WO2018155411A1 - ポリエステルエラストマー樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

ハロゲン系難燃剤を使用せずに、優れた難燃性と機械特性を有する難燃性ポリエステルエラストマー組成物であり、芳香族ジカルボン酸と脂肪族又は脂環族ジオールを構成成分とするポリエステルからなるハードセグメントと、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル及び脂肪族ポリカーボネートから選ばれる少なくとも1種のソフトセグメントとで構成されてなるポリエステルエラストマー(A)100質量部に対して、リン系難燃剤(B)10~50質量部、及びヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤(C)0.1~5質量部を含有しているポリエステルエラストマー樹脂組成物である。

Description

ポリエステルエラストマー樹脂組成物
 本発明はハロゲン化合物を使用せずに、優れた難燃性と機械特性を有する難燃性ポリエステルエラストマー樹脂組成物に関する。
 熱可塑性ポリエステルエラストマーの難燃性を改良するためにハロゲン系難燃剤を配合することが知られている。しかしながら、このようにハロゲン化合物を用いた熱可塑性ポリエステルエラストマーは燃焼時に有毒ガスを発生するため、使用用途が制限されている。従って、ハロゲン系難燃剤を使用しないで熱可塑性ポリエステルエラストマーの難燃性を向上させることが望まれている。
 これらの要求に応えるために、樹脂の燃焼温度において吸熱反応により分解および脱水反応を起こして樹脂の燃焼を抑制し得る、特定の金属水和物を無機難燃剤として配合する方法が最近提案されている。しかしながら、この方法で用いられる金属水和物は、難燃性付与効果が極めて微弱であるために、難燃効果を出すためにはこれを多量に配合することが必要となる。その結果、得られる難燃性樹脂組成物の成形加工性が低下し、得られる成形物の機械的強度が低下する等の問題が生じる。
 そこで近年、前記の要求に応えるために、エチレンジアミンホスフェートとメラミン及び/またはシアヌル酸誘導体の塩、例えばリン酸メラミン等とを組み合わせた火災予防用材料(特許文献1)や、リン酸アルキルジアミンの如きリン酸塩を難燃剤として配合した難燃性熱可塑性樹脂組成物(特許文献2)等、特定のリン化合物を用いる手法が提案されている。
 また、燃焼時に表面膨張層(Intumescent)を形成させ、分解生成物の拡散や伝熱を抑制することによって難燃性を発揮させる、イントメッセント系難燃剤も開示されている(特許文献3)。しかしながら、これらのリン系難燃剤をもってしても、ポリエステルエラストマーに高い難燃性を付与するには、多量の配合が必要となり、得られる成形品の機械的強度や樹脂粘度および耐加水分解性が低下(劣化)するという欠点があった。
特開昭50-107044号公報 特開昭50-109946号公報 特開昭59-47285号公報
 本発明はかかる従来技術の現状に鑑み創案されたものであり、その目的とするところはハロゲン系難燃剤を使用せずに、優れた難燃性と機械特性を有する難燃性ポリエステルエラストマー樹脂組成物を提供することにある。
 本発明者は上記目的を達成するためにハロゲン化合物を使用しない難燃性ポリエステルエラストマー樹脂組成物について鋭意検討した結果、遂に本発明の完成に至った。
 即ち、本発明は、以下の通りである。
[1] 芳香族ジカルボン酸と脂肪族又は脂環族ジオールを構成成分とするポリエステルからなるハードセグメントと、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル及び脂肪族ポリカーボネートから選ばれる少なくとも1種のソフトセグメントとで構成されてなるポリエステルエラストマー(A)100質量部に対して、リン系難燃剤(B)10~50質量部、及びヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤(C)0.1~5質量部を含有していることを特徴とするポリエステルエラストマー樹脂組成物。
[2] 前記ポリエステルエラストマー(A)が、テレフタル酸、1,4-ブタンジオール及びポリオキシテトラメチレングリコールを主たる成分とする、150~230℃の融点を有する共重合体である[1]に記載のポリエステルエラストマー樹脂組成物。
[3] ポリエステルエラストマー(A)100質量部に対して、さらにカルボジイミド化合物(D)0.1~5質量部を含有している、[1]または[2]に記載のポリエステルエラストマー樹脂組成物。
[4] ポリエステルエラストマー(A)100質量部に対して、さらに酸化亜鉛(E)0.1~5質量部を含有している、[1]~[3]のいずれかに記載のポリエステルエラストマー樹脂組成物。
[5] リン系難燃剤(B)が、(ポリ)リン酸塩化合物である[1]~[4]のいずれかに記載のポリエステルエラストマー樹脂組成物。
[6] リン系難燃剤(B)が、(ポリ)リン酸メラミンと(ポリ)リン酸ピペラジンからなる複合難燃剤である[1]~[5]のいずれかに記載のポリエステルエラストマー樹脂組成物。
[7] ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤(C)が、アミノエーテル型ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤である[1]~[6]のいずれかに記載のポリエステルエラストマー樹脂組成物。
[8] ケーブル被覆用である[1]~[7]のいずれかに記載のポリエステルエラストマー樹脂組成物。
 本発明により、ハロゲン系難燃剤を使用せずに、優れた難燃性と機械特性を有する難燃性ポリエステルエラストマー樹脂組成物を提供することができる。
[ポリエステルエラストマー(A)]
