JP4627459B2 - 車両前部構造 - Google Patents
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Description
このラジエータの冷却効果を確保するためには、ラジエータに冷却風を良好に導くことが要求される。
これにより、一対の傾斜面の先端部間の導入口が大きく確保され、冷却風が導入口から導入しやすくなる。
ラジエータの後面側から冷却風を良好に除去する方法として、ラジエータの後面側の冷却風を車体下部からアンダーカバーの外側に排出する方法が考えられる。
このため、アンダーカバーに沿って流れる走行風に乱れが生じ、この走行風の乱れが車体に対する空気抵抗を抑える妨げになる。
これにより、ラジエータの前面側から後面側に向けて冷却風を良好に通過させることができる。
これにより、走行風をアンダーカバーに沿って良好に流すことができる。
また、アンダーカバーから上方に向けて略矩形状の立上がり部を折り曲げた。そして、立上がり部の前辺をホイールハウスの下部に取り付け、立上がり部の上辺および後辺を車体前部フレームに取り付けた。
これにより、アンダーカバーの側部を確実に車体側に固定(保持)することができる。
そこで、請求項2において、ラジエータを通過した冷却風を駆動部で案内して、開口部に向けて導くようにした。
これにより、駆動部を、冷却風のガイド部材として兼用することで、専用のガイド部材を不要にできる。
請求項3に係る発明は、前記開口部は、前記立上がり部の中央部に形成された略矩形状の開口であることを特徴とする。
開口部を立上がり部の中央部に形成し、この開口部を略矩形状の開口に形成できる。
加えて、請求項1に係る発明では、走行風をアンダーカバーに沿って良好に流すことで、車両に対する空気抵抗を良好に抑えることができるという利点がある。
請求項3に係る発明では、開口部を立上がり部の中央部に形成し、この開口部を略矩形状の開口に形成できるという利点がある。
車両前部構造10は、車体前部フレーム11の一部を構成する左右のフロントサイドフレーム12,13を備え、左右のフロントサイドフレーム12,13間で、かつ車両前部にラジエータ14を搭載し、ラジエータ14の前方にフロントバンパー15を設け、フロントバンパー15の下面16をラジエータ14の下方に延ばし、ラジエータ14の後面14b側に冷却ファン17を設け、冷却ファン17の後方に、車両を駆動するエンジンユニット(駆動部)18を配置するとともに、このエンジンユニット18をサブフレーム19に搭載し、サブフレーム19を左右のフロントサイドフレーム12,13に設けたものである。
左右のフロントサイドフレーム12,13に、ラジエータ支持部材29(図4、図5参照)を介してラジエータ14が取り付けられている。
ラジエータ14の後面14b側に冷却ファン17が、ラジエータ14と一体的に取り付けられている。冷却ファン17は、一例として、電動ファンである。
サブフレーム19は、車体前部フレーム11の下部を構成する部材である。
このサブフレーム19は、左右のフレームメンバー34,35が左右側に所定間隔をおいて配置され、左右のフレームメンバー34,35が前後のクロスメンバー36,37で連結されている。
取付ボス38…を左右のフロントサイドフレーム12,13にボルト39…で固定することにより、左右のフロントサイドフレーム12,13にサブフレーム19を取り付ける。
フロントバンパー15の下面16から車体方向に向けてアンダーカバーユニット20が設けられている。
アンダーカバーユニット20は、エンジンルーム48内のエンジンユニット18を、車体下方からのチッピングなどから保護する部材である。
よって、前アンダーカバー21で下面16と前クロスメンバー36との間の前空間41を塞ぐ。
左立上がり部25は、前アンダーカバー21の左側部21cから上方に向けて折り曲げられた略矩形状の折曲片である。
左立上がり部25は、前辺25aが左ホイールハウス(ホイールハウス)42の下部42aに、一例としてスポット溶接で取り付けられ、上辺25bおよび後辺25cが左フロントサイドフレーム12に、一例としてスポット溶接で取り付けられている。
これにより、前アンダーカバー21の左側部21cを確実に車体側に固定(保持)することができる。
さらに、前アンダーカバー21の左立上がり部25によって、左ホイールハウス42内と、エンジンルーム48とを仕切り、互いの風の流れに影響をおよぼさない。
この左収納空間45は、前述したように、左立上がり部25でエンジンルーム48と仕切られている。
よって、左収納空間45の風の流れと、エンジンルーム48の風の流れとは、分離されて互いに影響をおよぼさない。
また、左ホイールハウス42内の左収納空間45は、エンジンルーム48内よりも若干圧力の低い状態に保たれる。
この左開口部26は、ラジエータ14を通過した冷却風を、エンジンルーム48から左収納空間45に導く導入口である。
右立上がり部27は、前アンダーカバー21の右側部21dから上方に向けて折り曲げられた略矩形状の折曲片である。
これにより、前アンダーカバー21の右側部21dを確実に車体側に固定(保持)することができる。
なお、右立上がり部27については図4で詳しく説明する。
よって、中間アンダーカバー22で前クロスメンバー36と後クロスメンバー37との間の中間空間51を塞ぐ。
よって、後アンダーカバー23で後クロスメンバー37と車体クロスメンバー51との間の後空間52を塞ぐ。
したがって、自動車を走行する際に、車両下方の走行風を、アンダーカバーユニット20に沿わせて車体後方に円滑に流すことができる。
前アンダーカバー21の前端部21aを、ラジエータ支持部材29と下面16との間に配置し、この前端部21aを下面16とともにラジエータ支持部材29にボルト止めする。
