JP2018119097A - 自動車水系ホース用ゴム組成物 - Google Patents

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啓介 宍戸
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太一 大久保
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Kotaro Ichino
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Abstract

【課題】成形性を悪化させることなく、体積固有抵抗を向上させ、自動車用水系ホース等に使用した場合にその腐食劣化等を抑制することのできる組成物およびその架橋体を提供すること。【解決手段】エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)100重量部、不飽和カルボン酸またはその誘導体がグラフトされたグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(B)0.1〜30重量部および補強材(C)を含有し、前記補強材(C)の含有量が1〜40重量%の範囲であることを特徴とする自動車水系ホース用ゴム組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、自動車水系ホース用ゴム組成物に関し、より詳しくは、成形性が良好で、体積固有抵抗が高い自動車水系ホース用ゴム組成物およびその架橋体に関する。
エチレン・プロピレン共重合体ゴム(EPM)およびエチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム(EPDM)などのエチレン・α−オレフィンゴムは、その分子構造の主鎖に不飽和結合を有しないため、汎用の共役ジエンゴムと比べ、耐熱老化性、耐候性、耐オゾン性に優れ、自動車用部品、電線用材料、電気・電子部品、建築土木資材、工業材部品等の用途に広く用いられている。
たとえば自動車用水系ホースの用途には、一般に、エチレン・プロピレン共重合体ゴム(EPM)およびエチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム(EPDM)等の合成ゴムを主成分とし、これにカーボンブラック等の補強材を配合したゴム組成物が使用されている。
自動車用水系ホースでは、車体に流れる微電流によりホース自身が腐食劣化する現象が発生し、水漏れの原因となることが知られている。この解決方法として、特許文献1および2に記載されているように、ホース材料の体積固有抵抗の向上および酸化亜鉛の無添加が有効であるとされている。
特開2001−031813号公報 特開2012−72291号公報
ホース材料の体積固有抵抗を向上させる方法としては、例えば特許文献2に記載されているように、絶縁性のフィラーであるクレーを配合する方法がある。しかし、クレーの配合量を増やすと、補強材として使用されるカーボンブラックの配合量を減らす必要があり、そうすると成形性が悪化することが知られている。
本発明は、成形性を悪化させることなく、体積固有抵抗を向上させ、自動車用水系ホース等に使用した場合にその腐食劣化等を抑制することのできる組成物およびその架橋体を提供することを目的とする。
本発明者らは、特定の酸変性エチレン系共重合体を添加し、補強材を特定の含有量とすることにより、補強材の分散性が改良され、体積固有抵抗が向上した組成物が得られることが見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、例えば、以下の[1]〜[9]に関する。
[1] エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)100重量部、不飽和カルボン酸またはその誘導体がグラフトされたグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(B)0.1〜30重量部および補強材(C)を含有し、前記補強材(C)の含有量が1〜40重量%の範囲であることを特徴とする自動車水系ホース用ゴム組成物。
[2] 前記補強材(C)がカーボンブラックであることを特徴とする項[1]に記載の自動車水系ホース用ゴム組成物。
[3] 前記共重合体(A)が下記要件(A−1)〜(A−3)のすべてを満たすことを特徴とする項[1]または[2]に記載の自動車水系ホース用ゴム組成物:
(A−1)125℃で測定したムーニー粘度が5〜200である;
(A−2)α−オレフィン(a2)から導かれる構造単位に対するエチレン(a1)から導かれる構造単位の重量比[(a1)/(a2)]が、40/60〜95/5である;
(A−3)非共役ポリエン(a3)から導かれる構造単位の含有量が1.0〜20.0重量%である。
[4] 前記非共役ポリエンが、5−エチリデン−2−ノルボルネンまたは5−ビニル−2−ノルボルネンであることを特徴とする項[1]〜[3]のいずれか一項に記載の自動車水系ホース用ゴム組成物。
[5] 前記共重合体(B)の密度が860kg/m3以上880kg/m3未満であることを特徴とする項[1]〜[4]のいずれか一項に記載の自動車水系ホース用ゴム組成物。
[6] 前記共重合体(B)は、示差走査熱量分析(DSC)によって測定された融点が20℃以上60℃未満であるか、または示差走査熱量分析(DSC)により融点を示すピークが観察されないことを特徴とする項[1]〜[5]のいずれか一項に記載の自動車水系ホース用ゴム組成物。
[7] さらに架橋剤(D)を含有することを特徴とする項[1]〜[6]のいずれか一項に記載の自動車水系ホース用ゴム組成物。
[8] 項[1]〜[7]のいずれか一項に記載の自動車水系ホース用ゴム組成物の架橋体。
[9] 項[8]に記載の架橋体を含む自動車水系ホース。
