JP2023163195A - 凍結防止剤用粘度調整剤および凍結防止剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 液状の凍結防止剤に添加した際に、液だれ抑制効果および塗布性に優れる凍結防止剤用粘度調整剤を提供する。【解決手段】 セルロース微細繊維を含有する。【選択図】 なし

Description

本発明は、セルロース微細繊維を含有する凍結防止剤用の粘度調整剤およびこれを含有する凍結防止剤に関するものである。
従来の液状凍結防止剤は、水または低分子アルコールと同程度の低粘性を有する、酢酸塩、蟻酸塩、尿素、塩化物、低分子アルコールから選ばれる1つの水溶液で、一般的に、冬季の路面が凍結するのを防止するために使用されている。
また、屋外構造物、屋外移動物に着氷するのを防止したり、屋外構造物、屋外移動物が凍結するのを防止するため、液状凍結防止剤を屋外構造物、屋外移動物に塗布または吹き付けることが行われている。
従来の液状凍結防止剤は、粘性が低いため、屋外構造物、屋外移動物に塗布または吹き付けを行っても流れ落ちてしまい、十分に凍結防止効果を発揮することができなかった。
このような問題を解決するため、特許文献1では、液状凍結防止剤に水溶性高分子を含有させ、粘性を付与することが行われている。
特開2006-199803号公報
しかしながら特許文献1の水溶性高分子を含有させた液状凍結防止剤に対し、さらに液だれしにくい液状凍結防止剤が求められていた。特に、刷毛で塗ったときに塗り広げやすく、かつ、塗った後に液だれしにくいものが求められていた。
そこで本発明は、液状の凍結防止剤に添加した際に、さらに液だれ抑制効果および塗布性に優れる凍結防止剤用の粘度調整剤およびこの粘度調整剤を含む凍結防止剤を提供することを目的とする。
本発明は、以下を提供する。
(1) セルロース微細繊維を含有する、凍結防止剤用粘度調整剤。
(2) 前記セルロース微細繊維がアニオン変性されている、(1)に記載の凍結防止剤用粘度調整剤。
(3) (1)又は(2)に記載の凍結防止剤用粘度調整剤を含有する、凍結防止剤。
(4) 前記凍結防止剤用粘度調整剤を、凍結防止剤の全質量に対して前記セルロース微細繊維の固形分質量で0.5~1.5%含有する、(3)に記載の凍結防止剤。
本発明によれば、液状の凍結防止剤に添加した際に、液だれ抑制効果および塗布性に優れる凍結防止剤用粘度調整剤およびこの粘度調整剤を含む凍結防止剤を提供することができる。
以下、本発明の凍結防止剤用粘度調整剤について説明する。本発明において「~」は端値を含む。すなわち「X~Y」はその両端の値X及びYを含む。
本発明の凍結防止剤用粘度調整剤は、セルロース微細繊維を含有する。
(セルロース微細繊維)
本発明で用いるセルロース微細繊維は、セルロースを原料とする微細繊維であり、平均繊維径は、特に限定されないが、3nm~500nm程度であり、その繊維径によって一般に区別される。セルロース微細繊維の平均繊維径および平均繊維長は、ABB株式会社製ファイバーテスターやバルメット社製フラクショネータ、走査型電子顕微鏡(SEM)、原子間力顕微鏡(AFM)または透過型電子顕微鏡(TEM)を繊維径の大きさによって適宜選択し用いて、各繊維を観察した結果から得られる繊維径および繊維長を平均することによって得ることができる。セルロース微細繊維は、セルロースを解繊することによって製造することができる。
本発明に用いるセルロース微細繊維の平均アスペクト比は、10以上が好ましく、15以上がより好ましく、20以上がさらに好ましい。アスペクト比の上限は特に限定されないが、1000以下が好ましく、100以下がより好ましく、80以下がさらに好ましい。平均アスペクト比は、下記の式により算出することができる:
アスペクト比=平均繊維長/平均繊維径
セルロース原料は、セルロースを含んでいればよく、特に限定されないが、例えば、植物(例えば、木材、竹、麻、ジュート、ケナフ、農地残廃物、布、パルプ(針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、晒クラフトパルプ(BKP)、針葉樹未漂白サルファイトパルプ(NUSP)、針葉樹漂白サルファイトパルプ(NBSP)サーモメカニカルパルプ(TMP)、再生パルプ、古紙等)、動物(例えばホヤ類)、藻類、微生物(例えば酢酸菌(アセトバクター))、微生物産生物等が挙げられる。セルロース原料としては、これらのいずれかであってもよいし2種類以上の組み合わせであってもよいが、好ましくは植物又は微生物由来のセルロース原料(例えば、セルロース繊維)であり、より好ましくは植物由来のセルロース原料(例えば、セルロース繊維)である。
