JP2002105721A - 手袋とその製造方法 - Google Patents

手袋とその製造方法

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JP2002105721A
JP2002105721A JP2000302350A JP2000302350A JP2002105721A JP 2002105721 A JP2002105721 A JP 2002105721A JP 2000302350 A JP2000302350 A JP 2000302350A JP 2000302350 A JP2000302350 A JP 2000302350A JP 2002105721 A JP2002105721 A JP 2002105721A
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glove
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Atsuko Ochi
敦子 越智
Takefumi Nakashita
武文 中下
Akitaka Kimura
昭孝 木村
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特にご飯等の粘着性のある食品の取り扱い性
に優れるとともに安全性の高い、新規な手袋と、その製
造方法とを提供する。 【解決手段】 ゴムラテックスもしくは樹脂エマルジョ
ンから形成された手袋本体の外側面に、当該手袋本体を
形成するゴムまたは樹脂に対する浸透性を有する、温度
25℃における動粘度70〜5000cStのシリコー
ンオイルを、ゴムまたは樹脂1gあたり0.001〜
1.0gの含浸量で浸透、含浸させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にご飯等の粘着
性のある食品の取り扱い性に優れた新規な手袋と、その
製造方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】近時、お
弁当やファーストフード類などの食品を製造する現場で
は、衛生管理上の観点から、手袋をして作業することが
一般化しつつある。かかる手袋としては、1回の使いき
りにすることから安価で、しかも衛生的である上、手袋
をした際の作業性が良好であることが求められており、
これらの要求を満たすものとして従来は、極薄手ないし
薄手の、ポリ塩化ビニル製の手袋が広く用いられてき
た。
【0003】このポリ塩化ビニル製の手袋は、ポリ塩化
ビニルに多量の液状可塑剤を添加して膨潤させ、さらに
加熱して液状にした中に手袋の型を浸漬したのち、引き
上げて、型の表面に形成された薄膜を冷却することで製
造され、製造後の手袋から可塑剤が浸出するので、ご飯
等を扱ってもくっつくことがなく、食品の取り扱い性に
優れていた。しかし最近になって、ポリ塩化ビニルの可
塑剤として多用されているフタル酸エステルが、いわゆ
る環境ホルモンとして問題視され、しかもそれが、現在
のところ直接的な影響はないと言われているものの、コ
ンビニエンスストアの弁当中から検出されるに到ったこ
とから、2000年6月より食品用途でのポリ塩化ビニ
ルの使用が禁止されることになった。
【0004】そして、それに伴って手袋についても、ポ
リ塩化ビニル製のものに代わる代替品の調達が急務とな
りつつある。このような代替品の1種に、例えば天然ゴ
ムやニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)などの
ゴムラテックスや、あるいはアクリレートラテックスな
どの樹脂のラテックス状エマルジョン(水中油型エマル
ジョン、「樹脂エマルジョン」と略記する)を、いわゆ
る浸漬法によって手袋の形状に成膜して製造される薄手
の手袋があるが、従来のこうした手袋は、食品製造作業
において、特にご飯などの粘着性のある食品を取り扱っ
た際に、食品が手袋にくっつきやすく作業性が悪いとい
