WO2018008305A1

WO2018008305A1 - 車両

Info

Publication number: WO2018008305A1
Application number: PCT/JP2017/020506
Authority: WO
Inventors: 貴之永井; 佳樹外岡; 公之河村
Original assignee: ヤマハモーターパワープロダクツ株式会社
Priority date: 2016-07-08
Filing date: 2017-06-01
Publication date: 2018-01-11
Also published as: US20190126992A1; US10730566B2; CA3020821C; JP2018002124A; EP3483045A1; AU2017292238A8; AU2017292238A1; JP6276334B2; EP3483045A4; CA3020821A1; AU2017292238B2

Abstract

ゴルフカー１０は、メインフレーム４６ａ，４６ｂとクロスメンバ５４，５６，５８とを含むフレーム部１６と、前カバー部９２および後カバー部９４を有しかつフレーム部１６に支持されるアンダーカバー９０と、アンダーカバー９０によって下側が規定されるエンジンルームＳとを備える。前カバー部９２の後端部の爪部１８８ａ～１８８ｄおよび後カバー部９４の前端部の爪部２１８ａ～２１８ｃはそれぞれクロスメンバ５６に係合され、前カバー部９２は締結部材２２２，２２４でクロスメンバ５４および前部フレーム４８ａ，４８ｂに固定され、後カバー部９４の後端部は締結部材２２６で後部フレーム５０ａ，５０ｂに固定される。前カバー部９２および後カバー部９４は水抜き用の孔を含む。

Description

車両

　この発明は車両に関し、より特定的にはエンジンを備える車両に関する。

　この種の従来技術の一例が特許文献１において開示されている。特許文献１には、走行機体に搭載されたエンジンと、走行用車輪にエンジンの回転を伝達するミッションケースと、操縦ハンドルおよび運転座席と、運転座席の後方に配置された荷台とを備え、荷台の下方に配置された密閉構造のエンジンルーム内に、エンジンとミッションケースとが収容された多目的車両が開示されている。この車両では、エンジンルームは前部ボックス部と後部ボックス部とによって形成されており、底フレーム板によって前部ボックス部の底面が構成され、底カバー板によって後部ボックス部の底面が構成されている。

特開２０１０－９５１０５号公報

　特許文献１では、その図３を参照すると、底フレーム板は、前部ボックス部の底面を構成しかつ走行機体の略中央底部を支えながら後フレームと一体的に形成され、底カバー板は、その後フレームに支持されかつ後部ボックス部の下端部と一体的に形成されている。したがって、底フレーム板および底カバー板は容易に着脱できずかつ下方からの衝撃を吸収することは困難である。

　それゆえにこの発明の主たる目的は、容易に着脱できかつ下方からの衝撃を吸収できるアンダーカバーを有する、車両を提供することである。

　この発明の或る見地によれば、車両幅方向に相互に間隔をあけてそれぞれ車両前後方向に延びる一対のメインフレーム、ならびにそれぞれ車両幅方向に延びて一対のメインフレームを連結する第１，第２および第３のクロスメンバを含むフレーム部と、前後に位置する前カバー部および後カバー部を有しかつフレーム部に支持されるアンダーカバーと、アンダーカバーによって下側が規定されるエンジンルームと、エンジンルームに収容されるエンジンとを備え、第１，第２および第３のクロスメンバは、車両前後方向に相互に間隔をあけてかつ車両前方から後方にこの順で配置され、前カバー部の後端部および後カバー部の前端部はそれぞれ第２クロスメンバに係合され、前カバー部は第１クロスメンバおよび一対のメインフレームの少なくともいずれか一方に固定され、後カバー部は第３クロスメンバおよび一対のメインフレームの少なくともいずれか一方に固定される、車両が提供される。

　この発明では、前カバー部の後端部および後カバー部の前端部をそれぞれ第２クロスメンバに係合した後、前カバー部を第１クロスメンバおよび一対のメインフレームの少なくともいずれか一方に固定し、後カバー部を第３クロスメンバおよび一対のメインフレームの少なくともいずれか一方に固定すればよいので、フレーム部に対する前カバー部および後カバー部の組み付けが容易である。一方、前カバー部の後端部および後カバー部の前端部はそれぞれ第２クロスメンバに係合されているだけであるので、取り外し時には、第１クロスメンバおよび／または一対のメインフレームに対する前カバー部の固定を解除しかつ第３クロスメンバおよび／または一対のメインフレームに対する後カバー部の固定を解除するだけで、前カバー部および後カバー部をフレーム部から容易に取り外すことができる。このようにアンダーカバーを容易に着脱できる。また、前カバー部の後端部および後カバー部の前端部はそれぞれ第２クロスメンバに係合されているだけであるので、下方から衝撃を受けても、前カバー部の後端部および後カバー部の前端部がそれぞれ上方に動くことによって衝撃を吸収できる。このように、アンダーカバーは下方からの衝撃を吸収でき、アンダーカバーの損傷等を抑制できる。

　好ましくは、前カバー部は水抜き用の孔を含み、後カバー部は水抜き用の孔を含む。この場合、エンジンルーム内に水が浸入しても、前カバー部および／または後カバー部の孔からエンジンルームの外部に水を容易に排出できる。

　また好ましくは、前カバー部はエンジンルームの下側を規定する。この場合、前カバー部を取り外すだけで、エンジンルームに対して下方からアクセスできるので、エンジンルーム内のメンテナンス作業等が容易になる。

　さらに好ましくは、エンジンからの排気が供給されるマフラーと、マフラーを覆うマフラーカバーと、マフラーカバーの出口側端部に連設される排気ダクトとをさらにエンジンルームに収容し、前カバー部は、排気ダクトが取り付けられる開口部を含む。この場合、マフラーからの排気は、マフラーカバーの出口側端部に連設される排気ダクトおよび前カバー部の開口部を介してエンジンルームの下方から外部に排出される。このとき、マフラーからの音は排気ダクト内で減衰される。また、排気ダクトはマフラーカバーに連設されているので、マフラーカバー内を伝わるエンジンの振動音等の雑音は排気ダクト内で減衰される。したがって、車外に音が漏れるのを抑制できる。

