WO2019229821A1

WO2019229821A1 - 駐車装置

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Publication number: WO2019229821A1
Application number: PCT/JP2018/020416
Authority: WO
Inventors: 孝成河津; 濱田　浩史
Original assignee: Ｉｈｉ運搬機械株式会社
Priority date: 2018-05-28
Filing date: 2018-05-28
Publication date: 2019-12-05
Also published as: CN210422078U

Abstract

入庫した自動車１が載せられたパレット５を、格納階のパレットスペースＳに搬送する駐車装置１０において、格納階には、複数のパレットスペースＳが縦方向及び横方向に配列されている。駐車装置１０は、格納階に設けた複数のパレット５と、各パレット５を、隣り合うパレットスペースＳ同士の間で搬送するパレット搬送機構１６（１７）とを備える。パレット５の数は、パレットスペースＳの数よりも少ない。

Description

駐車装置

　本発明は、入庫する自動車をパレットに載せて格納する駐車装置に関する。より詳しくは、本発明は、入庫した自動車を載せるパレットを、格納階に配列した複数のパレットスペースの間で縦方向及び横方向に搬送する駐車装置に関する。

　従来の水平循環式駐車装置では、入庫した自動車を格納する格納階において、多数のパレットスペースが縦方向及び横方向に配列されている。また、自動車を積載可能な複数のパレットがそれぞれ複数のパレットスペースに位置している。各パレットは、多数のパレットスペースの間で搬送される。この搬送を可能にするために、格納階において、パレットの数はパレットスペースの数よりも少なく設定している。

　また、例えば、いずれかのパレットスペースの隣にリフトの昇降路が設けられ、当該パレットスペースと格納階に位置するリフトとの間でも、パレットが搬送可能である。この構成において、入出庫階のリフト上のパレットに、入庫する自動車が乗り込み、リフトが格納階へ移動する。その後、格納階において、自動車を載せたパレットが、格納のためにリフトからパレットスペースへ搬送される。

特開２０１６－３７８２７号公報

　従来では、多数のパレットスペースの間でパレットを循環して搬送できるように、確保された領域内において多数のパレットを（例えば全体として矩形状に）配列している。しかし、矩形状の広い領域を確保できない場合、又は、確保された矩形状の広い領域内に障害物が存在する場合などにおいて、当該領域内に配列できるパレットスペースの数が抑えられる。その結果、駐車装置への自動車の収容効率が低下してしまう。

　そこで、本発明の目的は、駐車装置の格納階において複数のパレットスペースを縦方向及び横方向に配列する場合に、自動車の収容効率を高めることができるようにすることにある。

　上述の目的を達成するため、本発明による駐車装置は、入庫した自動車が載せられたパレットを、格納階のパレットスペースに搬送する駐車装置であって、
　格納階には、複数の前記パレットスペースが縦方向及び横方向に配列されており、
　前記駐車装置は、
　前記格納階に設けた複数の前記パレットと、
　各前記パレットを、隣り合う前記パレットスペース同士の間で搬送するパレット搬送機構と、を備え、
　前記パレットの数は、前記パレットスペースの数よりも少ない。

　本発明によると、格納階において、複数のパレットスペースは、互いの間でパレットを搬送できるように縦方向及び横方向に隣り合うように配列されていればよい。したがって、確保されたパレットスペース用の領域に合わせて、パレットスペースを配列できるので、駐車装置への自動車の収容効率を高めることができる。

本発明の実施形態による駐車装置の構成を示す。図１のＩＩ－ＩＩ矢視図であり、格納階の構成を示す。下方から鉛直方向に見た１つパレットを示す。図２においてパレットが位置していない状態の１つのパレットスペースの部分拡大図である。図４の５Ａ－５Ａ矢視図である。図４の５Ｂ－５Ｂ矢視図である。図２のＶＩ－ＶＩ矢視図であり、補助ローラ付近の構成を示す。パレットスペースと昇降路と設備の配置の比較例を示す。本発明の実施形態による、パレットスペースと昇降路と設備の配置の一例を示す。

