JP5323968B2 - 手袋 - Google Patents

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Description

本発明は、ゴムまたは樹脂の多孔質膜を含む手袋に関するものである。
一般家庭や工場、医療現場、あるいはスポーツといった様々な場面において人の手肌を保護したり、食中毒や感染症等を防止したり、あるいは取り扱う対象物(半導体や精密機器等)を手肌の皮脂等から保護したりするために、各種の手袋が広く用いられている。
特に、全体がゴムまたは樹脂の皮膜によって一体に形成された手袋は、薄肉で指先の細かい作業等にも適しているため広く利用されている。
前記手袋は、いわゆる浸漬法によって製造するのが一般的である。
例えば全体がゴムの皮膜によって一体に形成された手袋を製造する場合は、まずゴムのラテックスに加硫剤等の各種添加剤を配合して未加硫もしくは前加硫状態の浸漬液を調製する。また、手袋の立体形状に対応した例えば陶器製の型を用意して、その表面を凝固剤(主に硝酸カルシウム水溶液)で処理する。
次いで、前記型を前記浸漬液に一定時間に亘って浸漬したのち引き上げることで、型の表面に浸漬液を付着させる。
そして引き上げた型ごと加熱して浸漬液を乾燥させるとともにゴムを加硫させるか、あるいは一旦乾燥させた後に型ごと加熱してゴムを加硫させたのち脱型することにより、全体がゴムの皮膜によって一体に形成された手袋が製造される。
また、全体が樹脂の皮膜によって一体に形成された手袋は、前記ゴムのラテックスを含む浸漬液に代えて、樹脂のエマルションに各種添加剤を配合して調製した浸漬液を用いること以外は前記と同様にして製造することができる。
ところが、前記ゴムや樹脂の連続した皮膜は透湿性や吸湿性を有さないため、前記手袋を長時間装着していると、汗によって手が蒸れたりべたついたりする、いわゆる蒸れ感を生じるという問題がある。
手袋を、主に連続気孔構造を有する多孔質膜を含む2層以上の積層構造、特に手と接触する最内層を前記多孔質膜とした積層構造として、手から発生した湿気を、前記多孔質膜によって吸収させたり、あるいは前記多孔質膜の通気性によって外部に放出させたりすることで、前記蒸れ感を軽減する方法がある。
浸漬法では、浸漬液を泡立たせることで、形成されるゴムまたは樹脂の皮膜を、主に連続気孔構造を有する多孔質膜とすることができる。
例えば特許文献1では、前記多孔質膜を繊維製手袋と積層して手袋に通気性を付与している。
特開2011−1662号公報
しかし発明者の検討によると、従来の多孔質膜は、その内部に含まれる気泡の総量(気泡総体積)が総じて小さいために吸湿性や通気性が十分でない。
例えば特許文献1等に記載の多孔質膜のように繊維性手袋と積層する多孔質膜は、外部からの水等の侵入を防止する観点から、孔の大きさや数には自ずと制限があるため、その通気性は十分ではない。
そのため、前記多孔質膜を備えた従来の手袋は、いずれもユーザーが期待する蒸れ感の軽減を十分に満足しうるものではないのが現状である。
本発明の目的は、これまでよりも蒸れ感の軽減効果に優れた手袋を提供することにある。
前記課題を解決するため、発明者は、多孔質膜の構造と、前記多孔質膜を備えた手袋の吸湿性、および蒸れ感との関係について鋭意検討した。
その結果、多孔質膜の、気泡総体積の指標としての気泡含有率を20体積%以上、60体積%以下、個々の気泡の大きさを示す平均気泡径を10μm以上、150μm以下、そして連続気孔構造の比率を示す気泡の連通率を30%以上、80%以下に規定することにより、当該多孔質膜を、主に連続気孔構造を有し、しかも気泡総体積が大きく吸湿性に優れたものとして、手袋の蒸れ感を大幅に軽減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、ゴムまたは樹脂の多孔質膜を含む手袋であって、前記多孔質膜は、気泡含有率が20体積%以上、60体積%以下、平均気泡径が10μm以上、150μm以下で、かつ気泡の連通率が30%以上、80%以下であることを特徴とするものである。