　好ましくは、開口部は、前カバー部の前後方向の中央より後方に位置する。この場合、前カバー部の前後方向の中央より後方に位置する開口部に、排気ダクトを取り付けることによって、エンジンルーム内のメンテナンス作業等が容易になる。すなわち、第１クロスメンバおよび／または一対のメインフレームに対する前カバー部の固定を解除し、前カバー部の後端部を第２クロスメンバに係合させた状態で、前カバー部の前端部を下方に移動させて前カバー部を開くと、前カバー部の前部よりも後部の方が位置の変動が少ない。したがって、開口部が前カバー部の前後方向の中央より後方に位置していることによって、前カバー部を少しだけ開けば行えるメンテナンス作業の場合には、開口部の位置の変動が少ないので、開口部から排気ダクトを取り外さなくてもよい。

　また好ましくは、開口部は、側面視においてマフラーカバーよりも後方に位置する。この場合、前カバー部の開口部は、マフラーカバーの下方に位置せず、側面視においてマフラーカバーよりも後方に位置するので、排気ダクトは後方に延び、排気ダクトを比較的長く形成できる。したがって、排気をエンジンルームの下側から後方に向かって排出できる。さらに、マフラーおよびマフラーカバーからの音が排気ダクト内でさらに減衰され、車外に音が漏れるのをさらに抑制できる。

　さらに好ましくは、前カバー部を第１クロスメンバおよび一対のメインフレームの少なくともいずれか一方に固定する締結部材、ならびに後カバー部を第３クロスメンバおよび一対のメインフレームの少なくともいずれか一方に固定する締結部材をさらに含み、前カバー部の後端部および後カバー部の前端部はそれぞれ第２クロスメンバに係合される爪部を有する。この場合、前カバー部の後端部および後カバー部の前端部のそれぞれの爪部を第２クロスメンバに係合した後、前カバー部を締結部材で第１クロスメンバおよび一対のメインフレームの少なくともいずれか一方に固定し、後カバー部を締結部材で第３クロスメンバおよび一対のメインフレームの少なくともいずれか一方に固定することによって、フレーム部に対する前カバー部および後カバー部の組み付けが容易になる。一方、取り外し時には、第１クロスメンバおよび一対のメインフレームの少なくともいずれか一方に前カバー部を固定している締結部材、ならびに第３クロスメンバおよび一対のメインフレームの少なくともいずれか一方に後カバー部を固定している締結部材を取り外すだけで、フレーム部から前カバー部および後カバー部を容易に取り外すことができる。

　好ましくは、前カバー部の前端部および後カバー部の後端部はそれぞれ第１クロスメンバおよび第３クロスメンバに係合される爪部を有する。この場合、前カバー部の後端部および後カバー部の前端部のそれぞれの爪部を第２クロスメンバに係合した後、前カバー部の前端部および後カバー部の後端部のそれぞれの爪部を第１クロスメンバおよび第３クロスメンバに係合することによって、前カバー部および後カバー部を締結部材でフレーム部に固定する作業がさらに容易になる。

　この発明によれば、容易に着脱できかつ下方からの衝撃を吸収できるアンダーカバーを有する、車両が得られる。

この発明の一実施形態のゴルフカーを示す側面図（左から見た図）である。この発明の一実施形態のゴルフカーを示す後方斜視図である。フレーム部の要部を示す後方斜視図である。フレーム部の一部、トランスミッションおよびその近傍を示す後方斜視図である。フレーム部の要部および前カバー部を示す後方斜視図である。フレーム部およびその近傍を示す斜視図である。フレーム部、アンダーカバーおよびその近傍を示す斜視図である。フレーム部およびフロアパネル等を示す後方斜視図である。フレーム部およびフロアパネル等を示す平面図である。（ａ）は開口部を示す拡大図であり、（ｂ）は板状部材を示す拡大図であり、（ｃ）はカバー部を示す拡大図である。ゴルフカーの要部を示す前方斜視図である。ゴルフカーの要部を示す前方斜視図である。ゴルフカーの要部を示す後方斜視図である。ゴルフカーの要部を示す平面図である。フレーム部およびフロアパネル等を示す側面図（左から見た図）である。フロアパネルのうち溝部より右側の部分を取り除いた状態における、フレーム部および溝部等を示す側面図（右から見た図）である。エンジン、マフラーおよびその近傍を示す一部断面正面図であり、図１５のＡ－Ａ線で切断されたものである。エンジン、マフラーおよびその近傍を示す一部断面平面図であり、図１５のＢ－Ｂ線で切断されたものである。エンジン、マフラーカバーおよびその近傍を示す平面図である。エンジン、マフラーカバーおよびその近傍を示す前方斜視図である。エンジン、マフラーカバーおよびその近傍を示す後方斜視図である。マフラー、マフラーカバー、排気ダクトおよびその近傍を示す一部断面側面図であり、図１９のＣ－Ｃ線で切断されたものである。（ａ）は前カバー部を示す斜視図であり、（ｂ）は（ａ）のＤ－Ｄ線断面図である。後カバー部を示す斜視図である。

　以下、図面を参照してこの発明の実施形態について説明する。ここでは、この発明を、車両の一例であるゴルフカー１０に適用した場合について説明する。なお、以下の説明において前後、左右、上下とは、ゴルフカー１０のシート部１８に運転者がステアリングホイール３０に向かって着座した状態を基準とした前後、左右、上下を意味する。

　図１および図２を参照して、ゴルフカー１０は、２人乗りゴルフカーであり、一対の前輪１２ａ，１２ｂ（図９参照）、一対の後輪１４ａ，１４ｂおよびフレーム部１６を含む。一対の後輪１４ａ，１４ｂは、一対の前輪１２ａ，１２ｂより後方に設けられる。一対の前輪１２ａ，１２ｂはフレーム部１６の前部に回転可能に支持され、一対の後輪１４ａ，１４ｂはフレーム部１６の後部に回転可能に支持される。

　一対の前輪１２ａ，１２ｂよりも後方かつ一対の後輪１４ａ，１４ｂよりも前方において、ゴルフカー１０の幅方向に延びるようにシート部１８が設けられる。シート部１８は、フレーム部１６のシートレール７２（後述）に支持される。シート部１８の後方斜め上方に背もたれ２０が設けられる。背もたれ２０の後方に、荷物を収容するためのかご２２が設けられる。背もたれ２０およびかご２２は、後述するリアピラー２６ａ，２６ｂに支持される。