 本発明で使用するポリエステルエラストマー(A)は、ハードセグメントとソフトセグメントからなる。ハードセグメントは、ポリエステルからなる。ハードセグメントのポリエステルを構成する芳香族ジカルボン酸は通常の芳香族ジカルボン酸が広く用いられ、特に限定されないが、主たる芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル酸又はナフタレンジカルボン酸(異性体の中では2,6-ナフタレンジカルボン酸が好ましい)であることが望ましい。ハードセグメントのポリエステルを構成する全ジカルボン酸中、テレフタル酸又はナフタレンジカルボン酸は、70モル%以上であることが好ましく、80モル%以上であることがより好ましい。その他のジカルボン酸成分としては、ジフェニルジカルボン酸、イソフタル酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロ無水フタル酸などの脂環族ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。これらはポリエステルエラストマー(A)の融点を大きく低下させない範囲で用いられ、その量は全酸成分の30モル%以下が好ましく、より好ましくは20モル%以下である。
 また、本発明で使用するポリエステルエラストマー(A)において、ハードセグメントのポリエステルを構成する脂肪族又は脂環族ジオールは、一般の脂肪族又は脂環族ジオールが広く用いられ、特に限定されないが、主として炭素数2~8のアルキレングリコール類であることが望ましい。具体的にはエチレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。これらの中でも、耐熱性を付与する上でエチレングリコール、1,4-ブタンジオールのいずれかであることが好ましい。
 上記のハードセグメントのポリエステルを構成する成分としては、ブチレンテレフタレート単位(テレフタル酸と1,4-ブタンジオールからなる単位)あるいはブチレンナフタレート単位(2,6-ナフタレンジカルボン酸と1,4-ブタンジオールからなる単位)よりなるものが物性、成形性、コストパフォーマンスの点より好ましい。
 また、本発明で使用するポリエステルエラストマー(A)におけるハードセグメントを構成するポリエステルとして好適な芳香族ポリエステルを事前に製造し、その後ソフトセグメント成分と共重合させる場合、該芳香族ポリエステルは、通常のポリエステルの製造法に従って容易に得ることができる。また、かかるポリエステルは、数平均分子量10000~40000を有しているものが望ましい。
 本発明に用いられるポリエステルエラストマー(A)のソフトセグメントは、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリカーボネートから選ばれる少なくとも1種である。
 脂肪族ポリエーテルとしては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシヘキサメチレングリコール、ポリオキシトリメチレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリオキシプロピレングリコールのエチレンオキシド付加物、エチレンオキシドとテトラヒドロフランの共重合体などが挙げられる。これらの中では、弾性特性から、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールのエチレンオキシド付加物が好ましい。
 脂肪族ポリエステルとしては、ポリ(ε-カプロラクトン)、ポリエナントラクトン、ポリカプリロラクトン、ポリブチレンアジペートなどが挙げられる。これらの中では、弾性特性から、ポリ(ε-カプロラクトン)、ポリブチレンアジペートが好ましい。
 脂肪族ポリカーボネートは、主として炭素数2~12の脂肪族ジオール残基からなるものであることが好ましい。これらの脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、1,9-ノナンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオールなどが挙げられる。特に、得られるポリエステルエラストマーの柔軟性や低温特性の点より炭素数5~12の脂肪族ジオールが好ましい。これらの成分は、以下に説明する事例に基づき、単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
 本発明におけるポリエステルエラストマー(A)のソフトセグメントを構成する、低温特性が良好な脂肪族ポリカーボネートジオールとしては、融点が低く(例えば、70℃以下)かつ、ガラス転移温度が低いものが好ましい。一般に、ポリエステルエラストマーのソフトセグメントを形成するのに用いられる1,6-ヘキサンジオールからなる脂肪族ポリカーボネートジオールは、ガラス転移温度が-60℃前後と低く、融点も50℃前後となるため、低温特性が良好なものとなる。その他にも、上記脂肪族ポリカーボネートジオールに、例えば、3-メチル-1,5-ペンタンジオールを適当量共重合して得られる脂肪族ポリカーボネートジオールは、元の脂肪族ポリカーボネートジオールに対してガラス転移点が若干高くなるものの、融点が低下もしくは非晶性となるため、低温特性が良好な脂肪族ポリカーボネートジオールに相当する。また、例えば、1,9-ノナンジオールと2-メチル-1,8-オクタンジオールからなる脂肪族ポリカーボネートジオールは融点が30℃程度、ガラス転移温度が-70℃前後と十分に低いため、低温特性が良好な脂肪族ポリカーボネートジオールに相当する。
 ポリエステルエラストマー(A)のソフトセグメントとしては、本発明の課題を解決する観点から、脂肪族ポリエーテルまたは脂肪族ポリカーボネートジオールが好ましい。柔軟性や反発弾性、低温特性や屈曲疲労性といったエラストマーとしての特性をより発現させる必要のある場合には脂肪族ポリエーテルが好ましく、耐熱老化性や耐加水分解性といったエンジニアリングプラスチックとしての耐久性をより発現させる必要のある場合には、脂肪族ポリカーボネートジオールが好ましい。なお、脂肪族ポリエーテルと比較して脂肪族ポリカーボネートジオールはより良好な難燃性を達成することができ、この理由としては、熱分解による燃焼ガス発生が比較的進行し難いためと考えられる。