う問題があった。
【0005】本発明の目的は、特にご飯等の粘着性のあ
る食品の取り扱い性に優れるとともに安全性の高い新規
な手袋と、その製造方法とを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記課
題を解決するため、発明者らは、ゴムラテックスもしく
は樹脂エマルジョン(可塑剤を含むポリ塩化ビニルは除
く)から形成される手袋の外側面に撥水性を付与して、
食品のくっつきを防止することを検討した。例えば特開
平7−88057号公報、実開昭59−169310号
公報には、ゴム手袋の、汎用のゴム等で形成された手袋
本体の外側面に、撥水性を有するシリコーンゴムの層を
積層、形成することが、また特開平5−339399号
公報には、手袋本体自体をシリコーンゴムで形成するこ
とが記載されており、これらの構成によれば、手袋の外
側面に、シリコーンゴムによる撥水性を付与して食品の
くっつきを防止することが可能となると考えた。
【0007】しかしこのいずれの場合にも、天然ゴムな
どの汎用のゴムや、あるいはアクリル樹脂などの汎用の
樹脂よりも高価なシリコーンゴムを多量に用いるため、
使いきりの手袋としてはコストが高くつきすぎるという
問題があった。また特に前者の、手袋本体の外側面にシ
リコーンゴムの層を形成する構成では製造工程も複雑化
するため、さらにコストが高くつく上、手袋本体からシ
リコーンゴムの層が剥落して食品中に混入するおそれも
あった。
【0008】そこでさらに検討を行った結果、天然ゴム
などの汎用のゴムのラテックス、もしくはアクリレート
ラテックスなどの汎用の樹脂のエマルジョンで形成され
た手袋本体の外側面に、当該ゴムまたは樹脂に対する浸
透性を有する特定のシリコーンオイルを、所定の含浸量
で浸透、含浸させて撥水性を付与することを見出し、本
発明を完成するに至った。すなわち本発明の手袋は、ゴ
ムラテックスもしくは樹脂エマルジョンから形成された
手袋本体の外側面に、当該手袋本体を形成するゴムまた
は樹脂に対する浸透性を有する、温度25℃における動
粘度70〜5000cStのシリコーンオイルを、ゴム
または樹脂1gあたり0.001〜1.0gの含浸量で
浸透、含浸させたことを特徴とするものである。
【0009】かかる本発明の手袋は、ゴムまたは樹脂製
の手袋本体の外側面に浸透、含浸させたシリコーンオイ
ルによって、前記のように当該外側面に高い撥水性が付
与されており、特にご飯等の粘着性のある食品を取り扱
った際に、食品が手袋にくっついて作業性が悪くなるこ
とが防止され、これら食品の取り扱い性に優れている。
また上記シリコーンオイルは、上記範囲内の量が、手袋
本体を形成するゴムまたは樹脂中に一旦、浸透、含浸さ
れると外部へは浸出しにくいため、手袋をして取り扱っ
た食品などにシリコーンオイルが付着したり混入したり
するおそれがなく安全性が高い。
【0010】しかも汎用のゴムや樹脂で形成された手袋
本体に、シリコーンゴムより安価に供給されているシリ
コーンオイルを、上記の範囲で少量、浸透、含浸させる
だけで高い撥水性が得られるため、使いきりの手袋とし
てコストが高くつくのを抑えることもできる。また上記
手袋を製造するための、本発明の製造方法は、ゴムラテ
ックスもしくは樹脂エマルジョンから形成された手袋本
体の外側面に、当該手袋本体を形成するゴムまたは樹脂
に対する浸透性を有する、温度25℃における動粘度7
0〜5000cStのシリコーンオイルを塗布または噴
霧したのち、タンブリング処理して、シリコーンオイル
を手袋本体に浸透、含浸させる工程を含むことを特徴と
する。
【0011】かかる本発明の製造方法によれば、シリコ
ーンオイルを塗布または噴霧した手袋本体をタンブラ
ー、すなわち回転ドラム式の乾燥機等に投入して、好ま
しくは加熱しつつ回転させるタンブリング処理をするだ
けで、簡単、安価かつ効率的に、本発明の手袋を多量に
製造することができ、手袋のコストをさらに下げること
が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を説明する。本発
