JP5773594B2 - 手袋 - Google Patents
手袋 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5773594B2 JP5773594B2 JP2010179277A JP2010179277A JP5773594B2 JP 5773594 B2 JP5773594 B2 JP 5773594B2 JP 2010179277 A JP2010179277 A JP 2010179277A JP 2010179277 A JP2010179277 A JP 2010179277A JP 5773594 B2 JP5773594 B2 JP 5773594B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glove
- coating layer
- holes
- porous
- polyurethane resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A41—WEARING APPAREL
- A41D—OUTERWEAR; PROTECTIVE GARMENTS; ACCESSORIES
- A41D19/00—Gloves
- A41D19/0055—Plastic or rubber gloves
- A41D19/0058—Three-dimensional gloves
- A41D19/0065—Three-dimensional gloves with a textile layer underneath
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A41—WEARING APPAREL
- A41D—OUTERWEAR; PROTECTIVE GARMENTS; ACCESSORIES
- A41D19/00—Gloves
- A41D19/015—Protective gloves
- A41D19/01547—Protective gloves with grip improving means
- A41D19/01558—Protective gloves with grip improving means using a layer of grip improving material
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A41—WEARING APPAREL
- A41D—OUTERWEAR; PROTECTIVE GARMENTS; ACCESSORIES
- A41D31/00—Materials specially adapted for outerwear
- A41D31/04—Materials specially adapted for outerwear characterised by special function or use
- A41D31/14—Air permeable, i.e. capable of being penetrated by gases
- A41D31/145—Air permeable, i.e. capable of being penetrated by gases using layered materials
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J7/00—Chemical treatment or coating of shaped articles made of macromolecular substances
- C08J7/02—Chemical treatment or coating of shaped articles made of macromolecular substances with solvents, e.g. swelling agents
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J2375/00—Characterised by the use of polyureas or polyurethanes; Derivatives of such polymers
- C08J2375/04—Polyurethanes
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Textile Engineering (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Gloves (AREA)
Description
