加圧成型加工、ペースト加工、粉体成型等の方法を好適に使用することができる。
本発明の熱可塑性樹脂フィルム厚みについては、本発明の効果を得る目的において特に厚みの制約は無いが、フィルム厚みを上げ(紫外線吸収剤濃度を下げ)る事により、ブリードアウトによる影響を低減する事が出来る。特に、強度やコストの点で0.03以上1.0mm未満の範囲のものが好ましく、0.05以上0.75mm以下のものがより好ましく、更に0.05以上0.5mm以下のものが好ましい。この範囲未満では強度的に問題があり、この範囲を超えると厚みにより成形性が困難な上、展張も困難になる。
本発明において基材層にポリオレフィン系樹脂を用いる場合、前記ポリオレフィン系基材の最内層に接して防曇性被膜を形成することができる。
本発明における防曇塗膜としては既に公知の農業用被覆資材に用いることができる防曇塗膜を適応することが出来る。好ましくは無機コロイド物質と親水性有機化合物を主成分とした防曇塗膜や無機コロイド物質とアクリル系樹脂を主成分とする防曇塗膜を用いることができる。
本発明において用いることができる無機コロイド物質と親水性有機化合物を主成分とする防曇塗膜として、例えば、特公昭63−45432号、特公昭63−45717号、特公昭64−2158号、特許第3094296号等に示されている化合物を挙げることができる。
また、無機コロイド物質及び/又は合成樹脂バインダー等を使用した公知の塗膜を、積層して形成することも出来る。
本発明においてはアクリル系樹脂及び無機質コロイドゾルを主成分とする防曇性被膜も好適に用いることができる。
アクリル系樹脂として好ましく用いられる1つの例としては、少なくとも合計60重量%のアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル類からなる単量体、またはアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル類とアルケニルベンゼン類との単量体混合物及び0〜40重量%の共重合しうるα、β−エチレン性不飽和単量体とを、通常の重合条件に従って、例えば乳化剤の存在下に、水系媒質中で乳化重合させて得られる水分散性の重合体または共重合体である疎水性アクリル系樹脂を挙げることができる。
本発明で用いるアクリル系樹脂は、疎水性アクリル系樹脂であることが好ましく、即ち、上記のようなアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル類、又は、アクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル類とアルケニルベンゼン類との単量体混合物を、少なくとも計60重量%を含有すること、好ましくは80重量%以上含有することが好ましい。60重量%に満たないときは、形成被膜の耐水性が十分でないために、防曇持続性能を発揮しえないことがあり好ましくない。
本発明のアクリル系樹脂は、特に、ガラス転移温度が35〜80℃のものを用いるのが好ましい。ガラス転移温度が低すぎると無機質コロイド粒子が数次凝集して不均一な分散状態をとりやすく、高すぎる場合、透明性のある均一な被膜を得るのが困難となりやすい。
本発明において、基体フィルムの表面に形成させる被膜の厚さは、基体フィルムの1/10以下を目安に選択するとよいが、必ずしもこの範囲に限定されるものではない。被膜の厚さが基体フィルムの1/10より大であると、基体フィルムと被膜とでは屈曲性に差があるため、被膜が基体フィルムから剥離する等の現象がおこりやすく、また、被膜に亀裂が生じて基体フィルムの強度を低下させるという現象が生起し、好ましくない。
また、基体フィルムと被膜組成物に由来する被膜との接着性が充分でない場合には、基体フィルムに表面処理を施しておいてもよい。本発明の積層フィルムの表面に施す処理の方法としては、コロナ放電処理、スパッタエッチング処理、ナトリウム処理、サンドブラスト処理等の方法が挙げられる。コロナ放電処理法は、針状あるいはナイフエッジ電極と対極間で放電を行わせ、その間に試料を入れて処理を行い、フィルム表面にアルデヒド、酸、アルコールパーオキサイド、ケトン、エーテル等の酸素を含む官能基を生成させる処理である。スパッタエッチング処理は、低気圧グロー放電を行っている電極間に試料を入れ、グロー放電によって生じた正イオンの衝撃によりフィルム上に多数の微細な突起を形成するものである。サンドブラスト処理は、フィルム面に微細な砂を吹きつけて、表面上に多数の微細な凹凸を形成するものである。これら表面処理の中では、塗布層との密着性、作業性、安全性、コスト等の点から、コロナ放電処理が好適である。