セルロースは、グルコース単位あたり3つのヒドロキシル基を有しており、各種の化学変性を行うことが可能である。本発明においては、解繊の進行を促進するという観点から、化学変性して得られたセルロース原料(化学変性セルロース)を解繊して製造された化学変性セルロース微細繊維を用いることが好ましい。
化学変性としては、セルロースにアニオン性基を導入するアニオン変性が好ましい。アニオン変性とは、具体的には、酸化または置換反応によってピラノース環にアニオン性基を導入することである。本発明において前記酸化反応とはピラノース環の水酸基を直接カルボキシル基に酸化する反応をいう。また、本発明において置換反応とは、当該酸化以外の置換反応によってピラノース環にアニオン性基を導入する反応である。アニオン変性としては、酸化(カルボキシル化)、カルボキシメチル化、エステル化等が挙げられる。中でも、酸化(カルボキシル化)、カルボキシメチル化がより好ましい。
(化学変性)
(酸化)
アニオン変性セルロースとして酸化(カルボキシル化)したセルロースを用いることができる。酸化セルロース(「カルボキシル化セルロース」とも呼ぶ)は、上記のセルロース原料を公知の方法で酸化(カルボキシル化)することにより得ることができる。特に限定されないが、カルボキシル基の量はアニオン変性セルロースの絶乾質量に対して、0.6~3.0mmol/gが好ましく、1.0~2.0mmol/gがさらに好ましい。酸化(カルボキシル化)方法の一例として、セルロース原料を、N-オキシル化合物と、臭化物、ヨウ化物、およびこれらの混合物からなる群から選択される化合物との存在下で酸化剤を用いて水中で酸化する方法を挙げることができる。この酸化反応により、セルロース表面のグルコピラノース環のC6位の一級水酸基が選択的に酸化され、表面にアルデヒド基と、カルボキシル基(-COOH)またはカルボキシレート基(-COO)とを有するセルロース繊維を得ることができる。反応時のセルロースの濃度は特に限定されないが、5質量%以下が好ましい。
N-オキシル化合物とは、ニトロキシラジカルを発生しうる化合物をいう。N-オキシル化合物としては、目的の酸化反応を促進する化合物であればいずれの化合物も使用できる。例えば、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシラジカル(TEMPO)およびその誘導体(例えば4-ヒドロキシTEMPO)が挙げられる。N-オキシル化合物の使用量は、セルロース原料を酸化できる触媒量であればよく、特に制限されない。例えば、絶乾1gのセルロース原料に対して、0.01~10mmolが好ましく、0.01~1mmolがより好ましく、0.01~0.5mmolがさらに好ましい。また、反応系に対し0.1~4mmol/L程度がよい。
臭化物とは臭素を含む化合物であり、その例には、水中で解離してイオン化可能な臭化アルカリ金属が含まれる。また、ヨウ化物とはヨウ素を含む化合物であり、その例には、ヨウ化アルカリ金属が含まれる。臭化物またはヨウ化物の使用量は、酸化反応を促進できる範囲で選択できる。臭化物およびヨウ化物の合計量は、例えば、絶乾1gのセルロース原料に対して、0.1~100mmolが好ましく、0.1~10mmolがより好ましく、0.5~5mmolがさらに好ましい。当該変性は酸化反応による変性である。
酸化剤としては、公知のものを使用でき、例えば、ハロゲン、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、過ハロゲン酸またはそれらの塩、ハロゲン酸化物、過酸化物などを使用できる。中でも、安価で環境負荷の少ない次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。酸化剤の適切な使用量は、例えば、絶乾1gのセルロース原料に対して、0.5~500mmolが好ましく、0.5~50mmolがより好ましく、2.5~25mmolがさらに好ましい。また、例えば、N-オキシル化合物1molに対して1~40molが好ましい。
セルロース原料の酸化工程は、比較的温和な条件であっても反応を効率よく進行させられる。よって、反応温度は4~40℃が好ましく、また15~30℃程度の室温であってもよい。反応の進行に伴ってセルロース中にカルボキシル基が生成するため、反応液のpHが低下する。酸化反応を効率よく進行させるために、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ性溶液を随時反応系中に添加して、反応液のpHを9~12、好ましくは10~11程度に維持することが好ましい。反応媒体は、取扱い性の容易さや、副反応が生じにくいこと等から、水が好ましい。酸化反応における反応時間は、酸化の進行の程度に従って適宜設定することができ、通常は0.5~6時間、例えば、0.5~4時間程度である。
