JP2005120549A - ゴム手袋の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ゴムの厚みの制御が容易でバラツキが少なく、色むらなどのない品質的に安定なゴム手袋を低いコストで製造する方法を提供する。
【解決手段】手袋型を、ゴム凝固液に浸漬後引き上げて乾燥する工程、加硫剤を含有するゴムラテックスに浸漬後、乾燥してゴム皮膜を形成する工程、熱膨張性の発泡粒子形成剤および加硫剤を含有するゴムラテックスに浸漬後、乾燥してゴム皮膜を積層する工程、前記積層体を前記発泡粒子形成剤の発泡開始温度未満でかつゴムラテックスの加硫温度以上で加熱する一次加熱工程、前記発泡粒子形成剤の発泡開始温度以上で加熱する二次加熱工程、および前記手袋型から加硫されたゴム積層体を反転脱型し外側層に発泡粒子を有するゴム手袋を取得する工程を備えてなるゴム手袋の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】手袋型を、ゴム凝固液に浸漬後引き上げて乾燥する工程、加硫剤を含有するゴムラテックスに浸漬後、乾燥してゴム皮膜を形成する工程、熱膨張性の発泡粒子形成剤および加硫剤を含有するゴムラテックスに浸漬後、乾燥してゴム皮膜を積層する工程、前記積層体を前記発泡粒子形成剤の発泡開始温度未満でかつゴムラテックスの加硫温度以上で加熱する一次加熱工程、前記発泡粒子形成剤の発泡開始温度以上で加熱する二次加熱工程、および前記手袋型から加硫されたゴム積層体を反転脱型し外側層に発泡粒子を有するゴム手袋を取得する工程を備えてなるゴム手袋の製造方法。
【選択図】なし
Description
この発明は、ゴム手袋の製造方法に関し、さらに詳しくは天然ゴムまたは合成ゴムからなる家庭用、検査用、手術用あるいは作業用ゴム製手袋を品質性よく安定に製造する方法に関する。
ゴム手袋は、防水性、耐薬品性等に優れていることから各種の作業時に広く用いられている。ゴム製の手袋には、例えば綿などからなる手袋体を裏地として有するいわゆるサポート型のものと、前記裏地を有しないいわゆるノンサポート型のものが知られている。このうち、サポート型の手袋は、例えば、前記手袋体(裏地)を型に被せてゴムラテックス等の表面素材溶液に浸漬したり、あるいは手袋体を被せた型に前記表面素材溶液をシャワー方式で滴下したりすることによって作製されており、ノンサポート型の手袋に比べて強度が強いことから、特に土木、建築、漁業等の、重・軽作業用手袋として好適に用いられる。
一方、ノンサポート型の手袋は、前記手袋体(裏地)を有しないことから、一般にサポート型の手袋に比べて強度が劣るものの、ゴム本来の特性である優れた伸び、柔軟性等が維持されるという利点を有する。また、かかるノンサポート型の手袋についても、そのゴム膜の厚みを大きくすることにより、軽作業用手袋として好適に用いることができる。その反面、ノンサポート型ゴム手袋は、保温性や内外表面が粘着性を有することから装着・脱着時の使い勝手やグリップ性の改良と、厚みのバラツキが少なく品質的により安定化することが望まれている。
このうちグリップ性を有するゴム手袋の例としては、特許文献1において、ゴム手袋の製造に際して、手袋型を熱膨張性マイクロカプセルまたは発泡剤と、ゴム凝固剤と、該ゴム凝固剤に安定なラテックス状合成ゴムとを含む凝固用合成ゴムラテックス中に浸漬して凝固剤含有合成ゴム皮膜を手袋型表面に形成する工程、該手袋型をゴム配合ラテックス中に浸漬して凝固剤含有合成ゴム皮膜上にゲル化ゴム層を形成する工程、形成された二層構成のゴム積層体を加熱して加硫、発泡させる工程、および前記手袋型から加硫されたゴム積層体を反転脱型する工程を順次行って、手袋の外面に凹凸を形成することが開示されている。
一方サポート型手袋に関しては、一般に保温性を有するもののやはりグリップ性を良くすることが望まれており、手袋基体にゴム層を形成した手袋として、手袋基材の表面をゴム材料で被覆し、被覆した材料の半ゲル化時にワックスを散布し、その後に加熱処理して成膜し、膜面のワックスを洗浄除去することにより、微細な凹部を表面に有した皮膜を手袋基材上に形成すること(特許文献2)、あるいはメリヤス手袋が装着された平板状手型を塗布用金型にセットしてメリヤス手袋の少なくとも手掌部分に発泡ラテックスを塗布し、離型した後、立体成形手型に装着し、熱加硫して作業用手袋を製造すること(特許文献3参照)が提案されている。