本発明に係る農業用熱可塑性樹脂フィルムを、実際に使用するにあたっては、防曇被膜の設けられた側をハウス又はトンネルの内側となるようにして展張するのがよい。
本発明において基材層にポリオレフィン系樹脂を用いる場合、前記ポリオレフィン系基材の最外層に接して防塵性被膜を形成することができる。
本発明における防塵性塗膜としては既に公知の農業用被覆資材に用いることができる防塵性塗膜を適応することが出来る。好ましくはアクリル系樹脂を主成分とした防塵性塗膜やアクリル系樹脂及びエチレン−アクリル共重合体を主成分とする防塵性塗膜を用いることができる。防塵性塗膜を塗工する場合には基材に対して、防曇性塗膜形成時と同様のコロナ処理等の前処理をすることができる。
このようにして得られた本願発明の農業用ポリオレフィン系多層フィルムは、各々、各波長域における紫外線を実質完全に遮蔽することができる。「実質完全に遮蔽」とは、未使用の農業用フィルムの状態で、その光線の透過率が2%未満であることを意味する。
以下、本発明を実施例、比較例に基づいてさらに詳細に説明する。今回、防曇塗膜をコーティングしたフィルムで試験したが、防曇剤を練り込んだタイプでも同様の結果が得られる。本発明はその要旨を越えない限り、以下の例に限定されるものではない。
(1)積層フィルムの調整(防曇塗膜塗布タイプ)
3層インフレーション成形装置として3層ダイに100mmφ((株)プラ工研製)を用い、押出機はチューブ外内層を30mmφ((株)プラ技研製)2台、中間層を40mmφ((株)プラ技研製)として、外内層押出し機温度180℃、中間層押し出し機温度170℃、ダイス温度180〜190℃、ブロー比2.0〜3.0、引取り速度3〜7m/分、厚さ0.15及び0.30mmにて表−1〜表−2に示した成分からなる3層の積層フィルムを得た。なお、これらのフィルムは、ハウス展張時にチューブの端部を切り開いて使用するため、展開した際に製膜時のチューブ外層が展張時にはハウスの内層(内面)となる。
〔配合〕 添加量は表1記載通り。
HP−LDPE:高圧ラジカル法触媒で製造した分岐状ポリエチレン(MFR:1.1g/10分、密度0.920)日本ポリケム製ノバテックLD「YF30」
メタロセンPE:メタロセン触媒で製造したエチレン・αオレフィン共重合体(MFR:2g/10分、密度0.907)日本ポリケム製カーネル「KF270」
EVA :エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量15重量%、MFR2g/10分)
光安定剤A:キマソーブ944:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製光安定剤
光安定剤B:エチレン・環状アミノビニル共重合体:日本ポリケム(株)製「ノバテックLD・XJ100H」MFR=3g/10分(190℃、JIS−K6760) 密度=0.931g/cm(JIS−K6760)環状アミノビニル化合物含量=5.1重量%(0.7モル%)孤立して存在する環状アミノビニル化合物の割合=90モル% 融点=111℃
紫外線吸収剤A:チバ・スペシャリティーケミカルズ社製ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤「TINUVIN 327」
2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール
Figure 2010259374
紫外線吸収剤B:チバ・スペシャリティーケミカルズ社製ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤「TINUVIN 326」
