JP7257167B2 - ゴム成形体用コーティング剤 - Google Patents

ゴム成形体用コーティング剤 Download PDF

Info

Publication number
JP7257167B2
JP7257167B2 JP2019023494A JP2019023494A JP7257167B2 JP 7257167 B2 JP7257167 B2 JP 7257167B2 JP 2019023494 A JP2019023494 A JP 2019023494A JP 2019023494 A JP2019023494 A JP 2019023494A JP 7257167 B2 JP7257167 B2 JP 7257167B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating agent
rubber
sulfur
cross
agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019023494A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020132674A (ja
Inventor
祐介 服部
光太郎 市野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2019023494A priority Critical patent/JP7257167B2/ja
Publication of JP2020132674A publication Critical patent/JP2020132674A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7257167B2 publication Critical patent/JP7257167B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Description

本発明は、ゴム成形体用コーティング剤に関する。
従来、架橋ゴム成形体は、未架橋ゴムに、カーボンブラック等の補強剤と、プロセスオイル等の可塑剤と、硫黄や有機過酸化物等の架橋剤とを添加して、金型や押出成形機で製品形状に成形した後、加熱し架橋することによって得られている。ここで、未架橋ゴムの表面に塗布し、加熱することで、未架橋ゴム全体に対する均一な架橋が可能なゴム架橋用硫黄分散液が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005-139293号公報
例えば有機過酸化物を架橋剤として用いて、熱空気下において未架橋ゴムに対して架橋処理を実施すると、得られる架橋ゴム成形体において表面劣化が発生し、粘着性が高くなる傾向にある。
本発明の課題は、表面粘着性が低い架橋ゴム成形体を製造することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく検討した。その結果、以下に記載のコーティング剤をゴム成形体表面に塗布し、架橋を行うことで、表面劣化が低減され、表面粘着性が低い架橋ゴム成形体が得られることを見出した。
例えば本発明は、以下の[1]~[9]に関する。
[1]未架橋ゴムと架橋剤とを含有するゴム成形体のためのコーティング剤であり、硫黄系架橋剤と、活性亜鉛華とを含有するコーティング剤。
[2]前記活性亜鉛華を5~40質量%含有する、前記[1]に記載のコーティング剤。
[3]前記活性亜鉛華以外の加硫促進剤をさらに含有する、前記[1]または[2]に記載のコーティング剤。
[4]分散剤として界面活性剤をさらに含有する、前記[1]~[3]のいずれかに記載のコーティング剤。
[5]分散媒として水をさらに含有する、前記[1]~[4]のいずれかに記載のコーティング剤。
[6]前記硫黄系架橋剤が単体硫黄および硫黄化合物から選ばれる少なくとも1種である、前記[1]~[5]のいずれかに記載のコーティング剤。
[7]前記ゴム成形体に含まれる前記架橋剤が有機過酸化物を含む、前記[1]~[6]のいずれかに記載のコーティング剤。
[8]未架橋ゴムと架橋剤とを含有するゴム成形体の表面に、前記[1]~[7]のいずれかに記載のコーティング剤を塗布し、続いて架橋処理を行う、架橋ゴム成形体の製造方法。
[9]前記架橋剤が有機過酸化物を含む、前記[8]に記載の架橋ゴム成形体の製造方法。
本発明によれば、コーティング剤を提供することができる。前記コーティング剤をゴム成形体表面に塗布し、架橋を行うことで、表面劣化が低減され、表面粘着性が低い架橋ゴム成形体を得ることができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のコーティング剤は、硫黄系架橋剤(加硫剤)と、活性亜鉛華とを含有する。本発明のコーティング剤は、未架橋ゴムと架橋剤とを含有するゴム成形体のためのコーティング剤である。具体的には、前記ゴム成形体表面に前記コーティング剤を塗布し、続いて架橋処理を行う。
<硫黄系架橋剤>
硫黄系架橋剤(加硫剤)としては、例えば、単体硫黄、硫黄化合物が挙げられる。
単体硫黄における形態は特に限定されず、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄が挙げられる。硫黄化合物としては、例えば、塩化硫黄、二塩化硫黄等の無機硫黄化合物、モルフォリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド等の有機硫黄化合物が挙げられる。