本発明の組成物および架橋体は、成形性が良好であり、さらに体積固有抵抗が高く、自動車用水系ホース等に使用した場合にその腐食劣化等を抑制することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
[自動車水系ホース用ゴム組成物]
本発明に係る自動車水系ホース用ゴム組成物(以下、単に「本発明の組成物」または「本発明のゴム組成物」と称することがある。)は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)(以下、単に「共重合体(A)」と称することがある。)、不飽和カルボン酸またはその誘導体がグラフトされたグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(B)(以下、単に「共重合体(B)」と称することがある。)および補強材(C)を含有する。
<エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)>
本発明で用いられる共重合体(A)は、ゴム成分であって、ランダム共重合体でも、ブロック共重合体でもよい。共重合体(A)は、耐候性および加硫性等に優れる点で好ましい。
共重合体(A)は、エチレン(a1)と、炭素原子数3〜20のα−オレフィン(a2)と、非共役ポリエン(a3)とに由来する構成単位を有する。
α−オレフィン(a2)としては、具体的には、プロピレン、1−ブテン、4−メチルペンテン−1、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、9−メチルデセン−1、11−メチルドデセン−1および12−エチルテトラデセン−1などが挙げられる。なかでも、プロピレン、1−ブテン、4−メチルペンテン−1、1−ヘキセンおよび1−オクテンが好ましく、特にプロピレンが好ましい。これらα−オレフィンは、単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。
非共役ポリエン(a3)としては、具体的には、1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4,5−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、8−メチル−4−エチリデン−1,7−ノナジエンおよび4−エチリデン−1,7−ウンデカジエン等の鎖状非共役ジエン;メチルテトラヒドロインデン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−イソブテニル−2−ノルボルネン、シクロペンタジエンおよびノルボルナジエン等の環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン等のトリエンなどが挙げられる。なかでも、5−エチリデン−2−ノルボルネンおよび5−ビニル−2−ノルボルネンが好ましい。これらの非共役ポリエンは、単独で、または2種類以上組み合わせて用いられる。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)の具体例としては、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネンランダム共重合体、エチレン・プロピレン・5−ビニル−2−ノルボルネンランダム共重合体、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン・5−ビニル−2−ノルボルネンランダム共重合体などを例示することができる。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)は、非共役ポリエン(a3)から導かれる構造単位を、好ましくは1.0〜20.0重量%、より好ましくは3.0〜15重量%、さらに好ましくは4.0〜14重量%含む。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)は、下記要件(A−1)〜(A−3)のすべてを満たすことが好ましい。
要件(A−1):125℃で測定したムーニー粘度が5〜200、好ましくは20〜150である。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)の125℃で測定したムーニー粘度が前記範囲内であると、本発明の組成物の混練や押出成形における加工性が良好である。
要件(A−2):α−オレフィン(a2)から導かれる構造単位に対するエチレン(a1)から導かれる構造単位の重量比[(a1)/(a2)]が40/60〜95/5、好ましくは40/60〜75/25である。
前記重量比[(a1)/(a2)]が前記範囲内であると、機械物性が良好な材料が得られる。
要件(A−3):非共役ポリエン(a3)から導かれる構造単位の含有量が1.0〜20.0重量%、好ましくは3.0〜15重量%である。
非共役ポリエン(a3)から導かれる構造単位の含有量が前記範囲内であると、本発明の組成物から高いゴム弾性を有する材料が得られる。
共重合体(A)は、例えばWO2015/122415などに記載されている方法により製造することができる。
<グラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(B)>
本発明で用いられる共重合体(B)は、エチレン・α−オレフィン共重合体を不飽和カルボン酸またはその誘導体でグラフト変性することにより得られる共重合体である。
前記共重合体(B)の密度は、好ましくは860kg/m3以上880kg/m3未満、より好ましくは860〜875kg/m3、さらに好ましくは865〜875kg/m3である。共重合体(B)の密度が前記範囲であると、本発明の組成物は柔軟性と物性のバランスに優れる。
前記共重合体(B)は、示差走査熱量分析(DSC)によって測定された融点が20℃以上60℃未満であるか、または示差走査熱量分析(DSC)により融点を示すピークが観察されないことが好ましい。共重合体(B)がこの条件を満たすと、混練成形時のゴムへの分散性に優れる。示差走査熱量分析(DSC)により融点を示すピークが観察される場合、融点は、より好ましくは30℃以上60℃未満、さらに好ましくは40℃以上60℃未満である。