　シート部１８よりも前方に一対のフロントピラー２４ａ，２４ｂが設けられ、シート部１８よりも後方に一対のリアピラー２６ａ，２６ｂが設けられる。フロントピラー２４ａ，２４ｂの下端部およびリアピラー２６ａ，２６ｂの下端部は、フレーム部１６に支持される。フロントピラー２４ａ，２４ｂおよびリアピラー２６ａ，２６ｂは、やや後方に傾くように下から上に延びる。シート部１８の上方を覆う屋根部２８が、フロントピラー２４ａ，２４ｂおよびリアピラー２６ａ，２６ｂによって支持される。

　背もたれ２０の前方にステアリングホイール３０が設けられる。ステアリングホイール３０は、ステアリングシャフト３２および図示しない連結機構を介して前輪１２ａ，１２ｂに連結される。

　フレーム部１６を覆うように、それぞれたとえば樹脂からなるカウル３４、一対のサイドプロテクタ３６、フロアパネル３８、ボディパネル３９、一対のリアフェンダーカバー４０ａ，４０ｂおよびリアフロアカバー４２が設けられる。カウル３４は、フレーム部１６の前部および前輪１２ａ，１２ｂの上方を覆う。一対のサイドプロテクタ３６は、フレーム部１６の中央部を両側方から覆う。フロアパネル３８は、シート部１８に座る運転者および同乗者が足を載せることができるフートレストとして機能し、ゴルフカー１０のキャビンスペースの底部を構成する。ボディパネル３９は、シート部１８の下方における前側を覆う。一対のリアフェンダーカバー４０ａ，４０ｂは、シート部１８の下方における両側および一対の後輪１４ａ，１４ｂの上方を覆う。リアフロアカバー４２は、一対のリアフェンダーカバー４０ａ，４０ｂの後端部に挟まれるように設けられ、たとえばゴルフバッグを載せるための凹部４２ａを有する。リアフロアカバー４２を取り外すだけで容易にＣＶＴ（無段変速機）１４４（後述）およびトランスミッション１４６（後述）をメンテナンスできる。凹部４２ａの上方かつかご２２の後方には、ゴルフバッグを保持するための保持部４４が設けられる。保持部４４は、連結部材７０ａ，７０ｂ（後述）に支持される。

　ついで、フレーム部１６およびその近傍の構成について説明する。

　図３～図７を参照して、フレーム部１６は、車両幅方向に相互に間隔をあけてそれぞれ車両前後方向に延びる一対のメインフレーム４６ａ，４６ｂ、クロスメンバ５２，５４，５６，５８および一対の支持フレーム６０ａ，６０ｂを含む。一対のメインフレーム４６ａ，４６ｂはそれぞれ、前後方向に延びる前部フレーム４８ａ，４８ｂと、前部フレーム４８ａ，４８ｂの後端部から後方に延びる後部フレーム５０ａ，５０ｂとを含む。一対の前部フレーム４８ａ，４８ｂは、その前端部の間隔がその後端部の間隔より狭くなるように形成される。一対の後部フレーム５０ａ，５０ｂは、上方に凸になるように湾曲して形成される。

　前部フレーム４８ａ，４８ｂはクロスメンバ５２，５４によって連結される。前部フレーム４８ａおよび後部フレーム５０ａの接続部と前部フレーム４８ｂおよび後部フレーム５０ｂの接続部とはクロスメンバ５６によって連結される。後部フレーム５０ａ，５０ｂの後端部はクロスメンバ５８によって連結される。すなわち、メインフレーム４６ａ，４６ｂは、車両幅方向に延びるクロスメンバ５２，５４，５６，５８によって連結される。クロスメンバ５２，５４，５６，５８は、車両前後方向に相互に間隔をあけてかつ車両前方から後方にこの順で配置される。クロスメンバ５２には、斜め前方に延びる一対の支持フレーム６０ａ，６０ｂが接続される。クロスメンバ５４，５６，５８がそれぞれ、第１，第２および第３のクロスメンバに相当する。

　一対の支持フレーム６０ａ，６０ｂの前端部によって、車両幅方向に延びるクロスメンバ６２が支持される。一対の前部フレーム４８ａ，４８ｂにおけるクロスメンバ５４近傍には、上方に延びる一対の支持フレーム６４ａ，６４ｂが接続される。また、一対の後部フレーム５０ａ，５０ｂの前部は、連結フレーム６６によって連結される。一対の後部フレーム５０ａ，５０ｂの中央部は、連結フレーム６８によって連結される。連結フレーム６６は、車両幅方向に延びかつ両端部が下方に延びるように上方に凸の略Ｕ字状に形成される。連結フレーム６８は、車両幅方向に延びかつ両端部が下方に延びるように上方に凸の略Ｕ字状に形成される。連結フレーム６６と６８とは、車両前後方向に相互に間隔をあけて設けられ、連結部材７０ａ，７０ｂによって連結される。さらに、一対の支持フレーム６４ａ，６４ｂの上端部と連結フレーム６６の両側部とが、シートレール７２によって連結される。シートレール７２は、水平方向に延びる略Ｃ字状に形成される。クロスメンバ５４には、車両幅方向に並ぶように一対のブラケット７４ａ，７４ｂが取り付けられる。

　図４を参照して、一対のブラケット７４ａ，７４ｂには、一対のエンジンブラケット７６ａ，７６ｂが接続される。エンジンブラケット７６ａ，７６ｂは、クロスメンバ７８を介して連結される。クロスメンバ７８には、前方に延びる支持フレーム７９と、後方に延びる支持フレーム８０ａ，８０ｂとが接続される。支持フレーム７９の先端部には、突起部７９ａが形成される。支持フレーム８０ａ，８０ｂの後端部にはそれぞれ、貫通孔８２ａ，８２ｂが形成される（図８参照）。クロスメンバ７８および支持フレーム８０ａ，８０ｂ上には、エンジン１１４（後述）を支持するエンジンブラケット８４が取り付けられる。クロスメンバ７８は、上下方向に揺動可能にエンジンブラケット７６ａ，７６ｂに接続され、それに伴ってエンジンブラケット８４も上下方向に揺動可能となる。クロスメンバ５６には、後方に延びる一対のフレーム８６ａ，８６ｂが接続される。一対のフレーム８６ａ，８６ｂの後端部近傍は、クロスメンバ８８によって連結される。一対のフレーム８６ａ，８６ｂの後端部は、クロスメンバ５８に接続される。

