WO2019009245A1 - フィルム捲回体 - Google Patents

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Abstract

円筒形状のコア1と、コア1に巻き付けられ、蓄電デバイス用のセパレータとして用いられるポリオレフィン微多孔フィルム2とからなるフィルム捲回体10であって、幅方向の最大外径D1と最小外径D2との差△Rが、0.05~1.2mmであるフィルム捲回体10とする。

Description

フィルム捲回体
 本発明は、フィルム捲回体に関する。
 本願は、2017年7月3日に日本に出願された特願2017-130572号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
 近年、リチウム二次電池などの蓄電デバイスは、携帯電話、ノート型パソコンなどの小型電子機器、電気自動車などにおける電力貯蔵用途に広く使用されている。リチウム二次電池は、正極と、負極と、正極と負極との間に介在するセパレータと、リチウム塩と非水溶媒とからなる非水電解液とを有している。
 従来、リチウム二次電池のセパレータに使用されるフィルムロールとしては、特許文献1および特許文献2に記載のものがある。
 特許文献1には、多孔性ポリプロピレンフィルムロールから多孔性ポリプロピレンフィルムを巻出し、60~100℃の温度にて、10~120秒のアニール処理を行った後、再度巻取を行う多孔性ポリプロピレンフィルムロールの製造方法が開示されている。特許文献1に記載の製造方法により製造される多孔性ポリプロピレンフィルムロールから得られる多孔性ポリプロピレンフィルムは、平面性に優れる。
 しかしながら、アニール処理を行う設備、工数が増す為、製造コストの面で不十分であった。
 特許文献2には、最大外径Dと最小外径dと捲回長Lの間に0.01≦(D-d)/L≦0.5の関係式が成り立つポリオレフィン製微多孔膜捲回物が開示されている。特許文献2に記載のポリオレフィン製微多孔膜捲回物は、製膜時に特殊な、弾性変形可能な金属ロールを用いる事で、厚み安定性に優れた電池セパレータなどの製品を製造する際の作業性に優れる。
 しかしながら、特殊な金属ロールの導入が必要である為、製造コストの面で不十分であった。
特開2014-177524号公報 特開2004-099799号公報
 しかしながら、セパレータロールでは、セパレータロールから巻き出した多孔フィルムのたるみ量をより小さくすることが要求されている。巻き出した多孔フィルムのたるみ量が大きいと、例えば、これをセパレータとして用いたリチウム二次電池を製造する際における捲回性およびハンドリング性が不十分となる。
 一般的に、セパレータフィルムの製造工程において、延伸フィルムをリワインダなどで巻き取ったセパレータマザーロールから、所定の幅、長さにスリットし、セパレータロールを提供することが出来る。
 セパレータロールから巻き出した多孔フィルムのたるみ量を小さくするためには、セパレータマザーロールの状態で平滑性を向上させる必要がある。
 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、蓄電デバイス用のセパレータとして用いられる多孔フィルムが巻き付けられており、巻き出した多孔フィルムのたるみ量が小さいフィルム捲回体を提供することを課題とする。
 本発明者らは、上記課題を解決するために、セパレータロールからポリオレフィン微多孔フィルムを巻き出すことに起因するポリオレフィン微多孔フィルムの歪みに着目し、鋭意研究を重ねた。
 その結果、セパレータマザーロールの幅方向の最大外径と最小外径との差△Rを小さくするほど、巻き出したポリオレフィン微多孔フィルムのたるみ量が小さくなることを見出した。これは、セパレータマザーロールの△Rを小さくすることで、セパレータマザーロールからスリット工程にて切り出したセパレータロールより、セパレータフィルムを巻き出す際にポリオレフィン微多孔フィルムに付与される張力がより均一になり、巻き出すことに起因するポリオレフィン微多孔フィルムの歪みが小さくなるためであると推定される。
 さらに、発明者らは検討を重ね、セパレータマザーロールの△Rを0.05~1.2mmの範囲にすることで、セパレータマザーロールからスリット工程にて切り出したセパレータロールから巻き出したポリオレフィン微多孔フィルムのたるみ量が十分に小さくなることを確認し、本発明を完成した。
 すなわち、本発明は以下の構成を採用する。
(1)円筒形状のコアと、前記コアに巻き付けられ、蓄電デバイス用のセパレータとして用いられるポリオレフィン微多孔フィルムとからなるフィルム捲回体であって、
 幅方向の最大外径と最小外径との差△Rが、0.05~1.2mmであることを特徴とするフィルム捲回体。
(2)前記ポリオレフィン微多孔フィルムが、ポリプロピレンとポリエチレンのうちの一方または両方を含むことを特徴とする(1)に記載のフィルム捲回体。
(3)前記ポリオレフィン微多孔フィルムが、ポリプロピレン微多孔膜とポリエチレン微多孔膜とポリプロピレン微多孔膜とがこの順に積層された3層構造であることを特徴とする(1)または(2)に記載のフィルム捲回体。