本発明において、多孔質膜の単位体積あたりに含まれる気泡の総体積の割合を示す前記気泡含有率が前記範囲に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち気泡含有率が20体積%未満では、多孔質膜中の気泡総体積が不足して吸湿性が不十分となり、手袋の蒸れ感を軽減する効果が得られない。
一方、気泡含有率が60体積%を超える場合には、多孔質膜の、ひいては手袋の強度が低下して、使用時に破れたりしやすくなる。
これに対し、多孔質膜の気泡含有率を20体積%以上、60体積%以下の範囲とすれば多孔質膜、ならびに手袋に適度な強度を付与しながら、当該多孔質膜の気泡総体積をできるだけ大きくし、吸湿性を極力向上して、手袋の蒸れ感を大幅に軽減することが可能となる。
なお、かかる効果をより一層向上して、蒸れ感をより一層軽減することを考慮すると、前記気泡含有率は、前記範囲内でも35体積%以上とするのが好ましい。
また平均気泡径が前記範囲に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち平均気泡径が10μm未満では多孔質膜の気泡総体積を十分に大きくして良好な吸湿性を確保する効果が得られず、150μmを超える場合には、同じ気泡量でも個々の気泡内部の表面積が小さくなるため、吸湿性が低下して、湿気を効率的に吸収できないという問題を生じる。
これに対し、多孔質膜の平均気泡径を10μm以上、150μm以下の範囲とすれば、多孔質膜の気泡総体積を十分に大きくして良好な吸湿性を確保しながら、気泡内部の表面積を増やすことができるため、当該多孔質膜の吸湿性を向上し、湿気をより効率的に吸収できるようにして、手袋の蒸れ感を大幅に軽減することが可能となる。
なお、かかる効果をより一層向上して、手袋の蒸れ感をさらに軽減することを考慮すると、前記平均気泡径は、前記範囲内でも50μm以上とするのが好ましく、70μm以下とするのが好ましい。
さらに、連続気孔構造の比率を示す気泡の連通率が前記範囲に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち気泡の連通率が30%未満では、吸湿に寄与しない独立気孔構造の割合が多くなるため多孔質膜の吸湿性が不十分となり、手袋の蒸れ感を軽減する効果が得られない。
これに対し、多孔質膜の気泡の連通率を30%以上の範囲とすれば、当該多孔質膜の吸湿性を向上し、湿気をより効率的に吸収できるようにして、手袋の蒸れ感を大幅に軽減することが可能となる。
ただし連通率が高すぎる場合には、多孔質膜の、ひいては手袋の強度が低下して、使用時に破れたりしやすくなる。そのため前記連通率は、前記範囲内でも80%以下に限定される。
なお、かかる効果をより一層向上して、手袋の蒸れ感をさらに軽減することを考慮すると、前記連通率は、前記範囲内でも50%以上とするのが好ましい。
また前記多孔質膜の外側には、不透水性でかつ透湿性の薄膜が積層されているのが好ましい。
これにより手袋に、適度な強度や不透水性、良好な吸湿性等を付与することができる。
本発明によれば、これまでよりも蒸れ感の軽減効果に優れた手袋を提供することができる。
本発明は、ゴムまたは樹脂の多孔質膜を含む手袋であって、前記多孔質膜は、気泡含有率が20体積%以上、60体積%以下、平均気泡径が10μm以上、150μm以下で、かつ気泡の連通率が30%以上、80%以下であることを特徴とするものである。
前記多孔質膜の気泡含有率が前記範囲に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち気泡含有率が20体積%未満では、多孔質膜中の気泡総体積が不足して吸湿性が不十分となり、手袋の蒸れ感を軽減する効果が得られない。
一方、気泡含有率が60体積%を超える場合には、多孔質膜の、ひいては手袋の強度が低下して、使用時に破れたりしやすくなる。