2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール
Figure 2010259374
紫外線吸収剤C:サイテック社製トリアジン型紫外線吸収剤「UV−1164」
2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチロキシ)フェノール
Figure 2010259374
紫外線吸収剤D:チバ・ジャパン社製トリアジン型紫外線吸収剤「tinuvin1577ED」
2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール
Figure 2010259374
(2)フィルムの表面処理
得られたチューブ状フィルムの外層表面を、放電電圧120V、放電電流4.7A、ラインスピード10m/minでコロナ放電処理を行い、JIS−K6768による「濡れ指数」を測定し、その値を確認した。
(3)防曇性塗膜の形成(防曇塗膜塗布タイプ)
表−1に示した主成分(シリカゾル及び/又はアルミナゾル)と熱可塑性樹脂と架橋剤及び液状分散媒とを配合して防曇剤組成物を得た。

防曇剤組成物配合は以下の配合とした。
無機質コロイドゾル(コロイダルシリカ) 4.0
熱可塑性樹脂(サンモールSW−131) 3.0
架橋剤(T.A.Z.M) 0.1
分散媒(水/エタノール=3/1) 93
(注)無機質コロイドゾルの配合量は、無機質粒子量で示し熱可塑性樹脂の配合量は重合体固形分量で示す。
コロイダルシリカ:日産化学社製スノーテックス30、平均粒子径15nm
サンモールSW−131:三洋化成社製アクリルエマルジョン
T.A.Z.M:相互薬工社製アジリジン系化合物

(2)で表面処理した基体フィルムの表面に、上記の防曇剤組成物を#5バーコーターを用いて各々塗布した。塗布したフィルムを80℃のオーブン中に1分間保持して、液状分散媒を揮発させ防曇性塗膜を形成した。得られた各フィルムの塗膜の厚みは約1μmであった。
Figure 2010259374
Figure 2010259374
本願に係る光線透過特性を有する三層フィルム(防曇塗膜塗布タイプ)を、上記方法により測定した全光線透過率チャートを図2に示す。
今回、防曇性塗膜を設けたタイプ(フィルム厚150〜300μm)を用いて試験を行ったが、防曇剤を練り混んだタイプでも同様の効果が得られる。また、今回用いた樹脂、添加剤以外の組み合わせ、又は今回と異なるフィルム厚みでも、その要旨を変えない限り、同様の効果が得られる。今回用いた各々のサンプルについて次のような光学特性測定を行った。実施例及び比較例における各測定法を以下に示す。
<1>全光線透過率
3層インフレーション成形により得られた積層フィルム(ハウス内層側表面に防曇性塗膜を形成(塗工)後)を分光光度計(日立製作所製、U3500型)により測定し、各波長におけるその値を示した。
<2>透過率平均値
<1>の方法で測定した1nmごとの透過率を平均して算出した。
トマトの一段密植による栽培試験
トマトの一段密植栽培において各種被覆資材と各種人工照明を用いた水耕栽培試験をおこなった。トマト(品種:桃太郎)の種子を、水を含んだロックウール細粒綿を詰めたセルトレイに播き発芽させた。
子葉展開後は薄い培養液(EC0.6〜1.2dS/m)を与えた。
播種から約25日後、本葉が4〜5枚出てきたので農業用ハウス内の栽培ベッドに定植した。
栽培ベッドは、ベッド巾約50cm、深さ約15cmの保水シート耕方式とし、株間は約10cm、ベッド間隔約80cmとした。
被覆資材は前記の各種フィルムを前記方法により作成して使用した。
光源として使用した半導体発光装置は、アルミとPEEKの張り合わせ基板上に実装し、ガラス管で防水被覆した上で電源装置に接続して使用した。
定植後は培養液(EC1.2〜2.4dS/m)を与え、朝6時〜夕6時の時間帯で各種人工照明により補光照射した。
定植から約40日後、第1花房の3花が開花し、着果ホルモン(トマトトーン)を散布し、第1花房の上1〜2葉を残して摘心した。
定植から約80日以降、収穫期となったトマトを収穫し収量、品質を評価し、表2の結果を得た。
判定基準:
照度:μmol/m/s 基準:×=10未満、△=10〜30、○=30以上