また、ポリウレタン樹脂を使用した手袋では、汗を逃がす機能(透湿性)が高い手袋を得ることができる。例えば、原手表面にポリウレタンのジメチルホルムアミド(DMF)溶液を塗布し、水槽につけて水とDMFを置換し、DMFが抜けた部分が多孔質状となる、いわゆる湿式加工にて製造された手袋が開示されている(特許文献3)。
更に、原手にポリウレタン樹脂を被覆した手袋で、透湿性ポリウレタン樹脂を使用することにより、摩耗に強く、汗を逃がす機能を有する手袋が開示されている(特許文献4)。
また、特許文献3に記載の手袋では、手袋の表面部分の樹脂量が少ないため摩耗に弱く、また、剥離強度が不十分で、粘着テープやシールを取り扱う作業、例えば梱包作業で粘着テープやシールに樹脂が付着して樹脂層が剥離し粘着テープやシールに移行するという問題がある。また、精密製品等に手袋の被覆層の一部が移行して、不具合を起こす場合もある。
また、特許文献4に記載の手袋では、多孔質のポリウレタン樹脂上に無孔質のポリウレタンを被覆しているため、透湿性樹脂を使用しても透湿性に劣るものとなることが避けられない。
方法1:手型に被せた繊維製手袋をポリウレタン樹脂溶液中に浸漬した後引き上げて余分な樹脂溶液を除去し、次いで、ソルビリティーパラメーターが6.0〜10.5の有機溶剤を0.01〜20重量%含有する水又は温水中に浸漬して多孔質状にゲル化する。
方法2:手型に被せた繊維製手袋をソルビリティーパラメーターが6.0〜10.5の有機溶剤を樹脂分100重量部に対し1〜200重量部含有するポリウレタン樹脂溶液中に浸漬した後引き上げて余分な樹脂溶液を除去し、次いで、水又は温水中に浸漬して多孔質状にゲル化する。
また、多孔質被覆層の厚さは7.5〜150μmであることが好ましい。
本発明において、電子顕微鏡で観察する指としては、5指を最も適切に代表する点で中指が適当である。
孔の面積は写真の上からAdobe Illustrator CS4 Ver. 14.00で孔の輪郭を描き、dwg 形式で書き出した後、CADSUPER FX II Vol. 3.13(アンドール株式会社製)にて孔の面積を求めた。
孔の数は、電子顕微鏡において面積が0.785〜78.5μm2 の孔を上記方法にて算出しカウントした。尚、一部が電顕視野内に存在する孔については、電顕視野内の面積が0.785〜78.5μm2 の範囲内にあるものはカウントした。
尚、図2において、斜線付きの孔は面積が0.785〜78.5μm2 の範囲内のものであり、斜線付きでない孔は上記範囲外の孔であることを示す。
天然繊維としては、例えば、綿、羊毛、絹、麻などをが挙げられる。また、合成繊維や再生繊維としては、例えば、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、アクリル系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、レーヨン繊維、ポリノジック繊維、キュプラ繊維、アセテート繊維、トリアセテート繊維、プロミックス繊維、ビニロン繊維、ビニリデン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリベンゾエート繊維、ポリクラール繊維、ポリエチレン繊維、ポリアラミド系繊維、ポリウレタン繊維などが挙げられる。また、ポリウレタンゴム、天然ゴムなどからなるゴム糸を使用することもできる。
シームレス編み原手の場合の編み密度は、手袋の風合い、触感、柔らかさから10ゲージ(以下、「G」とする。)以上が好ましい。より好ましくは13G以上である。10G未満の場合は使用する糸が太くなるので、原手が硬くなり風合い、触感、柔らかさが劣る傾向がある。
一般にシームレス編み原手の場合、編まれた状態では手袋外面側に表目がくるが、この表目に多孔質被覆層を形成しても良く、また、手袋を裏返してから裏目に多孔質被覆層を形成しても良い(例えば、株式会社島精機製作所製N-SFG を使用)。手袋を裏返して使用した方が、手袋外面に横向き編み目である裏目が現れ、この凹凸が滑止めの役割を果たすため好ましい。なお、表目、裏目の定義は『繊維の百科事典、本宮達也ら編、丸善株式会社 平成14年3月25日発行』による。
これらは単独で使用してもよく、また2種以上組み合わせて使用してもよい。更に、樹脂やゴムの性質を向上させるため、加硫剤、加硫促進剤、架橋剤、安定剤、酸化防止剤、フィラー、顔料等、通常使用される添加物を使用してもよい。
これらのうち、ポリウレタン樹脂は、湿式加工により多孔質被覆層を形成することができ、柔軟で、透湿性が高い多孔質被覆層を提供できる点で好ましい。
これらは、ポリウレタン樹脂と水との両方に相容性のある親水性溶媒であるジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N―メチルピロリドン、など既知の溶媒で希釈して使用することができる。これらは単独で、又は2種以上組み合わせて用いられる。
