JP2018145581A - 手袋の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
手袋本体1は、繊維を手袋状に編成したものである。この手袋本体1は、着用者の手本体を覆うよう袋状に形成された本体部と、着用者の指を覆うよう上記本体部から延設された延設部と、着用者の手首を覆うよう上記本体部から上記延設部とは反対方向に延設された筒状の裾部とを有する。上記延設部は、着用者の第一指(親指)、第二指(人差指)、第三指(中指)、第四指(薬指)及び第五指(小指)をそれぞれ覆う第一指部、第二指部、第三指部、第四指部及び第五指部を有している。この第一指部から第五指部は、指先部が閉塞された筒状に形成されている。また、上記裾部は、着用者が手を挿入可能な開口部を有している。
被覆層2は、ニトリルブタジエンゴムを主成分とする。また、被覆層2は、ニトリルブタジエンゴムとポリカルボジイミドとの架橋体及び酸化亜鉛を含む。
ニトリルブタジエンゴムは、アクリロニトリル及びブタジエンを単量体として共重合して形成される。
ポリカルボジイミドとは、1分子中に複数のカルボジイミド基を有する化合物である。このようなポリカルボジイミドとしては、有機ジイソシアネート化合物の脱二酸化炭素を伴う縮合反応によって合成された多量体を用いることができる。上記有機ジイソシアネート化合物としては、例えば芳香族ジイソシアネート化合物、脂肪族ジイソシアネート化合物、脂環族ジイソシアネート化合物及びこれらの混合物が挙げられる。具体的には、トルエン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネート、トルエン−2,4−ジイソシアネートとトルエン−2,6−ジイソシアネートとの混合物、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、ジシクロヘキシル−メタン−4,4′−ジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、1,6−ヘキシルジイソシアネート、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、ノルボルニルジイソシアネート等が挙げられる。中でも、ジシクロヘキシル−メタン−4,4′−ジイソシアネート及び3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネートが好ましい。
酸化亜鉛は、ニトリルブタジエンゴムの極性基と相互作用し、ラテックス原料に浸漬後の被覆層2の成膜性を向上させる。しかし、酸化亜鉛単体での成膜性向上効果は比較的低く、浸漬後に乾燥させて被覆層2を形成する際、水分の蒸発により体積が減少することにより発生する被覆層2の収縮による張力に耐えきれず、被覆層2にクラックが発生する場合がある。これに対し、当該手袋では、ポリカルボジイミド及び酸化亜鉛を含有させることで成膜向上効果を高めているので、被覆層2にクラックが発生し難い。
当該手袋は、手袋本体1の外面に浸漬加工により被覆層2を形成することで製造できる。具体的には、当該手袋は、例えば凝固剤溶液への浸漬工程と、ラテックス原料への浸漬工程と、乾燥工程とを備える手袋の製造方法により製造することができる。以下に各工程について説明する。
凝固剤溶液への浸漬工程では、用意された手袋本体1を手袋成形用手型に被せ、この手型を凝固剤溶液に浸漬し、引き上げた後、溶媒を揮発させる。
ラテックス原料への浸漬工程では、上記凝固剤溶液への浸漬工程後の手袋本体1に覆われた手型をラテックス原料へ浸漬し、引き上げる。
乾燥工程では、ラテックス原料への浸漬工程後の手袋本体1に覆われた手型を乾燥させる。具体的には、ラテックス原料への浸漬により形成された被膜の水分を蒸発させた後、架橋反応を促進させ、被覆層2を形成する。この乾燥工程は、例えば公知のオーブンを用いて行うことができる。
当該手袋は、被覆層2が酸化亜鉛及びニトリルブタジエンゴムとポリカルボジイミドとの架橋体を含み、上記ポリカルボジイミドの上記ニトリルブタジエンゴムに対する質量比を0.002以上とするので、ニトリルブタジエンゴム及びポリカルボジイミドの架橋により当該手袋は被覆層2のクラックが発生し難い。従って、当該手袋は、外観に優れると共に、被覆層2に亀裂が発生し難くなり、耐久性、耐油性、及び耐薬品性に優れる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
13ゲージ手袋編機(株式会社島精機製作所製「N−SFG」)を用いて、280dのウーリーナイロン(70dの双糸を2本)を使用してシームレス編み手袋本体を作成した。また、表1に示す硝酸カルシウム濃度となる凝固剤溶液、及び表1に示す固形分となるようにポリカルボジイミド(日清紡ケミカル社製の「CARBODILITE E−02」、カルボジイミド当量445)及び酸化亜鉛(正同化学工業社製の「酸化亜鉛2種」)を配合したニトリルブタジエンゴム(NBR)ラテックス(日本ゼオン社製の「Nipol LX550L」)を主成分とするラテックス原料を準備した。なお、ラテックス原料中の固形分が36%となるようにイオン交換水で希釈して調整した。