(前記MS−720にて光合成放射束密度を測定:LED1は光源からの距離10cmで測定し、他のLEDは光量が少ない為、測定部に近接させて測定した。LED3については、放射分布の関係で近接させても10μmol/m/s未満となった。)
可視光成分:前記MS−720にて1nmごとの放射分布を測定し、400〜800nmの放射量の放射全波長(350〜1050nm)中に対する割合(%)を算出した。波長350nm以下の放射成分の有無については、LEDデータシートを用いても確認した。LED3のように、紫外領域に主成分を有するタイプはLEDデータシートに添付された放射スペクトルを用いて計算した。 基準:×=10%未満、△=10〜90%、○=90%以上
トマト果重:g/個 基準:×=150以下、△=150〜170、○=170以上
トマト糖度:Brix% 基準:×=5.5以下、△=5.5〜6.5、○=6.5以上
徒長:目視にて徒長(節間長の相対的伸張、葉の肉薄化)の有無を、試験実施区中の相対評価した。 基準:×(相対的に悪い)〜△(相対的に中程度)〜○(相対的に良い)
内部資材劣化防止効果:目視にて徒長(節間長の相対的伸張、葉の肉薄化、葉色の変化)の有無を、試験実施区中で相対評価した。 基準:×(相対的に悪い)〜△(相対的に中程度)〜○(相対的に良い)
内部資材劣化防止効果:各試験区内にポリエチレン製被覆付きの電源コードの断片を照射装置の電源コードの劣化進度の目安とするために設置した。設置場所は光源から約10cmとした。(照射用の電源コードは、試験の安全性及び信頼性確保の為、樹脂チューブで全体を覆って、防水&耐候対策した上で使用した。)目視にて劣化進度(樹脂被覆及び芯部の劣化状態、変色状態)の有無を、試験実施区中で相対評価した。 基準:×(相対的に悪い)〜△(相対的に中程度)〜○(相対的に良い)
病虫害防除効果:栽培試験区とは別に、各試験区におけるオンシツコナジラミの行動抑制効果(忌避効果)を確認する為に、栽培試験区と同様な環境の各試験区を小型トンネルで設定し、比較例11の試験区(被覆無し(小型トンネル骨組みのみ)、照射無し)を同様に設定し、両試験区が接する配置で設置した。約20頭のオンシツコナジラミを両試験区の中央に置き、各試験区に移動したオンシツコナジラミの頭数を目視観察した。オンシツコナジラミが忌避した方が試験区内に留まる頭数が少ないと考えられる為、どちらを忌避したかで判定を行った。
二つの試験区の内、80%以上の頭数が比較例11の試験区に移動したもの(忌避効果が高い):○
二つの試験区の内、0〜80%の頭数が比較例11の試験区に移動したもの(忌避効果が並〜低い):×
Figure 2010259374
Figure 2010259374
本願に係る栽培方法(実施例1〜5)は、本発明以外の被覆資材及び、本発明以外の光源を用いた場合(比較例1〜11)と比較して、非常に良好な栽培性、病虫害防除特性、内部資材劣化防止性を有しており、特に360nm以下の紫外線を実質カットする被覆資材を用いた場合は、徒長抑制効果もプラスされる為、非常に有用な施設園芸における栽培方法として使用出来る。
つまり、本発明の被覆資材および光源を用いなければ、施設園芸における栽培方法として、投資に見合うだけの十分な害虫防除特性、内部資材劣化防止効果及び単位面積当たりの収量増加を期待することは難しく、本発明の栽培方法を用いることにより、効率的で、かつ無農薬・減農薬等の安心な農作物生産が可能になる。
以上の結果から明らかなように、果重が大きく、糖度の高いトマトを収穫することができ、更に病虫害防除及び内部資材劣化防止効果が期待でき、かつ、360nm以下の紫外線を実質遮蔽する被覆資材との組み合わせにおいては徒長抑制効果も期待できることが判る。従って、本発明は、単純な補光効果のみならず、病虫害防除効果や内部資材劣化防止効果等、農業用資材として必要とされる性能を高いレベルでバランスさせ、更に他に面積当りの収量増加に寄与しうる効果的な植物栽培方法を提供するものである。

Claims (14)

  1. 波長300nm〜360nmの紫外線を実質的に遮蔽する農業用フィルム(実質的に遮蔽するとは、300〜360nmにおいて1nmごとに測定した全光線透過率の平均値が2%未満であることを意味する。)を展張した施設園芸用ハウスの内部で、半導体発光装置を光源として400〜800nmの可視光線成分を主成分とする光を照射する植物栽培方法。