 本発明に用いるポリエステルエラストマー(A)は、テレフタル酸、1,4-ブタンジオール、及びポリオキシテトラメチレングリコールを主たる成分とする共重合体であることが好ましい。ポリエステルエラストマー(A)を構成するジカルボン酸成分中、テレフタル酸が40モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることがさらに好ましく、90モル%以上であることが特に好ましい。ポリエステルエラストマー(A)を構成するグリコール成分中、1,4-ブタンジオールとポリオキシテトラメチレングリコールの合計が40モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることがさらに好ましく、90モル%以上であることが特に好ましい。ポリエステルエラストマー(A)は、テレフタル酸、1,4-ブタンジオール、及びポリオキシテトラメチレングリコールからなる共重合体であることも、好ましい態様である。この時、ポリエステルエラストマー(A)は、150~230℃の融点を有する共重合体であることが好ましい。融点がこの範囲にあることで、ポリエステルエラストマーの特徴である耐熱性を実現しながら、かつ加工安定性に優れた難燃性樹脂組成物となる。融点は、170~225℃がより好ましく、180~220℃がさらに好ましい。
 前記ポリオキシテトラメチレングリコールの数平均分子量が、500~4000であることが好ましい。数平均分子量が500未満であると、エラストマー特性を発現しづらくなることがある。一方、数平均分子量が4000を超えると、ハードセグメント成分との相溶性が低下し、ブロック状に共重合することが難しくなる場合がある。ポリオキシテトラメチレングリコールの数平均分子量は、800以上3000以下であることがより好ましく、1000以上2500以下がさらに好ましい。
 本発明で使用するポリエステルエラストマー(A)において、ハードセグメントとソフトセグメントの質量比は、一般に、ハードセグメント:ソフトセグメント=30:70~95:5であることが好ましく、より好ましくは40:60~90:10、さらに好ましくは45:55~90:10、最も好ましくは50:50~90:10の範囲である。
 本発明に用いられるポリエステルエラストマー(A)は、公知の方法で製造することができる。例えば、ジカルボン酸の低級アルコールジエステル、過剰量の低分子量グリコール、およびソフトセグメント成分を触媒の存在下エステル交換反応せしめ、得られる反応生成物を重縮合する方法、あるいはジカルボン酸と過剰量のグリコールおよびソフトセグメント成分を触媒の存在下エステル化反応せしめ、得られる反応生成物を重縮合する方法、また、あらかじめハードセグメントのポリエステルを作っておき、これにソフトセグメント成分を添加してエステル交換反応によりランダム化せしめる方法、ハードセグメントとソフトセグメントを鎖連結剤でつなぐ方法、さらにポリ(ε-カプロラクトン)をソフトセグメントに用いる場合は、ハードセグメントにε-カプロラクトンモノマーを付加反応させるなど、いずれの方法をとってもよい。
[リン系難燃剤(B)]
 一般的に、リン系難燃剤には有機リン系化合物と無機リン系化合物が存在する。本発明に用いられるリン系難燃剤(B)の例としては、有機リン系化合物では、リン酸エステル類があり、無機リン系化合物では、赤リン系化合物や(ポリ)リン酸アンモニウム、(ポリ)リン酸メラミン、(ポリ)リン酸ピペラジン等の無機リン酸塩化合物がある。リン酸エステル類としてはホスフェート類、ホスホネート類、ホスフィネート類、ホスファイト類があり、具体的には、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス・イソプロピルフェニルホスフェート、ジエチル-N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノメチルホスホネート、ビス(1,3-フェニレンジフェニル)ホスフェートなどが挙げられる。これらのリン系化合物のうち、特に無機リン系化合物である(ポリ)リン酸塩化合物が好ましい。(ポリ)リン酸塩化合物の種類には、単量体であるオルトリン酸塩、オルトリン酸塩が脱水反応により多量体となった縮合リン酸塩が挙げられ、縮合リン酸塩としてピロリン酸塩、メタリン酸塩、ポリリン酸塩等がある。つまり、(ポリ)リン酸塩化合物とは、オルトリン酸塩化合物、ピロリン酸塩化合物、メタリン酸塩化合物、及びポリリン酸塩化合物から選ばれる1種または2種以上を表す。いずれの(ポリ)リン酸塩化合物の使用でも問題ないが、高い難燃性を発現するという観点ではより低分子量のものほど好ましく、リン系難燃剤のブリードアウトや水中浸漬時の溶出を抑制するという観点ではより高分子量のものほど好ましい。よって、(ポリ)リン酸塩化合物の中では、ピロリン酸塩化合物が好ましい。(ポリ)リン酸塩化合物は、単一の(ポリ)リン酸塩化合物であっても、2種以上の(ポリ)リン酸塩化合物を含む複合難燃剤であっても良い。(ポリ)リン酸塩化合物の特性(難燃性や熱安定性)はそのカウンターイオンの化学構造に由来し、それぞれのカウンターイオンに固有の特長を有する。その例として、(ポリ)リン酸アンモニウムは難燃性に優れるものの加工安定性に乏しく、対照的に(ポリ)リン酸メラミンは加工安定性に優れるものの難燃性に乏しい等が挙げられる。2種以上の(ポリ)リン酸塩化合物を含む複合難燃剤を用いることにより、難燃性や加工安定性といった複数特性のバランスに優れた組成物とすることができる。特に、リン系難燃剤(B)として、(ポリ)リン酸メラミンと(ポリ)リン酸ピペラジンからなる複合難燃剤を用いることは、より難燃性と加工安定性(つまりは機械特性)のバランスに優れた組成物とすることができるため、好ましい態様である。リン系難燃剤(B)として、ピロリン酸メラミンとピロリン酸ピペラジンからなる複合難燃剤を用いることは、さらに好ましい態様である。
 リン系難燃剤(B)の含有量としては、ポリエステルエラストマー(A)100質量部に対して10~50質量部であり、15~45質量部が好ましく、20~40質量部がより好ましい。リン系難燃剤(B)の含有量が、10質量部未満では難燃性が不十分であり、含有量が50質量部を超えると機械的特性が低下する等の問題が生じる。