前記共重合体(B)におけるグラフト率は、グラフト変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対する、グラフトされた不飽和カルボン酸またはその誘導体の量として、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量%である。グラフト率が前記範囲内にあると、本発明の組成物は良好な機械的性質が得られる。
前記共重合体(B)の製造に供されるエチレン・α−オレフィン共重合体は、エチレンから導かれる単位と、炭素数3以上、好ましくは炭素数3〜20のα−オレフィンから導かれる単位とを含む共重合体であり、ランダム共重合体でも、ブロック共重合体でもよい。
α−オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、4-メチルペンテン-1、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、9-メチルデセン-1、11-メチルドデセン-1および12-エチルテトラデセン-1などが挙げられる。なかでも、プロピレン、1-ブテン、4-メチルペンテン-1、1-ヘキセンおよび1-オクテンが好ましく、特にプロピレンが好ましい。これらα-オレフィンは、単独で、または2種以上組み合わせて用いられる。
エチレン・α−オレフィン共重合体におけるエチレンから導かれる構造単位の含有量は、エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれる全構造単位に対し、通常、50.0モル%以上100モル%未満、好ましくは80.0〜99.5モル%、さらに好ましくは90.0〜99.0モル%である。
エチレン・α−オレフィン共重合体の密度は、これをグラフト変性して得られるグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(B)の密度が前記範囲内になるような密度であることが好ましく、具体的には850〜880kg/m3、より好ましくは855〜875kg/m3である。
エチレン・α−オレフィン共重合体の融点は、これをグラフト変性して得られるグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(B)の融点が前記条件を満たすような融点であることが好ましく、具体的には、示差走査熱量分析(DSC)によって測定された融点が20〜70℃であるか、または示差走査熱量分析(DSC)により融点を示すピークが観察されないことであり、より好ましく、示差走査熱量分析(DSC)によって測定された融点が30〜60℃であるか、または示差走査熱量分析(DSC)により融点を示すピークが観察されないことである。
エチレン・α−オレフィン共重合体のメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)は、好ましくは0.1〜100g/10分、より好ましくは0.2〜50g/10分、さらに好ましくは0.3〜20g/10分である。
密度、エチレン含有量およびMFRが前記のような範囲にあるエチレン・α−オレフィン共重合体をグラフト変性した共重合体(B)を用いると、組成物の加工性とゴム弾性とのバランスが良好になる。
前記エチレン・α−オレフィン共重合体のグラフト変性に用いられる不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2,3−ジカルボン酸(ナジック酸、商標)、メチル−エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン-2,3−ジカルボン酸(メチルナジック酸、商標)等の不飽和カルボン酸;これらの不飽和カルボン酸の無水物;不飽和カルボン酸ハライド、不飽和カルボン酸アミド、不飽和カルボン酸イミドおよび不飽和カルボン酸のエステル等の誘導体などが挙げられる。より具体的には、塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエートおよびメタクリル酸メチルなどを挙げることができる。これらの中では、アクリル酸、マレイン酸、ナジック酸、無水マレイン酸、無水ナジック酸、メタクリル酸メチルが好ましい。不飽和カルボン酸またはその誘導体は、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
前記共重合体(B)は、ポリオレフィンの従来公知のグラフト変性方法、たとえば押出機等を使用して、無溶媒で、エチレン・α−オレフィン共重合体をグラフトモノマー、すなわち不飽和カルボン酸またはその誘導体によりグラフト変性させることにより製造することができる。いずれのグラフト変性方法の場合にも、グラフトモノマーを効率よくグラフト共重合させるためには、ラジカル開始剤の存在下にグラフト反応を行うことが好ましい。
ラジカル開始剤は、エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に対して、好ましくは0.001〜1重量部、より好ましくは0.01〜0.5重量部の割合で使用される。
