JP2001123306A - Nbr製手袋およびその製造方法 - Google Patents

Nbr製手袋およびその製造方法

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JP2001123306A
JP2001123306A JP30109699A JP30109699A JP2001123306A JP 2001123306 A JP2001123306 A JP 2001123306A JP 30109699 A JP30109699 A JP 30109699A JP 30109699 A JP30109699 A JP 30109699A JP 2001123306 A JP2001123306 A JP 2001123306A
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nbr
film
glove
resin
urethane resin
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JP30109699A
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English (en)
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Riyouzaburo Namaki
了三郎 生木
Shigeki Hirata
茂樹 平田
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Seikoh Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Seikoh Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 手袋の内面側に非粘着性で滑性のよい皮膜層
を設けることにより、着脱性にすぐれたNBR製手袋を
得る。 【解決手段】 NBR膜よりなる手袋基体の内面に、N
BR膜との密着性がよく、NBR膜の伸びに追従するこ
とのできる弾性のある水性ウレタン樹脂よりなる皮膜を
形成するとともに、このウレタン樹脂に有機充填剤、ま
たは有機充填剤と無機充填剤を加えることによって、滑
性に富み着脱性にすぐれたNBR製手袋を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アクリロニトリ
ル−ブタジエンゴム(以下、これをNBRという)製手
袋に関し、詳しくは一般家庭用ならびに電子精密部品や
精密機械を取り扱う作業用手袋として、滑性にすぐれて
いて装着が容易であり、かつ使用時の感触にすぐれたN
BR製手袋およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、家庭用あるいは作業用手袋と
しては塩化ビニル樹脂製手袋が多く使用されているが、
この塩化ビニル樹脂製手袋は石油類、溶剤等に触れる
と、塩化ビニル中に含まれている可塑剤が溶出してきて
手袋自体のしなやかさを失い、ごわごわした感じを与え
るようになって亀裂が生じやすくなるため、長時間の使
用には耐えられないという問題がある。
【0003】このような問題点を有する塩化ビニル樹脂
製手袋に代わって、天然ゴムあるいは合成ゴムを素材と
するゴム製の手袋も古くから使用されている。しかし、
これらゴム製の手袋は粘着性が大きく、手袋内面側の面
/面同志がベタ付いたりして、簡単には手に嵌められ
ず、またこの粘着性が災いして手に嵌めた手袋をはずす
際もスムースにはいかないという問題がある。
【0004】上記のようなゴム製手袋のうち、NBR製
手袋の粘着性を排除するために、NBR製手袋をハロゲ
ンガス処理によって手袋内表面を艶消し状として滑性を
持たせる方法が古くから行われているが、ハロゲンガス
が毒性を呈するために処理時の安全衛生面が懸念され
る。また、このほか粘着面に粉体を施すことも行われて
いるが、この粉体が手に付着して脱落するため、精密機
械工業等では使用不可能である。
【0005】NBR製手袋の上記したような着脱性の問
題を解消するために、NBR製手袋基体内面の一部又は
全部にアクリル系樹脂層を設けるもの(特開平8−33
7910号公報)やNBR製手袋基体の内面に合成ゴム
ラテックスと有機充填剤、硬化剤からなる滑性樹脂層を
設けるもの(特開平11−61527号公報)などが提