明の手袋のうち手袋本体は、従来同様に、浸漬法によっ
てゴムのラテックスを手袋の形状に成膜するとともにゴ
ムを加硫させるか、あるいは浸漬法によって樹脂のエマ
ルジョンを手袋の形状に成膜するとともに樹脂を乾燥、
固化させることで製造される。
【0013】具体的には例えばゴムラテックスに、加硫
剤、加硫促進剤、加硫促進助剤(活性化剤)、老化防止
剤、充てん剤、分散剤等の各種添加剤を加えた未加硫も
しくは前加硫状態の液に、その表面を凝固剤で処理した
手袋の型を浸漬し、引き上げて、型の表面に付着した液
を乾燥させた後、型ごと加熱してゴムを加硫させること
で手袋本体が製造される。また樹脂エマルジョンに、老
化防止剤、充てん剤、分散剤等の各種添加剤を加えた液
に、その表面を凝固剤で処理した手袋の型を浸漬し、引
き上げて、型の表面に付着した液を乾燥し、さらに必要
に応じて型ごと加熱して固化させることで手袋本体が製
造される。
【0014】上記手袋本体を形成するゴムとしては天然
ゴム、および合成ゴムの中から、食品衛生法によって使
用が許可されており、なおかつ上記のようにラテックス
化が可能な種々のゴムがいずれも使用可能であり、かか
るゴムの具体例としては天然ゴム、脱蛋白天然ゴム、N
BR、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ク
ロロプレンゴム(CR)などが挙げられる。これらはそ
れぞれ1種単独で使用される他、2種以上を併用するこ
ともできる。
【0015】また樹脂としてはアクリル系、ウレタン系
等の、食品衛生法によって使用が許可されており、なお
かつ上記のようにエマルジョン化が可能な種々の樹脂が
いずれも使用可能である。ゴムラテックスに添加される
加硫剤としては、例えば硫黄や有機含硫黄化合物などが
挙げられ、その配合量は、ゴムラテックス中の固形分
(ゴム分)100重量部に対して0.5〜3重量部程度
であるのが好ましい。
【0016】加硫促進剤としては、例えばPX(N−エ
チル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛)、PZ
(ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛)、EZ(ジエチル
ジチオカルバミン酸亜鉛)、BZ(ジブチルジチオカル
バミン酸亜鉛)、MZ(2−メルカプトベンゾチアゾー
ルの亜鉛塩)、TT(テトラメチルチウラムジスルフィ
ド)などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で、また
は2種以上を混合して用いることができる。その配合量
は、ゴム分100重量部に対して0.5〜3重量部程度
であるのが好ましい。
【0017】加硫促進助剤としては、例えば亜鉛華やス
テアリン酸などが挙げられる。その配合量は、ゴム分1
00重量部に対して0.5〜3重量部であるのが好まし
い。老化防止剤としては、一般に、非汚染性のフェノー
ル類が好適に用いられるが、アミン類を使用してもよ
い。老化防止剤の配合量は、ゴム分、もしくは樹脂エマ
ルジョン中の固形分(樹脂分)100重量部に対して
0.5〜3重量部程度であるのが好ましい。
【0018】充てん剤としては、例えばカオリンクレ
ー、ハードクレー、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
その配合量は、ゴム分または樹脂分100重量部に対し
て10重量部以下であるのが好ましい。分散剤は、上記
各添加剤の、ゴムラテックスや樹脂エマルジョン中への
分散を良好にするために配合されるもので、かかる分散
剤としては、例えば各種陰イオン系界面活性剤などが挙
げられる。分散剤の配合量は、分散対象である成分の総
量の0.3〜1.0重量%程度であるのが好ましい。
【0019】上記手袋本体の外側面に浸透、含浸させる
シリコーンオイルは、前記のように手袋本体を形成する
ゴムや樹脂に対する浸透性を有し、なおかつ温度25℃
における動粘度が70〜5000cStである必要があ