硫黄系架橋剤の形状は特に限定されないが、硫黄系架橋剤は、コーティング剤中に分散している状態で、噴霧口直径100μmのノズルを通過できるような形状であることが好ましい。硫黄系架橋剤としては、通常は300メッシュ、好ましくは500メッシュの篩にかけられたときに当該篩を通過しうる粒子を用いることが好ましい。硫黄系架橋剤としてこのような粒子を用いると、得られるコーティング剤を例えば噴霧口直径100μmのノズルを用いて噴霧した場合に、当該ノズルを詰まらせることなく噴霧できるため好ましい。この場合、コーティング剤中の硫黄系架橋剤の粒子の直径は100μm未満になっていると推測される。また、前記粒子直径の下限値は、一実施態様では、通常は1μm程度である。
本発明のコーティング剤は1種又は2種以上の硫黄系架橋剤を含有することができる。
本発明のコーティング剤100質量%中の硫黄系架橋剤の含有割合は、通常は1~30質量%、好ましくは1~15質量%である。このような態様であると、コーティング剤中での前記硫黄系架橋剤粒子の再凝集がなく分散性が良好であるため好ましい。
<活性亜鉛華>
本発明のコーティング剤は、活性亜鉛華を含有する。このようなコーティング剤を用いることにより、活性亜鉛華を含有しないコーティング剤を用いる場合に比べ、ゴム成形体の表面の架橋反応が早くなり、架橋度が向上し、よって表面粘着性を低減することができ、また得られる架橋ゴム成形体からのコーティング剤の脱落も低減することができ、さらに、前記架橋ゴム成形体は圧縮永久歪みが小さい傾向にある。
活性亜鉛華は、通常は、従来の亜鉛華に比べて比表面積が大きい。例えば、活性亜鉛華の比表面積は、通常は10m2/g以上、好ましくは10~30m2/gである。比表面積は、JIS Z8830に準拠して窒素を吸着質としたBET法により測定される。
活性亜鉛華の平均粒子径は、通常は0.15~0.3μm、好ましくは0.15~0.25μmである。平均粒子径は、JIS Z8901に準拠して走査型電子顕微鏡を用いた方法により測定される。
活性亜鉛華における亜鉛の含有割合は、好ましくは61~95質量%、より好ましくは80~95質量%、さらに好ましくは90~95質量%である。
活性亜鉛華は、亜鉛以外の成分として、カルシウムおよび/またはマグネシウムを含有することができる。活性亜鉛華におけるカルシウムの含有割合は、好ましくは1~10質量%、より好ましくは1~5質量%である。活性亜鉛華におけるマグネシウムの含有割合は、好ましくは1~10質量%、より好ましくは1~5質量%である。
活性亜鉛華の化学組成は、蛍光X線分析装置を用いて定量分析することができる。
活性亜鉛華は、コア部と、当該コア部の表面の一部または全部を被覆する酸化亜鉛層(シェル部)とを有することが好ましい。前記コア部は、例えば、炭酸カルシウム、次亜塩素酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等の無機塩からなる。無機塩は1種でも2種以上でもよい。
このようなコア/シェル構造を有する活性亜鉛華を用いることにより、本発明のコーティング剤において架橋が効率的に進み、表面劣化が低減され、表面粘着性が低い架橋ゴム成形体を得ることができる。
活性亜鉛華は、例えば、硫酸亜鉛または酸化亜鉛溶液とソーダ灰溶液とを反応させて、得られた反応生成物を焼成して粉砕する湿式法によって得ることができる。
本発明のコーティング剤は1種又は2種以上の活性亜鉛華を含有することができる。
本発明のコーティング剤100質量%中の活性亜鉛華の含有割合は、通常は5~40質量%、好ましくは5~20質量%、より好ましくは5~15質量%である。このような態様であると、コーティング時にノズルを詰まらせることがないため好ましい。
<加硫促進剤>
本発明のコーティング剤は、活性亜鉛華以外の加硫促進剤をさらに含有することが好ましい。加硫促進剤としては、例えば、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(例えば、サンセラーPZ、サンセラーEZ、サンセラーBZ(商品名;三新化学工業(株)製))、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルル、ジエチルジチオカルバミン酸テルルなどのジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤;N,N'-ジエチルチオ尿素、N,N'-ジブチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素などのチオウレア系加硫促進剤;ジブチルキサトゲン酸亜鉛などのザンテート系加硫促進剤;N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-オキシジエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N'-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-(4-モルホリノジチオ)ペンゾチアゾール、2-(2,4-ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2-(2,6-ジエチル-4-モルフォリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィドなどのチアゾール系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジンなどのグアニジン系加硫促進剤;アセトアルデヒド・アニリン縮合物、ブチルアルデヒド・アニリン縮合物などのアルデヒドアミン系加硫促進剤;2-メルカプトイミダゾリンなどのイミダゾリン系加硫促進剤;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどのチウラム系加硫促進剤が挙げられる。
