JP2022104322A - 人工毛髪用芯鞘複合繊維、それを含む頭飾製品及びその製造方法 - Google Patents

人工毛髪用芯鞘複合繊維、それを含む頭飾製品及びその製造方法 Download PDF

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【課題】淡色でありながら、取扱性が良好であり、人毛に近似した良好な触感及び外観を有する人工毛髪用芯鞘複合繊維、それを含む頭飾製品及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明は、1以上の実施形態において、芯部及び鞘部を含む人工毛髪用芯鞘複合繊維であって、前記人工毛髪用芯鞘複合繊維は、CIE1976色空間における明度L*が35以上であり、前記鞘部は、ポリアミド系樹脂を主成分として含むポリアミド系樹脂組成物で構成されており、前記鞘部は、ポリアミド系樹脂100重量部に対して黒色顔料を0.004重量部以上0.1重量部以下含み、かつ、前記鞘部におけるポリアミド系樹脂100重量部に対する黒色顔料の配合量は、前記芯部における主成分樹脂100重量部に対する黒色顔料の配合量より多いことを特徴とする人工毛髪用芯鞘複合繊維に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、人毛の代替品として使用できる人工毛髪用芯鞘複合繊維、それを含む頭飾製品及びその製造方法に関する。
かつら、ヘアーウィッグ、付け毛、ヘアーバンド、ドールヘアー等の頭飾製品においては、従来、人毛が使われていたが、近年、人毛の入手が困難となり、人毛に代わる人工毛髪の需要が高まっている。人工毛髪に用いられる合成繊維として、アクリル系繊維、塩化ビニル系繊維、塩化ビニリデン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維等が挙げられる。例えば、特許文献1には、人工毛髪用繊維として、ポリエステルを芯成分とし、ポリアミドを鞘成分とする芯鞘複合繊維が提案されている。
国際公開公報2017/187843号
しかしながら、特許文献1に記載のようなポリアミドを鞘成分とする繊維は、人毛に近い触感を有するものの、淡色に着色した場合、紡糸中に糸切れが発生する等の取扱性が悪い問題や、人毛のような深みのある自然な色相を実現することが困難であり、人毛とはかけ離れた外観になる問題等が懸念される。
本発明は、前記従来の問題を解決するため、淡色でありながら、取扱性が良好であり、人毛に近似した良好な触感及び外観を有する人工毛髪用芯鞘複合繊維、それを含む頭飾製品及びその製造方法を提供する。
本発明は、1以上の実施形態において、芯部及び鞘部を含む人工毛髪用芯鞘複合繊維であって、前記人工毛髪用芯鞘複合繊維は、CIE1976色空間における明度L*が35以上であり、前記鞘部は、ポリアミド系樹脂を主成分として含むポリアミド系樹脂組成物で構成されており、前記鞘部は、ポリアミド系樹脂100重量部に対して黒色顔料を0.004重量部以上0.1重量部以下含み、かつ、前記鞘部におけるポリアミド系樹脂100重量部に対する黒色顔料の配合量は、前記芯部における主成分樹脂100重量部に対する黒色顔料の配合量より多いことを特徴とする人工毛髪用芯鞘複合繊維に関する。
本発明は、前記人工毛髪用芯鞘複合繊維を含むことを特徴とする頭飾製品に関する。
本発明は、前記人工毛髪用芯鞘複合繊維の製造方法であって、芯部を構成する樹脂組成物及び鞘部を構成する樹脂組成物を芯鞘型複合ノズルを用いて溶融紡糸する工程を含み、前記人工毛髪用芯鞘複合繊維は、CIE1976色空間における明度L*が35以上であり、前記鞘部は、ポリアミド系樹脂を主成分として含むポリアミド系樹脂組成物で構成されており、前記ポリアミド系樹脂組成物は、ポリアミド系樹脂100重量部に対して黒色顔料を0.004重量部以上0.1重量部以下含み、かつ、前記鞘部におけるポリアミド系樹脂100重量部に対する黒色顔料の配合量は、前記芯部における主成分樹脂100重量部に対する黒色顔料の配合量より多いことを特徴とする人工毛髪用芯鞘複合繊維の製造方法に関する。
本発明は、淡色でありながら、取扱性が良好であり、人毛に近似した良好な触感及び外観を有する人工毛髪用芯鞘複合繊維、それを含む頭飾製品を提供することができる。
また、本発明の製造方法は、溶融紡糸にて、淡色であり、人毛に近似した良好な触感及び外観を有する人工毛髪用芯鞘複合繊維を製造する際の糸切れを効果的に抑制することができる。
図1は、本発明の1実施形態の人工毛髪用芯鞘複合繊維の繊維断面を示す模式図である。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、溶融紡糸にて製造される人工毛髪用合成繊維において、色味は基本的に各種顔料の配合によって付与されるところ、淡色の人工毛髪用合成繊維において、鞘部に添加する黒色顔料(好ましくはカーボンブラック)の添加量を所定の範囲にしつつ、黒色顔料(好ましくはカーボンブラック)を芯部より鞘部に多く添加することで、取扱性が良好であり、人毛に近い触感及び外観(自然な色味)を有する淡色の人工毛髪用繊維が得られることを見出した。
<淡色>
本発明の1以上の実施形態において、人工毛髪用芯鞘複合繊維は、淡色、すなわち、CIE1976色空間における明度L*(以下において、単に「L*」とも記す。)が35以上である。明度L*は、CIE1976(L*、a*、b*)色空間に用いられており、CIE1976(L*、a*、b*)色空間は人間の知覚的に均等な色空間として産業界で広く用いられており、一般的な色差計により測定される。なお、a*(正の値は赤方向、負の値は緑方向)及びb*(正の値は黄方向、負の値は青方向)は色度を意味する。
<芯鞘複合繊維の形状>
人工毛髪用芯鞘複合繊維及び芯部の断面形状は、特に限定されず、例えば円形でもよく、円形以外の異形でもよい。異形としては、例えば、楕円形、交差円形、繭形、だるま形、ドッグボーン形及びリボン形等が挙げられる。人工毛髪用芯鞘複合繊維の断面形状と芯部の断面形状は同じであってもよく、異なってもよい。図1は、本発明の1実施形態の人工毛髪用芯鞘複合繊維の繊維断面を示す模式図である。該実施形態の人工毛髪用芯鞘複合繊維1は、芯部10及び鞘部20を含み、繊維断面長軸方向と芯部断面長軸方向は一致しており、人工毛髪用芯鞘複合繊維1の断面形状と芯部10の断面形状はいずれも円形であり、芯部10は人工毛髪用芯鞘複合繊維1と同心円状に配置されている。
上述した繊維及び芯部の断面形状は、目的の断面形状に近い形状のノズル孔を使用することにより制御することができる。