表1に示す硝酸カルシウム濃度となる凝固剤溶液、及び表1に示す固形分となるようにポリカルボジイミド及び酸化亜鉛を配合したラテックス原料を用いた以外は、実施例1の手袋と同様にして実施例2〜11及び比較例1、2の手袋を得た。なお、ラテックス原料中の固形分は実施例1と同じ36%となるようにイオン交換水で希釈して調整した。
準備したラテックス原料の安定性と、水分の蒸発後及び架橋促進後の手袋の被膜状態と、手袋の柔軟性、被覆層の手袋本体への浸透及び剥離とを目視にて評価した。各々の評価基準を以下に示す。また、評価結果を表1に示す。
A:35℃で1週間保管後、液面が波打たない程度に撹拌しても凝集物は発生しない
B:20℃で1週間、静置で保管しても凝集物は発生しないが、35℃で1週間保管後、液面が波打たない程度に撹拌すると微細な凝集物が発生する
C:20℃で1週間、静置で保管後、凝集物が発生している
D:ラテックス原料の配合時に凝集物が発生する
A:クラックがほとんど発生していない
B:クラックがわずかに発生しているものの、実質的にないに等しい
C:クラックが発生しているが、実用上支障がない
D:クラックが非常に多く発生しており、実用上支障がある
なお、この評価基準は、水分蒸発前の状態と比較したクラックの増加数による。
A:クラックがほとんど増加していない
B:クラックがわずかに増加しているものの、実質的に増加していないに等しい
C:クラックが増加している
D:クラックが非常に増加しており、実用上支障がある
なお、この評価基準は、水分蒸発後の状態と比較したクラックの増加数による。
A:柔軟性に優れる
B:柔軟性に比較的優れ、実用上問題はない
C:柔軟性にやや劣り、実用上支障がある
D:柔軟性に劣る
A:被覆層が手袋の本体内面まで浸透していない
D:被覆層が手袋の本体内面まで浸透している
A:被覆層に剥離がほとんど見られない
B:被覆層を強く引っ張ると部分的にわずかな剥離がみられるものの、剥離の範囲は広がらず、実用上問題はない
C:被覆層を強く引っ張ると部分的な剥離がみられ、剥離は少し広がるが、実用上の問題はない。
D:被覆層を引っ張る前から被覆層に大きな剥離が見られ、実用上の支障がある
被覆層が、ニトリルブタジエンゴムとポリカルボジイミドとの架橋体及び酸化亜鉛を含むことでクラックが防止でき、強度が向上することを確認するため、棒状の素焼きの陶器表面に被覆層と同一成分のフィルムを作成し、被覆層単体の強度評価を行った。
棒状の素焼きの陶器を3つ用意した。この3つの陶器を30質量%の硝酸カルシウムを含むメタノール溶液からなる凝固剤溶液に浸漬し、引き上げた後に60℃、1分間、陶器を加温して溶媒を揮発させた。次に、この3つの陶器をそれぞれ表2に示すニトリルブタジエンゴム(NBR)ラテックスを主成分とするラテックス原料に浸漬し、引き上げた後に、3つの陶器それぞれについて水分を40℃、40分間蒸発させ、40℃、80℃、120℃の温度で40分間、架橋反応の促進を行った。このようにして架橋反応温度の異なる3つのフィルムNo.1を得た。なお、表2のラテックス原料において固形分以外は水(64質量%)である。
表2に示すラテックス原料を用いた以外は、No.1と同様にしてNo.2〜4のフィルムをそれぞれ3つずつ得た。
作成したそれぞれのフィルムについて引張強度を測定した。引張強度は、万能試験機オートグラフ(島津製作所製「AGS−J」)を用いて測定した。なお、測定は、JIS3号ダンベルを用いてフィルムから試験片を採取し、採取した試験片を引張速度500mm/min、チャック間60mm、及び標線間隔20mmの条件で行った。結果を図3に示す。
2 被覆層
Claims (5)
- 手袋本体の外面に浸漬加工によって被覆層を形成することで、着用者の手を覆う繊維製の手袋本体と、この手袋本体の掌領域の外面の少なくとも一部を被覆し、ニトリルブタジエンゴムを主成分とする被覆層とを備える手袋の製造方法であって、
上記被覆層が、上記ニトリルブタジエンゴムとポリカルボジイミドとの架橋体及び酸化亜鉛を含み、
上記ポリカルボジイミドの上記ニトリルブタジエンゴムに対する質量比が0.002以上である手袋の製造方法。 - 上記ポリカルボジイミドの上記ニトリルブタジエンゴムに対する質量比が0.09以下である請求項1に記載の手袋の製造方法。
- 上記ニトリルブタジエンゴム100質量部に対する上記酸化亜鉛の含有量が0.3質量部以上5質量部以下である請求項1又は請求項2に記載の手袋の製造方法。
- 上記ニトリルブタジエンゴムとポリカルボジイミドとの架橋体がカルボキシル基、カルボジイミド基、及びカルボキシル基とカルボジイミド基との反応生成基を有する請求項1、請求項2又は請求項3に記載の手袋の製造方法。
- 上記カルボキシル基及び上記反応生成基の合計に対する上記カルボジイミド基及び上記反応生成基の合計のモル比が0.008以上1以下である請求項4に記載の手袋の製造方法。
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