　図６および図７を参照して、フレーム部１６によってアンダーカバー９０が支持される。アンダーカバー９０は、前後に位置する前カバー部９２および後カバー部９４を有する。前カバー部９２は、クロスメンバ５４および５６間に設けられ、一対の前部フレーム４８ａおよび４８ｂと、クロスメンバ５４および５６とに取り付けられる。後カバー部９４は、クロスメンバ５６および５８間に設けられ、クロスメンバ５６および８８と、フレーム８６ａ，８６ｂと、後部フレーム５０ａ，５０ｂとに取り付けられる。後部フレーム５０ａ，５０ｂには、一対のインナーカウル９５（右側のインナーカウルは図示せず）がそれぞれ取り付けられる。一対のインナーカウル９５は、それぞれ後輪１４ａ，１４ｂの上方を覆うように、後輪１４ａ，１４ｂとリアフェンダーカバー４０ａ，４０ｂとの間に設けられる。なお、アンダーカバー９０の前カバー部９２および後カバー部９４については後述する。

　アンダーカバー９０、シート部１８、ボディパネル３９、遮熱板１７６（後述）、燃料タンク１６８（後述）、左右のインナーカウル９５およびリアフロアカバー４２によって規定される空間がエンジンルームＳとなる。言い換えれば、エンジンルームＳは、アンダーカバー９０、シート部１８、ボディパネル３９、遮熱板１７６、燃料タンク１６８、左右のインナーカウル９５およびリアフロアカバー４２に囲まれている。すなわち、エンジンルームＳの下側、上側、前側、左側、右側および後側にはそれぞれ、アンダーカバー９０、シート部１８、ボディパネル３９、遮熱板１７６および左側のインナーカウル９５、燃料タンク１６８および右側のインナーカウル９５ならびにリアフロアカバー４２が設けられる。アンダーカバー９０すなわち前カバー部９２および後カバー部９４は、エンジン１１４より下方に設けられ、エンジンルームＳの下側を規定する。

　図８および図９を参照して、このようなフレーム部１６の前部フレーム４８ａ，４８ｂおよびクロスメンバ６２上にフロアパネル３８が設けられる。フロアパネル３８は、一対の前輪１２ａ，１２ｂと一対の後輪１４ａ，１４ｂとの間に設けられる。フロアパネル３８は、パネル本体９６と、開口部９８と、溝部１００とを含む。パネル本体９６は、前輪１２ａ，１２ｂと後輪１４ａ，１４ｂとの間において前後方向に略水平に延びる第１パネル部１０２と、前輪１２ａ，１２ｂの後方に位置しかつ第１パネル部１０２の前端部から上方に向かって延びる第２パネル部１０４と、第１パネル部１０２の左右後端部から後方に延びる第３パネル部１０６ａ，１０６ｂとを含む。第１パネル部１０２は、エンジンルームＳの前方に位置し、第３パネル部１０６ａは、エンジンルームＳの左側方に位置し、第３パネル部１０６ｂは、エンジンルームＳの右側方に位置する。好ましくは、第２パネル部１０４は、第１パネル部１０２の前端部から斜め前方に向かって立ち上がる。開口部９８は、パネル本体９６の前部すなわち第２パネル部１０４に設けられる（図１０（ａ）参照）。図１０（ａ）において、開口部９８にはハッチングが付されている。溝部１００は、開口部９８から導入された外気をシュラウド１３２（後述）内およびエンジン１１４内に供給するために開口部９８に連通し、かつパネル本体９６の前後方向に延びるようにパネル本体９６の上面に設けられる。溝部１００は、第２パネル部１０４から第１パネル部１０２に連続的に設けられ、開口部９８とエンジンルームＳとを連通し、ゴルフカー１０の前方からの走行風をエンジンルームＳに導くことができる。この実施形態では、溝部１００は、車両幅方向において、中央よりやや右寄りに形成される。開口部９８は、溝部１００の側面１００ａに設けられる。図１０（ａ）および（ｂ）を参照して、開口部９８の側方には、第２パネル部１０４の裏面（前面）から前方へ突出する板状部材１０８が設けられる。また、図１０（ｃ）を参照して、開口部９８の前方には、フレーム部１６に支持される角板状のカバー部１１０が設けられる。さらに、溝部１００は蓋部１１２（図８参照）によって覆われる。蓋部１１２は、短冊状の板状部材からなり、溝部１００の長手方向の形状に合わせて形成される。

　図１１～図１７を参照して、エンジンルームＳ内において、エンジンブラケット８４によってエンジン１１４が支持される。エンジン１１４は、たとえば空冷単気筒エンジンである。エンジン１１４には、燃料を吸気管１２６内に噴射する燃料噴射装置１１５が設けられる。エンジン１１４は、フロアパネル３８の第１パネル部１０２の後方に設けられ、シリンダヘッド１１６とシリンダボディ１１８とクランクケース１２０とを含む。エンジン１１４は前方に傾斜するように設けられる。エンジン１１４の上方にはエアクリーナ１２２が設けられる。エアクリーナ１２２には、ジョイント１２３を介して吸気ダクト１２４が接続される。吸気ダクト１２４は、エアクリーナ１２２の右側に設けられ、円筒状の前部ダクト１２４ａとノイズ低減効果を有する扁平状の後部ダクト１２４ｂとを含む。前部ダクト１２４ａの後端部と後部ダクト１２４ｂの前端部とが接続される。前部ダクト１２４ａは、溝部１００からの外気を導入するために、エンジンルームＳから溝部１００に臨むように配置され、後部ダクト１２４ｂの後端部がジョイント１２３に接続される。このようにして、吸気ダクト１２４とエアクリーナ１２２とが連通される。図１６において矢印Ｘで示すように、前方から開口部９８を通って溝部１００に導入された外気は、溝部１００から吸気ダクト１２４を介してエアクリーナ１２２に導入される。そして、エアクリーナ１２２によって浄化された空気は、吸気管１２６を介してエンジン１１４内に供給される。このように、吸気ダクト１２４とエンジン１１４との間にエアクリーナ１２２が設けられる。エンジンルームＳ内において、エンジン１１４の側方（この実施形態では左方）にはマフラー１２８が隣り合うように設けられる。エンジン１１４とマフラー１２８とは排気管１３０を介して接続され、エンジン１１４からの排気は排気管１３０を介してマフラー１２８に与えられる。マフラー１２８の排気管１２８ａの後端部には、図示しないサイレンサを含むジョイントエキゾースト１２８ｂが取り付けられる（図２２参照）。

