JP2018003210A - 手袋 - Google Patents

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Naoya Ichikawa
直哉 市川
高井 淳
Atsushi Takai
淳 高井
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Abstract

【課題】ゴムまたは樹脂の膜を少なくとも備え、上記膜を、作業性を向上するためにできるだけ薄肉化しても、当該膜のモジュラスが高く伸びにくい上、強度が高く破れにくい手袋を提供する。【解決手段】手袋を構成するゴムまたは樹脂の膜中に、セルロースナノウィスカーを含ませた。セルロースナノウィスカーの配合割合は、ゴムまたは樹脂100質量部あたり1質量部以上、50質量部以下であるのが好ましい。またセルロースナノウィスカーとしては、太さが10nm以上、50nm以下、長さが500nm以下であるものを用いるのが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴムまたは樹脂の膜を少なくとも備える手袋に関するものである。
家庭用等の手袋は、例えばゴムのラテックスや樹脂のディスパージョン等を出発原料とする浸漬液に、手袋の立体形状に対応した手型を浸漬して引き上げることで当該手型に浸漬液を付着させ、次いで付着させた浸漬液を乾燥、固化させて膜を形成したのち、形成した膜を手型から脱型する、いわゆる浸漬法によって製造するのが一般的である。
浸漬法によって製造される、全体が天然ゴム等のゴムや塩化ビニル等の樹脂の膜からなる従来の手袋には、当該手袋を手に装着した状態での作業性を向上するために、できるだけ薄肉で柔軟であることが求められる。それとともに、薄肉化しても膜の強度が高く破れにくいことや、モジュラスが高く伸びにくいため手袋を着け外ししやすいことも重要である。
上記膜中には、炭酸カルシウム等の白色のフィラーを含有させるのが一般的である(特許文献1等)。この場合は、膜のモジュラスを高めて手袋を伸びにくくして、当該手袋を着け外ししやすくすることができる。しかし膜の強度が低下して手袋が破れやすくなるという問題がある。
特開2002−105721号公報 特開2015−94038号公報
本発明の目的は、ゴムまたは樹脂の膜を少なくとも備え、上記膜を、作業性を向上するためにできるだけ薄肉化しても、当該膜のモジュラスが高く伸びにくい上、強度が高く破れにくい手袋を提供することにある。
本発明は、ゴムまたは樹脂の膜を少なくとも備えるとともに、前記膜はセルロースナノウィスカーを含んでいる手袋である。
本発明によれば、ゴムまたは樹脂の膜を少なくとも備え、上記膜を、作業性を向上するためにできるだけ薄肉化しても、当該膜のモジュラスが高く伸びにくい上、強度が高く破れにくい手袋を提供できる。
本発明は、ゴムまたは樹脂の膜を少なくとも備えるとともに、前記膜はセルロースナノウィスカーを含んでいる手袋である。
本発明によれば、手袋を構成するゴムまたは樹脂の膜に、微小な針状構造を有するセルロースナノウィスカーを配合することにより、後述する実施例、比較例の結果からも明らかなように上記膜を、作業性を向上するために薄肉化してもモジュラスを高くして伸びにくくできる上、その強度を現状よりも高くして破れにくくすることもできる。
この理由は明らかではないが、セルロースナノウィスカーが生物由来のセルロースからなり、しかも微小な針状構造を有するために、従来の無機系のフィラーに比べて膜を形成するゴムまたは樹脂に対する親和性や、それに伴う補強効果に優れていること等が考えられる。
(セルロースナノウィスカー)
セルロースナノウィスカーとしては、上記のように生物由来の種々のセルロースからなり、微小な針状構造を有するセルロースナノウィスカー(欧米ではセルロースナノクリスタルとも呼ばれる)がいずれも使用可能である。
例えば木材由来のセルロースナノウィスカーは、例えば下記の方法等によって製造される。
すなわち、木材を細かく砕いてナノフィブリル化すると水素結合を生じて結晶化される。これを強酸で処理して不純物を取り除いてゆくと、繊維長が結晶構造の大きさになったセルロースナノウィスカーが製造される。
