WO2018179803A1 - 人工毛髪用芯鞘複合繊維及びそれを含む頭飾製品 - Google Patents

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Abstract

本発明は、一実施形態において、芯部(20)と鞘部(10)で構成され、芯鞘比率が面積比で芯:鞘=2:8~7:3であり、偏芯度が5%以上であり、扁平多葉形の断面形状を有し、繊維断面において、繊維断面長軸(12)の長さ(L)と、繊維断面第1短軸(13)の長さ(S1)の比が1.10以上3.00以下であり、かつ、繊維断面において、芯部長軸(22)の長さ(Lc)と、芯部第1短軸(23)の長さ(Sc)の比が1.10以上3.00以下であり、繊維断面長軸方向と芯部長軸方向が略一致していることを特徴とする人工毛髪用芯鞘複合繊維に関する。本発明は、また、前記人工毛髪用芯鞘複合繊維を含む頭飾製品に関する。これにより、人毛に近い触感や外観を持ち、カールセットしなくてもカール性が良好で、カール保持性が極めて高い人工毛髪用芯鞘複合繊維及びそれを含む頭飾製品を提供する。

Description

人工毛髪用芯鞘複合繊維及びそれを含む頭飾製品
 本発明は、人毛の代替品として使用できる人工毛髪用芯鞘複合繊維及びそれを含む頭飾製品に関する。
 かつら、ヘアーウィッグ、付け毛、ヘアーバンド、ドールヘアーなどの頭飾製品においては、従来、人毛が使われていたが、近年、人毛の入手が困難となり、価格が高騰してきたことから、人毛に代わる人工毛髪の需要が高まっている。人工毛髪に用いられる合成繊維としては、アクリル系繊維、塩化ビニル系繊維、塩化ビニリデン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維などがある。
 人工毛髪には、人毛に近い触感や外観を有することが求められている。例えば、特許文献1には、天然毛髪に近い外観、触感、質感などの風合いを有する人工毛髪用繊維として、芯部に半芳香族ポリアミド成分、鞘部に直鎖飽和脂肪族ポリアミド成分を用いた芯鞘複合繊維が提案されている。
 一方、カールセット性とカール保持性も、人工毛髪に求められる特性である。これら特性は繊維の素材や断面形状をコントロールすることにより改善が試みられているが、触感、風合いといった人工毛髪に求められる別の物性やコストとの兼ね合いがある上、ヘアーアイロンやホットウォーターなどによるカールセットでは、自重によるカールの強さや伸びの経時変化を抑制することは困難であった。
 また人毛と異なり、熱可塑性樹脂を素材とする人工毛髪にヘアーアイロンでカールセットを行う場合、カール付与後に繊維を手で保持し、繊維がガラス転移点以下の温度になるまでカール形状が崩れないようにしておくクーリングと呼ばれる作業が必要であり、カールセット性やカール保持性の改善が望まれていた。例えば、特許文献2には、カール保持性に優れた繊維として、芯鞘相が塩化ビニリデン系樹脂相と密度が0.85~1.00g/ccの熱可塑性樹脂相からなる芯鞘型塩化ビニリデン系複合繊維からなる人工毛髪用繊維が記載されている。
国際公開公報2006/087911号 特開2002-129432号公報
 しかしながら、特許文献1に記載の繊維は、芯鞘構造によって天然毛髪に近い風合いは得られるものの、カールを付与したスタイルを実現するには、クーリングを含むカールセット作業が必要である上、水に濡れるとカールが殆ど伸びてしまい、乾燥後も完全には元のカール状態に戻らず、カール保持性が劣っていた。特許文献2に記載の繊維は、塩化ビニリデンのみからなる繊維と比較して、カール保持性を改良することはできるものの、それでも自重によるカールの伸びはゼロではない上、上記クーリング作業を含むカールセット作業が依然必要であった。
 本発明は、前記課題を解決するため、人毛に近い触感や外観を持ち、カールセットしなくてもカール性が良好で、カール保持性が極めて高い人工毛髪用芯鞘複合繊維及びそれを含む頭飾製品を提供する。
 本発明は、一実施形態において、芯部と鞘部で構成された人工毛髪用芯鞘複合繊維であって、前記人工毛髪用芯鞘複合繊維は、芯鞘比率が面積比で芯:鞘=2:8~7:3であり、偏芯度が5%以上であり、前記人工毛髪用芯鞘複合繊維は、扁平多葉形の断面形状を有し、繊維断面において、線対称軸及び線対称軸に平行するように繊維断面の外周の任意の二点を結んだ直線のうち、最大長となる直線である繊維断面長軸の長さと、前記繊維断面長軸に対して垂直になるように繊維断面の外周の任意の二つの点を結んだ際、最大長となる二つの点を結ぶ直線である繊維断面第1短軸の長さの比が1.10以上3.00以下であり、かつ、繊維断面において、芯部の線対称軸及び線対称軸に平行するように芯部の外周の任意の二点を結んだ直線のうち、最大長となる直線である芯部長軸の長さと、前記芯部長軸に対して垂直になるように芯部の外周の任意の二つの点を結んだ際、最大長となる二つの点を結ぶ直線である芯部第1短軸の長さの比が1.10以上3.00以下であり、繊維断面長軸方向と芯部長軸方向が略一致していることを特徴とする人工毛髪用芯鞘複合繊維に関する。
 前記繊維断面において、繊維断面長軸に対して垂直になるように繊維断面の外周の任意の二つの点を結んだ際、最小長となる二つの点を結ぶ直線である繊維断面第2短軸の長さと前記繊維断面第1短軸の長さの比が0.50以上1.00未満であることが好ましい。
 前記扁平多葉形は、二つの円形及び/又は楕円形が凹部を介して結合した扁平二葉形であることが好ましい。
 前記人工毛髪用芯鞘複合繊維が、ポリエステル系樹脂組成物、ポリアミド系樹脂組成物、塩化ビニル系樹脂組成物、モダアクリル系樹脂組成物、ポリカーボネート系樹脂組成物、ポリオレフィン系樹脂組成物及びポリフェニレンサルファイド系樹脂組成物からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂組成物で構成されることが好ましい。また、前記人工毛髪用芯鞘複合繊維の芯部及び/又は鞘部が、ポリアルキレンテレフタレート及びポリアルキレンテレフタレートを主体とした共重合ポリエステルからなる群から選ばれる1種以上のポリエステル系樹脂を含むポリエステル系樹脂組成物で構成されることが好ましい。また、前記人工毛髪用芯鞘複合繊維の芯部及び/又は鞘部が、ナイロン6及びナイロン66からなる群から選ばれる少なくとも1種を主体としたポリアミド系樹脂を含むポリアミド系樹脂組成物で構成されることが好ましい。
 本発明は、また、一実施形態において、前記の人工毛髪用芯鞘複合繊維を含むことを特徴とする頭飾製品に関する。
 前記頭飾製品は、ヘアーウィッグ、かつら、ウィービング、ヘアーエクステンション、ブレードヘアー、ヘアーアクセサリー及びドールヘアーからなる群から選ばれるいずれかの一種であってもよい。
 本発明によれば、人毛に近い触感や外観を持ち、カールセットしなくてもカール性が良好で、カール保持性が極めて高い人工毛髪用芯鞘複合繊維及び頭飾製品を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態の人工毛髪用芯鞘複合繊維の繊維断面を示す模式図である。 図2は、本発明の一実施形態の人工毛髪用芯鞘複合繊維の偏芯度を説明する模式図である。 図3は、本発明の一実施形態の人工毛髪用芯鞘複合繊維の繊維断面における繊維断面長軸の長さと繊維断面第1短軸及び繊維断面第2短軸の長さを説明する模式図である。 図4は、本発明の一実施形態の人工毛髪用芯鞘複合繊維の繊維断面における芯部長軸の長さと芯部第1短軸の長さを説明する模式図である。 図5は、実施例3の繊維の繊維断面のレーザー顕微鏡写真(倍率400倍)である。 図6は、比較例1の繊維の繊維断面のレーザー顕微鏡写真(倍率400倍)である。 図7は、比較例5の繊維の繊維断面のレーザー顕微鏡写真(倍率400倍)である。 図8は、比較例6の繊維の繊維断面のレーザー顕微鏡写真(倍率400倍)である。