　エンジン１１４のシリンダボディ１１８は、シリンダボディ１１８とシュラウド１３２との間に空気が流通可能な隙間を形成するように、シュラウド１３２によって覆われる。エンジン１１４の側面（この実施形態では、右側面）にはファンケース１３４が設けられ、シュラウド１３２とファンケース１３４とは連設される。ファンケース１３４内には、溝部１００からの外気を、シュラウド１３２内（シュラウド１３２とエンジン１１４との間）へ供給するためのファン１３６が収容される。ファン１３６は、クランクシャフト１４２（図１８参照）に連結され、駆動されることが好ましい。また、マフラー１２８は、マフラー１２８とマフラーカバー１３８との間に空気が流通可能な隙間を形成するように、マフラーカバー１３８によって覆われる。マフラーカバー１３８は、たとえば樹脂からなり、内面に断熱材が設けられ、上部が略角筒状かつ下部が略円筒状に形成される。シュラウド１３２とマフラーカバー１３８とは、排気管１３０を覆うダクト１３９によって連通される。なお、図１１、図１２、図２０および図２１には、ダクト１３９は図示されていない。図２２を参照して、マフラーカバー１３８の出口側端部には排気ダクト１４０が連設される。排気ダクト１４０の内周面には、たとえばグラスウールからなる吸音部材１４０ａ，１４０ｂが設けられる。吸音部材１４０ａ，１４０ｂはそれぞれ、たとえばパンチングメタルからなる保持部材１４０ｃ，１４０ｄによって排気ダクト１４０の内周面に保持される。排気ダクト１４０の後端部は、前カバー部９２の開口部９２ａに取り付けられ、開口部９２ａから外部に臨まされる（図７、図２０および図２２参照）。開口部９２ａは、前カバー部９２の前後方向の中央より後方に位置し、側面視においてマフラーカバー１３８よりも後方に位置する。また、開口部９２ａは、側面視においてマフラー１２８よりも後方に位置する。マフラーカバー１３８は、その側面に取り付けられたブラケット１４１の孔１４１ａに、支持フレーム７９の突起部７９ａを差し込むことによって、支持フレーム７９に支持される（図４および図１１参照）。図１７および図１８において矢印Ｙで示すように、ファン１３６によってシュラウド１３２内に供給された外気は、シュラウド１３２とエンジン１１４（シリンダボディ１１８）との間を通って、マフラーカバー１３８内（マフラーカバー１３８とマフラー１２８との間）に供給され、エンジン１１４およびマフラー１２８を冷却する冷却風として機能する。そして、マフラーカバー１３８内の空気は、排気ダクト１４０を通って前カバー部９２の開口部９２ａからエンジンルームＳの下方外部へ排出される。

　図１８～図２１をも参照して、エンジン１１４のクランクシャフト１４２からの出力は、ＣＶＴ１４４を介してトランスミッション１４６に伝達される。ＣＶＴ１４４は、マフラー１２８の後方に設けられ、トランスミッション１４６は、エンジン１１４の後方かつ一対の後輪１４ａ，１４ｂ間に設けられる。

　上述したエンジン１１４、マフラー１２８、シュラウド１３２、マフラーカバー１３８、排気ダクト１４０、ＣＶＴ１４４およびトランスミッション１４６は、エンジンルームＳに収容される。

　図４をも参照して、トランスミッション１４６には、一対の回転伝達部１４８ａ，１４８ｂが接続される。回転伝達部１４８ａは、トランスミッション１４６の左方に延び、等速ジョイント１５０ａ、ドライブシャフト１５２ａ、等速ジョイント１５４ａおよび車軸１５６ａを含む。トランスミッション１４６の出力軸（図示せず）とドライブシャフト１５２ａとが等速ジョイント１５０ａによって連結され、ドライブシャフト１５２ａと車軸１５６ａとが等速ジョイント１５４ａによって連結される。回転伝達部１４８ｂは、トランスミッション１４６の右方に延び、等速ジョイント１５０ｂ、ドライブシャフト１５２ｂ、等速ジョイント１５４ｂおよび車軸１５６ｂを含む。トランスミッション１４６の出力軸とドライブシャフト１５２ｂとが等速ジョイント１５０ｂによって連結され、ドライブシャフト１５２ｂと車軸１５６ｂとが等速ジョイント１５４ｂによって連結される。車軸１５６ａは後輪１４ａを支持し、車軸１５６ｂは後輪１４ｂを支持する。なお、支持フレーム８０ａの後端部の貫通孔８２ａは、トランスミッション１４６と等速ジョイント１５０ａとの間においてトランスミッション１４６の出力軸によって挿通され、支持フレーム８０ｂの後端部の貫通孔８２ｂは、トランスミッション１４６と等速ジョイント１５０ｂとの間においてトランスミッション１４６の出力軸によって挿通される（図１３参照）。

　また、一対の後輪１４ａ，１４ｂは、一対のサスペンション１５８ａ，１５８ｂによって懸架される。この実施形態では、一対のサスペンション１５８ａ，１５８ｂは独立懸架式サスペンションである。一対のサスペンション１５８ａ，１５８ｂはそれぞれ、ナックル１６０ａ，１６０ｂ、アーム１６２ａ，１６２ｂ、およびショックアブソーバ１６４ａ，１６４ｂを含む。ナックル１６０ａは、車軸１５６ａを回転可能に支持する。アーム１６２ａは、ナックル１６０ａの下部とフレーム８６ａとを連結する。ショックアブソーバ１６４ａの下端部および上端部はそれぞれ、ナックル１６０ａの上端部および連結フレーム６８に接続される。同様に、ナックル１６０ｂは、車軸１５６ｂを回転可能に支持する。アーム１６２ｂは、ナックル１６０ｂの下部とフレーム８６ｂとを連結する。ショックアブソーバ１６４ｂの下端部および上端部はそれぞれ、ナックル１６０ｂの上端部および連結フレーム６８に接続される。