セルロースナノウィスカーは、太さが10nm以上、50nm以下程度であるのが好ましく、長さが100nm以上、500nm以下程度であるのが好ましい。
かかるセルロースナノウィスカーは、例えば特許文献2に記載された、長さが2μm(=2000nm)程度であるバイオマスナノファイバと比べて、長さおよそ1/4以下の短い針状結晶である。
上記セルロースナノウィスカーによれば、後述する実施例、比較例の結果からも明らかなように、特許文献2に記載のバイオマスナノファイバでは得られない、作業性を向上するために膜を薄肉化してもモジュラスを高くして伸びにくくするとともに、当該膜の強度を高くして破れにくくするという、前述した特有の効果を奏することができる。
セルロースナノウィスカーとしては、例えば所定の濃度(2質量%、5質量%、10質量%等)の水溶液として供給されるもの等が使用可能である。
セルロースナノウィスカーの配合割合は、ゴムまたは樹脂100質量部あたり1質量部以上、50質量部以下であるのが好ましい。
配合割合がこの範囲未満では、セルロースナノウィスカーを膜中に含有させることによる上述した効果が十分に得られないおそれがある。
また、セルロースナノウィスカーの配合割合が上記の範囲を超える場合には膜のモジュラスが高くなりすぎ、膜が伸びにくくなりすぎて却って手袋を着け外ししにくくなったり、薄肉化しても膜が硬くなって、手袋を装着した状態での作業性が低下したりするおそれがある。
これに対し、セルロースナノウィスカーの配合割合を上記の範囲とすることにより、薄肉化した際の膜の柔軟性を良好に維持しながら、当該膜のモジュラスおよび強度をともに良好に高めることができる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、セルロースナノウィスカーの配合割合は、上記の範囲でもゴムまたは樹脂100質量部あたり5質量部以上、特に8質量部以上であるのが好ましい。
ちなみにセルロースナノウィスカーとして、前述した水溶液の状態で供給されるものを使用する場合、上記配合割合は、当該水溶液中に含まれる有効成分としてのセルロースナノウィスカー自体の配合割合である。
(手袋)
本発明の手袋は、前述したように、上記セルロースナノウィスカーを含む、ゴムまたは樹脂の膜を少なくとも備えるものである。
かかる手袋は、例えばその全体が上記ゴムまたは樹脂の膜のみからなる単層構造の手袋であってもよく、当該膜と、他の1層以上の層との積層構造を有していてもよい。積層してもよい他の層としては、例えばゴムや樹脂からなる他の膜、あるいはサポートタイプの手袋を構成する網手等が挙げられる。また手袋の片面または両面には短繊維を植毛する等してもよい。
上記のうち、セルロースナノウィスカーを含むゴムまたは樹脂の膜のみからなる単層構造の手袋は、従来同様に浸漬法によって製造できる。
すなわちゴムの膜のみからなる単層構造の手袋は、当該ゴムのラテックスにセルロースナノウィスカーその他を所定の割合で配合して浸漬液を調製し、かかる浸漬液に、手袋の立体形状に対応した手型を浸漬して引き上げることで当該手型に浸漬液を付着させ、さらに乾燥、固化させるとともにゴムを加硫させたのち、手型から脱型することで製造される。
また樹脂の膜のみからなる単層構造の手袋は、当該樹脂のディスパージョンにセルロースナノウィスカーその他を所定の割合で配合して浸漬液を調製し、かかる浸漬液に、同様に手型を浸漬して引き上げることで当該手型に浸漬液を付着させ、さらに乾燥、固化させるとともに、硬化性の樹脂の場合は硬化させたのち、手型から脱型することで製造される。
また、上記いずれかの浸漬液を起泡あるいは発泡させて、当該浸漬液からなる膜を多孔質構造としてもよいし、起泡、発泡させずに非多孔質構造としてもよい。特に、膜の強度を向上して手袋を破れにくくすること等を考慮すると非多孔質構造とするのが好ましい。
他の膜との積層構造を有する手袋は、当該他の膜を、先に形成したゴムまたは樹脂の膜の上に、浸漬法や任意の塗布法等によって積層するか、あるいは手型の表面に先に、上記他の膜を浸漬法や任意の塗布法等によって形成し、次いでゴムまたは樹脂の膜を積層したのち、両膜の積層体を手型から脱型することで製造される。