 本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、芯鞘比率を面積比で芯:鞘=2:8~7:3とし、偏芯度(偏心度とも称される。)を5%以上にした芯鞘複合繊維において、繊維の断面形状を扁平多葉形にし、繊維断面において、線対称軸及び線対称軸に平行するように繊維断面の外周の任意の二点を結んだ直線のうち、最大長となる直線である繊維断面長軸の長さと、前記繊維断面長軸に対して垂直になるように繊維断面の外周の任意の二つの点を結んだ際、最大長となる二つの点を結ぶ直線である繊維断面第1短軸の長さの比を1.10以上3.00以下にし、かつ、繊維断面において、線対称軸及び線対称軸に平行するように芯部の外周の任意の二点を結んだ直線のうち、最大長となる直線である芯部長軸の長さと、前記芯部長軸に対して垂直になるように芯部の外周の任意の二つの点を結んだ際、最大長となる二つの点を結ぶ直線である芯部第1短軸の長さの比を1.10以上3.00以下にし、繊維断面長軸方向と芯部長軸方向を略一致させることにより、人毛に近い触感と外観(光沢)を持ち、カールセットしなくとも、カール性が良好であり、カール保持性も極めて高い繊維が得られることを見出し、本発明に至った。前記人工毛髪用芯鞘複合繊維は、上述した構成を有することにより、芯部と鞘部の剥離による繊維の分離や芯部の表面への露出を防止しつつ、潜在捲縮性を持った繊維が得られ、繊維構造に由来した自然な捲縮によるカールを有するため、カールセットしなくとも、カール性が良好であり、カール保持性も極めて高くなる。
 前記人工毛髪用芯鞘複合繊維は、芯部と鞘部で構成され、扁平多葉形の断面形状を有する。前記扁平多葉形は、特に限定されないが、例えば、円形及び楕円形からなる群から選ばれる二つ以上の葉形が凹部を介して結合したものが挙げられ、葉形の数が2~10であってもよく、2~8であってもよい。生産性の観点から、二つの円形、二つの円形、又は一つの円形及び一つの楕円形が凹部を介して結合した扁平二葉形であることが好ましい。また、円形又は楕円形の形状は、必ずしも連続した弧を描く必要はなく、鋭角な角でなければ一部が変形した略円形又は略楕円形も含む。また、添加剤などを含むことにより繊維断面の外周に生じる2μm以下の凹凸は考慮しなくてもよい。
 前記人工毛髪用芯鞘複合繊維は、扁平多葉形の繊維断面を有することにより、カールセットしなくとも、カール性が良好である。また、前記人工毛髪用芯鞘複合繊維は、扁平多葉形の繊維断面を有することにより、繊維表面に凹部と凸部が存在し、平坦な面積が減少することで光の反射が低減する。具体的には、前記人工毛髪用芯鞘複合繊維が二つの円形及び/又は楕円形が凹部を介して結合した扁平二葉形の断面形状を有する場合には、二つの凹部の両側には凸部が4箇所存在する。これにより光の反射が低減し、人毛に近似した光沢になりやすい。
 図1は、本発明の一実施形態の人工毛髪用芯鞘複合繊維の繊維断面を示す模式図である。該実施形態の人工毛髪用芯鞘複合繊維1は、鞘部10と芯部20で構成され、二つの楕円形が凹部を介して結合した扁平二葉形の繊維断面を有する。
 前記人工毛髪用芯鞘複合繊維の芯鞘比率は面積比で芯:鞘=2:8~7:3の範囲である。この範囲よりも芯部が少ないと、芯部の機能が十分発現せず、自然な捲縮を有する繊維が得られない。逆に、この範囲より芯部が多いと、鞘部の機能が十分発現せず、自然な捲縮性が得られないだけでなく、鞘部が芯部全体を覆うことができず、芯部が繊維表面に露出したり、二成分の剥離が発生したりするため、複合繊維としての成形が困難となる。自然捲縮によるカール性を高める観点から、前記人工毛髪用芯鞘複合繊維の芯鞘比率は面積比で芯:鞘=3:7~6:4の範囲である。
 前記人工毛髪用芯鞘複合繊維の偏芯度は5%以上であり、好ましくは5%以上50%以下の範囲であり、より好ましくは10%以上30%以下の範囲である。偏芯度を上記範囲内とすることで繊維表面への芯部の露出を防止しつつ、自然な捲縮性を有する繊維が得られる。
 前記人工毛髪用芯鞘複合繊維の偏芯度は、繊維断面において、繊維断面長軸の長さ、繊維断面長軸の中心点と芯部長軸の中心点の2点間距離に基づいて、以下の式で算出することができる。
偏芯度(%)=繊維断面長軸の中心点と芯部長軸の中心点の2点間距離/(繊維断面長軸の長さ/2)×100
 前記人工毛髪用芯鞘複合繊維において、繊維断面長軸とは、繊維断面において、線対称軸及び線対称軸に平行するように繊維断面の外周の任意の二つの点を結んだ直線のうち、最大長となる直線を意味する。また、芯部長軸とは、繊維断面において、線対称軸及び線対称軸に平行するように芯部の外周の任意の二つの点を結んだ直線のうち、最大長となる直線を意味する。
 図2は、本発明の一実施形態の人工毛髪用芯鞘複合繊維の偏芯度を説明する模式図である。図2に示す通り、該実施形態の人工毛髪用芯鞘複合繊維1は、鞘部10と芯部20で構成され、扁平二葉形の断面形状を有しており、偏芯度は、繊維断面長軸12の長さをL、繊維断面長軸の中心点11と芯部長軸の中心点21の2点間距離をdとした際に、以下の式で表すものである。
偏芯度(%)=d/(L/2)×100
 前記人工毛髪用芯鞘複合繊維の繊維断面において、前記繊維断面長軸の長さと、前記繊維断面長軸に対して垂直になるように繊維断面の外周の任意の二つの点を結んだ際、最大長となる二つの点を結ぶ直線である繊維断面第1短軸の長さの比は1.10以上3.00以下であり、好ましくは1.15以上2.50以下の範囲であり、より好ましくは1.20以上2.00以下である。繊維断面長軸と繊維断面第1短軸の長さの比が上記範囲内であると、触感や外観を良好に保つことができる。また、繊維断面長軸の長さと繊維断面第1短軸の長さの比が1.10以上であると、繊維の絡みが発生し難く、櫛通り性が向上する。なお、繊維断面長軸に対して垂直になるように繊維断面の外周の任意の二つの点を結んだ直線のうち、最大長となる直線が二つ以上ある場合、いずれか一つを第1短軸とする。
 前記人工毛髪用芯鞘複合繊維の繊維断面において、繊維断面長軸に対して垂直になるように繊維断面の外周の任意の二つの点を結んだ際、最小長となる二つの点を結ぶ直線である繊維断面第2短軸の長さと前記繊維断面第1短軸の長さの比が0.50以上1.00未満であることが好ましく、より好ましくは0.65以上1.00未満であり、さらに好ましくは0.80以上1.00未満である。第2短軸の長さと第1短軸の長さの比が0.50以上であると、柔らかな良い触感が得られる。また、第2短軸の長さと第1短軸の長さの比が1.00未満であると、繊維の表面において平坦な面積が低下することで光の反射が低下し、人毛に近似した光沢になりやすい。
 図3は、本発明の一実施形態の人工毛髪用芯鞘複合繊維の繊維断面における繊維断面長軸の長さ、繊維断面第1短軸及び繊維断面第2短軸の長さを説明する模式図である。図3に示す通り、該実施形態の人工毛髪用芯鞘複合繊維1は、鞘部10と芯部20で構成され、扁平二葉形の断面形状を有する。図3に示すように、繊維断面において、線対称軸及び線対称軸に平行するように繊維断面の外周の任意の二つの点を結んだ直線のうち、最大長となる直線12が繊維断面長軸であり、繊維断面長軸12に対して垂直になるように繊維断面の外周の任意の二つの点を結んだ際、最大長となる二つの点を結ぶ直線13が繊維断面第1短軸であり、繊維断面長軸12に対して垂直になるように繊維断面の外周の任意の二つの点を結んだ際、最小長となる二つの点を結ぶ直線14が繊維断面第2短軸である。
