WO2020100391A1

WO2020100391A1 - ベッド装置

Info

Publication number: WO2020100391A1
Application number: PCT/JP2019/035257
Authority: WO
Inventors: 哲也和久; 俊一石橋
Original assignee: フランスベッド株式会社
Priority date: 2018-11-15
Filing date: 2019-09-06
Publication date: 2020-05-22

Abstract

ベッド装置は、ベッドフレーム、床板体、背上げ機構、作動軸、取付け部材、伝動部材、押圧部材を備える。床板体は、固定床部と、中央背部及びこの中央背部の両側に前方向に回動するよう連結された一対の側部背部を有して固定床部に対して回動可能に設けられた背床部とを備える。背上げ機構は、背床部を起伏させる。作動軸は、中央背部の背面により回転可能に支持される。取付け部材は、作動軸の中途部に設けられる。伝動部材は、取付け部材に一端が固定されるとともに他端が背床部を起上方向に駆動したときに張力が発生する部分に固定され、この張力によって作動軸を回動させる。押圧部材は、作動軸の両端部に角度変更可能に設けられ、作動軸が伝動部材によって回動させられたとき一対の側部背部を前方へ回動させる作動位置と、前方へ回動させることのない非作動位置とのいずれかに位置決めされる。

Description

ベッド装置

　この発明は身体が不自由な利用者が使用するのに好適な背上げ式のベッド装置に関する。

　たとえば、身体が不自由な利用者が利用するベッド装置として背上げ式のベッド装置が知られている。背上げ式のベッド装置においては、ベッドフレームに設けられる床板体が背床部、腰床部、脚床部などの複数の部分に分割されており、これら床部が回動可能に連結されている。前記背床部は、利用者の上半身に対応する位置に設けられており、背上げ機構によって起伏させるように駆動可能である。

　上述した背上げ式のベッド装置において、体力が低下した利用者などの場合、前記背床部を起上させて上半身が起こされたとき、その姿勢を維持することができず、側方に倒れる虞がある。そこで、特許文献１に示されるように、上半身が起こされた利用者が側方に倒れるのを防止することができるベッド装置が提案されている。

　特許文献１に示されたベッド装置において、背床部は、中央背部と、この中央背部の両側に回動可能に連結された一対の側部背部とによって構成されている。背床部は発泡樹脂製であって、一対の側部背部の背面にはそれぞれ傾斜面を有する一対の突条部が一体成形されている。この突条部には背上げ時に上端となる端部に傾斜部が形成されている。

　一方、背上げ床部を起伏させる背上げアームには、背上げローラの他に押し上げローラが設けられている。押し上げローラは、背上げアームを上昇方向に回動するよう駆動して背上げ床部を起上させるとき、起上する側部背部の背面に設けられた突条部に傾斜面から乗り上げて転動する。それによって、突条部の高さに応じて側部背部は中央背部の前面側に押圧される。

　このとき、一対の側部背部は中央背部に連結された幅方向の一側を支点として前方へ回動するから、回動した一対の側部背部によって上半身が起こされた利用者の頭部が側方へ倒れるのが防止されることになる。

特許第３９１０８７３号公報

　上述した従来の構造によると、側部背部を傾斜させる機構を構成する部品として、背上げアームに押し上げローラを設け、側部背部に突条部を設けなければならない。

　つまり、背床部を腰床部に対して起伏させる背上げ機構を構成する背上げアームに側部背部を傾斜させる機構を構成する押し上げローラを設けたり、側部背部の背面に突条部を設けなければならない。しかも、背上げアーム、押し上げローラ及び突条部を、互いに関連するよう位置決めして設けなければならない。

　そのため、背上げ機構と側部背部を傾斜させる機構との相対的な組み立て精度や製作精度が要求されることになるから、その製造や組み立て作業に手間が掛かる。

　この発明は、背上げ機構と分離した機構によって、背床部の中央背部の両側に設けられた側部背部を背上げ時に前方向に回動させることができるベッド装置を提供することにある。

　本発明の一態様に係るベッド装置は、
　ベッドフレームと、
　前記ベッドフレームに固定される固定床部と、中央背部及びこの中央背部の両側に前方向に回動するよう連結された一対の側部背部を有して前記固定床部に対して回動可能に設けられた背床部と、を備えた床板体と、
　前記床板体の前記背床部を起伏させる背上げ機構と、
　軸線を前記中央背部の幅方向に沿わせて前記中央背部の背面により回転可能に支持された作動軸と、
　この作動軸の中途部に設けられた取付け部材と、
　この取付け部材に一端が固定されるとともに、他端が前記背上げ機構を作動させて前記背床部を起上方向に駆動したときに張力が発生する部分に固定され、前記張力によって前記作動軸を所定方向に回動させる伝動部材と、
　前記作動軸の両端部に前記作動軸の周方向に対して角度変更可能に設けられ、前記背床部が起上方向に駆動されて前記作動軸が前記伝動部材によって回動させられたとき、一対の前記側部背部を前方へ回動させる作動位置と、前方へ回動させることのない非作動位置とのいずれかに位置決めされる押圧部材と
　を具備している。

図１は、この発明の第１の実施の形態を示す、背床部を起上させたベッド装置の斜視図である。図２は、前記ベッド装置の床板体を倒伏させた斜視図である。図３は、ベッドフレームを示す平面図である。図４は、床板体を起伏駆動する駆動機構の説明図である。図５は、床板体の背床部、第１、第２の腰床部及び固定床部の背面側を示す図である。図６は、背床部の側部背部を背上げ駆動に伴って駆動するワイヤの張設状態を示す図である。図７（ａ）は押圧部材が設けられる作動軸の一端部の平面図であり、図７（ｂ）は当該一端部の側面図である。図８は、背床部を起上させたとき、背床部を前方へ傾斜させない状態のヘッドアップ機構を示す床板体の側面図である。図９は、背床部を起上させたとき、背床部を前方へ傾斜させた状態のヘッドアップ機構を示す床板体の側面図である。図１０（ａ）は背床部の側部背部が中央背部の前面側に傾斜させられていない状態の背面図であり、図１０（ｂ）は側部背部を中央背部の前面側に傾斜させた状態の背面図である。図１１は、この発明の第２の実施の形態の床板体の背床部、第１、第２の腰床部及び固定床部の背面側を示す図である。図１２（ａ）は図１１に示す床板体の側面図であり、図１２（ｂ）は背床部をヘッドアップ機構によって前方へ傾斜させた状態の側面図である。図１３（ａ）は図１２（ａ）の背床部を拡大した側面図であり、図１３（ｂ）は図１２（ｂ）の背床部を拡大した側面図である。図１４（ａ）は背床部の背面側に設けられるサイドアップ機構とヘッドアップ機構を示す平面図であり、図１４（ｂ）はこれらの正面図であり、図１４（ｃ）はこれらの側面図である。図１５は、ヘッドアップ機構の取付けアームと可動アームの連結部分の拡大図である。