　本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。また、以下の説明は、請求の範囲に記載された発明を限定するものではない。本発明は、以下で述べる構成要素の全てを備えるものに限定されない。例えば、本発明は、以下で述べる複数の構成要素の一部を備えるものであってもよい。

（駐車装置の概略構成）
　図１と図２は、本発明の実施形態による駐車装置１０の構成を示す。図１は、図２のＡ－Ａ断面図である。図２は、図１のＩＩ－ＩＩ矢視図であり、格納階の構成を示す。格納階の数は、複数であってもよいし、１つであってもよい。図１の例では、２つの格納階が設けられている。複数の格納階が設けられる場合、各格納階の構成は、互いに同じであってよい。駐車装置１０は、リフト３とパレット５とパレット搬送機構１６を備える。

　リフト３は、昇降路４に配置され、入庫階（図１では入出庫階）と各格納階へ昇降駆動される。昇降路４は、入出庫階と各格納階にわたって鉛直方向に延びている。

　各パレット５には、入庫した自動車１が積載可能である。複数（例えば多数）のパレット５が、各格納階に設けられる。各格納階において、図２のように、複数（例えば多数）のパレットスペースＳが縦方向及び横方向に配列されている。図２において、各パレットスペースＳは、破線で囲まれた領域であり、符号Ｅは、設備（例えば、空調設備、倉庫、又は階段）を示す。なお、縦方向とは、予め設定された水平方向であり、パレット５に積載された自動車１は、パレットスペースＳにおいて縦方向を向くようになっている。横方向は、縦方向に直交する水平方向である。各格納階において、パレット５の数は、パレットスペースＳの数よりも少ない。例えば、パレット５の数は、パレットスペースＳの数よりも、２つ以上（例えば、２つ、３つ、又は４つ）少ない。

　各格納階において、各パレットスペースＳの寸法（縦方向寸法及び横方向寸法）は、互いに同じであってよい。一方、複数の格納階の間で、パレットスペースＳの高さは、互いに異なっていてもよい。これにより、車高の大きい自動車１を格納する格納階と、車高の小さい自動車１を格納する格納階とを設けることができる。

　パレット搬送機構１６（図１と後述の図４を参照）は、各格納階において、各パレットスペースＳと、当該格納階に位置するリフト３にパレット５を移動させることができる。すなわち、パレット搬送機構１６は、各格納階において、１つのパレットスペースＳに２つ以上のパレット５が位置しないように、各パレット５を、隣り合うパレットスペースＳ同士の間で搬送する。この搬送は、縦方向に又は横方向に障害物（例えば図２の障害物Ｂ）を挟まずに隣り合うパレットスペースＳの各対同士の間で行われてよい。これにより、各パレット５は、どのパレットスペースＳへも移動できるようになっていてよい。これが可能となるように、各格納階についてパレット５の数がパレットスペースＳの数に対して設定される。また、パレット搬送機構１６は、各格納階において、当該格納階に位置するリフト３と、当該リフト３と隣り合うパレットスペースＳとの間で、縦方向又は横方向（図２の場合には横方向）にパレット５を移動させる。

（行き止まりパレットスペース）
　本実施形態では、格納階における複数のパレットスペースＳは、図２のように、行き止まりパレットスペースＳｄを含む。互いに反対を向く２つの縦方向と、互いに反対を向く２つの横方向とを合わせた４方向のうち、１方向にのみ、行き止まりパレットスペースＳｄは別のパレットスペースＳと障害物を挟まずに隣り合っている。一例では、行き止まりパレットスペースＳｄは、上記４方向のうち他の３方向において、障害（例えば障害物Ｂ又は壁）と隣り合っている。