ラジカル開始剤としては、有機ペルオキシド、有機ペルエステル、アゾ化合物などを使用することができる。より具体的には、ベンゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ-t- ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5- ジ(ペルオキシドベンゾエート)ヘキシン-3、1,4-ビス(t-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、t-ブチルペルアセテート、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5- ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン;t-ブチルペルベンゾエート、t-ブチルペルフェニルアセテート、t-ブチルペルイソブチレート、t-ブチルペル-sec- オクトエート、t-ブチルペルピバレート、クミルペルピバレートおよびt-ブチルペルジエチルアセテート;アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブチレートなどが挙げられる。これらのうちでは、ジクミルペルオキシド、ジ-t- ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5- ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5- ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4-ビス(t-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどのジアルキルペルオキシドが好ましい。
ラジカル開始剤を使用したグラフト反応、あるいはラジカル開始剤を使用せずに行うグラフト反応の反応温度は、通常120〜350℃の範囲内に設定される。
本発明の組成物における共重合体(B)の含有量は、前記共重合体(A)100重量部に対して、0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜25重量部、より好ましくは1〜20重量部の範囲である。共重合体(B)の含有量が前記範囲内であることにより、補強材(C)の分散性を改良し、その結果、ゴム弾性が低下することなく体積抵抗率を改善することができる。
<補強材(C)>
補強材(C)は、通常、合成ゴムの補強材として使用されている補強材である限り、特に限定はされない。補強材(C)としては、SRF、GPF、FEF、MAF、HAF、ISAF、SAF、FT、MT等のカーボンブラック、シリカ、活性化炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、微粉タルク、微粉ケイ酸、タルク、クレーなどや、これらの無機物の表面をシランカップリング剤等で処理したものを用いることができる。市販されているカーボンブラックとしては、例えば、「旭#55G」、「旭#50HG」、「旭#60G」(商品名:旭カーボン株式会社製)、「シーストV 」、「シーストSO 」(商品名:東海カーボン株式会社製)などが挙げられる。補強材(C)の比表面積は5〜120m2/gであることが好ましい。前記補強材の中でも、剛性向上の観点から、カーボンブラックおよびシリカが好ましく、カーボンブラックが特に好ましい。
本発明の組成物における補強材(C)の含有量は1〜40重量%、好ましくは5〜35重量%、より好ましくは10〜30重量%の範囲である。補強材(C)の含有量が前記範囲内にあることにより、補強材(C)の分散性および組成物の混練加工性に優れるとともに、加硫して得られる成形体のゴム弾性、剛性、機械強度および体積固有抵抗率に優れる。
<架橋剤(D)>
本発明の組成物は、共重合体(A)、共重合体(B)および補強材(C)に加えて架橋剤(D)を含有してもよい。架橋剤(D)としては、加硫剤や有機過酸化物が挙げられる。
架橋剤(D)の一つとして使用される加硫剤としては、イオウ、イオウ化合物が挙げられる。イオウとしては、具体的には、粉末イオウ、沈降イオウ、コロイドイオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウなどが挙げられる。イオウ化合物としては、具体的には、塩化イオウ、二塩化イオウ、高分子多硫化物などが挙げられる。また、加硫温度で活性イオウを放出して加硫を行うイオウ化合物、たとえばモルフォリンジスルフィド、アルキルフェノ−ルジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレンなども挙げられる。これらの中でもイオウが好ましい。これらのイオウおよびイオウ化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
イオウおよびイオウ化合物は、共重合体(A)100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.3〜5重量部の割合で用いられ、要求される物性に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。加硫剤としてイオウ、イオウ化合物を使用するときは、後述する加硫促進剤を併用することが好ましい。
架橋剤(D)の一つである有機過酸化物としては、特に制限はなく、ゴムの過酸化物加硫に通常使用されるものでよい。具体的には、ジクミルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキシ-3,3,5- トリメチルシクロヘキサン、t-ブチルヒドロパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t- ブチルパーオキシン)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5- ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- モノ(t-ブチルパーオキシ)- ヘキサン、α,α'- ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼンなどが挙げられる。中でも、ジクミルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキシ-3,3,5- トリメチルシクロヘキサンが好ましい。これらの有機過酸化物は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