酸化チタンなどの顔料は、手袋を着色したり隠蔽性を出す目的で使用され、その添加量は、ポリウレタン樹脂固形分100 重量部に対して顔料固形分20重量部以下であることが好ましく、より好ましくは10重量部以下である。20重量部を超えると、配合系中での顔料分の沈降や樹脂層の物性低下を引き起こす場合がある。また、手袋も硬くなり風合いが低下する傾向がある。
架橋剤は使用するポリウレタン樹脂に応じて適宜使用され、その添加量は、ポリウレタン樹脂固形分100 重量部に対して架橋剤固形分10重量部以下であることが好ましく、より好ましくは5 重量部以下である。10重量部を超えると架橋効果がそれ以上望めず、また多くの場合、更なる物性向上が望めない上、却って、樹脂の硬化による手袋の風合い低下が著しくなる傾向がある。
界面活性剤の添加量は、使用するポリウレタン樹脂に応じて適宜決定されるが、ポリウレタン樹脂固形分100 重量部に対して5 重量部以下であることが好ましく、より好ましくは3 重量部以下である。5 重量部を超えてもそれ以上の効果は得られず、ポリウレタン樹脂溶液中に泡を噛みやすくなり、製品の見た目が悪くなる上、泡により強度物性が低下する恐れがある。
以下に、多孔質被覆層を具体的に制御する方法を示す。尚、以下の記載において、水には温水が含まれる。
第一の方法は、ポリウレタン樹脂製の手袋を湿式加工にて製造する際に、ポリウレタン樹脂溶液中の親水性溶媒を、水と有機溶剤とからなる混合液(抽出液)に抽出し置換する方法である。水に添加される有機溶剤の量は使用する溶剤によって適宜決定されるが、0.01〜20重量%が好ましい。0.01重量%未満では、置換速度を制御する効果が得られないため目的とする多孔質被覆層が得られず、20重量%を超えると、樹脂溶液中の親水性溶媒の置換が起こりにくくなったり、該親水性溶媒との置換によるポリウレタン樹脂のゲル化がうまく起こらないか、うまく起こったとしても無孔質被覆層となって硬くなってしまい、目的とする多孔質被覆層が形成されない。また、均一な被覆層にならない傾向がある。なお、水と有機溶剤は混合溶液または分散溶液となる。
SP値が10.5以下の有機溶剤としては、例えば、エチルベンゼン(8.7 )、トルエン(8.9 )、キシレン(8.9 )、酢酸エチル(9.0 )、テトラヒドロフラン(9.2 )、メチルエチルケトン(9.3 )、酢酸メチル(9.6 )、メチルセロソルブ(9.9 )などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上組み合わせて使用してもよい。また、多孔質被覆層の構造の制御の妨げない程度で、SP値が10.5以上の溶剤や界面活性剤等の添加剤を一緒に使用してもよい。
また、ポリウレタン樹脂が析出されず、湿式加工で被膜ができる範囲内で、ポリウレタン樹脂溶液中に他の溶剤を混合してもよい。
なお、各記号は各々、ΔE:蒸発エネルギー(kcal/mol)、V:モル体積(cm3/mol) 、ΔH:蒸発エネルギー(kcal/mol)、R:ガス定数、M:グラム分子量(g/mol) 、T:絶対温度(K) 、d:密度(g/cm3) 、CE: 凝集エネルギー(kcal/mol)を表す。
第二の方法は、ポリウレタン樹脂製の手袋を湿式加工にて製造する際に、ポリウレタン樹脂溶液中に主となる親水性溶媒以外の有機溶剤を配合する方法である。配合される有機溶剤の量は必要に応じて適宜決定されるが、樹脂固形分100 重量部に対して1〜200 重量部が好ましく、より好ましくは10〜100 重量部である。有機溶剤が1重量部未満では、置換速度を制御する効果が得られないため目的とする多孔質被覆層の構造が得られず、一方、200 重量部を超えると、ポリウレタン樹脂溶液の安定性が悪くなり、また、得られる多孔質被覆層も置換速度が遅いために無孔質状で硬くなるなど、目的とする多孔質被覆層の構造が得られない傾向がある。
有機溶剤の種類は、使用するポリウレタン樹脂や多孔質被覆層の構造をどのように制御するかによって適宜決定されるが、ソルビリティーパラメーター(SP値)として10.5以下の溶媒であることが好ましく、より好ましくは6.0 〜10.5であり、更に好ましくは8.0 〜10.5である。具体的には、上記した、水中に添加される有機溶剤と同じものでよく、これらは単独で使用してもよく、また、2種以上組み合わせて使用してもよい。また、多孔質被覆層の構造の制御の妨げにならない範囲で、SP値が10.5以上の溶剤や配合物を一緒に使用してもよい。これらの方法により、多孔質構造が制御され、透湿性及び柔軟性に加え耐摩耗性及び剥離強度に優れた多孔質被覆層が形成される。