案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
アクリル系樹脂層をNBR製手袋基体内面に設けた手袋
は、手袋基体を形成しているNBRの伸度に対して、そ
の内面に形成したアクリル系硬化樹脂膜の伸度が小さ
い。このため、手袋の使用時に手袋基体のNBRの伸度
にアクリル系樹脂膜の伸度が追随せず、両者間の密着性
が損なわれる恐れがある。
【0007】また、後者は凝固剤と接触しても凝固物ま
たは凝集物が発生することのない合成ゴムラテックスお
よび有機充填剤からなる水性分散液を用いてNBR製手
袋基体の内面に滑性樹脂層を形成するものであるとして
いるが、実際には水性分散液中にNBR製手袋基体を浸
漬すると、NBR製手袋基体中に残存する硝酸カルシウ
ム(凝固剤)が水性分散液中に混入する。この硝酸カル
シウムは、ラテックスの分散安定性を破壊し、ラテック
ス粒子を凝集固化する作用があり、これがラテックス中
で解離し、カルシウムイオンがラテックス粒子表面の水
和を破壊する恐れがある。これが起因してNBRラテッ
クスの白濁沈殿物が生じてしまって、均一な皮膜形成が
できず、かつ連続して水性分散液の使用が不可能とな
り、水性分散液を交換しなければならないという問題が
ある。
【0008】この発明は、上記した従来技術の問題点を
解消して、手型に手袋基体として成膜したNBR膜の内
表面に、NBR膜の内部に残存する凝固剤の影響を受け
ることなく、NBR膜の伸びに追従する伸びを有すると
ともにNBR膜との密着性のよい、滑性が良好で、着脱
性にすぐれたウレタン樹脂皮膜を形成したNBR製手袋
およびその製造方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、水性ウレタン樹脂を皮膜成分とし、この水性ウレタ
ン樹脂に有機充填剤を加えた水性分散樹脂液よりなる皮
膜層を、NBR膜よりなる手袋基体の内面に形成したN
BR製手袋を特徴とする。
【0010】請求項2に記載の発明は、水性ウレタン樹
脂を皮膜成分とし、この水性ウレタン樹脂に有機充填剤
および無機充填剤を加えた水性分散樹脂液よりなる皮膜
層を、NBR膜よりなる手袋基体の内面に形成したこと
を特徴とするものである。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の発明において、有機充填剤がウレタン樹脂、
塩化ビニル樹脂、ポリアミノ酸樹脂、ポリアミド樹脂、
アクリル樹脂およびそれらの架橋物からなる微粉体の一
種またはそれらの混合物であることを特徴とする。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、無機充填剤がシリカ微粉末であること
を特徴とする。
【0013】請求項5に記載の発明は、請求項1または
2に記載の発明において、水性分散樹脂液が硬化剤とし
てアミノプラスト樹脂またはブロックイソシアネートの
水分散体を含有することを特徴とする。
【0014】請求項6に記載の発明は、手型を凝固剤の
アルコール溶液に浸漬したのち、引き上げて乾燥し手型
表面に凝固剤を付着させる工程、表面に凝固剤が付着し
た手型をNBRラテックス配合液に浸漬したのち、乾燥
ゲル化させて表面にNBR膜を成膜したNBR製手袋基
体を得る工程、上記NBR製手袋基体中の過剰の凝固剤
を水浴中にて除去する工程、過剰の凝固剤を除去したN
BR製手袋基体を水性ウレタン樹脂を皮膜成分とし、こ
の水性ウレタン樹脂に有機充填剤、または有機充填剤と
無機充填剤を加えた水性分散樹脂液に浸漬したのち、加
熱乾燥して上記NBR製手袋基体表面にウレタン樹脂皮
膜を形成させる工程、上記ウレタン樹脂皮膜を形成した
NBR製手袋基体を反転脱型させる工程、とからなるN
BR製手袋の製造方法を特徴とするものである。
【0015】請求項1に記載の発明によれば、手型に形
成したNBR膜よりなる手袋基体の内表面に水性ウレタ
ン樹脂と有機充填剤を配合した水性分散樹脂液よりなる
皮膜層を形成したNBR製手袋であって、手袋基体を構
成しているNBR膜と密着性のよい、かつ弾力性にすぐ
れたウレタン樹脂からなる皮膜層であって、その伸びが
手袋基体を構成しているNBR膜の伸びに追従し、しか
もこの皮膜層が有機充填剤の微粒子を有しているので、
滑性に富み、装着性にすぐれている。
【0016】請求項2に記載の発明によれば、手型に形
成したNBR膜よりなる手袋基体の内表面に水性ウレタ