　以下、この発明の第１の実施の形態につき図１乃至図１０を参照しながら説明する。

　図１及び図２は、本実施形態に係るベッド装置の斜視図である。このベッド装置は、図２に示すベースフレーム１を備えている。このベースフレーム１は矩形状に形成されていて、その四隅部には設置用脚２が設けられている。なお、設置用脚２に代わってキャスターが設けられてもよい。

　図２に示すように、ベースフレーム１の四隅部の上面には上下駆動機構３を構成する連結杆４（３か所だけ図示）の一端が枢着され、他端はそれぞれ後述するよう構成された矩形枠状のベッドフレーム５の四隅部に枢着されている。

　４本の連結杆４は、図示しない連動リンクを介して上下用駆動源６により互いに連動して駆動される。すなわち、連結杆４は、ベースフレーム１に枢着された一端を支点として水平に倒伏した状態から、図２に示す起上方向へ駆動される。

　それによって、ベッドフレーム５は、図１に示す下降位置から、図２に示す上昇位置に変形することが可能である。

　図３に示すように、ベッドフレーム５は、矩形枠状に形成された本体フレーム部１１を有する。本体フレーム部１１の長手方向の一端部と他端部には、それぞれ調整フレーム１２が保持されている。

　本体フレーム部１１の長手方向の一端部側と他端部側とに設けられた一対の調整フレーム１２は、矢印Ｘで示すように本体フレーム部１１の長手方向に沿って移動可能であり、さらには所定の移動位置で図示しないストッパ手段によって固定可能である。

　つまり、ベッドフレーム５の全体の長さは、本体フレーム部１１に対する調整フレーム１２の取付け位置を調整することで、利用者の身長などに応じて変えることができる。

　一対の調整フレーム１２の両側にはそれぞれ一対の支持部材１４が設けられている。各支持部材１４の両端にはそれぞれアーム部材１５の一端が回動可能に連結され、これらアーム部材１５の他端は調整フレーム１２に枢着されている。

　それによって、支持部材１４は、図３に実線で示すように調整フレーム１２の側部に接近する位置と、鎖線で示すように調整フレーム１２側部から遠ざかる位置との間で移動可能である。

　支持部材１４の上面の長手方向の両端部にはそれぞれ支持孔１６が形成されている。支持孔１６には、支持部材１４を鎖線で示す位置に移動させたときに、図示しない側柵の一対の脚部が挿入される。

　調整フレーム１２の短辺部には、図１と図２に示すようにヘッドボード及びフットボードとなるボード体１７が下端部を連結して立位状態で設けられている。

　本体フレーム部１１の両側には、一対の支持部材１４の間の部分に飾り部材１８が設けられる。飾り部材１８は、支持部材１４が調整フレーム１２の側辺に接近する位置に位置決めされたとき、側面が調整フレーム１２の側面とほぼ一直線となるよう設けられている。

　それによって、支持部材１４を使用しないとき、支持部材１４と飾り部材１８とが一体的となってベッドフレーム５の側面に段差が生じるのが防止されるから、良好な外観を呈することになる。

　図１と図２に示すように、ベッドフレーム５の上面には床板体２５が設けられる。床板体２５は、２つに分割されて本体フレーム部１１の長手方向の中途部に取付けられた一対の固定床部２６を有する。

　一方の固定床部２６には、第１の腰床部２７と第２の腰床部２８が順次回動可能に連結されている。第２の腰床部２８の一側にからは連結部２９が突出しており、この連結部２９には背床部３１が連結されている。

　背床部３１は、図１に示すように連結部２９に下端が回動可能に連結された中央背部３２と、この中央背部３２の両側に連結された一対の側部背部３３とを有する。中央背部３２は下端を支点として前面方向（前方）に回動可能であり、側部背部３３は中央背部３２に連結された一側を支点として前面方向に回動可能である。

　他方の固定床部２６には一対の第１の脚床部３５と、第２の脚床部３６とが順次回動可能に連結されている。

　床板体２５の第１の腰床部２７と第２の腰床部２８、及び、第１の脚床部３５と第２の脚床部３６は重ねられた２つの部材から構成され、それぞれ一方の部材に対して他方の部材が移動可能に設けられている。そして、移動可能な他方の部材を一方の部材に対して移動させたとき、所定の移動位置で他方の部材を一方の部材に対して固定することが可能である。

　それによって、本体フレーム部１１に対して調整フレーム１２を移動させることによりベッドフレーム５の長さを変えたとき、床板体２５をベッドフレーム５に対応する長さに設定することが可能である。

　ベッドフレーム５には、図４に示す背上げ機構３７が設けられている。床板体２５は、背上げ機構３７によって図２に示すように水平に倒伏した状態から、図１に示すように第１の腰床部２７、第２の腰床部２８、背床部３１、第１の脚床部３５及び第２の脚床部３６が上昇する方向に駆動させることが可能である。

　背上げ機構３７は、駆動源（図示せず）を内蔵した駆動部３８を有する。この駆動部３８には、第１の駆動軸４１と第２の駆動軸４２とが軸線を平行にして設けられている。これら駆動軸４１，４２は、図示せぬ駆動源によって回動される。

　第１の駆動軸４１と第２の駆動軸４２の両端部は、ベッドフレーム５の本体フレーム部１１の両側内面に回転可能に支持される。

　第１の駆動軸４１と第２の駆動軸４２の軸方向の一端部には、それぞれリンク４３が設けられている。一対のリンク４３には連結アーム４４の一端と他端が回動可能に連結されている。それによって、第１の駆動軸４１が回転駆動されれば、その回転に第２の駆動軸４２が連結アーム４４を介して連動する。

　第１の駆動軸４１の両端部には、一対の背上げアーム４５が基端部を連結して設けられている。一対の背上げアーム４５の先端部には所定間隔で一対の背上げローラ４６が回転可能に設けられている。

　第２の駆動軸４２の両端部には、取付けリンク４７の一端が連結されている。取付けリンク４７の他端には、先端に脚上げローラ４８が回転可能に設けられた脚用リンク４９の基端部が枢着されている。