ポリウレタン樹脂溶液へ原手を装着した手型を浸漬するが、このときの手型の温度は、10〜100 ℃程度であることが好ましい。実際の製造を考えた場合、手型の温度を常に10℃よりも低くするためには冷却設備が必要となり、安定した制御を行うことが難しく、また冷却のための設備も大掛かりとなるため現実的ではない。手型の温度が100 ℃を超える場合には、付着したポリウレタン樹脂溶液の粘度が低下し流動性が大きくなるため、不均一な付着となってしまい、得られる被覆層も不均一なものとなる。より好ましくは、20〜70℃である。
水温が70℃を超えると置換速度が速くなり、ポリウレタン樹脂溶液表面の被覆層形成が速くなる傾向がある。その結果、最表面には緻密な多孔質が形成されるものの、最表面のゲル化が速いために樹脂溶液内部の置換速度は遅くなり、得られる被覆層は一般に多孔質が不均一な荒れた状態となる傾向がある。表面は粘着性(タック)が強く風合いを損ね、また、多孔質が均一でない為、手袋としての耐摩耗性等の強度が劣る傾向がある。
水温が20℃未満では、ポリウレタン溶液中の親水性溶媒と水の置換速度が遅くなり、ポリウレタン樹脂の析出に多くの時間が費やされる傾向があり、効率が悪い。また、置換速度が遅くなることは、析出されたポリウレタン樹脂中に親水性溶媒を残存させてしまう可能性があり、これにより、ポリウレタンの再溶解が起こり多孔質が壊される懸念がある。また、親水性溶媒を残存させてしまった場合は、人体への悪影響が発生する可能性があり好ましくない。
尚、以下の実施例、比較例において、部は特に断らない限り重量部である。また手袋の各種物性は下記の方法により測定又は評価した。
手袋の被覆層の部分を耐水研磨紙(三共理化学(株)製、TYPE DCC J-4847 、粒度:♯1500)にて摩擦した時の摩耗した樹脂の重量により耐摩耗性を評価した。摩擦は、下記の方法で実施した。
手袋の被覆層の部分を2.0cm×4.0cmの方形状に切り取ってサンプルとした。試験機器として染色物摩擦堅牢度試験機(株式会社大栄科学精器製作所製、型式:RT-200)を用い、上記の耐水研磨紙に対して、9kPaの荷重を掛けてサンプルの被覆層を接触させた状態で往復運動を行った。このとき、1往復を1カウントとして、150 カウント時に摩耗した樹脂の重量の測定を行った。摩耗した樹脂の重量が少ないほうが被覆層の耐摩耗性が優れることを示す。
粘着剤として市販の布粘着テープ(コニシ社製、VF050 )を使用し、手袋を装着した状態でガムテープを指部分で約10cm程度引き出し、切り取る。この時、指部分の被覆層には、ガムテープの粘着面が貼りついた状態である。次に、指部分の被覆層に貼りついたガムテープを剥がし、その時の樹脂のガムテープ表面への転移状況を目視にて観察し、下記の基準で評価した。
A:粘着剤の接触面積に対して転移面積が0%(実質上剥離なし)
B:粘着剤の接触面積に対して転移面積が0%超〜30%
C:粘着剤の接触面積に対して転移面積が30% 超〜70%
D:粘着剤の接触面積に対して転移面積が70% 超
JIS L1099 A-1 法(塩化カルシウム法)に準拠して行い、下記の基準で評価した。
A:着用時に蒸れがなく快適である(5000 g/m2 ・24hr以上)
B:着用時に蒸れにくい(1000g/m2・24hr以上、5000 g/m2 ・24hr未満)
C:着用時にやや蒸れがある(500g/m2 ・24hr以上1000 g/m2 ・24hr未満)
D:着用時に蒸れがあり不快感がある(500 g/m2・24hr未満)
手袋を着用した状態での柔軟性についてパネラー10人により下記の基準で評価した。
A:非常に柔らかく作業性に優れている。
B:若干柔らかく作業性もよい。
C:若干硬く作業性もやや不良である。
D:非常に硬く作業性も不良である。
湿式加工用ポリウレタン樹脂「クリスボン8006HVLD(DIC 株式会社製) 」100 部(うち樹脂分30部、DMF70 部) 、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF) 200部を混合し、ポリウレタン樹脂溶液を作製した。
ウーリーナイロン糸にて編成された13ゲージのシームレス編手袋を原手として、この原手を浸漬用手型に被せ、上記の原料溶液にゆっくりと浸漬し、ポリウレタン樹脂溶液を原手中に含浸を伴って付着させた後、ゆっくりと手型を引き上げ、滴下によって余分な樹脂溶液を除去した。次いで、これを、メチルエチルケトン(MEK)(SP値:9.3 )が5 重量% の割合で混合された60℃の温水(抽出液、以下同じ)中に60分間浸漬し、樹脂溶液中の親水性溶媒をメチルエチルケトンが含まれた温水中へ抽出し、N,N-ジメチルホルムアミドを温水及びメチルエチルケトンと置換することによってポリウレタン樹脂の多孔質状の被覆層を形成させた。その後、温水中から手型を取り出し、130 ℃で30分間乾燥させた。乾燥終了後に放冷したのち、手袋を手型から取り外して作業用手袋を得た。