ン樹脂と有機充填剤、無機充填剤を配合した水性分散樹
脂液よりなる皮膜層を形成したNBR製手袋であって、
手袋基体を構成しているNBR膜と密着性のよい、かつ
弾力性にすぐれたウレタン樹脂からなる皮膜層であっ
て、その伸びが手袋基体を構成しているNBR膜の伸び
に追従し、しかもこの皮膜層が有機充填剤、無機充填剤
の微粒子を有しているので、滑性度合いがさらに大き
く、装着性にすぐれている。
【0017】請求項6に記載の発明によれば、手型表面
に凝固剤を付着させ、NBR膜を成膜したNBR製手袋
基体を、その基体中の過剰の凝固剤を除去したのち、皮
膜形成成分である水性ウレタン樹脂に有機充填剤、また
は有機充填剤と無機充填剤を加えた水性分散樹脂液に浸
漬し、加熱乾燥してNBR製手袋基体表面にウレタン樹
脂皮膜を形成させるものであって、手袋基体を構成して
いるNBR膜と密着性のよい、かつ弾力性にすぐれたウ
レタン樹脂からなる皮膜層が得られ、その伸びが手袋基
体を構成しているNBR膜の伸びに追従し、しかもこの
皮膜層が有機充填剤、無機充填剤の微粒子を有している
ので、滑性度合いがさらに大きく、装着性にすぐれてい
る。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、この発明を詳細に説明する
と、手型に形成したNBR膜よりなる手袋基体の表面に
弾性に富んだ水性ウレタン樹脂と、有機充填剤あるいは
有機充填剤と無機充填剤を配合した水性分散樹脂液を用
いて皮膜層を形成したNBR製手袋であって、水性ウレ
タン樹脂と手袋基体を構成しているNBR膜との密着性
がよく、かつその伸びが手袋基体を構成しているNBR
膜の伸びに追従し、しかもこの皮膜層が有機充填剤の微
粒子あるいは有機充填剤と無機充填剤の微粒子を混合し
ているので、滑性に富み、装着性にすぐれたNBR製手
袋を得ることができるのである。
【0019】この発明で皮膜形成成分として用いる水性
ウレタン樹脂のうち、コロイド分散型水性ウレタン樹脂
とは、イオン性を有するウレタン樹脂、即ちウレタンア
イオノマーがその親水基であるイオン基により乳化剤な
しで水中で溶解した極めて微細な粒子状に分散したもの
で、伸び300%、抗張力2.0MPa以上のものが好
ましい。
【0020】MDI系ウレタンエマルジョンとは、ポリ
エステル系のウレタンエマルジョンで、水中に高速撹拌
下で乳化分散させると、ウレタン樹脂が微細な粒子状と
して分散した形の高分子量の熱可塑性ウレタン樹脂であ
って、最低造膜温度は20〜30℃で、100%モジュ
ラスが2.5MPa、抗張力が24MPa、伸度550
%と水、光、熱に対して安定な物性を示すものである。
【0021】これらの水性ウレタン樹脂は、何れも水中
において安定化した状態で存在するので、カルシウムイ
オンによるウレタン微粒子の凝集固化が行われにくいも
のと考えられる。従って、NBR膜を成膜した手袋基体
を水性ウレタン樹脂液に浸漬したときに、NBR膜の内
部あるいは表面層に残存している凝固剤の影響を全く受
けることなくNBR膜表面に均一なウレタン樹脂膜を形
成することができるのである。
【0022】得られる皮膜に良好な滑性を付与するため
に用いる有機充填剤としては、ポリアミノ酸樹脂、アク
リル樹脂、ウレタン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリ
アミド樹脂、塩化ビニル樹脂、ベンゾグアナミン−ホル
ムアルデヒド縮合体樹脂、ホルムアルデヒド樹脂および
それらの架橋物の微粒子で、これらを単独または混合物
として用いることができる。これらの有機充填剤は平均
粒径として、3〜50μm、好ましくは3〜40μmの
ものを用いるのが適当である。平均粒径が3μm以下で
は滑性効果が得られない。また、50μmを超えると、
皮膜表面にザラツキ感が出て着用時の感触が悪い。
【0023】上記したように、平均粒径の大きい充填剤
を多く用いると、着用時に多少の不快感は免れないが、
着脱性には優れた内表面が得られるので、平均粒径3〜
50μmの範囲内で粒径の異なる充填剤を混ぜ合わせて
使用することが好ましい。
【0024】充填剤としては、上記した有機充填剤のほ
かに無機充填剤を併用することによって、得られる皮膜
の滑性をさらに高めることができて着脱性をより向上さ
せることができる。そのような無機充填剤としては、シ
リカ微粒子が最も効果的である。シリカ微粒子として
は、平均粒径2〜4μmを有するものが好ましく、この