人工毛髪用芯鞘複合繊維は、繊維断面における芯鞘比率(芯部と鞘部の割合)が、特に限定されないが、面積比で1:9~9:1の範囲が、複雑な外観の発現及び紡糸や断面安定性等の観点で好ましく、より好ましくは2:8~8:2であり、さらに好ましくは3:7~7:3である。
人工毛髪用芯鞘複合繊維は、人工毛髪に適するという観点から、繊維繊度が10dtex以上150dtex以下であることが好ましく、より好ましくは30dtex以上120dtex以下であり、さらに好ましくは40dtex以上100dtex以下であり、特に好ましくは50dtex以上90dtex以下である。
<芯鞘複合繊維の組成>
本発明の1以上の実施形態において、鞘部は、ポリアミド系樹脂を主成分として含むポリアミド系樹脂組成物(以下において、鞘部樹脂組成物とも記す。)で構成されるため、触感が良好になる。本発明の1以上の実施形態において、「ポリアミド系樹脂を主成分として含むポリアミド系樹脂組成物」とは、ポリアミド系樹脂組成物の合計重量を100重量%とした場合、ポリアミド系樹脂を67重量%以上含むことを意味し、75重量%以上含むことが好ましく、85重量%以上含むことがより好ましく、90重量%以上含むことがさらに好ましく、95重量%以上含むことがさらにより好ましい。
前記ポリアミド系樹脂は、ラクタム、アミノカルボン酸、ジカルボン酸及びジアミンの混合物、ジカルボン酸誘導体及びジアミンの混合物、並びにジカルボン酸及びジアミンの塩からなる群から選ばれる1種以上を、重合して得られるナイロン樹脂を意味する。
前記ラクタムの具体例としては、特に限定されないが、例えば、2-アゼチジノン、2-ピロリジノン、δ-バレロラクタム、ε-カプロラクタム、エナントラクタム、カプリルラクタム、ウンデカラクタム、及びラウロラクタムなどを挙げることができる。これらの中、ε-カプロラクタム、ウンデカラクタム、及びラウロラクタムが好ましく、特にε-カプロラクタムが好ましい。これらのラクタムは、1種で用いてもよく、2種以上の混合物で使用することもできる。
前記アミノカルボン酸の具体例としては、特に限定されないが、例えば、6-アミノカプロン酸、7-アミノヘプタン酸、8-アミノオクタン酸、9-アミノノナン酸、10-アミノデカン酸、11-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン酸などを挙げることができる。これらの中、6-アミノカプロン酸、11-アミノウンデカン酸、及び12-アミノドデカン酸が好ましく、特に6-アミノカプロン酸が好ましい。これらのアミノカルボン酸は、1種で用いてもよく、2種以上の混合物で使用することもできる。
前記ジカルボン酸及びジアミンの混合物、ジカルボン酸誘導体及びジアミンの混合物、又はジカルボン酸及びジアミンの塩で用いられるジカルボン酸の具体例としては、特に限定されないが、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシリン酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。これらの中、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、及びイソフタル酸が好ましく、特にアジピン酸、テレフタル酸、及びイソフタル酸が好ましい。これらのジカルボン酸は、1種で用いてもよく、2種以上の混合物で使用することもできる。
前記ジカルボン酸及びジアミンの混合物、ジカルボン酸誘導体及びジアミンの混合物、又はジカルボン酸及びジアミンの塩で用いられる。ジアミンの具体例としては、特に限定されないが、例えば、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、2-メチル-1,5-ジアミノペンタン(MDP)、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、1,13-ジアミノトリデカン、1,14-ジアミノテトラデカン、1,15-ジアミノペンタデカン、1,16-ジアミノヘキサデカン、1,17-ジアミノヘプタデカン、1,18-ジアミノオクタデカン、1,19-ジアミノノナデカン、1,20-ジアミノエイコサンなどの脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス-(4-アミノヘキシル)メタンなどの脂環式ジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミンなどの芳香族ジアミンなどが挙げられる。これらの中、特に脂肪族ジアミンが好ましく、とりわけヘキサメチレンジアミンが好ましく用いられる。これらのジアミンは、1種で用いてもよく、2種以上の混合物で使用することもできる。
前記ポリアミド系樹脂(ナイロン樹脂と称す場合がある。)としては、特に限定されないが、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6・10、ナイロン6・12、ナイロン6T及び/又は6I単位を含有する半芳香族ナイロン、並びにこれらナイロン樹脂の共重合体などを用いることが好ましい。とりわけ、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6及びナイロン66の共重合体がより好ましい。
前記ポリアミド系樹脂は、例えば、ポリアミド系樹脂原料を触媒の存在下または不存在下で加熱して行うポリアミド系樹脂重合方法により製造することができる。その重合時に攪拌はあっても無くてもよいが、均質な生成物を得るには攪拌した方が好ましい。重合温度は目的とする重合物の重合度、反応収率、反応時間に応じて任意に設定可能であるが、最終的に得られるポリアミド系樹脂の品質から低温の方が好ましい。反応率についても任意に設定できる。圧力について制限はないが揮発性成分を効率よく系外に抜出すためには系内を減圧とすることが好ましい。
本発明に用いられるポリアミド系樹脂は、必要に応じてカルボン酸化合物及びアミン化合物等の末端封鎖剤で末端を封鎖してもよい。モノカルボン酸又はモノアミンを添加して末端を封鎖する場合に、得られるナイロン樹脂の末端アミノ基又は末端カルボキシル基濃度は、当該末端封鎖剤を使用しない場合に比べて低下する。一方、ジカルボン酸又はジアミンで末端封鎖する場合は、末端アミノ基と末端カルボキシル基濃度の和は変化しないが、末端アミノ基と末端カルボキシル基との濃度の比率が変化する。