　行き止まりパレットスペースＳｄとのパレット５の搬送は、当該行き止まりパレットスペースＳｄと上記１方向に隣り合う１つのパレットスペースＳとの間でのみ可能となっている。言い換えると、パレット搬送機構１６は、行き止まりパレットスペースＳｄに隣り合う１つのパレットスペースＳのみから、当該行き止まりパレットスペースＳｄへパレット５を搬送可能である。また、パレット搬送機構１６は、行き止まりパレットスペースＳｄに隣り合う上記１つのパレットスペースＳへのみ、当該行き止まりパレットスペースＳｄからパレット５を搬送可能である。

（パレットの構成の詳細）
　図３は、下方から鉛直方向に見た１つパレット５を示す。各パレット５は、同じ構成を有していてよい。パレット５は、パレット本体７と、縦レール１１と、横レール１３と、転向レール１５を備える。縦レール１１、横レール１３、及び転向レール１５は、パレット本体７の下面に取り付けられている。

　縦レール１１は、縦方向に延びており、横レール１３は、横方向に延びている。縦レール１１と横レール１３には、共通の箇所（以下で不連続箇所Ｐという）で不連続になっている。図３の例では、縦レール１１は、不連続箇所Ｐを除いて、パレット５の全体にわたって縦方向に延びており、横レール１３は、不連続箇所Ｐを除いて、パレット５の全体にわたって横方向に延びている。また、図３の例では、１対の縦レール１１が、横方向に間隔をおいて設けられ、１対の横レール１３が、縦方向に間隔をおいて設けられている。図３の例では、４つの不連続箇所Ｐが存在する。

　転向レール１５は、図３と後述の図５Ａと図５Ｂに示すように、各不連続箇所Ｐにおいて、第１鉛直軸Ｃ１回りに回転可能にパレット本体７に取り付けられている。転向レール１５は回転部材１４に結合されており、回転部材１４が、第１鉛直軸Ｃ１回りに回転可能にパレット本体７に取り付けられている。これにより、転向レール１５は、縦方向を向いた状態と、横方向を向いた状態とで切り替え可能である。転向レール１５は、縦方向を向いた状態で縦レール１１の延長線上に位置し、転向レール１５は、横方向を向いた状態で横レール１３の延長線上に位置する。

（パレット搬送機構の構成の詳細）
＜送り装置＞
　パレット搬送機構１６は、複数のパレットスペースＳにそれぞれ設けられた複数の送り装置１７を備える。各パレットスペースＳに設けた送り装置１７は、互いに同じ構成を有していてよい。各パレットスペースＳの送り装置１７は、当該パレットスペースＳに隣り合うパレットスペースＳへパレット５を搬送する。互いに隣り合うパレットスペースＳの間で、当該両パレットスペースＳの送り装置１７が、協働して、当該両パレットスペースＳの間でパレット５を搬送してよい。

　また、パレット搬送機構１６は、リフト３に設けられた送り装置１７を備える。リフト３に設けた送り装置１７は、パレットスペースＳに設けた送り装置１７と同じ構成を有していてよい。リフト３が格納階に位置する時に、リフト３の送り装置１７は、リフト３に隣り合うパレットスペースＳへパレット５を搬送する。互いに隣り合うパレットスペースＳとリフト３の間で、当該パレットスペースＳの送り装置１７とリフト３の送り装置１７が、協働して、当該パレットスペースＳとリフト３の間でパレット５を搬送してよい。

　上述のように、各パレットスペースＳの送り装置１７と、リフト３の送り装置１７は、互いに同じ構成を有していてよい。したがって、以下において、１つのパレットスペースＳに設けた送り装置１７の構成を説明し、他の各パレットスペースＳとリフト３に設けた送り装置１７の説明を省略する。

　図４は、図２においてパレット５が位置していない状態の１つのパレットスペースＳの部分拡大図である。各パレットスペースＳには、図４に示す送り装置１７が設けられている。すなわち、図２において、パレット５が位置しているパレットスペースＳにおいても、当該パレット５の下方に送り装置１７が設けられている。図５Ａは、図４の５Ａ－５Ａ矢視図であり、図５Ｂは、図４の５Ｂ－５Ｂ矢視図である。