範囲の粒径を有するものであれば、無水珪酸、含水珪
酸、コロイダルシリカなどの形態を問わず何れも使用す
ることができる。
【0025】有機充填剤と無機充填剤を併用する場合の
無機充填剤の使用量は、有機充填剤の1/2量以下が適
当である。有機充填剤のみ、あるいは有機充填剤と無機
充填剤を併用する場合の充填剤の使用量としては、皮膜
形成成分である水性ウレタン樹脂の固形分100重量部
に対して20〜60重量部が適当である。この添加量が
20重量部以下では、皮膜形成成分である水性ウレタン
樹脂の粘着性が残ってしまい、滑性が不足するので装着
が困難である。60重量部以上を添加すると、得られる
ウレタン皮膜の弾性が低下し、手袋基体のNBR膜の伸
びに追従できなくなるため、NBR膜との密着性が損な
われる。
【0026】上記した水性ウレタン樹脂と有機充填剤、
無機充填剤を配合した水性分散樹脂液の調製に際して、
水性分散樹脂液の粘度を調整して皮膜形成能を高めるた
めに、ポリアクリル酸ナトリウムや非イオン型ウレタン
系増粘剤、アミノプラスト樹脂やブロックイソシアネー
トの水分散体からなる硬化剤、そのほか湿潤剤、酸化防
止剤、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤などの各種添
加剤を適宜添加することができる。
【0027】次に、この発明のNBR製手袋の製造方法
について説明する。まず、磁器製の手型を硝酸カルシウ
ムの30〜40%エチルアルコール溶液からなる凝固液
内に10秒間程度浸漬し、手型表面に凝固液を付着させ
る。次いで、凝固液から取り出した手型を70〜90℃
で5〜10分乾燥させる。次に、NBRラテックス、加
硫剤、安定剤等を配合したNBRラテックスコンパウン
ド配合液に、上記で得た表面に凝固剤層を形成した手型
を20〜30秒間浸漬し、その後60〜80℃で2〜1
0分間加熱乾燥することで手型表面に250〜350μ
mのNBR膜を形成したNBR手袋基体が得られる。
【0028】次いで、NBR膜を被覆したNBR手袋基
体(手型)を70〜80℃で2〜5分間予備乾燥を行っ
たのち、40〜60℃の温水中に10〜20分間浸漬し
てNBR膜中に残存する凝固剤や不純物を抽出除去す
る。その後温水から引き上げ、70〜80℃で1〜5分
加熱乾燥する。
【0029】かくして、凝固剤や不純物を抽出除去した
NBR手袋基体を水性ウレタン樹脂を主剤とし、これに
有機充填剤あるいは有機充填剤と無機充填剤、硬化剤、
増粘剤等を配合した固形分1〜6%、粘度1〜100m
Pa・s、の水性分散樹脂液に10〜20秒間浸漬した
のち、引き上げて100〜120℃で20〜30分間加
硫硬化させることで、NBR手袋基体表面に滑性にすぐ
れた0.5〜1.5μm厚さのウレタン樹脂膜層が形成
される。その後、表面にウレタン樹脂膜層を形成したN
BR手袋基体を室温まで冷却したのち、手型から反転し
てすることにより、上記で形成した表面のウレタン樹脂
膜層を内表面とするNBR製手袋を得ることができる。
【0030】
【実施例】以下、実施例によりこの発明を詳細に説明す
るが、この発明はこれらの実施例によって何ら限定され
るものではない。なお、実施例中の部および%は、それ
ぞれ重量部、重量%である。
【0031】実施例1 磁器製の手型を硝酸カルシウム・4水塩の30%メタノ
ール溶液からなる凝固液に10秒間浸漬したのち、80
℃で10分間乾燥して、手型の表面に凝固液を付着させ
た。次いで、表面に凝固液を付着させた手型を、アクリ
ロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)ラテックスを主
成分として表1に示す配合よりなるNBRラテックスコ
ンパウンド液中に20秒間浸漬して、手型の表面におよ
そ350μm厚さのNBRラテックス層を形成させた。
次に、表面にNBRラテックス層を形成させた手型を8
0℃で2分間の予備乾燥を行ったのち、40℃の温水中
に10分間浸漬してNBRラテックス層の内部や表面に
残存する硝酸カルシウムを除去し、さらに80℃で1分
間の乾燥を行い、引き続いて室温で2分間放置すること
によって、手型表面に300μm厚さのNBR膜を成膜
したNBR手袋基体を得た。
【0032】
【表1】
【0033】なお、上記の表1において、NBRラテッ
クスとしては、日本ゼオン社製、商品名ニポールLX−
550、(不揮発分45重量%)を用いた。ZnBDC
は、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛である。