また、酸化反応は、2段階に分けて実施してもよい。例えば、1段目の反応終了後にろ別して得られた酸化セルロースを、再度、同一または異なる反応条件で酸化させることにより、1段目の反応で副生する塩による反応阻害を受けることなく、セルロース原料に効率よくカルボキシル基を導入することができる。
酸化(カルボキシル化)方法の別の例として、オゾン処理により酸化する方法が挙げられるが、本発明においては、TEMPOにより酸化(TEMPO酸化)する方法により得られた酸化セルロースを解繊して得られたTEMPO酸化セルロース微細繊維を使用することが好ましい。
酸化によりセルロース原料を変性して得られる酸化セルロース微細繊維に含まれる、セルロース微細繊維の絶乾質量に対するカルボキシル基の量は、好ましくは0.6mmol/g以上、より好ましくは0.8mmol/g以上、更に好ましくは1.0mmol/g以上である。上限は、好ましくは2.2mmol/g以下、より好ましくは2.0mmol/g以下、更に好ましくは1.8mmol/g以下である。従って、0.6mmol/g~2.2mmol/gが好ましく、0.8mmol/g~2.0mmol/gがより好ましく、1.0mmol/g~1.8mmol/gが更に好ましい。
酸化セルロースのカルボキシル基の量は、上記した酸化剤の添加量、反応時間等の反応条件をコントロールすることで調整することができる。酸化セルロースのカルボキシル基量と微細繊維としたときのカルボキシル基量は通常、同じである。
本発明では、上記の工程で得られる酸化セルロースにおいて、セルロース原料に導入したカルボキシル基は、通常、塩型であり、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩である。解繊工程の前に、酸化セルロースのアルカリ金属塩を、ホスホニウム塩、イミダゾリニウム塩、アンモニウム塩、スルホニウム塩等の他のカチオン塩に置換してもよい。置換は、公知の方法で行うことができる。
(カルボキシメチル化)
好ましいアニオン基としては、カルボキシメチル基等のカルボキシアルキル基が挙げられる。カルボキシアルキル化セルロースは公知の方法で得てもよく、また市販品を用いてもよい。セルロースの無水グルコース単位当たりのカルボキシアルキル置換度は0.60未満であることが好ましい。さらにアニオン基がカルボキシメチル基である場合、カルボキシメチル置換度は0.60未満であることが好ましい。当該置換度が0.60以上であると結晶性が低下し、溶解成分の割合が増加するため、微細繊維としての機能が失われる。またカルボキシアルキル置換度の下限値は0.01以上が好ましい。操業性を考慮すると当該置換度は0.02~0.50であることが特に好ましく、0.10~0.30であることが更に好ましい。このようなカルボキシアルキル化セルロースを製造する方法の一例として、以下の工程を含む方法が挙げられる。当該変性は置換反応による変性である。カルボキシメチル化セルロースを例にして説明する。
i)発底原料と溶媒、マーセル化剤を混合し、反応温度0~70℃、好ましくは10~ 60℃、かつ反応時間15分~8時間、好ましくは30分~7時間、マーセル化処理する工程、
ii)次いで、カルボキシメチル化剤をグルコース残基当たり0.05~10.0倍モル添加し、反応温度30~90℃、好ましくは40~80℃、かつ反応時間30分~10時間、好ましくは1時間~4時間、エーテル化反応を行う工程。
発底原料としては前述のセルロース原料を使用できる。溶媒としては、3~20質量倍の水または低級アルコール、具体的には水、メタノール、エタノール、N-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、N-ブタノール、イソブタノール、第3級ブタノール等の単独、または2種以上の混合媒体を使用できる。低級アルコールを混合する場合、その混合割合は60~95質量%である。マーセル化剤としては、発底原料の無水グルコース残基当たり0.5~20倍モルの水酸化アルカリ金属、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを使用できる。
前述のとおり、セルロースのグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度は0.06未満であり、0.01以上0.60未満であることが好ましい。セルロースにカルボキシメチル置換基を導入することで、セルロース同士が電気的に反発する。このため、カルボキシメチル置換基を導入したセルロースは容易に解繊することができる。なお、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換基が0.02より小さいと、解繊が十分でない場合がある。カルボキシルメチル化セルロースにおける置換度と微細繊維としたときの置換度は通常、同じである。