(4)前記ポリオレフィン微多孔フィルムの圧縮弾性率が95MPa以上150MPa以下であることを特徴とする(1)~(3)のいずれかに記載のフィルム捲回体。
(5)前記ポリオレフィン微多孔フィルムがポリプロピレンを含み、前記ポリプロピレンの重量平均分子量が50万以上であることを特徴とする(2)~(4)のいずれかに記載のフィルム捲回体。
(6)前記ポリオレフィン微多孔フィルムがポリプロピレンを含み、前記ポリプロピレンの分子量分布が9~13であることを特徴とする(2)~(5)のいずれかに記載のフィルム捲回体。
(7)前記ポリオレフィン微多孔フィルムの全長が2000m以上である(1)~(6)のいずれかに記載のフィルム捲回体。
 本発明のフィルム捲回体は、セパレータマザーロールと、これを切り出したセパレータロールとを含む。
 本発明のフィルム捲回体は、幅方向の最大外径と最小外径との差△Rが、0.05~1.2mmである。このため、フィルム捲回体から巻き出したポリオレフィン微多孔フィルムのたるみ量は十分に小さい。したがって、本発明のフィルム捲回体から巻き出したポリオレフィン微多孔フィルムは、蓄電デバイス用のセパレータの材料として好適である。
 具体的には、本発明のフィルム捲回体から巻き出したポリオレフィン微多孔フィルムは、これをセパレータとして用いたリチウム二次電池を製造する場合に好適な捲回性およびハンドリング性を有する。したがって、本発明のフィルム捲回体から巻き出したポリオレフィン微多孔フィルムを用いることで、効率よくリチウム二次電池を製造できる。また、本発明のフィルム捲回体から巻き出したポリオレフィン微多孔フィルムは、たるみ量が小さいため、スタック方式の電池のセパレータとして好適である。
本実施形態のフィルム捲回体を説明するための模式図である。 多層フィルムからなるポリオレフィン微多孔フィルムの一例を説明するための断面模式図である。
 以下、本発明のフィルム捲回体を、例を挙げて詳細に説明する。
 図1は、本実施形態のフィルム捲回体を説明するための模式図である。
 図1に示すフィルム捲回体10は、円筒形状のコア1と、コア1に巻き付けられたポリオレフィン微多孔フィルム(以下「多孔フィルム」という場合がある。)2とからなる。多孔フィルム2は、蓄電デバイス用のセパレータとして用いられるものである。フィルム捲回体10から巻き出される多孔フィルム2は、特にリチウム二次電池のセパレータとして好適に用いることができる。
 図1に示すフィルム捲回体10は、幅方向の最大外径Dと最小外径Dとの差△Rが、0.05~1.2mmである。△Rが、1.2mmを超えると、フィルム捲回体10から多孔フィルム2を巻き出す際に、多孔フィルム2に付与される張力が不均一になる。このため、多孔フィルム2を巻き出すことに起因する多孔フィルム2の歪みが大きくなり、フィルム捲回体10から巻き出した多孔フィルム2のたるみ量を十分に小さくできなくなる。したがって、△Rは1.2mm以下とし、1.0mm以下とすることが好ましい。一方、△Rが0.05mm未満であるフィルム捲回体10は、多孔フィルム2を巻き付ける際の△Rのコントロールが難しく、形成しにくい。したがって、△Rは0.05mm以上とし、さらに0.1mm以上とすることが好ましい。
 差△Rは、フィルム製膜装置の厚み調整機構により調整できる。具体的には、インフレーションダイやTダイから成形されたフィルムについて、フィルム製膜装置のリップヒータや、リップの隙間を調整する機構により、フィルムの膜厚を調整できる。フィルムの膜厚の調整が十分でないと、厚みムラが生じ、フィルム捲回体10の△R値が小さくなりにくい。フィルムの膜厚の調整に時間をかけすぎると、フィルム生産の歩留まりが悪化しやすい。
 また、インライン膜厚計などを用い、リアルタイムでフィルムの膜厚を調整することも可能であるが、フィルムが捲き重なった後のフィルム捲回体10の△R値が、必ずしも目的の数値とならないことが多い。このため、捲き上がったフィルムの△R値からフィードバックをかける方法が、△R値を最も調整しやすい。
 フィルム捲回体10の幅は、適宜決定することができ、特に限定されないが、10~5000mmであることが好ましい。フィルム捲回体10の幅が狭いほど、△Rの小さいフィルム捲回体10が得られやすい。フィルム捲回体10の幅が5000mm以下であると、容易に△Rが1.2mm以下のフィルム捲回体10が得られる。
 フィルム捲回体10の幅は、例えば、略1100mm、略650mmとすることができる。また、幅が略1100mm、略650mmのフィルム捲回体10をセパレータマザーロールとし、これを60mmから300mmの範囲で、任意の幅にトリミング(スリット)してセパレータロールとしてもよい。
 フィルム捲回体10のコア1は、円筒形状である。コア1としては、フィルム捲回体10のコアとして公知のものを用いることができる。