【0034】次に、上記で表面にNBR膜を成膜してN
BR手袋基体を得た手型を、表2に示すように配合した
固形分濃度2%、粘度50mPa・sの水性分散樹脂液
に10秒間浸漬した。その後手型を引き上げ、110℃
で30分間加熱乾燥を行うことによって、上記手型のN
BR膜上に約1.5μm厚さのウレタン樹脂膜を形成さ
せた。次いで、室温まで冷却したのち、手型から反転脱
型させることにより、内表面側にウレタン樹脂膜を形成
したNBR製手袋が得られた。
【0035】実施例2〜7、比較例1〜3 ウレタン樹脂、有機充填剤、無機充填剤などよりなる水
性分散樹脂液の組成、配合を表2に示すように変えたほ
かは実施例1と同様の手順にて、それぞれNBR製手袋
を得た。
【0036】
【表2】
【0037】なお、上記表2の水性分散樹脂液の配合に
用いた主なる材料は次の通りである。 コロイド分散型ウレタン樹脂:大日本インキ化学工業社
製、ハイドランHW−960 MDI系ウレタンエマルジョン:大日本インキ化学工業
社製、ボンディック1640 P−MMA(ポリメチルメタクリレート)微粒子:ガン
ツ化成社製、ガンツスラリー、ガンツパール、 ウレタン微粒子:根上工業社製、アートパールC−40
0 シリカ微粒子:トクヤマ社製、トクシールE220 非イオン型ウレタン系増粘剤:旭電化社製、アデカノー
ルUH−540
【0038】上記実施例2〜7および比較例1〜3で得
られたNBR製手袋について、内表面に形成されたウレ
タン樹脂皮膜の滑性、伸長時の密着性、装着性の良否な
どの物性テストを行った。それらの評価結果は表3に示
した。
【0039】上記物性テストの方法および評価基準は次
の通りである。 (1)動摩擦係数の測定方法:摩擦感テスター(カトー
テック社製、KES−SE−DC)を用いて行った。即
ち、上記実施例および比較例で得られた手袋を25℃×
60%RH下で24時間放置したのち、それぞれの手袋
の平滑な部分を3cm×20cmの大きさに切り取って
試料片とし、これら試料片の内表面を上にしてテスター
の試料台上に装着した。そして、試料片の上に15mm
×15mmのフッ素樹脂製の摩擦子を25gの力で圧着
させ、試料台を60mm/minの速度で150mm水
平に移動させた時の試料表面の摩擦状態を測定した。こ
の測定値は、手袋内表面皮膜の引っ掛かり感を動摩擦係
数(μ)として表すもので、その数値が小さいほど内表
面皮膜が滑らかであって、滑性の良好なことを示してい
る。 (2)滑性傾斜角度の測定方法:得られた手袋を25℃
×60%RH下で24時間放置してから、それぞれの手
袋の平滑な部分を3cm×10cmの大きさに切り取っ
て試料片とし、これら試料片をその内表面皮膜を上にし
て、SUS304の平滑な水平板面に置き、重さ200
g、接触面積30mmφの接触子を試料片の片端に接触
させつつ、SUS304の平滑水平板面の接触子を接触
させた片端側を徐々に上げて傾斜させていくことによっ
て、接触子が皮膜面を滑り始めるときの角度を測定し
た。この接触子が皮膜面を滑り始めるときの角度が小さ
いほど皮膜表面の滑性が良好であると言える。 (3)装着性試験:得られた手袋について、装着、脱着
を繰り返して行い、装着のし易さを ◎・・・スムース
に可能、○・・・比較的に良好、△・・・やや困難、×
・・・極めて困難、として判定した。 (4)内表面皮膜の密着性試験:それぞれの手袋の平滑
な部分から幅20mm、長さ50mmの試験片を作り、
これを引っ張り試験機にて400%伸張したときの試験
片内表面の皮膜面を指で擦り、皮膜の密着性を ◎・・
・極めて良好、○・・・比較的良好、△・・・やや不
良、×・・・極めて不良、として判定した。
【0040】
【表3】
【0041】上記の表3から、水性ウレタン樹脂液とし
てコロイド分散型ウレタン樹脂を皮膜形成成分として用
い、これに平均粒径の比較的小さい有機充填剤を1種ま
たは2種用いて内表面皮膜層を形成した実施例1、3お
よび6は、滑性にすぐれ、装着性も良好であることが認
められた。また、有機充填剤と無機充填剤を併用した実
施例7によるものも良好であり、さらに他の実施例2、
4および5によるものも比較例1〜3によるものより良
好な結果を与えることが認められた。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のうち請
求項1の発明によれば、NBR膜よりなる手袋基体の内