　図１２を参照して、一対の前輪１２ａ，１２ｂは、フレーム部１６の前部に取り付けられる一対のサスペンション１６６ａ，１６６ｂによって懸架される。この実施形態では、一対のサスペンション１６６ａ，１６６ｂは独立懸架式サスペンションである。

　図１４および図１７を参照して、エンジン１１４の右方かつフロアパネル３８の第３パネル部１０６ｂ上には、燃料タンク１６８が設けられる。エンジン１１４と燃料タンク１６８との間における燃料タンク１６８の側面には、吸音材１７０が立設するように取り付けられる。また、マフラーカバー１３８の左方かつフロアパネル３８の第３パネル部１０６ａ上には、バッテリ１７２が設けられる。マフラーカバー１３８とバッテリ１７２との間には、吸音材１７４および遮熱板１７６が重ねられかつ立設するように配置される。吸音材１７０および１７４によってエンジンルームＳからの騒音を吸収でき、遮熱板１７６によってエンジンルームＳの熱がバッテリ１７２に及ぶことを抑制できる。

　図２３および図２４を参照して、アンダーカバー９０の前カバー部９２および後カバー部９４について説明する。

　前カバー部９２は、カバー部本体１７８を含む。カバー部本体１７８の上面には水抜き用の溝部１８０が設けられる。溝部１８０は、カバー部本体１７８の後部において、幅（左右）方向と前後方向とに延びるように形成される。溝部１８０の両側部および後端部には、４つの水抜き用の孔１８２ａ～１８２ｄが形成される。開口部９２ａは、カバー部本体１７８の後部左隅に設けられ、開口部９２ａの周囲には、４つの水抜き用の孔１８４ａ～１８４ｄが設けられる。また、カバー部本体１７８の前端部には、幅方向に間隔をあけて３つの水抜き用の孔１８６ａ～１８６ｃが設けられる。カバー部本体１７８の後端部には、後方斜め上方に延びかつ上に凸に湾曲した４つの爪部１８８ａ～１８８ｄが、幅方向に間隔をあけて設けられる。カバー部本体１７８の前端部には、前方に突出する鍔状部１９０が形成され、カバー部本体１７８の両側部にはそれぞれ、側方に突出する鍔状部１９２ａ，１９２ｂが形成される。鍔状部１９０には、２つのねじ孔１９４ａ，１９４ｂが形成され、鍔状部１９２ａ，１９２ｂにはそれぞれ、ねじ孔１９６ａ，１９６ｂが形成される。カバー部本体１７８のうち鍔状部１９０，１９２ａ，１９２ｂの内側には、上方に突出するリブ状部１９８ａ～１９８ｅが形成される。また、カバー部本体１７８の前端部の中央部には、２つの爪部２００ａ，２００ｂが設けられる。カバー部本体１７８の上面に溝部１８０を設けることによって、孔１８２ａ～１８２ｄに水を誘導し易くなる。リブ状部１９８ａ～１９８ｅによってクロスメンバ５４および前部フレーム４８ａ，４８ｂと、カバー部本体１７８（前カバー部９２）との間の隙間を塞ぐことができる。

　後カバー部９４は、カバー部本体２０２を含む。カバー部本体２０２の上面には、フレーム８６ａを保持する保持部２０４ａ，２０６ａ、フレーム８６ｂを保持する保持部２０４ｂ，２０６ｂ、クロスメンバ８８を保持する保持部２０８ａ，２０８ｂが設けられる。保持部２０４ａ，２０６ａ，２０４ｂ，２０６ｂ，２０８ａ，２０８ｂのそれぞれの近傍には、水抜き用の孔２１０ａ，２１０ｂ，２１０ｃ，２１０ｄ，２１０ｅ，２１０ｆが形成される。カバー部本体２０２には、フレーム８６ａ，８６ｂの後端部を収容する収容部２１２ａ，２１２ｂが設けられ、収容部２１２ａ，２１２ｂにはそれぞれ、水抜き用の孔２１４ａ，２１４ｂ（図７参照）が形成される。また、カバー部本体２０２の前端部には、幅方向に間隔をあけて３つの水抜き用の孔２１６ａ～２１６ｃが設けられる。カバー部本体２０２の前端部には、前方斜め上方に延びかつ上に凸に湾曲した３つの爪部２１８ａ～２１８ｃが、幅方向に間隔をあけて設けられる。カバー部本体２０２の後端両側部には、ねじ孔２２０ａ，２２０ｂが形成される。

　前カバー部９２をフレーム部１６に取り付けるとき、まず、前カバー部９２の後端部にある爪部１８８ａ～１８８ｄが前方からクロスメンバ５６に係合され、その状態で、爪部１８８ａ～１８８ｄを支点として前カバー部９２を揺動して、鍔状部１９０をクロスメンバ５４の下面に、鍔状部１９２ａ，１９２ｂを前部フレーム４８ａ，４８ｂの下面に接触させる。このとき、リブ状部１９８ａ～１９８ｅは、クロスメンバ５４および前部フレーム４８ａ，４８ｂの側面に接触する。また、爪部２００ａ，２００ｂが幅方向両側から挟むようにブラケット７４ａに係合される。そして、孔１９４ａ，１９４ｂを通るボルトなどからなる締結部材２２２（図７参照）で前カバー部９２の前端部にある鍔状部１９０がクロスメンバ５４に固定され、孔１９６ａ，１９６ｂを通るボルトなどからなる締結部材２２４（図７参照）で前カバー部９２の両側部にある鍔状部１９２ａ，１９２ｂが前部フレーム４８ａ，４８ｂに固定されることによって、前カバー部９２がクロスメンバ５４および前部フレーム４８ａ，４８ｂに固定される。