前記カルボン酸化合物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ウンデカン酸、ラウリル酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキン酸などの脂肪族モノカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、メチルシクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、エチル安息香酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシリン酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、オクタデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
前記アミン化合物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、2-エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、イコシルアミンなどの脂肪族モノアミン、シクロヘキシルアミン、メチルシクロヘキシルアミンなどの脂環式モノアミン、ベンジルアミン、β-フェニルエチルアミンなどの芳香族モノアミン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、1,13-ジアミノトリデカン、1,14-ジアミノテトラデカン、1,15-ジアミノペンタデカン、1,16-ジアミノヘキサデカン、1,17-ジアミノヘプタデカン、1,18-ジアミノオクタデカン、1,19-ジアミノノナデカン、1,20-ジアミノエイコサンなどの脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス-(4-アミノヘキシル)メタンなどの脂環式ジアミン、キシリレンジアミンなどの芳香族ジアミンなどが挙げられる。
前記ポリアミド系樹脂の末端基濃度は特に制限ないが、繊維用途で染色性を高める必要がある場合や樹脂用途でアロイ化に適した材料を設計する場合などには、末端アミノ基濃度が高い方が好ましい。また、長期エージング条件下での着色やゲル化を抑制したい場合などは逆に末端アミノ基濃度が低い方が好ましい。更に再溶融時のラクタム再生、オリゴマー生成による溶融紡糸時の糸切れ、連続射出成形時のモールドデポジット、フィルムの連続押出におけるダイマーク発生を抑制したい場合には末端カルボキシル基濃度及び末端アミノ基濃度が共に低い方が好ましい。適用する用途によって末端基濃度を調製すればよいが、末端アミノ基濃度、末端カルボキシル基濃度共に、好ましくは、1.0×10-5~15.0×10-5eq/g、より好ましくは2.0×10-5~12.0×10-5eq/g、特に好ましくは3.0×10-5~11.0×10-5eq/gである。
また、末端封鎖剤の添加方法としては重合初期にカプロラクタムなどの原料と同時に仕込む方法、重合途中で添加する方法、ナイロン樹脂を溶融状態で縦型攪拌式薄膜蒸発機を通過させる際に添加する方法などが採用される。末端封鎖剤はそのまま添加してもよいし、少量の溶剤に溶解して添加してもよい。
前記ポリアミド系樹脂は、樹脂物性、汎用性及びコストの観点から、好ましくは、ナイロン6及びナイロン66からなる群から選ばれる少なくとも1種を主体としたポリアミド系樹脂を含む。本発明の1以上の実施形態において、「ナイロン6及びナイロン66からなる群から選ばれる少なくとも1種を主体としたポリアミド系樹脂」とは、ナイロン6及び/又はナイロン66を80モル%以上含むポリアミド系樹脂を意味する。
前記鞘部樹脂組成物は、ポリアミド系樹脂100重量部に対して、黒色顔料を0.004重量部以上0.1重量部以下含む。黒色顔料が0.004重量部以上であることにより、人工毛髪用芯鞘複合繊維の溶融紡糸工程中、例えば、紡糸フィラメントの引き取り中や延伸時の糸切れを抑制することに加えて、人工毛髪用芯鞘複合繊維の搬送時や人工毛髪用芯鞘複合繊維を頭飾製品に加工する際の糸切れも抑制することができる。また、黒色顔料が0.004重量部以上であることにより、触感及び櫛通り性が良好になる。黒色顔料が0.1重量部以下であることにより、外観が人毛に近似し、触感及び櫛通り性も良好となる。前記鞘部樹脂組成物は、ポリアミド系樹脂100重量部に対して、黒色顔料を0.0045重量部以上0.05重量部以下含むことが好ましく、黒色顔料を0.005重量部以上0.03重量部以下含むことがより好ましい。
黒色顔料としては、原着繊維用を適宜用いることができ、例えば、炭素系黒色顔料、酸化物系黒色顔料等が挙げられる。炭素系黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、スピリットブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等が挙げられる。酸化物系黒色顔料としては、例えば、鉄酸化物、銅-クロム複合酸化物等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、樹脂中に分散しやすく、糸切れを抑制しやすい観点から、炭素系黒色顔料であることが好ましく、カーボンブラックであることがより好ましい。
黒色顔料は、特に限定されないが、例えば、平均粒子径が10nm以上500nm以下であることが好ましく、30nm以上300nm以下であることがより好ましい。黒色顔料の平均粒子径は、例えば、動的光散乱法に基づいて測定することができる。
本発明の1以上の実施形態において、前記鞘部におけるポリアミド系樹脂100重量部に対する黒色顔料の配合量は、前記芯部における主成分樹脂100重量部に対する黒色顔料の配合量より多い。これにより、人毛に近似した良好な外観、すなわち、深い色合いを有し、深みのある外観を発現することができる。人毛は、反射光が様々な色味を呈し、特有の深みのある複雑な外観が発現する。本発明の1以上の実施形態において、「芯部における主成分樹脂」とは、芯部を構成する樹脂組成物に含まれる樹脂中含有量が最も多い樹脂のことを意味する。本発明の1以上の実施形態において、前記鞘部におけるポリアミド系樹脂100重量部に対する黒色顔料の配合量は、前記芯部における主成分樹脂100重量部に対する黒色顔料の配合量の1.5倍以上であってもよく、2倍以上であってもよく、3倍以上であってもよい。
前記鞘部樹脂組成物は、意図する色味に合致するように、黒色顔料に加えて、黄色顔料、赤色顔料、青色顔料、紫色顔料等を適宜含むことができる。
前記鞘部に用いる顔料は、特に限定されないが、例えば、マスターバッチ化して用いることが好ましい。具体的には、ベース樹脂としてポリアミド系樹脂やポリエステル系樹脂などを用い、該ベース樹脂に顔料を添加し、溶融混練してペレット化した鞘部用顔料のマスターバッチを用いることができる。ポリアミド系樹脂としては、上述したものを適宜用いることができ、鞘部の主成分ポリアミド系樹脂と同様のものを用いてもよい。