 コア1の材質は、特に限定されないが、例えば、樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ABS樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ブタジエンゴム、ポリスチレン、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン樹脂などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの樹脂は単独、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。)や紙などが挙げられる。
 コア1としては、寸法が変化しにくく、高い剛性を有する高強度コアが好ましい。高強度コアとしては、円筒状の基体が繊維強化樹脂によって形成されたものが挙げられる。基体としては、繊維強化樹脂層を具備するものが挙げられる。以下、高強度コアの一例について、その製造方法と共に説明する。
 まず、マンドレル(芯金)に、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させたシート状のガラス繊維を巻き付けてシート状ガラス繊維強化樹脂層を形成する。次に、シート状ガラス繊維強化樹脂層の外周面に、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させた糸状のガラス繊維を巻き付けて、シート状ガラス繊維強化樹脂層の外側に糸状ガラス繊維強化樹脂層を形成する。
 熱硬化性樹脂を熱硬化させた後にマンドレルを抜き、糸状ガラス繊維強化樹脂層の外面を切削や研削等によって平滑にすると、繊維強化樹脂製の円筒状の基体が出来上がる。なお、このように形成された基体では、内面がシート状のガラス繊維による繊維強化樹脂によって構成されているため、内周面の平滑性は、十分に確保されている。
 上述のように形成された基体を金型内に配置して、基体の外周面に、ポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂から構成された表面層を形成して、高強度コアを完成させる。なお、表面層としては、他の樹脂や樹脂以外の他の材質としてもよいし、高強度コアとしての表面が繊維強化樹脂のままでよい場合は、表面層の形成を省略してもよい。
 このようにして製造された高強度コアは、シート状ガラス繊維強化樹脂層及び糸状ガラス繊維強化樹脂層からなる繊維強化樹脂層を具備するものとなり、繊維強化樹脂によって堅固に保護されたものとなる。
 主に、セパレータマザーロール用のコアとしては上記のような高強度コアを用いることができるが、セパレータマザーロールをトリミングしたセパレータロール用のコアとしては、押出成形などにより外側円筒部と内側円筒部と複数のリブとを備えたコアを用いることもできる。
 コア1としては、外径dが均一で太いものを用いることが好ましい。具体的には、コア1の外径dは76mm(略3インチ)以上254mm(略10インチ)以下であることが好ましい。コア1の外径が76mm以上であると、多孔フィルム2の全長を長くしてもコアに巻き付けられている多孔フィルム2の巻き数が少なくて済む。その結果、フィルム捲回体10の外径がより均一なものとなる。コア1の外径は、巻き数を減らすために、127mm(略5インチ)以上254mm(略10インチ)以下がより好ましく、152mm(略6インチ)以上254mm(略10インチ)以下がさらに好ましい。
 一方、コア1の外径dが254mm(略10インチ)以下であると、多孔フィルム2の全長が長いために多孔フィルム2の巻き数が多くなっても、フィルム捲回体10の外径が大きくなりすぎることがない。このため、フィルム捲回体10の取り扱いがしやすく、輸送および保管が容易である。
 本実施形態のフィルム捲回体10では、コア1の外径dが略3インチ以上であると、例えば全長2000m以上の多孔フィルム2をコア1に巻き付けて、効率よく多孔フィルム2を輸送および保管できる。
 コア1の外径dが略6インチ以上であると、例えば全長4000m以上の多孔フィルム2をコア1に巻き付けて、効率よく多孔フィルム2を輸送および保管できる。多孔フィルム2の全長は10000m以下であることが好ましい。
 フィルム捲回体10は、コア1の外径dが86~96mmである場合、多孔フィルム2の巻き数が3500以上であることが好ましい。
 フィルム捲回体10は、コア1の外径dが165~178mmである場合、多孔フィルムの巻き数が2000以上であることが好ましい。
 また、コア1の外径dが86~96mmまたは165~178mmである場合の巻き数を、それぞれ上記の範囲内にすると、フィルム捲回体10から巻き出した多孔フィルム2の物性(ガーレ、膜厚など)が、コア1に巻き付ける前と同じとなる。
 コア1の寸法としては、例えば、内径が152mmで外径が165~178mmのもの、内径が76mmで外径が96mmであるものなどが、好ましく用いられる。なお、コア1の寸法は、これらの例に限定されるものではなく、フィルム捲回体10の用途等に応じて適宜適した寸法のものを用いるとよい。
 コア1の幅方向の最大外径と最小外径との差は0.5mm以下であることが好ましい。