有機過酸化物は、共重合体(A)100gに対して、好ましくは0.0003〜0.05モル、より好ましくは0.001〜0.03モルの割合で使用され、要求される物性に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。架橋剤(D)として有機過酸化物を使用するときは、後述する架橋助剤を併用することが好ましい。
<加硫促進剤>
前記加硫促進剤としては、具体的には、N-シクロヘキシル-2- ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-オキシジエチレン-2- ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミド、N,N-ジイソプロピル-2- ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系化合物;2-メルカプトベンゾチアゾール、2-(2',4'-ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2-(4'- モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系化合物;ジフェニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン、ジオルソニトリルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイド、ジフェニルグアニジンフタレート等のグアニジン化合物;アセトアルデヒド- アニリン反応物、ブチルアルデヒド- アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア等のアルデヒドアミンまたはアルデヒド- アンモニア系化合物;2-メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物;チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア等のチオユリア系化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系化合物;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ-n-ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系化合物;ジブチルキサントゲン酸亜鉛等のザンテート系化合物;酸化亜鉛等の化合物を挙げることができる。
前記酸化亜鉛は、硫黄架橋の反応を促進し、高いゴム弾性を有する材料を得るために有効である。また、酸化亜鉛は、増量剤としても作用する。本発明の組成物は、酸化亜鉛を含有していても、ゴム弾性と高体積抵抗との両立が可能である。
前記酸化亜鉛としては、例えば、亜鉛華、活性亜鉛華、複合亜鉛華、表面処理した亜鉛華、複合活性化亜鉛華等の名称で市販されているものが挙げられる。これらの中では、高い活性化効果を示すことから、活性亜鉛華が好ましい。酸化亜鉛は、1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。
酸化亜鉛の比表面積は、1〜100m2/gの範囲が好ましく、特に活性亜鉛華の場合には10〜80m2/gの範囲が望ましい。また、酸化亜鉛の平均粒径は、0.01〜100μmの範囲が好ましく、特に活性亜鉛華の場合には0.05〜20μmの範囲が望ましい。比表面積および平均粒径が前記範囲内にあると、高い活性化効果を示す。
前記加硫促進剤は、共重合体(A)100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.2〜10重量部の割合で用いられ、要求される物性に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
<架橋助剤>
前記架橋助剤としては、具体的には、イオウ;p- キノンジオキシム等のキノンジオキシム系化合物;ポリエチレングリコールジメタクリレート等のメタクリレート系化合物;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート等のアリル系化合物;その他マレイミド系化合物;ジビニルベンゼンなどが挙げられる。このような架橋助剤の使用量は、有機過酸化物1モルに対して、好ましくは0.5〜2モルであり、より好ましくは、有機過酸化物に対しておよそ等モルである。
<その他の成分>
本発明の組成物は、意図する架橋体の用途や性能に応じて、前述した共重合体(A)等の他に、一般にゴム製品の製造で用いられる各種公知の配合剤、たとえば、軟化剤、老化防止剤、加工助剤、活性剤、吸湿剤、無機充填剤、アルコキシシラン化合物、反応抑制剤、着色剤、分散剤、難燃剤、可塑剤、酸化防止剤、スコーチ防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、防カビ剤、素練促進剤、粘着付与剤、分散染料や酸性染料を代表例とする各種染料、無機・有機顔料、界面活性剤、および塗料などの配合剤等を含有することができ、さらに必要に応じて、発泡剤、発泡助剤などの発泡のための化合物、脱泡剤を含有することができる。
(軟化剤)
軟化剤としては、通常ゴムに使用される軟化剤を用いることができる。具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;トール油;サブ;蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸および脂肪酸塩;石油樹脂、アタクチックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質などを挙げることができる。中でも石油系軟化剤が好ましく、特にプロセスオイルが好ましい。
