WO2020218263A1 - ラテックス浸漬液、ゴム組成物およびそれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明の課題は、セルロースナノファイバーを混合せず作製されたゴム組成物に比べ、破断強度および引張伸びに優れたゴム組成物、および前記ゴム組成物の原料である、ラテックス浸漬工程で用いるラテックス浸漬液を提供することである。すなわち、本発明は、(1)ゴムラテックス、(2)平均繊維長が200nm~400nmである変性セルロースナノファイバー、および(3)消泡剤、を含有するラテックス浸漬液、ならびに、得られたラテックス浸漬液を用いたラテックス浸漬工程を経て、作製されるゴム組成物を提供する。
Description
本発明は、ラテックス浸漬液、ゴム組成物およびそれらの製造方法に関し、詳しくは、ラテックス浸漬液、これを用いるラテックス浸漬工程を経て作製されるゴム組成物、およびそれらの製造方法に関する。
ゴム手袋等の薄いゴム膜からなるゴム製品はラテックス浸漬工程を経て作製される。例えば、特許文献1には、ゴムまたは樹脂を含み、かつバイオマスナノファイバを配合したラテックス組成物中に、手袋の立体形状に対応する型を浸漬したのち引き上げて、前記型に付着したラテックス組成物を乾燥、固化させる工程を含むゴム手袋の製造方法が記載されている。
しかしながら、特許文献1の方法で用いられるラテックス組成物は、高粘度である。高粘度のラテックス組成物に型としての板を浸漬させる場合、浸漬させる板に浸漬液が均一に吸着せず、製造されるゴム製品に穴が開いてしまう。これにより、均一なゴムの膜が得られず、強度が低いゴム製品となる。また、セルロースナノファイバーを混合した浸漬液も同様に粘度が高くなり、得られるゴム製品は十分な強度が得られない。
本発明は、ラテックス等のゴム成分の分散液とセルロースナノファイバーを混合、撹拌して得られる浸漬液の粘度を制御することで、ラテックス浸漬工程によるゴム製品の製造を可能にすることを目的とする。さらに、セルロースナノファイバーを混合せず作製されたゴム組成物の破断強度及び引張伸びに比べ、それ以上の物性を有するゴム組成物を提供する。
本発明は、以下の<1>~<9>を提供する。
<1>:以下の(1)~(3)を含有するラテックス浸漬液。
(1)ゴムラテックス
(2)平均繊維長が200nm~400nmである変性セルロースナノファイバー、及び
(3)消泡剤
<2>:前記(2)が酸化セルロースナノファイバーである<1>に記載のラテックス浸漬液。
<3>:前記酸化セルロースナノファイバーがTEMPO酸化セルロースナノファイバーである<2>に記載のラテックス浸漬液。
<4>:前記TEMPO酸化セルロースナノファイバーのカルボキシル基量が0.2mmol/g~2.0mmol/gである<3>に記載のラテックス浸漬液。
<5>:前記(3)がポリエーテル、シリカ、および鉱油からなる群より選ばれる少なくとも1つを含有する、<1>~<4>のいずれか1項に記載のラテックス浸漬液。
<6>:製造から24時間経過後のB型粘度が10~500mPa・sである、<1>~<5>のいずれか1項に記載のラテックス浸漬液
<7>:(1)と(2)を混合して混合液を得ること、混合液を熟成すること、及び、熟成後の混合液に成分(3)を噴霧することを含む、ラテックス浸漬液の製造方法。
<8>:<1>~<6>のいずれか1項に記載のラテックス浸漬液を原料とするゴム組成物。
<9>:<1>~<6>のいずれか1項に記載のラテックス浸漬液を原料とするゴム組成物の製造方法。
<1>:以下の(1)~(3)を含有するラテックス浸漬液。
(1)ゴムラテックス
(2)平均繊維長が200nm~400nmである変性セルロースナノファイバー、及び
(3)消泡剤
<2>:前記(2)が酸化セルロースナノファイバーである<1>に記載のラテックス浸漬液。
<3>:前記酸化セルロースナノファイバーがTEMPO酸化セルロースナノファイバーである<2>に記載のラテックス浸漬液。
<4>:前記TEMPO酸化セルロースナノファイバーのカルボキシル基量が0.2mmol/g~2.0mmol/gである<3>に記載のラテックス浸漬液。
<5>:前記(3)がポリエーテル、シリカ、および鉱油からなる群より選ばれる少なくとも1つを含有する、<1>~<4>のいずれか1項に記載のラテックス浸漬液。
<6>:製造から24時間経過後のB型粘度が10~500mPa・sである、<1>~<5>のいずれか1項に記載のラテックス浸漬液
<7>:(1)と(2)を混合して混合液を得ること、混合液を熟成すること、及び、熟成後の混合液に成分(3)を噴霧することを含む、ラテックス浸漬液の製造方法。
<8>:<1>~<6>のいずれか1項に記載のラテックス浸漬液を原料とするゴム組成物。
<9>:<1>~<6>のいずれか1項に記載のラテックス浸漬液を原料とするゴム組成物の製造方法。
セルロースナノファイバー水分散体はその粘度が高いため、ラテックスに配合して得られる浸漬液は、通常、高粘度である。そのため、ラテックス浸漬工程において、板に浸漬液が均一に吸着せず、厚みが均一なゴム膜が得られない。粘度の低い短繊維セルロースナノファイバーを用いることで、ラテックスとセルロースナノファイバーを撹拌した際の粘度を制御でき、板に均一に浸漬液を吸着させることができる。
本発明によれば、低粘度のラテックス浸漬液を得ることができる。本発明のラテックス浸漬液に浸漬した型の表面には、均一な膜が形成され得るので、得られるゴム組成物は、天然ゴムのみを用いて作製されたゴム組成物以上の強度を発揮できる。従って、本発明は各種のゴム組成物、例えば複雑な形状のゴム組成物の製造にも有用である。
以下、本発明について説明する。本明細書において「~」を含む数値範囲は端値を含む。すなわち「X~Y」はその両端の値X及びYを含む。
〔1.ラテックス浸漬液〕
本発明のラテックス浸漬液は、少なくとも成分(1)~(3)を含有する。本発明のラテックス浸漬液は、ゴム組成物製造時の、ラテックス浸漬工程に用いることができる。
本発明のラテックス浸漬液は、少なくとも成分(1)~(3)を含有する。本発明のラテックス浸漬液は、ゴム組成物製造時の、ラテックス浸漬工程に用いることができる。
<成分(2):変性セルロースナノファイバー>
本明細書において、セルロースナノファイバー(CNF)は、パルプ等のセルロース原料がナノメートルレベルまで微細化されたもので、平均繊維径が2~500nm程度の微細繊維である。変性セルロースナノファイバーの平均繊維径および平均繊維長は、原子間力顕微鏡(AFM)または透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、各繊維を観察した結果から得られる繊維径および繊維長をそれぞれ平均することによって得ることができる。
本明細書において、セルロースナノファイバー(CNF)は、パルプ等のセルロース原料がナノメートルレベルまで微細化されたもので、平均繊維径が2~500nm程度の微細繊維である。変性セルロースナノファイバーの平均繊維径および平均繊維長は、原子間力顕微鏡(AFM)または透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、各繊維を観察した結果から得られる繊維径および繊維長をそれぞれ平均することによって得ることができる。
本明細書において、変性セルロースナノファイバーは、セルロース原料から変性(通常は化学変性)および微細化を経て得られるセルロースナノファイバーを意味する。本明細書において化学変性とは、化学的な変性であり、例えば、アニオン変性、カチオン変性が挙げられる。変性セルロースナノファイバーの製造方法としては、例えば、セルロース原料の変性(例えば、アニオン変性(例えば、酸化(カルボキシル化)、エーテル化、リン酸エステル化)、カチオン変性等の化学変性)により得られる変性セルロースを微細化(例えば、解繊(ナノ解繊))する方法が挙げられる。微細繊維の平均繊維長と平均繊維径は、化学変性処理(例えば、酸化処理)、微細化処理(例えば、解繊処理)、必要に応じて行うアルカリ加水分解処理の条件により調整できる。
変性セルロースナノファイバーの平均繊維径は、通常2nm~500nm、好ましくは2nm~100nm、より好ましくは2nm~50nm、さらに好ましくは2~15nm、さらにより好ましくは2~10nmである。平均繊維長は、200nm~400nm、好ましくは200nm~350nm、より好ましくは200nm~330nmである。上記平均繊維径及び平均繊維長の少なくともいずれかを満たす、好ましくは少なくとも平均繊維長を満たす、より好ましくは両方を満たす、変性セルロースナノファイバーを用いることで、浸漬液の粘度上昇を抑制できる。これにより、ラテックス浸漬工程を経て作製されるゴム組成物について、穴のないゴム組成物を製造でき、天然ゴムのみを用いて作製されたゴム組成物以上の、引張強さおよび引張伸びを有するゴム組成物を提供できる。
本明細書において、平均繊維長200nm~400nmの変性セルロースナノファイバーを、短繊維セルロースナノファイバーという場合がある。
変性セルロースナノファイバーの平均アスペクト比は、通常50以上である。上限は特に限定されないが、通常は1000以下である。平均アスペクト比は、下記の式により算出できる:
アスペクト比=平均繊維長/平均繊維径
アスペクト比=平均繊維長/平均繊維径
(セルロース原料)
セルロース原料は特に限定されず、例えば、パルプ、パルプを高圧ホモジナイザー、ミル等の機器で粉砕した粉末セルロース、前記パルプを酸加水分解等の化学処理により精製した微結晶セルロース粉末が挙げられる。この他の例として、ケナフ、麻、イネ、バカス、竹、ジュート等の植物由来のセルロース原料、藻類、酢酸菌(アセトバクター)等の微生物由来のセルロース原料、農地残廃物、布も挙げられる。木材由来のパルプとしては、例えば、加水分解処理した後にクラフト蒸解して得られるパルプ(DKP:例えば、針葉樹クラフト溶解パルプ)、針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹未漂白サルファイトパルプ(NUSP)、針葉樹漂白サルファイトパルプ(NBSP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、針葉樹溶解パルプ、広葉樹溶解パルプ、再生パルプ、古紙パルプが挙げられる。DKP、粉末セルロース、微結晶セルロース粉末が好ましい。これらを用いると、高濃度であってもより低い粘度を有する分散液(通常、水分散液)を与えるセルロースナノファイバーを製造できる。また、広葉樹由来のセルロース原料も、低い消費電力量で低粘度の分散液を与えるセルロースナノファイバーを製造できるので好ましい。これらのセルロース原料から得られる前記の平均繊維長の変性セルロースナノファイバーを成分(2)として用いることで、ラテックス浸漬液の粘度上昇の抑制が可能となる。