得られた手袋は、温水中に添加されたメチルエチルケトン(MEK)によってポリウレタン樹脂溶液のゲル化速度が通常より緩やかになり、その結果、被覆層の多孔質構造は孔の面積(大きさ)が0.80〜77.61 μm2 のものを含み、孔間樹脂層厚みの平均値が3.4 μm に制御されていた。更に、空隙率が15.5% 、孔の個数が15個に制御されていた。得られた手袋は、この制御された多孔質構造により、耐摩耗性及び剥離強度に優れるとともに、透湿性及び柔軟性に優れたものであった。
親水性溶媒の種類と使用量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様に操作して作業用手袋を得た。
手袋の製造条件、被覆層の特性及び手袋の物性を表1に示す。また、得られた手袋の中指について、孔の面積、それぞれの孔について孔間樹脂層厚み、空隙率、孔数の測定データーを表3に示す。
得られた手袋は、温水中に添加されたn−ヘキサン、エチルベンゼン、酢酸メチルによってポリウレタン樹脂のゲル化速度が通常より緩やかになり、その結果、実施例2の手袋では、被覆層の多孔質構造は孔の面積(大きさ)が13.36 〜77.05 μm2 のものを含み、孔間樹脂層厚みの平均値が4.2 μm に制御され、更に、空隙率が70.8% 、孔の個数が20個に制御されていた。
更に、実施例4の手袋では、被覆層の多孔質構造は孔の面積(大きさ)が23.16 〜58.43 μm2 のものを含み、孔間樹脂層厚みの平均値が173 μm に制御され、更に、空隙率が4.3%、孔の個数が2 個に制御されていた。
また、得られた手袋は、いずれも制御された多孔質構造により、耐摩耗性及び剥離強度に優れるとともに、透湿性及び柔軟性に優れたものであった。
温水中にメチルエチルケトンを混合しなかった抽出液を用いた以外は、実施例1と同様に操作して作業用手袋を得た。
手袋の製造条件、被覆層の特性及び手袋の物性を表1に示す。また、得られた手袋の中指について、孔の面積、それぞれの孔について孔間樹脂層厚み、空隙率、孔数の測定データーを表3に示す。
得られた手袋はポリウレタン樹脂溶液のゲル化速度が速く、被覆層の多孔質構造は孔がそれぞれ繋がっており複数の単独の孔として存在せず、また、空隙率が89.4% と大きく、所定の面積(大きさ)の孔の個数が0 個であった。得られた手袋は、被覆層の多孔質構造により透湿性や柔軟性に優れているものの、孔の面積(大きさ)及び空隙率が大きいため、耐摩耗性及び剥離強度に劣るものであった。
尚、得られた手袋の電子顕微鏡写真(500 倍)を図4に示す。
親水性溶媒の種類と使用量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様に操作して作業用手袋を得た。
手袋の製造条件、被覆層の特性及び手袋の物性を表1に示す。また、得られた手袋の中指について、孔の面積、それぞれの孔について孔間樹脂層厚み、空隙率、孔数の測定データーを表3に示す。
また、比較例5の手袋では得られた被覆層は孔のない無孔質部分からのみ構成されていた。したがって、空隙率も0%、孔の個数も0 個であった。得られた手袋は、被覆層の無孔質構造により耐摩耗性及び剥離強度には優れているものの、透湿性や柔軟性は劣るものであった。
湿式加工用ポリウレタン樹脂「クリスボン8006HVLD(DIC 株式会社製) 」100 部(うち樹脂分30部、DMF70 部) 、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF) 190部、メチルエチルケトン(MEK) (SP値:9.3 )10部を混合し、ポリウレタン樹脂溶液を作製した。
ウーリーナイロン糸にて編成された13ゲージのシームレス編手袋を原手として、この原手を浸漬用手型に被せ、上記の原料溶液にゆっくりと浸漬し、ポリウレタン樹脂溶液を原手中に含浸を伴って付着させた後、ゆっくりと手型を引き上げ、滴下によって余分な樹脂溶液を除去した。次いで、これを60℃の温水中に60分間浸漬し、樹脂溶液中の親水性溶媒等を温水中へ抽出し、温水と置換することによってポリウレタン樹脂の多孔質状の被覆層を形成させた。その後、温水中から手型を取り出し、130 ℃で30分間乾燥させた。乾燥終了後に放冷したのち、手袋を手型から取り外して作業用手袋を得た。
手袋の製造条件、被覆層の特性及び手袋の物性を表2に示す。また、得られた手袋の中指について、孔の面積、それぞれの孔について孔間樹脂層厚み、空隙率、孔数の測定データーを表3に示す。
得られた手袋は、ポリウレタン樹脂溶液中に添加されたメチルエチルケトンによってポリウレタン樹脂溶液のゲル化速度が通常より緩やかになり、その結果、被覆層の多孔質構造は孔の面積(大きさ)が0.82〜40.23 μm2 のものを含み、孔間樹脂層厚みの平均値が8.5 μm に制御されていた。更に、空隙率が8.1%、孔の個数が12個に制御されていた。得られた手袋は、その制御された多孔質構造により、耐摩耗性及び剥離強度に優れるとともに、透湿性及び柔軟性に優れたものであった。