　また、後カバー部９４をフレーム部１６に取り付けるとき、まず、後カバー部９４の前端部にある爪部２１８ａ～２１８ｃが後方からクロスメンバ５６に係合され、その状態で、爪部２１８ａ～２１８ｃを支点として後カバー部９４を揺動して、収容部２１２ａ，２１２ｂの上端面をクロスメンバ５８の下面に接触させる。このとき、保持部２０４ａ，２０６ａによってフレーム８６ａが保持され、保持部２０４ｂ，２０６ｂによってフレーム８６ｂが保持され、保持部２０８ａ，２０８ｂによってクロスメンバ８８が保持される。そして、ねじ孔２２０ａ，２２０ｂを通るボルトなどからなる締結部材２２６（図７参照）で後カバー部９２の後端部が後部フレーム５０ａ，５０ｂに固定される。

　このようなゴルフカー１０によれば、前カバー部９２の後端部および後カバー部９４の前端部をそれぞれクロスメンバ５６に係合した後、前カバー部９２をクロスメンバ５４および前部フレーム４８ａ，４８ｂに固定し、後カバー部９４を後部フレーム５０ａ，５０ｂに固定すればよいので、フレーム部１６に対する前カバー部９２および後カバー部９４の組み付けが容易である。一方、前カバー部９２の後端部および後カバー部９４の前端部はそれぞれクロスメンバ５６に係合されているだけであるので、取り外し時には、クロスメンバ５４および前部フレーム４８ａ，４８ｂに対する前カバー部９２の固定を解除しかつ後部フレーム５０ａ，５０ｂに対する後カバー部９４の固定を解除するだけで、前カバー部９２および後カバー部９４をフレーム部１６から容易に取り外すことができる。このようにアンダーカバー９０を容易に着脱できる。また、前カバー部９２の後端部および後カバー部９４の前端部はそれぞれクロスメンバ５６に係合されているだけであるので、下方から衝撃を受けても、前カバー部９２の後端部および後カバー部９４の前端部がそれぞれ上方に動くことによって衝撃を吸収できる。このように、アンダーカバー９０は下方からの衝撃を吸収でき、アンダーカバー９０の損傷等を抑制できる。

　エンジンルームＳ内に水が浸入しても、前カバー部９２の孔１８２ａ～１８２ｄ，１８４ａ～１８４ｄ，１８６ａ～１８６ｃおよび／または後カバー部９４の孔２１０ａ～２１０ｆ，２１４ａ，２１４ｂ，２１６ａ～２１６ｃからエンジンルームＳの外部に水を容易に排出できる。

　前カバー部９２を取り外すだけで、エンジンルームＳに対して下方からアクセスできるので、エンジンルームＳ内のメンテナンス作業等が容易になる。

　マフラー１２８からの排気は、マフラーカバー１３８の出口側端部に連設される排気ダクト１４０および前カバー部９２の開口部９２ａを介してエンジンルームＳの下方から外部に排出される。このとき、マフラー１２８からの音は排気ダクト１４０内で減衰される。また、排気ダクト１４０はマフラーカバー１３８に連設されているので、マフラーカバー１３８内を伝わるエンジン１１４の振動音等の雑音は排気ダクト１４０内で減衰される。したがって、車外に音が漏れるのを抑制できる。

　前カバー部９２の前後方向の中央より後方に位置する開口部９２ａに、排気ダクト１４０を取り付けることによって、エンジンルームＳ内のメンテナンス作業等が容易になる。すなわち、クロスメンバ５４および前部フレーム４８ａ，４８ｂに対する前カバー部９２の固定を解除し、前カバー部９２の後端部をクロスメンバ５６に係合させた状態で、前カバー部９２の前端部を下方に移動させて前カバー部９２を開くと、前カバー部９２の前部よりも後部の方が位置の変動が少ない。したがって、開口部９２ａが前カバー部９２の前後方向の中央より後方に位置していることによって、前カバー部９２を少しだけ開けば行えるメンテナンス作業の場合には、開口部９２ａの位置の変動が少ないので、開口部９２ａから排気ダクト１４０を取り外さなくてもよい。

　前カバー部９２の開口部９２ａは、マフラーカバー１３８の下方に位置せず、側面視においてマフラーカバー１３８よりも後方に位置するので、排気ダクト１４０は後方に延び、排気ダクト１４０を比較的長く形成できる。したがって、排気をエンジンルームＳの下側から後方に向かって排出できる。さらに、マフラー１２８およびマフラーカバー１３８からの音が排気ダクト１４０内でさらに減衰され、車外に音が漏れるのをさらに抑制できる。

　前カバー部９２の後端部の爪部１８８ａ～１８８ｄおよび後カバー部９４の前端部の爪部２１８ａ～２１８ｃをクロスメンバ５６に係合した後、前カバー部９２を締結部材２２２でクロスメンバ５４に固定しかつ締結部材２２４で前部フレーム４８ａ，４８ｂに固定し、後カバー部９４を締結部材２２６で後部フレーム５０ａ，５０ｂに固定することによって、フレーム部１６に対する前カバー部９２および後カバー部９４の組み付けが容易になる。一方、取り外し時には、クロスメンバ５４および前部フレーム４８ａ，４８ｂに前カバー部９２を固定している締結部材２２２，２２４、ならびに後部フレーム５０ａ，５０ｂに後カバー部９４を固定している締結部材２２６を取り外すだけで、フレーム部１６から前カバー部９２および後カバー部９４を容易に取り外すことができる。

　上述の実施形態では、前カバー部９２がクロスメンバ５４および前部フレーム４８ａ，４８ｂに固定され、後カバー部９４が後部フレーム５０ａ，５０ｂに固定される場合について説明したが、これに限定されない。前カバー部９２は、クロスメンバ５４および前部フレーム４８ａ，４８ｂの少なくともいずれか一方に締結部材によって固定されればよく、後カバー部９４は、クロスメンバ５８および後部フレーム５０ａ，５０ｂの少なくともいずれか一方に締結部材によって固定されればよい。

　たとえば、前カバー部９２が前部フレーム４８ａ，４８ｂに固定されることなく、前カバー部９２の後端部の爪部１８８ａ～１８８ｄがクロスメンバ５６に係合され、前カバー部９２の前端部がクロスメンバ５４に固定され、かつ、後カバー部９４が保持部２０４ａ，２０６ａ，２０４ｂ，２０６ｂ，２０８ａ，２０８ｂを有することなく、後カバー部９４の前端部の爪部２１８ａ，２１８ｂ，２１８ｃがクロスメンバ５６に係合され、後カバー部９４の後端部がクロスメンバ５８または後部フレーム５０ａ，５０ｂに固定されてもよい。