軟化剤の配合量は、ゴム成形体の用途により適宜選択でき、例えば、共重合体(A)100重量部に対して、好ましくは150重量部以下、より好ましくは130重量部以下である。
(老化防止剤)
本発明の組成物が老化防止剤を含有すると、さらに材料寿命を長くすることが可能である。
老化防止剤としては、具体的には、フェニルナフチルアミン、4,4'- (α,α- ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N'- ジ-2- ナフチル-p-フェニレンジアミン等の芳香族第二アミン系安定剤;2,6-ジ-t- ブチル-4- メチルフェノール、テトラキス- [メチレン-3-(3',5'- ジ-t- ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のフェノール系安定剤;ビス[2-メチル-4- (3-n- アルキルチオプロピオニルオキシ)-5-t- ブチルフェニル]スルフィド等のチオエーテル系安定剤;2-メルカプトベンゾイミダゾール等のベンゾイミダゾール系安定剤;ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等のジチオカルバミン酸塩系安定剤;2,2,4-トリメチル-1,2- ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系安定剤などが挙げられる。これらの老化防止剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
老化防止剤は、共重合体(A)100重量部に対して、好ましくは5重量部以下、より好ましくは3重量部以下の割合で用いられ、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
(加工助剤)
加工助剤としては、通常のゴムの加工に使用される加工助剤を使用することができる。具体的には、リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸塩、リシノール酸エステル、ステアリン酸エステル、パルチミン酸エステル、ラウリン酸エステル等の高級脂肪酸エステル類などが挙げられる。
加工助剤は、共重合体(A)100重量部に対して、好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下の割合で用いられ、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
(活性剤)
活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類;ジ−n−ブチルアミン、トリエタノールアミン等のアミン類などが挙げられる。これらの活性剤は、1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。活性剤は、共重合体ゴム(A)100重量部に対して、好ましくは0.2〜15重量部、好ましくは0.3〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜8重量部の範囲で適宜配合することができる。
(吸湿剤)
吸湿剤としては、例えば、酸化カルシウム、シリカゲル、硫酸ナトリウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、ホワイトカーボンなどが挙げられる。これらの中では酸化カルシウムが好ましい。吸湿剤の配合量は、共重合体(A)100重量部に対して、好ましくは0.5〜15重量部、より好ましくは1.0〜12重量部、さらに好ましくは1.0〜10重量部である。
(無機充填剤)
無機充填剤としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーなどが挙げられる。無機充填剤の配合量は、共重合体(A)100重量部に対して、好ましくは300重量部以下、より好ましくは200重量部以下である。
<組成物の製造方法>
本発明の組成物は、上述した各成分を、公知の方法により逐次または同時に配合することにより調製することができる。
本発明の組成物から架橋物を製造するには、公知のゴム組成物を架橋するときと同様に、未架橋のゴム組成物を一度調製し、次いで、このゴム組成物を意図する形状に成形した後に架橋を行えばよい。ゴム組成物の調製、成形、架橋は、それぞれ別個に行ってもよく、連続的に行ってもよい。
本発明の架橋可能なゴム組成物は、たとえば、バンバリーミキサー、ニーダー、インターミックスのようなインターナルミキサー(密閉式混合機)類により、上述した各成分を、好ましくは80〜190℃、より好ましくは80〜170℃の温度で、好ましくは2〜20分間、より好ましくは3〜10分間混練した後、オープンロールのようなロール類またはニーダーを用いて、ロール温度40〜80℃で3〜30分間混練した後、混練物を押出し/分出しすることにより調製することができる。また、インターナルミキサー類での混練温度が低い場合には、加硫促進剤などを同時に混練してもよい。
[架橋体]
本発明の架橋体は、本発明の組成物を架橋して得られる。本発明の架橋体は、成形性が良好であり、さらにカーボンブラックの分散性に優れ、体積固有抵抗が高いという特徴を有する。このため、本発明の架橋体を自動車用水系ホースに使用した場合、腐食劣化等を抑制することができ、水漏れを防止することができる。
本発明の組成物から架橋体を製造するには、一般のゴムを加硫するときと同様に、未加硫のゴム組成物を上述したような方法で調製し、次に、このゴム組成物を意図する形状に成形した後に加硫を行えばよい。
前記のようにして調製された未加硫のゴム組成物は、種々の成形法により成形、加硫することができるが、圧縮成形、射出成形、注入成形などの型成形により成形、加硫する場合に最もその特性を発揮することができる。
圧縮成形の場合、たとえば、予め秤量した未加硫のゴム組成物を型に入れ、型を閉じた後120〜270℃の温度で、30秒〜120分加熱することにより、目的とする架橋体が得られる。