これらの中でも、加硫促進力が極めて強いという観点から、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤が好ましく、ジチオカルバミン酸亜鉛系加硫促進剤がより好ましい。
本発明のコーティング剤は1種又は2種以上の加硫促進剤を含有することができる。
本発明のコーティング剤中の活性亜鉛華以外の加硫促進剤の含有量は、硫黄系架橋剤100質量部に対して、通常は5~300質量部、好ましくは50~200質量部である。
<界面活性剤>
本発明のコーティング剤は、界面活性剤を含有することが好ましい。前記界面活性剤は例えば分散剤として機能する。分散剤を用いて、攪拌、混合または分散処理を行うことによって、硫黄系架橋剤と分散媒との濡れ性を向上させ、硫黄系架橋剤を充分に分散させることができる。
界面活性剤としては、例えば、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン高級アルコールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、ソルビタンジ脂肪酸エステル、ソルビタントリ脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタンモノ脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタンジ脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタントリ脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン硬化ひまし油、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド、アルキルアミンオキシドが挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、アルカリ石鹸、金属石鹸、有機塩基石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルスルホン酸塩、ポリカルボン酸型高分子界面活性剤が挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、アルキルアンモニウム塩、アルキルピリジウム塩が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン、アミノカルボン酸、アルキルβ-アラニン、イミダゾリンが挙げられる。
本発明のコーティング剤は1種又は2種以上の界面活性剤を含有することができる。
本発明のコーティング剤中の界面活性剤の含有量は、硫黄系架橋剤100質量部に対して、通常は0.1~250質量部、好ましくは75~100質量部である。あるいは、本発明のコーティング剤100質量%中の界面活性剤の含有割合は、通常は0.01~25質量%、好ましくは1~6質量%である。このような態様であると、前記硫黄系架橋剤の分散性を向上させることができるため好ましい。
<安定化剤>
本発明のコーティング剤は、必要に応じて安定化剤を含有することができる。安定化剤を用いると、コーティング剤の保存安定性を向上させることができ、長期にわたって硫黄系架橋剤を沈殿させることなく使用できるため好ましい。
安定化剤としては、例えば、ポリビニルアルコール(完全けん化あるいは部分けん化型、重合度1000~1700)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール・プロピレングリコール共重合体、カルボキシメチルセルロース、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウムが挙げられる。
本発明のコーティング剤は1種又は2種以上の安定化剤を含有することができる。
本発明のコーティング剤中の安定化剤の含有量は、硫黄系架橋剤100質量部に対して、好ましくは0~10質量部、より好ましくは0~5質量部である。あるいは、本発明のコーティング剤100質量%中の安定化剤の含有割合は、好ましくは0~1質量%、より好ましくは0~0.5質量%である。
<その他の成分>
本発明のコーティング剤は、本発明の目的を損なわない範囲内で、上記の成分以外のその他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、例えば、補強剤、粘度調整剤が挙げられる。
<分散媒>
本発明のコーティング剤は、分散媒を含有することが好ましい。分散媒としては、公知の溶剤のうち、硫黄系架橋剤や、塗布対象であるゴム成形体と反応を起こさず、かつ前述した界面活性剤や安定化剤を溶解または分散できるものであれば、いずれでも用いることができる。
分散媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの有機分散媒;オイルが挙げられる。これらの中でも、コーティング剤の保管性および安全性の観点からは、水が好ましい。水は、イオン交換水、精製水等の精製処理を施したものを好ましく用いることができる。