　脚用リンク４９の基端には連動リンク５１の一端が枢着され、この連動リンク５１の他端は第２の駆動軸４２の端部に枢着されている。第２の駆動軸４２が第１の駆動軸４１に連動して回転すると、その回転に脚上げローラ４８が連動リンク５１、脚用リンク４９、及び取付けリンク４７が連動し、脚用リンク４９の先端に設けられた脚上げローラ４８が下方位置から上昇方向に駆動される。

　それによって、背上げ機構３７は、図２に示すように水平に倒伏した状態の床板体２５を駆動し、図１に示すように第１、第２の腰床部２７，２８及び背床部３１を起上させる。さらに、背上げ機構３７は、第１の脚床部３５を屈曲させながら、第２の脚床部３６を上昇させる。

　図５は床板体２５の背床部３１の背面（背床部３１が図２に示すように水平に倒伏したときの下面）を示している。第２の腰床部２８の背面には、第２の腰床部２８の幅方向に所定間隔で離間した一対の背上げレール５３が固定されている。

　背上げレール５３は断面が３つの板状部を有するように屈曲した部材によって形成されていて、第１の腰床部２７から背床部３１の中央背部３２の背面にわたる長さを有している。

　背上げレール５３には、図４に示す背上げローラ４６が転動可能に係合する。それによって、第１の駆動軸４１が回転されて背上げアーム４５が起上方向に駆動されることで、背上げローラ４６が背上げレール５３に沿って転動する。このとき、第２の腰床部２８、背床部３１及び第２の腰床部２８に連動して第１の腰床部２７が図２に示すように倒伏した状態から、図１に示すように起上した状態に駆動される。

　このとき、第１の駆動軸４１に第２の駆動軸４２を連動させれば、第１の脚床部３５と第２の脚床部３６を上昇方向に駆動することができる。なお、第２の駆動軸４２を第１の駆動軸４１に対して連動させるか否かは選択的に設定することができる。

　床板体２５において、一対の背上げレール５３よりも幅方向の内方には、一対のヘッドアップレール５５が設けられている。これらヘッドアップレール５５の一端は、第１の腰床部２７の下面（背面）に固定されている。これらヘッドアップレール５５は、後述するよう背床部３１の中央背部３２を、その基端を支点として前方へ倒すために利用される。

　図５に示すように、背床部３１の中央背部３２の背面には、一対の背上げレール５３の先端よりも上側に中空状の作動軸５６が設けられている。作動軸５６の両端部は、保持具５７によって回転可能に保持されている。

　作動軸５６の軸方向の中途部には、所定長さを有する取付け部材としてのアーム５８が一端を固定して設けられている。このアーム５８の他端には伝導部材としてのワイヤ５９の一端が固定されている。このワイヤ５９はローラ６０に係合されて中央背部３２の背面に接近するよう方向変換され、その他端は第２の腰床部２８の背面に向かって延長されている。

　一対の背上げレール５３の第２の腰床部２８側に位置する一端部には、横部材６１が両端を固定して架設されている。この横部材６１の中途部には保持具６２が設けられている。

　図６に示すように、保持具６２にはプーリ６３ａが取付けられた巻取り軸６３が回転可能に支持されている。巻取り軸６３の一端部には、たとえばナットなどの締め付け部材６４が設けられている。この締め付け部材６４によって巻取り軸６３を回転不能に保持することが可能である。

　巻取り軸６３のプーリ６３ａによって、ワイヤ５９の一端部が巻き取られる。したがって、プーリ６３ａによるワイヤ５９の巻取り長さを調整することで、ワイヤ５９のアーム５８に連結された一端から巻取り軸６３側の他端までの長さを調整できる。

　背上げ機構３７によって背床部３１が第１、第２の腰床部２７，２８を屈曲させながら起上方向に駆動されたとき、ワイヤ５９は一端と他端とを結ぶ直線距離が小さくなって張力が生じることになる。

　ワイヤ５９に張力が生じると、その張力がアーム５８を介して作動軸５６に伝達される。それによって、作動軸５６はアーム５８の先端側が中央背部３２の背面に近付く方向に回転する。

　上述したようにワイヤ５９の他端は保持具６２の巻取り軸６３に長さを調整可能に巻回されている。一方、床板体２５の長さは上述したように調整可能である。

　そのため、床板体２５の長さを利用者の身長などに応じて変更したとき、その長さ変更に応じてワイヤ５９の他端の巻取り軸６３に対する巻取り量が調整され、ワイヤ５９の全長が変わる。それによって、床板体２５の長さを変えても、背床部３１を一定の張力で確実に起上させることができる。

　なお、本実施形態においては、ワイヤ５９の他端が一対の背上げレール５３間に架設された横部材６１に設けられた保持具６２に固定される。他の例として、ワイヤ５９の他端は、背上げレール５３間に架設された横部材６１以外の箇所、つまり背床部３１を起上方向に駆動したときに、ワイヤ５９に張力が発生する部分、たとえば第１又は第２の腰床部２７，２８、或いは固定床部２６などに固定されてもよい。

　作動軸５６の両端部には、作動軸５６がワイヤ５９によって回転させられたとき、背床部３１の側部背部３３の背面を押圧して前方へ回動させるローラからなる押圧部材６６が設けられている。

　すなわち、図７（ａ），（ｂ）に示すように、作動軸５６の端部には、支軸６７の一端部が回転可能に挿入されている。この支軸６７の他端部には、径方向に貫通し、かつ支軸６７の先端面に開放した取付け溝６８が形成されている。この取付け溝６８には、側面形状がＬ字状をなしたストッパ部材６９の一端部が取付けられている。ストッパ部材６９の他端部と支軸６７の外周面との間には、所定間隔の隙間７１が形成されていて、この隙間７１に作動軸５６の周壁の周方向の一端部が入り込んでいる。

　ストッパ部材６９の一端部には、取付け軸７２が取り付けられている。取付け軸７２の軸線は、支軸６７の軸線に対して所定の角度、たとえば４５度の角度で傾斜している。取付け軸７２の先端部には、押圧部材６６が回転可能に取付けられている。

　作動軸５６の両端部には、上下方向の中途部が支軸６７の外周面の軸方向に沿って固着された板状の保持部材７３が設けられている。保持部材７３の上下方向の両端部は、作動軸５６の径方向外方に突出している。