 また、本発明のポリエステルエラストマー樹脂組成物には、必要に応じてリン系難燃剤以外の非ハロゲン系難燃剤を含有してもよい。リン系難燃剤以外の非ハロゲン系難燃剤の種類としては、窒素系難燃剤、シリコン系難燃剤、金属水酸化物、金属ホウ酸化物等が挙げられる。
[ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤(C)]
 本発明に用いられるヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤(C)とは、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン構造を有する化合物を指し、一般的には光安定剤として樹脂組成物の耐候性を改善する役割を担う添加剤である。
 代表的なものとして、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルステアレート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1-オクトキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)・ジ(トリデシル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)・ジ(トリデシル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,4,4-ペンタメチル-4-ピペリジル)-2-ブチル-2-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート、1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4-ジクロロ-6-モルホリノ-s-トリアジン重縮合物、1,6-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4-ジクロロ-6-第三オクチルアミノ-s-トリアジン重縮合物、1,5,8,12-テトラキス〔2,4-ビス(N-ブチル-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ)-s-トリアジン-6-イル〕-1,5,8,12-テトラアザドデカン、1,5,8,12-テトラキス〔2,4-ビス(N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ)-s-トリアジン-6-イル〕-1,5,8-12-テトラアザドデカン、1,6,11-トリス〔2,4-ビス(N-ブチル-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ)-s-トリアジン-6-イル〕アミノウンデカン、1,6,11-トリス〔2,4-ビス(N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ)-s-トリアジン-6-イル〕アミノウンデカン等のヒンダードアミン化合物が挙げられる。
 本発明において、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤(C)は、上記のような耐候性の改善を目的として添加ではなく、難燃性を更に高める役割として添加される。ポリエステルエラストマー樹脂組成物の燃焼のプロセスにおいて、可燃性ガスの発生をもたらす熱分解は活性ラジカルが関与する連鎖反応であることが知られている。燃焼時に生じる活性ラジカルを、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤(C)が捕捉・低活性化することで、難燃性が発現すると考えられている。前記の通り、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤(C)が発現する難燃効果は、リン系難燃剤(B)が発現する難燃効果とは、機構が全く異なるため、リン系難燃剤(B)との併用によって、難燃性が相乗的に向上する。
 ここで、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤(C)は、下記構造式(1)におけるRがOR(R:アルキル基、シクロアルキル基、アルキルカルボニル基、シクロアルキルカルボニル基の内、少なくとも1つの構造を含む。各基のアルキル基の部位は、炭素数5~12のアルキル基が好ましい。)の構造である、アミノエーテル型ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤であることがより好ましい。一般的に、ヒンダードアミン系光安定剤は、酸素や紫外線などにより酸化され、ニトロオキサイドラジカルを生成し、このニトロオキサイドラジカルが樹脂中に生成したラジカルを捕獲することで、耐候性や難燃性を発現する。アミノエーテル型ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤は、その構造上、特にニトロオキサイドラジカル生成しやすいため、NH型やNR型のヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤と比較して、高い難燃効果を発現すると考えられる。代表的なものとして、例えば、BASFジャパン(株)製Tinuvin 123、Tinuvin 152、Tinuvin NOR 371 FF、Tinuvin XT850 FF、Tinuvin XT855 FF、Flamestab NOR 116 FF、(株)ADEKA製 アデカスタブLA-81などが挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
 構造式(1)において、Rは、水素以外の任意の有機基である。
 ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤(C)の含有量としては、ポリエステルエラストマー100質量部に対して0.1~5質量部であり、0.2~3質量部であることが好ましく、0.3~3質量部であることがより好ましく、0.4~2質量部であることがさらに好ましい。含有量が0.1質量部未満では難燃性が十分に発現せず、含有量が5質量部を超えると機械的特性が低下したり、本成分が分解ガスとなり、逆に難燃性が低下する等の問題が生じる。