 該実施形態の人工毛髪用芯鞘複合繊維1において、繊維断面長軸12の長さLと、繊維断面第1短軸の長さS1の比L/S1が1.10以上3.00以下の範囲であり、より好ましくは1.15以上2.50以下の範囲であり、さらに好ましくは1.20以上2.00以下である。繊維断面長軸と繊維断面第1短軸の長さの比が上記範囲内であると、触感や外観を良好に保つことができる。
 該実施形態の人工毛髪用芯鞘複合繊維1において、繊維断面第2短軸14の長さS2と繊維断面第1短軸13の長さS1の比S2/S1が0.50以上1.00未満であることが好ましく、より好ましくは0.65以上1.00未満であり、さらに好ましくは0.80以上1.00未満である。
 前記人工毛髪用芯鞘複合繊維において、「繊維断面長軸の長さと繊維断面第1短軸の長さの比」は、任意に選択した30本の繊維断面における平均値をいう。なお、任意に選択した30本の繊維断面において、繊維断面長軸の長さと繊維断面第1短軸の長さの比の最大値及び最小値のいずれも上述した範囲に含まれることが好ましい。また、前記人工毛髪用芯鞘複合繊維において、「繊維断面第2短軸の長さと繊維断面第1短軸の長さの比」は、任意に選択した30本の繊維断面における平均値をいう。なお、任意に選択した30本の繊維断面において、繊維断面第2短軸の長さと繊維断面第1短軸の長さの比の最大値及び最小値のいずれも上述した範囲に含まれることが好ましい。
 前記人工毛髪用芯鞘複合繊維の繊維断面において、芯部の線対称軸及び線対称軸に平行するように芯部の外周の任意の二点を結んだ直線のうち、最大長となる直線である芯部長軸の長さと、前記芯部長軸に対して垂直になるように芯部の外周の任意の二つの点を結んだ際、最大長となる二つの点を結ぶ直線である芯部第1短軸の長さの比は1.10以上3.00以下であり、好ましくは1.15以上2.50以下の範囲であり、より好ましくは1.20以上2.00以下である。また前記人工毛髪用芯鞘複合繊維は、繊維断面と芯部の長軸方向が略一致している。繊維断面と芯部の長軸方向が略一致し、かつ芯部長軸の長さと芯部第1短軸の長さの比が上記範囲内であると、繊維断面において、繊維断面の外周形状と芯部の外周形状が近い形状となるため、人工毛髪として良好な触感と外観を維持した上で、二成分の剥離による繊維の分離や芯部の表面への露出を防止することができる。さらにはノズルからの吐出形状と成形後の繊維断面の形状の変化が小さくなり、上述した断面形状を実現するためのノズル設計が容易になるという成形加工上の利点もある。また、繊維断面と芯部の長軸方向が略一致しているため、断面2次モーメントに由来する曲げ弾性率の異方性も繊維全体と芯部で一致し、触感や櫛通りといった人工毛髪に必要とされる品質を容易に調整することもできる。
 前記人工毛髪用芯鞘複合繊維において、芯部の断面形状は、芯部の長軸の長さと第一短軸の長さの比が上記範囲内にあり、繊維断面長軸方向と芯部長軸方向が略一致していれば特に限定されないが、楕円形、扁平二葉形をはじめとする扁平多葉形などが好ましく用いられる。
 図4は、本発明の一実施形態の人工毛髪用芯鞘複合繊維の繊維断面における芯部長軸の長さと芯部第1短軸の長さを説明する模式図である。図4に示す通り、該実施形態の人工毛髪用芯鞘複合繊維1は、鞘部10と芯部20で構成され、扁平二葉形の断面形状を有する。図4に示されているように、繊維断面において、芯部の線対称軸及び線対称軸に平行するように芯部の外周の任意の二点を結んだ直線のうち、最大長となる直線22が芯部長軸であり、芯部長軸22に対して垂直になるように芯部の外周の任意の二つの点を結んだ際、最大長となる二つの点を結ぶ直線23が芯部第1短軸である。
 該実施形態の人工毛髪用芯鞘複合繊維1において、芯部長軸22の長さLcと芯部第1短軸23の長さScの比Lc/Scが1.10以上3.00以下の範囲であり、好ましくは1.15以上2.50以下の範囲であり、より好ましくは1.20以上2.00以下である。
 前記人工毛髪用芯鞘複合繊維において、「芯部長軸の長さと芯部第1短軸の長さの比」は、任意に選択した30本の繊維断面における平均値をいう。なお、任意に選択した30本の繊維断面において、芯部長軸の長さと芯部第1短軸の長さの比の最大値及び最小値のいずれも上述した範囲に含まれることが好ましい。
 芯部長軸の長さと芯部第1短軸の長さの比が上記範囲外であったり、繊維断面長軸方向と芯部長軸方向が略一致していないと、繊維断面中の鞘厚みの変動が大きくなるため、二成分の剥離が発生したり、ノズルからの吐出形状と成形後の繊維断面の形状変化が大きくなったりして成形加工上の難易度が上がる。また、芯部の機能が十分発現せず、自然な捲縮を有する繊維が得られなくなる。
 前記人工毛髪用芯鞘複合繊維は、必ずしも全ての繊維が同一の繊度、断面形状を有する必要はなく、異なる繊度、断面形状を有する繊維が混在していてもよい。また、上記人工毛髪用芯鞘複合繊維の繊維断面において、芯部と鞘部の剥離を防止するためには、芯部は繊維表面に露出せず鞘部に完全に覆われていることが好ましい。
 前記人工毛髪用芯鞘複合繊維の組成は、特に限定されない。例えば、上記人工毛髪用芯鞘複合繊維は、ポリエステル系樹脂組成物、ポリアミド系樹脂組成物、塩化ビニル系樹脂組成物、モダアクリル系樹脂組成物、ポリカーボネート系樹脂組成物、ポリオレフィン系樹脂組成物、ポリフェニレンサルファイド系樹脂組成物などの樹脂組成物で構成することができる。また、これらの樹脂組成物を2種類以上組み合わせてもよい。さらに、難燃性の観点から、難燃剤を併用することもでき、ポリエステル系樹脂と臭素系高分子難燃剤を含むポリエステル系樹脂組成物や、ポリアミド系樹脂と臭素系高分子難燃剤を含むポリアミド系樹脂組成物などが好ましく用いられる。
 前記人工毛髪用芯鞘複合繊維は、耐熱性と難燃性の観点から、芯部及び/又は鞘部が、ポリエステル樹脂と臭素系高分子難燃剤を含むポリエステル系樹脂組成物で構成されることが好ましい。具体的には、ポリエステル樹脂と、臭素系高分子難燃剤を含むポリエステル系樹脂組成物を溶融紡糸した繊維を用いることができる。より好ましくは、ポリアルキレンテレフタレート及びポリアルキレンテレフタレートを主体とした共重合ポリエステルからなる群から選ばれる1種以上のポリエステル樹脂100重量部と、臭素系高分子難燃剤5重量部以上40重量部以下を含むポリエステル系樹脂組成物で構成されている。
 前記ポリアルキレンテレフタレートとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどが挙げられる。上記ポリアルキレンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステルとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレートを主体とし、他の共重合成分を含有する共重合ポリエステルなどが挙げられる。本発明の一実施形態において、「ポリアルキレンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステル」は、ポリアルキレンテレフタレートを80モル%以上含有する共重合ポリエステルをいう。
 前記他の共重合成分としては、例えば、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの多価カルボン酸及びそれらの誘導体;5-ナトリウムスルホイソフタル酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸ジヒドロキシエチルなどのスルホン酸塩を含むジカルボン酸及びそれらの誘導体;1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、4-ヒドロキシ安息香酸、ε-カプロラクトン、ビスフェノールAのエチレングリコールエーテルなどが挙げられる。