る。動粘度がこの範囲未満であるシリコーンオイルは分
子量が小さ過ぎて、手袋本体の内部に浸透、含浸された
際に、その表面に撥水性を付与する効果が小さい上、揮
散性が高く比較的短期間で失われやすいため、手袋本体
の外側面に撥水性を付与する効果が不十分になる。
【0020】また逆に、動粘度が上記の範囲を超えるシ
リコーンオイルは分子量が大き過ぎて、手袋本体の内部
に浸透、含浸させるのに時間がかかる上、浸透が不均一
になって、撥水性を付与する効果にムラを生じやすいた
め、やはり手袋本体の外側面に撥水性を付与する効果が
不十分になる。なおシリコーンオイルの、25℃におけ
る動粘度は、手袋本体の外側面に撥水性を付与する効果
を向上し、また揮散性を抑えて比較的短期間で失われる
のを防止する効果を向上することを考慮すると、上記の
範囲内でも特に95cSt以上であるのが好ましい。
【0021】またシリコーンオイルを、手袋本体の内部
により一層、速やかに、かつ均一に浸透、含浸させて、
手袋本体の外側面に撥水性を付与する効果にムラが生じ
るのを防止することを考慮すると、その動粘度は、上記
の範囲内でも特に1000cSt以下であるのが好まし
い。シリコーンオイルの、その他の特性については特に
限定されないが、食品衛生法によって使用が許可された
シリコーンオイルを用いるのが好ましい。
【0022】ここで言う、食品衛生法によって使用が許
可されたシリコーンオイルとは、 1) 食品衛生法21条の規定に基づく「食品添加物製造
業」を営む工場として許可された工場で、食品衛生管理
者の管理の下で生産が行われており、 2) 食品添加物公定書の食品添加物「シリコーン樹脂」
100%よりなるもので食品衛生法の規定に適合し、な
おかつ 3) 食品衛生法に基づく成分および使用基準等の表示が
実施されたものを指す。
【0023】かかるシリコーンオイルとしては、例えば
ジメチルポリシロキサン系シリコーンオイル、特にその
中でもジメチルシロキサンの単独重合体であるジメチル
シリコーンオイルが挙げられる。ジメチルシリコーンオ
イルの具体例としては、例えば信越化学工業(株)製のジ
メチルシリコーンオイルKF96シリーズで、ジメチル
シロキサンの重合度を調整することで、温度25℃にお
ける動粘度が前記範囲内の任意の値に設定されたシリコ
ーンオイルが挙げられる。
【0024】シリコーンオイルの、手袋本体への含浸量
は、手袋本体を形成するゴムまたは樹脂1gあたり0.
001〜1.0gである必要がある。その理由は下記の
とおりである。すなわち含浸量が上記の範囲未満では、
シリコーンオイルによる、手袋本体の外側面に撥水性を
付与する効果が十分に得られない。また逆に含浸量が上
記範囲を超えた場合には、過剰のシリコーンオイルが、
手袋本体の外側面に浸出してべたついたり、あるいは手
袋をして取り扱った食品などに付着したり混入したりす
る。
【0025】なおシリコーンオイルによる、手袋本体の
外側面に撥水性を付与する効果を向上することを考慮す
ると、当該シリコーンオイルの含浸量は、上記範囲内で
も特に0.01g以上であるのが好ましい。また過剰の
シリコーンオイルが手袋本体の外側面に浸出してべたつ
いたり、あるいは手袋をして取り扱った食品などに付着
したり混入したりするのをさらに確実に防止するには、
当該シリコーンオイルの含浸量は、上記範囲内でも特に
0.1g以下であるのが好ましい。
【0026】シリコーンオイルの含浸量は、含浸前後の
手袋の重量を秤量して両者の差から算出した、含浸され
たシリコーンオイルの総量を、手袋本体の重量で除算し
た商によって求めることができる。シリコーンオイルを
手袋本体の外側面に浸透、含浸させて、本発明の手袋を
製造するには、先に述べたように、上記手袋本体の外側
面にシリコーンオイルを塗布または噴霧したのち、タン
ブリング処理して、シリコーンオイルを手袋本体に浸
透、含浸させる本発明の製造方法が好適に採用される。
【0027】より具体的には、まず前記のように浸漬法
によって製造した手袋本体に、ゴムの場合は加硫後、ま