 コア1の上記の外径差が0.5mm以下であると、コア1に多孔フィルム2を巻き付けることに起因する多孔フィルム2の歪みが小さくなりやすく、フィルム捲回体10の外径がより均一なものとなる。しかし、上記外径差が0.1mm未満であるコア1は、入手しにくい。また、上記外径差が0.1mm未満であるコア1を用いても、フィルム捲回体10の外径が均一になる効果は向上しない。したがって、コア1の上記外径差は0.1mm以上であることが好ましい。
 コア1の幅は、特に限定されるものではなく、多孔フィルム2の幅に合わせて適宜定めるとよい。具体的には、コア1の幅は、多孔フィルム2の幅と同じとしてもよいし、多孔フィルム2の幅よりも若干広くしてもよい。コア1の幅を多孔フィルム2の幅よりも広くした場合、多孔フィルム2をコア1上に確実に巻き重ねることができる。
 本実施形態のフィルム捲回体10では、多孔フィルム2の厚みは、2μm以上であることが好ましく、より好ましくは4μm以上である。多孔フィルム2の厚みが2μm以上であると、例えば、多孔フィルム2をセパレータとして用いた蓄電デバイスにおいて、電極間の短絡を防止できる効果が期待できる。
 また、多孔フィルム2の厚みは、35μm以下であることが好ましく、より好ましくは25μm以下である。多孔フィルム2の厚みが35μm以下であると、例えば、多孔フィルム2をセパレータとして用いた蓄電デバイスにおいて、多孔フィルム2の厚みが大きくなり過ぎることによる抵抗増加を防ぐことができる。よって、多孔フィルム2をセパレータとして用いた蓄電デバイスにおいて、抵抗変化に占めるセパレータ起因の割合を少なくできる。
 多孔フィルム2の幅方向(TD方向)の厚みの標準偏差(厚みのムラ)は、1μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.5μm以下である。多孔フィルム2の幅方向の厚みの標準偏差が1μm以下であると、△Rの小さいフィルム捲回体10が得られやすい。多孔フィルム2の幅方向の厚みの標準偏差の下限値は特に限定されないが、例えば、0.01μm以上が好ましい。
 多孔フィルム2の幅方向の厚みの標準偏差は、多孔フィルム2の厚みを幅方向に任意の間隔を空けて測定した10箇所以上の厚みの実測値から求められる。
 多孔フィルム2の空孔率は、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上である。多孔フィルム2の空孔率が30%以上であると、例えば、セパレータとして多孔フィルム2を用いた蓄電デバイスにおいて、電極間のイオン伝導が容易となり、高温保存によるインピーダンスの上昇抑制効果が高まる。
 また、多孔フィルム2の空孔率は、好ましくは70%以下、より好ましくは60%以下である。多孔フィルム2の空孔率が70%以下であると、機械的強度を確保できるとともに、セパレータとして多孔フィルム2を用いた蓄電デバイスにおいて、短絡を効果的に防止できる。
 多孔フィルム2の表面粗さ(Ra)は、0.01μm以上0.30μm以下であることが好ましく、0.05μm以上0.25μm以下であることがより好ましく、0.05μm以上0.23μm以下であることがさらに好ましい。表面粗さが大きい多孔フィルム2は、セパレータとして用いられ厚み方向に圧縮された場合に、潰れやすいものとなる。多孔フィルム2の表面粗さが0.01μm以上であると、製造が容易であり好ましい。多孔フィルム2の表面粗さが0.30μm以下であると、厚み方向に圧縮されても潰れにくいため好ましい。
 多孔フィルム2の表面粗さは、以下のようにして求められる。
 菱化システムズ社製の白色干渉計(Vertscan 3.0)を用い、対物レンズを×5倍の条件下で、多孔フィルム2の表面(一方の面)について、長さ方向(MD方向)1270μm、幅方向(TD方向)960μmの範囲の画像を採取する。採取した画像のMD方向、任意の2箇所について線分析を行うことにより、表面粗さ(Ra)が求められる。なお、多孔フィルム2の表面粗さは、多孔フィルム2の裏面(他方の面)について求めたものであってもよい。
 多孔フィルム2は、無延伸フィルム、一軸延伸フィルム、二軸延伸フォルムのいずれであってもよい。多孔フィルム2は、巻き出した多孔フィルム2のたるみ量が小さいものであるため、乾式法による一軸延伸フィルムであることが好ましい。
 多孔フィルム2としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン-プロピレン共重合体、またはこれらポリオレフィン樹脂の混合物などからなるものが挙げられる。多孔フィルム2は、ポリエチレン(PE)および/またはポリプロピレン(PP)を含むことが好ましい。
 多孔フィルム2に含まれるポリプロピレンは、重量平均分子量が50万以上のものであることが好ましい。重量平均分子量が50万以上であると、膜厚方向への強度がより高められるため、例えば2000m以上の多孔フィルムをコアに捲回しても透気抵抗(ガーレ値)や空孔率などのセパレータ物性を維持することができる。なお、ポリプロピレンの重量平均分子量は、80万以下であることが好ましい。
 ポリプロピレンの重量平均分子量は、ポリスチレンを標準物質として、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めることができる。