　保持部材７３は、ストッパ部材６９の一側面側、つまり作動軸５６が中央背部３２の背面に取付けられた状態において、ストッパ部材６９の前面側になるよう設けられている。

　それによって、取付け軸７２は、支軸６７を作動軸５６に対して回転させることで、図５に示すように取付け軸７２の軸線が作動軸５６の軸線に対して上方に向かって傾斜した状態（非作動位置）と、この非作動位置から１８０度回転して取付け軸７２の軸線が下方に向かって傾斜した状態（作動位置）とのいずれかで、ストッパ部材６９が保持部材７３の高さ方向の下端部或いは上端部に当たって保持される。

　図７（ｂ）は、取付け軸７２が作動位置に保持された状態であって、ストッパ部材６９が保持部材７３の上下方向の下端部７３ａの前面側に係合している状態を示している。

　背上げ時において、ワイヤ５９の張力で作動軸５６が図７（ｂ）に矢印Ｒで示す方向に回転させられると、保持部材７３及び作動軸５６を介して取付け軸７２が側部背部３３の背面側に向かって回転する。

　取付け軸７２が回転すると、その先端部に設けられた押圧部材６６が側部背部３３の背面を押圧する方向へ回動する。それによって、側部背部３３は、図１０（ａ）に示すように中央背部３２の前面側に傾斜していない状態から、図１０（ｂ）に示すように中央背部３２の前面側に傾斜する状態に駆動される。

　その結果、側部背部３３は、背床部３１に上半身が支持された利用者の頭部が横方向に倒れるのを防止する状態となる。

　側部背部３３は、一側を支点として中央背部３２の前面側に自由に回動できる。そのため、押圧部材６６によって前方へ起上させられた側部背部３３を起上させられていない状態に戻すときには、先ず側部背部３３を押圧部材６６によって起上させられた状態よりもさらに前方へ回動させる。

　ついで、作動位置にある取付け軸７２を、その軸線が作動軸５６の軸線に対して上方へ傾斜する非作動位置に回転させ、その位置でストッパ部材６９を保持部材７３の上端部７３ｂに係合させて取付け軸７２を保持する。

　それによって、押圧部材６６による側部背部３３の保持状態が解除されるから、側部背部３３を傾斜していない状態に戻すことができる。

　また、取付け軸７２を非作動位置に保持した状態で背床部３１を起上させれば、側部背部３３を前方へ傾斜させることなく、背床部３１を起上させることができる。

　つまり、上述した構成によれば、背床部３１の背上げ時に、ストッパ部材６９を回転させ、押圧部材６６を作動位置、或いは非作動位置に位置決めすることで、側部背部３３を起上方向に回動させるか否かを選択することができる。

　なお、背床部３１の中央背部３２の両側に設けられた一対の側部背部３３を前方へ傾斜する方向へ駆動する機構をサイドアップ機構７４と呼ぶ。

　第２の腰床部２８の連結部２９に対して下端が前方向に回動可能に連結された中央背部３２は、図５、図８及び図９に示すヘッドアップ機構７５によって前方へ傾斜させることができる。

　ヘッドアップ機構７５は、図５に示すように背床部３１の中央背部３２の幅方向の両端部に、この幅方向と交差する方向（上下方向とする）に沿って設けられた一対のヘッドアップガイド７６を有する。一対のヘッドアップガイド７６の上端側に位置する一端部間には、支軸７７の両端部が回動可能に支持されている。

　図８と図９に示すように、支軸７７の端部には、それぞれヘッドアップアーム７８の一端が連結されている。これらヘッドアップアーム７８の他端には、ヘッドアップレール５５に係合したヘッドアップローラ７９が回転可能に支持されている。

　ヘッドアップガイド７６の側面には、円弧状の第１のガイド溝８１と、同じく円弧状で、第１のガイド溝８１と同心的に、しかも周方向に同一の角度で第２のガイド溝８２とが形成されている。

　一対の第１のガイド溝８１には、図５に示すようにロッド状の位置決め部材８３の一端部と他端部がそれぞれ移動可能に挿通されている。位置決め部材８３の一端部と他端部には、それぞれアーム部材８４の一端が連結されている。一対のアーム部材８４の他端は、連結ロッド８５に連結されている。

　アーム部材８４の中途部には、一端をアーム部材８４に固着し、他端側を第２のガイド溝８２からヘッドアップガイド７６の外面側に突出させたロッド状の操作部材８６が設けられている。

　図８に示すように、位置決め部材８３が第１のガイド溝８１の一端側に位置するとき、一端に設けられたヘッドアップローラ７９をヘッドアップレール５５に係合させたヘッドアップアーム７８は、位置決め部材８３によって一側面が押圧されて前方へ回動することのない状態にある。それによって、背床部３１は、下端を支点として前方へ倒伏させられることのない状態で保持される。

　図９に示すように、操作部材８６によってアーム部材８４を連結ロッド８５を支点として回動させ、位置決め部材８３を第１のガイド溝８１の一端側から他端側へ移動させると、位置決め部材８３によってヘッドアップアーム７８の中途部が押圧される。

　それによって、ヘッドアップアーム７８は、ヘッドアップレール５５に係合したヘッドアップローラ７９、つまりヘッドアップアーム７８が一端を支点として一他端側が図９に矢印Ｗで示す背床部３１の前面側に向かって回動する。

　その結果、背床部３１は下端を支点として前方へ倒伏する方向へ回動するから、背床部３１に上半身を位置させた利用者の頭部が前方に起こされることになる。

　上述したように、背床部３１は、この背床部３１を起上させた後、操作部材８６を操作して位置決め部材８３を第１のガイド溝８１の一端から他端へ移動させることで、前方へ傾けることができる。

　また、背床部３１が倒伏した状態にあるとき、操作部材８６を予め操作して位置決め部材８３を第１のガイド溝８１の一端から他端へ移動させた後、背床部３１を起上させれば、その起上に伴ってヘッドアップレール５５の第２の腰床部２８と背床部３１の背面に対向する他端部との間隔が図８に示す状態から、図９に示すように拡大する。

　それによって、図９に示すように位置決め部材８３により、ヘッドアップアーム７８が押圧されてヘッドアップローラ７９を支点として前方へ回動した状態で保持されるから、背床部３１を前面側に傾斜させることができる。

　つまり、上述した構成によれば、背床部３１は、この背床部３１を背上げ機構３７によって上昇方向に駆動した後、操作部材８６を操作することで前方へ傾斜させることができる。