本発明では、上記の工程で得られるカルボキシアルキル化セルロースにおいて、セルロース原料に導入したカルボキシアルキル基は、通常、塩型であり、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩である。解繊工程の前に、カルボキシアルキル化セルロースのアルカリ金属塩を、ホスホニウム塩、イミダゾリニウム塩、アンモニウム塩、スルホニウム塩等の他のカチオン塩に置換してもよい。置換は、公知の方法で行うことができる。
(エステル化)
アニオン変性セルロースとしてエステル化したセルロースを用いることもできる。セルロース原料にリン酸系化合物Aの粉末や水溶液を混合する方法、セルロース原料のスラリーにリン酸系化合物Aの水溶液を添加する方法等が挙げられる。リン酸系化合物Aはリン酸、ポリリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ホスホン酸、ポリホスホン酸あるいはこれらのエステルが挙げられる。これらは塩の形態であってもよい。上記の中でも、低コストであり、扱いやすく、またパルプ繊維のセルロースにリン酸基を導入して、解繊効率の向上が図れるなどの理由からリン酸基を有する化合物が好ましい。リン酸基を有する化合物としては、リン酸、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カリウム、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、ピロリン酸カリウム、メタリン酸カリウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、メタリン酸アンモニウム等が挙げられる。これらは1種、あるいは2種以上を併用してリン酸基を導入することができる。これらのうち、リン酸基導入の効率が高く、下記解繊工程で解繊しやすく、かつ工業的に適用しやすい観点から、リン酸、リン酸のナトリウム塩、リン酸のカリウム塩、リン酸のアンモニウム塩が好ましい。特にリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムが好ましい。また、反応を均一に進行できかつリン酸基導入の効率が高くなることから前記リン酸系化合物Aは水溶液として用いることが望ましい。リン酸系化合物Aの水溶液のpHは、リン酸基導入の効率が高くなることから7以下であることが好ましいが、パルプ繊維の加水分解を抑える観点からpH3~7が好ましい。
リン酸エステル化セルロースの製造方法の例として、以下の方法を挙げることができる。固形分濃度0.1~10質量%のセルロース原料の懸濁液に、リン酸系化合物Aを撹拌しながら添加してセルロースにリン酸基を導入する。セルロース原料を100質量部とした際に、リン酸系化合物Aの添加量はリン元素量として、0.2~500質量部であることが好ましく、1~400質量部であることがより好ましい。リン酸系化合物Aの割合が前記下限値以上であれば、セルロース微細繊維の収率をより向上させることができる。しかし、前記上限値を超えると収率向上の効果は頭打ちとなるので、コスト面から好ましくない。
リン酸系化合物Aの他に化合物Bの粉末や水溶液を混合してもよい。化合物Bは特に限定されないが、塩基性を示す窒素含有化合物が好ましい。ここでの「塩基性」は、フェノールフタレイン指示薬の存在下で水溶液が桃~赤色を呈すること、または水溶液のpHが7より大きいことと定義される。本発明で用いる塩基性を示す窒素含有化合物は、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、アミノ基を有する化合物が好ましい。例えば、尿素、メチルアミン、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ピリジン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。中でも低コストで扱いやすい尿素が好ましい。化合物Bの添加量はセルロース原料の固形分100質量部に対して、2~1000質量部が好ましく、100~700質量部がより好ましい。反応温度は0~95℃が好ましく、30~90℃がより好ましい。反応時間は特に限定されないが、1~600分程度であり、30~480分がより好ましい。エステル化反応の条件がこれらの範囲内であると、セルロースが過度にエステル化されて溶解しやすくなることを防ぐことができ、リン酸エステル化セルロースの収率が良好となる。得られたリン酸エステル化セルロース懸濁液を脱水した後、セルロースの加水分解を抑える観点から、100~170℃で加熱処理することが好ましい。さらに、加熱処理の際に水が含まれている間は130℃以下、好ましくは110℃以下で加熱し、水を除いた後、100~170℃で加熱処理することが好ましい。
