JP2009066989A - 発泡成形体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】通気性を保持したまま、弾性変形しない発泡成形体及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックスの発泡成形により作られる発泡成形体の製造方法であって、天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックスに少なくとも起泡剤、加硫剤及び加硫促進剤を配合し、さらに天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックスの総質量に基づき0.5ないし50質量部の水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料を混合する混合工程、前記工程で得られた混合物を発泡させる発泡工程、前記工程で発泡したものにゲル化剤を混合し、ゲル化したものを、基布上に流延するゲル化工程、前記工程で得られたシートを加熱し加硫する加硫工程、及び該シートを上記水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料の軟化点以上の温度で、発泡成形体の形状に対応するキャビティを有する金型内で加熱して成形する成形工程を有してなることを特徴とする発泡成形体の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックスの発泡成形により作られる発泡成形体の製造方法であって、天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックスに少なくとも起泡剤、加硫剤及び加硫促進剤を配合し、さらに天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックスの総質量に基づき0.5ないし50質量部の水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料を混合する混合工程、前記工程で得られた混合物を発泡させる発泡工程、前記工程で発泡したものにゲル化剤を混合し、ゲル化したものを、基布上に流延するゲル化工程、前記工程で得られたシートを加熱し加硫する加硫工程、及び該シートを上記水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料の軟化点以上の温度で、発泡成形体の形状に対応するキャビティを有する金型内で加熱して成形する成形工程を有してなることを特徴とする発泡成形体の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックス、あるいはアクリルエマルジョンを発泡させてなる発泡成形体及びその製造方法に関する。
従来、靴用カップインソールには、種々の材質や構造のものが用いられている。その例として、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンよりなる熱可塑性合成樹脂発泡体等にポリエステル繊維、再生繊維等の織布を重ね合わせ、これを金型内において加熱し、軟化させ、その後冷却して金型内より取出すことにより、所望の形状に成形したものがある。
また、特許文献1には、熱可塑性合成樹脂又は熱可塑性ゴム100重量部にポリアミド繊維を70ないし130重量部を剪断力をかけながら混練し、シート状となし、熱空気中で加熱し、その上面に連続気泡性合成樹脂,布帛を接着重ね合わせ、型により加圧成形することによって製造された、足蒸れがせず、体重によって薄くならず、強度も十分な靴用カップインソールが記載されている。
特開平08−289805号公報
また、特許文献1には、熱可塑性合成樹脂又は熱可塑性ゴム100重量部にポリアミド繊維を70ないし130重量部を剪断力をかけながら混練し、シート状となし、熱空気中で加熱し、その上面に連続気泡性合成樹脂,布帛を接着重ね合わせ、型により加圧成形することによって製造された、足蒸れがせず、体重によって薄くならず、強度も十分な靴用カップインソールが記載されている。
エチレン酢酸ビニル共重合体の樹脂発泡体に織布を重ね合わせた靴用カップインソールの場合には、体温による靴内部の温度上昇により軟化し易く、ときには厚みが半減し、強度が低下し、着脱時に折れたりする欠点があった。
また、靴中敷などに用いられる従来の熱可塑性樹脂の発泡体は、一般に発泡体内部の気泡が個々に独立しており、通気性、透湿性に乏しく、靴中敷にされたとき蒸れ易かった。また、そのような発泡体は、熱的に2次成形することは可能であるが、圧縮荷重が加わると弾性変形し、圧縮荷重を取り去ると時間とともに元の状態に復原してしまうので、この発泡体を用いて靴中敷を作る場合において、履用者の足型にフィットする形状に成形しても、その形状を維持することは困難であった。
また、靴中敷などに用いられる従来の熱可塑性樹脂の発泡体は、一般に発泡体内部の気泡が個々に独立しており、通気性、透湿性に乏しく、靴中敷にされたとき蒸れ易かった。また、そのような発泡体は、熱的に2次成形することは可能であるが、圧縮荷重が加わると弾性変形し、圧縮荷重を取り去ると時間とともに元の状態に復原してしまうので、この発泡体を用いて靴中敷を作る場合において、履用者の足型にフィットする形状に成形しても、その形状を維持することは困難であった。
本発明者は上記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックス、あるいはアクリルエマルジョンに水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料を混合し発泡成形することによって、通気性を保持し、かつ時間が経っても復原しない発泡成形体の製造方法を見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の(1)ないし(7)に記載する、水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料を含む天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックスあるいはアクリルエマルジョンの発泡成形体の製造方法、及び該製造方法によって製造された発泡成形体に関するものである。