また網手との積層構造を有する手袋は、浸漬液に浸漬する前の手型に網手を被せたのち浸漬法によって膜を形成するか、もしくは手型に付着させた浸漬液上に網手を被せて膜を形成したのち、膜と網手との積層体を手型から脱型することで製造される。
さらに短繊維を植毛する場合は、手型に付着させた浸漬液の乾燥前に上記短繊維を散布したのち、当該浸漬液を乾燥させればよい。
ただし手袋の生産性や価格、あるいは手に装着して作業をする際の作業性等を向上すること等を考慮すると、当該手袋は単層構造でかつ非多孔質構造であるのが好ましい。
単層構造で非多孔質構造の手袋の厚みは、当該手袋の用途等に応じて任意に設定できる。例えば細かい作業に適した極薄の手袋の厚みは、十分な強度を付与し、なおかつ作業性やフィット感を向上することを考慮すると0.40mm以上であるのが好ましく、0.55mm以下であるのが好ましい。
(ゴム系の浸漬液)
ゴム系の浸漬液は、ゴムのラテックスに加硫剤等の各種添加剤と、上記セルロースナノウィスカーとを配合して調製される。
ゴムとしては天然ゴム、および合成ゴムの中からラテックス化が可能な種々のゴムがいずれも使用可能であり、かかるゴムとしては、例えば天然ゴム、脱蛋白天然ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)等の1種または2種以上が挙げられる。
ゴムを加硫させる加硫剤としては硫黄や有機含硫黄化合物等が挙げられる。特に硫黄が好ましい。加硫剤の配合割合は、ラテックス中に固形分として含まれるゴム100質量部あたり0.5質量部以上であるのが好ましく、3質量部以下であるのが好ましい。
上記浸漬液には、さらに加硫促進剤、熱安定剤、加硫促進助剤、老化防止剤、充填剤、pH調整剤、分散安定剤、増粘剤、発泡剤、消泡剤、可塑剤、着色剤等の各種添加剤を配合してもよい。
このうち加硫促進剤としては、例えばPX(N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛)、PZ(ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛)、EZ(ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛)、BZ(ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛)、MZ(2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩)、TT(テトラメチルチウラムジスルフィド)等の1種または2種以上が挙げられる。
加硫促進剤の配合割合は、ゴム100質量部あたり0.5質量部以上であるのが好ましく、3質量部以下であるのが好ましい。
加硫促進助剤としては、例えば亜鉛華(酸化亜鉛)、および/またはステアリン酸等が挙げられる。加硫促進助剤の配合割合は、ゴム100質量部あたり0.5質量部以上であるのが好ましく、3質量部以下であるのが好ましい。
老化防止剤としては、一般に非汚染性のフェノール類が好適に用いられるが、アミン類を使用してもよい。老化防止剤の配合割合は、ゴム100質量部あたり0.5質量部以上であるのが好ましく、3質量部以下であるのが好ましい。
充填剤としては、例えばカオリンクレー、ハードクレー、炭酸カルシウム、酸化チタン等の1種または2種以上が挙げられる。充填剤の配合割合は、ゴム100質量部あたり1質量部以上であるのが好ましく、10質量部以下であるのが好ましい。
pH調整剤としては、例えば水酸化カリウム等が挙げられる。pH調整剤の配合割合は、浸漬液のpHをゴムの分散に適した値とするために必要な任意量に設定すればよいが、ゴム100質量部あたり0.05質量部以上であるのが好ましく、3質量部以下であるのが好ましい。
分散安定剤は、以上で説明した各種添加剤を浸漬液中に良好に分散させるために配合されるものであり、当該分散安定剤としては、例えば陰イオン系界面活性剤等の1種または2種以上が挙げられる。分散安定剤の配合割合は、ゴム100質量部あたり0.3質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