これに対し、多孔質膜の気泡含有率を20体積%以上、60体積%以下の範囲とすれば多孔質膜、ならびに手袋に適度な強度を付与しながら、当該多孔質膜の気泡総体積をできるだけ大きくし、吸湿性を極力向上して、手袋の蒸れ感を大幅に軽減することが可能となる。
なお、かかる効果をより一層向上して、蒸れ感をより一層軽減することを考慮すると、前記気泡含有率は、前記範囲内でも35体積%以上とするのが好ましい。
また平均気泡径が前記範囲に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち平均気泡径が10μm未満では多孔質膜の気泡総体積を十分に大きくして良好な吸湿性を確保する効果が得られず、150μmを超える場合には、同じ気泡量でも個々の気泡内部の表面積が小さくなるため、吸湿性が低下して、湿気を効率的に吸収できないという問題を生じる。
これに対し、多孔質膜の平均気泡径を10μm以上、150μm以下の範囲とすれば、多孔質膜の気泡総体積を十分に大きくして良好な吸湿性を確保しながら、気泡内部の表面積を増やすことができるため、当該多孔質膜の吸湿性を向上し、湿気をより効率的に吸収できるようにして、手袋の蒸れ感を大幅に軽減することが可能となる。
なお、かかる効果をより一層向上して、手袋の蒸れ感をさらに軽減することを考慮すると、前記平均気泡径は、前記範囲内でも70μm以下とするのが好ましい。
また、多孔質膜の気泡総体積を十分に大きくして良好な吸湿性を確保することを考慮すると、前記平均気泡径は、前記範囲内でも50μm以上とするのが好ましい。
さらに、連続気孔構造の比率を示す気泡の連通率が前記範囲に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち気泡の連通率が30%未満では、吸湿に寄与しない独立気孔構造の割合が多くなるため多孔質膜の吸湿性が不十分となり、手袋の蒸れ感を軽減する効果が得られない。
これに対し、多孔質膜の気泡の連通率を30%以上の範囲とすれば、当該多孔質膜の吸湿性を向上し、湿気をより効率的に吸収できるようにして、手袋の蒸れ感を大幅に軽減することが可能となる。
ただし連通率が高すぎる場合には、多孔質膜の、ひいては手袋の強度が低下して、使用時に破れたりしやすくなる。そのため前記連通率は、前記範囲内でも80%以下に限定される。
なお、かかる効果をより一層向上して、手袋の蒸れ感をさらに軽減することを考慮すると、前記連通率は、前記範囲内でも50%以上とするのが好ましい。
なお本発明では、前記気泡含有率、平均気泡径、および気泡の連通率を、それぞれ下記の方法で測定した値でもって表すこととする。測定は、いずれも23±1℃の環境下で実施するものとする。
〈気泡含有率〉
多孔質膜を含む手袋から所定の面積の試験片を切り取り、デジタルマイクロスコープを用いて断面の顕微鏡写真を撮影する。そして撮影した顕微鏡写真から多孔質膜、および薄膜の厚みを測定し、前記厚みと試験片の面積とから、前記多孔質膜、および薄膜の体積を求める。
また前記薄膜の体積と、当該薄膜を形成する材料の真比重とから薄膜の質量を求める。
次に、電子天秤を用いて試験片の質量を測定し、前記質量から先に求めた薄膜の質量を差し引いて、多孔質膜の質量を求める。
そして前記体積と質量とから、多孔質膜の見かけの比重を算出し、当該見かけの比重と、多孔質膜を形成する材料の真比重とから、前記多孔質膜の気泡総体積の指標としての気泡含有率(体積%)を算出する。
〈平均気泡径〉
多孔質膜を含む手袋から試験片を切り取り、デジタルマイクロスコープを用いて断面の顕微鏡写真を撮影する。そして撮影した顕微鏡写真から任意で50個の気泡を選び、それぞれの気泡の直径を2点間距離測定モードによって測定して、その平均値を平均気泡径(μm)として算出する。
〈気泡の連通率〉
多孔質膜を含む手袋から所定の面積の試験片を切り取り、デジタルマイクロスコープを用いて断面の顕微鏡写真を撮影する。そして撮影した顕微鏡写真から多孔質膜の厚みを測定し、前記厚みと試験片の面積とから、前記多孔質膜の体積を求める。