(1)天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックスの発泡成形により作られる発泡成形体の製造方法であって、
天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックスに少なくとも起泡剤、加硫剤及び加硫促進剤を配合し、さらに天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックスの総質量に基づき0.5ないし50質量部の水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料を混合する混合工程、
前記工程で得られた混合物を発泡させる発泡工程、
前記工程で発泡したものにゲル化剤を混合し、ゲル化したものを、基布上に流延するゲル化工程、
前記工程で得られたシートを加熱し加硫する加硫工程、及び
該シートを上記水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料の軟化点以上の温度で、発泡成形体の形状に対応するキャビティを有する金型内で加熱して成形する成形工程を有してなることを特徴とする発泡成形体の製造方法。
(2)アクリルエマルジョンの発泡成形により作られる発泡成形体の製造方法であって、アクリルエマルジョンに少なくとも起泡剤及び架橋剤を配合し、さらに該アクリルエマルジョンの総質量に基づき0.5ないし50質量部の水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料を混合する混合工程、
前記工程で得られた混合物を発泡させる発泡工程、
前記工程で発泡したものを基布上に流延する流延工程、
前記工程で得られたシートを加熱し架橋する架橋工程、及び
該シートを上記水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料の軟化点以上の温度で、発泡成形体の形状に対応するキャビティを有する金型内で加熱して成形する成形工程を有してなることを特徴とする発泡成形体の製造方法。
(3)(1)記載の方法により製造された発泡成形体。
(4)(2)に記載の方法により製造された発泡成形体。
(5)前記成形体が靴中敷であることを特徴とする、(3)又は(4)に記載の発泡成形体。
(6)次の(A)ないし(C)の各成分、
(A)天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックス、
(B)起泡剤、加硫剤、加硫促進剤及びゲル化剤、並びに
(C)水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料
を含み発泡成形してなる発泡成形体において、前記(C)成分が前記(A)成分の総質量に基づき0.5ないし50質量部含まれることを特徴とする発泡成形体。
(7)次の(A)ないし(C)の各成分、
(A)アクリルエマルジョン、
(B)起泡剤及び架橋剤、並びに
(C)水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料
を含み発泡成形してなる発泡成形体において、前記(C)成分が前記(A)成分の総質量に基づき0.5ないし50質量部含まれることを特徴とする発泡成形体。
(1)天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックスの発泡成形により作られる発泡成形体の製造方法であって、
天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックスに少なくとも起泡剤、加硫剤及び加硫促進剤を配合し、さらに天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックスの総質量に基づき0.5ないし50質量部の水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料を混合する混合工程、
前記工程で得られた混合物を発泡させる発泡工程、
前記工程で発泡したものにゲル化剤を混合し、ゲル化したものを、基布上に流延するゲル化工程、
前記工程で得られたシートを加熱し加硫する加硫工程、及び
該シートを上記水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料の軟化点以上の温度で、発泡成形体の形状に対応するキャビティを有する金型内で加熱して成形する成形工程を有してなることを特徴とする発泡成形体の製造方法。
(2)アクリルエマルジョンの発泡成形により作られる発泡成形体の製造方法であって、アクリルエマルジョンに少なくとも起泡剤及び架橋剤を配合し、さらに該アクリルエマルジョンの総質量に基づき0.5ないし50質量部の水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料を混合する混合工程、
前記工程で得られた混合物を発泡させる発泡工程、
前記工程で発泡したものを基布上に流延する流延工程、
前記工程で得られたシートを加熱し架橋する架橋工程、及び
該シートを上記水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料の軟化点以上の温度で、発泡成形体の形状に対応するキャビティを有する金型内で加熱して成形する成形工程を有してなることを特徴とする発泡成形体の製造方法。
(3)(1)記載の方法により製造された発泡成形体。
(4)(2)に記載の方法により製造された発泡成形体。
(5)前記成形体が靴中敷であることを特徴とする、(3)又は(4)に記載の発泡成形体。
(6)次の(A)ないし(C)の各成分、
(A)天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックス、
(B)起泡剤、加硫剤、加硫促進剤及びゲル化剤、並びに
(C)水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料
を含み発泡成形してなる発泡成形体において、前記(C)成分が前記(A)成分の総質量に基づき0.5ないし50質量部含まれることを特徴とする発泡成形体。
(7)次の(A)ないし(C)の各成分、
(A)アクリルエマルジョン、
(B)起泡剤及び架橋剤、並びに