増粘剤は、浸漬液に適度な粘度を付与して手型の表面に良好に付着させたり、当該浸漬液からなる膜を多孔質構造とするべく浸漬液を起泡させる際に、当該浸漬液の粘性を高めて起泡を助けたりするためのものであり、かかる増粘剤としては、例えばポリアクリル酸等の水溶性高分子が挙げられる。増粘剤は、浸漬液の粘度が高くなりすぎるのを防止して厚みムラ等のない手袋を製造するためには省略するのが好ましいが、配合する場合は、浸漬液に求められる粘度等に応じて配合割合を適宜設定すればよい。
(樹脂系の浸漬液)
樹脂系の浸漬液は、樹脂のディスパージョンに各種添加剤と、セルロースナノウィスカーとを配合して調製される。
樹脂としては、例えば塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、硬化性アクリル系樹脂等の、ディスパージョン化が可能な樹脂の1種または2種以上が挙げられる。
樹脂を含む浸漬液には、さらに熱安定剤、老化防止剤、充填剤、分散安定剤、増粘剤、発泡剤、可塑剤、着色剤等の各種添加剤を配合してもよい。
このうち老化防止剤としては、先に例示した非汚染性のフェノール類やアミン類等の1種または2種以上が挙げられる。老化防止剤の配合割合は、ディスパージョン中に固形分として含まれる樹脂100質量部あたり0.5質量部以上であるのが好ましく、3質量部以下であるのが好ましい。
充填剤としては、先に例示した充填剤の1種または2種以上が挙げられる。充填剤の配合割合は、樹脂100質量部あたり1質量部以上であるのが好ましく、10質量部以下であるのが好ましい。
分散安定剤としては、先に例示した陰イオン系界面活性剤等の1種または2種以上が挙げられる。分散安定剤の配合割合は、樹脂100質量部あたり0.3質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
増粘剤としては、先に説明したように水溶性高分子等の、浸漬液に適度な粘度を付与したり、起泡を助けたりする機能を有する種々の増粘剤が使用可能である。増粘剤は、やはり浸漬液の粘度が高くなりすぎるのを防止して厚みムラ等のない手袋を製造するためには省略するのが好ましいが、配合する場合は、浸漬液に求められる粘度等に応じて配合割合を適宜設定すればよい。
また浸漬液には、ウレタン系樹脂等の硬化性の樹脂を硬化反応させるための硬化剤、架橋剤等を、適宜の割合で配合してもよい。
(手袋の製造)
単層構造の手袋を製造するには、まず前述したように手袋の立体形状に対応した、例えば陶器製の手型を用意する。
次に、あらかじめ40〜80℃に加温した上記手型を凝固剤に浸漬したのち、引き上げて乾燥させる。
次いでこの手型を、先に説明した、ゴム系または樹脂系の浸漬液中に一定時間に亘って浸漬したのち引き上げることで、当該手型の表面に浸漬液を付着させる。
そしてゴム系の場合は、引き上げた手型ごと90〜120℃に加熱して浸漬液を乾燥させるとともにゴムを加硫させるか、あるいは一旦乾燥させた後に手型ごと加熱してゴムを加硫させて膜を形成したのち、当該ゴムの膜を脱型する。
また樹脂系の場合は、引き上げた手型ごと加熱して浸漬液を乾燥させるとともに、硬化性樹脂の場合は硬化反応させて膜を形成したのち、当該樹脂の膜を脱型する。また硬化性樹脂の場合は、一旦乾燥させた後に手型ごと加熱して硬化させて膜を形成したのち、当該樹脂の膜を脱型してもよい。
かかる工程を経ることにより、ゴムまたは樹脂の膜のみからなる単層構造で、しかも膜中に含有させたセルロースナノウィスカーの作用によって、上記膜を、作業性を向上するために薄肉化してもそのモジュラスが高く伸びにくい上、強度が高く破れにくい手袋を製造できる。
凝固剤としては、例えば硝酸カルシウムや塩化カルシウムなどの、各種の濃度の水溶液やメタノール溶液、エタノール溶液が使用可能である。
〈実施例1〉
(ゴム系の浸漬液の調製)
天然ゴムラテックスに、下記表1に示す各成分を配合し、2日間熟成させてゴム系の浸漬液を調製した。
セルロースナノウィスカーとしては、前述したように木材を細かく砕いてナノフィブリルを取り出し、強酸で処理して作製した、太さが10nm以上、50nm以下、長さが100nm以上、500nm以下であるものの水溶液を用いた。