射出成形の場合、たとえば、リボン状あるいはペレット状のゴム組成物をスクリューにより予め設定した量だけポットに供給する。引き続き予備加熱されたゴム組成物をプランジャーにより金型内に1〜20秒で送り込む。ゴム組成物を射出した後120〜270℃の温度で、30秒〜120分加熱することにより、目的とする架橋体が得られる。
注入成形の場合、たとえば、予め秤量したゴム組成物をポットに入れピストンにより金型内に1〜20秒で注入する。ゴム組成物を注入した後120〜270℃の温度で、30秒〜120分加熱することにより、目的とする架橋体が得られる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
第一段階として、MIXTRON BB MIXER(神戸製鋼所社製、BB−4型、容積2.95L、ローター4WH)を用いて、共重合体(A)として三井化学(株)製「三井エプタロイ(登録商標)PX−049PEM」(EPDMとPEのアロイ、油展量:10重量部、PEブレンド量:20重量部、ムーニー粘度(ML(1+4)150℃:36))130重量部、共重合体(B)として無水マレイン酸変性エチレン・1−ブテン共重合体(商品名:タフマー(登録商標)MH7020、三井化学(株)製、MFR(190℃、2.16kg):0.7g/10min、密度:873kg/m3)3重量部、補強材(C)としてカーボンブラック(FEF)(商品名:旭#60G、旭カーボン(株)製)16重量部およびカーボンブラック(SRF)(商品名:旭#50G、旭カーボン(株)製)55重量部、活性亜鉛華(商品名:META−Z 102、井上石灰工業(株)製)3重量部、ステアリン酸1重量部、ポリエチレングリコール(商品名:PEG#4000、ライオン(株)製)1重量部、酸化カルシウム(商品名:ベスタ18、井上石灰工業(株)製)6重量部、重質炭酸カルシウム(商品名:ホワイトンSB、白石カルシウム(株)製)90重量部、ならびにパラフィン系プロセスオイル(ダイアナプロセスPW−380、出光興産(株)製)41重量部を混練し、ゴム組成物である未架橋体シートを製造した。混練条件は、ローター回転数50rpm、フローティングウェイト圧力3kg/cm2、混練時間5分間で行い、混練排出温度は145℃であった。
次に、第二段階として、第一段階で得られたゴム組成物が温度40℃となったことを確認した後、8インチロールを用いて前記ゴム組成物に、加硫促進剤として三新化学工業(株)製「サンセラーDM」0.5重量部、三新化学工業(株)製「サンセラーBZ」1重量部、三新化学工業(株)製「サンセラーTBT」0.5重量部および三新化学工業(株)製「サンセラー22」1重量部、ならびに加硫剤としてイオウを1重量部混練した。混練条件は、ロール温度を前ロール/後ロール:50℃/50℃、ロール回転数を前ロール/後ロール:18rpm/15rpm、ロール間隙を2mmとして、混練時間8分間で分出した。
次に、この配合物からプレス成形機を用いて170℃で15分間加硫を行って、架橋体である厚み2mmのゴムシートを調製した。また。圧縮永久歪測定用の架橋体であるゴムブロックは、170℃で20分間加硫して調製した。
得られたゴム組成物および架橋体の物性を評価した。各物性の評価方法は次の通りである。結果を表1に示す。
<未加硫ゴム物性の評価>
(1)ムーニー粘度(ML(1+4)125℃)、最低粘度(Vm)、スコーチ時間(t5)およびΔt
125℃におけるムーニー粘度(ML(1+4)125℃)は、JIS K6300に準拠して、ムーニー粘度計((株)島津製作所製SMV202型)を用いて、125℃の条件下で測定した。この際、測定開始から最低粘度(Vm)を求め、さらにその最低粘度(Vm)より5ポイント上昇するまでの時間を求め、これをスコーチ時間(t5、min)とした。同様に35ポイント上昇するまでの時間(t35、min)を求め、Δt=t35−t5 を求めた。
(2)加硫速度
実施例および比較例における未架橋のゴム組成物を用いて、測定装置:MDR2000(ALPHA TECHNOLOGIES 社製)により、温度170℃および時間20分の測定条件下で、加硫速度(TC90)を以下のとおり測定した。
一定温度および一定のせん断速度の条件下で得られるトルク変化を測定した。トルクの最大値と最小値との差の90%のトルクに達成するまでの時間を加硫速度(TC90;分)とした。
<加硫ゴム物性>
(1)硬さ試験(デュロ−A硬度)
JIS K 6253に従い、シートの硬度(タイプAデュロメータ、HA)の測定は、平滑な表面をもっている2mmの加硫ゴムシート6枚を用いて、平らな部分を積み重ねて厚み約12mmとして行った。ただし、試験片に異物の混入したもの、気泡のあるもの、およびキズのあるものは用いなかった。また、試験片の測定面の寸法は、押針先端が試験片の端から12mm以上離れた位置で測定できる大きさとした。
(2)引張試験
実施例および比較例で得た加硫ゴムシートを打抜いてJIS K 6251(2001年)に記載されている3号形ダンベル試験片を調製した。この試験片を用いて同JIS K 6251に規定される方法に従い、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で引張り試験を行ない、25%モジュラス(M25)、50%モジュラス(M50)、100%モジュラス(M100)、200%モジュラス(M200)、300%モジュラス(M300)、引張破断点応力(TB)および引張破断点伸び(EB)を測定した。
<低温衝撃脆化試験>
実施例および比較例で得た加硫ゴムシートを打抜いてJIS K 6251(2001年)に記載されている3号形ダンベル試験片を調製した。この試験片を用いて同JIS K 6261(2006年)に規定される方法に従い、脆化温度を導出した。
<電気特性(体積抵抗率)>
日本ゴム協会標準規格(SRIS)2304(1971)に準拠して体積抵抗率試験を行ない、架橋体の体積固有抵抗率を測定した。
<圧縮永久歪>