　それだけでなく、背床部３１が倒伏した状態にあるとき、操作部材８６を操作して位置決め部材８３を第１のガイド溝８１の一端から他端へ移動させておけば、背床部３１を起上させることで、その起上に連動して背床部３１を前方へ倒伏させることもできる。

　このような構成のベッド装置によれば、背床部３１の中央背部３２の両側に設けられた一対の側部背部３３を背床部３１の起上に伴って前方へ回動させるための作動軸５６、ワイヤ５９及び押圧部材６６などの部材は、背床部３１を起伏駆動するための背上げ機構３７を構成する部材の動作や配置などに関連することなく、床板体２５の背面側に設けることができる。

　つまり、背上げ機構３７と分離された機構によって、背床部３１の中央背部３２の両側に設けられた側部背部３３を、背上げ時に前方向に回動させることができる。

　そのため、背上げ機構３７との相対的な組み立て精度や製作精度が要求されることがない機構によって側部背部３３を背上げ時に前方向に回動させることができるから、その機構の製造や組み立てを容易に行うことが可能となる。

　ベッド装置のベッドフレーム５と床板体２５は、利用者の身長に応じて長さを変えることができる。ベッドフレーム５と床板体２５の長さを変えると、背上げ時に側部背部３３を前方向に回動させるために用いられているワイヤ５９の長さを調整しなければならない。

　アーム５８を介して一端が作動軸５６に連結されたワイヤ５９の他端部は、巻取り軸６３に長さを調整可能に巻回されている。そのため、ベッドフレーム５と床板体２５の長さを変えたとき、その長さ変更に応じてワイヤ５９の長さも変えることができる。したがって、ベッドフレーム５と床板体２５の長さを変えた場合であっても、背上げ時に背床部３１の一対の側部背部３３を、利用者の頭部を保持できるよう確実に前方へ回動させることができる。

　ヘッドアップ機構７５は、背床部３１を起上させてから操作部材８６によって位置決め部材８３を第１のガイド溝８１に沿って移動させることで、背床部３１を前方へ傾斜させた状態で保持することができる。

　それだけでなく、背床部３１を起上させる前に、位置決め部材８３を第１のガイド溝８１に沿って予め移動させておけば、背床部３１を背上げ機構３７によって起上させる動作に連動させて背床部３１を前方へ傾斜させることができる。

　そのため、利用者の体調などの状況に応じて、背床部３１を起上させる時に前方へも傾斜させたり、背床部３１を起上させた後にこの背床部３１を前方へ傾斜させたり、傾斜させた背床部３１を傾斜していない元の状態に戻したりするなど、背床部３１を傾斜させる状況を選択できる。これにより、ベッド装置の使い勝手が向上する。

　サイドアップ機構７４は背床部３１を起上方向に駆動することで作動させることができ、ヘッドアップ機構７５は第１のガイド溝８１に対する位置決め部材８３の位置を設定することで作動させることができる。

　つまり、サイドアップ機構７４とヘッドアップ機構７５は別々に作動させたり、同時に作動させることが可能である。そのため、利用者の体力などの状態によって、サイドアップ機構７４とヘッドアップ機構７５を使い分けたり、同時に使用することができるから、ベッド装置の利便性が一層向上する。

　なお、上述した第１の実施の形態では、床板体２５に第１及び第２の腰床部２７，２８を設け、この第２の腰床部２８に背床部３１を連結するようにした。しかしながら、床板体２５に第１及び第２の腰床部２７，２８を設けることができない場合には、背床部３１を固定床部２６に連結してもよい。

　また、背床部３１の中央背部３２の両側に設けられる一対の側部背部３３は、上下方向に複数に分割されたものであってもよい。

　また、ベッド装置は、第１及び第２の腰床部２７，２８を備えていなくてもよい。そのような場合には、背床部３１の中央背部３２を固定床部２６に回動可能に取付けてもよい。要は、中央背部３２が固定床部２６に対して直接或いは間接的に回動可能に設けられている構成であればよい。

　つぎに、この発明の第２の実施の形態につき図１１乃至図１５を参照しながら説明する。なお、第１の実施の形態と同一の部分には同一符号を付して説明を省略する。

　図１１は、第１の実施の形態の図６と同様、床板体２５の背床部３１、第１及び第２の腰床部２７，２８及び固定床部２６の背面側を示している。

　第１の実施の形態では、ヘッドアップ機構７５を構成するために、一端が第１の腰床部２７の下面（背面）に固定されたヘッドアップレール５５やヘッドアップアーム７８、さらにはヘッドアップガイド７６などを設けるようにしたが、第２の実施の形態ではヘッドアップレール５５、ヘッドアップアーム７８及びヘッドアップガイド７６などを使用せずヘッドアップ機構７５が構成されている。なお、第２の実施の形態においてはヘッドアップ機構を示す符号を７５Ａとする。

　以下、第２の実施の形態のヘッドアップ機構７５Ａについて説明する。中央背部３２の背面の上部には、作動軸５６が設けられている。作動軸５６は、一対の保持具５７によって回転可能に保持されている。作動軸５６の両端部には、図１１と図１４に示すように帯板状の一対の取付けアーム１０１の一端部が作動軸５６の軸線に対して直交する状態で固定されている。

　取付けアーム１０１の他端部には、同じく帯板状の可動アーム１０２の一端部が連結軸１０３によって回動可能に連結されている。可動アーム１０２の他端部には、図１３に示すようにローラ状の作動部材１０４が支軸１０５によって回転可能に支持されている。

　作動部材１０４と支軸１０５とによって、後述するように背床部３１が前方へ傾斜する角度を規制する規制手段が構成されている。なお、規制手段は、支軸１０５だけで構成されてもよい。

　作動部材１０４は、背上げレール５３内に移動可能に設けられている。支軸１０５は、背上げレール５３の端部に長手方向に沿って形成された長孔１０６に移動可能に挿通されている。

　図１２に示すように、一対の背上げレール５３の長手方向の両端部には、長孔１０６が形成されている。このような構成により、一対の前記背上げレール５３は、上下方向に対して位置決め制限されることなく使用できる。なお、長孔１０６は、実質的には背上げレール５３の背床部３１側の端部（上端部）だけに設けられていればよい。

　可動アーム１０２は、ロック機構１０８によって取付けアーム１０１に対し直線状となった状態で回動不能に固定することが可能である。ロック機構１０８は、図１３（ａ），（ｂ）と図１４（ａ），（ｂ），（ｃ）に示すように、左右一対の取付けアーム１０１の長手方向の中途部に一端が支軸１１０によって回動可能に取付けられた一対の可動片１１１を有する。一対の可動片１１１の他端には、ロック用ロッド１１２の一端部と他端部がそれぞれ固着されている。