本発明のコーティング剤は1種又は2種以上の分散媒を含有することができる。
本発明のコーティング剤100質量%中の分散媒の含有割合は、通常は24質量%以上、好ましくは65質量%以上である。分散媒の含有割合の上限は、上述した各成分の含有割合により画定され、例えば94質量%である。
<コーティング剤の製造方法および用途>
本発明のコーティング剤は、例えば、上述した各成分を所定の量で仕込み、公知の攪拌、混合または分散装置で各成分を混合することによって得ることができる。
本発明のコーティング剤は、含有成分の分散性が良好で保存安定性に優れる。
本発明のコーティング剤は、反応性コーティング剤であって、未架橋ゴムの表面、具体的にはゴム成形体の表面に塗布し、加熱して架橋ゴム成形体を得るために好適に用いることができる。具体的には、本発明のコーティング剤を用いることで、過酸化物架橋剤を用いた未架橋ゴムの熱空気架橋を良好に進めることができ、表面粘着性が低い架橋ゴム成形体を得ることができる。
ゴム成形体は、好適には、未架橋ゴムと有機過酸化物等の架橋剤とを含有するゴム組成物から形成される。ゴム成形体は、通常は未架橋であるが、一部が架橋されていてもよい。ゴム成形体は、例えば、前記ゴム組成物を、所望の形状に成形することで得られる。前記成形には、例えば、押出成形機、プレス成形機、射出成形機、トランスファー成形機、カレンダーロール等の成形機を用いる。
所定形状を付与されたゴム成形体の表面に、本発明のコーティング剤を、例えばスプレー、ロール、刷毛、浸漬処理などで好ましくは一様に塗布した後、当該ゴム成形体の表面および内部を架橋(加硫)処理する。
架橋処理には、例えば、熱空気架橋槽、マイクロ波架橋槽等の架橋装置を用いることができる。架橋時における加熱温度は、通常は200~300℃、好ましくは200~250℃である。加熱時間は、通常は5~20分、好ましくは5~10分である。
ゴム成形体、およびゴム成形体を形成するゴム組成物は、未架橋ゴムを含有する。
未架橋ゴムとしては、従来公知のゴムが挙げられるが、例えば、エチレン・α-オレフィン共重合体ゴム、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムが挙げられ、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムが好ましい。エチレン・α-オレフィン共重合体ゴムとしては、例えば、エチレン・プロピレンランダム共重合体(EPR)が挙げられ、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムとしては、例えば、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム(EPDM)が挙げられる。未架橋ゴムとしては、エチレン・α-オレフィン共重合体ゴムおよび/またはエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムとともに、公知の他のゴムをさらに用いてもよい。このような他のゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)等のイソプレン系ゴム;ブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)等の共役ジエン系ゴムが挙げられる。
未架橋ゴムは1種でも2種以上でもよい。
前記ゴム成形体およびゴム組成物は、架橋剤を含有する。
架橋剤としては、例えば、有機過酸化物、フェノール樹脂、硫黄系化合物、ヒドロシリコーン系化合物、アミノ樹脂、キノンまたはその誘導体、アミン系化合物、アゾ系化合物、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物等の、ゴムを架橋する際に一般に使用される架橋剤が挙げられる。これらの中でも、有機過酸化物が好ましい。架橋剤として有機過酸化物を用いる場合、熱架橋において成形体表面が劣化し、表面粘着性が高くなることがあるが、本発明では熱架橋前に前記コーティング剤を成形体表面に塗布することで、このような表面劣化を防止することができる。
有機過酸化物としては、例えば、ジクミルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル-4,4-ビス(tert-ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p-クロロベンゾイルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert-ブチルペルオキシベンゾエート、ert-ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert-ブチルクミルペルオキシドが挙げられる。
有機過酸化物は1種でも2種以上でもよい。
架橋剤として有機過酸化物を用いる場合、前記ゴム成形体またはゴム組成物における有機過酸化物の含有量は、未架橋ゴム100質量部に対して、通常は0.1~20質量部、好ましくは0.2~15質量部、さらに好ましくは0.5~10質量部である。
架橋剤として有機過酸化物を用いる場合、架橋助剤を併用することが好ましい。
架橋助剤としては、例えば、硫黄;p-キノンジオキシム等のキノンジオキシム系架橋助剤;エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のアクリル系架橋助剤;ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル系架橋助剤;マレイミド系架橋助剤;ジビニルベンゼンが挙げられる。