  2. 農業用フィルムが、320〜350nmの波長域の紫外線の平均透過率が10%以下であり、380〜400nmの波長域の光の平均透過率が50%以上であり、且つ、ポリオレフィン系樹脂とトリアリールトリアジン型紫外線吸収剤の少なくとも一種を含有してなる層を少なくとも一層有する、多層又は単層の基体フィルムからなるポリオレフィン系農業用フィルムである事を特徴とする請求項1に記載の植物栽培方法。
  3. トリアリールトリアジン型紫外線吸収剤が下記一般式(1)記載のトリアリールトリアジン型紫外線吸収剤である請求項2に記載の植物栽培方法。
    Figure 2010259374
    (式中、R1〜R5は、それぞれ独立して水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
  4. 前記式(1)におけるR1がヘキシル基であり、R2〜R5が水素原子である、請求項3に記載の植物栽培方法。
  5. 前記式(1)におけるR1がオクチル基であり、R2〜R5がメチル基である、請求項3に記載の植物栽培方法。
  6. 基体フィルム中の全ポリオレフィン系樹脂の重量に基づき、前記式(1)で表されるトリアリールトリアジン型紫外線吸収剤を0.30%より多く2.00%未満含有してなることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の植物栽培方法。
  7. 波長300nm〜380nmの紫外線を実質的に遮蔽する農業用フィルム(実質的に遮蔽するとは、300〜380nmにおいて1nmごとに測定した全光線透過率の平均値が2%未満であることを意味する。)を展張した施設園芸用ハウスの内部で、半導体発光装置を光源として400〜800nmの可視光線成分を主成分とする光を照射することを特徴とする植物栽培方法。
  8. 農業用フィルムが少なくとも1種のベンゾトリアゾール型紫外線吸収剤を含有し、当該ベンゾトリアゾール型紫外線吸収剤のうち少なくとも1種が下記化学構造を有する紫外線吸収剤であることを特徴とする請求項7に記載の植物栽培方法。
    Figure 2010259374
    (2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール)
  9. 波長300nm〜400nmの紫外線を実質的に遮蔽する農業用フィルム(実質的に遮蔽するとは、300〜400nmにおいて1nmごとに測定した全光線透過率の平均値が2%未満であることを意味する。)を展張した施設園芸用ハウスの内部で、半導体発光装置を光源として400〜800nmの可視光線成分を主成分とする光を照射することを特徴とする植物栽培方法
  10. 紫外線吸収剤のうち少なくとも1種がベンゾトリアゾール型紫外線吸収剤であり、当該ベンゾトリアゾール型紫外線吸収剤のうち少なくとも1種類の最大吸収波長が350nm以上である請求項9に記載の植物栽培方法。
  11. 太陽光を利用した農業用ハウスにおいて、紫外領域から近紫外領域の光を発する固体発光素子と、前記固体発光素子からの光により励起されて発光する蛍光体とを組み合わせてなる半導体発光装置を光源として可視光線成分を含む光を照射する植物栽培方法であって、前記蛍光体が、400〜500nmの波長領域に1以上の発光ピークを有する青色蛍光体、500〜540nmの波長領域に1以上の発光ピークを有する緑色蛍光体、および600〜680nmの波長領域に1以上の発光ピークを有する赤色蛍光体を含むことを特徴とする植物栽培方法。
  12. 半導体発光装置によって光合成光量子束密度10μmol/m/sec以上の光が栽培作物に照射されることを特徴とする請求項1乃至11に記載の植物栽培方法。
  13. トマト低段密植栽培における請求項1乃至12に記載の栽培方法の使用。
  14. 遮光資材を用いたイチゴ栽培における請求項1乃至12に記載の栽培方法の使用。
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