[カルボジイミド化合物(D)]
 本発明で用いるカルボジイミド化合物とは、分子内に少なくともひとつの(-N=C=N-)で表されるカルボジイミド基を有する化合物であり、ポリエステルエラストマーの末端基と反応できるものである。本発明において、カルボジイミド化合物(D)は任意成分であるが、含有することによりポリエステルエラストマー樹脂組成物の耐加水分解性を向上させることができる。
 カルボジイミド化合物の例としては、ジフェニルカルボジイミド、ジ-シクロヘキシルカルボジイミド、ジ-2,6-ジメチルフェニルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジオクチルデシルカルボジイミド、ジ-o-トルイルカルボジイミド、ジ-p-トルイルカルボジイミド、ジ-p-ニトロフェニルカルボジイミド、ジ-p-アミノフェニルカルボジイミド、ジ-p-ヒドロキシフェニルカルボジイミド、ジ-p-クロルフェニルカルボジイミド、ジ-o-クロルフェニルカルボジイミド、ジ-3,4-ジクロルフェニルカルボジイミド、ジ-2,5-ジクロルフェニルカルボジイミド、p-フェニレン-ビス-o-トルイルカルボジイミド、p-フェニレン-ビス-ジシクロヘキシルカルボジイミド、p-フェニレン-ビス-ジ-p-クロルフェニルカルボジイミド、2,6,2’,6’-テトライソプロピルジフェニルカルボジイミド、ヘキサメチレン-ビス-シクロヘキシルカルボジイミド、エチレン-ビス-ジフェニルカルボジイミド、エチレン-ビス-ジ-シクロヘキシルカルボジイミド、N,N’-ジ-o-トルイルカルボジイミド、N,N’-ジフェニルカルボジイミド、N,N’-ジオクチルデシルカルボジイミド、N,N’-ジ-2,6-ジメチルフェニルカルボジイミド、N-トルイル-N’-シクロヘキシルカルボジイミド、N,N’-ジ-2,6-ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’-ジ-2,6-ジ-tert-ブチルフェニルカルボジイミド、N-トルイル-N’-フェニルカルボジイミド、N,N’-ジ-p-ニトロフェニルカルボジイミド、N,N’-ジ-p-アミノフェニルカルボジイミド、N,N’-ジ-p-ヒドロキシフェニルカルボジイミド、N,N’-ジ-シクロヘキシルカルボジイミド、N,N’-ジ-p-トルイルカルボジイミド、N,N’-ベンジルカルボジイミド、N-オクタデシル-N’-フェニルカルボジイミド、N-ベンジル-N’-フェニルカルボジイミド、N-オクタデシル-N’-トルイルカルボジイミド、N-シクロヘキシル-N’-トルイルカルボジイミド、N-フェニル-N’-トルイルカルボジイミド、N-ベンジル-N’-トルイルカルボジイミド、N,N’-ジ-o-エチルフェニルカルボジイミド、N,N’-ジ-p-エチルフェニルカルボジイミド、N,N’-ジ-o-イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’-ジ-p-イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’-ジ-o-イソブチルフェニルカルボジイミド、N,N’-ジ-p-イソブチルフェニルカルボジイミド、N,N’-ジ-2,6-ジエチルフェニルカルボジイミド、N,N’-ジ-2-エチル-6-イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’-ジ-2-イソブチル-6-イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’-ジ-2,4,6-トリメチルフェニルカルボジイミド、N,N’-ジ-2,4,6-トリイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’-ジ-2,4,6-トリイソブチルフェニルカルボジイミドなどのモノ又はジカルボジイミド化合物、ポリ(1,6-ヘキサメチレンカルボジイミド)、ポリ(4,4’-メチレンビスシクロヘキシルカルボジイミド)、ポリ(1,3-シクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(1,4-シクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(4,4’-ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(3,3’-ジメチル-4,4’-ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(ナフチレンカルボジイミド)、ポリ(p-フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m-フェニレンカルボジイミド)、ポリ(トルイルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルカルボジイミド)、ポリ(メチル-ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリエチルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)などのポリカルボジイミドなどが挙げられる。