 また、ポリプロピレンの分子量分布は9~13であることが好ましく、9.5~13であることがより好ましい。分子量分布が上記範囲内であると、形状安定性をさらに高められ、例えば40℃環境下における収縮率などをより小さくすることができる。
 ポリプロピレンの分子量分布は、ポリスチレンを標準物質として、GPCにより求めることができる。
 多孔フィルム2に含まれるポリプロピレンが、重量平均分子量が50~80万であって、分子量分布が9~13である場合、ポリプロピレンのラメラ結晶の安定性が高いため、厚みムラの低減された多孔フィルム2となる。したがって、△Rの小さいフィルム捲回体10が得られやすい。
 多孔フィルム2に含まれるポリエチレンは、重量平均分子量が35~40万のものであることが好ましい。
 多孔フィルム2が、重量平均分子量が50~80万のポリプロピレンと重量平均分子量が35~40万のポリエチレンのうちの一方または両方を含むことで、巻き出した多孔フィルム2のたるみ量がより一層小さいものとなる。この理由は完全には究明できていないが、例えば、多孔フィルムとして低分子量のポリプロピレン多孔膜を用いた場合と比較して、多孔フィルムの剛性が向上し、多孔フィルムを巻き出すことに起因する歪みが抑制されるためであると推定される。
 ポリエチレンの重量平均分子量は、ポリプロピレンの重量平均分子量と同様の方法で求めることができる。
 多孔フィルム2は、単層フィルムであってもよいし、多層フィルムであってもよい。多孔フィルム2が多層フィルムである場合、分子量50~80万のポリプロピレンと分子量35~40万のポリエチレンとが積層されたものであることが好ましい。ここで、分子量は、重量平均分子量を表す。
 図2は、多層フィルムからなる多孔フィルム2の一例を説明するための断面模式図である。図2に示す多孔フィルム2は、ポリプロピレン微多孔膜22、ポリエチレン微多孔膜21、ポリプロピレン微多孔膜22の順に積層された多層フィルムからなる。
 多孔フィルム2が、ポリプロピレン微多孔膜22、ポリエチレン微多孔膜21、ポリプロピレン微多孔膜22の順に積層された多層フィルムである場合、多孔フィルム2の圧縮弾性率は95~150MPaが好ましく、100~140MPaがより好ましく、さらに105~130MPaが好ましい。上記多層フィルムの圧縮弾性率が95~150MPaの範囲内であると、フィルム捲回体10から巻き出した多孔フィルム2が、コア1に巻き付ける前の形状が保持されたものとなりやすい。巻き出した多孔フィルム2が巻き付ける前の形状を保持している場合、多孔フィルム2をコア1に巻き付け、その後に巻き出したことは、多孔フィルム2の膜厚、透気抵抗など多孔フィルム2の形状に関わる物性に何ら影響を来さない。具体的には、上記多層フィルムの圧縮弾性率が95~150MPaであって、多孔フィルム2の全長が10000m以下である場合には、多孔フィルム2をコア1に巻き付け、その後に巻き出しても、多孔フィルム2の形状に関わる物性が損なわれることがない。また、上記多層フィルムの圧縮弾性率が95~150MPaであって、多孔フィルム2の全長が4000m以下である場合、多孔フィルム2をコア1に巻き付け、その後に巻き出しても、多孔フィルム2の形状が全く潰れることなく保持される。
 本実施形態のフィルム捲回体10では、多孔フィルム2の全長が2000m以上であることが好ましく、4000m以上であることがより好ましい。多孔フィルム2の全長が2000m以上であると、多孔フィルム2の全長が2000m未満である場合と比較して、効率よく多孔フィルム2を輸送および保管できる。一方、多孔フィルム2の全長が例えば10000mを超えると、フィルム捲回体10の重量が増加し、取り扱いのしやすさが(利便性)が低下する。したがって、多孔フィルム2の全長は、10000m以下であることが好ましく8000m以下であることがより好ましい。
 なお、本発明者らが鋭意検討した結果、従来のセパレータロールでは、コアに巻き付ける多孔フィルムの全長を長くするほど、また多孔フィルムの巻き数を多くするほど、セパレータロールから巻き出した多孔フィルムのたるみ量が大きくなる傾向があった。
 特に、△Rを何らコントロールすることなしに全長2000m以上の多孔フィルムをコアに巻き重ねてセパレータロールを形成すると、得られたセパレータロールから巻き出した多孔フィルムのたるみ量が顕著に大きくなりやすい。
 これに対し、幅方向の最大外径Dと最小外径Dとの差△Rが0.05~1.2mmである本実施形態のフィルム捲回体10では、多孔フィルム2の全長を2000mにしても、巻き出した多孔フィルム2のたるみ量を十分に小さくできる。さらに、本実施形態のフィルム捲回体10では、多孔フィルム2の全長を4000mにしても、巻き出した多孔フィルム2のたるみ量を十分に小さくすることができる。
 また、本実施形態のフィルム捲回体10では、幅方向の最大外径Dと最小外径Dとの差△Rが0.05~1.2mmであるので、多孔フィルム2の巻き数を増やして長尺化しても、巻き出した多孔フィルム2のたるみ量は十分に小さいものとなる。
 本実施形態のフィルム捲回体10では、多孔フィルム2の巻き取り方を工夫することにより、幅方向の最大外径Dと最小外径Dとの差△Rを0.05~1.2mmとすることが可能となる。