(C)水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料
を含み発泡成形してなる発泡成形体において、前記(C)成分が前記(A)成分の総質量に基づき0.5ないし50質量部含まれることを特徴とする発泡成形体。
本発明の発泡成形体の製造方法は、天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックス、あるいはアクリルエマルジョンに水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料を混合し、発泡、成形、加硫して得たシートを熱的に2次成形することにより、通気性を保持したまま、復原しない成形体を製造することができる。
また、本発明により成形体として靴中敷を製造したとき、その靴中敷は、耐引裂性、耐磨耗性、弾力性、通気性等にも優れたものである。
また、本発明により成形体として靴中敷を製造したとき、その靴中敷は、耐引裂性、耐磨耗性、弾力性、通気性等にも優れたものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の上記製造方法に適用し得る発泡成形体を構成する資材としては、天然ゴムラテックス及び/又は合成ゴムラテックス、あるいはアクリルエマルジョンが用いられる。天然ゴムラテックス及び合成ゴムラテックスは、それらを単独で用いても、混合して用いてもよい。混合して用いる場合の天然ゴムラテックスと合成ゴムラテックスの混合割合は、質量比で10:90ないし90:10であることが好ましく、特に40:60であることが好ましい。
天然ゴムラテックスは、ゴム樹液、それを濃縮したもの、さらに保存剤などを配合したものが用いられる。合成ゴムラテックスは、一般に乳化重合によって調製される。
合成ゴムラテックスとしては、好ましくはジエン系モノマーの重合体ラテックス及び、
ジエン系モノマーと共重合可能な他のモノマーとの共重合ラテックスが用いられる。例えばスチレン−ブタジエン系共重合体(SBR)ラテックス、ポリブタジエン(BR)ラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン系共重合体(MBR)ラテックス、2−ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン系共重合体(VP)ラテックス、アクリロニトリル系共重合体(NBR)ラテックスなどが挙げられる。なかでも、スチレン−ブタジエン系共重合体(SBR)ラテックスが好ましい。
アクリルエマルジョンとしては、例えば、(1) アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、又はメタクリル酸エステルの単独ポリマーのエマルジョン、(2) 前記(1) の4種のモノマーのうち少なくとも2種を組み合わせて得られる共重合体ポリマーのエマルジョン、(3) 前記(1) 及び(2) のポリマーのいずれかと、酢酸ビニル、スチレン、又はアクリロニトリル等の他のモノマーとの共重合体のエマルジョン、(4) 前記(1) ないし(3) のポリマーに、水酸基、カルボキシル基、N−メチロール基、N−メチロールエーテル基等の架橋性基を有するモノマーを架橋もしくはグラフトさせたポリマーのエマルジョン等が挙げられる。
天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックスには少なくとも起泡剤、加硫剤及び加硫促進剤が配合され、その他に促進助剤、老化防止剤、充填剤及び増粘剤などのような従来公知の種々の添加剤を配合してもよい。
起泡剤としては、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸アンモニウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ひまし油カリウム石鹸、やし油カリウム石鹸のような脂肪酸塩;ラウロイルサルコシンナトリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム、オレイルサルコシンナトリウム、ココイルサルコシンナトリウムのようなサルコシン塩;やし油アルコール硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムのような硫酸塩;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウムのようなスルホン酸塩;塩化ステアリルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウムのようなカチオン性界面活性剤などが挙げられる。起泡剤の配合量は、天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックスの総質量に基づき、通常1ないし10質量部、好ましくは2ないし5質量部である。
加硫剤としては、コロイド状硫黄、微粉末硫黄のほか;二塩化硫黄、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドのような硫黄化合物などを用いることができる。加硫剤の配合量は、天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックスの総質量に基づき、通常1ないし10質量部、好ましくは1ないし5質量部である。また、ジチオカルバミン酸のような加硫促進剤を併用することがある。加硫剤の配合量は、天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックスの総質量に基づき、1ないし5質量部程度であることが好ましい。
加硫促進剤としては、例えばPX(N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛)、PZ(ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛)、EZ(ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛)、MZ(2‐メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩)、TT(テトラメチルチウラムジスルフィド)等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上混合して用いることができる。その配合量は、天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックスの総質量に基づき、0.5ないし3重量部程度であることが好ましい。
