JP2015028224A - 透明ゴムコート手袋とその製造方法 - Google Patents

透明ゴムコート手袋とその製造方法 Download PDF

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Atsushi Takai
淳 高井
奥山 英之
Hideyuki Okuyama
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Abstract

【課題】意匠性が高く、環境に対する負荷が小さく、かつ柔軟性に優れ使用者が作業しやすい上、水作業にも適した透明ゴムコート手袋、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】凝固剤として硝酸カルシウムのメタノール溶液を含浸させた布手袋に、水系ポリウレタンエマルションA、およびアクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴムラテックスBの、固形分換算の質量比A:B=70:30〜30:70の混合物であるラテックス配合物を浸漬加工して形成されたコーティング膜を有する透明ゴムコート手袋、およびその製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、布手袋にラテックス配合物を浸漬加工して形成されたコーティング膜を有する透明ゴムコート手袋、およびその製造方法に関するものである。
ゴム等のエラストマー材料でできた手袋は、使い易く値段が安価であることから、一般家庭や工場、医療現場、スポーツといった場面において、非常に多くの用途で使用されている。
このような手袋の製造方法としては、陶器等でできた手型をゴムラテックスや樹脂エマルション等を主成分とする組成物(以下、ラテックス組成物とする)に浸漬したのち引き上げて、付着したラテックス組成物を乾燥固化させる浸漬法が、安価な方法として一般的に用いられている。
詳細には、まず手型を40〜80℃に加温し、所定の濃度に調整した凝固剤(主に硝酸カルシウム水溶液)に浸漬したのち引き上げて所定時間乾燥させ、次いでラテックス組成物に浸漬する。そして一定時間浸漬した後に手型を引き上げ、90〜120℃で乾燥させてラテックス組成物を乾燥固化(ゴムの場合は同時に加硫)させて、手形の立体形状に対応したゴムまたは樹脂の皮膜を形成したのち、手型から脱型させて手袋を製造する。
手袋には特に近年、ユーザーニーズの多様化により、意匠性を高めることが求められる傾向がある。
手袋の意匠は従来、例えば全体のデザインや、手袋を形成するゴムまたは樹脂の皮膜の凹凸を利用した模様等によって決まっていた。しかし浸漬法で得られる手袋は皮膜が単色のため、例えば凹凸による模様の部分の色を、それ以外の手袋本体の色と違えるといったことができないなどの制限があった。
これを解決するため、特許文献1では、図柄がデザインされた布手袋をポリウレタン溶液に浸漬加工して、当該布手袋の表面を、ポリウレタンのコーティング膜で被覆することが提案されている。
ポリウレタンは透明なコーティング膜が得られる材料として知られており、特許文献1記載の発明によれば、浸漬加工によって形成した透明なポリウレタンのコーティング膜を通して下地の図柄が見えるため、これまでにない意匠性の高い手袋が得られる。
しかし特許文献1では、ポリウレタン溶液として、有機溶剤を含む溶剤系のポリウレタン溶液を用いているため、手袋の製造現場での、環境に対する負荷が大きいという問題があった。
これを回避するため、代替として水系ポリウレタンエマルションを用いることが考えられる。しかし水系ポリウレタンエマルションを布手袋の全面に浸漬加工すると手袋の柔軟性が低下して、使用者が作業しにくいという問題を生じる。
そこで特許文献2では、水系ポリウレタンエマルションを、布手袋の全体ではなく一部に、部分的にコーティングしている。しかし、コーティングを部分的にしかしていない手袋は、例えば食器洗いのような水作業には使用できないという問題がある。またコーティングした部分は柔軟性が低下するため、依然として使用者が作業しにくいという問題もある。
特開平7−109604号公報 特表2009−506227号公報 特表2003−533573号公報
本発明は、意匠性が高く、環境に対する負荷が小さく、かつ柔軟性に優れ使用者が作業しやすい上、水作業にも適した透明ゴムコート手袋、およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、布手袋にラテックス配合物を浸漬加工して形成されたコーティング膜を有する透明ゴムコート手袋であって、前記ラテックス配合物は、