 前記共重合ポリエステルは、安定性及び操作の簡便性の点から、主体となるポリアルキレンテレフタレートに少量の他の共重合成分を含有させて反応させることにより製造するのが好ましい。ポリアルキレンテレフタレートとしては、テレフタル酸及び/又はその誘導体(例えば、テレフタル酸メチル)と、アルキレングリコールとの重合体を用いることができる。前記共重合ポリエステルは、主体となるポリアルキレンテレフタレートの重合に用いるテレフタル酸及び/又はその誘導体(例えば、テレフタル酸メチル)と、アルキレングリコールとの混合物に、少量の他の共重合成分であるモノマーあるいはオリゴマー成分を含有させたものを重合させることにより製造してもよい。
 前記共重合ポリエステルは、主体となるポリアルキレンテレフタレートの主鎖及び/又は側鎖に上記他の共重合成分が重縮合していればよく、共重合の方法などには特別な限定はない。
 前記ポリアルキレンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステルの具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートを主体とし、ビスフェノールAのエチレングリコールエーテル、1,4-シクロヘキサジメタノール、イソフタル酸及び5-ナトリウムスルホイソフタル酸ジヒドロキシエチルからなる群から選ばれる一種の化合物を共重合したポリエステルなどが挙げられる。
 前記ポリアルキレンテレフタレート及び前記ポリアルキレンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステルは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、ポリエチレンテレフタレート;ポリプロピレンテレフタレート;ポリブチレンテレフタレート;ポリエチレンテレフタレートを主体とし、ビスフェノールAのエチレングリコールエーテルを共重合したポリエステル;ポリエチレンテレフタレートを主体とし、1,4-シクロヘキサンジメタノールを共重合したポリエステル;ポリエチレンテレフタレートを主体とし、イソフタル酸を共重合したポリエステル;及びポリエチレンテレフタレートを主体とし、5-ナトリウムスルホイソフタル酸ジヒドロキシエチルを共重合したポリエステルなどを単独又は2種以上組み合わせて用いることが好ましい。
 前記ポリエステル樹脂の固有粘度(IV値)は、特に限定されないが、0.3以上1.2以下であることが好ましく、0.4以上1.0以下であることがより好ましい。固有粘度が0.3以上であると、得られる繊維の機械的強度が低下せず、燃焼試験時にドリップする恐れもない。また、固有粘度が1.2以下であると、分子量が増大しすぎず、溶融粘度が高くなり過ぎることがなく、溶融紡糸が容易となるうえ、繊度も均一になりやすい。
 前記臭素系高分子難燃剤としては、特に限定されないが、例えば、耐熱性及び難燃性の観点から、臭素化エポキシ系難燃剤を用いることが好ましい。前記臭素化エポキシ系難燃剤は、原料としては分子末端がエポキシ基又はトリブロモフェノールからなる臭素化エポキシ系難燃剤を用いることができるが、臭素化エポキシ系難燃剤の溶融混練後の構造は、特に限定されず、下記化学式(1)に示す構成ユニットと下記化学式(1)の少なくとも一部が改変した構成ユニットの総数を100モル%とした場合、80モル%以上が化学式(1)で示す構成ユニットであることが好ましい。前記臭素化エポキシ系難燃剤は、溶融混練後に、構造が分子末端で変化してもよい。例えば、前記臭素化エポキシ系難燃剤の分子末端がエポキシ基又はトリブロモフェノール以外の水酸基、リン酸基、ホスホン酸基などに置換されていてもよく、分子末端がポリエステル成分とエステル基で結合していてもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
 また、臭素化エポキシ系難燃剤の分子末端以外の構造の一部が変化してもよい。例えば、臭素化エポキシ系難燃剤の二級水酸基とエポキシ基が結合して分岐構造となっていてもよく、臭素化エポキシ系難燃剤分子中の臭素含有量が大きく変化しなければ、前記化学式(1)の臭素の一部が脱離又は付加してもよい。
 前記臭素化エポキシ系難燃剤としては、例えば、下記一般式(2)に示しているような高分子型の臭素化エポキシ系難燃剤が好ましく用いられる。下記一般式(2)において、mは1~1000である。下記一般式(2)に示しているような高分子型の臭素化エポキシ系難燃剤としては、例えば、阪本薬品工業株式会社製の臭素化エポキシ系難燃剤(商品名「SR-T2MP」)などの市販品を用いてもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
 本発明に用いられるポリアミド系樹脂は、ラクタム、アミノカルボン酸、ジカルボン酸及びジアミンの混合物、ジカルボン酸誘導体及びジアミンの混合物、並びにジカルボン酸及びジアミンの塩からなる群から選ばれる1種以上を、重合して得られるナイロン樹脂を意味する。
 前記ラクタムの具体例としては、特に限定されないが、例えば、2-アゼチジノン、2-ピロリジノン、δ-バレロラクタム、ε-カプロラクタム、エナントラクタム、カプリルラクタム、ウンデカラクタム、及びラウロラクタムなどを挙げることができる。これらのうち、ε-カプロラクタム、ウンデカラクタム、及びラウロラクタムが好ましく、特にε-カプロラクタムが好ましい。これらのラクタムは、1種で用いてもよく、2種以上の混合物で使用することもできる。
 前記アミノカルボン酸の具体例としては、特に限定されないが、例えば、6-アミノカプロン酸、7-アミノヘプタン酸、8-アミノオクタン酸、9-アミノノナン酸、10-アミノデカン酸、11-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン酸などを挙げることができる。これらのうち、6-アミノカプロン酸、11-アミノウンデカン酸、及び12-アミノドデカン酸が好ましく、特に6-アミノカプロン酸が好ましい。これらのアミノカルボン酸は、1種で用いてもよく、2種以上の混合物で使用することもできる。
 前記ジカルボン酸及びジアミンの混合物、ジカルボン酸誘導体及びジアミンの混合物、又はジカルボン酸及びジアミンの塩で用いられるジカルボン酸の具体例としては、特に限定されないが、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシリン酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。これらのうち、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、及びイソフタル酸が好ましく、特にアジピン酸、テレフタル酸、及びイソフタル酸が好ましい。これらのジカルボン酸は、1種で用いてもよく、2種以上の混合物で使用することもできる。