前記鞘部を構成するポリアミド系樹脂組成物は、ポリアミド系樹脂に加えて他の樹脂を含んでもよい。他の樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、モダアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の1以上の実施形態において、特に限定されないが、カールセット性をより向上させる観点から、芯部は、ポリエステル系樹脂を主成分として含むポリエステル系樹脂組成物(以下において、「芯部樹脂組成物」とも記す。)で構成されていることが好ましい。本発明の1以上の実施形態において、「ポリエステル系樹脂を主成分として含むポリエステル系樹脂組成物」とは、ポリエステル系樹脂組成物の合計重量を100重量%とした場合、ポリエステル系樹脂を67重量%以上含むことを意味し、75重量%以上含むことが好ましく、85重量%以上含むことがより好ましく、90重量%以上含むことがさらに好ましく、95重量%以上含むことがさらにより好ましい。
前記ポリエステル系樹脂は、物性、汎用性、及びコストの観点から、好ましくは、ポリアルキレンテレフタレート、及び、ポリアルキレンテレフタレートを主体とした共重合ポリエステルからなる群から選ばれる1種以上である。本発明の1以上の実施形態において、「ポリアルキレンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステル」は、ポリアルキレンテレフタレートを80モル%以上含有する共重合ポリエステルをいう。
前記ポリアルキレンテレフタレートとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどが挙げられる。
前記ポリアルキレンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステルとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレートを主体とし、他の共重合成分を含有する共重合ポリエステルなどが挙げられる。
また、前記他の共重合成分としては、例えば、イソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの多価カルボン酸及びそれらの誘導体;5-ナトリウムスルホイソフタル酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸ジヒドロキシエチルなどのスルホン酸塩を含むジカルボン酸及びそれらの誘導体;1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、4-ヒドロキシ安息香酸、ε-カプロラクトン、ビスフェノールAのエチレングリコールエーテルなどが挙げられる。
さらに、前記共重合ポリエステルは、安定性及び操作の簡便性の点から、主体となるポリアルキレンテレフタレートに少量の他の共重合成分を含有させて反応させることにより製造するのが好ましい。ポリアルキレンテレフタレートとしては、テレフタル酸及び/又はその誘導体(例えば、テレフタル酸メチル)と、アルキレングリコールとの重合体を用いることができる。前記共重合ポリエステルは、主体となるポリアルキレンテレフタレートの重合に用いるテレフタル酸及び/又はその誘導体(例えば、テレフタル酸メチル)と、アルキレングリコールとの混合物に、少量の他の共重合成分であるモノマーあるいはオリゴマー成分を含有させたものを重合させることにより製造してもよい。
前記共重合ポリエステルは、主体となるポリアルキレンテレフタレートの主鎖及び/又は側鎖に上記他の共重合成分が重縮合していればよく、共重合の方法などには特別な限定はない。
前記ポリアルキレンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステルの具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートを主体とし、ビスフェノールAのエチレングリコールエーテル、1,4-シクロヘキサジメタノール、イソフタル酸及び5-ナトリウムスルホイソフタル酸ジヒドロキシエチルからなる群から選ばれる一種の化合物を共重合したポリエステルなどが挙げられる。
前記ポリアルキレンテレフタレート及び前記ポリアルキレンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステルは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、ポリエチレンテレフタレート;ポリプロピレンテレフタレート;ポリブチレンテレフタレート;ポリエチレンテレフタレートを主体とし、ビスフェノールAのエチレングリコールエーテルを共重合したポリエステル;ポリエチレンテレフタレートを主体とし、1,4-シクロヘキサンジメタノールを共重合したポリエステル;ポリエチレンテレフタレートを主体とし、イソフタル酸を共重合したポリエステル;及びポリエチレンテレフタレートを主体とし、5-ナトリウムスルホイソフタル酸ジヒドロキシエチルを共重合したポリエステルなどを単独又は2種以上組み合わせて用いることが好ましい。
前記ポリエステル樹脂の固有粘度(IV値と称す場合がある)は、特に限定されないが、0.3以上1.2以下であることが好ましく、0.4以上1.0以下であることがより好ましい。固有粘度が0.3以上であると、得られる繊維の機械的強度が低下せず、燃焼試験時にドリップする恐れもない。また、固有粘度が1.2以下であると、分子量が増大しすぎず、溶融粘度が高くなり過ぎることがなく、溶融紡糸が容易となるうえ、繊度も均一になりやすい。
前記芯部樹脂組成物において、ポリエステル系樹脂(主成分樹脂)100重量部に対する黒色顔料の配合量は、前記鞘部樹脂組成物におけるポリアミド系樹脂100重量部に対する黒色顔料の配合量より少なくなるように、色味に合わせて適宜調整することができる。
前記芯部樹脂組成物は、特に限定されないが、例えば、人毛に近似した良好な外観が得られるといった観点から、ポリエステル系樹脂(主成分樹脂)100重量部に対して黒色顔料を0.001重量部以上0.05重量部以下含むことが好ましい。
前記芯部樹脂組成物は、意図する色味に合致するように、黒色顔料に加えて、黄色顔料、赤色顔料、青色顔料、紫色顔料等を適宜含むことができる。