 次に、本実施形態のフィルム捲回体を製造する方法について、詳細に説明する。
 本実施形態のフィルム捲回体10を製造するには、まず、素材として用いられるフィルムロールを用意する。フィルムロールは、円筒形状のコアと、コアに巻き付けられた原反フィルムとからなる。原反フィルムは、延伸して多孔化することにより、フィルム捲回体10の多孔フィルム2となる素材で形成されている。
 本実施形態では、フィルムロールとして、幅方向の最大外径と最小外径との差△Rが、0.1~1.8mmであるものを用いることが好ましい。フィルムロールにおける△Rが1.8mm以下であると、原反フィルムを巻き出すことに起因する原反フィルムの歪みが小さいため、後述する多孔化工程および巻付工程に起因する品質差の少ない多孔フィルムが得られる。その結果、△Rの小さいフィルム捲回体10が得られやすい。このことから、フィルムロールの△Rは1.8mm以下であることが好ましく、1.0mm以下とすることがより好ましい。一方、△Rが0.1mm未満であるフィルムロールは入手しにくいし、△Rが0.1mm未満であっても、これを用いて製造したフィルム捲回体10の△Rを小さくする効果は向上しない。したがって、フィルムロールの△Rは0.1mm以上であることが好ましく、0.2mm以上とすることがより好ましい。
 本実施形態では、フィルムロールの原反フィルムが、重量平均分子量が50~80万のポリプロピレンと重量平均分子量が35~40万のポリエチレンのうちの何れか一方または両方を含むことが好ましい。このようなフィルムロールを用いて製造したフィルム捲回体10は、△Rが小さいものとなりやすい。その理由は解明できていないが、例えば、原反フィルムとして低分子量のポリプロピレン膜を用いた場合と比較して、原反フィルムの剛性が向上し、原反フィルムを巻き出すことに起因する歪みが抑制されるためであると推定される。
 フィルムロールのコアは、円筒形状である。フィルムロールのコアとしては、公知のものを用いることができる。フィルムロールのコアは、フィルム捲回体10のコア1と同様、外径が均一で太いものを用いることが好ましい。
 次に、このようなフィルムロールから巻き出した原反フィルム、または原反フィルムを二層以上積層した積層フィルムを、延伸して多孔化し、多孔フィルム2とする多孔化工程を行う。
 本実施形態の製造方法により、多孔フィルム2が多層フィルムであるフィルム捲回体10を製造する場合、多孔化工程において延伸する前に、原反フィルムを二層以上積層した積層フィルムを形成する。積層フィルムは、例えば、二層以上積層した原反フィルムを熱圧着(ラミネート)する方法により得られる。熱圧着の温度は、積層した原反フィルムの融点を超える温度とされ、積層した原反フィルムの種類に応じて決定される。
 原反フィルムまたは積層フィルムは、以下に示す方法により、延伸して多孔化することが好ましい。まず、延伸前の原反フィルムまたは積層フィルムを、110~150℃の温度領域で熱処理する。熱処理温度は115℃以上、140℃以下の範囲がより好適である。
 次いで、熱処理後の原反フィルムまたは積層フィルムを、冷延伸ゾーンにて低温延伸する。低温延伸の温度は、マイナス20℃以上、プラス50℃以下とすることが好ましく、特に20℃以上、40℃以下が好ましい。低温延伸の温度が低すぎると作業中にフィルムの破断が生じ易く、好ましくない。一方、低温延伸の温度が高すぎると多孔化が不十分になるので好ましくない。低温延伸の倍率(初期延伸倍率)は3%以上、200%以下の範囲が好ましく、より好ましくは5%以上、100%以下の範囲である。低温延伸の倍率が3%以上であると、空孔率が十分に高い多孔フィルム2が得られやすくなる。また、低温延伸の倍率が200%以下であると、所定の空孔率および孔径の多孔フィルム2が得られやすくなる。
 次いで、低温延伸後の原反フィルムまたは積層フィルムを、熱延伸ゾーンで高温延伸する。高温延伸の温度は70℃以上、150℃以下とすることが好ましく、特に80℃以上、145℃以下が好ましい。高温延伸の倍率(最大延伸倍率)は100%以上、400%以下の範囲であることが好ましい。高温延伸の倍率が低すぎると、多孔フィルム2のガス透過率が不十分となる恐れがある。また、高温延伸の倍率が高すぎると、多孔フィルム2のガス透過率が高くなりすぎる場合がある。
 本実施形態では、熱処理後の原反フィルムまたは積層フィルムは、冷延伸ゾーンにて低温延伸された後、熱延伸ゾーンにて高温延伸されて多孔化され、積層多孔質フィルムとされる。ポリプロピレン微多孔膜とポリエチレン微多孔膜とが積層されたポリオレフィン微多孔膜を製造する場合、低温延伸と高温延伸のいずれか一方だけではポリプロピレン膜とポリエチレン膜との積層フィルムが十分に多孔化されず、製造した多孔フィルム2を電池用セパレータとして用いた場合の特性が悪くなる。
 本実施形態では、低温延伸および高温延伸は、一軸延伸であることが好ましい。
 高温延伸後、高温延伸時の温度よりも5~45℃高い温度で熱処理する。このことにより、多孔フィルム2が得られる。
 次に、多孔フィルム2をコア1に巻き付ける巻付工程を行う。多孔フィルム2をコア1に巻き付ける方法は、特に限定されず、幅方向の最大外径Dと最小外径Dとの差△Rが0.05~1.2mmとなるように巻き付け条件を適宜制御して、従来公知の方法により巻き付けることができる。