 前記ジカルボン酸及びジアミンの混合物、ジカルボン酸誘導体及びジアミンの混合物、又はジカルボン酸及びジアミンの塩で用いられるジアミンの具体例としては、特に限定されないが、例えば、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、2-メチル-1,5-ジアミノペンタン(MDP)、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、1,13-ジアミノトリデカン、1,14-ジアミノテトラデカン、1,15-ジアミノペンタデカン、1,16-ジアミノヘキサデカン、1,17-ジアミノヘプタデカン、1,18-ジアミノオクタデカン、1,19-ジアミノノナデカン、1,20-ジアミノエイコサンなどの脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス-(4-アミノヘキシル)メタンなどの脂環式ジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミンなどの芳香族ジアミンなどが挙げられる。これらのうち、特に脂肪族ジアミンが好ましく、とりわけヘキサメチレンジアミンが好ましく用いられる。これらのジアミンは、1種で用いてもよく、2種以上の混合物で使用することもできる。
 前記ポリアミド系樹脂(ナイロン樹脂)としては、特に限定されないが、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6・10、ナイロン6・12、ナイロン6T及び/又は6I単位を含有する半芳香族ナイロン、並びにこれらナイロン樹脂の共重合体などを用いることが好ましい。とりわけ、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6及びナイロン66の共重合体がより好ましい。
 前記ポリアミド系樹脂は、例えば、ポリアミド系樹脂原料を触媒の存在下または不存在下で加熱して行うポリアミド系樹脂重合方法により製造することができる。その重合時に攪拌はあっても無くてもよいが、均質な生成物を得るには攪拌した方が好ましい。重合温度は目的とする前重合物の重合度、反応収率、反応時間に応じて任意に設定可能であるが、最終的に得られるポリアミド系樹脂の品質を考慮すれば低温の方が好ましい。反応率についても任意に設定できる。圧力について制限はないが揮発性成分を効率よく系外に抜出すためには系内を減圧とすることが好ましい。
 本発明に用いられるポリアミド系樹脂は、必要に応じてカルボン酸化合物またはアミン化合物で末端を封鎖してあってもよい。モノカルボン酸及び/又はモノアミンを添加して末端封鎖する場合には、得られたナイロン樹脂の末端アミノ基又は末端カルボキシル基濃度が末端封鎖剤を使用しない場合に比べて低下する。一方、ジカルボン酸又はジアミンで末端封鎖した場合には末端アミノ基と末端カルボキシル基濃度の和は変化しないが、アミノ末端基とカルボキシル末端基との濃度の比率が変化する。
 前記カルボン酸化合物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ウンデカン酸、ラウリル酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキン酸などの脂肪族モノカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、メチルシクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、エチル安息香酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシリン酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
 前記アミン化合物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、2-エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、イコシルアミンなどの脂肪族モノアミン、シクロヘキシルアミン、メチルシクロヘキシルアミンなどの脂環式モノアミン、ベンジルアミン、β-フェニルエチルアミンなどの芳香族モノアミン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、1,13-ジアミノトリデカン、1,14-ジアミノテトラデカン、1,15-ジアミノペンタデカン、1,16-ジアミノヘキサデカン、1,17-ジアミノヘプタデカン、1,18-ジアミノオクタデカン、1,19-ジアミノノナデカン、1,20-ジアミノエイコサンなどの脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス-(4-アミノヘキシル)メタンなどの脂環式ジアミン、キシリレンジアミンなどの芳香族ジアミンなどが挙げられる。
 前記ポリアミド系樹脂の末端基濃度に特に制限はないが、繊維用途で染色性を高める必要がある場合や樹脂用途でアロイ化に適した材料を設計する場合などには末端アミノ基濃度が高い方が好ましい。また、長期エージング条件下での着色やゲル化を抑制したい場合などは逆に末端アミノ基濃度が低い方が好ましい。更に再溶融時のラクタム再生、オリゴマー生成による溶融紡糸時の糸切れ、連続射出成形時のモールドデポジット、フィルムの連続押出におけるダイマーク発生を抑制したい場合には末端カルボキシル基濃度及び末端アミノ基濃度が共に低い方が好ましい。適用する用途によって末端基濃度を調製すればよいが、末端アミノ基濃度、末端カルボキシル基濃度共に、好ましくは、1.0×10-5~15.0×10-5eq/g、より好ましくは2.0×10-5~12.0×10-5eq/g、特に好ましくは3.0×10-5~11.0×10-5eq/gである。
 また、末端封鎖剤の添加方法としては重合初期にカプロラクタムなどの原料と同時に仕込む方法、重合途中で添加する方法、ナイロン樹脂を溶融状態で縦型攪拌式薄膜蒸発機を通過させる際に添加する方法などが採用される。末端封鎖剤はそのまま添加してもよいし、少量の溶剤に溶解して添加してもよい。
 前記人工毛髪用芯鞘複合繊維は、触感と外観を人毛により近似させ、カール性及びカール保持性をより向上させる観点から、芯部をポリアルキレンテレフタレート及びポリアルキレンテレフタレートを主体とした共重合ポリエステルからなる群から選ばれる1種以上のポリエステル樹脂を含むポリエステル系樹脂組成物で構成することが好ましく、鞘部をナイロン6及びナイロン66からなる群から選ばれる少なくとも1種を主体としたポリアミド系樹脂を含むポリアミド系樹脂組成物で構成することがより好ましい。本発明の一実施形態において、「ナイロン6及びナイロン66からなる群から選ばれる少なくとも1種を主体としたポリアミド系樹脂」とは、ナイロン6及び/又はナイロン66を80モル%以上含むポリアミド系樹脂を意味する。
 前記人工毛髪用芯鞘複合繊維は、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲内で、臭素化エポキシ系難燃剤以外の難燃剤、難燃助剤、耐熱剤、安定剤、蛍光剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料などの各種添加剤を含有してもよい。