　送り装置１７は、基体１９と駆動ローラ２１と基体駆動装置２３と案内部材２５とローラ駆動装置２７とを備える。

　基体１９は、パレットスペースＳにおいて駐車装置１０の構造体９に取り付けられている。基体１９は、構造体９に対して第２鉛直軸Ｃ２回りに回転可能になっている。図５Ａの例では、基体１９は、第２鉛直軸Ｃ２回りに回転可能に支持部１８に支持されている。支持部１８は構造体９に結合されている。

　駆動ローラ２１は、水平軸Ｃ３回りに回転可能に基体１９に取り付けられている。駆動ローラ２１の外周面には、パレット５の転向レール１５が載せられる。したがって、駆動ローラ２１は、転向レール１５を介してパレット５を支持する。図４において、パレット５の４つの転向レール１５にそれぞれ対応する４つの駆動ローラ２１が設けられている。各駆動ローラ２１には、対応する転向レール１５が載せられている。また、各駆動ローラ２１に対してローラ駆動装置２７と基体１９が設けられている。

　基体駆動装置２３は、第２鉛直軸Ｃ２回りに基体１９を回転させることにより、駆動ローラ２１の向きを縦方向と横方向とに切り替える。なお、ローラの向きとは、当該ローラの回転軸（駆動ローラ２１の場合には水平軸Ｃ３）と直交する水平方向を意味する（以下同様）。駆動ローラ２１の向きが縦方向である状態では、駆動ローラ２１の回転によりパレット５は縦方向に送られ、駆動ローラ２１の向きが横方向である状態では、駆動ローラ２１の回転によりパレット５は横方向に送られる。図４では、基体駆動装置２３は、４つの基体１９を同期して回転させることにより、４つの駆動ローラ２１の向きを同期して縦方向と横方向とに切り替えてよい。なお、図４において、縦方向を向いている転向レール１５を細い破線で図示している。

　一例では、基体駆動装置２３は、図４のように、駆動部２３ａと、連結部２３ｂと、複数のリンク２３ｃと、複数の連結部２３ｄを備える。駆動部２３ａは、第２鉛直軸Ｃ２回りに１つの基体１９を回転駆動する。駆動部２３ａは、例えば伸縮シリンダであってよい。図４において、伸縮シリンダ２３ａの一端部は鉛直軸回りに回転可能にパレットスペースＳの構造体９に取り付けられている（なお、リフト３に設けられる送り装置１７については、伸縮シリンダ２３ａの一端部は鉛直軸回りに回転可能にリフト３の構造体に取り付けられる）。伸縮シリンダ２３ａの他端部は、基体１９の連結部２３ｂに鉛直軸回りに回転可能に連結されている。伸縮シリンダ２３ａが伸縮することにより、１つの基体１９が回転駆動される。また、図４に示すように、４つの基体１９同士は、リンク２３ｃを介して直列に連結されている。すなわち、各リンク２３ｃと基体１９の連結部２３ｄとは、鉛直軸回りに互いに回転可能に連結されている。このような構成により、駆動部２３ａは、１つの基体１９を回転駆動すると、リンク２３ｃにより他の各基体１９も連動して回転駆動される。これにより、４つの基体１９が同期して回転駆動される。

　複数の案内部材２５は、縦方向及び横方向に第２鉛直軸Ｃ２からずれた位置において基体１９に取り付けられている。各案内部材２５は、例えば、鉛直軸回りに回転自在な案内ローラである。駆動ローラ２１に転向レール１５が載ると第１鉛直軸Ｃ１と第２鉛直軸Ｃ２は同軸になり、且つ、複数の案内部材２５は、転向レール１５を水平方向に挟んだ状態になる。この状態で、基体駆動装置２３は、基体１９を回転駆動することにより、案内部材２５を介して、転向レール１５の向きを、駆動ローラ２１の向き共に縦方向と横方向との間で切り替え可能である。これにより、転向レール１５の向きと駆動ローラ２１の向きは、互いに同じに保たれたまま、縦方向と横方向との間で切り替えられる。