前記芯部に用いる顔料は、特に限定されないが、例えば、マスターバッチ化して用いることが好ましい。具体的には、ベース樹脂としてポリエステル系樹脂を用い、該ベース樹脂に顔料を添加し、溶融混練してペレット化した芯部用顔料のマスターバッチを用いることができる。ポリエステル系樹脂としては、上述したものを適宜用いることができ、芯部の主成分ポリエステル系樹脂と同様のものを用いてもよい。
前記芯部樹脂組成物は、主成分樹脂であるポリエステル系樹脂に加えて他の樹脂を含んでも良い。他の樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、モダアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記人工毛髪用芯鞘複合繊維は、触感と外観を人毛により近似させ、カール性及びカール保持性をより向上させる観点から、芯部をポリアルキレンテレフタレート及びポリアルキレンテレフタレートを主体とした共重合ポリエステルからなる群から選ばれる1種以上のポリエステル樹脂を主成分として含むポリエステル系樹脂組成物で構成することが好ましく、鞘部をナイロン6及びナイロン66からなる群から選ばれる少なくとも1種を主体としたポリアミド系樹脂を主成分として含むポリアミド系樹脂組成物で構成することがより好ましい。
本発明の1以上の実施形態において、難燃性の観点から、難燃剤を併用してもよい。前記難燃剤としては、臭素含有難燃剤やリン含有難燃剤等が挙げられる。前記リン含有難燃剤として、例えば、リン酸エステルアミド化合物、有機環状リン系化合物などが挙げられる。前記臭素系難燃剤としては、特に限定されないが、例えば、臭素化エポキシ系難燃剤;ペンタブロモトルエン、ヘキサブロモベンゼン、デカブロモジフェニル、デカブロモジフェニルエーテル、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、テトラブロモ無水フタル酸、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、オクタブロモトリメチルフェニルインダン、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートなどの臭素含有リン酸エステル類;臭素化ポリスチレン類;臭素化ポリベンジルアクリレート類;臭素化フェノキシ樹脂;臭素化ポリカーボネートオリゴマー類;テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA-ビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA-ビス(アリルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA-ビス(ヒドロキシエチルエーテル)などのテトラブロモビスフェノールA誘導体;トリス(トリブロモフェノキシ)トリアジンなどの臭素含有トリアジン系化合物;トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレートなどの臭素含有イソシアヌル酸系化合物などが挙げられる。中でも、耐熱性及び難燃性の観点から、臭素化エポキシ系難燃剤を用いることが好ましい。
前記臭素化エポキシ系難燃剤は、原料としては分子末端がエポキシ基又はトリブロモフェノールからなる臭素化エポキシ系難燃剤を用いることができるが、臭素化エポキシ系難燃剤の溶融混練後の構造は、特に限定されず、下記式(1)に示す構成ユニットと下記式(1)の少なくとも一部が改変した構成ユニットの総数を100モル%とした場合、80モル%以上が下記式(1)で示す構成ユニットであることが好ましい。前記臭素化エポキシ系難燃剤は、溶融混練後に、構造が分子末端で変化してもよい。例えば、前記臭素化エポキシ系難燃剤の分子末端がエポキシ基又はトリブロモフェノール以外の水酸基、リン酸基、ホスホン酸基などに置換されていてもよく、分子末端がポリエステル成分とエステル基で結合していてもよい。
Figure 2022104322000001
また、臭素化エポキシ系難燃剤の分子末端以外の構造の一部が変化してもよい。例えば、臭素化エポキシ系難燃剤の二級水酸基とエポキシ基が結合して分岐構造となっていてもよく、臭素化エポキシ系難燃剤分子中の臭素含有量が大きく変化しなければ、前記式(1)の臭素の一部が脱離又は付加してもよい。
前記臭素化エポキシ系難燃剤としては、例えば、下記式(2)に示しているような高分子型の臭素化エポキシ系難燃剤が好ましく用いられる。下記式(2)において、mは1~1000である。下記式(2)に示しているような高分子型の臭素化エポキシ系難燃剤としては、例えば、阪本薬品工業株式会社製の臭素化エポキシ系難燃剤(商品名「SR-T2MP」)などの市販品を用いてもよい。
Figure 2022104322000002
前記臭素化エポキシ系難燃剤は、特に限定されないが、例えば、芯部樹脂組成物及び/又は鞘部樹脂組成物において、主成分樹脂100重量部に対して5重量部以上40重量部以下含ませることが好ましい。例えば、耐熱性と難燃性の観点から、芯部をポリアルキレンテレフタレート及びポリアルキレンテレフタレートを主体とした共重合ポリエステルからなる群から選ばれる1種以上のポリエステル樹脂100重量部と、臭素化エポキシ系難燃剤5重量部以上40重量部以下を含むポリエステル系樹脂組成物で構成され、鞘部をナイロン6及びナイロン66からなる群から選ばれる少なくとも1種を主体としたポリアミド系樹脂100重量部と、臭素化エポキシ系難燃剤5重量部以上40重量部以下を含むポリアミド系樹脂組成物で構成することが好ましい。
本発明の1以上の実施形態において、難燃助剤を併用してもよい。前記難燃助剤は、特に限定されないが、難燃性の観点から、アンチモン系化合物やアンチモンを含む複合金属等を用いることが好ましい。前記アンチモン系化合物としては、例えば、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、アンチモン酸カリウム、アンチモン酸カルシウムなどが挙げられる。難燃性改良効果や触感への影響から、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、及びアンチモン酸ナトリウムからなる群から選ばれる一種以上がより好ましい。
前記難燃助剤は、特に限定されないが、例えば、芯部樹脂組成物及び/又は鞘部樹脂組成物において、主成分樹脂100重量部に対して0.1重量部以上10重量部以下含ませることが好ましい。
前記人工毛髪用芯鞘複合繊維は、必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲内で、耐熱剤、安定剤、蛍光剤、酸化防止剤、静電防止剤などの各種添加剤を含有してもよい。
<製造方法>