尚、得られた手袋の電子顕微鏡写真(500 倍)を図3に示す。
親水性溶媒の種類と使用量を表2に示すように変更した以外は、実施例5と同様に操作して作業用手袋を得た。
手袋の製造条件、被覆層の特性及び手袋の物性を表2に示す。また、得られた手袋の中指について、孔の面積、それぞれの孔について孔間樹脂層厚み、空隙率、孔数の測定データーを表3に示す。
また、実施例7の手袋では、被覆層の多孔質構造は孔の面積(大きさ)が69.5〜78.35 μm2 のものを含み、孔間樹脂層厚みの平均値が16.2μm に制御され、更に、空隙率が72% 、孔の個数が18個に制御されていた。
また、実施例8の手袋では、被覆層の多孔質構造は孔の面積(大きさ)が1.05〜15.60 m2 のものを含み、孔間樹脂層厚みの平均値が10.4μm に制御され、更に、空隙率が2.8%、孔の個数が6個に制御されていた。
更に、実施例9の手袋では、被覆層の多孔質構造は孔の面積(大きさ)が0.94〜14.21 m2 のものを含み、孔間樹脂層厚みの平均値が86.6μm に制御され、更に、空隙率が1.8%、孔の個数が4個に制御されていた。
また、得られた手袋は、いずれも制御された多孔質構造により、耐摩耗性及び剥離強度に優れるとともに、透湿性及び柔軟性に優れたものであった。
親水性溶媒の種類と使用量を表2に示すように変更した以外は、実施例5と同様に操作して作業用手袋を得た。
手袋の製造条件、被覆層の特性及び手袋の物性を表2に示す。また、得られた手袋の中指について、孔の面積、それぞれの孔について孔間樹脂層厚み、空隙率、孔数の測定データーを表3に示す。
また、比較例8の手袋では、孔が形成されず、得られた被覆層は孔ない無孔質部分からのみ構成されていた。したがって、空隙率も0%、孔の個数も0 個であった。得られた手袋は、被覆層の無孔質構造により耐摩耗性及び剥離強度には優れているものの、透湿性や柔軟性は劣るものであった。
比較例8の手袋の電子顕微鏡写真(500 倍)を図5に示す。
2 被覆層
3 指先
4 指腹
5 電顕視野
Claims (6)
- 下記の方法1又は方法2により、繊維製手袋の表面に多孔質被覆層が設けられ、
前記多孔質被覆層の指部分の指腹中央部分を指先から指腹に向かって40mmの部分を切り取り、前記指先から指腹に向かって40mmの部分を起点として指先から指腹に向かう方向に長さ253μm、多孔質被覆層の表面から深さ2.5〜10μmの断面を電子顕微鏡で倍率500倍で観察した電顕視野において、
面積が0.785〜78.5μm2 の孔が複数個存在し、それぞれの孔について孔間に存在する最も薄い樹脂層厚みの平均値が0.9〜173μmであることを特徴とする手袋。
方法1:手型に被せた繊維製手袋をポリウレタン樹脂溶液中に浸漬した後引き上げて余分な樹脂溶液を除去し、次いで、ソルビリティーパラメーターが6.0〜10.5の有機溶剤を0.01〜20重量%含有する水又は温水中に浸漬して多孔質状にゲル化する。
方法2:手型に被せた繊維製手袋をソルビリティーパラメーターが6.0〜10.5の有機溶剤を樹脂分100重量部に対し1〜200重量部含有するポリウレタン樹脂溶液中に浸漬した後引き上げて余分な樹脂溶液を除去し、次いで、水又は温水中に浸漬して多孔質状にゲル化する。 - 面積が0.785μm2 以上の孔の合計面積の電顕視野に対する空隙率が0.3〜75%であることを特徴とする請求項1記載の手袋。
- 電顕視野における、面積が0.785〜78.5μm2 の孔の数が2〜35個であることを特徴とする請求項1又は2記載の手袋。
- 多孔質被覆層の厚さが7.5〜150μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の手袋。
- JIS L1099 A-1 法(塩化カルシウム法)により測定された透湿性が7222 g/m2 ・24hr以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の手袋。
- 有機溶剤が、メチルエチルケトン又はエチルベンゼンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の手袋。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010179277A JP5773594B2 (ja) | 2009-08-19 | 2010-08-10 | 手袋 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009189926 | 2009-08-19 | ||
JP2009189926 | 2009-08-19 | ||