 以上の工程により、本実施形態のフィルム捲回体10が得られる。
 本実施形態のフィルム捲回体10は、幅方向の最大外径Dと最小外径Dとの差△Rが、0.05~1.2mmである。このため、多孔フィルム2を巻き出すことに起因する多孔フィルム2の歪みが小さく、フィルム捲回体10から巻き出した多孔フィルム2のたるみ量が小さい。したがって、本実施形態のフィルム捲回体10から巻き出した多孔フィルム2は、これをセパレータとして用いたリチウム二次電池を製造する場合に、好適な捲回性およびハンドリング性を有する。また、本実施形態のフィルム捲回体10から巻き出した多孔フィルム2は、たるみ量が小さいため、スタック方式の電池のセパレータとして好適である。
 本実施形態のフィルムロールは、幅方向の最大外径と最小外径との差△Rが、0.1~1.8mmであるため、本実施形態のフィルム捲回体10の素材として好適である。
 以下、本発明の具体的な実施例について説明する。本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
 表1に示す原反ロール(フィルムロール)から巻き出した原反フィルムを、表1に示す多孔フィルム(セパレータ)の層構造となるように積層して熱圧着(ラミネート)し、積層フィルムを得た。次いで、得られた積層フィルムを、110℃以上、150℃以下の範囲で熱処理した。
 次いで、熱処理後の原反フィルムまたは積層フィルムを、冷延伸ゾーンにて20℃以上、40℃以下の温度、5%以上、100%以下の倍率で一軸延伸した(低温延伸)。
 次いで、低温延伸後の積層フィルムを、熱延伸ゾーンにて80℃以上、145℃以下の温度、100%以上、400%以下の倍率で一軸延伸した(高温延伸)。
 その後、第2延伸時の温度よりも5~45℃高い温度で熱処理し、多孔フィルムとした。
 その後、多孔フィルムを、表1に示す外径の円筒形状に形成されたコアの側面に、表1に示す巻き数で巻き付け、実施例1~実施例10、比較例1および比較例2のフィルム捲回体を得た。なお、実施例1~実施例10、比較例1および比較例2で使用したコアの幅方向の最大外径と最小外径との差は、いずれも0.1~0.5mmの範囲内であった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 原反ロール(PPA)(PPB)は、表1のPP分子量のポリプロピレンからなる。また、原反ロール(PE)は、表1のPE分子量のポリエチレンからなる。
 PPの分子量分布はいずれの実施例も9.5~13の範囲内であり、比較例は全て9.3以下であった。
 表1の多孔フィルムの層構造の欄における「PEP3層」は、ポリプロピレン微多孔膜とポリエチレン微多孔膜とポリプロピレン微多孔膜とがこの順に積層された3層構造の多孔フィルムであることを意味する。多孔フィルムの層構造の欄における「PP単層」は、2枚のポリプロピレン膜を積層して熱圧着することにより形成された単層構造のポリプロピレン多孔フィルムであることを意味する。
 表1に示すセパレータ(多孔フィルム)の膜厚および空孔率は、以下の方法により求めた。
[膜厚測定]
 長さ方向(MD方向)の長さが全幅にわたるテープ状の試験片を5枚用意した。5枚の試験片を重ね、測定点が25点になるように等間隔に、ファインプリューフ社製電気マイクロメーター(ミリトロン1240触針5mmφ(フラット面、針圧0.75N))を用いて厚みを測定し、その平均値を膜厚とした。
[空孔率測定]
 試料の幅方向両端部の両端面に沿って、型枠を用いて100mm×100mmの試験片を2枚採取した。そして、採取した2枚の各試験片の重量を0.1mg迄測定した。測定した重量から以下の式を用いて空孔率を算出した。結果は、少数第2位を四捨五入して少数第1位で算出した。
 空孔率(%)=[1-{w/(L1×L2×t)×ρ}]×100
 w:試験片の重量(g)
 L1:試験片のたての長さ(cm)
 L2:試験片のよこの長さ(cm)
 t:試験片の厚み(cm)
 ρ:試験片の密度(g/cm
[重量平均分子量および分子量分布]
 原反ロールの原料として用いたポリエチレンおよびポリプロピレンの重量平均分子量および分子量分布は、Waters社製V200型ゲル浸透クロマトグラフを用いて、標準ポリスチレン換算によって求めた。カラムにはShodexAT-G+AT806MS(昭和電工社製)の2本を使用し、0.3wt/vol%に調製したオルトジクロロベンゼン中、145℃で測定を行った。検出器には、示差屈折計(RI)を用いた。
[圧縮弾性率]
 セパレータから50mm角のサンプル片を複数枚採取して積層し、5mm厚のサンプルとした。得られたサンプルに直径10mmの金属円柱を押し当て、ORIENTEC.RTC-1250Aにて、500Nのロードセルを用い、チャックロスヘッドスピード0.5mm/min.の条件にて圧縮方向の応力-ひずみ曲線を作製した。応力-ひずみ曲線の傾きが一定になった部分の傾きから、圧縮の弾性率を算出した。