本発明の1以上の実施形態において、人工毛髪用芯鞘複合繊維は、芯部及び鞘部を構成するそれぞれの樹脂組成物を種々の一般的な混練機を用いて溶融混練した後、芯鞘型複合紡糸ノズルを用いて、溶融紡糸することにより作製することができる。
例えば、上述したポリエステル樹脂、顔料のマスターバッチ、臭素化エポキシ系難燃剤などの各成分をドライブレンドしたポリエステル系樹脂組成物を、種々の一般的な混練機を用いて溶融混練して芯部樹脂組成物とする。上述したポリアミド系樹脂、顔料のマスターバッチ、臭素化エポキシ系難燃剤などの各成分をドライブレンドしたポリアミド系樹脂組成物を、種々の一般的な混練機を用いて溶融混練して鞘部樹脂組成物とする。その後、鞘部樹脂組成物及び芯部樹脂組成物を芯鞘型複合紡糸ノズルを用いて溶融紡糸することにより人工毛髪用芯鞘複合繊維を作製することができる。前記混練機としては、例えば、一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどが挙げられる。中でも、二軸押出機が、混練度の調整、操作の簡便性の点から好ましい。
本発明の1以上の実施形態において、ポリエステル系樹脂組成物は、押出機、ギアポンプ、ノズルなどの温度を250℃以上300℃以下とし、ポリアミド系樹脂組成物は、押出機、ギアポンプ、ノズルなどの温度を260℃以上320℃以下とし、溶融紡糸した後、それぞれの樹脂のガラス転移点以下に冷却し、50m/分以上5000m/分以下の速度で引き取ることにより紡出糸条(未延伸糸)が得られる。
具体的には、溶融紡糸の際、芯部を構成するポリエステル系樹脂組成物は溶融紡糸機の芯部用押出機で供給し、鞘部を構成するポリアミド系樹脂組成物は溶融紡糸機の鞘部用押出機で供給し、所定の形状を有する芯鞘型複合紡糸ノズル(孔)にて溶融ポリマーを吐出することで紡出糸条(未延伸糸)を得る。
紡出糸条(未延伸糸)は熱延伸されることが好ましい。延伸は、紡出糸条を一旦巻き取ってから延伸する2工程法と、紡出糸条を巻き取ることなく連続して延伸する直接紡糸延伸法の何れの方法によって行ってもよい。熱延伸は、1段延伸法又は2段以上の多段延伸法で行われる。
熱延伸における加熱手段としては、加熱ローラ、ヒートプレート、スチームジェット装置、温水槽などを使用することができ、これらを適宜併用することもできる。
人工毛髪用芯鞘複合繊維に繊維処理剤、柔軟剤などの油剤を付与し、触感、風合いをより人毛に近づけてもよい。繊維処理剤としては、例えば、触感や櫛通り性を向上させるためのシリコーン系繊維処理剤や非シリコーン系繊維処理剤などが挙げられる。
人工毛髪用芯鞘複合繊維は、ギアクリンプによる加工を施してもよい。これにより繊維に緩やかな屈曲を付与し、自然な外観が得られ、繊維間の密着性が低下することから櫛通り性も向上する。このギアクリンプによる加工では、一般的に、繊維を軟化温度以上に加熱した状態で2つの噛み合った歯車の間を通過させ、この歯車の形状を転写させることで繊維屈曲を発現させる。また、必要に応じて、繊維加工段階において、異なる温度で人工毛髪用芯鞘複合繊維を熱処理することで、異なる形状のカールを発現することができる。
<頭飾製品>
人工毛髪用芯鞘複合繊維は、頭飾製品であれば特に限定することなく用いることができる。例えば、ヘアーウィッグ、かつら、ウィービング、ヘアーエクステンション、ブレードヘアー、ヘアーアクセサリー及びドールヘアーなどに用いることができる。
頭飾製品は、本発明の人工毛髪用芯鞘複合繊維のみで構成されていてもよく、本発明の人工毛髪用芯鞘複合繊維に、他の人工毛髪用繊維、人毛や獣毛等の天然繊維を組み合わせてもよい。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例で用いた測定方法及び評価方法は、以下のとおりである。
(カーボンブラックの平均粒子径)
カーボンブラックの平均粒子径は、大塚電子株式会社製のダイナミック光散乱光度計「DLS-8000HL/HH」にて測定した。
(芯鞘比率)
室温にて、繊維を束ね、繊維束(総繊度550dtex)がズレないように収縮チューブで固定した後、カッターで輪切りにし、断面観察用繊維束を作製した。この繊維束をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス社製、「VK-9500」)にて500倍の倍率で撮影し、得られた繊維断面写真をもとに芯鞘比率を評価した。
(色調測定)
芯鞘複合繊維の色は、色相測定器「MAMBO(Bossa Nova Technologies(BNT)社製)」を使用して、色情報を数値化することで繊維の側面のRGB値を測定し、当該RGBの値からL***を算出することで取得した。
(糸切れ)
芯鞘複合繊維の未延伸糸を10分巻き取ったボビンを目視で観察し、ボビンからはみ出して糸切れしている繊維の本数を計測し、以下の基準にて評価した。A及びBは合格であり、Cは不合格である。
A:ボビンからはみ出して糸切れしている繊維が確認されない
B:ボビンからはみ出して糸切れしている繊維が1本以上5本未満
C:ボビンからはみ出して糸切れしている繊維が5本以上
(触感)
専門美容師による官能評価を行い、以下の3段階の基準で評価した。A及びBは合格であり、Cは不合格である。
A:人毛と同等の非常に良好な触感
B:人毛に比べやや劣るが良好な触感
C:人毛に比べ劣る悪い触感
(外観評価)
実施例及び比較例における繊維の外観は、専門美容師による官能評価を行い、以下の3段階の基準で評価した。A及びBは合格であり、Cは不合格である。
A:人毛と外観が同等(深い色合いを有し、深みのある外観が発現し極めて良好)
B:人毛と外観がほぼ同等(深い色合いを有し、深みのある外観が発現し良好)
C:人毛に比べ外観が劣る悪い外観
(櫛通り性)
カールを完全に伸ばした状態で、繊維を長さが70cmになるように切断し、得られた繊維長が70cmの繊維25gを束ねた。その後、繊維束の中央を紐で括り、2つ折りにして紐の部分を固定して、ヘアーアイロン加工用の繊維束を作製した。次に、180℃に加熱したヘアーアイロン(米国IZUNAMI.INC社製、「IZUNAMI ITC450 フラットアイロン」)にて、繊維束を固定している根元から毛先までを圧着しながら加熱する操作を5回繰り返し、櫛通り性評価用の繊維束を作製した。その後、髪梳き用の櫛(ドイツ製、「MATADOR PROFESSIONAL 386.8 1/2F」)にて、櫛通り性評価用の繊維束を固定している根元から毛先まで100回櫛を通し、変形あるいは分裂した繊維の数から、以下の基準にて櫛通り性を評価した。A及びBは合格であり、Cは不合格である。
A:櫛を100回通して変形あるいは分裂した繊維は10本未満で、最後まで抵抗なく櫛が通る