JP2010179277A JP5773594B2 (ja) | 2009-08-19 | 2010-08-10 | 手袋 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011063923A JP2011063923A (ja) | 2011-03-31 |
JP5773594B2 true JP5773594B2 (ja) | 2015-09-02 |
Family
ID=43288834
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010179277A Active JP5773594B2 (ja) | 2009-08-19 | 2010-08-10 | 手袋 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20110041236A1 (ja) |
EP (1) | EP2286682B1 (ja) |
JP (1) | JP5773594B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5323968B2 (ja) * | 2011-10-14 | 2013-10-23 | 住友ゴム工業株式会社 | 手袋 |
CN105473016B (zh) * | 2013-08-12 | 2018-06-12 | 尚和手套株式会社 | 防滑手套 |
AU2016228937B2 (en) | 2015-03-11 | 2021-03-25 | Ansell Limited | Textured polymeric materials, and methods of forming |
WO2016174418A1 (en) * | 2015-04-27 | 2016-11-03 | Midas Safety Innovations Limited | Polyurethane coated fabric |
CN105479643B (zh) * | 2015-11-25 | 2018-01-23 | 中国工程物理研究院材料研究所 | 一种用于制备变壁厚手套的阴模模具及其制备的手套 |
US11229248B2 (en) * | 2015-12-02 | 2022-01-25 | Showa Glove Co. | Supporting glove and method for manufacturing the supporting glove |
CN111907101A (zh) * | 2020-06-19 | 2020-11-10 | 江苏恒辉安防股份有限公司 | 一种凯夫拉磨砂手套生产工艺 |
Family Cites Families (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB964635A (en) * | 1962-12-31 | 1964-07-22 | E V Hawtin Ltd | Improvements in or relating to gloves |
US3654066A (en) * | 1968-05-08 | 1972-04-04 | Kuraray Co | Manufacture of a porous polymeric sheet |
GB1443417A (en) * | 1972-07-19 | 1976-07-21 | Siebe Gorman & Co Ltd | Manufacture of protective clothing |
FR2221905A7 (ja) * | 1973-03-12 | 1974-10-11 | Weber Liel Ralf | |
JPH0516273A (ja) * | 1991-07-11 | 1993-01-26 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 保温性透湿防水布帛 |
JPH07278924A (ja) * | 1994-04-12 | 1995-10-24 | Dia Gomme Kk | 作業用手袋及びその製造方法 |
US5752974A (en) | 1995-12-18 | 1998-05-19 | Collagen Corporation | Injectable or implantable biomaterials for filling or blocking lumens and voids of the body |
JP3759132B2 (ja) | 2003-08-07 | 2006-03-22 | ショーワ株式会社 | 作業用手袋 |
JP4242338B2 (ja) | 2004-12-17 | 2009-03-25 | ショーワグローブ株式会社 | 滑止め手袋 |