また、上記で挙げた添加剤の他に、前記ゴムラテックスには、必要に応じて、酸化亜鉛などの促進助剤;N−フェニル−N'−(p−トルエンスルホニル)−p−フェニレンジ
アミンのようなジフェニルアミン系化合物、芳香族アミンと脂肪族ケトンの縮合物、2−メルカプトベンゾイミダゾールやその亜鉛塩のようなイミダゾール系化合物、モノフェノール系化合物のような老化防止剤;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、シリカのような充填剤;ポリアクリル酸ナトリウム、グアーガム、キサンタンガム、メチルセルロースのような増粘剤などを配合することができる。
また、アクリルエマルジョンが発泡成形体を構成する資材として用いられる場合は、アクリルエマルジョンには少なくとも起泡剤及び架橋剤が配合され、その他に老化防止剤、充填剤、分散剤、増粘剤などのような従来公知の種々の添加剤を配合してもよい。
起泡剤としては、上述のものと同じものを使用することができる。
架橋剤としては、例えば、亜鉛華(酸化亜鉛);又はメラミン樹脂、エポキシ樹脂、オキサゾリン系樹脂、ブロックイソシアネート等の樹脂架橋剤といった、ポリマーの加工に用いられる従来公知の種々の架橋剤が挙げられる。架橋剤の配合量は、アクリルエマルジョンの総質量に基づき、好ましくは0.5ないし5質量部である。
本発明の天然ゴムラテックス及び/又は合成ゴムラテックス発泡成形体の製造工程図を図3に示す。本発明の製造方法では、まず混合工程において、天然ゴムラテックス及び/又は合成ゴムラテックス、あるいはアクリルエマルジョンに水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料を混合する。また、起泡剤、加硫剤及び加硫促進剤などの添加剤も該工程で混合されるが、その配合順序は任意であって、天然ゴムラテックス及び/又は合成ゴムラテックス、あるいはアクリルエマルジョンに水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料を配合した後にそれら添加剤を配合してもよく、水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料を配合する前、途中又は同時に、それら添加剤を配合しても差支えない。
水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料の配合量は、天然ゴムラテックス及び/又は合成ゴムラテックス、あるいはアクリルエマルジョンの総質量に基づき0.5ないし50質量部、好ましくは1ないし20質量部、特に好ましくは1ないし5質量部である。該配合量が0.5質量部未満の場合、天然ゴムラテックス及び/又は合成ゴムラテックス、あるいはアクリルエマルジョンにおける水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料含有量が少ないことから、上記成形工程において熱を加えて成形しても水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料が含有していることで得られる熱的な成形効果が十分に得られない。また、水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料の配合量が50質量部より多いと、天然ゴムラテックス及び/又は合成ゴムラテックス、あるいはアクリルエマルジョンの含有割合が少なくなることによって、弾力性が低下する。
発泡工程では、攪拌混合槽などの混合手段を用いて、前記混合工程において得られた混合物に空気を混入することにより、該混合物を機械的に発泡させて、ラテックスフォーム又はアクリルフォームを得る。
ゲル化工程では、前記発泡工程で得られたラテックスフォームにゲル化剤を混合し、該ラテックスフォームをゲル化させる。ゲル化剤としては、例えば塩化アンモニウム、塩化マグネシウム、炭酸カルシウムなどが用いられる。ゲル化剤の配合量は、天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックスの総質量に基づき、0.1ないし2質量部、好ましくは0.1ないし1質量部である。
ラテックスフォームにゲル化剤を加えた後、直ちに適当な厚みに基布上に流延塗布し、ラテックスフォームシートを得た。アクリルフォームの場合は、前記発泡工程後、流延工程に進む。ここで、本発明の製造方法により製造された発泡成形体が靴中敷である場合、ラテックスフォーム及びアクリルフォームが流延塗布される基布としては、離型紙や離型ベルトを使用し、後で剥離してもよいが、通気性を有するものが好ましく、織布、編布、不織布等が用いられる。基布の上に直接、ラテックスフォーム層(アクリルフォーム層)を形成することにより、基布とラテックスフォーム層(アクリルフォーム層)とが一体となった靴中敷などの成形体を製造することができる(1次成形)。
前記ゲル化工程の後、発泡成形体を構成する資材として天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックスを用いた場合は加硫工程、そして発泡成形体を構成する資材としてアクリルエマルジョンを用いた場合は架橋工程がそれぞれ行われる。
加硫工程では、前記ゲル化工程で得られたラテックスフォームシートを熱風乾燥機中、120ないし150℃の温度で、約20ないし30分間加熱することによって加硫された加硫ラテックスフォームシートを得る。
また、架橋工程では、流延工程で得られたアクリルフォームシートを熱風乾燥機中、110ないし140℃の温度で、約20ないし30分間加熱することによって架橋された架橋アクリルフォームシートを得る。
さらに成形工程において、前記加硫工程又は架橋工程で得られた加硫ラテックスフォームシート又は架橋アクリルフォームシートを、上記水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗
料の軟化点以上、すなわち150℃以上の温度に加熱した発泡成形体の所望な最終形状に対応するキャビティを有する金型内で加熱し、通常、加熱・圧縮し、発泡成形体を成形する(2次成形)。
本発明の上記製造方法に適用し得る発泡成形体を構成する資材としては、天然ゴムラテックス及び/又は合成ゴムラテックス、あるいはアクリルエマルジョンが用いられる。天然ゴムラテックス及び合成ゴムラテックスは、それらを単独で用いても、混合して用いてもよい。混合して用いる場合の天然ゴムラテックスと合成ゴムラテックスの混合割合は、質量比で10:90ないし90:10であることが好ましく、特に40:60であることが好ましい。
天然ゴムラテックスは、ゴム樹液、それを濃縮したもの、さらに保存剤などを配合したものが用いられる。合成ゴムラテックスは、一般に乳化重合によって調製される。
合成ゴムラテックスとしては、好ましくはジエン系モノマーの重合体ラテックス及び、
ジエン系モノマーと共重合可能な他のモノマーとの共重合ラテックスが用いられる。例えばスチレン−ブタジエン系共重合体(SBR)ラテックス、ポリブタジエン(BR)ラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン系共重合体(MBR)ラテックス、2−ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン系共重合体(VP)ラテックス、アクリロニトリル系共重合体(NBR)ラテックスなどが挙げられる。なかでも、スチレン−ブタジエン系共重合体(SBR)ラテックスが好ましい。
アクリルエマルジョンとしては、例えば、(1) アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、又はメタクリル酸エステルの単独ポリマーのエマルジョン、(2) 前記(1) の4種のモノマーのうち少なくとも2種を組み合わせて得られる共重合体ポリマーのエマルジョン、(3) 前記(1) 及び(2) のポリマーのいずれかと、酢酸ビニル、スチレン、又はアクリロニトリル等の他のモノマーとの共重合体のエマルジョン、(4) 前記(1) ないし(3) のポリマーに、水酸基、カルボキシル基、N−メチロール基、N−メチロールエーテル基等の架橋性基を有するモノマーを架橋もしくはグラフトさせたポリマーのエマルジョン等が挙げられる。
天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックスには少なくとも起泡剤、加硫剤及び加硫促進剤が配合され、その他に促進助剤、老化防止剤、充填剤及び増粘剤などのような従来公知の種々の添加剤を配合してもよい。
起泡剤としては、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸アンモニウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ひまし油カリウム石鹸、やし油カリウム石鹸のような脂肪酸塩;ラウロイルサルコシンナトリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム、オレイルサルコシンナトリウム、ココイルサルコシンナトリウムのようなサルコシン塩;やし油アルコール硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムのような硫酸塩;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウムのようなスルホン酸塩;塩化ステアリルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウムのようなカチオン性界面活性剤などが挙げられる。起泡剤の配合量は、天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックスの総質量に基づき、通常1ないし10質量部、好ましくは2ないし5質量部である。
加硫剤としては、コロイド状硫黄、微粉末硫黄のほか;二塩化硫黄、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドのような硫黄化合物などを用いることができる。加硫剤の配合量は、天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックスの総質量に基づき、通常1ないし10質量部、好ましくは1ないし5質量部である。また、ジチオカルバミン酸のような加硫促進剤を併用することがある。加硫剤の配合量は、天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックスの総質量に基づき、1ないし5質量部程度であることが好ましい。
加硫促進剤としては、例えばPX(N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛)、PZ(ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛)、EZ(ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛)、MZ(2‐メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩)、TT(テトラメチルチウラムジスルフィド)等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上混合して用いることができる。その配合量は、天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックスの総質量に基づき、0.5ないし3重量部程度であることが好ましい。
また、上記で挙げた添加剤の他に、前記ゴムラテックスには、必要に応じて、酸化亜鉛などの促進助剤;N−フェニル−N'−(p−トルエンスルホニル)−p−フェニレンジ
アミンのようなジフェニルアミン系化合物、芳香族アミンと脂肪族ケトンの縮合物、2−メルカプトベンゾイミダゾールやその亜鉛塩のようなイミダゾール系化合物、モノフェノール系化合物のような老化防止剤;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、シリカのような充填剤;ポリアクリル酸ナトリウム、グアーガム、キサンタンガム、メチルセルロースのような増粘剤などを配合することができる。