リン酸エステル化されたセルロースのグルコース単位当たりのリン酸基置換度は0.001以上0.40未満であることが好ましい。セルロースにリン酸基置換基を導入することで、セルロース同士が電気的に反発する。このため、リン酸基を導入したセルロースは容易に解繊することができる。グルコース単位当たりのリン酸基置換度が0.001より小さいと、十分に解繊することができない。一方、グルコース単位当たりのリン酸基置換度が0.40より大きいと、膨潤あるいは溶解するため、微細繊維として得られなくなる場合がある。解繊を効率よく行なうために、上記で得たリン酸エステル化されたセルロース原料は煮沸した後、冷水で洗浄する等の洗浄処理がなされることが好ましい。これらのエステル化による変性は置換反応による変性である。リン酸エステル化セルロースにおける置換度と微細繊維としたときの置換度は通常、同じである。
本発明では、上記の工程で得られるリン酸エステル化セルロースにおいて、セルロース原料に導入したリン酸基は、通常、塩型であり、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩である。解繊工程の前に、リン酸エステル化セルロースのアルカリ金属塩を、ホスホニウム塩、イミダゾリニウム塩、アンモニウム塩、スルホニウム塩等の他のカチオン塩に置換してもよい。置換は、公知の方法で行うことができる。
(解繊)
本発明において、アニオン変性されたセルロース原料を解繊する装置は特に限定されないが、高速回転式、コロイドミル式、高圧式、ロールミル式、超音波式、キャビテーション噴流装置などの装置を用いてアニオン変性されたセルロース原料(通常は水分散体)にせん断力を印加することが好ましい。特に、7MPa程度の圧力で効率よく解繊できるキャビテーション噴流装置や、アニオン変性されたセルロース原料(通常は水分散体)に50MPa以上の圧力を印加し、かつ強力なせん断力を印加できる湿式の高圧または超高圧ホモジナイザーを用いることが好ましい。また、解繊・分散処理に先立って、必要に応じて、予備処理を施すことも可能である。予備処理は、高速せん断ミキサーなどの公知の混合、撹拌、乳化、分散装置を用いて行うことができる。解繊装置での処理(パス)回数は、1回でもよいし2回以上でもよく、2回以上が好ましい。
分散処理においては通常、溶媒にアニオン変性セルロースを分散する。溶媒は、アニオン変性セルロースを分散できるものであれば特に限定されないが、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等の親水性の有機溶媒)、それらの混合溶媒が挙げられる。
分散体中のアニオン変性セルロースの固形分濃度は、通常は0.1質量%以上、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上である。これにより、セルロース原料の量に対する液量が適量となり効率的である。上限は、通常10質量%以下、好ましくは6質量%以下である。これにより流動性を保持することができる。
解繊処理又は分散処理に先立ち、必要に応じて予備処理を行ってもよい。予備処理は、高速せん断ミキサーなどの混合、撹拌、乳化、分散装置を用いて行えばよい。
本発明の凍結防止剤用粘度調整剤は、セルロース微細繊維を含有するものであればその形態を問わず、分散体の状態であってもよいし、乾燥(分散媒の除去)、粉砕、分級を行い、粉末の状態として用いてもよい。
本発明の粘度調整剤は、セルロース微細繊維を含むものであり、セルロース微細繊維が持つチキソ性のため、この粘度調整剤を含む液状凍結防止剤を垂直な場所に塗布した後であっても、塗布した場所から流れ落ちることがなく、その場に留まり、凍結防止剤の効果が十分に発揮される。塗布する際、塗布時にはせん断力がかかって粘度が下がるため容易に塗り広げることができる。かつ、塗布後は粘度がすみやかに回復するため流れ落ちることがない。したがって、本発明の粘度調整剤を含む凍結防止剤を、例えば冷凍倉庫の壁やドアに塗布、吹き付け、または噴霧することで、霜あるいは凍結の発生を抑制することができる。
本発明の粘度調整剤を凍結防止剤に添加する方法としては、まず、凍結防止剤の水溶液を常法で作製して準備し、次いで、この水溶液に本発明の粘度調整剤を水分散体の状態もしくは粉末のまま添加、混合する方法等が挙げられる。