セルロース原料は特に限定されず、例えば、パルプ、パルプを高圧ホモジナイザー、ミル等の機器で粉砕した粉末セルロース、前記パルプを酸加水分解等の化学処理により精製した微結晶セルロース粉末が挙げられる。この他の例として、ケナフ、麻、イネ、バカス、竹、ジュート等の植物由来のセルロース原料、藻類、酢酸菌(アセトバクター)等の微生物由来のセルロース原料、農地残廃物、布も挙げられる。木材由来のパルプとしては、例えば、加水分解処理した後にクラフト蒸解して得られるパルプ(DKP:例えば、針葉樹クラフト溶解パルプ)、針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹未漂白サルファイトパルプ(NUSP)、針葉樹漂白サルファイトパルプ(NBSP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、針葉樹溶解パルプ、広葉樹溶解パルプ、再生パルプ、古紙パルプが挙げられる。DKP、粉末セルロース、微結晶セルロース粉末が好ましい。これらを用いると、高濃度であってもより低い粘度を有する分散液(通常、水分散液)を与えるセルロースナノファイバーを製造できる。また、広葉樹由来のセルロース原料も、低い消費電力量で低粘度の分散液を与えるセルロースナノファイバーを製造できるので好ましい。これらのセルロース原料から得られる前記の平均繊維長の変性セルロースナノファイバーを成分(2)として用いることで、ラテックス浸漬液の粘度上昇の抑制が可能となる。
(化学変性)
変性セルロースナノファイバーは、アニオン変性セルロースナノファイバー及びカチオン変性セルロースナノファイバーのいずれでもよい。浸漬液を得る際の混合液に変性セルロースナノファイバーとともにフィラー、分散剤等の任意成分を配合する場合、任意成分の分散が良好となるような変性セルロースナノファイバーを選択することが好ましい。分散剤としてアニオン性高分子化合物を用いる場合、フィラーの凝集を抑制するための相乗効果が得られやすいため、アニオン変性セルロースナノファイバーが好ましい。
変性セルロースナノファイバーは、アニオン変性セルロースナノファイバー及びカチオン変性セルロースナノファイバーのいずれでもよい。浸漬液を得る際の混合液に変性セルロースナノファイバーとともにフィラー、分散剤等の任意成分を配合する場合、任意成分の分散が良好となるような変性セルロースナノファイバーを選択することが好ましい。分散剤としてアニオン性高分子化合物を用いる場合、フィラーの凝集を抑制するための相乗効果が得られやすいため、アニオン変性セルロースナノファイバーが好ましい。
アニオン変性セルロースナノファイバーは、アニオン変性により官能基が導入されているセルロースナノファイバーである。アニオン変性により導入される官能基としては、例えば、カルボキシル基、カルボキシアルキル基、スルホン基、リン酸エステル基、ニトロ基が挙げられる。中でも、カルボキシル基、カルボキシアルキル基、リン酸エステル基が好ましく、カルボキシル基がより好ましい。
(塩型と酸型)
セルロース原料を化学変性して導入される官能基は、酸型官能基でもよいし、塩型官能基でもよい。例えば、セルロース原料を酸化すると、ヒドロキシル基がカルボキシル基に変性され、酸化後のセルロース繊維は、通常、-COOHで表される基(酸型カルボキシル基)と、-COO-で表される基(塩型カルボキシル基)とを両方含む。
セルロース原料を化学変性して導入される官能基は、酸型官能基でもよいし、塩型官能基でもよい。例えば、セルロース原料を酸化すると、ヒドロキシル基がカルボキシル基に変性され、酸化後のセルロース繊維は、通常、-COOHで表される基(酸型カルボキシル基)と、-COO-で表される基(塩型カルボキシル基)とを両方含む。
塩型官能基のカウンターカチオンとしては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン、アンモニウムイオンが挙げられ、官能基の種類に応じて選択でき、変性セルロースの解繊性および分散性が良好となるものを選択することが好ましい。
(酸化(カルボキシル化))
酸化セルロースは、セルロース原料を公知の方法で酸化(カルボキシル化)することにより得ることができる。酸化セルロースのカルボキシル基量は、酸化セルロースナノファイバーの絶乾質量に対して、好ましくは0.2mmol/g以上、より好ましくは0.5mmol/g以上である。これにより、解繊の際に多大なエネルギーを必要とせずに、高透明で均一なナノファイバー分散液が得られる。また、変性セルロースナノファイバーをラテックスに配合した際に、未解繊繊維等の粗大物(破壊の起点となりうる)の残存を抑制できる。上限は、通常2.0mmol/g以下である。従って、0.2~2.0mmol/gが好ましく、0.5~2.0mmol/gがより好ましい酸化セルロースナノファイバーのカルボキシル基量は、微細化前の酸化セルロースのそれと通常は同値である。カルボキシル基量は、電気伝導度の変動から計算できる。
酸化セルロースは、セルロース原料を公知の方法で酸化(カルボキシル化)することにより得ることができる。酸化セルロースのカルボキシル基量は、酸化セルロースナノファイバーの絶乾質量に対して、好ましくは0.2mmol/g以上、より好ましくは0.5mmol/g以上である。これにより、解繊の際に多大なエネルギーを必要とせずに、高透明で均一なナノファイバー分散液が得られる。また、変性セルロースナノファイバーをラテックスに配合した際に、未解繊繊維等の粗大物(破壊の起点となりうる)の残存を抑制できる。上限は、通常2.0mmol/g以下である。従って、0.2~2.0mmol/gが好ましく、0.5~2.0mmol/gがより好ましい酸化セルロースナノファイバーのカルボキシル基量は、微細化前の酸化セルロースのそれと通常は同値である。カルボキシル基量は、電気伝導度の変動から計算できる。
酸化(カルボキシル化)方法の一例として、セルロース原料を、N-オキシル化合物と、臭化物、ヨウ化物またはこれらの2以上の組み合わせからなる群から選択される薬剤との存在下で酸化剤を用いて水中で酸化する方法を挙げることができる。この酸化反応により、セルロース表面のグルコピラノース環のC6位の一級水酸基が選択的に酸化され、表面にアルデヒド基と、カルボキシル基(-COOH)またはカルボキシレート基(-COO-)とを有する酸化セルロースを得ることができる。反応時のセルロースの濃度は特に限定されないが、5質量%以下が好ましい。
N-オキシル化合物とは、ニトロキシラジカルを発生しうる化合物をいう。N-オキシル化合物としては、目的の酸化反応を促進する化合物であれば、いずれの化合物も使用できる。例えば、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシラジカル(TEMPO)およびその誘導体(例えば4-ヒドロキシTEMPO)が挙げられる。本明細書において、TEMPOおよびその誘導体から選ばれる1種以上を用いた酸化を経た酸化セルロースナノファイバーを、TEMPO酸化セルロースナノファイバーという場合がある。
N-オキシル化合物の使用量は、原料となるセルロースを酸化できる触媒量であればよく、特に制限されない。例えば、絶乾1gのセルロースに対して、0.01~10mmolが好ましく、0.01~1mmolがより好ましく、0.05~0.5mmolがさらに好ましい。また、反応系に対し0.1~4mmol/L程度が好ましい。
臭化物とは臭素を含む化合物であり、その例には、水中で解離してイオン化可能な臭化アルカリ金属が含まれる。また、ヨウ化物とはヨウ素を含む化合物であり、その例には、ヨウ化アルカリ金属が含まれる。臭化物またはヨウ化物の使用量は、酸化反応を促進できる範囲で選択できる。臭化物およびヨウ化物の合計量は、例えば、絶乾1gのセルロースに対して、0.1~100mmolが好ましく、0.1~10mmolがより好ましく、0.5~5mmolがさらに好ましい。
酸化剤としては、公知のものを使用でき、例えば、ハロゲン、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、過ハロゲン酸またはそれらの塩、ハロゲン酸化物、過酸化物を使用できる。中でも、安価で環境負荷の少ない次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。酸化剤の使用量としては、例えば、絶乾1gのセルロースに対して、0.5~500mmolが好ましく、0.5~50mmolがより好ましく、1~25mmolがさらに好ましく、3~10mmolが最も好ましい。また、例えば、N-オキシル化合物1molに対して1~40molが好ましい。
セルロースの酸化は、比較的温和な条件であっても反応を効率よく進行させられる。よって、反応温度は4~40℃が好ましく、また15~30℃程度の室温であってもよい。反応の進行に伴ってセルロース中にカルボキシル基が生成するため、反応液のpHの低下が認められる。酸化反応を効率よく進行させるためには、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ性溶液を添加して、反応液のpHを、通常8~12、好ましくは10~11程度に維持することが好ましい。反応媒体は、取扱容易性が良いこと、副反応が生じにくいこと等の利点があるため、水が好ましい。
酸化反応における反応時間は、酸化の進行の程度に従って適宜設定でき、通常は0.5~6時間、例えば、0.5~4時間程度である。
また、酸化反応は、2段階に分けて実施してもよい。例えば、1段目の反応終了後に濾別して得られた酸化セルロースを、再度、同一または異なる反応条件で酸化させることにより、1段目の反応で副生する食塩による反応阻害を受けることなく、効率よく酸化させることができる。