また、アクリルエマルジョンが発泡成形体を構成する資材として用いられる場合は、アクリルエマルジョンには少なくとも起泡剤及び架橋剤が配合され、その他に老化防止剤、充填剤、分散剤、増粘剤などのような従来公知の種々の添加剤を配合してもよい。
起泡剤としては、上述のものと同じものを使用することができる。
架橋剤としては、例えば、亜鉛華(酸化亜鉛);又はメラミン樹脂、エポキシ樹脂、オキサゾリン系樹脂、ブロックイソシアネート等の樹脂架橋剤といった、ポリマーの加工に用いられる従来公知の種々の架橋剤が挙げられる。架橋剤の配合量は、アクリルエマルジョンの総質量に基づき、好ましくは0.5ないし5質量部である。
本発明の天然ゴムラテックス及び/又は合成ゴムラテックス発泡成形体の製造工程図を図3に示す。本発明の製造方法では、まず混合工程において、天然ゴムラテックス及び/又は合成ゴムラテックス、あるいはアクリルエマルジョンに水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料を混合する。また、起泡剤、加硫剤及び加硫促進剤などの添加剤も該工程で混合されるが、その配合順序は任意であって、天然ゴムラテックス及び/又は合成ゴムラテックス、あるいはアクリルエマルジョンに水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料を配合した後にそれら添加剤を配合してもよく、水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料を配合する前、途中又は同時に、それら添加剤を配合しても差支えない。
水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料の配合量は、天然ゴムラテックス及び/又は合成ゴムラテックス、あるいはアクリルエマルジョンの総質量に基づき0.5ないし50質量部、好ましくは1ないし20質量部、特に好ましくは1ないし5質量部である。該配合量が0.5質量部未満の場合、天然ゴムラテックス及び/又は合成ゴムラテックス、あるいはアクリルエマルジョンにおける水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料含有量が少ないことから、上記成形工程において熱を加えて成形しても水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料が含有していることで得られる熱的な成形効果が十分に得られない。また、水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料の配合量が50質量部より多いと、天然ゴムラテックス及び/又は合成ゴムラテックス、あるいはアクリルエマルジョンの含有割合が少なくなることによって、弾力性が低下する。
発泡工程では、攪拌混合槽などの混合手段を用いて、前記混合工程において得られた混合物に空気を混入することにより、該混合物を機械的に発泡させて、ラテックスフォーム又はアクリルフォームを得る。
ゲル化工程では、前記発泡工程で得られたラテックスフォームにゲル化剤を混合し、該ラテックスフォームをゲル化させる。ゲル化剤としては、例えば塩化アンモニウム、塩化マグネシウム、炭酸カルシウムなどが用いられる。ゲル化剤の配合量は、天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックスの総質量に基づき、0.1ないし2質量部、好ましくは0.1ないし1質量部である。
ラテックスフォームにゲル化剤を加えた後、直ちに適当な厚みに基布上に流延塗布し、ラテックスフォームシートを得た。アクリルフォームの場合は、前記発泡工程後、流延工程に進む。ここで、本発明の製造方法により製造された発泡成形体が靴中敷である場合、ラテックスフォーム及びアクリルフォームが流延塗布される基布としては、離型紙や離型ベルトを使用し、後で剥離してもよいが、通気性を有するものが好ましく、織布、編布、不織布等が用いられる。基布の上に直接、ラテックスフォーム層(アクリルフォーム層)を形成することにより、基布とラテックスフォーム層(アクリルフォーム層)とが一体となった靴中敷などの成形体を製造することができる(1次成形)。
前記ゲル化工程の後、発泡成形体を構成する資材として天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックスを用いた場合は加硫工程、そして発泡成形体を構成する資材としてアクリルエマルジョンを用いた場合は架橋工程がそれぞれ行われる。
加硫工程では、前記ゲル化工程で得られたラテックスフォームシートを熱風乾燥機中、120ないし150℃の温度で、約20ないし30分間加熱することによって加硫された加硫ラテックスフォームシートを得る。
また、架橋工程では、流延工程で得られたアクリルフォームシートを熱風乾燥機中、110ないし140℃の温度で、約20ないし30分間加熱することによって架橋された架橋アクリルフォームシートを得る。
さらに成形工程において、前記加硫工程又は架橋工程で得られた加硫ラテックスフォームシート又は架橋アクリルフォームシートを、上記水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗
料の軟化点以上、すなわち150℃以上の温度に加熱した発泡成形体の所望な最終形状に対応するキャビティを有する金型内で加熱し、通常、加熱・圧縮し、発泡成形体を成形する(2次成形)。
実施例1
天然ゴムラテックス40質量部及び合成ゴムラテックス60質量部に、下記表1に示す割合で水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料(N−メチル2−ピロリドン:CAS登録番号872−50−4:中国塗料株式会社製)を含む各々の添加剤を所要量秤量し、均一となるように混合した。そして、該混合物を攪拌混合槽において約4倍の体積に発泡させた。ゲル化剤として塩化アンモニウム1質量部を混合し、ゲル化乾燥した後、不織布の上に約5mmの厚みに流延し、熱風乾燥機中で130℃の温度で、25分間加熱して加硫ラテックスフォームシートを得た。次に、この加硫ラテックスフォームシートを靴中敷の形状を有する金型内で3分間、150℃で加熱圧縮して、靴中敷に成形した。図1は本実施例で製造した靴中敷1の背面を示す。また、その靴中敷1の斜視図を図2に示す。靴中敷1は背面側に、第2中足骨骨頭位置付近部分に凹部2、踵部に凹部3及び土踏まず部分に凹部4を有する。