圧縮永久歪(CS)測定用試験片は、厚さ12.7mm、直径29mmの直円柱形の試験片を、170℃で20分間加硫して得た。得られた試験片をJIS K6262(1997)に従って、70℃で22時間処理後および72時間処理後の圧縮永久歪を測定した。
[実施例2]
共重合体(B)の配合量を10重量部に変更したこと以外は実施例1と同様に行い、ゴム組成物および架橋体を製造して評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
共重合体(B1)の代わりにペンタエリスリトール脂肪酸エステル(商品名:エマスター430W、理研ビタミン(株)製)3重量部を配合したこと以外は実施例1と同様に行い、ゴム組成物および架橋体を製造して評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2018119097
表1中、加硫促進剤1、2、3および4は、それぞれ三新化学工業(株)製「サンセラーDM」、「サンセラーBZ」、「サンセラーTBT」および「サンセラー22」である。
[実施例3および比較例2]
表2に示す配合処方としたこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物および架橋体を製造して評価を行った。なお、圧縮永久歪みについては、−25℃で22時間処理後および70℃で22時間処理後の圧縮永久歪を測定した。また、フィラー分散性指標(FDI)については以下のようにして評価した。
<フィラー分散性>
平滑な表面をもっている2mmの未加硫ゴムシートから打ち抜き刃を用いてφ25mmの試験片を作成し、ARES粘弾性測定システム(ティー・エイ・インスツルメント社製)を用いて、温度100℃、周波数1Hz、歪み0.01〜10%における複素弾性率G*の振幅依存性を測定した。そこから求められた、歪み0.01%のG*(以下「G*(0.01%)」という。)と、歪み3.9499%のG*(以下「G*(3.9499%)」という。)とから、以下の式によりFDI(Filler Dispersion Index:フィラー分散性指標)を算出した。
FDI(%)=G*(3.9499%)/G*(0.01%)×100
Figure 2018119097
表2中の1)〜11)は以下のとおりである。
1)エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン三元共重合体(商品名:三井EPT3090EM、三井化学(株)製、油展量:10重量部、ムーニー粘度(ML(1+4)125℃):59)
2)無水マレイン酸変性エチレン・1−ブテン共重合体(タフマー(登録商標)MH7020、三井化学(株)製、MFR(190℃、2.16kg):0.7g/10min、密度:873kg/m3
3)旭カーボン(株)製「旭#60G」
4)ハクスイテック(株)製「酸化亜鉛2種」
5)ライオン(株)製「PEG#4000」
6)Vanderbilt Minerals, LLC製「ディキシークレー」
7)出光興産(株)製「ダイアナプロセスPW−380」
8)三新化学工業(株)製「サンセラーBZ」
9)三新化学工業(株)製「サンセラーTT」
10)三新化学工業(株)製「サンセラー22」
11)三新化学工業(株)製「サンフェルR」

Claims (9)

  1. エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)100重量部、不飽和カルボン酸またはその誘導体がグラフトされたグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(B)0.1〜30重量部および補強材(C)を含有し、
    前記補強材(C)の含有量が1〜40重量%の範囲であることを特徴とする自動車水系ホース用ゴム組成物。
  2. 前記補強材(C)がカーボンブラックであることを特徴とする請求項1に記載の自動車水系ホース用ゴム組成物。
  3. 前記共重合体(A)が下記要件(A−1)〜(A−3)のすべてを満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の自動車水系ホース用ゴム組成物:
    (A−1)125℃で測定したムーニー粘度が5〜200である;
    (A−2)α−オレフィン(a2)から導かれる構造単位に対するエチレン(a1)から導かれる構造単位の重量比[(a1)/(a2)]が、40/60〜95/5である;
    (A−3)非共役ポリエン(a3)から導かれる構造単位の含有量が1.0〜20.0重量%である。
  4. 前記非共役ポリエンが、5−エチリデン−2−ノルボルネンまたは5−ビニル−2−ノルボルネンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の自動車水系ホース用ゴム組成物。
  5. 前記共重合体(B)の密度が860kg/m3以上880kg/m3未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の自動車水系ホース用ゴム組成物。
  6. 前記共重合体(B)は、示差走査熱量分析(DSC)によって測定された融点が20℃以上60℃未満であるか、または示差走査熱量分析(DSC)により融点を示すピークが観察されないことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の自動車水系ホース用ゴム組成物。
  7. さらに架橋剤(D)を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の自動車水系ホース用ゴム組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の自動車水系ホース用ゴム組成物の架橋体。
  9. 請求項8に記載の架橋体を含む自動車水系ホース。
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