なかでもN,N’-ジ-2,6-ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、2,6,2’,6’-テトライソプロピルジフェニルカルボジイミド、ポリカルボジイミドが好ましく、より好ましくは、ポリ(1,6-ヘキサメチレンカルボジイミド)、ポリ(4,4’-メチレンビスシクロヘキシルカルボジイミド)、ポリ(1,3-シクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(1,4-シクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(4,4’-ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(3,3’-ジメチル-4,4’-ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(ナフチレンカルボジイミド)、ポリ(p-フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m-フェニレンカルボジイミド)、ポリ(トルイルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルカルボジイミド)、ポリ(メチル-ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリエチルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)などのポリカルボジイミドなどであり、特に好ましくは、ポリ(1,4-シクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)である。
 カルボジイミド化合物(D)のポリエステルエラストマー(A)に対する含有割合は、ポリエステルエラストマー(A)100質量部に対して0.1~5質量部が好ましく、より好ましくは、0.1~3質量部である。0.1質量部未満では、耐加水分解性が不十分であったり、ポリエステルエラストマーの種類によっては、引張伸度が低くなる等の問題が生じることがある。5質量部を超えると、分解ガスが多く発生してしまい押出成形品の外観を損なう傾向がある。
[酸化亜鉛(E)]
 本発明においては、難燃性を更に高める成分として、酸化亜鉛(E)を含有することが好ましい。酸化亜鉛は表面処理されていてもよい。本発明のポリエステルエラストマー樹脂組成物に用いられる酸化亜鉛の具体例としては、酸化亜鉛1種(三井金属工業(株)製)、部分被膜型酸化亜鉛(三井金属工業(株)製)、ナノファイン50(堺化学工業(株)製)、ナノファインK(堺化学工業(株)製)等が挙げられる。酸化亜鉛(E)のポリエステルエラストマー(A)に対する含有割合は、ポリエステルエラストマー(A)100質量部に対して0.1~5質量部が好ましく、より好ましくは、0.1~3質量部である。0.1質量部未満では、難燃効果を十分に向上させることができず、5質量部を超えるとポリエステルエラストマーの分解を促進したり、機械的特性・溶融粘度が低下する等の問題が生じることがある。
 本発明のポリエステルエラストマー樹脂組成物には、必要に応じて、芳香族アミン系、ヒンダードフェノール系、リン系、硫黄系などの汎用の酸化防止剤を配合してもよい。
 さらに本発明のポリエステルエラストマー樹脂組成物に耐候性を必要とする場合は、紫外線吸収剤および/またはヒンダードアミン系化合物を添加することが好ましい。例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアゾール系、ニッケル系、サリチル系光安定剤が使用可能である。具体的には、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、p-t-ブチルフェニルサリシレート、2,4-ジ-t-ブチルフェニル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-アミル-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-〔2’-ヒドロキシ-3’、5’-ビス(α,α-ジメチルベンジルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンアゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾチリアゾール、2,5-ビス-〔5’-t-ブチルベンゾキサゾリル-(2)〕-チオフェン、ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル燐酸モノエチルエステル)ニッケル塩、2-エトキシ-5-t-ブチル-2’-エチルオキサリックアシッド-ビス-アニリド85~90%と2-エトキシ-5-t-ブチル-2’-エチル-4’-t-ブチルオキサリックアシッド-ビス-アニリド10~15%の混合物、2-〔2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル〕-2H-ベンゾトリアゾール、2-エトキシ-2’-エチルオキサザリックアシッドビスアニリド、2-〔2’-ヒドロオキシ-5’-メチル-3’-(3’’,4’’,5’’,6’’-テトラヒドロフタルイミド-メチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、ビス(5-ベンゾイル-4-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル)メタン、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-ヒドロキシ-4-i-オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ドデシルオキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクタデシルオキシベンゾフェノン、サリチル酸フェニルなどの光安定剤を挙げることができる。含有量は、ポリエステルエラストマー樹脂組成物の質量基準で、0.1質量%以上5質量%以下が好ましい。
 本発明のポリエステルエラストマー樹脂組成物には、その他各種の添加剤を配合することができる。添加剤としては、ポリエステルエラストマー以外の樹脂、無機フィラー、安定剤、及び老化防止剤を本発明の特徴を損なわない範囲で添加することができる。また、その他の添加剤として、着色顔料、無機、有機系の充填剤、カップリング剤、タック性向上剤、クエンチャー、金属不活性化剤等の安定剤、難燃剤等を添加することもできる。本発明のポリエステルエラストマー樹脂組成物は、ポリエステルエラストマー(A)、リン系難燃剤(B)、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤(C)、カルボジイミド化合物(D)、及び酸化亜鉛(E)の合計(カルボジイミド化合物(D)及び酸化亜鉛(E)は任意成分である)で、80質量%以上を占めることが好ましく、90質量%以上を占めることがより好ましく、95質量%以上を占めることがさらに好ましい。