　ローラ駆動装置２７は、パレット５を縦方向又は横方向に搬送する時に、駆動ローラ２１を回転駆動する。ローラ駆動装置２７は、例えばモータであってよい。ローラ駆動装置２７は、各駆動ローラ２１が縦方向を向いている時に、駆動ローラ２１を回転することにより、当該駆動ローラ２１に載っている転向レール１５を縦方向に駆動する。これにより、縦レール１１が駆動ローラ２１上に来ると、回転駆動されている駆動ローラ２１は、縦レール１１を縦方向に駆動する。このように、パレット５は縦方向に駆動されて搬送される。同様に、ローラ駆動装置２７は、各駆動ローラ２１が横方向を向いている時に、駆動ローラ２１を回転することにより、当該駆動ローラ２１に載っている転向レール１５を横方向に駆動する。これにより、横レール１３が駆動ローラ２１上に来ると、回転駆動されている駆動ローラ２１は、横レール１３を横方向に駆動する。このように、パレット５は横方向に駆動されて搬送される。なお、ローラ駆動装置２７は、互いに反対を向く水平軸Ｃ３回りのいずれの方向にも駆動ローラ２１を回転させることができてよい。

＜端部ローラ＞
　パレット搬送機構１６は、図４のように、端部ローラ２９を更に備えていてよい。端部ローラ２９は、各パレットスペースＳの縦方向両端部と横方向両端部に配置され、回転自在に構造体９に設けられている。なお、図示を省略するが、端部ローラ２９は、リフト３の縦方向両端部と横方向両端部にも配置され、回転自在にリフト３の構造体に取り付けられる。パレットスペースＳとリフト３の縦方向両端部の端部ローラ２９は縦方向を向いている。パレットスペースＳとリフト３の横方向両端部の端部ローラ２９は横方向を向いている。端部ローラ２９には、縦レール１１又は横レール１３が載る。これにより、パレット５が安定して支持される。また、パレット５が縦方向に搬送される時には、パレット５の各転向レール１５と各縦レール１１は、対応する端部ローラ２９に支えられながら、当該端部ローラ２９を通過する。同様に、パレット５が横方向に搬送される時には、パレット５の各転向レール１５と各横レール１３は、対応する端部ローラ２９に支えられながら、当該端部ローラ２９を通過する。

＜補助ローラ＞
　隣り合うパレットスペースＳ同士が互いに離間している場合には、パレット搬送機構１６は、当該パレットスペースＳ同士の中間位置に設けられた補助ローラ３１（図２を参照）を更に備えていてよい。図６は、図２のＶＩ－ＶＩ矢視図である。図２と図６の例では、縦方向に隣り合うパレットスペースＳ同士が離間しており、当該パレットスペースＳ同士の中間位置に補助ローラ３１が設けられている。

　補助ローラ３１は、回転自在に構造体９に設けられている。補助ローラ３１の向きは、当該補助ローラ３１を挟んで隣り合うパレットスペースＳ同士の離間方向に一致している。図２と図６の例では、補助ローラ３１の向きは、縦方向である。互いに離間して隣り合うパレットスペースＳの一方から他方へパレット５が搬送される時に、当該パレット５の縦レール１１又は横レール１３（図２と図６では縦レール１１）、及び転向レール１５は、補助ローラ３１に載ることにより、補助ローラ３１に支えられながら搬送される。

　本実施形態では、格納階において、横方向又は縦方向（図２では横方向）に配列された複数のパレットスペースＳを１つの列として、互いに離間して隣り合う列が存在する。隣り合う列の一方に含まれる一部のパレットスペースＳ（図２では行き止まりパレットスペースＳｄ）と、当該パレットスペースＳに縦方向又は横方向（図２では縦方向）に隣り合う、当該隣り合う列の他方のパレットスペースＳとの中間位置には、障害物Ｂが存在している。当該隣り合う列の一方に含まれる他の一部のパレットスペースＳと、当該パレットスペースＳに縦方向又は横方向に隣り合う、当該隣り合う列の他方のパレットスペースＳとの中間位置には、障害物が存在せず、補助ローラ３１が設けられている。