特開2001-207314号公報(請求項1、段落[0010]など)
特開2002-249909号公報(要約、請求項1など)
特開2002-201515号公報(要約、請求項1など)
ノンサポート型ゴム手袋は、前述のようにグリップ性などの改良が行なわれているが、一定の品質のものを得ることに関しては未だ改良すべき点が残されている。すなわち、一般にゴム手袋は、手袋型を用いて浸漬法によってゴム皮膜を積層することにより製造されているが、従来の方法によるとゴム層厚みのバラツキが大きいことや、加硫中に手袋型とゴム皮膜との間に水ぶくれのような部分が発生しやすくその部分だけ型とゴムが密着していないため熱伝導が悪くなり色むらの原因となることなどその改善が要望されている。そこで本発明の目的は、ゴムの厚みを制御しやすく品質のよいゴム手袋の製造方法を提供しようとするものである。
本発明者らは上記課題を解決すべく種々検討を重ねた結果、以下のゴム手袋の製造方法を完成したものである。
本発明の第1のゴム手袋の製造方法は、手袋型を、ゴム凝固液に浸漬後引き上げて乾燥する工程、熱膨張性の発泡粒子形成剤および加硫剤を含有するゴムラテックスに浸漬後、乾燥してゴム皮膜を形成する工程、加硫剤を含有するゴムラテックスに浸漬後、乾燥してゴム皮膜を積層する工程、前記積層体を前記発泡粒子形成剤の発泡開始温度未満でかつゴムラテックスの加硫温度以上で加熱する一次加熱工程、前記発泡粒子形成剤の発泡開始温度以上で加熱する二次加熱工程、および前記手袋型から加硫されたゴム積層体を反転脱型し外側層に発泡粒子を有するゴム手袋を取得する工程を備えることを特徴とする。この製造方法によると、ゴム皮膜が積層されたゴム手袋が得られるが、通常は二層の積層体とするが前記の積層工程を繰り返すことによってさらに積層することもできる。この場合、前期発泡粒子形成剤は最外側層を形成するゴムラテックス中に配合される。
本発明の第1のゴム手袋の製造方法は、手袋型を、ゴム凝固液に浸漬後引き上げて乾燥する工程、熱膨張性の発泡粒子形成剤および加硫剤を含有するゴムラテックスに浸漬後、乾燥してゴム皮膜を形成する工程、加硫剤を含有するゴムラテックスに浸漬後、乾燥してゴム皮膜を積層する工程、前記積層体を前記発泡粒子形成剤の発泡開始温度未満でかつゴムラテックスの加硫温度以上で加熱する一次加熱工程、前記発泡粒子形成剤の発泡開始温度以上で加熱する二次加熱工程、および前記手袋型から加硫されたゴム積層体を反転脱型し外側層に発泡粒子を有するゴム手袋を取得する工程を備えることを特徴とする。この製造方法によると、ゴム皮膜が積層されたゴム手袋が得られるが、通常は二層の積層体とするが前記の積層工程を繰り返すことによってさらに積層することもできる。この場合、前期発泡粒子形成剤は最外側層を形成するゴムラテックス中に配合される。
本発明の第2のゴム手袋の製造方法は、前記第1の製造方法において、前記発泡粒子形成剤の発泡開始温度が115〜140℃であって、前記一次加熱工程の加熱温度を95〜110℃に、前記二次加熱工程の加熱温度を120℃以上にそれぞれ設定することを特徴とする。
本発明の製造方法によると、前記のとおり一次加熱工程と二次加熱工程を備えており、発泡粒子形成剤の添加量、加熱温度と時間をコントロールすることにより、発泡粒子を含む層の厚みを適宜設定することができるので、得られるゴム手袋の厚みのコントロールが容易であり、厚みのバラツキが従来の方法に比べて非常に小さくなる。加えて、加硫工程において、手袋型とゴム皮膜との密着性がよく水ぶくれ状態を生ずることがないことから均一な熱伝導が行なわれて、その結果色むらの発生が防止されるなど、品質の安定化を図ることができる。また、エネルギーコストを削減することが可能である。すなわち、従来はゴム手袋の製造工程(in-line)において巨大な加硫炉を必要とし、このときに発泡させると甚大な熱エネルギーを要するばかりでなく、加硫炉の長さの制限や、手袋間の品質のバラツキがみられたのである。また、本発明で得られるゴム手袋は、外側層に発泡粒子が均一に散在していることから保温性も向上する。