 前記臭素化エポキシ系難燃剤以外の難燃剤としては、例えば、リン含有難燃剤や臭素含有難燃剤などが挙げられる。前記リン含有難燃剤として、例えば、リン酸エステルアミド化合物、有機環状リン系化合物などが挙げられる。上記臭素含有難燃剤としては、例えば、ペンタブロモトルエン、ヘキサブロモベンゼン、デカブロモジフェニル、デカブロモジフェニルエーテル、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、テトラブロモ無水フタル酸、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、オクタブロモトリメチルフェニルインダン、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートなどの臭素含有リン酸エステル類;臭素化ポリスチレン類;臭素化ポリベンジルアクリレート類;臭素化フェノキシ樹脂;臭素化ポリカーボネートオリゴマー類;テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA-ビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA-ビス(アリルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA-ビス(ヒドロキシエチルエーテル)などのテトラブロモビスフェノールA誘導体;トリス(トリブロモフェノキシ)トリアジンなどの臭素含有トリアジン系化合物;トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートなどの臭素含有イソシアヌル酸系化合物などが挙げられる。中でも、リン酸エステルアミド化合物、有機環状リン系化合物、及び臭素化フェノキシ樹脂系難燃剤からなる群から選ばれる一種以上が難燃性に優れている点で好ましい。
 前記難燃助剤としては、例えば、アンチモン系化合物やアンチモンを含む複合金属などが挙げられる。前記アンチモン系化合物としては、例えば、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、アンチモン酸カリウム、アンチモン酸カルシウムなどが挙げられる。難燃性改良効果や触感への影響から、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、及びアンチモン酸ナトリウムからなる群から選ばれる一種以上がより好ましい。
 前記人工毛髪用芯鞘複合繊維がポリエステル系樹脂組成物などの熱可塑性樹脂組成物で構成される場合は、熱可塑性樹脂組成物を種々の一般的な混練機を用いて溶融混練してペレット化した後、芯鞘型複合口金を用いて、溶融紡糸することにより人工毛髪用芯鞘複合繊維を作製することができる。例えば、上記人工毛髪用芯鞘複合繊維がポリエステル系樹脂組成物で構成される場合は、以下のような製造方法で作製することができる。上述したポリエステル樹脂、臭素化エポキシ系難燃剤などの各成分をドライブレンドしたポリエステル系樹脂組成物を、種々の一般的な混練機を用いて溶融混練してペレット化した後、溶融紡糸することにより作製することができる。前記ポリエステル系樹脂組成物は、必要に応じて、ポリカーボネート系樹脂などの他の熱可塑性樹脂を含んでもよい。また、上記人工毛髪用芯鞘複合繊維がポリアミド系樹脂組成物で構成される場合は、ポリアミド系樹脂組成物を、種々の一般的な混練機を用いて溶融混練してペレット化した後、溶融紡糸することにより作製することができる。前記混練機としては、例えば、一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどが挙げられる。中でも、二軸押出機が、混練度の調整、操作の簡便性の点から好ましい。
 溶融紡糸は、例えば、ポリエステル系樹脂組成物の場合は、押出機、ギアポンプ、口金などの温度を250℃以上300℃以下とし、溶融紡糸し、紡出糸条を加熱筒に通過させた後、ポリエステル樹脂のガラス転移点以下に冷却し、50m/分以上5000m/分以下の速度で引き取ることにより紡出糸条(未延伸糸)が得られる。また、ポリアミド系樹脂組成物の場合は、押出機、ギアポンプ、口金などの温度を260℃以上320℃以下とし、溶融紡糸し、紡出糸条を加熱筒に通過させた後、ポリアミド樹脂のガラス転移点以下に冷却し、50m/分以上5000m/分以下の速度で引き取ることにより紡出糸条(未延伸糸)が得られる。なお、溶融紡糸の際、芯部を構成する熱可塑性樹脂組成物は芯部用押出機で供給し、鞘部を構成する熱可塑性樹脂組成物は鞘部用押出機で供給すればよい。
 また、紡出糸条を冷却用の水を入れた水槽で冷却し、繊度のコントロールを行なうことも可能である。加熱筒の温度と長さ、冷却風の温度と吹付量、冷却水槽の温度、冷却時間及び引取速度は、ポリマーの吐出量及び口金の孔数によって適宜調整することができる。
 紡出糸条(未延伸糸)は熱延伸されることが好ましい。延伸は、紡出糸条を一旦巻き取ってから延伸する2工程法と、紡出糸条を巻き取ることなく連続して延伸する直接紡糸延伸法のいずれの方法によって行ってもよい。熱延伸は、1段延伸法又は2段以上の多段延伸法で行なわれる。
 熱延伸における加熱手段としては、加熱ローラ、ヒートプレート、スチームジェット装置、温水槽などを使用することができ、これらを適宜併用することもできる。
 前記人工毛髪用芯鞘複合繊維に繊維処理剤、柔軟剤などの油剤を付与し、触感、風合いをより人毛に近づけもよい。前記繊維処理剤としては、例えば、触感や櫛通り性を向上させるためのシリコーン系繊維処理剤や非シリコーン系繊維処理剤などが挙げられる。
 前記人工毛髪用芯鞘複合繊維は、人工毛髪に適するという観点から、単繊維繊度が10dtex以上150dtex以下であることが好ましく、より好ましくは30dtex以上120dtex以下であり、さらに好ましくは40dtex以上100dtex以下であり、特に好ましくは50dtex以上90dtex以下である。
 前記人工毛髪用芯鞘複合繊維は、ギアクリンプによる加工を施してもよい。これにより繊維に緩やかな屈曲を付与し、自然な外観が得られ、繊維間の密着性が低下することから櫛通り性も向上する。このギアクリンプによる加工では、一般的に、繊維を軟化温度以上に加熱した状態で2つの噛み合った歯車の間を通過させ、この歯車の形状を転写させることで繊維屈曲を発現させる。
 前記人工毛髪用芯鞘複合繊維は、潜在捲縮性を有し、繊維加工段階の熱処理で自然に捲縮が発現していることから、カールセットをしなくても、優れたカール性を有する。また、カール保持性も極めて良好である。また、必要に応じて、繊維加工段階において、異なる温度で前記人工毛髪用芯鞘複合繊維を熱処理することで、異なる形状のカールを発現することができる。
 前記人工毛髪用芯鞘複合繊維は、頭飾製品であれば特に限定することなく用いることができる。例えば、ヘアーウィッグ、かつら、ウィービング、ヘアーエクステンション、ブレードヘアー、ヘアーアクセサリー及びドールヘアーなどに用いることができる。特に、前記人工毛髪用芯鞘複合繊維は、潜在捲縮性を有し、繊維加工段階の熱処理で自然に捲縮が発現していることから、前記人工毛髪用芯鞘複合繊維を用いた頭飾製品は、カールセットをしなくても、優れたカール性を有する。また、カール保持性も極めて良好である。また、必要に応じて、前記人工毛髪用芯鞘複合繊維を用いた頭飾製品を異なる温度で熱処理することで、異なる形状のカールを発現することができる。
 前記頭飾製品は、本発明の人工毛髪用芯鞘複合繊維のみで構成されていてもよい。また、前記頭飾製品は、本発明の人工毛髪用芯鞘複合繊維に、他の人工毛髪用繊維、人毛や獣毛などの天然繊維を組み合わせてもよい。
 以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
 実施例及び比較例で用いた測定方法及び評価方法は、以下のとおりである。
 (単繊維繊度)
 オートバイブロ式繊度測定器「DENIER COMPUTER タイプDC-11」(サーチ社製)を使用して測定し、30個のサンプルの測定値の平均値を算出して単繊維繊度とした。
 (繊維断面の評価)