酸化(カルボキシル化)方法の別の例として、オゾンを含む気体とセルロース原料とを接触させることにより酸化する方法を挙げることができる。この酸化反応により、グルコピラノース環の少なくとも2位および6位の水酸基が酸化されると共に、セルロース鎖の分解が起こる。オゾンを含む気体中のオゾン濃度は、50~250g/m3であることが好ましく、50~220g/m3であることがより好ましい。セルロース原料に対するオゾン添加量は、セルロース原料の固形分を100質量部とした際に、0.1~30質量部であることが好ましく、5~30質量部であることがより好ましい。オゾン処理温度は、0~50℃であることが好ましく、20~50℃であることがより好ましい。オゾン処理時間は、特に限定されないが、通常、1~360分程度であり、30~360分程度が好ましい。オゾン処理の条件がこれらの範囲内であると、セルロースが過度に酸化および分解されることを防ぐことができ、酸化セルロースの収率が良好となり得る。オゾン処理を施した後に、酸化剤を用いて、追酸化処理を行ってもよい。追酸化処理に用いる酸化剤は、特に限定されないが、例えば、二酸化塩素、亜塩素酸ナトリウム等の塩素系化合物、酸素、過酸化水素、過硫酸、過酢酸が挙げられる。例えば、これらの酸化剤を水またはアルコール等の極性有機溶媒中に溶解して酸化剤溶液を作成し、溶液中にセルロース原料を浸漬させることにより追酸化処理を行うことができる。
酸化セルロースのカルボキシル基の量は、上記した酸化剤の添加量、反応時間等の反応条件をコントロールすることで調整できる。
(エーテル化)
エーテル化セルロースは、セルロース原料を公知の方法でエーテル化することにより得ることができる。エーテル化としては、例えば、メチル化、エチル化、シアノエチル化、ヒドロキシエチル化、ヒドロキシプロピル化、エチルヒドロキシエチル化、及びヒドロキシプロピルメチル化から選ばれる反応によるエーテル化が挙げられ、カルボキシアルキル化が好ましく、カルボキシメチル化がより好ましい。カルボキシアルキル化を経て得られる変性セルロース(カルボキシアルキル化セルロース)は、セルロースの水酸基の少なくとも1つがカルボキシアルキル化された構造を有することが好ましい。カルボキシアルキル化セルロースの無水グルコース単位当たりのカルボキシアルキル基置換度(DS)は、0.01~0.50が好ましい。DSは、セルロースを構成する個々の無水グルコース(グルコース残基)が本来有する水酸基のうちカルボキシアルキル基に置換されている基の割合(1つのグルコース残基当たりのカルボキシアルキル基の数)であり、カルボキシアルキル基量から算出できる。
エーテル化セルロースは、セルロース原料を公知の方法でエーテル化することにより得ることができる。エーテル化としては、例えば、メチル化、エチル化、シアノエチル化、ヒドロキシエチル化、ヒドロキシプロピル化、エチルヒドロキシエチル化、及びヒドロキシプロピルメチル化から選ばれる反応によるエーテル化が挙げられ、カルボキシアルキル化が好ましく、カルボキシメチル化がより好ましい。カルボキシアルキル化を経て得られる変性セルロース(カルボキシアルキル化セルロース)は、セルロースの水酸基の少なくとも1つがカルボキシアルキル化された構造を有することが好ましい。カルボキシアルキル化セルロースの無水グルコース単位当たりのカルボキシアルキル基置換度(DS)は、0.01~0.50が好ましい。DSは、セルロースを構成する個々の無水グルコース(グルコース残基)が本来有する水酸基のうちカルボキシアルキル基に置換されている基の割合(1つのグルコース残基当たりのカルボキシアルキル基の数)であり、カルボキシアルキル基量から算出できる。
カルボキシアルキル化の方法としては例えば、出発原料としてのセルロース系原料をマーセル化し、その後エーテル化する方法が挙げられる。カルボキシメチル化方法の一例として、以下の方法を挙げることができる。セルロースを発底原料にし、溶媒として3~20質量倍の水、低級アルコール(例えば、水、メタノール、エタノール、N-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、N-ブタノール、イソブタノール、第3級ブタノール)、または水と低級アルコールの混合媒体を使用する。低級アルコールを混合する場合、低級アルコールの混合割合は、通常、60~95質量%である。マーセル化剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属が挙げられる。マーセル化剤の量は、発底原料の無水グルコース残基当たり0.5~20倍モルが好ましい。発底原料、溶媒、およびマーセル化剤を混合してマーセル化を行う。マーセル化の反応温度は、通常0~70℃、好ましくは10~60℃である。反応時間は、通常15分~8時間、好ましくは30分~7時間である。その後、カルボキシメチル化剤を系内に添加し、エーテル化反応を行う。カルボキシメチル化剤のグルコース残基当たりの添加量は、通常、0.05~10.0倍モルである。反応温度は、通常30~90℃、好ましくは40~80℃である。反応時間は、通常30分~10時間、好ましくは1時間~4時間である。
本明細書において、変性セルロースの一種である「カルボキシメチル化セルロース」(carboxymethylated cellulose)は、水に分散した際にも繊維状の形状の少なくとも一部が維持されるものをいう。したがって、本明細書において分散剤として例示する水溶性高分子としてのカルボキシメチルセルロース(carboxymethyl cellulose)とは区別される。「カルボキシメチル化セルロース」の水分散液を電子顕微鏡で観察すると、繊維状の物質を観察できる。一方、水溶性高分子の一種であるカルボキシメチルセルロースの水分散液を観察しても、繊維状の物質は観察されない。また、「カルボキシメチル化セルロース」はX線回折で測定した際にセルロースI型結晶のピークを観測できるが、水溶性高分子のカルボキシメチルセルロースではセルロースI型結晶はみられない。
(リン酸エステル化)
リン酸エステル化セルロースは、セルロース原料にリン酸系化合物Aの粉末または水溶液を混合する方法、セルロース原料のスラリーにリン酸系化合物Aの水溶液を添加する方法により得ることができる。
リン酸エステル化セルロースは、セルロース原料にリン酸系化合物Aの粉末または水溶液を混合する方法、セルロース原料のスラリーにリン酸系化合物Aの水溶液を添加する方法により得ることができる。
リン酸系化合物Aとしては、例えば、リン酸、ポリリン酸、亜リン酸、ホスホン酸、ポリホスホン酸、これらのエステルが挙げられる。これらは塩の形態であってもよい。低コストであり、扱いやすく、またパルプ等のセルロース原料にリン酸基を導入して、解繊効率の向上が図れる等の理由から、リン酸系化合物Aは、リン酸基を有する化合物であることが好ましい。リン酸基を有する化合物としては、例えば、リン酸、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、ピロリン酸カリウム、メタリン酸カリウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、メタリン酸アンモニウムが挙げられる。これらは1種または2種以上を併用できる。これらのうち、リン酸基導入の効率が高く、解繊しやすく、かつ工業的に適用しやすい観点から、リン酸、リン酸のナトリウム塩、リン酸のカリウム塩、リン酸のアンモニウム塩が好ましい。リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムがより好ましい。また、反応の均一性が高まり、かつリン酸基導入の効率が高くなることから前記リン酸系化合物Aは水溶液として用いることが好ましい。リン酸系化合物Aの水溶液のpHは、リン酸基導入の効率が高くなることから7以下であることが好ましいが、パルプ等のセルロース原料の加水分解を抑える観点から、pH3~7が好ましい。
リン酸エステル化方法の一例として、以下の方法を挙げることができる。セルロース原料の分散液(例えば、固形分濃度0.1~10%(v/w))に、リン酸系化合物Aを撹拌しながら添加してセルロースにリン酸基を導入する。セルロース原料を100質量部に対するリン酸系化合物Aの添加量は、リン元素量として、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。これにより、微細繊維状セルロースの収率をより向上させることができる。上限は、通常500質量部以下、好ましくは400質量部以下である。これにより、収率向上の効果の頭打ちを回避でき、コスト面から好ましい。従って、0.2~500質量部であることが好ましく、1~400質量部であることがより好ましい。
セルロースへのリン酸基導入の際、セルロース原料、リン酸系化合物Aの他に、化合物Bの粉末または水溶液を混合してもよい。化合物Bはセルロース原料およびリン酸系化合物A以外の化合物であれば特に限定されないが、塩基性を示す窒素含有化合物が好ましい。ここでの「塩基性」は、フェノールフタレイン指示薬の存在下で水溶液が桃~赤色を呈すること、または水溶液のpHが7より大きいことと定義される。塩基性を示す窒素含有化合物は、特に限定されないが、アミノ基を有する化合物が好ましい。例えば、尿素、メチルアミン、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ピリジン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンが挙げられる。この中でも低コストで扱いやすい尿素が好ましい。化合物Bの添加量は、セルロース原料の固形分100質量部に対して、2~1000質量部が好ましく、100~700質量部がより好ましい。反応温度は0~95℃が好ましく、30~90℃がより好ましい。反応時間は特に限定されないが、通常、1~600分程度であり、30~480分が好ましい。エステル化反応の条件がこれらの範囲内であると、セルロースが過度にエステル化されて溶解しやすくなることを防ぐことができ、リン酸エステル化セルロースの収率が良好となり得る。得られたリン酸エステル化セルロース懸濁液を脱水した後、セルロースの加水分解を抑える観点から、加熱処理(例えば、100~170℃)することが好ましい。さらに、加熱処理の際に水が含まれている間は予備加熱(通常、130℃以下、好ましくは110℃以下)して水を除いた後、加熱処理(例えば、100~170℃)することが好ましい。
リン酸エステル化されたセルロースのグルコース単位当たりのリン酸基置換度は0.001~0.40であることが好ましい。セルロースにリン酸基置換基を導入することで、セルロース同士が電気的に反発する。このため、リン酸基を導入したセルロースは容易に解繊できる。グルコース単位当たりのリン酸基置換度が0.001以上であると、十分に解繊できる。一方、グルコース単位当たりのリン酸基置換度が0.40以下であると、膨潤または溶解を抑制でき、ナノファイバーとして得られなくなる場合がある。解繊を効率よく行なうために、上記で得たリン酸エステル化されたセルロース原料は煮沸した後、冷水で洗浄されることが好ましい。
(カチオン化)