以下に、本発明の製造方法の工程を説明する。
[1]手袋型をゴム凝固液に浸漬後引き上げて乾燥する工程
手袋を成形するのに用いる型は、人の手の輪郭に対応する形状を有するものであって、例えば、手首から指先までのもの、肘から指先までのもの等、目的に応じて種々の形状のものが選択され、その材質として例えば陶器製、セラミック製、プラスチック製のものが挙げられる。本発明では、アノード浸漬法による皮膜形成法が好ましく適用され、そのための凝固剤としては、例えば硝酸カルシウム、塩化カルシウム等の2価以上の金属塩、あるいはテトラメチルアンモニウム塩酸塩等の有機アルキルアミン塩等が挙げられる。凝固液中の凝固剤の配合量は常法に従って設定すればよく、通常、10〜40重量%の水溶液として用いられるが、凝固剤量としてゴムラテックスのゴム固形分100重量部当たり0.5〜5重量部、特に0.5〜2.0重量部の範囲となるようにするのが好ましい。手袋型を凝固液に浸漬し、引き上げて、凝固液がたれない程度に必要により乾燥し、手袋型の表面に凝固剤を付着させる。乾燥は例えば60〜100℃の温風中に10〜90秒程度放置すればよく、これによって凝固剤を均一に付着させることができる。
[1]手袋型をゴム凝固液に浸漬後引き上げて乾燥する工程
手袋を成形するのに用いる型は、人の手の輪郭に対応する形状を有するものであって、例えば、手首から指先までのもの、肘から指先までのもの等、目的に応じて種々の形状のものが選択され、その材質として例えば陶器製、セラミック製、プラスチック製のものが挙げられる。本発明では、アノード浸漬法による皮膜形成法が好ましく適用され、そのための凝固剤としては、例えば硝酸カルシウム、塩化カルシウム等の2価以上の金属塩、あるいはテトラメチルアンモニウム塩酸塩等の有機アルキルアミン塩等が挙げられる。凝固液中の凝固剤の配合量は常法に従って設定すればよく、通常、10〜40重量%の水溶液として用いられるが、凝固剤量としてゴムラテックスのゴム固形分100重量部当たり0.5〜5重量部、特に0.5〜2.0重量部の範囲となるようにするのが好ましい。手袋型を凝固液に浸漬し、引き上げて、凝固液がたれない程度に必要により乾燥し、手袋型の表面に凝固剤を付着させる。乾燥は例えば60〜100℃の温風中に10〜90秒程度放置すればよく、これによって凝固剤を均一に付着させることができる。
[2]発泡粒子形成剤および加硫剤を含有するゴムラテックスに浸漬後、乾燥してゴム皮膜を形成する工程
上記のように凝固剤を付着させた手袋型を、上記のゴムラテックスに浸漬し、適度に乾燥してゴム皮膜を形成する。乾燥は例えば70〜100℃で10〜60分間程度でよい。
この工程におけるゴムラテックス(ゴム固形分40〜60重量%)は、発泡粒子形成剤および加硫剤を含有し、全体固形分が40〜60重量%となるように軟水を加えて調製される。通常、全ての配合を終えた後、浸漬に供するまで2日間程度熟成しておくことが好ましい。
上記のように凝固剤を付着させた手袋型を、上記のゴムラテックスに浸漬し、適度に乾燥してゴム皮膜を形成する。乾燥は例えば70〜100℃で10〜60分間程度でよい。
この工程におけるゴムラテックス(ゴム固形分40〜60重量%)は、発泡粒子形成剤および加硫剤を含有し、全体固形分が40〜60重量%となるように軟水を加えて調製される。通常、全ての配合を終えた後、浸漬に供するまで2日間程度熟成しておくことが好ましい。
ゴムラテックスのゴム材料としては、例えば天然ゴム(NR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、メタクリル酸エチルグラフト重合体(MG)等の、従来公知の種々のゴムが挙げられる。中でも、天然ゴム(NR)やメタクリル酸エチルグラフト重合体(MG)が、皮膜の強度や手袋の柔軟性等をより一層優れたものにする上で好適である。前記天然ゴム(NR)を用いる場合には、蛋白質によるアレルギーを防止すべく、脱蛋白された天然ゴム(DPNR)を用いるのがより好ましい。