　図１２（ａ）と図１３（ａ）に示すように、可動アーム１０２の一端部の幅方向の一側、つまり連結軸１０３によって取付けアーム１０１に連結された箇所よりも末端側の一側には、凹状の係合部１１３が形成されている。

　図１２（ａ）と図１３（ａ）に示すように可動アーム１０２が取付けアーム１０１に対して屈曲した状態から、図１２（ｂ）と図１３（ｂ）に示すように取付けアーム１０１に対してほぼ直線状になるよう回動させた後、可動片１１１を支持した支軸１１０を支点として可動片１１１とともにロック用ロッド１１２を回動させ、一対の可動アーム１０２の係合部１１３に弾性的に係合させる。

　それによって、図１２（ｂ）と図１３（ｂ）に示すように、可動アーム１０２は取付けアーム１０１に対してほぼ直線状となった状態で回動不能に保持される。

　取付けアーム１０１と可動アーム１０２が屈曲した状態から、ロック機構１０８によって直線状に保持されると、取付けアーム１０１が取付けられた作動軸５６を介して背床部３１の中央背部３２が前方へ押圧される。

　それによって、作動軸５６が背面側に設けられた背床部３１は、図１２（ａ）及び図１３（ａ）に示す状態から図１２（ｂ）及び図１３（ｂ）に示すように第２の腰床部２８の連結部２９に枢着された下端を支点として前方へ傾動する。

　このとき、可動アーム１０２の他端に設けられ背上げレール５３の長孔１０６に係合させた作動部材１０４は、中央背部３２の傾動に応じて背上げレール５３の図１２（ｂ）における上端部方向へ移動する。

　さらに、作動部材１０４が設けられた支軸１０５は、背上げレール５３の長孔１０６に係合している。そのため、背床部３１はロック機構１０８によって直線状に保持された取付けアーム１０１と可動アーム１０２とがなす長さ以上に、前方向へ倒伏するのが阻止される。

　つまり、作動部材１０４は、背床部３１、つまり中央背部３２が前方へ傾斜し過ぎることがないよう、その傾斜角度を制限している。

　このように、第２の実施の形態のヘッドアップ機構７５Ａは、後述するサイドアップ機構７４に用いられる作動軸５６に、取付けアーム１０１と可動アーム１０２を取付ける。

　さらに、背上げレール５３が長孔１０６に挿通された支軸１０５を介して作動部材１０４を保持するとともに、ロック機構１０８においては取付けアーム１０１に回動可能に連結された可動アーム１０２がロック用ロッド１１２によって回動不能かつ直線状に保持される。

　そのため、本実施の形態におけるヘッドアップ機構７５Ａによれば、部品点数の減少や構成の簡略化を図ることができる。しかも、ロック機構１０８を操作するだけで、背床部３１を傾斜させたり、傾斜状態を解除することができるから、その操作も容易である。

　一方、第２の実施形態におけるサイドアップ機構７４は、第１の実施の形態とほぼ同様の構成を有している。すなわち、図１１に示すように、サイドアップ機構７４は、背上げ機構３７によって床板体２５の背床部３１が起上方向に駆動されたときに張力を生じ、その張力によって作動軸５６を所定方向に回動させる伝動部材としてのワイヤ５９を有する。

　ワイヤ５９は、アウタチューブ１２１内に挿通されている。ワイヤ５９の一端は、第１の腰床部２７の下面に設けられた取付具１２２に取付けられている。ワイヤ５９の一端部は、固定床部２６の下面に設けられた第１の保持具１２３に回転可能に設けられた第１のローラ１２４に係合して方向変換されている。

　アウタチューブ１２１は、一端が第１の保持具１２３に固定されている。つまり、ワイヤ５９の一端部は、アウタチューブ１２１の一端と取付具１２２との間でアウタチューブ１２１から露出している。

　アウタチューブ１２１は、中途部が大きく弛ませて湾曲されており、当該中途部は第２の腰床部２８の背面（下面）に設けられたクリップ１２５によって保持されている。アウタチューブ１２１の他端部は、中央背部３２の上端部に設けられた第２の保持具１２７に固定されている。

　アウタチューブ１２１の他端から導出されたワイヤ５９の他端部は、第２の保持具１２７に回転可能に支持された第２のローラ１２８に係合されている。ワイヤ５９の末端は、作動軸５６の長手方向中央部に設けられた取付け部材としてのアーム５８に連結されている。

　それによって、図４に示す背上げ機構３７によって背上げアーム４５を起上方向に駆動し、背上げアーム４５に設けられた背上げローラ４６によって背上げレール５３を起上方向に駆動する。

　すると、背床部３１が背上げレール５３に連動して起上するから、その起上によってワイヤ５９に張力が生じる。ワイヤ５９に張力が生じると、その張力によって作動軸５６が所定方向に回転させられることになる。

　作動軸５６の両端部には、図１４（ａ）～（ｃ）に示すように、押圧部材６６が作動軸５６の周方向に対して角度変更可能に設けられている。そして、背床部３１が起上方向に駆動されて作動軸５６がワイヤ５９によって回動させられると、押圧部材６６が作動軸５６とともに所定方向に回動し、一対の側部背部３３の背面を押圧する。

　それによって、一対の側部背部３３は、前方へ回動していない非作動位置から押圧部材６６によって押圧されて前方へ回動する作動位置へ変位する。このような構成は、第１の実施の形態と同様である。

　なお、図１１に示すように、側部背部３３の背面の押圧部材６６が転動する背面の部位には、押圧部材６６が円滑に転動するよう平坦な凹状部３３ａに形成されている。

　伝動部材としてのワイヤ５９は、アウタチューブ１２１に挿通されている。そのため、背上げ時にワイヤ５９に張力が生じたとき、ワイヤ５９はアウタチューブ１２１に挿通されていない場合に比べ円滑に動作する。

　アウタチューブ１２１は、ワイヤ５９とともに中途部を弛ませた長さを有している。そのため、固定床部２６から背床部３１までの長さ、たとえば背床部３１の長さ寸法を利用者の身長などに応じて長く変えた場合であっても、弛みによって異なる長さに対応することができる。

　つまり、上述した構成のサイドアップ機構７４は、第１の実施の形態と同様、床板体２５の長さが変更された場合であっても、アウタチューブ１２１やワイヤ５９の長さを変えることなく対応できる。