 繊維を束ね、繊維束がズレないように収縮チューブで固定した後、カッターで輪切りにし、断面観察用繊維束を作製した。この断面観察用繊維束をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス社製、「VK-9500」)にて400倍の倍率で撮影し、繊維断面写真を得た。この繊維断面写真からランダムに30本の繊維断面を選定し、繊維断面長軸の長さ、繊維断面第1短軸の長さ及び繊維断面第2短軸の長さ、並びに、芯部長軸の長さ及び芯部第1短軸の長さを計測した。なお、本発明の一実施形態の人工毛髪用芯鞘複合繊維において、繊維断面長軸の長さ、繊維断面第1短軸の長さ及び繊維断面第2短軸の長さ、並びに、芯部長軸の長さ及び芯部第1短軸の長さ等の値は、任意に選択した30本の繊維断面の測定値の平均値で示すことができる。
 (カール性)
 カールを完全に伸ばした状態で、繊維を長さが63.5cmになるように切断し、得られた繊維長が63.5cmの繊維5.0gを束ね、ハックリングにて意図的に繊維間のズレを作り、カールを完全に伸ばした状態での繊維束の長さを70cmとした。その後、繊維束の中央を紐で括り、2つ折りにして紐の部分を固定し、カールを完全に伸ばした状態で毛先から30cmの部分をインシュロックで固定して、カール性評価用の繊維束を作製した。次に、カール評価用の繊維束を地面に垂直になるように垂らし、繊維束の端を固定しているインシュロックから繊維束の下端までの長さ(初期カール長さ)を計測した。また、初期カール長さ及びカール巻きの強さに基づいてカール性を以下の基準にて判定した。
A:初期カール長さが人毛(繊度68dtex、市販の中国人頭髪「Shake-N-Go Milky Way Pure Yaky Weave 100% Human Hair 14"-1B」)100%繊維のクーリング時間0秒のカール長さと同等で、具体的には25cm以下であり、カールの巻き込みが強くスタイルに優れる
B:初期カール長さが25cm超29cm以下であり、繊維上部から中間部のカールの巻き込みは若干弱いが、下部の毛先はカールの巻込みが強く、カール系のスタイルとしては問題ないレベル
C:初期カール長さが29cmを超えており、全体的にカールの巻き込みが弱く、カール系のスタイルとしては不満があるレベル
 (カール保持力)
 カール性を評価した繊維束を根元を固定し、地面に垂直になるように垂らした状態で3日間静置させた。3日後、該繊維束の端を固定しているインシュロックから繊維束の下端までの長さ(3日後のカール長さ)を計測し、その長さとカールの伸び率を下記式で算出した。3日後のカール長さ及びカール形状に基づいて、以下の基準でカール保持力を判定した。なお、下記カールの伸び率の式において、初期カール長さ及び3日後のカール長さは、いずれもcmの単位で示す値である。
カールの伸び率(%)=100-[(30-3日後のカール長さ)/(30-初期カール長さ)]×100
A:カールの伸び率が0%以上5%未満であり、初期スタイルからの変化が小さく、全体的にカールが螺旋状に残っている状態
B:カールの伸び率が5%以上10%未満であり、初期スタイルからの変化が比較的小さく、全体的にカールが螺旋状に残っている状態
C:カールの伸び率が10%以上であり、初期スタイルから全体的にカールが弱くなっており、毛先のみカールが残っている状態
 (触感)
 専門美容師による官能評価を行い、以下の4段階の基準で評価した。
A:人毛と同等の非常に柔らかい触感
B:人毛に似た柔らかい触感
C:人毛に比べやや硬い触感
D:人毛に比べ硬い触感
 (光沢)
 長さ30cm、総繊度10万dtexのトウフィラメントを専門美容師が太陽光のもとで目視により観察し、以下の4段階の基準で評価した。
A:対比して注意深く比較しても、人毛との差を認めることができない程度の光沢
B:対比して注意深く比較した場合に、人毛よりも光沢が多い、または少ないと判断できる光沢
C:対比して通常の注意力で比較した場合に、人毛よりも光沢が多い、または少ないと判断できる光沢
D:対比を要することなく、明らかに人毛よりも光沢が多すぎる、または少なすぎると判断できる光沢
 (櫛通り性)
 カールを完全に伸ばした状態で、繊維を長さが63.5cmになるように切断し、得られた繊維長が63.5cmの繊維5.0gを束ねた。その後、繊維束の中央を紐で括り、2つ折りにして紐の部分を固定して、ヘアーアイロン加工用の繊維束を作製した。次に、180℃に加熱したヘアーアイロン(米国IZUNAMI.INC社製、「IZUNAMI  ITC450  フラットアイロン」)にて、繊維束を固定している根元から毛先までを圧着しながら加熱する操作を5回繰り返し、櫛通り性評価用の繊維束を作製した。その後、髪梳き用の櫛(ドイツ製、「MATADOR  PROFESSIONAL  386.8  1/2F」)にて、櫛通り性評価用の繊維束を固定している根元から毛先まで100回櫛を通し、変形あるいは分裂した繊維の数から、以下の基準にて櫛通り性を評価した。A:櫛を100回通して変形あるいは分裂した繊維は10本未満で、最後まで抵抗なく櫛が通る
B:櫛を100回通して変形あるいは分裂した繊維は10本以上30本未満で、途中で抵抗がやや強くなるが櫛は通るレベル
C:櫛を100回通して変形あるいは分裂した繊維は30本以上100本未満で、途中で抵抗が強くなり、櫛の通らないことが1回以上20回未満の確率で発生するレベル
D:櫛を100回通して変形あるいは分裂した繊維は100本以上で、途中で抵抗が強くなり、櫛の通らないことが20回以上の確率で発生するレベル
 (実施例1)
 水分量100ppm以下に乾燥したポリエチレンテレフタレート(三菱化学株式会社製、商品名「BK-2180」)を二軸押出機に供給して、280℃で溶融混練し、ペレット化した。また、水分量100ppm以下に乾燥したナイロン66(デュポン株式会社製、商品名「Zytel(登録商標)-42A」)を二軸押出機に供給して、300℃で溶融混練し、ペレット化した。それぞれのペレットを水分率100ppm以下に乾燥させた。次いで、乾燥したペレットを溶融紡糸機に供給し、ポリエチレンテレフタレートについてはバレル設定温度280℃で、ナイロン66についてはバレル設定温度300℃で、下記表1に記載のノズル形状を有する芯鞘型複合紡糸口金より溶融ポリマーを吐出し、ガラス転移温度以下に冷却し、60~150m/分の速度で巻き取ってナイロン66を鞘部とし、ポリエチレンテレフタレートを芯部とし、ポリエチレンテレフタレートとナイロン66の芯鞘比率が面積比で芯:鞘=5:5である偏芯芯鞘複合繊維の未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を80℃で延伸を行い、3倍延伸糸とし、200℃に加熱したヒートロールを用いて、熱処理を行い、仕上げ油剤A(丸菱油化工業株式会社製、商品名「KWC-Q」)を0.20omf(乾燥繊維重量に対する油剤純分重量百分率)、及び仕上げ油剤B(丸菱油化工業株式会社製、商品名「KWC-B」)を0.10%omfとなるように付着させ、乾燥させた後、下記表1に示す単繊維繊度の複合繊維(マルチフィラメント)を得た。単繊維繊度は、上述した通りに測定したものであり、以下においても、同様である。
 (実施例2)
 芯鞘比率を面積比で芯:鞘=7:3に変更した以外は、実施例1と同様にして下記表1に示す単繊維繊度の複合繊維を得た。
 (実施例3)
 芯鞘比率を面積比で芯:鞘=2:8に変更した以外は、実施例1と同様にして下記表1に示す単繊維繊度の複合繊維を得た。
 (実施例4)
 紡糸時の溶融ポリマーの吐出量を実施例1の1.3倍とした以外は実施例1と同様にして下記表1に示す単繊維繊度の複合繊維を得た。
 (実施例5)
 ナイロン66の代わりに、水分量100ppm以下に乾燥したポリブチレンテレフタレート(三菱エンジニアリングプラスチツクス株式会社製、商品名「ノバデュラン5020」)を二軸押出機に供給して、260℃で溶融混練し、ペレット化したことと、バレル設定温度260℃で、下記表1に記載のノズル形状を有する芯鞘型複合紡糸口金より溶融ポリマーを吐出し、ポリブチレンテレフタレートを鞘部とし、ポリエチレンテレフタレートを芯部とし、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートの芯鞘比率が面積比で芯:鞘=5:5である偏芯芯鞘複合繊維の未延伸糸を得たこと以外は実施例1と同様にして下記表1に示す単繊維繊度の複合繊維を得た。
 (比較例1)
 下記表1に記載の断面形状とした以外は、実施例1と同様にして下記表1に示す単繊維繊度の複合繊維を得た。
 (比較例2)
 下記表1に記載の断面形状を有し、サイドバイサイド型の複合紡糸口金を用いた以外は、実施例1と同様にして複合繊維の取得を試みたが、延伸時に二成分が剥離してしまい、複合繊維が得られなかった。
 (比較例3)
 芯鞘比率を面積比で芯:鞘=8:2に変更した以外は、実施例1と同様にして複合繊維の取得を試みたが、芯部が繊維表面に露出してしまい、良好な複合繊維として成形できなかった。
 (比較例4)
 芯鞘比率を面積比で芯:鞘=1:9に変更した以外は、実施例1と同様にして下記表1に示す単繊維繊度の複合繊維を得た。
 (比較例5)
 偏芯度を0.0%とした以外は実施例1と同様にして下記表1に示す単繊維繊度の複合繊維(同心芯鞘複合繊維)を得た。
 (比較例6)
 水分量100ppm以下に乾燥したナイロン66を二軸押出機に供給して、300℃で溶融混練し、ペレット化した。このペレットを水分率100ppm以下に乾燥させた。次いで、乾燥したペレットを溶融紡糸機に供給し、バレル設定温度300℃で、下記表1に記載のノズル形状を有する紡糸口金より溶融ポリマーを吐出した以外は、実施例1と同様にして下記表1に示す単繊維繊度のポリアミド系繊維を得た。得られた繊維を長さが63.5cmになるように切断し、得られた繊維長が63.5cmの繊維5.0gを束ね、ハックリングにて意図的に繊維間のズレを作り、繊維束の長さを70cmとした。その後、繊維束の中央を紐で括り、2つ折りにして紐の部分を固定し、毛先から30cmの部分をインシュロックで固定して、ヘアーアイロン加工用の繊維束を作製した。次に、180℃に加熱したヘアーアイロン(米国Belson Products社製、「GOLD N HOT Professional Ceramic  Spring Curling Iron 1-1/4inch GH2150」)にて繊維束の先端を掴み、繊維束を固定している根元に巻き上げ、3秒間保持した後、カール形状が崩れないように手の上に乗せ、1秒以内に手を離してカールを付与した繊維束を作製した。
 (比較例7)
 下記表1に記載の断面形状とし、偏芯度を0.0%とした以外は、実施例1と同様にして下記表1に示す単繊維繊度の複合繊維を得た。
 実施例及び比較例の繊維の繊維断面を上述した評価法により評価し、その結果を下記表1に示した。また、実施例及び比較例の繊維の触感、外観、カール性、カール保持力及び櫛通り性を上述した評価法により評価し、その結果を下記表1に示した。図5~図8に、実施例3、比較例1、5及び6の繊維の繊維断面のレーザー顕微鏡写真(倍率400倍)を、それぞれ示した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 前記表1の結果から分かるように、実施例1~5の繊維は、人毛に似た触感及び外観(光沢)を有するとともに、潜在捲縮性によるカールを有することにより、カールセットしなくても優れたカール性を有し、カール保持性が極めて高く、外観や触感、櫛通り性も良好であった。一方、円形の断面を有する比較例1及び比較例7の繊維は、捲縮性が発現せず、外観や櫛通り性も劣っていた。また、単純なサイドバイサイド構造の比較例2の繊維は、二成分が剥離してしまい、複合繊維が得られなかった。さらに、比較例3の繊維は、芯部が繊維表面に露出してしまい、良好な複合繊維として成形できなかった。比較例4及び比較例5の繊維は、捲縮性に乏しく、カール性が確認できなかった。比較例6の繊維は、ヘアーアイロンによるカール付与直後は良好であったものの、カール保持力がかなり悪かった。
1 人工毛髪用芯鞘複合繊維(断面)
10 鞘部
11 繊維断面長軸の中心点
12 繊維断面長軸
13 繊維断面第1短軸
14 繊維断面第2短軸
20 芯部
21 芯部長軸の中心点
22 芯部長軸
23 芯部第1短軸

Claims (8)

  1.  芯部と鞘部で構成された人工毛髪用芯鞘複合繊維であって、
     前記人工毛髪用芯鞘複合繊維は、芯鞘比率が面積比で芯:鞘=2:8~7:3であり、偏芯度が5%以上であり、
     前記人工毛髪用芯鞘複合繊維は、扁平多葉形の断面形状を有し、繊維断面において、線対称軸及び線対称軸に平行するように繊維断面の外周の任意の二点を結んだ直線のうち、最大長となる直線である繊維断面長軸の長さと、前記繊維断面長軸に対して垂直になるように繊維断面の外周の任意の二つの点を結んだ際、最大長となる二つの点を結ぶ直線である繊維断面第1短軸の長さの比が1.10以上3.00以下であり、かつ、繊維断面において、芯部の線対称軸及び線対称軸に平行するように芯部の外周の任意の二点を結んだ直線のうち、最大長となる直線である芯部長軸の長さと、前記芯部長軸に対して垂直になるように芯部の外周の任意の二つの点を結んだ際、最大長となる二つの点を結ぶ直線である芯部第1短軸の長さの比が1.10以上3.00以下であり、繊維断面長軸方向と芯部長軸方向が略一致していることを特徴とする人工毛髪用芯鞘複合繊維。
  2.  前記繊維断面において、繊維断面長軸に対して垂直になるように繊維断面の外周の任意の二つの点を結んだ際、最小長となる二つの点を結ぶ直線である繊維断面第2短軸の長さと前記繊維断面第1短軸の長さの比が0.50以上1.00未満である請求項1に記載の人工毛髪用芯鞘複合繊維。
  3.  前記扁平多葉形は、二つの円形及び/又は楕円形が凹部を介して結合した扁平二葉形である請求項1又は2に記載の人工毛髪用芯鞘複合繊維。
  4.  前記人工毛髪用芯鞘複合繊維が、ポリエステル系樹脂組成物、ポリアミド系樹脂組成物、塩化ビニル系樹脂組成物、モダアクリル系樹脂組成物、ポリカーボネート系樹脂組成物、ポリオレフィン系樹脂組成物及びポリフェニレンサルファイド系樹脂組成物からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂組成物で構成される請求項1~3のいずれか一項に記載の人工毛髪用芯鞘複合繊維。
  5.  前記人工毛髪用芯鞘複合繊維の芯部及び/又は鞘部が、ポリアルキレンテレフタレート及びポリアルキレンテレフタレートを主体とした共重合ポリエステルからなる群から選ばれる1種以上のポリエステル系樹脂を含むポリエステル系樹脂組成物で構成される請求項1~4のいずれか一項に記載の人工毛髪用芯鞘複合繊維。
  6.  前記人工毛髪用芯鞘複合繊維の芯部及び/又は鞘部が、ナイロン6及びナイロン66からなる群から選ばれる少なくとも1種を主体としたポリアミド系樹脂を含むポリアミド系樹脂組成物で構成される請求項1~5のいずれか一項に記載の人工毛髪用芯鞘複合繊維。
  7.  請求項1~6のいずれか一項に記載の人工毛髪用芯鞘複合繊維を含むことを特徴とする頭飾製品。
  8.  前記頭飾製品が、ヘアーウィッグ、かつら、ウィービング、ヘアーエクステンション、ブレードヘアー、ヘアーアクセサリー及びドールヘアーからなる群から選ばれる一種である請求項7に記載の頭飾製品。
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