B:櫛を100回通して変形あるいは分裂した繊維は10本以上30本未満で、途中で抵抗がやや強くなるが櫛は通るレベル
C:櫛を100回通して変形あるいは分裂した繊維は30本以上で、途中で抵抗が強くなり、櫛の通らないことが1回以上の確率で発生するレベル
(実施例1)
水分量100ppm以下に乾燥したポリエチレンテレフタレートペレット(East West Chemical Private Limited製、EastPET 商品名「A-12」、以下「PET」とも記す)100重量部に対し、臭素化エポキシ系難燃剤(阪本薬品工業製、商品名「SR-T2MP」)30重量部、アンチモン酸ナトリウム(日本精鉱製、商品名「SA-A」)3重量部、黒色顔料マスターバッチ(大日精化工業製、商品名「PESM22367BLACK(1)」、顔料:カーボンブラック、平均粒子径30nm、濃度1重量%、ベース樹脂:ポリエステル系樹脂)0.12重量部、黄色顔料マスターバッチ(大日精化工業製、商品名「PESM1001YELLOW(20)」、顔料:20重量%、ベース樹脂:ポリエステル系樹脂)0.1重量部、赤色顔料マスターバッチ(大日精化工業製、商品名「PESM3005RED(1)」、顔料:20重量%、ベース樹脂:ポリエステル系樹脂)0.2重量部を添加し、ドライブレンド後に二軸押出機に供給し、バレル設定温度280℃にて溶融混練を行い、ペレット化した後に水分量100ppm以下に乾燥させてポリエステル系樹脂組成物を得た。
続いて、水分量1000ppm以下に乾燥したナイロン6(ユニチカ製、商品名「A1030BRL」、以下「PA6」とも記す)100重量部に対し、臭素化エポキシ系難燃剤(阪本薬品工業製、商品名「SR-T2MP」)12重量部、アンチモン酸ナトリウム(日本精鉱製、商品名「SA-A」)2重量部、黒色顔料マスターバッチ(大日精化工業製、商品名「PESM22367BLACK(1)」、顔料:カーボンブラック、平均粒子径30nm、濃度1重量%、ベース樹脂:ポリエステル系樹脂)0.48重量部、黄色顔料マスターバッチ(大日精化工業製、商品名「PESM1001YELLOW(20)」、顔料:20重量%、ベース樹脂:ポリエステル系樹脂)0.1重量部、赤色顔料マスターバッチ(大日精化工業製、商品名「PESM3005RED(1)」、顔料:1重量%、ベース樹脂:ポリエステル系樹脂)0.2重量部を添加し、ドライブレンド後に二軸押出機に供給し、バレル設定温度260℃にて溶融混練を行い、ペレット化した後に、水分量1000ppm以下に乾燥させてポリアミド系樹脂組成物を得た。
次に当該ペレット状のポリエステル系樹脂組成物及びポリアミド系樹脂組成物を、それぞれ押出機に供給し、設定温度280℃の同心円状の芯鞘型複合紡糸ノズル(孔数120、孔直径1.5mm)より押出し、40~200m/分の速度で巻き取って、ポリエステル系樹脂組成物を芯部とし、ポリアミド系樹脂組成物を鞘部とし、ポリエステル系樹脂組成物とポリアミド系樹脂組成物の芯鞘比率が面積比で5:5の芯鞘複合繊維の未延伸糸を得た。
得られた未延伸糸を85℃のヒートロールを用いて45m/分の速度で引き取りながら延伸を行い、3倍延伸糸とし、さらに連続して205℃に加熱したヒートロールを用いて45m/分の速度で巻き取り、熱処理を行い、ポリエーテル系油剤(丸菱油化工業製、商品名「KWC-Q」)を0.20%omf(乾燥繊維重量に対する油剤純分重量百分率)となるよう付着させた後、乾燥させて図1に示す断面形状を有する芯鞘複合繊維(単繊維繊度58dtex)を得た。
(実施例2)
芯部のポリエステル系樹脂組成物の顔料配合を、黒色顔料マスターバッチ(大日精化工業製、商品名「PESM22367BLACK(20)」、顔料:カーボンブラック、平均粒子径30nm、濃度20重量%、ベース樹脂:ポリエステル系樹脂)0.08重量部、黄色顔料マスターバッチ(大日精化工業製、商品名「PESM1001YELLOW(20)」、顔料:20重量%、ベース樹脂:ポリエステル系樹脂)0.7重量部、赤色顔料マスターバッチ(大日精化工業製、商品名「PESM3005RED(20)」、顔料:20重量%、ベース樹脂:ポリエステル系樹脂)0.4重量部、鞘部のポリアミド系樹脂組成物の顔料配合を、黒色顔料マスターバッチ(大日精化工業製、商品名「PESM22367BLACK(20)」、顔料:カーボンブラック、平均粒子径30nm、濃度20重量%、ベース樹脂:ポリエステル系樹脂)0.12重量部、黄色顔料マスターバッチ(大日精化工業製、商品名「PESM1001YELLOW(20)」、顔料:20重量%、ベース樹脂:ポリエステル系樹脂)0.7重量部、赤色顔料マスターバッチ(大日精化工業製、商品名「PESM3005RED(20)」、顔料:20重量%、ベース樹脂:ポリエステル系樹脂)0.4重量部とし、芯鞘比率を7:3とした以外は、実施例1と同様にして芯鞘複合繊維(単繊維繊度62dtex)を得た。
(実施例3)
芯部のポリエステル系樹脂組成物の顔料配合を、黒色顔料マスターバッチ(大日精化工業製、商品名「PESM22367BLACK(1)」、顔料:カーボンブラック、平均粒子径30nm、濃度1重量%、ベース樹脂:ポリエステル系樹脂)1重量部、青色顔料マスターバッチ(大日精化工業製、商品名「K-501(30)」、顔料:30重量%、ベース樹脂:ポリエステル系樹脂)0.02重量部、紫色顔料マスターバッチ(大日精化工業製、商品名「K-407(20)」、顔料:20重量%、ベース樹脂:ポリエステル系樹脂)0.07重量部、鞘部に用いる樹脂をナイロン66(東レ社製、商品名「アミランCM3001」、以下「PA66」とも記す)とし、鞘部のポリアミド系樹脂組成物の顔料配合を、黒色顔料マスターバッチ(大日精化工業製、商品名「PESM22367BLACK(1)」、顔料:カーボンブラック、平均粒子径30nm、濃度1重量%、ベース樹脂:ポリエステル系樹脂)3重量部、青色顔料マスターバッチ(大日精化工業製、商品名「K-501(30)」、顔料:30重量%、ベース樹脂:ポリエステル系樹脂)0.02重量部、紫色顔料マスターバッチ(大日精化工業製、商品名「K-407(20)」、顔料:20重量%、ベース樹脂:ポリエステル系樹脂)0.07重量部とし、バレル設定温度280℃にて溶融混練を行い、芯鞘比率を面積比で3:7とした以外は、実施例1と同様にして芯鞘複合繊維(単繊維繊度55dtex)を得た。
(実施例4)
芯部に用いる主成分樹脂をポリブチレンテレフタレートペレット(三菱ケミカル社製、商品名「ノバデュラン5020」、以下「PBT」とも記す)とし、バレル設定温度260℃にて溶融混練を行い、ペレット化して得たポリエステル系樹脂組成物を芯部とし、ノズル設定温度を260℃とした以外は、実施例1と同様にして芯鞘複合繊維(単繊維繊度58dtex)を得た。