カチオン化セルロースは、前記酸化セルロースをカチオン化することにより得ることができる。酸化セルロースをカチオン化する方法としては、例えば酸化セルロースに、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウムハライド、そのハロヒドリン型等のカチオン化剤と、水酸化アルカリ金属(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)等の触媒を、水またはアルコール(例えば、炭素原子数1~4のアルコール)の存在下で反応させる方法が挙げられる。
カチオン化セルロースは、前記酸化セルロースをカチオン化することにより得ることができる。酸化セルロースをカチオン化する方法としては、例えば酸化セルロースに、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウムハライド、そのハロヒドリン型等のカチオン化剤と、水酸化アルカリ金属(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)等の触媒を、水またはアルコール(例えば、炭素原子数1~4のアルコール)の存在下で反応させる方法が挙げられる。
グルコース単位当たりのカチオン置換度は0.02~0.50であることが好ましい。セルロースにカチオン置換基を導入することで、セルロース同士が電気的に反発する。このため、カチオン置換基を導入したセルロースは容易に解繊できる。グルコース単位当たりのカチオン置換度が0.02以上であることにより、十分に解繊できる。一方、グルコース単位当たりのカチオン置換度が0.50以下であることにより、膨潤または溶解をするため、ナノファイバーとして得られなくなる場合がある。解繊を効率よく行なうために、上記で得たカチオン変性されたセルロース原料は洗浄されることが好ましい。当該カチオン置換度は、反応させるカチオン化剤の添加量、水または炭素数1~4のアルコールの組成比率によって調整できる。
(加水分解処理)
変性セルロースは、通常、分散液(例えば、水分散液)として得られ、分散液は流動性に優れることが好ましい。流動性に優れる分散液は、ラテックス浸漬液の粘度上昇の抑制に適している。流動性を向上させる方法としては、例えば、変性セルロースをpH8~14のアルカリ性溶液中で加水分解する方法が挙げられる。本方法では副反応を抑制するために、反応媒体として水を用いることが好ましい。また、助剤として酸化剤または還元剤を用いることが好ましい。酸化剤または還元剤としては、pH8~14のアルカリ性領域で活性を有するものを使用できる。酸化剤の例としては、酸素、オゾン、過酸化水素、次亜塩素酸塩、これらの2種以上の組み合わせが挙げられる。これらのうち、ラジカルを発生しにくい酸化剤(例えば、酸素、過酸化水素、次亜塩素酸塩)が好ましく、着色防止の観点から、過酸化水素がより好ましい。オゾン等のラジカルを発生しにくい酸化剤はオゾン等のラジカルを発生する酸化剤は、着色抑制の観点から、使用量を少量とすることが好ましく、実質的に使用しないことが更に好ましい。酸化剤は、過酸化水素を単独で用いることがさらにより好ましい。還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、ハイドロサルファイト、亜硫酸塩、これらの2種以上の組み合わせが挙げられる。反応効率の観点から、助剤の添加量は、絶乾したセルロース原料に対して0.1~10%(w/v)が好ましく、0.3~5%(w/v)がより好ましく、0.5~2%(w/v)がさらに好ましい。
変性セルロースは、通常、分散液(例えば、水分散液)として得られ、分散液は流動性に優れることが好ましい。流動性に優れる分散液は、ラテックス浸漬液の粘度上昇の抑制に適している。流動性を向上させる方法としては、例えば、変性セルロースをpH8~14のアルカリ性溶液中で加水分解する方法が挙げられる。本方法では副反応を抑制するために、反応媒体として水を用いることが好ましい。また、助剤として酸化剤または還元剤を用いることが好ましい。酸化剤または還元剤としては、pH8~14のアルカリ性領域で活性を有するものを使用できる。酸化剤の例としては、酸素、オゾン、過酸化水素、次亜塩素酸塩、これらの2種以上の組み合わせが挙げられる。これらのうち、ラジカルを発生しにくい酸化剤(例えば、酸素、過酸化水素、次亜塩素酸塩)が好ましく、着色防止の観点から、過酸化水素がより好ましい。オゾン等のラジカルを発生しにくい酸化剤はオゾン等のラジカルを発生する酸化剤は、着色抑制の観点から、使用量を少量とすることが好ましく、実質的に使用しないことが更に好ましい。酸化剤は、過酸化水素を単独で用いることがさらにより好ましい。還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、ハイドロサルファイト、亜硫酸塩、これらの2種以上の組み合わせが挙げられる。反応効率の観点から、助剤の添加量は、絶乾したセルロース原料に対して0.1~10%(w/v)が好ましく、0.3~5%(w/v)がより好ましく、0.5~2%(w/v)がさらに好ましい。
加水分解反応における反応液のpHは、8~14が好ましく、9~13がより好ましく、10~12がさらに好ましい。pHが8以上であることにより、十分な加水分解が起こらない事態を回避でき、流動性に優れる変性セルロースナノファイバー分散液を得ることができる。また、pHが14以下であることにより、加水分解を進行させ、加水分解後の酸化セルロースの着色を抑制できる。pHの調整に用いるアルカリは水溶性であればよいが、製造コストの観点から、水酸化ナトリウムが最適である。また反応効率の観点から、温度は40~120℃が好ましく、50~100℃がより好ましく、60~90℃がさらに好ましい。40℃以上であることにより、十分な加水分解が起こりにくい事態を回避でき、流動性に優れる変性セルロースナノファイバー分散液を得ることができる。一方、120℃以下であることにより、加水分解を進行させることができ、かつ加水分解後の酸化セルロースの着色を抑制できる。加水分解の反応時間は0.5~24時間が好ましく、1~10時間がより好ましく、2~6時間がさらに好ましい。反応効率の観点から、反応液(通常は分散液)中の酸化されたセルロース原料の濃度は、1~20質量%が好ましく、3~15質量%がより好ましく、5~10質量%がさらに好ましい。
変性セルロースをpH8~14のアルカリ性溶液中で加水分解することにより、次工程の解繊に要するエネルギーを低減できる。この理由は、例えば変性セルロースが酸化セルロースの場合、次のように推察される。N-オキシル化合物を用いた酸化により得られる酸化セルロースの非晶質領域にはカルボキシル基が散在している。当該カルボキシル基が存在しているC6位の水素は、カルボキシル基により電子が吸引されているので電荷が欠乏している状態にある。そのため、pH8~14のアルカリ性条件下では当該水素は水酸化物イオンで容易に引き抜かれる。するとβ脱離によるグルコシド結合の開裂反応が進行して、酸化されたセルロース原料は短繊維化される。このように、酸化セルロースの繊維長を短くすることで、当該原料を含む分散液の粘度を低下できる。その結果、解繊に要するエネルギーが低減される。ただし、単にアルカリ性条件下で加水分解すると、セルロース原料は黄色に着色することがある。この原因は、β脱離の際に二重結合が生成するためと考えられる。そこで、pH8~14のアルカリ性条件下での加水分解において、酸化剤または還元剤を用いるとこの二重結合を酸化または還元して除去できるので着色を抑制できる。ラジカルを発生しにくいため、過酸化水素を酸化剤として用いると、着色が起こりにくい。
分散液の流動性を向上させる他の方法としては、例えば、変性セルロースに紫外線を照射する方法、過酸化水素及びオゾンで酸化分解する方法、酸で加水分解する方法、及びこれらのうち2以上の方法の組み合わせが挙げられる。これら他の方法を、上述のアルカリ性溶液中で加水分解する方法と組み合わせてもよい。
(微細化処理)
変性セルロースの微細化処理においては、通常、解繊を行う。解繊のための装置は特に限定されないが、例えば、高速回転式装置、コロイドミル式装置、高圧式装置、ロールミル式装置、超音波式装置が挙げられる。解繊の際には、変性セルロースの分散液にせん断力を印加することが好ましく、変性セルロース(通常は分散液)に50MPa以上の圧力を印加でき、かつ強力なせん断力を印加することがより好ましい。圧力及び/又はせん断力の印加は、装置により行うことが好ましく、装置は湿式の高圧または超高圧ホモジナイザーがより好ましい。変性セルロース(通常は分散液)に印加する圧力は、より好ましくは100MPa以上であり、さらに好ましくは140MPa以上である。また、高圧ホモジナイザーでの解繊および分散処理に先立って、必要に応じて、高速せん断ミキサー等の公知の混合、撹拌、乳化、分散装置を用いて、変性セルロースの分散液に予備処理を施すことも可能である。解繊装置での処理(パス)回数は、1回でもよいし2回以上でもよく、2回以上が好ましい。
変性セルロースの微細化処理においては、通常、解繊を行う。解繊のための装置は特に限定されないが、例えば、高速回転式装置、コロイドミル式装置、高圧式装置、ロールミル式装置、超音波式装置が挙げられる。解繊の際には、変性セルロースの分散液にせん断力を印加することが好ましく、変性セルロース(通常は分散液)に50MPa以上の圧力を印加でき、かつ強力なせん断力を印加することがより好ましい。圧力及び/又はせん断力の印加は、装置により行うことが好ましく、装置は湿式の高圧または超高圧ホモジナイザーがより好ましい。変性セルロース(通常は分散液)に印加する圧力は、より好ましくは100MPa以上であり、さらに好ましくは140MPa以上である。また、高圧ホモジナイザーでの解繊および分散処理に先立って、必要に応じて、高速せん断ミキサー等の公知の混合、撹拌、乳化、分散装置を用いて、変性セルロースの分散液に予備処理を施すことも可能である。解繊装置での処理(パス)回数は、1回でもよいし2回以上でもよく、2回以上が好ましい。
解繊処理の前、後または同時に、変性セルロースまたはナノファイバーの分散処理を行ってもよい。分散処理においては通常、溶媒に変性セルロースを分散するか、または変性セルロースまたはナノファイバーの分散液の固形分濃度を溶媒で調整する。溶媒は、変性セルロースを分散できるものであれば特に限定されないが、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等の親水性の有機溶媒)、それらの混合溶媒が挙げられる。セルロース原料が親水性であることから、溶媒は水であることが好ましい。
分散液中の変性セルロースまたはナノファイバーの固形分濃度は、通常は0.1%(v/w)以上、好ましくは0.2%(v/w)以上、より好ましくは0.3%(v/w)以上である。これにより、セルロース繊維原料の量に対する液量が適量となり効率的である。上限は、通常10%(v/w)以下、好ましくは6%(v/w)以下である。これにより流動性を保持できる。
解繊処理または分散処理に先立ち、必要に応じて予備処理を行ってもよい。予備処理は、高速せん断ミキサー等の混合、撹拌、乳化、分散装置を用いて行えばよい。
(脱塩処理)
変性セルロースナノファイバーは、酸型官能基を塩型官能基よりも多く含有してもよいし、塩型官能基を酸型官能基よりも多く含有してもよい。変性セルロースナノファイバーは、変性処理及び微細化処理のほかに、脱塩処理をさらに経ていてもよい。これにより、変性セルロースナノファイバーが有する塩型官能基を酸型官能基に変換できる。本明細書において、セルロースナノファイバーまたはセルロースに「酸型」を付する場合、脱塩を経ていることを示し、「塩型」を付する場合、脱塩を経ていないことを示す。脱塩処理としては、例えば、鉱酸を用いる酸処理、陽イオン交換樹脂を用いた方法が挙げられる。脱塩処理の時期は、変性後であればよく、微細化の前後のいずれでもよい。
変性セルロースナノファイバーは、酸型官能基を塩型官能基よりも多く含有してもよいし、塩型官能基を酸型官能基よりも多く含有してもよい。変性セルロースナノファイバーは、変性処理及び微細化処理のほかに、脱塩処理をさらに経ていてもよい。これにより、変性セルロースナノファイバーが有する塩型官能基を酸型官能基に変換できる。本明細書において、セルロースナノファイバーまたはセルロースに「酸型」を付する場合、脱塩を経ていることを示し、「塩型」を付する場合、脱塩を経ていないことを示す。脱塩処理としては、例えば、鉱酸を用いる酸処理、陽イオン交換樹脂を用いた方法が挙げられる。脱塩処理の時期は、変性後であればよく、微細化の前後のいずれでもよい。
(その他の任意処理)
変性セルロースナノファイバーは、上述の処理以外の任意の処理を経てもよい。
例えば、カチオン性添加剤を用いる方法により変性セルロースナノファイバーに疎水性を付与して用いてもよい。
変性セルロースナノファイバーは、上述の処理以外の任意の処理を経てもよい。
例えば、カチオン性添加剤を用いる方法により変性セルロースナノファイバーに疎水性を付与して用いてもよい。
変性セルロースナノファイバーには、改質剤を添加してもよ。改質剤としては、例えば、アニオン変性セルロースナノファイバーの改質剤としては、例えば、含窒素化合物、含燐化合物、オニウムイオンが挙げられる。改質剤をセルロースナノファイバー表面のアニオン基に結合させると、極性等の性質を変更でき、これにより、溶媒への親和性、フィラーの分散性を調整できる。
アニオン変性セルロースナノファイバーに酸型官能基が存在する場合、適宜、水酸化ナトリウム、アンモニウム等の塩基性化合物を追添加して、塩型としてもよい。これにより酸型官能基の存在に起因する分散性の悪化を抑制できる。
ラテックス浸漬液における成分(2)の含有量(変性セルロースナノファイバー固形分の量)は、成分(1)(乾燥ゴム分)100質量部に対して、通常0.01~20質量部であり、好ましくは0.05~10質量部、より好ましくは0.1~5質量部である。
成分(2)の変性セルロースナノファイバーは、通常、分散液であるが、分散液はさらに任意成分を含んでもよい。任意成分としては、分散剤、フィラーが挙げられる。分散剤としては、例えば、水溶性高分子が挙げられる。水溶性高分子としては、例えば、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース)、キサンタンガム、キシログルカン、デキストリン、デキストラン、カラギーナン、ローカストビーンガム、アルギン酸、アルギン酸塩、プルラン、澱粉、かたくり粉、クズ粉、陽性澱粉、燐酸化澱粉、コーンスターチ、アラビアガム、ジェランガム、ゲランガム、ポリデキストロース、ペクチン、キチン、水溶性キチン、キトサン、カゼイン、アルブミン、大豆蛋白溶解物、ペプトン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミノ酸、ポリ乳酸、ポリリンゴ酸、ポリグリセリン、ラテックス、ロジン系サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド・ポリアミン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミン、植物ガム、ポリエチレンオキサイド、親水性架橋ポリマー、ポリアクリル酸塩、でんぷんポリアクリル酸共重合体、タマリンドガム、グァーガム、およびコロイダルシリカ、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。中でも溶解性の点から、カルボキシメチルセルロースまたはその塩を用いることが好ましい。フィラーとしては、例えばカーボンブラック、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、これら以外のゴム工業で通常用いられるフィラーが挙げられる。
成分(2)は、1種類の変性セルロースナノファイバーでもよいし、2以上の組み合わせでもよい。
<成分(1):ゴムラテックス>
本明細書においてゴムラテックスは、ゴムの原料であって架橋してゴムとなるものをいう。天然ゴム用のゴム成分および合成ゴム用のゴム成分が存在するが、本発明においてはいずれを用いてもよく、また両者を組合せてもよい。本明細書では便宜上、ゴム用のゴム成分をゴムポリマーという場合がある。また、天然ゴム用及び合成ゴム用のゴム成分を、それぞれ「天然ゴムポリマー」、「合成ゴムポリマー」という場合がある。
本明細書においてゴムラテックスは、ゴムの原料であって架橋してゴムとなるものをいう。天然ゴム用のゴム成分および合成ゴム用のゴム成分が存在するが、本発明においてはいずれを用いてもよく、また両者を組合せてもよい。本明細書では便宜上、ゴム用のゴム成分をゴムポリマーという場合がある。また、天然ゴム用及び合成ゴム用のゴム成分を、それぞれ「天然ゴムポリマー」、「合成ゴムポリマー」という場合がある。
天然ゴム(NR)ポリマーとしては、例えば、化学修飾を施さない狭義の天然ゴムポリマー(例えば、HAラテックス、LAラテックス);塩素化天然ゴムポリマー、クロロスルホン化天然ゴムポリマー、エポキシ化天然ゴムポリマー等の化学修飾した天然ゴムポリマー;水素化天然ゴムポリマー;脱タンパク天然ゴムポリマーが挙げられる。合成ゴムポリマーとしては例えば、ブタジエンゴム(BR)ポリマー、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)ポリマー、イソプレンゴム(IR)ポリマー、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)ポリマー、クロロプレンゴム(CR)ポリマー、スチレン-イソプレン共重合体ゴムポリマー、スチレン-イソプレン-ブタジエン共重合体ゴムポリマー、イソプレン-ブタジエン共重合体ゴムポリマー等のジエン系ゴムポリマー;ブチルゴム(IIR)ポリマー、エチレン-プロピレンゴム(EPM、EPDM)ポリマー、アクリルゴム(ACM)ポリマー、エピクロロヒドリンゴム(CO、ECO)ポリマー、フッ素ゴム(FKM)ポリマー、シリコーンゴム(Q)ポリマー、ウレタンゴム(U)ポリマー、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)ポリマー等の非ジエン系ゴムポリマーが挙げられる。ゴムポリマーは一種のみ使用してもよいし、複数種を併用してもよい。これらの中でも補強性の観点から、天然ゴム(NR)ポリマーを含むジエン系ゴムポリマーが好ましい。好ましいジエン系ゴムポリマーとしては、例えば、天然ゴム(NR)ポリマー、イソプレンゴム(IR)ポリマー、ブタジエンゴム(BR)ポリマー、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)ポリマー、ブチルゴム(IIR)ポリマー、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)ポリマー、上記の変性天然ゴムポリマーが挙げられる。
ゴム成分は水等の分散媒に分散させた分散液(ラテックス)以外にも、有機溶媒に溶解した溶液にして混合に供してもよい。液状媒体の量は、ゴム成分100質量部に対して10~5000質量部が好ましい。
成分(1)は、1種類のゴムラテックスでもよいし、2種類以上の組み合わせでもよい。
<成分(3):消泡剤>
本発明の浸漬液に含まれる消泡剤は、前記ラテックス浸漬工程を経て作製されるゴム組成物について、泡による穴欠陥等のないゴム組成物を製造するために用いられる。用いられる消泡剤の種類は、特に限定されるものではない。例えば、ポリエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル誘導体、ポリオキシエチレングリコールの脂肪酸エステル、グリセリンアルキレンオキシド付加物、ポリオキシアルキレングリコールと脂肪酸のモノエステルおよびジエステル、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルビフェニルエーテルジスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルビフェニルエーテルジスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム塩、ドデシルビフェニルエーテルジスルホン酸カルシウム塩が挙げられ、ポリエーテルが好ましいが、これらに制限されない。消泡剤の炭素原子数は、特に限定されず、官能基が付加していてもよい。また、消泡剤は、鉱油、またはシリカを含有してもよく、ポリエーテル、シリカ及び鉱油のうち少なくとも1種類を含有することが好ましく、ポリエーテル、シリカ及び鉱油を含有することが好ましい。の鉱油としては、例えば、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油が挙げられ、天然鉱油でもよいし、精製処理(例えば、減圧蒸留、油剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製、水素化精製、これらから選ばれる2以上の組み合わせ)を経た精製鉱油でもよい。鉱油は、1種でもよいし2種以上の組み合わせでもよい。シリカとしては、例えば、微粉末シリカ(例えば煙霧質シリカ、沈降シリカ、焼成シリカ)が挙げられ、表面未処理でも疎水化処理済みでもよい。これらは1種を単独で使用しても、2種以上の組み合わせでもよい。
本発明の浸漬液に含まれる消泡剤は、前記ラテックス浸漬工程を経て作製されるゴム組成物について、泡による穴欠陥等のないゴム組成物を製造するために用いられる。用いられる消泡剤の種類は、特に限定されるものではない。例えば、ポリエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル誘導体、ポリオキシエチレングリコールの脂肪酸エステル、グリセリンアルキレンオキシド付加物、ポリオキシアルキレングリコールと脂肪酸のモノエステルおよびジエステル、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルビフェニルエーテルジスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルビフェニルエーテルジスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム塩、ドデシルビフェニルエーテルジスルホン酸カルシウム塩が挙げられ、ポリエーテルが好ましいが、これらに制限されない。消泡剤の炭素原子数は、特に限定されず、官能基が付加していてもよい。また、消泡剤は、鉱油、またはシリカを含有してもよく、ポリエーテル、シリカ及び鉱油のうち少なくとも1種類を含有することが好ましく、ポリエーテル、シリカ及び鉱油を含有することが好ましい。の鉱油としては、例えば、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油が挙げられ、天然鉱油でもよいし、精製処理(例えば、減圧蒸留、油剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製、水素化精製、これらから選ばれる2以上の組み合わせ)を経た精製鉱油でもよい。鉱油は、1種でもよいし2種以上の組み合わせでもよい。シリカとしては、例えば、微粉末シリカ(例えば煙霧質シリカ、沈降シリカ、焼成シリカ)が挙げられ、表面未処理でも疎水化処理済みでもよい。これらは1種を単独で使用しても、2種以上の組み合わせでもよい。
ラテックス浸漬液における成分(3)の含有量は、成分(1)(乾燥ゴム分)100質量部に対して、通常、0.05質量部以上、好ましくは0.1質量部以上である。上限は、通常、1.0質量部以下、好ましくは0.5質量部以下である。従って、通常0.05~1.0質量部であり、好ましくは0.1~0.5質量部である。
成分(3)は、1種類の消泡剤でもよいし、2種類以上の組み合わせでもよい。
<任意成分>
本発明のラテックス浸漬液は、必要に応じて成分(1)~(3)以外の任意成分を含んでいてもよい。任意成分としては例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、架橋用配合剤(例えば、架橋剤(例えば、硫黄、ハロゲン化硫黄、有機過酸化物、キノンジオキシム類、有機多価アミン化合物、メチロール基を有するアルキルフェノール樹脂)、加硫促進剤(例えば、N-オキシジエチレン-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド)、加硫促進助剤、スコーチ防止剤)、pH調整剤、酸化防止剤、補強剤(または充填剤、例えば、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム等)、シランカップリング剤、オイル、硬化レジン、ワックス、老化防止剤、着色剤、軟化剤・可塑剤、硬化剤(例えば、フェノール樹脂、ハイスチレン樹脂等)、発泡剤、粘着剤(例えば、マクロン樹脂、フェノール、テルペン系樹脂、石油系炭化水素樹脂、ロジン誘導体等)、分散剤(例えば、脂肪酸)、接着増進剤(例えば、有機コバルト塩)、滑剤(例えば、パラフィン、炭化水素樹脂、脂肪酸、脂肪酸誘導体)、上記以外のゴム工業で使用され得る配合剤が挙げられる。このうち酸化亜鉛、硫黄、加硫促進剤、pH調整剤(例えば、水酸化カリウム)、酸化防止剤が好ましい。架橋剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対し、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましい。上限は、10質量部以下が好ましく、7質量部以下がより好ましく、5質量部以下がさらに好ましい。加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対し、0.1質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、0.4質量部以上がさらに好ましい。上限は、5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましく、2質量部以下がさらに好ましい。
本発明のラテックス浸漬液は、必要に応じて成分(1)~(3)以外の任意成分を含んでいてもよい。任意成分としては例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、架橋用配合剤(例えば、架橋剤(例えば、硫黄、ハロゲン化硫黄、有機過酸化物、キノンジオキシム類、有機多価アミン化合物、メチロール基を有するアルキルフェノール樹脂)、加硫促進剤(例えば、N-オキシジエチレン-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド)、加硫促進助剤、スコーチ防止剤)、pH調整剤、酸化防止剤、補強剤(または充填剤、例えば、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム等)、シランカップリング剤、オイル、硬化レジン、ワックス、老化防止剤、着色剤、軟化剤・可塑剤、硬化剤(例えば、フェノール樹脂、ハイスチレン樹脂等)、発泡剤、粘着剤(例えば、マクロン樹脂、フェノール、テルペン系樹脂、石油系炭化水素樹脂、ロジン誘導体等)、分散剤(例えば、脂肪酸)、接着増進剤(例えば、有機コバルト塩)、滑剤(例えば、パラフィン、炭化水素樹脂、脂肪酸、脂肪酸誘導体)、上記以外のゴム工業で使用され得る配合剤が挙げられる。このうち酸化亜鉛、硫黄、加硫促進剤、pH調整剤(例えば、水酸化カリウム)、酸化防止剤が好ましい。架橋剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対し、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましい。上限は、10質量部以下が好ましく、7質量部以下がより好ましく、5質量部以下がさらに好ましい。加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対し、0.1質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、0.4質量部以上がさらに好ましい。上限は、5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましく、2質量部以下がさらに好ましい。
<ラテックス浸漬液の製造方法>
ラテックス浸漬液の製造方法は特に限定されないが、一例を挙げると以下のとおりである。
まず、成分(1)と(2)を混合し、混合液を得る。混合する際、成分(2)は、変性セルロースナノファイバー分散液(好ましくは、水分散液)であることが好ましい。混合は、必要に応じて撹拌しながら行い、ホモミキサー、ホモジナイザー、プロペラ攪拌機等の装置を用いてもよい。混合は、室温(例えば、20~30℃)で行うことが好ましく、温度以外の条件(回転数、時間)は適宜調整してよい。
次に、熟成し、浸漬液を得る。熟成は、通常、1日程度(例えば、20~30時間)行う。任意成分を用いる場合、熟成前に混合液に任意成分を添加する。本明細書において、任意成分が架橋用配合剤を含む場合、浸漬液を前加硫ラテックスという場合がある。架橋用配合剤を添加し前加硫することで、ゴム製品の亀裂防止、光沢向上等の効果が見込める。任意成分(例えば、架橋用配合剤)は、混合液に添加する前に予め混合し役員スラリーとしておくことが好ましい。
続いて、浸漬液(前加硫ラテックス)に成分(3)を添加し、ラテックス浸漬液を得る。成分(3)の添加方法は特に規定されないが、浸漬液にスプレーする方法が好ましく、浸漬液中の気泡が除去されるまで吹きかけることが好ましい。
ラテックス浸漬液の製造方法は特に限定されないが、一例を挙げると以下のとおりである。
まず、成分(1)と(2)を混合し、混合液を得る。混合する際、成分(2)は、変性セルロースナノファイバー分散液(好ましくは、水分散液)であることが好ましい。混合は、必要に応じて撹拌しながら行い、ホモミキサー、ホモジナイザー、プロペラ攪拌機等の装置を用いてもよい。混合は、室温(例えば、20~30℃)で行うことが好ましく、温度以外の条件(回転数、時間)は適宜調整してよい。
次に、熟成し、浸漬液を得る。熟成は、通常、1日程度(例えば、20~30時間)行う。任意成分を用いる場合、熟成前に混合液に任意成分を添加する。本明細書において、任意成分が架橋用配合剤を含む場合、浸漬液を前加硫ラテックスという場合がある。架橋用配合剤を添加し前加硫することで、ゴム製品の亀裂防止、光沢向上等の効果が見込める。任意成分(例えば、架橋用配合剤)は、混合液に添加する前に予め混合し役員スラリーとしておくことが好ましい。
続いて、浸漬液(前加硫ラテックス)に成分(3)を添加し、ラテックス浸漬液を得る。成分(3)の添加方法は特に規定されないが、浸漬液にスプレーする方法が好ましく、浸漬液中の気泡が除去されるまで吹きかけることが好ましい。
<ラテックス浸漬液の粘度>
ラテックス浸漬液は、低粘度であることが好ましい。例えば、製造から24時間経過後のラテックス浸漬液のB型粘度(25℃、60rpm)は、通常500mPa・s以下、好ましくは450mPa・s以下、より好ましくは400mPa・s以下、さらに好ましくは350mPa・s以下、さらにより好ましくは300mPa・s以下である。下限値は、好ましくは10mPa・s以上、より好ましくは20mPa・s以上、さらに好ましくは50mPa・s以上、70mPa・s以上又は100mPa・s以上である。B型粘度は、例えば、ラテックス浸漬液を、25℃の条件下で静置し、24時間経過後の、回転速度60rpmで測定できる。
ラテックス浸漬液は、低粘度であることが好ましい。例えば、製造から24時間経過後のラテックス浸漬液のB型粘度(25℃、60rpm)は、通常500mPa・s以下、好ましくは450mPa・s以下、より好ましくは400mPa・s以下、さらに好ましくは350mPa・s以下、さらにより好ましくは300mPa・s以下である。下限値は、好ましくは10mPa・s以上、より好ましくは20mPa・s以上、さらに好ましくは50mPa・s以上、70mPa・s以上又は100mPa・s以上である。B型粘度は、例えば、ラテックス浸漬液を、25℃の条件下で静置し、24時間経過後の、回転速度60rpmで測定できる。
〔2.ゴム組成物〕
本発明においてゴム組成物は、上述のラテックス浸漬液を原料とする。ゴム組成物の製造方法としては、例えば、型を凝固剤に浸漬して表面処理済みの型を得ること、表面処理済みの型を上述のラテックス浸漬液に浸漬すること、成膜して型から剥離すること、を含む方法が挙げられる。これにより、全体がゴムの膜によって一体に形成されたゴム組成物を製造できる。一例に挙げて以下に説明する。
まず、所望の形状の型を用意する。型の素材としては例えば、セラミックス(陶器)製が挙げられるが、特に限定されない。続いて、型の表面を凝固剤(例えば、塩化カルシウム水溶液)で処理し、表面処理済みの型を得る。処理は、通常、型を凝固剤に浸漬し(通常、5~60秒)、その後乾燥(例えば、80~150℃)して行えば良い。乾燥時間は、通常、10~20秒であるが、特に限定されない。次いで、ラテックス浸漬液中に表面処理済みの型を浸漬する。浸漬は、5~60秒行えばよく、特に限定されない。浸漬後、型を引き上げることで、当該型の表面にラテックス浸漬液を付着させ、成膜して型から剥離することにより、ゴム組成物を得る。成膜は、通常は乾燥(例えば、80~150℃)による。乾燥時間は、通常、10~20秒であるが、特に限定されない。所望の形状の型として、ゴム手袋の型を用意すれば、ゴム手袋を製造できる。ゴム手袋以外の一体成型品としては、例えば、医療用具(例えば、カテーテル)、避妊具が挙げられる。
本発明においてゴム組成物は、上述のラテックス浸漬液を原料とする。ゴム組成物の製造方法としては、例えば、型を凝固剤に浸漬して表面処理済みの型を得ること、表面処理済みの型を上述のラテックス浸漬液に浸漬すること、成膜して型から剥離すること、を含む方法が挙げられる。これにより、全体がゴムの膜によって一体に形成されたゴム組成物を製造できる。一例に挙げて以下に説明する。
まず、所望の形状の型を用意する。型の素材としては例えば、セラミックス(陶器)製が挙げられるが、特に限定されない。続いて、型の表面を凝固剤(例えば、塩化カルシウム水溶液)で処理し、表面処理済みの型を得る。処理は、通常、型を凝固剤に浸漬し(通常、5~60秒)、その後乾燥(例えば、80~150℃)して行えば良い。乾燥時間は、通常、10~20秒であるが、特に限定されない。次いで、ラテックス浸漬液中に表面処理済みの型を浸漬する。浸漬は、5~60秒行えばよく、特に限定されない。浸漬後、型を引き上げることで、当該型の表面にラテックス浸漬液を付着させ、成膜して型から剥離することにより、ゴム組成物を得る。成膜は、通常は乾燥(例えば、80~150℃)による。乾燥時間は、通常、10~20秒であるが、特に限定されない。所望の形状の型として、ゴム手袋の型を用意すれば、ゴム手袋を製造できる。ゴム手袋以外の一体成型品としては、例えば、医療用具(例えば、カテーテル)、避妊具が挙げられる。
以下、製造例、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<セルロースナノファイバー分散液の製造>
[製造例1]
針葉樹クラフト溶解パルプ(バッカイ社)5g(絶乾)をTEMPO(Sigma Aldrich社)7.8mg(0.05mmol)と臭化ナトリウム755mg(絶乾1gのセルロースに対して7mmol)を溶解した水溶液500mlに加え、パルプが均一に分散するまで撹拌した。反応液に次亜塩素酸ナトリウム水溶液(濃度2.1mol/L)11.3mlを添加した後、0.5N塩酸水溶液でpHを10.3に調整し、酸化反応を開始した。反応中は反応液のpHは低下するが、0.5N水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。170分反応させた後、ガラスフィルターで濾過し、十分に水洗することで、酸化セルロースを得た。
得られた酸化セルロースのカルボキシル基量を次のようにして測定したところ、1.6mmol/gであった。
[製造例1]
針葉樹クラフト溶解パルプ(バッカイ社)5g(絶乾)をTEMPO(Sigma Aldrich社)7.8mg(0.05mmol)と臭化ナトリウム755mg(絶乾1gのセルロースに対して7mmol)を溶解した水溶液500mlに加え、パルプが均一に分散するまで撹拌した。反応液に次亜塩素酸ナトリウム水溶液(濃度2.1mol/L)11.3mlを添加した後、0.5N塩酸水溶液でpHを10.3に調整し、酸化反応を開始した。反応中は反応液のpHは低下するが、0.5N水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。170分反応させた後、ガラスフィルターで濾過し、十分に水洗することで、酸化セルロースを得た。
得られた酸化セルロースのカルボキシル基量を次のようにして測定したところ、1.6mmol/gであった。
(カルボキシル基量の測定方法)
酸化セルロースの0.5質量%スラリー(水分散液)60mlを調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.5とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定し、電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(a)から、下式を用いて算出した:カルボキシル基量〔mmol/g酸化セルロース〕=a〔ml〕×0.05/酸化セルロース質量〔g〕。
酸化セルロースの0.5質量%スラリー(水分散液)60mlを調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.5とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定し、電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(a)から、下式を用いて算出した:カルボキシル基量〔mmol/g酸化セルロース〕=a〔ml〕×0.05/酸化セルロース質量〔g〕。
酸化セルロースの5%(w/v)水分散液を調製し、当該分散液に、酸化セルロース(絶乾)に対して1%(w/v)の過酸化水素を添加し、1M水酸化ナトリウムでpHを12に調整した。この水分散液を80℃で2時間加熱して酸化セルロースを加水分解した後、ガラスフィルターで濾過し、十分に水洗した。
上記の工程で得られた酸化セルロースを水で1.0%(w/v)に調整し、超高圧ホモジナイザー(20℃、150MPa)で3回処理して、酸化セルロースナノファイバー(TEMPO酸化セルロースナノファイバー)分散液を得た。
得られた酸化セルロースナノファイバーの平均繊維径および平均繊維長を次のようにして測定したところ、平均繊維径は5.7nm、平均繊維長は311nmであった。
(平均繊維長の測定方法)
酸化セルロースナノファイバーの平均繊維径および平均繊維長は、原子間力電子顕微鏡(AFM)を用いて、平均繊維径はランダムに選んだ50本の繊維について解析し、平均繊維長はランダムに選んだ200本の繊維について解析した。
酸化セルロースナノファイバーの平均繊維径および平均繊維長は、原子間力電子顕微鏡(AFM)を用いて、平均繊維径はランダムに選んだ50本の繊維について解析し、平均繊維長はランダムに選んだ200本の繊維について解析した。
[製造例2]
針葉樹クラフト溶解パルプ(バッカイ社)5g(絶乾)をTEMPO(Sigma Aldrich社)7.8mg(0.05mmol)と臭化ナトリウム755mg(7mmol)を溶解した水溶液500mlに加え、パルプが均一に分散するまで撹拌した。反応液に次亜塩素酸ナトリウム水溶液(濃度2.1mol/L)6.4mlを添加した後、0.5N塩酸水溶液でpHを10.3に調整し、酸化反応を開始した。反応中は反応液のpHは低下するが、0.5N水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。80分反応させた後、ガラスフィルターで濾過し、十分に水洗することで、酸化セルロースを得た。
得られた酸化セルロースのカルボキシル基量を測定したところ、1.0mmol/gであった。
針葉樹クラフト溶解パルプ(バッカイ社)5g(絶乾)をTEMPO(Sigma Aldrich社)7.8mg(0.05mmol)と臭化ナトリウム755mg(7mmol)を溶解した水溶液500mlに加え、パルプが均一に分散するまで撹拌した。反応液に次亜塩素酸ナトリウム水溶液(濃度2.1mol/L)6.4mlを添加した後、0.5N塩酸水溶液でpHを10.3に調整し、酸化反応を開始した。反応中は反応液のpHは低下するが、0.5N水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。80分反応させた後、ガラスフィルターで濾過し、十分に水洗することで、酸化セルロースを得た。
得られた酸化セルロースのカルボキシル基量を測定したところ、1.0mmol/gであった。
酸化セルロースの5%(w/v)水分散液を調製し、当該分散液に、酸化セルロースに対して1%(w/v)の過酸化水素を添加し、1M水酸化ナトリウムでpHを12に調整した。この水分散液を80℃で2時間加熱して酸化セルロースを加水分解した後、ガラスフィルターで濾過し、十分に水洗した。
上記の工程で得られた酸化セルロースを水で1.0%(w/v)に調整し、超高圧ホモジナイザー(20℃、150MPa)で3回処理して、酸化セルロースナノファイバー(TEMPO酸化セルロースナノファイバー)分散液を得た。得られた酸化セルロースナノファイバーの平均繊維径は5.4nm、平均繊維長は307nmであった。
[製造例3]
針葉樹由来の漂白済み未叩解クラフトパルプ(白色度85%)5.00g(絶乾)をTEMPO(Sigma Aldrich社)39mg(0.25mmol)と臭化ナトリウム514mg(5.0mmol)を溶解した水溶液500mlに加え、パルプが均一に分散するまで撹拌した。反応系に次亜塩素酸ナトリウム水溶液を6.0mmol/gになるように添加し、酸化反応を開始した。反応中は系内のpHが低下するが、0.5M水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。90分反応させた後、ガラスフィルターで濾過し、十分に水洗することで、酸化されたセルロース原料を得た。