(A) 水系ポリウレタンエマルション(以下「水系PUエマルション」と略記する場合がある)、および
(B) アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム(以下「NBR」と略記する場合がある)ラテックス
の、固形分換算の質量比A:B=70:30〜30:70の混合物であり、凝固剤として硝酸カルシウムのメタノール溶液を含浸させた布手袋に、前記ラテックス配合物を浸漬加工して製造されたことを特徴とするものである。
また本発明は、前記本発明の透明ゴムコート手袋の製造方法であって、布手袋に凝固剤を含浸させる工程、および前記凝固剤を含浸させた布手袋に、前記ラテックス配合物を浸漬加工する工程を含み、前記凝固剤として、硝酸カルシウムのメタノール溶液を用いることを特徴とするものである。
本発明によれば、先に説明したように透明なコーティング膜を形成しうる水系PUエマルションに、透明でかつ柔軟なNBRを含むNBRラテックスを、上記所定の質量比A:Bで配合したラテックス配合物を浸漬加工することにより、布手袋の表面に、透明性に優れる上、柔軟性にも優れたコーティング膜を形成できる。
そのため、例えば図柄がデザインされた布手袋を用いるとともに、当該布手袋の略全面をかかるコーティング膜で被覆することにより、高い意匠性を有する上、柔軟性に優れ使用者が作業しやすく、しかも水作業にも適した透明ゴムコート手袋を形成できる。
すなわちコーティング膜が透明なほど、布手袋に施した図柄が鮮明に見えるため意匠性が向上する。またコーティング膜の柔軟性が高いほど、透明ゴムコート手袋の柔軟性が増し、使用者が作業しやすくなる。
しかも水系PUエマルション、およびNBRラテックスはいずれも水系材料であるため、透明ゴムコート手袋の製造現場での、環境に対する負荷を小さくできる。
なお特許文献3には、手袋等を形成するポリマーフィルムの材料として、ポリウレタンとニトリルゴムが例示されているが、これらは、その他のポリマやゴムとともに並列的に例示されているうちの2つに過ぎない。
例示の種々のポリマやゴムの中からポリウレタンとニトリルゴムの2種を選択すること、ポリウレタンを水系PUエマルション、ニトリルゴムをラテックスの状態とし、この両者を所定の質量比で配合してラテックス配合物を調製し、布手袋に浸漬加工してコーティング膜を形成すること、それにより透明で、しかも柔軟性に優れたコーティング膜を有する透明ゴムコート手袋を形成できること等について、特許文献3には一切記載されていない。
また本発明によれば、凝固剤として硝酸カルシウムのメタノール溶液を用いることにより、当該凝固剤として硝酸カルシウムの水溶液やエタノール溶液を用いる場合に比べて、ラテックス配合物の成膜性を高めることができる。
すなわち硝酸カルシウムのメタノール溶液は、メタノールが、水やエタノールよりも蒸発速度が速いため、布手袋内への浸透が少なく、当該布手袋の表面に、硝酸カルシウムをできるだけ均一に付着させることができる。
そのため布手袋の表面に均一に付着させた硝酸カルシウムの機能により、ラテックス配合物の成膜性を高めることができ、成膜性を高めることにより、コーティング膜を均一化して透明性をより一層向上できる。
本発明によれば、意匠性が高く、環境に対する負荷が小さく、かつ柔軟性に優れ使用者が作業しやすい上、水作業にも適した透明ゴムコート手袋、およびその製造方法を提供できる。
以下に、本発明の透明ゴムコート手袋とその製造方法について具体的に説明する。
本発明では、コーティング膜の透明性と柔軟性を確保するため、ラテックス配合物として、
(A) 水系PUエマルション、および
(B) NBRラテックス
の混合物を用いる。
コーティング膜が透明なほど、布手袋に施した図柄が鮮明に見えるため意匠性が向上する。またコーティング膜の柔軟性が高いほど、透明ゴムコート手袋の柔軟性が増し、使用者が作業しやすくなる。
水系PUエマルションとNBRラテックスは、いずれも単独で凝固、乾燥後に透明なコーティング膜を形成する。またいずれも水系材料のため、透明ゴムコート手袋の製造現場での、環境に対する負荷を小さくできる。
本発明において両者を併用する理由は、下記のとおりである。
すなわち水系PUエマルションのみでコーティング膜を形成した場合、先に説明したように透明ゴムコート手袋の柔軟性が低下して、使用者が作業しにくいという問題を生じ、一方、NBRラテックスのみでコーティング膜を形成した場合には、当該コーティング膜の透明性が低下する。
これに対し、両者を併用することで、コーティング膜の柔軟性と透明度の両方を確保できる。すなわち布手袋の表面に、透明性に優れる上、柔軟性にも優れたコーティング膜を形成できる。