 本発明により得られたポリエステルエラストマー樹脂組成物は、優れた難燃性と機械特性を有し、さらにポリエステルエラストマー本来の可撓性、成形加工性、耐熱性、耐薬品性、耐屈曲疲労性、耐磨耗性、電気特性、その他特性を保持する事が可能なため、電気製品の各種部品、ホース、チューブ、ケーブル被覆材など広い範囲に応用することができる。特に、ケーブル被覆用への展開が有用である。また、これら以外にも本発明により得られたポリエステルエラストマー樹脂組成物は、射出成形、押出成形、トランスファー成形、ブロー成形等によって種々の成形品に賦形することができる。
 本発明をさらに詳細に説明するために以下に実施例を挙げるが、本発明は実施例によってなんら限定されるものではない。尚、実施例に記載された各測定値は次の方法によって測定したものである。
[融点]
 セイコー電子工業株式会社製の示差走査熱量分析計「DSC220型」にて、測定試料5mgをアルミパンに入れ、蓋を押さえて密封し、一度250℃で5分ホールドして試料を完全に溶融させた後、液体窒素で急冷して、その後-150℃から250℃まで、20℃/minの昇温速度で測定した。得られたサーモグラム曲線から、吸熱ピーク温度を融点とした。
[還元粘度]
 樹脂0.05gを25mLの混合溶媒(フェノール/テトラクロロエタン=60/40(質量比))に溶かし、オストワルド粘度計を用いて30℃で測定した。
[ポリエステルエラストマー(A)]
(ポリエステルエラストマーA-1)
 公知の方法(特開平10-182954号公報の0042段落に記載の参考例に準じた方法)により、テレフタル酸、1,4-ブタンジオール、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG;数平均分子量1000)を構成成分とし、ハードセグメント(ポリブチレンテレフタレート)/ソフトセグメント(PTMG)=89/11(質量%)のポリエステルエラストマーを製造した。このポリエステルエラストマー(A-1)の融点は218℃、還元粘度は1.33dl/gであった。
(ポリエステルエラストマーA-2)
 上記と同様の方法により、テレフタル酸、1,4-ブタンジオール、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG;数平均分子量1000)を構成成分とし、ハードセグメント(ポリブチレンテレフタレート)/ソフトセグメント(PTMG)=75/25(質量%)のポリエステルエラストマーを製造した。このポリエステルエラストマー(A-2)の融点は212℃、還元粘度は1.52dl/gであった。
(ポリエステルエラストマーA-3)
 上記と同様の方法により、テレフタル酸、1,4-ブタンジオール、ポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG;数平均分子量1000)を構成成分とし、ハードセグメント(ポリブチレンテレフタレート)/ソフトセグメント(PTMG)=51/49(質量%)のポリエステルエラストマーを製造した。このポリエステルエラストマー(A-3)の融点は182℃、還元粘度は1.95dl/gであった。
(ポリエステルエラストマーA-4)
 脂肪族ポリカーボネートジオール(宇部興産社製カーボネートジオールUH-CARB200、分子量2000、1,6-ヘキサンジオールタイプ)100質量部とジフェニルカーボネート8.6質量部とをそれぞれ仕込み、温度205℃、130Paで反応させた。2時間後、内容物を冷却し、脂肪族ポリカーボネートジオール(数平均分子量10000)を得た。この脂肪族ポリカーボネートジオール(PCD)43質量部と、数平均分子量30000を有するポリブチレンテレフタレート(PBT)100質量部とを、230℃~245℃、130Pa下で1時間攪拌し、樹脂が透明になったことを確認し、内容物を取り出し、冷却し、ポリエステルエラストマーを製造した。このポリエステルエラストマー(A-4)の融点は212℃、還元粘度は1.20dl/gであった。
 各ポリエステルエラストマーの物性値を表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
[リン系難燃剤(B)]
 (B-1)アデカスタブFP-2100JC(ピロリン酸メラミン/ピロリン酸ピペラジンの複合難燃剤、株式会社ADEKA製)
 (B-2)EXOLIT AP(ポリリン酸アンモニウム、クラリアント株式会社製)
[ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤(C)]
 (C-1)FLAMESTAB NOR 116FF(アミノエーテル型ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、BASFジャパン株式会社製)
 (C-2)キマソーブ944FD(ポリ[{6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル}{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}]、BASFジャパン株式会社製)
[カルボジイミド化合物(D)]
 (D-1)カルボジライトHMV-15CA(脂環族ポリカルボジイミド、日清紡ケミカル株式会社製)
 (D-2)スタバクゾールP(芳香族ポリカルボジイミド、ラインケミー株式会社製)
[酸化亜鉛(E)]
 (E)ナノファインK(珪酸亜鉛被膜した超微微粒子酸化亜鉛、堺化学工業株式会社製)
実施例1~13、比較例1~4
 上記ポリエステルエラストマー(A)100質量部に対して、リン系難燃剤(B)、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤(C)、カルボジイミド化合物(D)および酸化亜鉛(E)をそれぞれ表2に記載の比率で、二軸スクリュー式押出機にて、混練・ペレット化した。このポリエステルエラストマー樹脂組成物のペレットを用いて、下記の評価を行った。結果を表2、3に示した。