次に前記試験片の質量を測定した後、メタノールに浸漬して多孔質膜中に吸収させる。そして試験片をメタノール中から取り出し、ペーパータオルで表面を拭った後に再び質量を測定して、浸漬前後の質量の増加分をメタノールの吸収質量とする。
次に前記吸収質量とメタノールの比重とから、多孔質膜が吸収したメタノールの体積を求めて連続気孔構造の体積と規定し、かかる体積と、先に測定した多孔質膜の体積とから、前記多孔質膜の単位体積あたりの、連続気孔構造の含有率(体積%)を求める。
そして前記連続気孔構造の含有率(体積%)の、先に求めた気泡含有率、すなわち単位体積あたりの全ての気泡の含有率(体積%)に対する百分率を求めて、気泡の連通率(%)とする。
前記多孔質膜は、従来の皮膜と同様に、浸漬法によって、ゴムのラテックスを含む浸漬液を型の表面に付着させて手袋の形状に成膜するとともにゴムを加硫させるか、あるいは樹脂のエマルションを含む浸漬液を型の表面に付着させて手袋の形状に成膜するとともに樹脂を固化または硬化させることによって形成することができる。
この際、型の表面に付着させる前の浸漬液を、あらかじめかく拌したり空気等を吹き込んだりして泡立たせておくことにより、多孔質膜が形成される。
多孔質膜の気泡含有率、平均気泡径、および気泡の連通率をそれぞれ前記範囲内とするためには、例えば浸漬液を泡立たせる条件や浸漬液の組成、型を浸漬して浸漬液を型表面に付着させる際の浸漬条件、あるいは浸漬液を型表面に付着させた後の乾燥、加硫、固化、硬化の条件等を任意に、かつ個別に調整すればよい。
ゴムを含む浸漬液は、従来同様に、ゴムのラテックスに加硫剤等の各種添加剤を配合して調製される。
前記ゴムとしては天然ゴム、および合成ゴムの中からラテックス化が可能な種々のゴムがいずれも使用可能であり、かかるゴムとしては、例えば天然ゴム、脱蛋白天然ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)等の1種または2種以上が挙げられる。
前記ゴムを加硫させる加硫剤としては硫黄や有機含硫黄化合物等が挙げられる。前記加硫剤の配合割合は、ゴムラテックス中の固形分(ゴム分)100質量部あたり0.5質量部以上、3質量部以下であるのが好ましい。
前記ゴムおよび加硫剤を含む浸漬液中には、さらに加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤、充填剤、分散剤、安定剤、発泡剤等の各種添加剤を配合してもよい。
このうち加硫促進剤としては、例えばPX(N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛)、PZ(ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛)、EZ(ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛)、BZ(ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛)、MZ(2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩)、TT(テトラメチルチウラムジスルフィド)等の1種または2種以上が挙げられる。
前記加硫促進剤の配合割合は、ゴムラテックス中のゴム分100質量部あたり0.5質量部以上、3質量部以下であるのが好ましい。
加硫促進助剤としては、例えば亜鉛華(酸化亜鉛)、および/またはステアリン酸等が挙げられる。前記加硫促進助剤の配合割合は、ゴムラテックス中のゴム分100質量部あたり0.5質量部以上、3質量部以下であるのが好ましい。
老化防止剤としては、一般に非汚染性のフェノール類が好適に用いられるが、アミン類を使用してもよい。前記老化防止剤の配合割合は、ゴムラテックス中のゴム分100質量部あたり0.5質量部以上、3質量部以下であるのが好ましい。
充填剤としては、例えばカオリンクレー、ハードクレー、炭酸カルシウム等の1種または2種以上が挙げられる。前記充填剤の配合割合は、ゴムラテックス中のゴム分100質量部あたり10質量部以下であるのが好ましい。