架橋助剤を用いる場合、前記ゴム成形体またはゴム組成物中の架橋助剤の配合量は、有機過酸化物1モルに対して、通常は0.5~10モル、好ましくは0.5~7モル、より好ましくは0.5~5モルである。
前記ゴム成形体およびゴム組成物は、ゴムに使用される通常の添加剤、例えば、ポリオレフィン樹脂、補強剤、可塑剤、老化防止剤、加工助剤、加硫促進剤、発泡剤、発泡助剤、脱泡剤、着色剤、分散剤、難燃剤等の従来公知の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で含有することができる。
本発明で得られる架橋ゴム成形体としては、例えば、電線被覆材、電線ジョイント、電気絶縁部品;自動車用ホース、送水用ホース、ガス用ホース等のホース;自動車用防振ゴム、鉄道用防振ゴム、産業機械用防振ゴム、建築用免震ゴム等の防振ゴム;伝動ベルト、搬送用ベルト等のベルト;OA機器用ロール、工業用ロール;家庭用ゴム製品が挙げられる。
具体的には、コーティング剤が内部まで浸透しにくい厚い連続押出ゴム成形体に対して、本発明のコーティング剤は有用である。連続押出ゴム成形体としては、電線被覆材が好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。以下の実施例等の記載において、特に言及しない限り、「部」は「質量部」を示す。
[実施例1]コーティング剤の調製
秤量した粉末硫黄5部を水75.8部中に添加し、界面活性剤[ポリメタクリル酸2部およびドデシルトリメチルアンモニウムブロミド2.2部]、加硫促進剤[META-Z102(井上石灰工業(株)製)10部およびサンセラーPZ(三新化学工業(株)製) 5部]を加えた後、この液をメッシュ500に通過させ、粉末硫黄とジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤の塊を除去し、塗布用のコーティング剤を得た。
[比較例1]コーティング剤の調製
配合組成を表1に記載したとおりに変更したこと以外は実施例1と同様に行った。
[製造例1]架橋ゴム成形体の製造
エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体(三井化学(株)製;EPT9090M)50部と、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体(三井化学(株)製;EPT3072EM)70部と、加工助剤として粉末ステアリン酸さくら(日油(株)製)1部と、加硫促進剤として、META-Z102(井上石灰工業(株)製)5部と、リポカード2HTフレーク(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)0.5部と、PEG♯4000(ポリエチレングリコール、ライオン(株)製)0.5部と、補強剤として、旭#50HG(カーボンブラック、旭カーボン(株)製)65部と、旭#60UG(カーボンブラック、旭カーボン(株)製)30部と、可塑剤としてPS-430(ダイアナプロセスオイル、出光興産(株)製)27部と、脱泡剤としてVESTA-C80N(井上石灰工業(株)製)7.5部とを、容量1.7リットルのバンバリーミキサーに投入して、5分間混練し、コンパウンドAを得た。
次に、得られたコンパウンドAに、架橋剤としてパーヘキサ25B-40(日油(株)製)6.5部と、架橋助剤としてサンエステルEG(三新化学工業(株)製)1.8部とを添加し、8インチロールで3分間練りこみ、コンパウンドBを得た。
シート状ダイスを装着した60mmφ押出機を用いて、コンパウンドBを、ダイス温度80℃、シリンダー(ダイス側)温度70℃、シリンダー(スクリュー側)温度60℃、スクリュー温度50℃の条件で押し出してシート状に成形した。
このシート状成形体に、実施例または比較例で得られたコーティング剤を噴霧圧0.15MPa、流量15mL/minの条件で塗布し、あるいは塗布せず、マイクロ波加硫槽(UHF)の加硫槽(230℃、1kw)と熱空気加硫槽(HAV)の加硫槽(250℃)とのトータル通過時間(架橋時間)が5分になるようにコンベアの速度と引取機の速度とを3m/min程度に調整し、成形体を加硫させてシート状架橋体を得た。
<比重>
比重は、水中置換法(JIS K6268)に準じて測定した。
<硬度試験:硬度(Durometer-A)>
得られたシート状架橋体の硬度を、JIS K7312(1996)の「熱硬化性ポリウレタンエラストマー成形物の物理試験方法」の7項の「硬さ試験」の記載およびJIS K6253(2006)「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-硬さの求め方」の6項の「デュロメーター硬さ試験」の試験タイプAの記載に準拠して測定した。
<圧縮永久歪み>
得られたシート状架橋体について、JIS K6262(1997)に従って、圧縮率25%、100℃または160℃×22時間処理後の圧縮永久歪みを測定した。
<粘着性>
得られたシート状架橋体表面を指で擦って下記基準により官能評価を行った。
1:擦ると抵抗が2よりも少なく、さらさらしている
2:擦ると抵抗を3よりも弱く感じる
3:擦ると抵抗を感じる
4:擦ると抵抗を3よりも強く感じる
5:擦ると滑らない
6:擦ると消しゴムのようにカスが出る
Figure 0007257167000001