表面に樹脂膜層を形成するに用いる水分散性樹脂液中の
皮膜形成成分として、NBR膜との密着性がよく、かつ
NBR膜に凝固剤が残存していたとしても、この凝固剤
の影響を全く受けることのない、弾性にすぐれた水性ウ
レタン樹脂を用いることによって、NBR膜に追従する
伸びを有し、さらに有機充填剤微粒子を含有しているの
で滑性に富み、装着性にすぐれたNBR製手袋が得られ
る。
【0043】請求項2の発明によれば、NBR膜よりな
る手袋基体の内表面に樹脂膜層を形成するに用いる水分
散性樹脂液中の皮膜形成成分として、NBR膜との密着
性がよく、かつNBR膜に凝固剤が残存していたとして
も、この凝固剤の影響を全く受けることのない、弾性に
すぐれた水性ウレタン樹脂を用いるとともに、充填剤と
して有機充填剤と無機充填剤を併用することによって、
滑性度合いが大きく、装着性のよいNBR製手袋が得ら
れる。
【0044】請求項6の発明によれば、手型表面に凝固
剤を付着させておいて、NBR膜を成膜したNBR製手
袋基体を、その基体中の過剰の凝固剤を除去したのち、
水性ウレタン樹脂を皮膜形成成分とし、これに有機充填
剤、または有機充填剤と無機充填剤を配合した水性分散
樹脂液に浸漬して、NBR製手袋基体表面にウレタン樹
脂皮膜を形成させるもので、手袋基体表面のNBR膜と
密着性がよく、NBR膜の伸びに追従する伸びを有し、
しかも有機充填剤、または有機充填剤と無機充填剤の存
在によって滑性度合いが大きく、装着性のよいNBR製
手袋が得られるのである。
【0045】上記したこの発明の有する効果によって、
この発明になるNBR製手袋は、一般家庭用だけでなく
電子精密部品や精密機械を取り扱う作業用手袋として広
く使用できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B033 AB09 AC03 BA02 4F006 AA04 AB18 AB24 AB37 AB38 AB55 AB56 AB65 AB76 BA09 CA00 DA00 EA01 EA05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性ウレタン樹脂を皮膜成分とし、この
    水性ウレタン樹脂に有機充填剤を加えた水性分散樹脂液
    よりなる皮膜層を、NBR膜よりなる手袋基体の内面に
    形成したことを特徴とするNBR製手袋。
  2. 【請求項2】 水性ウレタン樹脂を皮膜成分とし、この
    水性ウレタン樹脂に有機充填剤および無機充填剤を加え
    た水性分散樹脂液よりなる皮膜層を、NBR膜よりなる
    手袋基体の内面に形成したことを特徴とするNBR製手
    袋。
  3. 【請求項3】 有機充填剤がウレタン樹脂、塩化ビニル
    樹脂、ポリアミノ酸樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹
    脂およびそれらの架橋物からなる微粉体の一種またはそ
    れらの混合物であることを特徴とする請求項1または2
    に記載のNBR製手袋。
  4. 【請求項4】 無機充填剤がシリカ微粉末であることを
    特徴とする請求項2に記載のNBR製手袋。
  5. 【請求項5】 水性分散樹脂液が硬化剤としてアミノプ
    ラスト樹脂またはブロックイソシアネートの水分散体を
    含有することを特徴とする請求項1または2に記載のN
    BR製手袋。
  6. 【請求項6】 手型を凝固剤のアルコール溶液に浸漬し
    たのち、引き上げて乾燥し手型表面に凝固剤を付着させ
    る工程、表面に凝固剤が付着した手型をNBRラテック
    ス配合液に浸漬したのち、乾燥ゲル化させて表面にNB
    R膜を成膜したNBR製手袋基体を得る工程、上記NB
    R製手袋基体中の過剰の凝固剤を水浴中にて除去する工
    程、過剰の凝固剤を除去したNBR製手袋基体を水性ウ
    レタン樹脂を皮膜成分とし、この水性ウレタン樹脂に有
    機充填剤、または有機充填剤と無機充填剤を加えた水性
    分散樹脂液に浸漬したのち、加熱乾燥して上記NBR製
    手袋基体表面にウレタン樹脂皮膜を形成させる工程、上
    記ウレタン樹脂皮膜を形成したNBR製手袋基体を反転
    脱型させる工程、からなることを特徴とするNBR製手
    袋の製造方法。
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