本発明の粘度調整剤を添加することができる凍結防止剤の種類としては、例えば、酢酸塩、蟻酸塩、尿素、塩化物、低分子アルコールから選ばれる1つの水溶液からなる液状の凍結防止剤が挙げられる。
酢酸塩としては、酢酸ナトリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム等が挙げられる。酢酸塩は、凍結防止剤に50質量%~20質量%で含有させることが好ましい。
蟻酸塩としては、蟻酸ナトリウム、蟻酸カリウム、蟻酸マグネシウム等が挙げられる。蟻酸塩は、凍結防止剤に25質量%~15質量%で含有させることが好ましい。
尿素は、凍結防止剤に40質量%~20質量%で含有させることが好ましい。
塩化物は、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等が挙げられる。塩化物は、凍結防止剤に35質量%~20質量%で含有させることが好ましい。
低分子アルコールとしては、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、メチルアルコール、エチルアルコールから選ばれる少なくとも1種が挙げられ、凍結防止効果の観点から、多価アルコールであるグリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコールを含むことが好ましく、グリセリンを含むことがより好ましい。低分子アルコールは、凍結防止剤に80質量%~20質量%で含有させることが好ましい。
本発明の粘度調整剤を凍結防止剤に添加する場合の添加量としては、凍結防止剤の全量に対してセルロース微細繊維の固形分濃度が0.5~1.5質量%となる量が好ましく、0.8~1.0質量%がより好ましい。上記濃度より低すぎると、液だれ抑制効果に劣る虞がある。上記濃度より濃すぎると、粘度が高くなりすぎて、吹き付け、噴霧、または塗布が困難になる虞がある。
本発明の粘度調整剤を凍結防止剤に添加した場合における、添加後の凍結防止剤の粘度としては、液だれ抑制効果に優れる観点から、ずり速度0.001/秒において100,000mPa・s以上が好ましく、150,000mPa・s以上がより好ましい。また、塗布適性の観点から、ずり速度1000/秒において10,000mPa・s以下が好ましく、1,000mPa・s以下がより好ましい。本発明の粘度調整剤は、塗布適性があり、かつ液だれ抑制効果に優れる。本発明の粘度調整剤は高チキソ性を有する。チキソ性(チキソトロピー)とは、剪断応力を受けることにより粘度が次第に低下し、静止すると粘度が次第に上昇する性質をいう。上述したずり速度0.001/秒で測定した粘度Aをずり速度1000/秒で測定した粘度Bで除した値が高いと、高チキソ性を有する。例えば、粘度A/粘度Bの値が好ましくは100以上、より好ましくは1,000以上であると、高チキソ性を有すると言える。なお、本明細書の粘度は、粘弾性レオメーター(例えば、「MCR301」アントンパール社製)を用いて、所定のずり速度で測定することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(カルボキシ基量の測定方法)
カルボキシル基量は以下のようにして測定した。カルボキシル化セルロースの0.5質量%スラリー(水分散液)60mLを調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.5とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定した。電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(a)から、下式を用いてカルボキシル基量を算出した:
カルボキシル基量〔mmol/gカルボキシル化セルロース〕=a〔mL〕×0.05/カルボキシル化セルロース質量〔g〕
(カルボキシメチル置換度の測定方法)
1)カルボキシメチル化セルロース繊維(絶乾)約2.0gを精秤して、300mL容共栓付き三角フラスコに入れた。
2)硝酸メタノール1000mLに特級濃硝酸100mLを加えた液100mLを加え、3時間振とうして、カルボキシメチルセルロース塩(CM化セルロース)を水素型CM化セルロースにした。
3)水素型CM化セルロース(絶乾)を1.5~2.0g精秤し、300mL容共栓付き三角フラスコに入れた。
4)80%メタノール15mLで水素型CM化セルロースを湿潤し、0.1NのNaOHを100mL加え、室温で3時間振とうした。
5)指示薬として、フェノールフタレインを用いて、0.1NのH2SO4で過剰のNaOHを逆滴定した。
6)カルボキシメチル置換度(DS)を、次式によって算出した:
A=[(100×F’-(0.1NのH2SO4)(mL)×F)×0.1]/(水素型CM化セルロースの絶乾質量(g))
DS=0.162×A/(1-0.058×A)
A:水素型CM化セルロースの1gの中和に要する1NのNaOH量(mL)
F’:0.1NのH2SO4のファクター
F:0.1NのNaOHのファクター
(平均繊維径、アスペクト比の測定方法)
セルロース微細繊維の平均繊維径および平均繊維長は、AFMにより求めた。アスペクト比は下記の式により算出した。
アスペクト比=平均繊維長/平均繊維径
(液だれ性の評価)
実施例および比較例で得られた液状凍結防止剤0.2gをアルミのバットにスパチュラで塗布した後にバットを垂直に立てて液だれ性を評価した。液だれ性について、液状凍結防止剤の液滴の様子を目視で確認し、下記の基準で評価した(官能評価)。結果を表1に示す。
A:液状凍結防止剤は動かない
B:液状凍結防止剤はほとんど動かない
C:液状凍結防止剤は徐々にたれてきて動くが途中で止まる
D:液状凍結防止剤はたれ落ちる
(塗布性の評価)
実施例および比較例で得られた液状凍結防止剤を容器に入れ、刷毛で容器からとり、アクリルガラスの壁面に塗布して塗布性を評価した(官能評価)。結果を表1に示す。
A:きれいに均一に塗布できる。
B:塗布できるが、均一に塗り広げにくい。
C:塗布できるが、均一に塗り広げられない。
(粘度の測定)
実施例および比較例で得られた液状凍結防止剤の粘度を、粘弾性レオメーターMCR301(アントンパール社製)を用いて、ずり速度0.001/秒、及びずり速度1000/秒で測定した。測定には、パラレル型のプレート(PP25)を用い、測定部のギャップを1mmとした。結果を表1に示す。
(製造例1)
(酸化セルロース微細繊維1の製造)
針葉樹由来の漂白済み未叩解クラフトパルプ(白色度85%)5.00g(絶乾)をTEMPO(Sigma Aldrich社)39mgと臭化ナトリウム514gを溶解した水溶液500mLに加え、パルプが均一に分散するまで撹拌した。反応系に次亜塩素酸ナトリウム水溶液を6.0mmol/gになるように添加し、酸化反応を開始した。反応中は系内のpHが低下するが、3M水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。次亜塩素酸ナトリウムを消費し、系内のpHが変化しなくなった時点で反応を終了した。反応後の混合物を塩酸を用いて酸性化処理した後、ガラスフィルターで濾過してパルプ分離し、パルプを十分に水洗することで酸化されたパルプ(カルボキシル化セルロース)を得た。この時のパルプ収率は90%であり、酸化反応に要した時間は90分、カルボキシル基量は1.6mmol/gであった。
上記の工程で得られた酸化パルプを水で2.5%(w/v)に調整し、7МPaのキャビテーション噴流装置で10回処理して、酸化セルロース微細繊維1の水分散液を得た。得られた酸化セルロース微細繊維1は、平均繊維径が15nm、アスペクト比が262
であった。
(製造例2)
(カルボキシメチル化セルロース微細繊維2の製造)
回転数を100rpmに調節した5L容の二軸ニーダーに、イソプロパノール(IPA)1089部と、水酸化ナトリウム31部を水121部に溶解したものとを加え、広葉樹パルプ(日本製紙(株)製、LBKP)を100℃で60分間乾燥した際の乾燥質量で200部仕込んだ。30℃で60分間撹拌、混合しマーセル化セルロースを調製した。更に撹拌しつつモノクロロ酢酸ナトリウム117部を添加し、30℃で30分間撹拌した後、30分かけて70℃に昇温し、70℃で60分間カルボキシメチル化反応をさせた。マーセル化反応時及びカルボキシメチル化反応時の反応媒中の水の割合は、10質量%である。反応終了後、中和し、65%含水メタノールで洗浄し、脱液、乾燥、粉砕して、カルボキシメチル置換度0.27のカルボキシメチル化セルロースのナトリウム塩を得た。なお、カルボキシメチル置換度の測定方法は、先述の通りである。
得られたカルボキシメチル化セルロースのナトリウム塩を水に分散し、2.5%(w/v)水分散液とした。これを、7МPaのキャビテーション噴流装置で30回処理し、カルボキシメチル化セルロース微細繊維2の分散液を得た。得られたカルボキシメチル化セルロース微細繊維2は、平均繊維径が24nm、アスペクト比が87であった。
(製造例3)
(酸化セルロース微細繊維3の製造)
製造例1で得られた酸化パルプを水で3%(w/v)に調整し、150МPaの高圧ホモジナイザーで3回処理して、酸化セルロース微細繊維3の水分散液を得た。得られた酸化セルロース微細繊維3は、平均繊維径が4nm、アスペクト比が220であった。
(製造例4)