Claims (8)

  1. 未架橋ゴムと架橋剤とを含有するゴム成形体のためのコーティング剤であり、
    硫黄系架橋剤と、
    活性亜鉛華と
    を含有し、
    前記活性亜鉛華を5~40質量%含有するコーティング剤。
  2. 前記活性亜鉛華以外の加硫促進剤をさらに含有する、請求項1に記載のコーティング剤。
  3. 分散剤として界面活性剤をさらに含有する、請求項1または2に記載のコーティング剤。
  4. 分散媒として水をさらに含有する、請求項1~のいずれか1項に記載のコーティング剤。
  5. 前記硫黄系架橋剤が単体硫黄および硫黄化合物から選ばれる少なくとも1種である、請求項1~のいずれか1項に記載のコーティング剤。
  6. 前記ゴム成形体に含まれる前記架橋剤が有機過酸化物を含む、請求項1~のいずれか1項に記載のコーティング剤。
  7. 未架橋ゴムと架橋剤とを含有するゴム成形体の表面に、請求項1~のいずれか1項に記載のコーティング剤を塗布し、続いて架橋処理を行う、架橋ゴム成形体の製造方法。
  8. 前記架橋剤が有機過酸化物を含む、請求項に記載の架橋ゴム成形体の製造方法。
JP2019023494A 2019-02-13 2019-02-13 ゴム成形体用コーティング剤 Active JP7257167B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019023494A JP7257167B2 (ja) 2019-02-13 2019-02-13 ゴム成形体用コーティング剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019023494A JP7257167B2 (ja) 2019-02-13 2019-02-13 ゴム成形体用コーティング剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020132674A JP2020132674A (ja) 2020-08-31
JP7257167B2 true JP7257167B2 (ja) 2023-04-13