　補助ローラ３１を挟んで隣り合うパレットスペースＳ同士の離間距離が大きい為に、当該隣り合うパレットスペースＳの送り装置１７が、当該隣り合うパレットスペースＳの間でパレット５を搬送できない場合には、パレット搬送機構１６は、図６のように、補助ローラ３１を回転駆動する駆動装置（例えばモータ）３２を備えてよい。この場合、補助ローラ３１に載る縦レール１１又は横レール１３が補助ローラ３１から外れないようにする案内部材（図示せず）が設けられてよい。当該案内部材は、案内部材２５と同様の部材であってよい。

＜リフトの送り装置＞
　各格納階において、障害物（障害物Ｂや壁など）の為に、縦方向と横方向のうち一方においてのみ（図２では横方向にのみ）、パレット搬送機構１６が、リフト３とパレットスペースＳとの間でパレット３を搬送可能である場合、リフト３の送り装置１７において、基体駆動装置２３を有していなくてもよい。このように、リフト３の送り装置１７が基体駆動装置２３を有しない場合、当該送り装置１７の基体１９は、リフト３に対して第２鉛直軸Ｃ２回りに回転不能にリフト３に取り付けられてよい。この場合、当該基体１９に取り付けられた駆動ローラ２１は、縦方向と横方向のうち、リフト３から隣のパレットスペースＳへパレット５を搬送可能な方向を向いている。

　図２と違って、格納階に位置するリフト３と、当該リフト３に縦方向に隣り合うパレットスペースＳとの間でパレット５を搬送可能であり、且つ、格納階に位置するリフト３と、当該リフト３に横方向に隣り合うパレットスペースＳとの間でパレット５を搬送可能である場合には、リフト３の送り装置１７は、上述したパレットスペースＳの送り装置１７と同じ構成を有していてよい。

＜その他の構成＞
　格納階において、一部のパレットスペースＳ（例えば行き止まりパレットスペースＳｄ）の送り装置１７は、基体駆動装置２３を有していなくてよい。この場合、当該パレットスペースＳの送り装置１７において、基体１９に取り付けられた駆動ローラ２１は、第２鉛直軸Ｃ２回りに回転不能であって、縦方向又は横方向を向いている。この場合、当該パレットスペースＳと、当該駆動ローラ２１の向きに隣り合うパレットスペースＳとの間で、両パレットスペースＳの送り装置１７によりパレット５が搬送される。

　図示を省略するが、リフト３には、図示しない旋回装置が設けられてもよい。この旋回装置は、リフト３上のパレット５を、当該パレット５を支持する部分（送り装置１７の駆動ローラ２１）から持ち上げて、（例えば１８０度又は９０度）旋回させる。この時、例えば、旋回装置は、送り装置１７と干渉しない位置（パレット５の中央部）を持ち上げる。旋回装置により、例えば、入庫時に、自動車１がリフト３上のパレット５に前進で乗り込み、出庫時に、自動車１がリフト３上のパレット５から前進で乗り出すことができる。

（駐車装置の動作）
　駐車装置１０では、入庫時に次の手順（１）～（３）で動作が行われる。
（１）対象の格納階にリフト３を位置させ、対象の格納階におけるいずれかのパレット５を、パレット搬送機構１６により、リフト３に搬送する。その後、パレット５を載せたリフト３を入出庫階へ移動させる。
（２）入出庫階において、入庫する自動車１が、車路２を走行して、入出庫階に位置するリフト３上のパレット５に乗り込む。
（３）次に、リフト３が、対象の格納階へ移動し、対象の格納階において、リフト３上のパレット５を、パレット搬送機構１６により、いずれかのパレットスペースＳへ搬送する。
　なお、出庫時には、上述した入庫時と逆の手順で動作が行われる。