加硫剤としては、例えば硫黄;トリメチルチオ尿素、N,N'−ジエチルチオ尿素等の有機含硫黄化合物等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。加硫剤の配合量は、前加硫の程度や加硫促進剤等の配合量と兼ね合いによって決定されるものであるが、通常、ゴムラテックス中のゴム固形分100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部の範囲で設定される。
加硫促進剤としては、例えばN−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛(PX)、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(PZ)、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(EZ)、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(BZ)、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩(MZ)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TT)等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。加硫促進剤の配合量は、ゴムラテックスのゴム固形分100重量部に対して0.5〜3重量部程度に調整するのが好ましい。
加硫促進助剤としては、例えば亜鉛華等が挙げられる。加硫促進助剤の配合量は、ゴムラテックスのゴム固形分100重量部に対して0.5〜3重量部程度に調整するのが好ましい。
前記発泡粒子形成剤は、加熱により発泡する性質を有する熱膨張性マイクロ粒子(Heat Expandable Microspheres)が用いられる。このものは、合成樹脂よりなるシェル(外殻)とその中に発泡剤(コア)を封入して構成されるものであり、加硫したゴム中で加熱することによって発泡剤が気化し、シェルが膨張して発泡粒子が形成される。これによって、ゴム体中に発泡粒子を含有させることができる。シェルは、ビニリデンクロライド−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル重合体、(メタ)アクリル酸エステル重合体、スチレン重合体等よりなり、その中にコアとなる発泡剤としてイソブタン、イソペンタン、ノルマルペンタン等の液体炭化水素類が封入されるが、発泡剤としてはさらにヒドラジン系化合物(例えば、トルエンスルホニルヒドラジン、ベンゼンスルホニルヒドラジン等)あるいはアゾ系化合物(例えば、アゾビスイソブチロニトリル)なども使用できる。
前記発泡粒子形成剤は、加熱により発泡する性質を有する熱膨張性マイクロ粒子(Heat Expandable Microspheres)が用いられる。このものは、合成樹脂よりなるシェル(外殻)とその中に発泡剤(コア)を封入して構成されるものであり、加硫したゴム中で加熱することによって発泡剤が気化し、シェルが膨張して発泡粒子が形成される。これによって、ゴム体中に発泡粒子を含有させることができる。シェルは、ビニリデンクロライド−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル重合体、(メタ)アクリル酸エステル重合体、スチレン重合体等よりなり、その中にコアとなる発泡剤としてイソブタン、イソペンタン、ノルマルペンタン等の液体炭化水素類が封入されるが、発泡剤としてはさらにヒドラジン系化合物(例えば、トルエンスルホニルヒドラジン、ベンゼンスルホニルヒドラジン等)あるいはアゾ系化合物(例えば、アゾビスイソブチロニトリル)なども使用できる。
前記発泡粒子形成剤の発泡開始温度は主として発泡剤の気化温度に依存するが、本発明においてはゴムの加硫温度との関係から115〜140℃の範囲の発泡開始温度を有するものが好ましく用いられる。発泡粒子形成剤の粒径は、10〜17μm程度であり、発泡することによって20〜40μmに膨張し中空を形成する。本発明において使用し得る具体的な発泡粒子形成剤としては、積水化学株式会社製の商品名EML−001、EMS−007、EMS−008、EMS−009、EMS−002−2、EMS−003、EH0−001などを挙げることができる。発泡粒子形成剤は、ゴムラテックスのゴム固形分100重量部に対して1〜50重量部、より好ましくは3〜10重量部の割合で配合される。
[3]加硫剤を含有するゴムラテックスに浸漬後、乾燥してゴム皮膜を積層する工程
前記[2]のゴム皮膜上にさらにゴム皮膜を積層する工程である。ここで用いるゴムラテックスおよび加硫剤は、前記[2]工程におけると同材料のものを用いることができる。本ゴムラテックスにおけるゴム固形分は、40〜60重量%、好ましくは45〜55重量%であり、また全固形分は40〜60重量%、好ましくは45〜55重量%に調整される。このゴムラテックス配合物は、粘度を10〜300cps程度に調整する。このゴムラテックス配合物中に上記[2]によりゴム皮膜を形成した手袋型を浸漬し、引き上げて乾燥するが、ここで浸漬後に常法に従って綿などの植毛材料を吹き付けて植毛を施すことが好ましい。これによってゴム手袋の内側に植毛がなされ、ゴム手袋の装着および脱着がしやすなり、しかも装着感が良くなる。
前記[2]のゴム皮膜上にさらにゴム皮膜を積層する工程である。ここで用いるゴムラテックスおよび加硫剤は、前記[2]工程におけると同材料のものを用いることができる。本ゴムラテックスにおけるゴム固形分は、40〜60重量%、好ましくは45〜55重量%であり、また全固形分は40〜60重量%、好ましくは45〜55重量%に調整される。このゴムラテックス配合物は、粘度を10〜300cps程度に調整する。このゴムラテックス配合物中に上記[2]によりゴム皮膜を形成した手袋型を浸漬し、引き上げて乾燥するが、ここで浸漬後に常法に従って綿などの植毛材料を吹き付けて植毛を施すことが好ましい。これによってゴム手袋の内側に植毛がなされ、ゴム手袋の装着および脱着がしやすなり、しかも装着感が良くなる。
本発明において、手袋本体のゴム皮膜を形成する前記[2]、[3]工程のゴムラテックス配合物には、上記添加剤のほかに、例えば老化防止剤、充填剤、分散剤、顔料等の、従来公知の種々の添加剤を配合してもよい。老化防止剤としては、一般に、非汚染性のフェノール類が好適に用いられるが、アミン類を使用してもよい。その配合量は、ゴム固形分または樹脂固形分100重量部に対して0.5〜3重量部程度であるのが好ましい。充填剤としては、例えばカオリンクレー、ハードクレー、炭酸カルシウム等があげられる。その配合量は、ゴム固形分100重量部に対して10重量部以下であるのが好ましい。また、上記各添加剤のゴムラテックス中への分散を良好にするために分散剤を配合してもよい。かかる分散剤としては、例えば各種陰イオン系界面活性剤等が挙げられる。分散剤の配合量は、分散対象である成分における重量の0.3〜1.0重量%程度であるのが好ましい。
[3]一次加熱工程
この加熱工程は、上記のとおりゴム積層体を形成した手袋型を、前記発泡粒子形成剤が発泡開始せずにゴムを加硫する温度で加熱する工程である。このときの加硫温度は、例えば発泡開始温度が115〜140℃である発泡粒子形成剤を用いたときは、95〜110℃で15〜60分間の範囲で加熱する。この加熱工程は、通常のゴム手袋の製造ラインで実施される。
この加熱工程は、上記のとおりゴム積層体を形成した手袋型を、前記発泡粒子形成剤が発泡開始せずにゴムを加硫する温度で加熱する工程である。このときの加硫温度は、例えば発泡開始温度が115〜140℃である発泡粒子形成剤を用いたときは、95〜110℃で15〜60分間の範囲で加熱する。この加熱工程は、通常のゴム手袋の製造ラインで実施される。
[4]二次加熱工程
一次加熱後に発泡粒子形成剤の発泡開始温度以上、通常120℃以上でさらに15〜60分間程度加熱して、前加硫したゴム中の発泡粒子形成剤を加熱膨張させて発泡粒子を形成させると共に後加硫を行う。これによって加硫ゴム中に膨張した中空シェルが発泡粒子として均一に散在することになる。この加熱は、in-lineを離れて発泡粒子形成を目的に実施されることから、前記発泡粒子形成剤の使用量や加熱温度と時間を適宜設定して、ゴム中に均一な発泡粒子が形成することができる。従って、ゴム手袋の厚みをコントロールし易く、また手袋ごとの厚みのバラツキを非常に小さくすることが可能である。
一次加熱後に発泡粒子形成剤の発泡開始温度以上、通常120℃以上でさらに15〜60分間程度加熱して、前加硫したゴム中の発泡粒子形成剤を加熱膨張させて発泡粒子を形成させると共に後加硫を行う。これによって加硫ゴム中に膨張した中空シェルが発泡粒子として均一に散在することになる。この加熱は、in-lineを離れて発泡粒子形成を目的に実施されることから、前記発泡粒子形成剤の使用量や加熱温度と時間を適宜設定して、ゴム中に均一な発泡粒子が形成することができる。従って、ゴム手袋の厚みをコントロールし易く、また手袋ごとの厚みのバラツキを非常に小さくすることが可能である。
[5]反転脱型する工程
二次加熱工程に加硫成形された積層体を反転して脱型することにより、発泡粒子を含む層を外側とし、所望により植毛を施した層を内側とするゴム手袋が得られる。
二次加熱工程に加硫成形された積層体を反転して脱型することにより、発泡粒子を含む層を外側とし、所望により植毛を施した層を内側とするゴム手袋が得られる。
次に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1〜4
表1に示すように、脱蛋白天然ゴムラテックス(ゴム固形分60重量%)に熱膨張性の発泡粒子形成剤(積水化学製の商品名「EMWS−007」、発泡開始温度:117℃)および加硫剤等を配合したゴムラテックス配合物(全固形分55重量%)を調製し、2日間熟成した。陶器製の手袋型を凝固液(硝酸カルシウム30重量%水溶液)に浸漬し引き上げて、凝固液がたれない程度に55℃の温風中に180秒間放置し、表面に凝固液を均一に付着させた。
この手袋型を、前記ゴムラテックス配合物中に10秒間浸漬して引き上げて、110℃の温風で3分間乾燥して、ゴム皮膜を形成させた。次いで、実施例1のゴムラテックス配合物において発泡粒子形成剤を添加せずに、増粘剤(「hi-met」、信越化学製)を加えて粘度を250cpsに調整した配合物(接着ゴムラテックス)中に10秒間浸漬して引き上げて、30℃の温風で1分間乾燥して接着ゴムラテックスの皮膜を積層した。この接着ゴムラテックス層面に常法により綿毛を散布して植毛処理を行なった。この処理後、長さ60mのラインにおいて表1に示す加熱温度および時間で加熱(一次加熱)して加硫を行なった。これをさらに200Lタンブラー(off-line)を使用し、表1に示す加熱温度および時間で加熱(二次加熱)して発泡粒子を形成させた。手袋型から反転脱型して目的とするゴム手袋を得た。これらの手袋の厚みを厚みゲージで測定し、厚みの平均値とバラツキの程度を表1に示した。
実施例1〜4
表1に示すように、脱蛋白天然ゴムラテックス(ゴム固形分60重量%)に熱膨張性の発泡粒子形成剤(積水化学製の商品名「EMWS−007」、発泡開始温度:117℃)および加硫剤等を配合したゴムラテックス配合物(全固形分55重量%)を調製し、2日間熟成した。陶器製の手袋型を凝固液(硝酸カルシウム30重量%水溶液)に浸漬し引き上げて、凝固液がたれない程度に55℃の温風中に180秒間放置し、表面に凝固液を均一に付着させた。
この手袋型を、前記ゴムラテックス配合物中に10秒間浸漬して引き上げて、110℃の温風で3分間乾燥して、ゴム皮膜を形成させた。次いで、実施例1のゴムラテックス配合物において発泡粒子形成剤を添加せずに、増粘剤(「hi-met」、信越化学製)を加えて粘度を250cpsに調整した配合物(接着ゴムラテックス)中に10秒間浸漬して引き上げて、30℃の温風で1分間乾燥して接着ゴムラテックスの皮膜を積層した。この接着ゴムラテックス層面に常法により綿毛を散布して植毛処理を行なった。この処理後、長さ60mのラインにおいて表1に示す加熱温度および時間で加熱(一次加熱)して加硫を行なった。これをさらに200Lタンブラー(off-line)を使用し、表1に示す加熱温度および時間で加熱(二次加熱)して発泡粒子を形成させた。手袋型から反転脱型して目的とするゴム手袋を得た。これらの手袋の厚みを厚みゲージで測定し、厚みの平均値とバラツキの程度を表1に示した。
比較例1
実施例1において、発泡粒子形成剤を添加せず、また二次加熱をしないでゴム手袋を製造した。
比較例2
表1に示すように、発泡粒子形成剤を3重量部添加するが加熱工程は一次加熱(120℃、30分)のみとし、二次加熱を行なわずにゴム手袋を製造した。
実施例1において、発泡粒子形成剤を添加せず、また二次加熱をしないでゴム手袋を製造した。
比較例2
表1に示すように、発泡粒子形成剤を3重量部添加するが加熱工程は一次加熱(120℃、30分)のみとし、二次加熱を行なわずにゴム手袋を製造した。
比較例3
表1に示すように、発泡粒子形成剤を3重量部添加するが加熱工程は一次加熱(140℃、30分)のみとし、二次加熱を行なわずにゴム手袋を製造した。
比較例4
表1に示すように、発泡粒子形成剤を5重量部添加するが加熱工程は一次加熱(120℃、30分)のみとし、二次加熱を行なわずにゴム手袋を製造した。
表1に示すように、発泡粒子形成剤を3重量部添加するが加熱工程は一次加熱(140℃、30分)のみとし、二次加熱を行なわずにゴム手袋を製造した。
比較例4
表1に示すように、発泡粒子形成剤を5重量部添加するが加熱工程は一次加熱(120℃、30分)のみとし、二次加熱を行なわずにゴム手袋を製造した。
比較例5
表1に示すように、発泡粒子形成剤を5重量部添加するが加熱工程は一次加熱(140℃、30分)のみとし、二次加熱を行なわずにゴム手袋を製造した。
上記の実施例1〜4および比較例1〜5について、配合組成、加熱条件、厚みの平均値およびバラツキの測定結果をまとめて表1に示す。
表1に示すように、発泡粒子形成剤を5重量部添加するが加熱工程は一次加熱(140℃、30分)のみとし、二次加熱を行なわずにゴム手袋を製造した。
上記の実施例1〜4および比較例1〜5について、配合組成、加熱条件、厚みの平均値およびバラツキの測定結果をまとめて表1に示す。
この結果、従来の製造方法によると、加硫中に手袋のところどころに水ぶくれのような部分が発生し、その部分だけ型とゴムが密着していないため熱伝導が悪く色むらができるが、本発明の製造方法によると色むらができず仕上がりの優れた製品が得られている。
上述のとおり、本発明は、家庭用、検査用、手術用あるいは作業用ゴム製手袋を、品質よく製造するために有用である。
Claims (2)
- 手袋型を、ゴム凝固液に浸漬後引き上げて乾燥する工程、加硫剤を含有するゴムラテックスに浸漬後、乾燥してゴム皮膜を形成する工程、熱膨張性の発泡粒子形成剤および加硫剤を含有するゴムラテックスに浸漬後、乾燥してゴム皮膜を積層する工程、前記積層体を前記発泡粒子形成剤の発泡開始温度未満でかつゴムラテックスの加硫温度以上で加熱する一次加熱工程、前記発泡粒子形成剤の発泡開始温度以上で加熱する二次加熱工程、および前記手袋型から加硫されたゴム積層体を反転脱型し外側層に発泡粒子を有するゴム手袋を取得する工程を備えることを特徴とするゴム手袋の製造方法。
- 前記発泡粒子形成剤の発泡開始温度が115〜140℃であって、前記一次加熱工程の加熱温度を95〜110℃に、前記二次加熱工程の加熱温度を115℃以上にそれぞれ設定することを特徴とする請求項1記載のゴム手袋の製造方法。
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---|---|---|---|---|
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KR101243581B1 (ko) | 2011-09-28 | 2013-03-20 | 김병근 | 내표면 엠보싱형 고무 장갑의 제조 방법 |
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-
2003
- 2003-10-20 JP JP2003359503A patent/JP2005120549A/ja active Pending
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