分散剤は、前記各種添加剤をゴムラテックス中に良好に分散させるために配合されるものであり、前記分散剤としては、例えば陰イオン系界面活性剤等の1種または2種以上が挙げられる。前記分散剤の配合割合は、分散対象である成分の総量の0.3質量部以上、1質量部以下であるのが好ましい。
安定剤は、前記のように浸漬液を泡立たせる際に、前記泡立ちを助けるためのものであり、前記安定剤としては、例えば界面活性剤等の、浸漬液の起泡を助ける機能を有する種々の安定剤が使用可能である。前記安定剤は省略しても良いが、配合する場合は、形成する多孔質膜の気泡含有率、平均気泡径、および気泡の連通率に応じて、その配合割合を適宜設定すればよい。
樹脂を含む浸漬液は、従来同様に、樹脂のエマルションに各種添加剤を配合して調製される。
前記樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂等の、エマルション化が可能な樹脂の1種または2種以上が挙げられる。
このうちウレタン系樹脂や硬化性アクリル系樹脂等の熱硬化性樹脂によって多孔質膜を形成する場合は、前記浸漬法によって浸漬液を型の表面に付着させ、次いで一旦乾燥させた後に必要に応じて型ごと加熱して樹脂を硬化反応させるか、あるいは型ごと加熱して浸漬液を乾燥させるのと同時に樹脂を硬化反応させればよい。
また、塩化ビニル系樹脂や熱可塑性のアクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂によって多孔質膜を形成する場合は、型ごと浸漬液を乾燥させて樹脂を固化させればよい。また、型ごと加熱して浸漬液を乾燥させ、次いで冷却して樹脂を固化させてもよい。
前記樹脂を含む浸漬液中には、さらに老化防止剤、充填剤、分散剤、安定剤、発泡剤等の各種添加剤を配合してもよい。
このうち老化防止剤としては、先に例示した非汚染性のフェノール類やアミン類等の1種または2種以上が挙げられる。前記老化防止剤の配合割合は、樹脂エマルション中の固形分(樹脂分)100質量部あたり0.5質量部以上、3質量部以下であるのが好ましい。
充填剤としては、前記例示の充填剤の1種または2種以上が挙げられる。前記充填剤の配合割合は、樹脂エマルション中の樹脂分100質量部あたり10質量部以下であるのが好ましい。
分散剤としては、前記例示の陰イオン系界面活性剤等の1種または2種以上が挙げられる。前記分散剤の配合割合は、分散対象である成分の総量の0.3質量部以上、1質量部以下であるのが好ましい。
安定剤としては、前記のように界面活性剤等の、浸漬液の泡立ちを助ける機能を有する種々の安定剤が使用可能である。前記安定剤は省略しても良いが、配合する場合は、形成する多孔質膜の気泡含有率、平均気泡径、および気泡の連通率に応じて、その配合割合を適宜設定すればよい。
また樹脂がウレタン系樹脂等の熱硬化性樹脂である場合は、さらに当該樹脂の架橋剤、硬化剤等を、前記浸漬液中に、適宜の割合で配合してもよい。
本発明の手袋は、前記多孔質膜のみを有する単層構造であってもよいが、前記手袋に適度な強度や不透水性等を付与するために、他の層との2層以上の積層構造に形成するのが好ましい。
積層構造を有する手袋において、多孔質膜の厚みは、前記手袋に適度な強度と良好な吸湿性とを付与しながら、なおかつその全体をできるだけ薄肉化して指先の細かい作業等に適用できるようにすることを考慮すると0.07mm以上、特に0.1mm以上であるのが好ましく、2.0mm以下、中でも1.5mm以下、特に1.0mm以下であるのが好ましい。
前記多孔質膜とともに積層構造を有する手袋を構成する他の層は種々の構造、材料によって形成することができるが、特に薄肉で指先の細かい作業等に適した手袋を構成することを考慮すると、例えばポリウレタン、シリコーンゴム、セルロースアセテート、エチルセルロース、およびポリビニルアルコールからなる群より選ばれた少なくとも1種のポリマ、または前記ポリマと、前記多孔質膜のもとになるゴムまたは樹脂との混合物等からなる薄膜が好ましい。