(比較例1)
芯部のポリエステル系樹脂組成物の顔料配合を、黒色顔料マスターバッチ(大日精化工業製、商品名「PESM22367BLACK(1)」、顔料:カーボンブラック、平均粒子径30nm、濃度1重量%、ベース樹脂:ポリエステル系樹脂)0.24重量部、黄色顔料マスターバッチ(大日精化工業製、商品名「PESM1001YELLOW(20)」、顔料20重量%、ベース樹脂:ポリエステル系樹脂)0.1重量部、赤色顔料マスターバッチ(大日精化工業製、商品名「PESM3005RED(1)」、顔料1重量%、ベース樹脂:ポリエステル系樹脂)0.2重量部、鞘部のポリアミド系樹脂組成物の顔料配合を、黒色顔料マスターバッチ(大日精化工業製、商品名「PESM22367BLACK(1)」、顔料:カーボンブラック、平均粒子径30nm、濃度1重量%、ベース樹脂:ポリエステル系樹脂)0.36重量部、黄色顔料マスターバッチ(大日精化工業製、商品名「PESM1001YELLOW(20)」、顔料:20重量%、ベース樹脂:ポリエステル系樹脂)0.1重量部、赤色顔料マスターバッチ(大日精化工業製、商品名「PESM3005RED(1)」、顔料:1重量%、ベース樹脂:ポリエステル系樹脂)0.2重量部とした以外は、実施例1と同様にして芯鞘複合繊維(単繊維繊度58dtex)を得た。
(比較例2)
芯部のポリエステル系樹脂組成物の顔料配合を、黒色顔料マスターバッチ(大日精化工業製、商品名「PESM22367BLACK(20)」、顔料:カーボンブラック、平均粒子径30nm、濃度20重量%、ベース樹脂:ポリエステル系樹脂)0.15重量部、黄色顔料マスターバッチ(大日精化工業製、商品名「PESM1001YELLOW(20)」、顔料:20重量%、ベース樹脂:ポリエステル系樹脂)0.7重量部、赤色顔料マスターバッチ(大日精化工業製、商品名「PESM3005RED(20)」、顔料:20重量%、ベース樹脂:ポリエステル系樹脂)0.4重量部、鞘部のポリアミド系樹脂組成物の顔料配合を、黒色顔料マスターバッチ(大日精化工業製、商品名「PESM22367BLACK(20)」、顔料:カーボンブラック、平均粒子径30nm、濃度20重量%、ベース樹脂:ポリエステル系樹脂)0.05重量部、黄色顔料マスターバッチ(大日精化工業製、商品名「PESM1001YELLOW(20)」、顔料:20重量%、ベース樹脂:ポリエステル系樹脂)0.7重量部、赤色顔料マスターバッチ(大日精化工業製、商品名「PESM3005RED(20)」、顔料:20重量%、ベース樹脂:ポリエステル系樹脂)0.4重量部とし、芯鞘比率を5:5とした以外は、実施例2と同様にして芯鞘複合繊維(単繊維繊度58dtex)を得た。
実施例及び比較例において、色調、糸切れ、触感、外観及び櫛通り性を上述したとおりに測定評価した。これらの結果を下記表1に示した。下記表1において、カーボンブラックの配合量は主成分樹脂100重量に対する配合量を示した。
Figure 2022104322000003
上記表1から分かるように、実施例1~4の芯鞘複合繊維は、鞘部におけるポリアミド系樹脂100重量部に対するカーボンブラックの添加量が0.004重量部以上かつ芯部よりも鞘部に添加するカーボンブラック添加量が多いことから、ボビンにおける糸切れが少なく、人毛同等の触感及び外観を有し、櫛通り性も良好であった。一方、比較例1の芯鞘複合繊維は、鞘部のカーボンブラックの添加量が0.004重量部未満であることから、ボビンにおいて、糸切れが発生する上、櫛通り性も劣っていた。比較例2の芯鞘複合繊維は、鞘部よりも芯部に添加するカーボンブラックの添加量が多いことから、鞘部カーボンブラック添加量が少なく、人毛のような深みのある自然な色合いを発現せず、良好な外観が得られなかった。
1 人工毛髪用芯鞘複合繊維(断面)
10 芯部
20 鞘部

Claims (9)

  1. 芯部及び鞘部を含む人工毛髪用芯鞘複合繊維であって、
    前記人工毛髪用芯鞘複合繊維は、CIE1976色空間における明度L*が35以上であり、
    前記鞘部は、ポリアミド系樹脂を主成分として含むポリアミド系樹脂組成物で構成されており、
    前記鞘部は、ポリアミド系樹脂100重量部に対して黒色顔料を0.004重量部以上0.1重量部以下含み、かつ、前記鞘部におけるポリアミド系樹脂100重量部に対する黒色顔料の配合量は、前記芯部における主成分樹脂100重量部に対する黒色顔料の配合量より多い、ことを特徴とする人工毛髪用芯鞘複合繊維。
  2. 前記黒色顔料は、カーボンブラックである請求項1に記載の人工毛髪用芯鞘複合繊維。
  3. 前記芯部は、ポリエステル系樹脂を主成分として含むポリエステル系樹脂で構成されている、請求項1又は2に記載の人工毛髪用芯鞘複合繊維。
  4. 前記ポリアミド系樹脂は、ナイロン6及びナイロン66からなる群から選ばれる少なくとも1種を主体としたポリアミド系樹脂を含む、請求項1~3のいずれかに記載の人工毛髪用芯鞘複合繊維。
  5. 前記ポリエステル系樹脂は、ポリアルキレンテレフタレート及びポリアルキレンテレフタレートを主体とした共重合ポリエステルからなる群から選ばれる1種以上のポリエステル系樹脂を含む、請求項1~4のいずれかに記載の人工毛髪用芯鞘複合繊維。
  6. 前記人工毛髪用芯鞘複合繊維は、繊維断面における芯鞘比率が面積比で芯:鞘が3:7~7:3である、請求項1~5のいずれかに記載の人工毛髪用芯鞘複合繊維。
  7. 請求項1~6のいずれかに記載の人工毛髪用芯鞘複合繊維を含むことを特徴とする頭飾製品。
  8. 前記頭飾製品が、ヘアーウィッグ、かつら、ウィービング、ヘアーエクステンション、ブレードヘアー、ヘアーアクセサリー及びドールヘアーからなる群から選ばれる一種である、請求項7に記載の頭飾製品。
  9. 請求項1~6のいずれかに記載の人工毛髪用芯鞘複合繊維の製造方法であって、
    芯部を構成する樹脂組成物及び鞘部を構成する樹脂組成物を芯鞘型複合ノズルを用いて溶融紡糸する工程を含み、
    前記人工毛髪用芯鞘複合繊維は、CIE1976色空間における明度L*が35以上であり、
    前記鞘部は、ポリアミド系樹脂を主成分として含むポリアミド系樹脂組成物で構成されており、
    前記ポリアミド系樹脂組成物は、ポリアミド系樹脂100重量部に対して黒色顔料を0.004重量部以上0.1重量部以下含み、かつ、前記鞘部におけるポリアミド系樹脂100重量部に対する黒色顔料の配合量は、前記芯部における主成分樹脂100重量部に対する黒色顔料の配合量より多い、人工毛髪用芯鞘複合繊維の製造方法。
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