(カルボキシメチル化セルロース微細繊維4の製造)
製造例2で得られたカルボキシメチル化セルロースのナトリウム塩を水に分散し、3%(w/v)水分散液とした。これを、150MPaの高圧ホモジナイザーで3回処理し、カルボキシメチル化セルロース微細繊維2の分散液を得た。得られたカルボキシメチル化セルロース微細繊維4は、平均繊維径が11nm、アスペクト比が92であった。
(実施例1)
グリセリン50部を水18部および製造例1で得られた酸化セルロース微細繊維1の水分散液32部で溶解しグリセリン水溶液を作製し、セルロース微細繊維の固形分がグリセリン水溶液の質量に対して0.8質量%となるようにし、汎用の撹拌機を用いて混合することにより、実施例1の液状凍結防止剤を得た。
(実施例2)
酸化セルロース微細繊維1の添加量を、セルロース微細繊維の固形分がグリセリン水溶液の質量に対して1.0質量%となるように添加したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の液状凍結防止剤を得た。
(実施例3)
酸化セルロース微細繊維1の添加量を、セルロース微細繊維の固形分がグリセリン水溶液の質量に対して1.2質量%となるように添加したこと以外は実施例1と同様にして実施例3の液状凍結防止剤を得た。
(実施例4)
酸化セルロース微細繊維1に代えて、製造例2で得られたカルボキシメチル化セルロース微細繊維2を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例4の液状凍結防止剤を得た。
(実施例5)
カルボキシメチル化セルロース微細繊維2の添加量を、セルロース微細繊維の固形分がグリセリン水溶液の質量に対して1.0質量%となるように添加したこと以外は実施例4と同様にして、実施例5の液状凍結防止剤を得た。
(実施例6)
カルボキシメチル化セルロース微細繊維2の添加量を、セルロース微細繊維の固形分がグリセリン水溶液の質量に対して1.2質量%となるように添加したこと以外は実施例4と同様にして、実施例6の液状凍結防止剤を得た。
(実施例7)
酸化セルロース微細繊維1に代えて、製造例3で得られた酸化セルロース微細繊維3を用いたこと、および酸化セルロース微細繊維3の添加量をセルロース微細繊維の固形分がグリセリン水溶液の質量に対して1.0質量%となるように添加したこと以外は実施例1と同様にして、実施例7の液状凍結防止剤を得た。
(実施例8)
酸化セルロース微細繊維1に代えて、製造例4で得られたカルボキシメチル化セルロース微細繊維4を用いたこと、およびカルボキシメチル化セルロース微細繊維4の添加量をセルロース微細繊維の固形分がグリセリン水溶液の質量に対して1.0質量%となるように添加したこと以外は実施例1と同様にして、実施例8の液状凍結防止剤を得た。
(実施例9)
酸化セルロース微細繊維1の添加量を、セルロース微細繊維の固形分がグリセリン水溶液の質量に対して0.5質量%となるように添加したこと以外は実施例1と同様にして、実施例9の液状凍結防止剤を得た。
(実施例10)
酸化セルロース微細繊維1に代えて、製造例3で得られた酸化セルロース微細繊維3を用いたこと、および酸化セルロース微細繊維3の添加量をセルロース微細繊維の固形分がグリセリン水溶液の質量に対して0.5質量%となるように添加したこと以外は実施例1と同様にして、実施例10の液状凍結防止剤を得た。
(比較例1)
実施例1の液状凍結防止剤に酸化セルロース微細繊維1の水分散液の代わりに同量の水を添加したこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の液状凍結防止剤を得た。
Figure 2023163195000001
表1の結果から明らかなように、セルロース微細繊維を含有する凍結防止剤用粘度調整剤を用いると、これを添加して得られた実施例1~8の液状凍結防止剤は、粘度調整剤を含まない比較例1の液状凍結防止剤と比較して、液だれ抑制効果および塗布性に優れることがわかり、実施例9~10の液状凍結防止剤は、比較例1の液状凍結防止剤と比較して、液だれ抑制効果に優れることがわかる。


Claims (4)

  1. セルロース微細繊維を含有する、凍結防止剤用粘度調整剤。
  2. 前記セルロース微細繊維がアニオン変性されている、請求項1に記載の凍結防止剤用粘度調整剤。
  3. 請求項1又は2に記載の凍結防止剤用粘度調整剤を含有する、凍結防止剤。
  4. 前記凍結防止剤用粘度調整剤を、凍結防止剤の全質量に対して前記セルロース微細繊維の固形分質量で0.5~1.5%含有する、請求項3に記載の凍結防止剤。

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