得られた酸化セルロースのカルボキシル基量を測定したところ1.6mmol/gであった。
針葉樹由来の漂白済み未叩解クラフトパルプ(白色度85%)5.00g(絶乾)をTEMPO(Sigma Aldrich社)39mg(0.25mmol)と臭化ナトリウム514mg(5.0mmol)を溶解した水溶液500mlに加え、パルプが均一に分散するまで撹拌した。反応系に次亜塩素酸ナトリウム水溶液を6.0mmol/gになるように添加し、酸化反応を開始した。反応中は系内のpHが低下するが、0.5M水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。90分反応させた後、ガラスフィルターで濾過し、十分に水洗することで、酸化されたセルロース原料を得た。
得られた酸化セルロースのカルボキシル基量を測定したところ1.6mmol/gであった。
上記の工程で得られた酸化パルプを水で1.0%(w/v)に調整し、超高圧ホモジナイザー(20℃、150MPa)で3回処理して、酸化セルロースナノファイバー(TEMPO酸化セルロースナノファイバー)分散液を得た。得られた酸化セルロースナノファイバーの平均繊維径は2.7nm、平均繊維長は600nmであった。
<ゴム組成物の製造および物性評価>
[実施例1]
セルロースナノファイバーとして、製造例1で得られたTEMPO酸化セルロースナノファイバー(カルボキシル基量:1.6mmol/g、平均繊維長311nm)を用いた。天然ゴムラテックス(商品名:HAラテックス、レヂテックス社、固形分濃度28%)の乾燥ゴム分100質量部に対して、セルロースナノファイバー水分散液を固形で2質量部配合し、ハイフレックスホモジナイザー(SMT社製)にて回転数3000rpm、15分間撹拌しラテックスとセルロースナノファイバーの混合液を得た。上記混合液に、乾燥ゴム分100質量部に対して、硫黄1部、酸化亜鉛1部、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラーMSA-G)0.5部、酸化防止剤(中京油脂社製、K-840)0.5部、水酸化カリウム0.5部の各薬品を混ぜ合わせて作製した薬品スラリーを添加後、ハイフレックスホモジナイザーで撹拌し、1日熟成させることで前加硫ラテックスを得た。撹拌時に発生した泡を消すために、得られた前加硫ラテックスに、消泡剤(サンノプコ社製、デフォーマー777)をラテックスの乾燥ゴム分100質量%に対し0.1~0.5重量%をスプレーで添加し、スリーワンモーターを用いて回転数120rpmで撹拌した後、泡が目視では存在しないことを確認し、ラテックス浸漬液を得た。次にセラミックス製の板を30%塩化カルシウム水溶液に10秒間浸漬した後、120℃、15分間乾燥し、表面を凝固剤処理したセラミックス製の板を得た。この得られたセラミックス製の板を前記ラテックス浸漬液に10秒間浸漬した後、浸漬液より引き上げ、120℃、30分間乾燥し成膜を行った。成膜したサンプルをセラミックス製の板から剥がし、ゴム組成物を得た。
[実施例1]
セルロースナノファイバーとして、製造例1で得られたTEMPO酸化セルロースナノファイバー(カルボキシル基量:1.6mmol/g、平均繊維長311nm)を用いた。天然ゴムラテックス(商品名:HAラテックス、レヂテックス社、固形分濃度28%)の乾燥ゴム分100質量部に対して、セルロースナノファイバー水分散液を固形で2質量部配合し、ハイフレックスホモジナイザー(SMT社製)にて回転数3000rpm、15分間撹拌しラテックスとセルロースナノファイバーの混合液を得た。上記混合液に、乾燥ゴム分100質量部に対して、硫黄1部、酸化亜鉛1部、加硫促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラーMSA-G)0.5部、酸化防止剤(中京油脂社製、K-840)0.5部、水酸化カリウム0.5部の各薬品を混ぜ合わせて作製した薬品スラリーを添加後、ハイフレックスホモジナイザーで撹拌し、1日熟成させることで前加硫ラテックスを得た。撹拌時に発生した泡を消すために、得られた前加硫ラテックスに、消泡剤(サンノプコ社製、デフォーマー777)をラテックスの乾燥ゴム分100質量%に対し0.1~0.5重量%をスプレーで添加し、スリーワンモーターを用いて回転数120rpmで撹拌した後、泡が目視では存在しないことを確認し、ラテックス浸漬液を得た。次にセラミックス製の板を30%塩化カルシウム水溶液に10秒間浸漬した後、120℃、15分間乾燥し、表面を凝固剤処理したセラミックス製の板を得た。この得られたセラミックス製の板を前記ラテックス浸漬液に10秒間浸漬した後、浸漬液より引き上げ、120℃、30分間乾燥し成膜を行った。成膜したサンプルをセラミックス製の板から剥がし、ゴム組成物を得た。
<粘度測定>
前加硫ラテックスのB型粘度(mPa・s)を測定した。25℃の条件下で製造から24時間経過後の前加硫ラテックスの粘度をB型粘度計(BROOKFIELD社製、DV-I Prime)を用いて、スピンドルS63を用いて回転速度60rpmで測定した。測定結果を表1に示す。
前加硫ラテックスのB型粘度(mPa・s)を測定した。25℃の条件下で製造から24時間経過後の前加硫ラテックスの粘度をB型粘度計(BROOKFIELD社製、DV-I Prime)を用いて、スピンドルS63を用いて回転速度60rpmで測定した。測定結果を表1に示す。
<物性評価>
得られたゴム組成物をダンベル状に打ち抜いて、JIS K 6251「加硫ゴムの引張試験方法」に記載のダンベル状3号形試験片を作製した。次いで、これらの試験片を用い、JIS K 6251に記載の方法に従って、100%伸び時の引張応力M100(MPa)、300%伸び時の引張応力M300(MPa)、破断強度(MPa)、破断時の伸び(%)を測定した。測定結果を表2に示す。
得られたゴム組成物をダンベル状に打ち抜いて、JIS K 6251「加硫ゴムの引張試験方法」に記載のダンベル状3号形試験片を作製した。次いで、これらの試験片を用い、JIS K 6251に記載の方法に従って、100%伸び時の引張応力M100(MPa)、300%伸び時の引張応力M300(MPa)、破断強度(MPa)、破断時の伸び(%)を測定した。測定結果を表2に示す。
[実施例2]
製造例1で得られたTEMPO酸化セルロースナノファイバーを、製造例2のTEMPO酸化セルロースナノファイバー(カルボキシル基量:1.0mmol/g、平均繊維長307nm)に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で行った。
製造例1で得られたTEMPO酸化セルロースナノファイバーを、製造例2のTEMPO酸化セルロースナノファイバー(カルボキシル基量:1.0mmol/g、平均繊維長307nm)に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で行った。
[比較例1]
製造例1で得られたTEMPO酸化セルロースナノファイバーを用いないこと以外は、実施例1と同様の方法で行った。
製造例1で得られたTEMPO酸化セルロースナノファイバーを用いないこと以外は、実施例1と同様の方法で行った。
[比較例2]
製造例1で得られたTEMPO酸化セルロースナノファイバーを、製造例3のTEMPO酸化セルロースナノファイバー(カルボキシル基量:1.6mmol/g、平均繊維長600nm)に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で行った。
製造例1で得られたTEMPO酸化セルロースナノファイバーを、製造例3のTEMPO酸化セルロースナノファイバー(カルボキシル基量:1.6mmol/g、平均繊維長600nm)に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で行った。
<結果>
表1の結果より、実施例1および実施例2に記載の短繊維セルロースナノファイバーを用いた系は、比較例2に記載の一般的なセルロースナノファイバーを用いた系に比べ、ラテックス浸漬液の粘度が小さい。表2の結果より、実施例1または実施例2に記載の短繊維セルロースナノファイバーを用いたゴム組成物は、比較例1に記載のNRラテックスのみを用いたものに比べ破断強度および破断伸びが高い値を示した。比較例2に記載の一般的なセルロースナノファイバーを用いたものは、ラテックス浸漬液の粘度が高すぎるため、ゴム組成物の成膜ができなかった。
表1の結果より、実施例1および実施例2に記載の短繊維セルロースナノファイバーを用いた系は、比較例2に記載の一般的なセルロースナノファイバーを用いた系に比べ、ラテックス浸漬液の粘度が小さい。表2の結果より、実施例1または実施例2に記載の短繊維セルロースナノファイバーを用いたゴム組成物は、比較例1に記載のNRラテックスのみを用いたものに比べ破断強度および破断伸びが高い値を示した。比較例2に記載の一般的なセルロースナノファイバーを用いたものは、ラテックス浸漬液の粘度が高すぎるため、ゴム組成物の成膜ができなかった。
Claims (9)
- 以下の(1)~(3)を含有するラテックス浸漬液。
(1)ゴムラテックス
(2)平均繊維長が200nm~400nmである変性セルロースナノファイバー、及び
(3)消泡剤 - 前記(2)が酸化セルロースナノファイバーを含む請求項1に記載のラテックス浸漬液。
- 前記酸化セルロースナノファイバーがTEMPO酸化セルロースナノファイバーである請求項2に記載のラテックス浸漬液。
- 前記TEMPO酸化セルロースナノファイバーのカルボキシル基量が0.2mmol/g~2.0mmol/gである請求項3に記載のラテックス浸漬液。
- 前記(3)がポリエーテル、シリカ、及び鉱油からなる群より選ばれる少なくとも1つを含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のラテックス浸漬液。
- 製造から24時間経過後のB型粘度が10~500mPa・sである、請求項1~5のいずれか1項に記載のラテックス浸漬液。
- (1)と(2)を混合して混合液を得ること、混合液を熟成すること、及び、熟成後の混合液に成分(3)を噴霧することを含む、ラテックス浸漬液の製造方法。
- 請求項1~6のいずれか1項に記載のラテックス浸漬液を原料とするゴム組成物。
- 請求項1~6のいずれか1項に記載のラテックス浸漬液を原料とするゴム組成物の製造方法。
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