特に、薄膜に良好な不透水性と透湿性とを付与することを考慮すると、前記薄膜はポリウレタン、または前記ポリウレタンと、前記多孔質膜のもとになるゴムまたは樹脂との混合物によって形成するのが好ましい。
前記薄膜は不透水性でかつ透湿性を有しており、当該薄膜を手袋の外側、多孔質膜を手袋の内側に設けることで、外部から手袋内への水の侵入を確実に防止しながら、多孔質膜で吸湿した湿気を効果的に手袋外へ逃がすことができ、手袋の蒸れ感をより一層大幅に軽減することができる。
前記薄膜の厚みは5μm以上、特に10μm以上であるのが好ましく、200μm以下、中でも100μm以下、特に50μm以下であるのが好ましい。
厚みが前記範囲未満では、多孔質膜の片面に、良好な不透水性を有する連続した薄膜を形成できないため、外部から水が侵入するのを確実に防止できないおそれがある。
一方、厚みが前記範囲を超える場合には、薄膜に十分な透湿性を付与できないため、手袋を長時間装着した際に汗によって手が蒸れたりべたついたりしやすくなるおそれがある。
さらに前記薄膜は、良好な不透水性を確保するために、非多孔質膜であるのが好ましい。
前記薄膜は、そのもとになる、前記ポリマ等を含む塗布液を調製し、前記塗布液を、例えば浸漬法、スプレー法等の任意の塗布方法によって、先に形成した多孔質膜の表面に塗布したのち乾燥させることによって形成できる。
また、前記ポリマがポリウレタンやシリコーンゴム等の架橋性のポリマである場合、前記浸漬液中には、当該ポリマの架橋剤、硬化剤等を、適宜の割合で配合しておき、前記乾燥と同時に、あるいは乾燥後に加熱する等してポリマを架橋反応させればよい。
また前記薄膜は、例えば浸漬法によって、多孔質膜と一体に形成することもできる。
例えば、凝固剤で処理したのちラテックスフォームに浸漬する前の型を、前記薄膜のもとになるポリマ等を含む浸漬液に、一定時間に亘って浸漬したのち引き上げて、型の表面に前記浸漬液を付着させ、次いでラテックスフォームに一定時間に亘って浸漬したのち引き上げて、ラテックスフォームを付着させる。
そして乾燥させるとともにゴムを加硫、もしくは樹脂を硬化反応させるか、あるいは一旦乾燥させた後に型ごと加熱してゴムを加硫、または樹脂を硬化反応させることによって、多孔質膜と薄膜とを一体に形成することができる。なお浸漬の順序は逆であってもよい。
〈実施例1〉
(多孔質膜用の浸漬液の調製)
NBRラテックス〔日本ゼオン(株)製のNIPOL(登録商標)LX550〕に、当該NBRラテックス中のゴム分(乾燥ベース)100質量部あたり、加硫剤としての硫黄1質量部、加硫促進剤BZ(ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛)1質量部、および加硫促進助剤としての亜鉛華2質量部を配合したのちかく拌しながら30℃で48時間前加硫させた。
次いでかく拌器を用いて高速かく拌することで泡立たせて、多孔質膜用の浸漬液を調製した。
(多孔質膜の形成)
型としては、陶器製で手袋の形状に対応するものを用意した。
前記型を、まず25%硝酸カルシウム水溶液に浸漬し、引き上げたのち乾燥させることで、前記型の表面を凝固剤としての硝酸カルシウムによって処理した。
次いで前記型を、液温を25℃に保持した先の多孔質膜用の浸漬液に一定の速度で浸漬し、30秒間保持したのち一定の速度で引き上げることで、前記型の表面に浸漬液を付着させた。
そして引き上げた型ごと100℃に加熱したオーブン中に入れて30分間加熱して浸漬液を乾燥させるとともにゴムを加硫させて、手袋の全体を構成する、NBRからなる単層構造の、厚み0.4mmの多孔質膜を形成した。
(薄膜用の塗布液の調製)
ポリウレタン系の水性コート剤〔DIC(株)製のハイドラン(登録商標)WLS−208〕に、前記水性コート剤中のポリウレタン100質量部あたり4質量部の架橋剤〔DIC(株)製のハイドラン アシスタCS−7〕を配合して、薄膜用の塗布液を調製した。