US8256029B2 (en) | 2006-09-04 | 2012-09-04 | Showa Glove Co. | Glove |
JP2008214769A (ja) * | 2007-02-08 | 2008-09-18 | Toyobo Co Ltd | 防護手袋 |
WO2009011471A1 (en) * | 2007-07-18 | 2009-01-22 | Hyunkyung Shin | Aqueous polyurethane coated gloves and method for manufacturing the same |
-
2010
- 2010-08-10 JP JP2010179277A patent/JP5773594B2/ja active Active
- 2010-08-17 US US12/858,064 patent/US20110041236A1/en not_active Abandoned
- 2010-08-18 EP EP10173312.9A patent/EP2286682B1/en active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP2286682B1 (en) | 2019-03-27 |
EP2286682A3 (en) | 2015-12-09 |
US20110041236A1 (en) | 2011-02-24 |
EP2286682A2 (en) | 2011-02-23 |
JP2011063923A (ja) | 2011-03-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5773594B2 (ja) | 手袋 | |
JP5951281B2 (ja) | 手袋及びその製造方法 | |
US7814571B2 (en) | Lightweight thin flexible polymer coated glove and a method therefor | |
JP5071389B2 (ja) | 手袋 | |
JP6385931B2 (ja) | 手袋 | |
JP6018919B2 (ja) | 滑止加工手袋および滑止加工手袋の製造方法 | |
JP2022010397A (ja) | サポート型手袋および該サポート型手袋の製造方法 | |
JP5596081B2 (ja) | 伸縮性コーティング布帛及びその製造方法 | |
JP2013104134A (ja) | 手袋及びその製造方法 | |
EP2614733B1 (en) | Glove | |
CN101389250A (zh) | 轻薄型弹性聚合涂层手套和相关方法 | |
JP3724351B2 (ja) | 防水衣料 | |
JP6564924B1 (ja) | 手袋 | |
JP2010174416A (ja) | 着用性に優れた手袋 | |
JP2018016898A (ja) | 手袋及びその製造方法 | |
JP2005042250A (ja) | 皮革様シートおよびその製造方法 | |
JP7129735B1 (ja) | サポート型手袋の製造方法 | |
JPH08291473A (ja) | 複合材料とその製造方法及びそれからなる透湿防水布 | |
TWI618829B (zh) | 擋絨織物 | |
KR0145192B1 (ko) | 복합 재료 및 그의 제조 방법 | |
JPH05321148A (ja) | 複合シート |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130701 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140313 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140408 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140516 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20141028 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20141219 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150616 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150630 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5773594 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |