JP2000290434A - ゴム製品用表面処理剤およびそれを用いたゴム手袋 - Google Patents

ゴム製品用表面処理剤およびそれを用いたゴム手袋

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JP2000290434A
JP2000290434A JP10429899A JP10429899A JP2000290434A JP 2000290434 A JP2000290434 A JP 2000290434A JP 10429899 A JP10429899 A JP 10429899A JP 10429899 A JP10429899 A JP 10429899A JP 2000290434 A JP2000290434 A JP 2000290434A
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rubber
latex
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surface treatment
glove
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Ai Matsuura
亜衣 松浦
Yoshiaki Miyamoto
芳明 宮本
Atsuko Ochi
敦子 越智
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装着・脱着時の取扱い性が良好で、かつかか
る状態を長期に亘って維持することのできるゴム製品用
表面処理剤と、装着および脱着をスムーズに行うことの
できるゴム手袋とを提供する。 【解決手段】 本発明のゴム製品用表面処理剤は、ゴム
製品本体を構成するゴムとの相溶性を有するゴムラテッ
クスに少なくとも加硫剤と、所定粒径および所定量の架
橋ポリマー粒子とを配合したものであって、本発明のゴ
ム手袋は、ゴム手袋本体の内表面に前記表面処理剤を成
膜し、加硫したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面の滑性を向上
させるためのゴム製品用表面処理剤と、スムーズな装着
および脱着が可能なゴム手袋に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴム手袋は天然ゴム(NR)製のものか
ら、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ス
チレン−ブタジエンゴム(SBR)等の合成ゴム製のも
のまで種々の材質のものが知られており、家庭用、作業
用、手術用等の幅広い分野で用いられている。
【0003】これらのゴム手袋は、一般に手との密着性
が高く、べた付き感があるため、スムーズに装着および
脱着することができない。そこで、従来、ゴム手袋の内
面にタルク粉、雲母粉、澱粉等の離型剤を付着させる打
粉処理が施されたり、ゴムの表面に塩素処理や植毛を施
すことによってゴム表面の摩擦係数を低減させ、ゴム手
袋内面の滑性を高める試みがなされている。
【0004】しかしながら、ゴム手袋内面に付着された
離型剤や植毛された毛は、ゴム手袋を繰り返し使用した
り、洗浄したりすることによって手袋本体から剥離しや
すく、長期に亘って滑性を高める効果を維持することが
できない。また、離型剤が手袋脱着後の手に付着した
り、周囲を汚したりするおそれがあるため、電子部品の
製造等、ほこりを極度に避ける必要のある作業には使用
できない。さらに、離型剤の種類によっては手肌と直接
触れることでアレルギー症状を引き起こす原因となるお
それもある。
【0005】一方、塩素処理を施した場合には、塩素処
理がゴム手袋の内面のみに施されたとしても、その影響
により外表面も滑り易くなってしまい、ゴム手袋装着時
の作業性が低下するという問題がある。また、近年特に
注目されているダイオキシン問題への取り組みのなか
で、塩素を含む製品を避けられる方向にあり、かかる理
由からも塩素処理が敬遠されつつある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の問題を解決する
ために、NBRラテックスで構成される手袋基体内面の
一部または全部に、塩化ビニル樹脂微粒子等の微粉体を
含有するアクリル系樹脂層を設けたり(特開平8−33
7910号公報)、塩化ビニル樹脂層からなる手袋本体
の表面に、(メタ)アクリル酸エステル重合体等の微粉
状有機充填剤を含有する合成樹脂エマルジョンを成膜す
る(特開平4−119102号公報)など、離型性を有
する微粉末を含有した層を手袋の表面に設けて、当該表
面の滑性を高めることが試みられている。
【0007】しかしながら、上記公報に開示の手袋は、
離型性を有する微粉末を含有した層と手袋本体との密着
性が低いため、水で洗浄したり、繰り返し使用すると前
記層が剥離してしまう。従って、滑性が高く、装着・脱
着時の取扱性が良好な状態を維持することができない。
そこで本発明の目的は、上記課題を解決し、ゴム製品自
体の物性を低下させることなく、表面の滑性が高く、か
つその状態をゴム製品の洗浄または繰返し使用後にも維
持することができるゴム製品用表面処理剤を提供するこ
とである。
【0008】さらに本発明の他の目的は、上記課題を解
決し、装着および脱着時の取扱性が良好で、かつその状
態を洗浄または繰返し使用後にも維持することができる
ゴム手袋を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明のゴム製品用表面処理剤は、ゴム製品本体を構
成するゴムとの相溶性を有するゴムラテックス中に少な
くとも加硫剤と、平均粒径が3〜18μmの架橋ポリマ
ー粒子とが配合されており、かつ前記架橋ポリマー粒子
の配合割合が2重量%以上であることを特徴とする。
【0010】上記本発明のゴム製品用表面処理剤は、少
なくとも加硫剤と所定粒径および所定量の架橋ポリマー
粒子とを含有することから、ゴム製品本体の表面に塗布
し、加硫・成膜することによって、当該ゴム製品本体の
表面に滑性の高いゴム膜を付与することができる。従っ
て、ゴム製品が例えばゴム手袋の場合は、その装着・脱
着時の取扱性を良好なものにすることができる。
【0011】また、上記本発明のゴム製品用表面処理剤
によれば、例えば従来の塩素処理のようにゴム製品本体
の物性に悪影響を及ぼすことなく、ゴム製品の表面のみ
の滑性を高くすることができる。さらに、本発明のゴム
製品用表面処理剤はゴム製品本体を構成するゴムとの相
溶性を有するゴムラテックスからなるため、かかる処理
剤を成膜することによって、滑性が高いだけでなく、ゴ
ム製品本体との親和性が高く、剥離しにくいゴム膜をゴ
ム製品本体の表面に形成することができる。従って、ゴ
ム製品を洗浄したり、繰り返し使用しても、表面の滑性
が高い状態を維持することができる。
【0012】一方、本発明のゴム手袋は、ゴム手袋本体
を構成するゴムとの相溶性を有するゴムラテックス中に
少なくとも加硫剤と、平均粒径が3〜18μmの架橋ポ
リマー粒子とが配合されており、かつ前記架橋ポリマー
粒子の配合割合が2重量%以上である表面処理剤を、前
記ゴム手袋本体の内表面に成膜して加硫したことを特徴
とする。
【0013】上記本発明のゴム手袋は、ゴム手袋本体の
内表面に、当該ゴム手袋本体を構成するゴムとの相溶性
を有するゴムラテックス中に少なくとも加硫剤と、所定
粒径および所定量の架橋ポリマー粒子とが配合された表
面処理剤が成膜されているため、内表面の滑性が高く、
装着・脱着時の取扱性が良好である。また、ゴム手袋本
体の内表面に前記表面処理剤を成膜する処理を施して
も、例えば従来の塩素処理のようにゴム手袋本体の物性
に悪影響を及ぼすことがないことから、本発明によれ
ば、ゴム手袋本体の物性を維持しつつ、内表面のみの滑
性を高めたゴム手袋を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明のゴム製品用表面処理剤は、前述のよう
に、ゴム製品本体を構成するゴムとの相溶性を有するゴ
ムラテックスに、少なくとも加硫剤と、所定粒径および
所定量の架橋ポリマー粒子とを配合したものである。
【0015】(ゴムラテックス)本発明のゴム製品用表
面処理剤に用いられるゴムラテックスとしては、天然ゴ
ム(NR)、脱蛋白天然ゴム(DPNR)等の天然ゴム
ラテックス;アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NB
R)、水素化NBR(HNBR)、スチレン−ブタジエ
ンゴム(SBR)等の合成ゴムラテックス;上記例示の
ゴムラテックスからなる混合ゴムラテックス等が挙げら
れ、これらの中からゴム製品本体を構成するゴムの種類
に応じて、当該ゴムとの相溶性を有するものが適宜選択
される。
【0016】すなわち、例えばゴム製品本体を構成する
ゴムがNRである場合には、NRラテックス、DPNR
ラテックス等をゴム製品用表面処理剤のゴムラテックス
として用いることができる。また、ゴム製品本体を構成
するゴムがNBRである場合には、NBRラテックス、
HNBRラテックス等をゴム製品用表面処理剤のゴムラ
テックスとして用いることができる。
【0017】(架橋ポリマー粒子)本発明に用いられる
架橋ポリマー粒子としては、例えばポリメタクリル酸メ
チル(PMMA)等の架橋(メタ)アクリル粒子;セル
ロースビーズ、ポリエチレン粒子等が挙げられる。前記
架橋ポリマー粒子の平均粒径は、3〜18μm、好まし
くは3〜10μm、より好ましくは3〜6μmの範囲で
設定される。平均粒径が上記範囲を超えると、ゴム製品
の表面に架橋ポリマーに起因するざらつき感が生じてし
まい、例えばゴム手袋の場合には装着・脱着時に不快感
を生じる原因となる。逆に、平均粒径が上記範囲を下回
ると、ゴム製品の表面に十分な滑性を付与できなくな
り、例えばゴム手袋の場合には装着や脱着が困難にな
る。なお、前記架橋ポリマーの粒径は単分散であっても
よく、多分散であってもよい。
【0018】架橋ポリマーの配合割合は、ゴム製品用表
面処理剤の全量に対して2重量%以上、好ましくは2〜
20重量%の割合で設定される。配合割合が上記範囲を
下回ると、ゴム製品の表面に十分な滑性を付与できなく
なり、例えばゴム手袋の場合には装着・脱着時の取扱性
が不良となる。 (加硫剤および他の配合剤)本発明のゴム製品用表面処
理剤に配合される加硫剤としては特に限定されるもので
はなく、従来公知の種々の加硫剤が挙げられる。具体的
には、例えば硫黄、有機含硫黄化合物等が挙げられる。
【0019】加硫剤の配合量は特に限定されるものでは
ないが、通常ゴム製品用表面処理剤の全量に対して0.
5〜3重量%の範囲で設定される。また、本発明のゴム
製品用表面処理剤には、上記架橋ポリマーおよび加硫剤
のほかに、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤、充
填剤、分散剤等の、従来公知の種々の添加剤を配合する
ことができる。
【0020】加硫促進剤としては、例えばN−エチル−
N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛(PX)、ジメチ
ルジチオカルバミン酸亜鉛(PZ)、ジエチルジチオカ
ルバミン酸亜鉛(EZ)、ジブチルジチオカルバミン酸
亜鉛(BZ)、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛
塩(MZ)、テトラメチルチウラムジスルフィド(T
T)等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を
混合して用いることができる。その配合量は、ゴム製品
用表面処理剤の全量に対して0.5〜3重量%程度であ
るのが好ましい。
【0021】加硫促進助剤としては、例えば亜鉛華等が
挙げられる。その配合量は、ゴム製品用表面処理剤の全
量に対して0.5〜3重量%であるのが好ましい。老化
防止剤としては、一般に非汚染性のフェノール類が好適
に用いられるが、アミン類を使用してもよい。老化防止
剤の配合量は、ゴム製品用表面処理剤の全量に対して
0.5〜3重量%程度であるのが好ましい。
【0022】充填剤としては、例えばカオリンクレー、
ハードクレー、炭酸カルシウム等が挙げられる。その配
合量は、ゴム製品用表面処理剤の全量に対して20重量
%以下であるのが好ましい。また、上記各添加剤の表面
処理剤中への分散を良好にするために分散剤を配合して
もよい。かかる分散剤としては、例えば各種の陰イオン
系界面活性剤等が挙げられる。分散剤の配合量は、分散
対象である成分における重量の0.3〜1.0重量%程
度であるのが好ましい。
【0023】(ゴム製品用表面処理剤の使用方法)本発
明のゴム製品用表面処理剤は、その使用に際して前加硫
または熟成を施すのが好ましい。かかる処理を行うこと
により、当該表面処理剤を成膜して得られるゴム膜と、
表面処理が施されるゴム製品本体との親和性を高めて、
両者を強固に結びつけ、剥離しにくいものとすることが
できる。
【0024】前加硫または熟成の処理条件は特に限定さ
れないが、通常、ベースラテックス中に加硫剤等の加硫
系添加剤を配合した後、室温〜50℃で12〜96時間
程度熟成すればよい。前記処理温度が室温より低いと前
加硫または熟成に時間がかかり、生産性が低下するおそ
れがある。逆に、上記範囲より高いと、ゴムラテックス
が不安定になったり、ゴムラテックスの表面が乾燥して
しまうおそれがある。一方、前記処理時間が上記範囲を
外れると、前加硫または熟成が十分に進行せずに、ある
いは反応が進みすぎて、滑性の高いゴム膜を形成できな
くなるおそれがある。
【0025】なお、ゴム製品用表面処理剤への架橋ポリ
マーの配合は、前加硫または熟成を施す前であってもよ
く、施した後であってもよい。本発明のゴム製品用内面
処理剤は、ゴム手袋の内表面の滑性を高める用途のみな
らず、例えば指サックやゴム長靴等の、従来公知のゴム
製品における表面の滑性を高める用途にも適用すること
ができる。
【0026】(ゴム手袋)本発明のゴム手袋は、前述の
ように、ゴム手袋本体を構成するゴムとの相溶性を有す
るゴムラテックス中に少なくとも加硫剤と、所定粒径お
よび所定量の架橋ポリマー粒子とが配合された表面処理
剤(すなわち、上記本発明のゴム製品用表面処理剤)
を、ゴム手袋本体の内表面に成膜し、加硫したものであ
る。
【0027】上記本発明のゴム製品用表面処理剤をゴム
手袋本体の内表面に成膜することによって、当該内表面
にゴム膜が形成される。かかるゴム膜は、ゴム手袋本体
とともに加硫されることにより、ゴム手袋本体と強固に
結びつき、かつ滑性に優れたものとなる。また、上記本
発明のゴム手袋においては、前記表面処理剤がゴム手袋
本体を構成するゴムとの相溶性を有するゴムラテックス
をベースとし、かつ前加硫または熟成されたものである
のが好ましい。この場合、ゴム手袋本体の内表面に形成
されるゴム膜は、ゴム手袋本体との親和性が高く、剥離
しにくいものとなる。従って、ゴム手袋を洗浄したり、
繰返し使用した後においても、装着・脱着時の取扱性が
良好な状態を維持することができる。
【0028】本発明のゴム製品用表面処理剤を用いて、
ゴム手袋本体の内表面に滑性の高いゴム層を形成するに
は、次の(1) 〜(4) の工程を経ればよい。 (1) 手袋の型表面にゴム膜(すなわち、ゴム手袋本体)
を形成し、乾燥させる。なお、前記ゴム膜を形成するた
めの配合ラテックスには、必要に応じて、配合ラテック
スの状態で前加硫または熟成処理を施してもよい。
【0029】(2) 前記ゴム手袋本体を、必要に応じて前
加硫または熟成処理を施したゴム製品用表面処理剤に浸
漬することによって、当該表面処理剤からなる、架橋ポ
リマー粒子を含む滑性の高いゴム膜を前記ゴム手袋本体
の表面に付加する。 (3) 前記滑性の高いゴム膜を乾燥させた後、当該ゴム膜
とゴム手袋本体とを同時に加硫する。
【0030】(4) 得られた積層ゴム膜を反転脱型する。 上記製造方法において、型表面にゴム膜(すなわち、ゴ
ム手袋本体)を形成する方法は、浸漬法、感熱法等の従
来公知の成膜方法に従って行えばよい。ゴム手袋本体の
前加硫処理は、前述と同様な条件にて行えばよい。ま
た、前記滑性の高いゴム膜を形成した後の乾燥処理は、
室温〜60℃で30分〜2時間程度行えばよい。
【0031】前記滑性の高いゴム膜とゴム手袋本体との
加硫は、同時に、かつ100〜130℃、20〜60分
の程度の条件で行えばよい。
【0032】
【実施例】次に、実施例および比較例を挙げて本発明を
説明する。 実施例1 (ゴム製品用表面処理剤の作製)ベースラテックスとし
て天然ゴムラテックス(NR、商品名「“H&C”ハリ
ソンラテックス」)を用い、この天然ゴムラテックスの
乾燥ゴム分100重量部に対して、硫黄(加硫剤)1重
量部、亜鉛華(加硫促進剤)1重量部およびジブチルカ
ルバミン酸亜鉛(BZ、加硫促進剤)1重量部を添加し
た後、室温で24〜48時間熟成して前加硫を行った。
【0033】こうして得られた前加硫ラテックスを蒸留
水で希釈して、乾燥ゴム分の割合が0.4重量%となる
ように調整し、次いで架橋ポリマー粒子としてのポリメ
タクリル酸メチル(PMMA)粒子〔日本純薬(株)製
の商品名「ジュリマーMB−S」、平均粒径4μm〕を
配合して、ゴム製品用表面処理剤を得た。かかるゴム製
品用表面処理剤において、架橋ポリマー粒子の配合量は
表面処理剤の全量に対して3重量%となるように調整し
た。
【0034】(ゴム手袋の作製)天然ゴムラテックスの
乾燥ゴム分100重量部に対して、硫黄(加硫剤)1重
量部、亜鉛華(加硫促進剤)1重量部およびジブチルカ
ルバミン酸亜鉛(BZ、加硫促進剤)1重量部を添加し
た。次いで、上記ゴムラテックスに、表面に20%硝酸
カルシウム溶液(凝固液)をつけて約50℃に加温した
手袋の型を浸漬し、この型を引き上げた後、室温で乾燥
させて、膜厚0.2mmのゴム手袋本体を形成した。
【0035】前記型表面に形成されたゴム手袋本体を乾
燥させた後、前記ゴム製品用表面処理剤に浸漬して、ゴ
ム手袋本体の表面に前記表面処理剤からなるゴム膜を形
成した。前記ゴム膜を室温で乾燥させた後、100℃の
オーブン中に30分間放置して前記手袋本体とゴム膜と
を加硫した。さらに、前記ゴム膜が内表面となるように
反転脱型して、ゴム手袋を得た。
【0036】実施例2 ゴム製品用表面処理剤およびゴム手袋におけるベースラ
テックスとして、天然ゴムラテックスに代えてアクリロ
ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)のラテックス(N
BR、商品名「LX550L」)を用いたほかは、実施
例1と同様にしてゴム製品用表面処理剤およびゴム手袋
の作製を行った。
【0037】実施例3〜6および比較例1、2 架橋ポリマー粒子の平均粒径およびその配合割合を変え
たほかは、実施例2と同様にしてゴム製品用表面処理剤
およびゴム手袋の作製を行った。 比較例3 ゴム製品用表面処理剤およびゴム手袋におけるベースラ
テックスとして前出のNBRラテックスを用い、乾燥ゴ
ム分の割合が0.4重量%となるように調製した。次い
で、このNBRラテックスに、架橋ポリマー粒子として
のPMMA粒子(前出)を4重量%の割合で配合して、
ゴム製品用表面処理剤を作成した。
【0038】すなわち、この比較例3においては、ゴム
製品用表面処理剤中に加硫剤を添加せず、当該処理剤に
ついて前加硫も行わなかった。次いで、上記ゴム製品用
処理剤を用いたほかは、実施例2と同様にしてゴム手袋
の製造を行った。 比較例4 実施例2で使用したのと同じゴム手袋本体の内表面に、
市販の内面処理剤(ハニー化成社製)を塗布した後、1
00℃のオーブン中に30分間放置して加硫した。
【0039】対照 内表面に滑性の高いゴム層を設けなかった天然ゴム(N
R)製手袋を対照1とし、同様に前記ゴム層を設けなか
ったアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)製手
袋を対照2とした。 〔摩擦係数の測定〕測定機としてヘイドン10型〔新東
科学(株)製の「トライボギア」、TYPE:HEID
ON−10DR〕を使用して、上記実施例、比較例およ
び対照のゴム手袋における内表面(滑性が高いゴム層)
の静摩擦係数を測定した。なお、摩擦係数を測定する際
の対象物には普通紙を使用し、荷重50gの条件にて測
定を行った。
【0040】摩擦係数の測定は、ゴム手袋の使用前(洗
浄前)と洗浄後にそれぞれ行った。 〔装着・脱着時の取扱性の評価〕上記実施例、比較例お
よび対照のゴム手袋を10名の被験者に実際に使用して
もらい、ゴム手袋を装着および脱着する際の取扱性につ
いての評価を求めた。評価は、各被験者の結果を平均し
て表した。
【0041】 ◎:装着および脱着をスムーズに行うことができた(装
着しくかつ脱ぎ易かった)。 ×:粘着力が大きいため、装着および脱着が困難であっ
た(装着しにくくかつ脱ぎにくかった)。 以上の結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1より明らかなように、前加硫ゴムラテ
ックスに所定量の架橋ポリマー粒子を配合したゴム手袋
用内面処理剤を使用して、前記ラテックスと同種のゴム
手袋本体内表面にゴム層を形成した実施例1〜6では、
静摩擦係数が低く、装着・脱着時の取扱性が良好なゴム
手袋を得ることができた。これらのゴム手袋は洗浄後や
繰り返し使用後においても装・脱着性が良好であった。
【0044】これに対し、架橋ポリマー粒子の配合量が
内面処理剤全量に対して1重量%であった比較例1で
は、内表面への滑性の付与が不十分となり、装・脱着性
が不十分であった。一方、架橋ポリマー粒子の平均粒径
が20μmであった比較例2では、当該粒径が大きいこ
とに起因して摩擦係数が大きくなり、装着・脱着時の取
扱性が不十分になるとともに、表面にざらつき感が生じ
てしまい、ゴム手袋の装着・脱着時に不快感が生じた。
【0045】また、内面処理剤に前処理を施さなかった
比較例3や、市販の内面処理剤を用いた比較例4では、
洗浄前には装着・脱着時の取扱性が良好であったもの
の、内面処理剤によって形成された滑性の高いゴム層が
十分にゴム手袋本体と結合しなかったため、洗浄後にお
ける装着・脱着時の取扱性が著しく低下した。
【0046】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のゴム製品
用表面処理剤によれば、ゴム製品自体の物性を低下させ
ることなく、表面の滑性を向上させ、かつその状態を長
期に亘って維持することができる。また、本発明のゴム
手袋によれば、装着および脱着を長期に亘ってスムーズ
に行うことができる。
【0047】従って、本発明のゴム製品用表面処理剤お
よびゴム手袋は、家庭用、作業用、手術用等の幅広い分
野で好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 7/04 CEQ C08J 7/04 CEQL CEQZ Fターム(参考) 3B033 AA27 AB09 AC03 BA02 4D075 DB32 DC30 EB10 EB47 EC08 4F006 AA04 AB03 AB05 AB13 AB24 AB66 AB73 BA09 DA04 4F070 AA04 AA05 AC05 AC14 AC45 AC83 AE08 GA10 GB09 GC01 GC06 4J002 AB012 AC011 AC071 AC081 AC111 BB032 BC032 DA046 FA082 FD010 FD146 FD150 GC00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴム製品本体を構成するゴムとの相溶性を
    有するゴムラテックス中に少なくとも加硫剤と、平均粒
    径が3〜18μmの架橋ポリマー粒子とが配合されてお
    り、かつ前記架橋ポリマー粒子の配合割合が2重量%以
    上であることを特徴とするゴム製品用表面処理剤。
  2. 【請求項2】ゴム手袋本体を構成するゴムとの相溶性を
    有するゴムラテックス中に少なくとも加硫剤と、平均粒
    径が3〜18μmの架橋ポリマー粒子とが配合されてお
    り、かつ前記架橋ポリマー粒子の配合割合が2重量%以
    上である表面処理剤を、前記ゴム手袋本体の内表面に成
    膜して加硫したことを特徴とするゴム手袋。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5945036B1 (ja) * 2015-05-29 2016-07-05 株式会社東和コーポレーション 手袋及びその製造方法
JP2020132674A (ja) * 2019-02-13 2020-08-31 三井化学株式会社 ゴム成形体用コーティング剤

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