(手袋の製造)
先に型の表面に形成した多孔質膜の表面に、前記薄膜用の塗布液を、乾燥後の厚みが0.2mmとなるように塗布して乾燥させるとともにポリウレタンを架橋反応させて薄膜を形成したのち脱型して、前記多孔質膜と薄膜の2層構造からなる手袋を製造した。
(多孔質膜の構造)
前記多孔質膜の気泡含有率、平均気泡径、および気泡の連通率を、それぞれ先に説明した方法によって測定したところ、気泡含有率は41体積%、平均気泡径は60μmで、かつ気泡の連通率は65%であった。
〈実施例2〜5、比較例1〜5〉
浸漬液の泡立たせ方、型の浸漬条件、乾燥、加硫条件等を調整したこと以外は実施例1と同様にして、NBRからなり、後述する表1に示す気泡含有率、平均気泡径、および気泡の連通率を有する単層構造の多孔質膜と、ポリウレタンからなる薄膜の2層構造からなる手袋を製造した。
〈官能試験〉
前記実施例1〜5、比較例1〜5で製造した手袋を10名の被験者に装着してもらい、装着10分後の装着感を下記の5段階で評価してもらった。なお比較例4、5は、装着して使用中に破れたため、官能試験は中止した。
A:蒸れは全く感じられなかった。非常に快適。
B:蒸れは殆ど感じられなかった。快適。
C:蒸れが僅かに感じられたものの、実用レベル。
D:蒸れが感じられた。不快。
E:蒸れが強く感じられた。非常に不快。
以上の結果を表1に示す。
Figure 0005323968
表1の比較例1の結果より、多孔質膜の気泡の連通率が30%未満では、吸湿に寄与しない独立気孔構造の割合が多くなるため多孔質膜の吸湿性が不十分となり、手袋の蒸れ感を軽減する効果が得られないことが判った。
また比較例2の結果より、多孔質膜の平均気泡径が150μmを超える場合には、同じ気泡量でも個々の気泡内部の表面積が小さくなるため吸湿性が低下して、やはり手袋の蒸れ感を軽減する効果が得られないことが判った。
また比較例3の結果より、多孔質膜の気泡含有率が20体積%未満では、気泡総体積が不足して吸湿性が不十分となり、手袋の蒸れ感を軽減する効果が得られないことが判った。
また比較例4の結果より、多孔質膜の気泡含有率が60体積%を超える場合には、多孔質膜の、ひいては手袋の強度が低下して、使用時に破れたりしやすくなることが判った。
さらに比較例5の結果より、多孔質膜の気泡の連通率が80%を超える場合には、やはり多孔質膜の、ひいては手袋の強度が低下して、使用時に破れたりしやすくなることが判った。
これに対し実施例1〜5の結果より、多孔質膜の気泡含有率、平均気泡径、および気泡の連通率を、それぞれ規定した範囲内とすることにより、多孔質膜を、主に連続気孔構造を有し、しかも気泡総体積が大きく吸湿性に優れたものとして、手袋の蒸れ感を大幅に軽減できることが判った。
また実施例1〜5の結果より、手袋の蒸れ感をさらに軽減すること等を考慮すると、多孔質膜の気泡含有率は35体積%以上、平均気泡径は70μm以下、気泡の連通率は50%以上であるのが好ましいことが判った。

Claims (5)

  1. ゴムまたは樹脂の多孔質膜を含む手袋であって、前記多孔質膜は、気泡含有率が20体積%以上、60体積%以下、平均気泡径が10μm以上、150μm以下で、かつ気泡の連通率が30%以上、80%以下であることを特徴とする手袋。
  2. 前記多孔質膜は、平均気泡径が50μm以上である請求項1に記載の手袋。
  3. 前記多孔質膜は、気泡含有率が35体積%以上である請求項1または2に記載の手袋。
  4. 前記多孔質膜は、平均気泡径が70μm以下、気泡の連通率が50%以上である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の手袋。
  5. 不透水性でかつ透湿性の薄膜が、前記多孔質膜の外側に積層されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の手袋。
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