（本実施形態の効果）
　複数のパレットスペースＳは、互いの間でパレット５を搬送できるように縦方向及び横方向に隣り合うように配列されていればよい。したがって、駐車装置１０としての建物の内部にパレットスペースＳを配置する場合に、建物構造の形状に合せてパレットスペースＳを配列できるので、駐車装置１０への自動車１の収容効率を高めることができる。

　例えば、建物構造の形状に合せて、上述した行き止まりパレットスペースＳｄを設けることにより、自動車１の収容効率を高めることができる。

　また、例えば、縦方向又は横方向に隣り合うパレットスペースＳ同士を互いに離間させることにより収容効率を高めることができる。一例では、横方向又は縦方向（図２では横方向）に配列された複数のパレットスペースＳを１つの列として、障害物を避けるように、２つの列の間に障害物（図２では障害物Ｂ）を挟んで、当該２つの列を互いに離間させて配置できる。この場合、当該２つの列同士の中間位置において障害物が存在しない範囲で、当該２つの列の間でパレット５を搬送できる。このような場合、上述のように、互いに離間した当該２つの列同士の中間位置に補助ローラ３１を設けることにより、当該２つの列の間でパレット５を安定して搬送できる。

　図７Ａは、図２に相当する格納階を示す図であり、確保された領域Ｒに対するパレットスペースＳと昇降路４と設備Ｅの配置の比較例を示す。図７Ａの配置例では、パレットスペースＳの数は、１２になる。一方、同じ領域Ｒに対するパレットスペースＳと昇降路４と設備Ｅの配置を図７Ｂのようにすると（すなわち、図２と同じにすると）、パレットスペースＳの数は、１３になり、図７Ａの場合よりも収容効率が高まる。例えば、図２と図７Ａのように、行き止まりパレットスペースＳｄを設け、パレットスペースＳの隣り合う列を、障害物Ｂを挟むように配置することにより、収容効率を高めることが可能となる。また、図７Ｂの配列は、この図のように、領域Ｒの中間に柱Ｔが存在していても可能である。

　上述した各効果は必ずしも本発明を限定的するものではない。また、本発明は、本明細書で示された効果のいずれか、又は、本明細書から把握され得る他の効果が奏されるものであってもよい。

　本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、以下の変更例１～３のいずれかを採用してもよいし、変更例１～３の２つ以上を任意に組み合わせて採用してもよい。この場合、以下で述べない点は、上述と同じであってよい。

（変更例１）
　上述では、１つの昇降路４を設けていたが、複数の昇降路４を設けてもよい。この場合、各昇降路４には、リフト３が設けられる。各リフトは、入出庫階と各格納階との間で昇降する。

（変更例２）
　上述では、自動車１が駐車装置１０に入庫する入庫階と、自動車１が駐車装置１０から出庫する出庫階は、同じ階（入出庫階）であったが、入庫階と出庫階とは、互いに別の階であってもよい。この場合、リフト３は、各格納階と入庫階と出庫階へ昇降可能である。

（変更例３）
　入出庫階は、格納階であってもよい。この場合、格納階におけるいずれかのパレットスペースＳのパレット５に、入庫のために自動車１が乗り込み可能であってよく、格納階におけるいずれかのパレットスペースＳのパレット５から、出庫のために自動車１が乗り出し可能であってよい。

１　自動車、２　車路、３　リフト、４　昇降路、５　パレット、７　パレット本体、９　駐車装置の構造体、１０　駐車装置、１１　縦レール、１３　横レール、１４　回転部材、１５　転向レール、１６　パレット搬送機構、１７　送り装置、１８　支持部、１９　基体、２１　駆動ローラ、２３　基体駆動装置、２３ａ　駆動部（伸縮シリンダ）、２３ｂ　連結部、２３ｃ　リンク、２３ｄ　連結部、２５　案内部材（案内ローラ）、２７　ローラ駆動装置、２９　端部ローラ、３１　補助ローラ、３２　駆動装置、Ｃ１　第１鉛直軸、Ｃ２　第２鉛直軸、Ｃ３　水平軸、Ｂ　障害物、Ｐ　不連続箇所、Ｒ　領域、Ｓ　パレットスペース、Ｓｄ　行き止まりパレットスペース、Ｔ　柱