　このように構成された第２の実施の形態のベッド装置のヘッドアップ機構７５Ａにおいて、取付けアーム１０１に対して可動アーム１０２を直線状に回動させ、その状態で可動アーム１０２をロック機構１０８によって回動不能にロックすれば、背床部３１の中央背部３２を図１２（ｂ）と図１３（ｂ）に示すように前方に傾斜させた状態で保持することができる。なお、このとき、一対の側部背部３３も中央背部３２と一体的に傾斜する。

　それによって、傾斜した中央背部３２によって利用者の頭部を起こした状態で支持することができるから、たとえば利用者が食事をとり易い姿勢を維持できるなどの利点がある。

　また、作動部材１０４を支持した支軸１０５は、背上げレール５３の長孔１０６に係合している。そのため、ロック機構１０８によって取付けアーム１０１に対して可動アーム１０２をロックした状態で背床部３１を前方へ傾斜させたとき、取付けアーム１０１と可動アーム１０２とがなす長さ寸法以上に背床部３１が前方へ傾斜するのが阻止される。

　つまり、背床部３１を所定の角度で前方へ傾斜させることができばかりか、傾斜させ過ぎるのを防止することができる。

　一方、可動アーム１０２のロック機構１０８によるロック状態を解除すれば、中央背部３２が図１２（ａ）と図１３（ａ）に示すように前方に傾斜していない状態で保持される。このとき、中央背部３２、つまり背床部３１は、外力が加わるなどしてもワイヤ５９によって傾斜する方向へガタ付くのが防止される。

　サイドアップ機構７４は、第１の実施の形態と同様、押圧部材６６を作動位置と非作動位置のどちらかに位置決めする。そして、サイドアップ機構７４は、背床部３１を起上させたときに、側部背部３３の背面を押圧しながら回動して前方へ回動させる状態と、回動させずに側部背部３３を押圧しない状態とのいずれかに設定する。

　したがって、背床部３１を起上方向に駆動させるとき、ヘッドアップ機構７５Ａとサイドアップ機構７４を選択的に作動させるよう設定することができる。つまり、ヘッドアップ機構７５Ａとサイドアップ機構７４のどちらか一方、或いは両方を動作させることができるから、利用者の希望に応じた状態で利用することができる。

　なお、ヘッドアップ機構７５Ａは、背上げ機構３７を駆動して背床部３１を起上させるか否に係らず、ロック機構１０８によって取付けアーム１０１に可動アーム１０２を回動不能なロック状態に保持すれば、中央背部３２を前方に傾斜した状態に維持することができる。

　上述した第１、第２の実施の形態では、背上げ時に前記作動軸を回転させる手段としての伝動部材にワイヤを用いる例を示した。伝動部材としては、ワイヤに代えて作動軸を伝動モータなどの回転駆動源によって回転させることができる構成を用いてもよい。さらに、回転駆動源は、背床部の背上げ時に、背上げ機構と連動して作動してもよい。

　５…ベッドフレーム、１１…本体フレーム部、１２…調整フレーム、２５…床板体、２６…固定床部、２７…第１の腰床部、２８…第２の腰床部、２９…連結部、３１…背床部、３２…中央背部、３３…側部背部、３５…第１の脚床部、３６…第２の脚床部、３７…背上げ機構、３８…駆動部、５６…作動軸、５８…アーム（取付け部材）、５９…ワイヤ（伝動部材）、６６…押圧部材、６９…ストッパ部材、７２…取付け軸、７３…保持部材、７４…サイドアップ機構、７５…ヘッドアップ機構、７６…ヘッドアップガイド、７９…ヘッドアップローラ、８１…第１のガイド溝、８２…第２のガイド溝、８３…位置決め部材、８４…アーム部材、８６…操作部材、１０１…取付けアーム、１０２…可動アーム、１０４…作動部材（規制手段）、１１０…支軸（規制手段）、１０８…ロック機構、１１２…ロック用ロッド。