 ここで、応力とは、単位面積(mm)当たりの圧縮荷重(N)(=圧縮の応力(N/mm))であり、単位はMPaである。例えば、直径10mmの金属円柱で100Nの荷重を加えた場合の応力は、100N/(5mm×5mm×π)≒1.27MPaである。ひずみとは、圧縮の応力を加えた際に変形した変位量を、初期厚み(5mm)で除した値であり、単位は無い。例えば、試験により初期の厚みである5mmから4.8mmに変形した場合、変位量は、0.2mm、ひずみ量は、0.2mm/5mm=0.04となる。
 上記の方法により、表1に示す層構造がPEP3層である実施例1~10、比較例1および比較例2のセパレータについて、圧縮弾性率を測定した。その結果、いずれのセパレータも圧縮弾性率は105~130MPaの範囲内であった。
[外径および△R]
 表1に示す原反ロールおよびフィルム捲回体の外径および△Rは、以下の方法により求めた。
 すなわち、ハマノ精機(株)製原反形状測定器を用い、幅方向(TD方向)に沿って全幅に亘って連続してロールの外径を測定した。具体的には、前記測定器の検出器であるリニアゲージをロール表面に接触させて専用のレール上を速度12.5mm/秒で走行させて測定を行った。リニアゲージからのデータを0.1秒間隔でデジタルレコーダーを用いてデジタルデータとして採取した。そして、測定した結果を用いて平均値を算出し、外径とした。また、測定結果を用いて幅方向の最大外径と最小外径との差△Rを算出した。
 表1に示すように、原反ロールの△Rを1.2mm以下にすると、フィルム捲回体の△Rは、1.2mm以下になった。
[たるみ量]
 表1に示すフィルム捲回体(セパレータマザーロール)から略100mm幅で2000m以上にトリミングしたセパレータロールから巻き出した多孔フィルムのたるみ量を、以下に示す方法により調べた。
 2本の金属ロールを平行に間隔(ロール軸間隔:700mm)をあけて並べた。そして、多孔フィルムの長さ方向と2本の金属ロールの軸方向とを直交させて、2本の金属ロールを跨ぐように多孔フィルムを設置し、多孔フィルムの長さ方向両端を把持した。
 その後、多孔フィルムに対して荷重を付与し、荷重を付与することにより生じるたるみ量をレーザー変位計で測定した。
 そして、たるみ量が10mm以下のものを合格(○)、たるみ量が10mmを超えたものを不合格(×)と評価した。その評価結果を表1に示す。
 また、フィルム幅が100mmに満たないものや、100mm以上300mm以下の多孔フィルムについても、同様に測定を行い、たるみ量としては、フィルム幅が100mmの場合の閾値である10mmを、フィルム幅で規格化した数値を用いた。
 例えば、フィルム幅200mmの製品であれば、たるみ量が20mm以下のものを合格とし、フィルム幅300mmの製品であれば、たるみ量が30mm以下のものを合格とし、フィルム幅60mmの製品であれば、たるみ量が6mm以下のものを合格として評価した。
 表1に示すように、実施例1~実施例10のフィルム捲回体では、全てたるみ量の評価が(○)であった。
 これに対し、幅方向の最大外径Dと最小外径Dとの差△Rが1.2mmを超えている比較例1および比較例2のフィルム捲回体では、たるみ量の評価が(×)であった。
 10・・・フィルム捲回体、1・・・コア、2・・・多孔フィルム(ポリオレフィン微多孔フィルム)、21・・・ポリエチレン微多孔膜、22・・・ポリプロピレン微多孔膜、D・・・幅方向の最大外径、D・・・幅方向の最小外径。

Claims (7)

  1.  円筒形状のコアと、
     前記コアに巻き付けられ、蓄電デバイス用のセパレータとして用いられるポリオレフィン微多孔フィルムとからなるフィルム捲回体であって、
     幅方向の最大外径と最小外径との差△Rが、0.05~1.2mmであることを特徴とするフィルム捲回体。
  2.  前記ポリオレフィン微多孔フィルムが、ポリプロピレンとポリエチレンのうちの一方または両方を含むことを特徴とする請求項1に記載のフィルム捲回体。
  3.  前記ポリオレフィン微多孔フィルムが、ポリプロピレン微多孔膜とポリエチレン微多孔膜とポリプロピレン微多孔膜とがこの順に積層された3層構造であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフィルム捲回体。
  4.  前記ポリオレフィン微多孔フィルムの圧縮弾性率が95MPa以上150MPa以下であることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のフィルム捲回体。
  5.  前記ポリオレフィン微多孔フィルムがポリプロピレンを含み、前記ポリプロピレンの重量平均分子量が50万以上であることを特徴とする請求項2~請求項4のいずれか一項に記載のフィルム捲回体。
  6.  前記ポリオレフィン微多孔フィルムがポリプロピレンを含み、前記ポリプロピレンの分子量分布が9~13であることを特徴とする請求項2~請求項5のいずれか一項に記載のフィルム捲回体。
  7.  前記ポリオレフィン微多孔フィルムの全長が2000m以上である請求項1~請求項6のいずれか一項に記載のフィルム捲回体。
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