得られた靴中敷は、元の発泡状態(フォームシート形状)に弾性変形せず所定の靴中敷形状を維持する優れた成形性を有し、かつ高い通気性を有し、長時間履いても足蒸れしないものであった。
実施例2ないし4
下記表1に示す配合割合で各成分を所要量秤量した以外は、実施例1と同様の手順により靴中敷を製造した。
比較例1
水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料を加えず、さらに下記表1に示す配合割合で各成分を所要量秤量した以外は、実施例1と同様の手順により靴中敷を製造した。
実施例5
アクリルエマルジョン100質量部に、下記表2に示す割合で水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料を含む各々の添加剤を所要量秤量し、均一となるように混合した。そして、該混合物を攪拌混合槽において約4倍の体積に発泡させた。発泡させたものを、不織布の上に約5mmの厚みに流延し、熱風乾燥機中で130℃の温度で、25分間加熱して架橋アクリルフォームシートを得た。次に、この架橋アクリルフォームシートをキャビティが靴中敷の形状を有する金型内で3分間、150℃で加熱圧縮して、靴中敷に成形した。
天然ゴムラテックス40質量部及び合成ゴムラテックス60質量部に、下記表1に示す割合で水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料(N−メチル2−ピロリドン:CAS登録番号872−50−4:中国塗料株式会社製)を含む各々の添加剤を所要量秤量し、均一となるように混合した。そして、該混合物を攪拌混合槽において約4倍の体積に発泡させた。ゲル化剤として塩化アンモニウム1質量部を混合し、ゲル化乾燥した後、不織布の上に約5mmの厚みに流延し、熱風乾燥機中で130℃の温度で、25分間加熱して加硫ラテックスフォームシートを得た。次に、この加硫ラテックスフォームシートを靴中敷の形状を有する金型内で3分間、150℃で加熱圧縮して、靴中敷に成形した。図1は本実施例で製造した靴中敷1の背面を示す。また、その靴中敷1の斜視図を図2に示す。靴中敷1は背面側に、第2中足骨骨頭位置付近部分に凹部2、踵部に凹部3及び土踏まず部分に凹部4を有する。
得られた靴中敷は、元の発泡状態(フォームシート形状)に弾性変形せず所定の靴中敷形状を維持する優れた成形性を有し、かつ高い通気性を有し、長時間履いても足蒸れしないものであった。
実施例2ないし4
下記表1に示す配合割合で各成分を所要量秤量した以外は、実施例1と同様の手順により靴中敷を製造した。
比較例1
水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料を加えず、さらに下記表1に示す配合割合で各成分を所要量秤量した以外は、実施例1と同様の手順により靴中敷を製造した。
アクリルエマルジョン100質量部に、下記表2に示す割合で水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料を含む各々の添加剤を所要量秤量し、均一となるように混合した。そして、該混合物を攪拌混合槽において約4倍の体積に発泡させた。発泡させたものを、不織布の上に約5mmの厚みに流延し、熱風乾燥機中で130℃の温度で、25分間加熱して架橋アクリルフォームシートを得た。次に、この架橋アクリルフォームシートをキャビティが靴中敷の形状を有する金型内で3分間、150℃で加熱圧縮して、靴中敷に成形した。
通気性及び成形性の評価
実施例1ないし5、及び比較例1の靴中敷の通気性及び成形性を、各々の中敷を履用し評価した。その結果を下記表3に示す。
実施例1ないし5、及び比較例1の靴中敷は、長時間履用しても蒸れず優れた通気性を有するものであった。また、成形性に関して言えば、配合成分として水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料を含まない比較例1の靴中敷は、弾性変形してしまいヒトの足裏の形状に合わせて形作られている凹凸が失われていた。実施例4の中敷は僅かに弾性変形していたものの、履用したときの違和感はなく、履き心地には何の影響もなかった。
実施例1ないし5、及び比較例1の靴中敷の通気性及び成形性を、各々の中敷を履用し評価した。その結果を下記表3に示す。
試験例1 反発弾性及び透気度試験
[試料]
A. 実施例1で製造した靴中敷の発泡成形体
B. エチレン酢酸ビニルから製造された従来の靴中敷(カップインソール)
[試験方法]
(1)反発弾性試験 :JIS K 6400:1997 A法に従う
(2)透気度試験 :JIS P 8117:1998に従う
[試験結果]
反発弾性試験(1)の結果から実施例1で製造された試料Aは、従来の靴中敷である試料Bに匹敵する程の高い反発弾性率を示し、同様に優れた弾力性を有することが分かる。また、透気度試験(2)の結果は、試料Bは殆ど空気が通過しないのに対して、試料Aは、はるかに空気を通し易いことを示している。
従って、実施例1の靴中敷は、従来の靴中敷と同等の弾力性を有し、かつ通気性に大変優れたものである。
[試料]
A. 実施例1で製造した靴中敷の発泡成形体
B. エチレン酢酸ビニルから製造された従来の靴中敷(カップインソール)
[試験方法]
(1)反発弾性試験 :JIS K 6400:1997 A法に従う
(2)透気度試験 :JIS P 8117:1998に従う
[試験結果]
反発弾性試験(1)の結果から実施例1で製造された試料Aは、従来の靴中敷である試料Bに匹敵する程の高い反発弾性率を示し、同様に優れた弾力性を有することが分かる。また、透気度試験(2)の結果は、試料Bは殆ど空気が通過しないのに対して、試料Aは、はるかに空気を通し易いことを示している。
従って、実施例1の靴中敷は、従来の靴中敷と同等の弾力性を有し、かつ通気性に大変優れたものである。
試験例2 弾性変形試験
実施例1及び実施例4と同じ配合割合で、実施例1に示す手順により加硫ラテックスフォームシートを作製した。試料aは実施例1のフォームシート、試料bは実施例4のフォームシートである。また、比較例1として、水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料を含まない加硫ラテックスフォームシート(試料c)を作製した。