Family

ID=72262383

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019023494A Active JP7257167B2 (ja) 2019-02-13 2019-02-13 ゴム成形体用コーティング剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7257167B2 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000290434A (ja) 1999-04-12 2000-10-17 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム製品用表面処理剤およびそれを用いたゴム手袋
JP2002327085A (ja) 2001-05-01 2002-11-15 Mitsui Chemicals Inc 耐圧縮永久歪性及び耐熱性に優れた発泡スポンジゴム製品
WO2003099948A1 (fr) 2002-05-29 2003-12-04 Bridgestone Corporation Materiau de revetement a base d'eau pour article en caoutchouc
JP2005139293A (ja) 2003-11-06 2005-06-02 Mitsui Chemicals Inc ゴム架橋用硫黄分散液
JP2010520927A (ja) 2007-02-08 2010-06-17 アレジアンス コーポレーション 手袋コーティングおよび製造プロセス
JP2013248110A (ja) 2012-05-31 2013-12-12 Dunlop Sports Co Ltd ゴルフボール
JP2018119097A (ja) 2017-01-27 2018-08-02 三井化学株式会社 自動車水系ホース用ゴム組成物

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5320874A (en) * 1992-06-18 1994-06-14 The Goodyear Tire & Rubber Company Rubber surface identification coating and rubber products prepared therefrom
JPH11115407A (ja) * 1997-10-21 1999-04-27 Yokohama Rubber Co Ltd:The 空気入りタイヤ
JP4020480B2 (ja) * 1998-01-20 2007-12-12 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000290434A (ja) 1999-04-12 2000-10-17 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム製品用表面処理剤およびそれを用いたゴム手袋
JP2002327085A (ja) 2001-05-01 2002-11-15 Mitsui Chemicals Inc 耐圧縮永久歪性及び耐熱性に優れた発泡スポンジゴム製品
WO2003099948A1 (fr) 2002-05-29 2003-12-04 Bridgestone Corporation Materiau de revetement a base d'eau pour article en caoutchouc
JP2005139293A (ja) 2003-11-06 2005-06-02 Mitsui Chemicals Inc ゴム架橋用硫黄分散液
JP2010520927A (ja) 2007-02-08 2010-06-17 アレジアンス コーポレーション 手袋コーティングおよび製造プロセス
JP2015127421A (ja) 2007-02-08 2015-07-09 アレジアンス、コーポレイション 手袋コーティングおよび製造方法
JP2017165978A (ja) 2007-02-08 2017-09-21 アレジアンス、コーポレイション 手袋コーティングおよび製造方法
JP2013248110A (ja) 2012-05-31 2013-12-12 Dunlop Sports Co Ltd ゴルフボール
JP2018119097A (ja) 2017-01-27 2018-08-02 三井化学株式会社 自動車水系ホース用ゴム組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020132674A (ja) 2020-08-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2008123405A1 (ja) ニトリル共重合体ゴム組成物およびニトリル共重合体ラテックス組成物
WO2006077918A1 (ja) 難燃性ゴム組成物、並びにそれから得られるゴム製品及び電線被覆材
JP6306712B2 (ja) 加硫可能なポリマー組成物
JPS59210960A (ja) 加硫可能なゴム組成物
JP5728284B2 (ja) 水系ホース用ゴム組成物およびそれを用いた水系ホース
JP7257167B2 (ja) ゴム成形体用コーティング剤
JPWO2019176796A1 (ja) エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物を含む積層体、並びにエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物
JP5154748B2 (ja) 連続有機過酸化物架橋ゴム成形体への加工法およびその架橋ゴム成形体
JP2014172931A (ja) ゴム組成物、ゴム部材、それを用いたシール部材及び搬送部材
WO2016132978A1 (ja) ゴム架橋物
JP2005139293A (ja) ゴム架橋用硫黄分散液
JP2000191847A (ja) グロメット用ゴム組成物、グロメットおよび製造方法
JP2004210821A (ja) 耐塩素水性ゴム組成物
JPH11279290A (ja) リサイクルゴム成形体および製造方法
JP2005133090A (ja) 加硫ゴム成形体、その製造方法および成形体の用途
JP7355677B2 (ja) 架橋ゴム発泡成形体の製造方法
JP7080387B1 (ja) 水膨張性止水組成物
JP2004250645A (ja) ニトリル共重合ゴム組成物及び架橋成形体
JPH11293053A (ja) ホース用ゴム組成物、ホースおよび製造方法
JP4208489B2 (ja) 高圧ホース
JP6985916B2 (ja) エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物およびその用途
JP2000043155A (ja) ホースの製造方法
JP7288305B2 (ja) 難燃性エチレン系共重合体組成物および鉄道用製品
JP2003221467A (ja) ゴム組成物、加硫性ゴム組成物および加硫物
JP2023023924A (ja) エチレン系共重合体組成物およびその用途

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221004

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230307

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230403

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7257167

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150