Claims

　入庫した自動車が載せられたパレットを、格納階のパレットスペースに搬送する駐車装置であって、
　格納階には、複数の前記パレットスペースが縦方向及び横方向に配列されており、
　前記駐車装置は、
　前記格納階に設けた複数の前記パレットと、
　各前記パレットを、隣り合う前記パレットスペース同士の間で搬送するパレット搬送機構と、を備え、
　前記パレットの数は、前記パレットスペースの数よりも少ない、駐車装置。
　前記格納階における前記複数のパレットスペースは、行き止まりパレットスペースを含み、
　前記行き止まりパレットスペースとの前記パレットの搬送は、当該行き止まりパレットスペースに隣り合う１つの前記パレットスペースとの間でのみ可能となっている、請求項１に記載の駐車装置。
　前記パレット搬送機構は、前記複数のパレットスペースにそれぞれ設けられた複数の送り装置を備え、
　各前記送り装置は、当該送り装置が設けられた前記パレットスペースに隣り合う前記パレットスペースへ前記パレットを搬送する、請求項１又は２に記載の駐車装置。
　前記複数のパレットスペースは、互いに離間して隣り合うパレットスペースを含み、
　前記パレット搬送機構は、
　互いに離間して隣り合う前記パレットスペース同士の中間位置に設けられた補助ローラを備え、
　該補助ローラは、当該隣り合うパレットスペースの間で前記パレットが搬送される時に、当該パレットを下方から支持する、請求項３に記載の駐車装置。
　前記横方向又は前記縦方向に配列された複数の前記パレットスペースを１つの列として、互いに離間して隣り合う列が存在し、
　前記隣り合う列の一方に含まれる一部の前記パレットスペースと、当該パレットスペースに前記縦方向又は前記横方向に隣り合う、当該隣り合う列の他方の前記パレットスペースとの間には、障害物が存在しており、
　前記隣り合う列の前記一方に含まれる他の一部の前記パレットスペースと、当該パレットスペースに前記縦方向又は前記横方向に隣り合う、当該隣り合う列の前記他方の前記パレットスペースとの前記中間位置には、前記補助ローラが設けられている、請求項４に記載の駐車装置。
　前記パレットは、
　パレット本体と、
　前記パレット本体の下面に設けられ、共通の不連続箇所で不連続になっている縦レール及び横レールと、
　前記不連続箇所において、第１鉛直軸回りに回転可能に前記パレット本体に取り付けられた転向レールと、を備え、
　前記複数のパレットスペースの少なくとも一部の各前記パレットスペースの前記送り装置は、
　第２鉛直軸回りに回転可能な基体と、
　前記基体に取り付けられ、前記転向レールが載る駆動ローラと、
　前記基体に取り付けられ、前記駆動ローラに載っている前記転向レールを挟む複数の案内部材と、
　前記基体を回転駆動する基体駆動装置と、
　前記駆動ローラを回転駆動するローラ駆動装置と、を備え、
　前記駆動ローラに前記転向レールが載ると前記第１鉛直軸と前記第２鉛直軸は同軸の状態になり、当該状態で、前記基体駆動装置は、前記基体を回転駆動することにより、前記案内部材を介して、前記転向レールの向きを、前記駆動ローラの向き共に前記縦方向と前記横方向との間で切り替え可能である、請求項３～５のいずれか一項に記載の駐車装置。
　自動車が入庫する入庫階と、前記格納階との間で昇降するリフトを備え、
　前記パレット搬送機構は、前記リフトに設けられた送り装置を備え、
　前記リフトが前記格納階に位置する時に、前記リフトの前記送り装置は、前記リフトに隣り合う前記パレットスペースへ前記パレットを搬送可能であり、当該パレットスペースの前記送り装置は、前記リフトへ前記パレットを搬送可能である、請求項３～６のいずれか一項に記載の駐車装置。