そのため、図柄がデザインされた布手袋を用いるとともに、当該布手袋の略全面をかかるコーティング膜で被覆することにより、高い意匠性を有する上、柔軟性に優れ使用者が作業しやすく、しかも水作業にも適した透明ゴムコート手袋を形成できる。
つまりコーティング膜が透明なほど、布手袋に施した図柄が鮮明に見えるため意匠性が向上する。またコーティング膜の柔軟性が高いほど、透明ゴムコート手袋の柔軟性が増し、使用者が作業しやすくなる。
しかも水系PUエマルション、およびNBRラテックスは、いずれも水系材料であるため、透明ゴムコート手袋の製造現場での、環境に対する負荷を小さくできる。
水系PUエマルションA、およびNBRラテックスBの、固形分換算の質量比A:Bは、A:B=70:30〜30:70である必要があり、中でも70:30〜45:55、特に70:30〜60:40であるのが好ましい。
質量比A:Bをかかる範囲とすることにより、コーティング膜の良好な柔軟性を維持しながら、その透明性をさらに向上できる。したがって、より一層意匠性に優れる上、柔軟性に優れ使用者が作業しやすい透明ゴムコート手袋を形成できる。
水系PUエマルションとしては、例えばソフトセグメントがポリエーテル構造、ポリカーボネート構造、またはポリエステル構造等で、かつ親水性基を有する種々のポリウレタンまたはその前駆体の、水系のエマルションがいずれも使用可能である。ただし透明ゴムコート手袋を水作業に使用する場合は、このうちソフトセグメントがポリエーテル構造、またはポリカーボネート構造である水系PUエマルションが好ましい。
NBRラテックスとしては、少なくともアクリロニトリルとブタジエンの2種の単量体を、例えば乳化重合法によって重合させる等して得られ、分散媒としての水中にNBRの微細粒子が分散した状態を呈するラテックスが使用可能である。NBRラテックスは、例えばNBRのニトリル含量が40〜45%であるもの、35〜40%であるもの、30〜35%であるもの等に分類されるが、このいずれも使用可能である。
NBRラテックスとしては、アクリロニトリル・ブタジエン二元共重合ゴムが挙げられる他、第3の単量体としてメタクリル酸やアクリル酸を加えて合成され、分子中にカルボキシル基を有するカルボキシル化ニトリルゴム(XNBR)のラテックスも使用可能である。またNBRを水素化した水素化NBR(HNBR)のラテックス、あるいは第3の単量体としてイソプレンを加えて合成されたアクリロニトリル・ブタジエン・イソプレンゴム(NBIR)も使用可能である。
ラテックス配合物には、NBRを加硫させるための加硫剤、その他添加剤を配合できる。
加硫剤としては硫黄や有機含硫黄化合物等が挙げられる。加硫剤の配合割合は、ラテックス配合物中の固形分の総量(A+B)100質量部あたり0.5質量部以上、3質量部以下であるのが好ましい。
その他の添加剤としては、例えば加硫促進剤、加硫促進助剤、安定化剤、pH調整剤、増粘剤、消泡剤等の各種添加剤を配合してもよい。
このうち加硫促進剤としては、例えばPX(N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛)、PZ(ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛)、EZ(ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛)、BZ(ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛)、MZ(2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩)、TT(テトラメチルチウラムジスルフィド)等の1種または2種以上が挙げられる。
加硫促進剤の配合割合は、ラテックス配合物中の固形分の総量100質量部あたり0.5質量部以上、3質量部以下であるのが好ましい。
加硫促進助剤としては、例えば亜鉛華(酸化亜鉛)、および/またはステアリン酸等が挙げられる。加硫促進助剤の配合割合は、ラテックス配合物中の固形分の総量100質量部あたり0.5質量部以上、3質量部以下であるのが好ましい。
安定化剤としては、例えばアンモニアカゼイン等が挙げられる。安定化剤の配合割合は、ラテックス配合物中の固形分の総量100質量部あたり0.05質量部以上、0.2質量部以下であるのが好ましい。
pH調整剤としては、例えば水酸化カリウム等が挙げられる。pH調整剤の配合割合は、ラテックス配合物のpHを、NBRの分散に適したpHとするために必要な任意量に設定すればよいが、ラテックス配合物中の固形分の総量100質量部あたり0.05質量部以上、0.2質量部以下であるのが好ましい。