表中の各成分の質量部は、天然ゴムラテックス中の天然ゴム(固形分)100質量部あたりの質量部である。
なおセルロースナノウィスカーは、上記のように水溶液として配合したが、表中の質量部は、有効成分としてのセルロースナノウィスカー(固形分)の質量部とした。
また同様に水酸化カリウムは水溶液として配合したが、表中の質量部は、有効成分としての水酸化カリウム(固形分)の質量部とした。
Figure 2018003210
(手袋の製造)
手型としては、手袋の立体形状に対応した陶器製の手型を用意した。
この手型を、まず60℃で20分間加温したのち、凝固剤としての20%硝酸カルシウム水溶液に浸漬し、引き上げたのち60℃で1分間加熱して乾燥させた。
次いで手型を、先に調製した浸漬液に20秒間浸漬したのち引き上げることで、その表面に浸漬液を付着させた。
そして引き上げた手型を100℃で30分間加熱して浸漬液を乾燥させるとともにゴムを加硫し、さらに冷却したのち脱型して、単層構造でかつ非多孔質構造の手袋を製造した。
〈実施例2〉
セルロースナノウィスカー(固形分)の配合割合を、天然ゴム(固形分)100質量部あたり10質量部としたこと以外は実施例1と同様にして浸漬液を調製し、単層構造でかつ非多孔質構造の手袋を製造した。
〈実施例3〉
セルロースナノウィスカー(固形分)の配合割合を、天然ゴム(固形分)100質量部あたり50質量部としたこと以外は実施例1と同様にして浸漬液を調製し、単層構造でかつ非多孔質構造の手袋を製造した。
〈比較例1〉
セルロースナノウィスカーを配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして浸漬液を調製し、単層構造でかつ非多孔質構造の手袋を製造した。
〈比較例2〉
セルロースナノウィスカーに代えて、バイオマスナノファイバとしてのセルロースナノファイバの水溶液〔(株)スギオマシン製のBiNFi−sセルロース、直径:約0.02μm(=20nm)、長さ:2μm(=2000nm)、比表面積:100〜200m/g、重合度:200〜550であるものの水溶液〕を配合したこと以外は実施例1と同様にして浸漬液を調製し、単層構造でかつ非多孔質構造の手袋を製造した。
セルロースナノファイバ(固形分)の配合割合は、天然ゴム(固形分)100質量部あたり1質量部とした。
〈装着性〉
上記各実施例、比較例で製造した手袋をそれぞれ被験者に10回、着け外しを繰り返してもらい、着け外しのしやすさを、比較例1を基本とした下記の基準で評価してもらった。
A:比較例1の手袋と比較して格段に着け外しし易かった。極めて良好。
B:上記Aの手袋よりは着け外ししにくいものの、比較例1の手袋と比較すると着け外しし易かった。良好。
C:着け外しのしやすさは比較例1の手袋と同レベルであった。通常レベル。
D:比較例1の手袋より着け外しし難かった。不良。
〈使用感〉
上記各実施例、比較例で製造した手袋をそれぞれ被験者に装着してもらい、平らな面に撒布した10個のゼムクリップを摘み上げて他の場所に移動させる作業をしてもらって、作業のしやすさを、比較例1を基本とした下記の基準で評価してもらった。
A:作業のしやすさは比較例1の手袋と同レベルであった。良好。
B:比較例1の手袋より作業しにくかった。不良。
〈膜の強度〉
上記各実施例、比較例で手袋の製造に使用した浸漬液を用いて、日本工業規格JIS K6251:2004「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に規定されたダンベル状3号形の試験片を作製し、当該試験片を用いて、上記規格に所載の試験方法に則って引張強さTS(MPa)を測定した。そして膜の強度を、比較例1を基本とした下記の基準で評価した。
A:比較例1の引張強さTSとの差TS−TS(MPa)が3MPa以上であった。極めて良好。
B:上記差が1MPa以上、3MPa未満であった。良好。
C:上記差が0MPa以上、1MPa未満であった。通常レベル。
D:上記差が0MPa未満、すなわち比較例1より引張強さTSが小さかった。不良。