Claims

　ベッドフレームと、
　前記ベッドフレームに固定される固定床部と、中央背部及びこの中央背部の両側に前方向に回動するよう連結された一対の側部背部を有して前記固定床部に対して回動可能に設けられた背床部と、を備えた床板体と、
　前記床板体の前記背床部を起伏させる背上げ機構と、
　軸線を前記中央背部の幅方向に沿わせて前記中央背部の背面により回転可能に支持された作動軸と、
　この作動軸の中途部に設けられた取付け部材と、
　この取付け部材に一端が固定されるとともに、他端が前記背上げ機構を作動させて前記背床部を起上方向に駆動したときに張力が発生する部分に固定され、前記張力によって前記作動軸を所定方向に回動させる伝動部材と、
　前記作動軸の両端部に前記作動軸の周方向に対して角度変更可能に設けられ、前記背床部が起上方向に駆動されて前記作動軸が前記伝動部材によって回動させられたとき、一対の前記側部背部を前方へ回動させる作動位置と、前方へ回動させることのない非作動位置とのいずれかに位置決めされる押圧部材と
　を具備したことを特徴とするベッド装置。
　ベッドフレームと、
　中央背部と、この中央背部の両側に前方向に回動可能に連結された一対の側部背部とを含む背床部を備えた床板体と、
　前記床板体の前記背床部を起伏させる背上げ機構と、
　軸線を前記中央背部の幅方向に沿わせて前記中央背部の背面により回転可能に支持された作動軸と、
　前記作動軸の両端部に前記作動軸の周方向に対して角度変更可能に設けられ、前記背床部が起上方向に駆動されて前記作動軸が回動させられたとき、一対の前記側部背部を前方へ回動させる作動位置と、前方へ回動させることのない非作動位置とのいずれかに位置決めされる押圧部材と
　を具備したことを特徴とするベッド装置。
　前記取付け部材は、一端が前記作動軸に連結され他端が前記作動軸の径方向外方に突出したアーム状であって、前記取付け部材の他端に前記伝動部材の一端が連結されていることを特徴とする請求項１記載のベッド装置。
　前記押圧部材は、前記作動軸に位置決め機構によって前記作動位置と前記非作動位置とに位置決め可能に設けられていて、
　前記位置決め機構は、
　前記作動軸の端部に回転可能かつ軸方向に移動可能に挿入される支軸と、この支軸の先端部に設けられたストッパ部材と、このストッパ部材に軸線を前記作動軸の軸線に対して所定の角度で傾斜させて設けられ先端に前記押圧部材が設けられた取付け軸と、
　前記作動軸の端部に設けられ前記背上げ機構によって前記背床部を起上方向に駆動したときに、前記取付け部材の他端に設けられた前記押圧部材を前記作動位置に位置決め保持する保持部材と、
　を含むことを特徴とする請求項１又は請求項２記載のベッド装置。
　前記伝動部材は、長さ調整可能に設けられ、
　前記ベッドフレームは、長さ調整可能な構成を有し、
　前記伝動部材の長さは、前記ベッドフレームの長さに応じて設定される、
　ことを特徴とする請求項１記載のベッド装置。
　前記背床部を起上方向に駆動したとき前記背床部の前記側部背部を前方へ駆動する機構を構成する部材と、前記背上げ機構を構成する部材とが重複していないことを特徴とする請求項１又は請求項２記載のベッド装置。
　ベッドフレームと、
　前記ベッドフレームに固定される固定床部、この固定床部に対して回動可能に設けられた腰床部、及び背床部を備えた床板体と、
　前記床板体の前記腰床部と前記背床部とを起伏させる背上げ機構と、
　前記背床部の背面の前記腰床部側の端部に設けられ側辺に円弧状の第１のガイド溝が形成されたヘッドアップガイドと、
　一端が前記腰床部に固定され前記背床部と前記腰床部との背面側にわたって設けられたヘッドアップレールと、
　一端が前記ヘッドアップガイドに枢着され他端に前記ヘッドアップレールに転動可能に係合したヘッドアップローラを有し、前記ヘッドアップローラを前記ヘッドアップレールに沿って転動させることで、前記ヘッドアップガイドとともに前記一端を支点として回動して前記背床部を前記腰床部に対して前方へ回動させるヘッドアップアームと、
　端部が前記第１のガイド溝に挿通され、前記第１のガイド溝の一端に位置するときに前記ヘッドアップアームによって前記背床部を前方へ回動させない第１の位置と、前記第１のガイド溝の他端に位置するときに前記ヘッドアップアームによって前記背床部を前方へ回動させる第２の位置とに選択的に位置決めされる位置決め部材と
　を具備したことを特徴とするベッド装置。
　前記ヘッドアップガイドの側辺には、前記第１のガイド溝と並んだ円弧状の第２のガイド溝が形成されているとともに、一端が前記ヘッドアップガイドの側面に枢着され他端に前記位置決め部材の端部が連結されたアーム部材が設けられ、
　前記第２のガイド溝には、前記アーム部材を回動させることで前記位置決め部材を前記第１のガイド溝の一端部と他端部との間で移動させる操作部材が設けられていることを特徴とする請求項７記載のベッド装置。
　前記背床部が前記背上げ機構によって起上方向に駆動される前の倒伏状態にあるとき、前記位置決め部材を前記第１のガイド溝の前記第２の位置に位置決めしておくことで、前記背床部は前記背上げ機構による前記背床部の起上に連動して前方へ倒伏させることができることを特徴とする請求項７記載のベッド装置。
　ベッドフレームと、
　前記ベッドフレームに固定される固定床部と、中央背部及びこの中央背部の両側に前方向に回動するよう連結された一対の側部背部を有して前記中央背部の下端が前記固定床部に対して回動可能な背床部と、を備えた床板体と、
　前記床板体の前記背床部を起伏させる背上げ機構と、
　前記背上げ機構によって前記床板体の前記背床部が起上方向に駆動されたときに前記一対の側部背部を前方へ回動させるサイドアップ機構と、
　前記背上げ機構によって前記床板体の前記背床部が起上方向に駆動されたときに前記背床部を前方へ回動させるヘッドアップ機構と、を備え、
　前記サイドアップ機構と前記ヘッドアップ機構は、どちらか一方或いは両方同時に作動させることができることを特徴とするベッド装置。
　ベッドフレームと、
　前記ベッドフレームに一端が回動可能に設けられた腰床部及びこの腰床部の他端に一端が回動可能に連結された背床部を有する床板体と、
　一端を支点として他端が倒伏した状態から上昇方向に回動されるとともに他端側に背上げローラが設けられた背上げアームと、前記腰床部の下面側に一端部が取付けられ前記背上げローラが転動可能に係合した背上げレールと、を有し、前記床板体の前記背床部を起伏させる背上げ機構と、
　前記背上げ機構によって前記床板体の前記背床部が起上方向に駆動されたときに前記背床部を前方へ回動させるヘッドアップ機構と、を備え、
　前記ヘッドアップ機構は、
　軸線を前記背床部の幅方向に沿わせて前記背床部の背面により回転可能に支持された作動軸と、
　前記作動軸に一端が回動不能に取付けられた取付けアームと、
　前記取付けアームの他端に一端が回動可能に連結された可動アームと、
　前記可動アームを前記取付けアームに対して回動不能に保持して前記背床部を下端を支点として前方へ傾斜させるロック機構と、
　前記可動アームの他端に前記背上げレールの他端部に沿って移動可能に設けられ前記ロック機構によって前記背床部が下端を支点として前方へ傾斜した状態で保持されたとき、前記背床部が前方へ傾斜する角度を制限する規制手段と
　を具備したことを特徴とするベッド装置。
　前記背床部は、中央背部と、この中央背部の両側に前方向に回動するよう連結された一対の側部背部と、を有し、
　前記ベッド装置は、前記背上げ機構によって前記背床部が起上方向に駆動されたときに、一対の前記側部背部を前方へ回動させるサイドアップ機構をさらに備え、
　前記サイドアップ機構は、
　前記背上げ機構によって前記床板体の前記背床部が起上方向に駆動されたときに前記作動軸を所定方向に回動させる伝動部材と、
　前記作動軸の両端部に前記作動軸の周方向に対して角度変更可能に設けられ、前記背床部が起上方向に駆動されて前記作動軸が前記伝動部材によって回動させられたとき、一対の前記側部背部を前方へ回動させる作動位置と、前方へ回動させることのない非作動位置とのいずれかに位置決めされる押圧部材と、
　を含むことを特徴とする請求項１１記載のベッド装置。
　前記ロック機構によって前記可動アームを前記取付けアームに一体化させるか否かの設定、及び、前記作動位置と前記非作動位置のいずれかへの前記押圧部材の設定によって、前記背床部の起上方向への駆動に応じて前記ヘッドアップ機構と前記サイドアップ機構を選択的に作動させることができることを特徴とする請求項１２記載のベッド装置。