た樹脂の場合は乾燥固化後、さらに必要に応じてリーチ
ング等の通常の処理をしたのち、回転ドラム式の乾燥機
(タンブラー)に投入して乾燥するに先立って、個々の
手袋本体の外側面に、上記シリコーンオイルを塗布また
は噴霧する。そして上記乾燥機に投入し、乾燥と並行し
てシリコーンオイルを手袋本体に均一に行きわたらせる
タンブリング処理をした後、1日以上、放置してシリコ
ーンオイルを均一に浸透、含浸させることで本発明の手
袋が製造される。
【0028】このようにシリコーンオイルをゴムまたは
樹脂中に浸透、含浸させるタンブリング処理を、手袋本
体の乾燥と並行して、同時に行った場合には、手袋製造
の工程数を減じてさらに低コスト化を図ることができ
る。上記タンブリング処理の条件、例えばドラムの回転
速度、回転時間、加熱をする場合はその加熱温度など
は、処理する手袋の総量、ドラムのサイズ、シリコーン
オイルの動粘度等に基づいて最適な範囲を設定すればよ
い。
【0029】
【実施例】以下に本発明を、実施例、比較例に基づいて
説明する。 実施例1 〈手袋本体の作製〉ゴム固形分濃度が60重量%である
天然ゴムラテックス(ゴム固形分量100重量部)に対
し、下記の各成分を添加して30℃で24時間、前加硫
して浸漬法用の液を調製した。
【0030】 (成 分) (重量部) ・硫黄 1.0 ・加硫促進剤BZ 0.6 ・亜鉛華 1.0 つぎに、凝固液としての硝酸カルシウムを表面に塗布し
て、50℃に加熱した手袋の型を、上記液中に20秒
間、浸漬した後、ゆっくり引き上げ、さらに室温で数分
間、乾燥して、上記型の表面にゴム層を成膜した。
【0031】つぎにこのゴム層を、型ごとオーブンに入
れて100℃で30分間、加熱して加硫させることで、
厚み0.1mmの天然ゴム製の手袋本体を作製した。 〈手袋の製造〉上記手袋本体を裏返しながら型から取り
外した後、その外側面に、ジメチルシリコーンオイル
〔前出の、信越化学工業(株)製のジメチルシリコーンオ
イルKF96シリーズのうち、温度25℃における動粘
度500cStのもの〕を、ハンドスプレーを用いて所
定量、噴霧した。
【0032】次いで同じ手袋本体を多数枚(総重量15
kg)、回転ドラム式の乾燥機(ドラムの内容量0.2
3)のドラム中に入れ、ドラムを回転させながら、6
0℃で30分間、タンブリング処理した後、1日以上、
放置してシリコーンオイルを均一に浸透、含浸させて手
袋を製造した。シリコーンオイルの、手袋本体を形成す
るゴム1gあたりの含浸量は0.05gであった。
【0033】実施例2、3、比較例1、2 シリコーンオイルの噴霧量を調整して、手袋本体を形成
するゴム1gあたりの含浸量を0.0005g(比較例
1)、0.001g(実施例2)、1.0g(実施例
3)、および1.5g(比較例2)としたこと以外は実
施例1と同様にして手袋を製造した。 実施例4、5、比較例3、4 シリコーンオイルとして、前出の、信越化学工業(株)製
のジメチルシリコーンオイルKF96シリーズのうち、
温度25℃における動粘度が50cStのもの(比較例
3)、95cStのもの(実施例4)、5000cSt
のもの(実施例5)、および6000cStのもの(比
較例4)を使用したこと以外は実施例1と同様にして手
袋を製造した。
【0034】実施例6 下記の工程を経て作製されたNBR製の手袋本体を用い
たこと以外は実施例1と同様にして手袋を製造した。 〈手袋本体の作製〉ゴム固形分濃度が45重量%である
NBRラテックス(ゴム固形分量100重量部)に対
し、下記の各成分を添加して30℃で72時間、前加硫
して浸漬法用の液を調製した。
【0035】 (成 分) (重量部) ・硫黄 1.0 ・加硫促進剤BZ 0.6 ・亜鉛華 1.0 つぎに、凝固液としての硝酸カルシウムを表面に塗布し
て、50℃に加熱した手袋の型を、上記液中に10秒
間、浸漬した後、ゆっくり引き上げ、さらに室温で数分
間、乾燥して、上記型の表面にゴム層を成膜した。
【0036】つぎにこのゴム層を、型ごとオーブンに入
れて130℃で30分間、加熱して加硫させることで、