[引張破断強度および引張破断伸度]
 組成物の引張破断時の強度および伸度を、JIS K6251:2010に準拠して測定した。試験片は、100℃で8時間減圧乾燥した樹脂組成物を、射出成形機(山城精機社製、model-SAV)を用いて、シリンダー温度(Tm+20℃)、金型温度30℃で、100mm×100mm×2mmの平板に射出成形した後、該平板よりダンベル状3号形の試験片を打ち抜いて製作した。
[湿熱処理:耐加水分解性試験]
 上述ダンベル状3号形の試験片を、85℃×95%RH環境下にて、30日間放置した後取り出し、上記同様JIS K6251:2010に準拠して引張破断伸度を測定した。以下の式にて引張破断伸度保持率を算出し評価した。初期引張破断伸度は、沸水処理前の引張破断伸度である。
 引張破断伸度保持率(%)=沸水処理後の引張破断伸度/初期引張破断伸度×100
[限界酸素指数LOI]
 JIS K7201-2に準拠して、限界酸素指数を測定した。限界酸素指数とは、酸素指数の測定基準である燃焼時間180秒以下かつ燃焼距離50mm以下を満足する最大の酸素濃度のことである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 表2、3の結果から明らかなように、実施例1~13に示したポリエステルエラストマーに、リン系難燃剤、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤を配合した本発明のポリエステルエラストマー樹脂組成物は、引張破断伸度が300%以上と機械的特性に優れ、かつ限界酸素指数も28%以上と高い難燃性を示している。中でも、実施例3とその他の実施例での比較からは、カルボジイミド化合物(D)成分を添加することで、85℃×95%RH×30日処理後の引張伸度破断保持率が80%以上と非常に高い値を示しており、高い耐加水分解性を有することが分かる。実施例5と実施例6の比較からは、酸化亜鉛(E)を添加することでより高い難燃性が発現することが見て取れる。実施例8および実施例9の比較からは、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤(C)成分にアミノエーテル型の化合物を用いることで、より高い難燃性が発現することが見て取れる。一方、本発明の条件を満たさない比較例1~4の組成物は、本発明の組成物と比較して、引張破断伸度、難燃性のいずれかが劣っている。
 リン系難燃剤の添加量が少ない比較例1やヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤が未配合である比較例3では、限界酸素指数LOIが28%未満であり、難燃性が劣っている。比較例1と対照的に、リン系難燃剤の添加量が過多である比較例2では、限界酸素指数LOIこそ高い値を示しているものの、引張破断伸度が低く、機械的特性が劣っている。また、比較例2と対照的に、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤の添加量が過多である比較例4では、引張破断伸度が300%未満、また限界酸素指数LOIも28%未満であり、機械的特性および難燃性において劣っている。
 このように、本発明の難燃性ポリエステルエラストマー樹脂組成物は、ハロゲン系難燃剤を使用せずに、優れた難燃性と機械特性を有する難燃性ポリエステルエラストマー組成物を提供できる。このため電気製品の各種部品、ホース、チューブ、ケーブル被覆材など広い範囲に応用することができる。また、これら以外にも本発明により得られた樹脂組成物は射出成形、押出成形、トランスファー成形、ブロー成形等によって種々の成形品に賦形することができる。
 

Claims (8)

  1.  芳香族ジカルボン酸と脂肪族又は脂環族ジオールを構成成分とするポリエステルからなるハードセグメントと、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル及び脂肪族ポリカーボネートから選ばれる少なくとも1種のソフトセグメントとで構成されてなるポリエステルエラストマー(A)100質量部に対して、リン系難燃剤(B)10~50質量部、及びヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤(C)0.1~5質量部を含有していることを特徴とするポリエステルエラストマー樹脂組成物。
  2.  前記ポリエステルエラストマー(A)が、テレフタル酸、1,4-ブタンジオール及びポリオキシテトラメチレングリコールを主たる成分とする、150~230℃の融点を有する共重合体である請求項1に記載のポリエステルエラストマー樹脂組成物。
  3.  ポリエステルエラストマー(A)100質量部に対して、さらにカルボジイミド化合物(D)0.1~5質量部を含有している、請求項1または2に記載のポリエステルエラストマー樹脂組成物。
  4.  ポリエステルエラストマー(A)100質量部に対して、さらに酸化亜鉛(E)0.1~5質量部を含有している、請求項1~3のいずれかに記載のポリエステルエラストマー樹脂組成物。
  5.  リン系難燃剤(B)が、(ポリ)リン酸塩化合物である請求項1~4のいずれかに記載のポリエステルエラストマー樹脂組成物。
  6.  リン系難燃剤(B)が、(ポリ)リン酸メラミンと(ポリ)リン酸ピペラジンからなる複合難燃剤である請求項1~5のいずれかに記載のポリエステルエラストマー樹脂組成物。
  7.  ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤(C)が、アミノエーテル型ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤である請求項1~6のいずれかに記載のポリエステルエラストマー樹脂組成物。
  8.  ケーブル被覆用である請求項1~7のいずれかに記載のポリエステルエラストマー樹脂組成物。
     
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