　この場合、前カバー部９２の後端部および後カバー部９４の前端部をそれぞれクロスメンバ５６に係合した後、前カバー部９２の前端部をクロスメンバ５４に固定し、後カバー部９４の後端部をクロスメンバ５８または後部フレーム５０ａ，５０ｂに固定すればよいので、フレーム部１６に対する前カバー部９２および後カバー部９４の組み付けがさらに容易になる。一方、前カバー部９２の後端部および後カバー部９４の前端部はそれぞれクロスメンバ５６に係合されているだけであるので、取り外し時には、クロスメンバ５４に対する前カバー部９２の前端部の固定を解除しかつクロスメンバ５８または後部フレーム部５０ａ，５０ｂに対する後カバー部９４の後端部の固定を解除するだけで、前カバー部９２および後カバー部９４をフレーム部１６からさらに容易に取り外すことができる。このようにアンダーカバー９０をさらに容易に着脱できる。また、前カバー部９２の後端部および後カバー部９４の前端部はそれぞれクロスメンバ５６に係合されているだけであるので、下方から衝撃を受けても、前カバー部９２はその前端部を支点として、後カバー部９４はその後端部を支点として、それぞれ上方に動くことによって衝撃を容易に吸収できる。このように、アンダーカバー９０は下方からの衝撃を容易に吸収でき、アンダーカバー９０の損傷等をさらに抑制できる。

　後カバー部９４の上面に水抜き用の溝部が形成されてもよい。

　図２３に示すように、前カバー部９２のカバー部本体１７８の前端部に爪部２２８ａ，２２８ｂが設けられてもよく、図２４に示すように、後カバー部９４のカバー部本体２０２の後端部に爪部２３０ａ，２３０ｂが設けられてもよい。この場合、前カバー部９２の後端部の爪部１８８ａ～１８８ｄおよび後カバー部９４の前端部の爪部２１８ａ～２１８ｃをクロスメンバ５６に係合した後、前カバー部９２の前端部の爪部２２８ａ，２２８ｂをクロスメンバ５４に係合し、後カバー部９４の後端部の爪部２３０ａ，２３０ｂをクロスメンバ５８に係合することによって、前カバー部９２および後カバー部９４を締結部材でフレーム部１６に固定する作業がさらに容易になる。

　上述の実施形態では、この発明をゴルフカーに適用した場合について説明したが、これに限定されない。この発明は、他の任意の車両に適用できる。

　以上、この発明の好ましい実施形態について説明されたが、この発明の範囲および精神を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能であることは明らかである。この発明の範囲は、添付された請求の範囲のみによって限定される。

　１０　　　ゴルフカー
　１６　　　フレーム部
　４６ａ，４６ｂ　　　メインフレーム
　５２，５４，５６，５８，６２，７８，８８　　　クロスメンバ
　９０　　　アンダーカバー
　９２　　　前カバー部
　９２ａ，９８　　　開口部
　９４　　　後カバー部
　１１４　　　エンジン
　１２８　　　マフラー
　１３８　　　マフラーカバー
　１４０　　　排気ダクト
　１８２ａ～１８２ｄ，１８４ａ～１８４ｄ，１８６ａ～１８６ｃ，２１０ａ～２１０ｆ，２１４ａ，２１４ｂ，２１６ａ～２１６ｃ　　　水抜き用の孔
　１８８ａ～１８８ｄ，２００ａ，２００ｂ，２１８ａ～２１８ｃ，２２８ａ，２２８ｂ，２３０ａ，２３０ｂ　　　爪部
　２２２，２２４，２２６　　　締結部材
　Ｓ　　　エンジンルーム

Claims

　車両幅方向に相互に間隔をあけてそれぞれ車両前後方向に延びる一対のメインフレーム、ならびにそれぞれ前記車両幅方向に延びて前記一対のメインフレームを連結する第１，第２および第３のクロスメンバを含むフレーム部と、
　前後に位置する前カバー部および後カバー部を有しかつ前記フレーム部に支持されるアンダーカバーと、
　前記アンダーカバーによって下側が規定されるエンジンルームと、
　前記エンジンルームに収容されるエンジンとを備え、
　前記第１，第２および第３のクロスメンバは、前記車両前後方向に相互に間隔をあけてかつ車両前方から後方にこの順で配置され、
　前記前カバー部の後端部および前記後カバー部の前端部はそれぞれ前記第２クロスメンバに係合され、前記前カバー部は前記第１クロスメンバおよび前記一対のメインフレームの少なくともいずれか一方に固定され、前記後カバー部は前記第３クロスメンバおよび前記一対のメインフレームの少なくともいずれか一方に固定される、車両。
　前記前カバー部は水抜き用の孔を含み、
　前記後カバー部は水抜き用の孔を含む、請求項１に記載の車両。
　前記前カバー部は前記エンジンルームの下側を規定する、請求項１または２に記載の車両。
　前記エンジンからの排気が供給されるマフラーと、
　前記マフラーを覆うマフラーカバーと、
　前記マフラーカバーの出口側端部に連設される排気ダクトとをさらに前記エンジンルームに収容し、
　前記前カバー部は、前記排気ダクトが取り付けられる開口部を含む、請求項１から３のいずれかに記載の車両。
　前記開口部は、前記前カバー部の前後方向の中央より後方に位置する、請求項４に記載の車両。
　前記開口部は、側面視において前記マフラーカバーよりも後方に位置する、請求項４に記載の車両。
　前記前カバー部を前記第１クロスメンバおよび前記一対のメインフレームの少なくともいずれか一方に固定する締結部材、ならびに
　前記後カバー部を前記第３クロスメンバおよび前記一対のメインフレームの少なくともいずれか一方に固定する締結部材をさらに含み、
　前記前カバー部の後端部および前記後カバー部の前端部はそれぞれ前記第２クロスメンバに係合される爪部を有する、請求項１から６のいずれかに記載の車両。
　前記前カバー部の前端部および前記後カバー部の後端部はそれぞれ前記第１クロスメンバおよび前記第３クロスメンバに係合される爪部を有する、請求項７に記載の車両。