厚み0.1mmのNBR製の手袋本体を作製した。上記
各実施例、比較例の手袋について、下記の試験を行っ
て、その特性を評価した。 米飯粘着試験 各実施例、比較例の手袋を両手に装着した状態で、10
0gのご飯を握って握り飯を作る作業を連続して行った
際の、手袋へのご飯のくっつきの状態を評価した。
【0037】評価は、握り飯を1個、10個、および1
00個、握った時点でのご飯の付着状態で評価した。評
価基準は下記のとおり。 ◎:両手の手袋ともにご飯粒は1粒もくっついていな
い。きわめて良好。 ○:両手の手袋を合計してご飯粒が1〜10粒くっつい
ていた。良好。 △:両手の手袋を合計してご飯粒が11〜20粒くっつ
いていた。やや不良。 ×:両手の手袋を合計してご飯粒が20粒以上くっつい
ていた。不良。
【0038】結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】表の比較例1の結果より、手袋本体へのシ
リコーンオイルの含浸量が、当該手袋本体を形成するゴ
ム1gあたり0.001g未満では、シリコーンオイル
による、手袋本体の外側面に撥水性を付与する効果が不
十分で、米飯試験初期から多くのご飯粒が付着すること
がわかった。また手袋本体へのシリコーンオイルの含浸
量が、当該手袋本体を形成するゴム1gあたり1.0g
を超える比較例2は、米飯試験中ご飯粒が全く付着しな
かったが、表の問題点の欄に記載したように製造直後か
ら過剰のシリコーンオイルが表面に浸出してべたついた
状態を呈し、食品の取り扱いに使用できないことがわか
った。
【0041】また比較例3の結果より、温度25℃にお
ける動粘度が95cSt未満のシリコーンオイルを用い
た場合には、米飯試験初期こそ良好な結果を示すもの
の、分子量の小さいシリコーンオイルが徐々に揮散する
ため、結果が徐々に悪化することがわかった。さらに比
較例4の結果より、温度25℃における動粘度が500
0cStを超えるシリコーンオイルを用いた場合には、
浸透不足によって手袋本体の外側面に撥水性を付与する
効果が不十分で、効果にムラを生じる結果、米飯試験初
期からご飯粒が付着することがわかった。
【0042】これに対し各実施例の結果より、温度25
℃における動粘度が95〜5000cStのシリコーン
オイルを、手袋本体を形成するゴム1gあたり0.00
1〜1.0gの含浸量で含浸させた場合には、米飯試験
中ご飯粒が全く付着しない上、比較例2のようにシリコ
ーンオイルが表面に浸出してべたつくなどの問題を全く
生じず、食品の取り扱いに好適に使用できることが確認
された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 昭孝 兵庫県神戸市中央区脇浜町3丁目6番9号 住友ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 3B033 AB08 AB10 AB20 AC01 AC03 BA02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴムラテックスもしくは樹脂エマルジョン
    から形成された手袋本体の外側面に、当該手袋本体を形
    成するゴムまたは樹脂に対する浸透性を有する、温度2
    5℃における動粘度70〜5000cStのシリコーン
    オイルを、ゴムまたは樹脂1gあたり0.001〜1.
    0gの含浸量で浸透、含浸させたことを特徴とする手
    袋。
  2. 【請求項2】ゴムラテックスもしくは樹脂エマルジョン
    から形成された手袋本体の外側面に、当該手袋本体を形
    成するゴムまたは樹脂に対する浸透性を有する、温度2
    5℃における動粘度70〜5000cStのシリコーン
    オイルを塗布または噴霧したのち、タンブリング処理し
    て、シリコーンオイルを手袋本体に浸透、含浸させる工
    程を含むことを特徴とする手袋の製造方法。
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