充填剤を配合してもよい。充填剤としては、例えばカオリンクレー、ハードクレー、炭酸カルシウム、酸化チタン等の1種または2種以上が挙げられる。ただしコーティング膜の透明性を確保することを考慮すると、充填剤は配合しないか、配合するにしてもごく微量とするのが好ましい。
本発明の透明ゴムコート手袋は、浸漬法によって製造する。すなわち図柄を施した布手袋を手型(多くは陶器製)に装着し、これを所定の濃度に調整した凝固剤に浸漬したのち引き上げて所定時間乾燥させ、次いで水系PUエマルジョンとNBRラテックスの混合物であるラテックス配合物に浸漬する。
そして一定時間浸漬した後に手型を引き上げ、90〜120℃で乾燥させてラテックス配合物を乾燥固化させるとともにNBRを加硫させて、布手袋の略全面をコーティング膜で被覆したのち、手型から脱型させて透明ゴムコート手袋を製造する。
なお「略全面」とは、布手袋の表面の全面をコーティング膜で被覆する場合の他、例えば布手袋の袖口等の、水作業に影響のない部分はコーティング膜で被覆しない場合をも含むこととする。本発明によれば、当該「略全面」をコーティング膜で被覆することによって水作業に適した透明ゴムコート手袋を形成できる。
凝固剤としては、通常の硝酸カルシウム水溶液に代えて、硝酸カルシウムメタノール溶液を用いる。
硝酸カルシウムメタノール溶液を用いることによって、水系PUエマルジョンとNBRラテックスの混合物であるラテックス配合物の成膜性が向上する。
すなわち硝酸カルシウムのメタノール溶液は、メタノールが、水やエタノールよりも蒸発速度が速いため、布手袋内への浸透が少なく、当該布手袋の表面に、硝酸カルシウムをできるだけ均一に付着させることができる。
そのため布手袋の表面に均一に付着させた硝酸カルシウムの機能により、ラテックス配合物の成膜性を高めることができ、成膜性を高めることにより、コーティング膜を均一化して透明性をより一層向上できる。
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〈実施例1〉
(ラテックス配合物の調製)
水系PUエマルジョン〔DIC(株)製のハイドラン(登録商標)WLS210、固形分濃度:35質量%〕Aと、NBRラテックス〔XNBR、シントマー(Synthomer)社製のシントマーX6617、固形分濃度:45質量%〕Bとを、固形分換算の質量比A:Bが70:30となるように配合した。
次いでこの混合物に、当該混合物中の固形分の総量(A+B)100質量部あたり、アンモニアカゼイン0.1質量部、水酸化カリウム0.1質量部、硫黄0.3質量部、酸化亜鉛0.3質量部、およびジブチルカルバミン酸亜鉛0.3部を配合し、2日間熟成させてラテックス配合物を調製した。
(透明ゴムコート手袋の製造)
図柄を施した布手袋を陶器製の手型に装着し、凝固剤としての、硝酸カルシウムの20%メタノール溶液に浸漬したのち引き上げて、布手袋が吸収した余分な凝固液をドリップし、さらに乾燥させた。
次いでこれを、先に調製したラテックス配合物に10秒間浸漬したのち引き上げ、100℃のオーブン中で40分間加熱してラテックス配合物を乾燥固化させるとともにNBRを加硫させたのち、冷却し、脱型して透明ゴムコート手袋を製造した。
〈実施例2〉
水系PUエマルジョンAとNBRラテックスBとを、固形分換算の質量比A:Bが55:45となるように配合したこと以外は実施例1と同様にしてラテックス配合物を調製し、透明ゴムコート手袋を製造した。
〈実施例3〉
水系PUエマルジョンAとNBRラテックスBとを、固形分換算の質量比A:Bが45:55となるように配合したこと以外は実施例1と同様にしてラテックス配合物を調製し、透明ゴムコート手袋を製造した。
〈実施例4〉
水系PUエマルジョンAとNBRラテックスBとを、固形分換算の質量比A:Bが30:70となるように配合したこと以外は実施例1と同様にしてラテックス配合物を調製し、透明ゴムコート手袋を製造した。
〈比較例1〉
凝固剤として、硝酸カルシウムの20%水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして透明ゴムコート手袋を製造した。
〈比較例2〉
凝固液として、硝酸カルシウムの20%エタノール溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして透明ゴムコート手袋を製造した。
〈比較例3〉
水系PUエマルジョンAとNBRラテックスBとを、固形分換算の質量比A:Bが80:20となるように配合したこと以外は実施例1と同様にしてラテックス配合物を調製し、透明ゴムコート手袋を製造した。
〈比較例4〉