以上の結果を表2に示す。
Figure 2018003210
表2の実施例1〜3、比較例1の結果より、ゴムとして天然ゴムを使用した系では、浸漬液にセルロースナノウィスカーを配合して、手袋を形成する膜中に含ませることによって、良好な使用感を維持しながら、膜のモジュラスが高く伸びにくいため着け外しが容易である上、強度が高く破れにくい手袋が得られることが判った。
また実施例1〜3、比較例2の結果より、セルロースナノウィスカーを特許文献2に記載のセルロースナノファイバに置き換えたのでは、上記の効果は得られないことが判った。
さらに実施例1〜3の結果より、上記の効果をより一層向上することを考慮すると、セルロースナノウィスカーの配合割合は、天然ゴム100質量部あたり1質量部以上、50質量部以下であるのが好ましく、中でも5質量部以上、特に8質量部以上であるのが好ましいことが判った。
〈実施例4〜6、比較例3、4〉
天然ゴムラテックスに代えてNBRラテックスを用いたこと以外は実施例1〜3、比較例1、2と同様にして浸漬液を調製し、単層構造でかつ非多孔質構造の手袋を製造した。
上記実施例、比較例について、前述した装着性、使用感、および強度の評価をした。なお各評価は、比較例1に代えて比較例3の結果を基本とした。
結果を表3に示す。
Figure 2018003210
表3の実施例4〜6、比較例3、4の結果より、ゴムとしてNBRを使用した系でも、同様の結果が得られることが判った。
すなわち実施例4〜6、比較例3の結果より、浸漬液にセルロースナノウィスカーを配合して、手袋を形成する膜中に含ませることによって、良好な使用感を維持しながら、膜のモジュラスが高く伸びにくいため着け外しが容易である上、強度が高く破れにくい手袋が得られることが判った。
また実施例4〜6、比較例4の結果より、セルロースナノウィスカーを特許文献2に記載のセルロースナノファイバに置き換えたのでは、上記の効果は得られないことが判った。
さらに実施例4〜6の結果より、上記の効果をより一層向上することを考慮すると、セルロースナノウィスカーの配合割合は、NBR100質量部あたり1質量部以上、50質量部以下であるのが好ましく、中でも5質量部以上、特に8質量部以上であるのが好ましいことが判った。
〈実施例7〜9、比較例5、6〉
天然ゴムラテックスに代えてCRラテックスを用いたこと以外は実施例1〜3、比較例1、2と同様にして浸漬液を調製し、単層構造でかつ非多孔質構造の手袋を製造した。
上記実施例、比較例について、前述した装着性、使用感、および強度の評価をした。なお各評価は、比較例1に代えて比較例5の結果を基本とした。
結果を表4に示す。
Figure 2018003210
表4の実施例7〜9、比較例5、6の結果より、ゴムとしてCRを使用した系でも、同様の結果が得られることが判った。
すなわち実施例7〜9、比較例5の結果より、浸漬液にセルロースナノウィスカーを配合して、手袋を形成する膜中に含ませることによって、良好な使用感を維持しながら、膜のモジュラスが高く伸びにくいため着け外しが容易である上、強度が高く破れにくい手袋が得られることが判った。
また実施例7〜9、比較例6の結果より、セルロースナノウィスカーを特許文献2に記載のセルロースナノファイバに置き換えたのでは、上記の効果は得られないことが判った。
さらに実施例7〜9の結果より、上記の効果をより一層向上することを考慮すると、セルロースナノウィスカーの配合割合は、CR100質量部あたり1質量部以上、50質量部以下であるのが好ましく、中でも5質量部以上、特に8質量部以上であるのが好ましいことが判った。

Claims (3)

  1. ゴムまたは樹脂の膜を少なくとも備えるとともに、前記膜はセルロースナノウィスカーを含んでいる手袋。
  2. 前記セルロースナノウィスカーの配合割合は、前記ゴムまたは樹脂100質量部あたり1質量部以上、50質量部以下である請求項1に記載の手袋。
  3. 前記セルロースナノウィスカーは、太さが10nm以上、50nm以下、長さが500nm以下である請求項1または2に記載の手袋。
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