それらの加硫ラテックスフォームシートを図4に示すような金型内で3分間加熱圧縮し、しばらく放置した後、その弾性変形について観察した。
その結果、図4(a)に示すように試料aは、金型の形状に変形したまま、その形状を保持し、弾性変形しなかった。また、図4(b)に示すように試料bは、僅かな弾性変形が見られた。一方、水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料を含まない試料cは、図4(c)に示すように圧縮成形後しばらく経過すると、弾性変形により復原してしまい、圧縮成形直後の形状を保持することは出来なかった。
実施例1及び実施例4と同じ配合割合で、実施例1に示す手順により加硫ラテックスフォームシートを作製した。試料aは実施例1のフォームシート、試料bは実施例4のフォームシートである。また、比較例1として、水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料を含まない加硫ラテックスフォームシート(試料c)を作製した。
それらの加硫ラテックスフォームシートを図4に示すような金型内で3分間加熱圧縮し、しばらく放置した後、その弾性変形について観察した。
その結果、図4(a)に示すように試料aは、金型の形状に変形したまま、その形状を保持し、弾性変形しなかった。また、図4(b)に示すように試料bは、僅かな弾性変形が見られた。一方、水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料を含まない試料cは、図4(c)に示すように圧縮成形後しばらく経過すると、弾性変形により復原してしまい、圧縮成形直後の形状を保持することは出来なかった。
1 中敷本体
2 第2中足骨骨頭位置付近部分の凹部
3 土踏まず部分の凹部
4 踵部の凹部
5 基布
6 加硫ラテックスフォームシート
7 金型
2 第2中足骨骨頭位置付近部分の凹部
3 土踏まず部分の凹部
4 踵部の凹部
5 基布
6 加硫ラテックスフォームシート
7 金型
Claims (7)
- 天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックスの発泡成形により作られる発泡成形体の製造方法であって、
天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックスに少なくとも起泡剤、加硫剤及び加硫促進剤を配合し、さらに天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックスの総質量に基づき0.5ないし50質量部の水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料を混合する混合工程、
前記工程で得られた混合物を発泡させる発泡工程、
前記工程で発泡したものにゲル化剤を混合し、ゲル化したものを、基布上に流延するゲル化工程、
前記工程で得られたシートを加熱し加硫する加硫工程、及び
該シートを上記水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料の軟化点以上の温度で、発泡成形体の形状に対応するキャビティを有する金型内で加熱して成形する成形工程を有してなることを特徴とする発泡成形体の製造方法。 - アクリルエマルジョンの発泡成形により作られる発泡成形体の製造方法であって、
アクリルエマルジョンに少なくとも起泡剤及び架橋剤を配合し、さらに該アクリルエマルジョンの総質量に基づき0.5ないし50質量部の水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料を混合する混合工程、
前記工程で得られた混合物を発泡させる発泡工程、
前記工程で発泡したものを基布上に流延する流延工程、
前記工程で得られたシートを加熱し架橋する架橋工程、及び
該シートを上記水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料の軟化点以上の温度で、発泡成形体の形状に対応するキャビティを有する金型内で加熱して成形する成形工程を有してなることを特徴とする発泡成形体の製造方法。 - 請求項1に記載の方法により製造された発泡成形体。
- 請求項2に記載の方法により製造された発泡成形体。
- 前記成形体が靴中敷であることを特徴とする、請求項3又は請求項4に記載の発泡成形体。
- 次の(A)ないし(C)の各成分、
(A)天然ゴム及び/又は合成ゴムラテックス、
(B)起泡剤、加硫剤、加硫促進剤及びゲル化剤、並びに
(C)水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料
を含み発泡成形してなる発泡成形体において、前記(C)成分が前記(A)成分の総質量に基づき0.5ないし50質量部含まれることを特徴とする発泡成形体。 - 次の(A)ないし(C)の各成分、
(A)アクリルエマルジョン、
(B)起泡剤及び架橋剤、並びに
(C)水性一液形油変性ポリウレタン樹脂塗料
を含み発泡成形してなる発泡成形体において、前記(C)成分が前記(A)成分の総質量に基づき0.5ないし50質量部含まれることを特徴とする発泡成形体。
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CN109467912A (zh) * | 2018-11-16 | 2019-03-15 | 广东百卓鞋业有限公司 | 一种改性水性聚氨酯鞋垫的制备方法 |
CN110281452A (zh) * | 2019-07-25 | 2019-09-27 | 王欣 | 胶乳固化物的制备方法及压边胶乳模杯、制备方法和应用 |
CN115490906A (zh) * | 2022-09-22 | 2022-12-20 | 江苏爱德福乳胶制品有限公司 | 一种乳胶发泡文胸垫的制作方法 |
-
2007
- 2007-09-14 JP JP2007239802A patent/JP2009066989A/ja active Pending
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