水系PUエマルジョンAとNBRラテックスBとを、固形分換算の質量比A:Bが20:80となるように配合したこと以外は実施例1と同様にしてラテックス配合物を調製し、透明ゴムコート手袋を製造した。
〈比較例5〉
凝固剤として、硝酸カルシウムの20%水溶液を用いたこと以外は比較例1と同様にして透明ゴムコート手袋を製造した。
〈比較例6〉
水系PUエマルションのみを、ラテックス配合物に代えて使用したこと以外は実施例1と同様にして透明ゴムコート手袋を製造した。
〈比較例7〉
NBRラテックスに、当該NBRラテックス中の固形分100質量部あたり、アンモニアカゼイン0.1質量部、水酸化カリウム0.1質量部、硫黄0.3質量部、酸化亜鉛0.3質量部、およびジブチルカルバミン酸亜鉛0.3部を配合したのち2日間熟成させて調製したラテックス配合物を使用したこと以外は実施例1と同様にして透明ゴムコート手袋を製造した。
〈コーティング膜の透明性評価〉
実施例、比較例で製造した透明ゴムコート手袋について、布手袋に施した図柄の見え方により、コーティング膜の透明性を下記の5段階で評価した。
レベル5:図柄の形や細い線がはっきり識別できる。非常に透明。
レベル4:図柄の形ははっきりと識別できる。細い線はおおよそ識別できる。透明。
レベル3:図柄の形、細い線ともにおおよそ識別できる。まずまず透明。
レベル2:図柄の形はおおよそ識別できるが、細い線は識別できない。やや不透明。
レベル1:図柄の形があいまいにしか識別できない。不透明。
〈透明ゴムコート手袋の柔軟性評価〉
実施例、比較例で製造した透明ゴムコート手袋を装着し、その柔軟性を、下記の5段階で評価した。
レベル5:非常に柔軟。
レベル4:柔軟。
レベル3:ふつう。
レベル2:やや硬い。
レベル1:硬い。
〈成膜性評価〉
実施例、比較例で製造した透明ゴムコート手袋を裏返して、目視と手触りにより、ラテックス配合物が過剰に浸透して布手袋の内側にもコーティング膜が形成されたか否かを下記の3段階で評価した。
レベル3:布手袋の内側にはコーティング膜は全く形成されていないし、手で触ってもコーティング膜は感じられない。とても良い。
レベル2:布手袋の内側の一部にコーティング膜が形成されているのが見られたが、手で触ってもコーティング膜はあまり感じられない。良い。
レベル1:布手袋の内側の一部にコーティング膜が形成されているのが見られ、手で触るとコーティング膜が感じられた。不良。
以上の結果を表1、表2に示す。なお表中、凝固剤の欄の符号はM:硝酸カルシウムのメタノール溶液、E:硝酸カルシウムのエタノール溶液、W:硝酸カルシウムの水溶液を示す。
Figure 2015028224
Figure 2015028224
表1、表2の実施例、比較例の結果から、水系PUエマルションとNBRラテックスとを、固形分換算の質量比A:B=70:30〜30:70の割合で配合したラテックス配合物を用いることにより、透明性と柔軟性とを兼ね備えた透明ゴムコート手袋を形成できることが判った。
また、特に実施例1〜4の結果から、ラテックス配合物は、水系PUエマルションAとNBRラテックスBの、固形分換算の質量比A:B=70:30〜45:55の混合物、特に70:30〜60:40の混合物であるのが好ましいことが判った。
さらに実施例1、比較例1、2の結果から、ラテックス配合物の成膜性を向上するためには、凝固剤として、硝酸カルシウムの水溶液やエタノール溶液ではなく、メタノール溶液を用いる必要があることが判った。

Claims (2)

  1. 布手袋にラテックス配合物を浸漬加工して形成されたコーティング膜を有する透明ゴムコート手袋であって、前記ラテックス配合物は、
    (A) 水系ポリウレタンエマルション、および
    (B) アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴムラテックス
    の、固形分換算の質量比A:B=70:30〜30:70の混合物であり、凝固剤として硝酸カルシウムのメタノール溶液を含浸させた布手袋に、前記ラテックス配合物を浸漬加工して製造されたことを特徴とする透明ゴムコート手袋。
  2. 前記請求項1に記載の透明ゴムコート手袋の製造方法であって、布手袋に凝固剤を含浸させる工程、および前記凝固剤を含浸させた布手袋に、前記ラテックス配合物を浸漬加工する工程を含み、前記凝固剤として、硝酸カルシウムのメタノール溶液を用いることを特徴とする透明ゴムコート手袋の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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