さらに、前アンダーカバー21の後端部21bを、中間アンダーカバー22の前端部22aに重ね合わせ、この後端部21bを前端部22aとともに前クロスメンバー36(図2参照)にボルト止めする。
さらに、前アンダーカバー21の右側部21dを、右立上がり部27を介して車体側に取り付ける。
これにより、前アンダーカバー21を車体側に固定する。
さらに、中間アンダーカバー22の左右の側部を、左右のフレームメンバー34,35にそれぞれボルト止めする。
これにより、中間アンダーカバー22を車体側に固定する。
さらに、後アンダーカバー23の左右の側部を、左右のフロントサイドフレーム12,13にそれぞれボルト止めする。
これにより、後アンダーカバー23を車体側に固定する。
ラジエータ14の下部14cをフロントバンパー15の下面16で覆い、冷却ファン17の下部17aを前アンダーカバー21で覆う。
ラジエータ14を通過した冷却風50は、冷却ファン17でエンジンユニット18に向けて送風される。
このように、ラジエータ14から車両後方に送風された冷却風を、エンジンユニット18の前面18cで案内することで、エンジンユニット18の前面18cを、冷却風のガイド部材として兼用することができる。
なお、図4においては、構成の理解を容易にするためにラジエータ14をエンジンユニット18から離した状態で示す。
前述したように、前アンダーカバー21の右側部21dに右立上がり部27を備える。右立上がり部27は、前辺27aが右ホイールハウス(ホイールハウス)49の下部49aに、一例としてスポット溶接で取り付けられ、上辺27bおよび後辺27cが右フロントサイドフレーム13に、一例としてスポット溶接で取り付けられている。
この右立上がり部27によって、右ホイールハウス49内と、エンジンルーム48とを仕切り、互いの風の流れに影響をおよぼさない。
よって、右ホイールハウス49は、左ホイールハウス42と同様に、車体外側部43から車体中央側に凹状に形成され、右収納空間53を備える。
この右収納空間53に右前輪(前輪)54を収納する。
よって、右収納空間53の風の流れと、エンジンルーム48の風の流れとは、分離されて互いに影響をおよぼさない。
この右収納空間53は、エンジンルーム48内よりも若干圧力の低い状態に保たれる。
この右開口部28は、ラジエータ14を通過した冷却風を、エンジンルーム48から右収納空間53に導く導入口である。
左立上がり部25に左開口部26を設けることで、下部空間55aに左開口部26を配置する。
すなわち、左ホイールハウス42でエンジンルーム48と、左収納空間45(図2参照)とが仕切られている。
よって、左側空間55において、エンジンルーム48および左収納空間45は左開口部26を介して連通される。
右立上がり部27に右開口部28を設けることで、下部空間56aに右開口部28を配置する。
すなわち、右ホイールハウス49でエンジンルーム48と、右収納空間53とが仕切られている。
よって、右側空間56において、エンジンルーム48と右収納空間53とは左開口部28を介して連通される。
また、エンジンユニット18の前面18cに案内されて車両の右側に導かれた冷却風50は、右開口部28を通過して右収納空間53に排出される。
図5(a),(b)は本発明に係る車両前部構造に冷却風を導く例を説明する図である。
(a)において、車両を走行するとともに冷却ファン17を矢印Aの如く回転する。ラジエータ14の前面14a側から冷却風50を矢印Bの如く吸い込む。
ラジエータ14を通過した冷却風50は、エンジンルーム48に進入する。エンジンルーム48に進入した冷却風50は、冷却ファン17で車両後方に向けて矢印Cの如く送風される。
車両左側に矢印Eの如く案内された冷却風50は、左開口部26から左収納空間45に排出される。
同様に、車両左側に矢印Fの如く案内された冷却風50は、右開口部28から右収納空間53に排出される。
冷却風50を良好に通過させることで、ラジエータ14内を循環している冷却水を好適に冷却することができる。
冷却風50を左開口部26から左収納空間45に排出する。このように、冷却風50を、エンジンルーム48内よりも若干圧力の低い左ホイールハウス42内の左収納空間45に導くことで、冷却風50をアンダーカバーユニット20の下方に排出する必要がない。
そのため、冷却風50と、アンダーカバーユニット20の下面に沿って流れる走行風58とを交差することなく、冷却風50が車体の空気抵抗の妨げになることはない。
このように、アンダーカバーユニット20の下面に沿って流れる走行風58を、エンジンルーム48から排出する冷却風50で乱す虞がない。これにより、走行風58をアンダーカバーユニット20に沿って良好に流すことができる。
なお、右開口部28から右収納空間53に冷却風50を排出した場合の作用は、左開口部26から左収納空間45に冷却風50を排出した場合の作用と同じなので説明を省略する。
Claims (3)
- ラジエータと、このラジエータの後方に設けた車両を駆動する駆動部とを車体前部フレームに搭載した車両前部構造において、
前記ラジエータの前方に設けたフロントバンパーの下面から車両後方に向けて前記駆動部を保護するアンダーカバーを延ばし、
このアンダーカバーの側部に、前輪を収納するホイールハウスに臨むとともに、前記車体前部フレームまで立ち上げた立上がり部を設け、
この立上がり部に、前記ラジエータを通過した冷却風をホイールハウス内に導く開口部を設けた車両前部構造であって、
前記立上がり部は、
前記アンダーカバーから上方に向けて折り曲げられた略矩形状の折曲片であり、
前記ホイールハウスの下部に前辺が取り付けられ、前記車体前部フレームに上辺および後辺が取り付けられたことを特徴とする車両前部構造。 - 前記ラジエータを通過した冷却風を前記駆動部に導き、この駆動部で冷却風を前記開口部に案内するように構成したことを特徴とする請求項1記載の車両前部構造。
- 前記開口部は、前記立上がり部の中央部に形成された略矩形状の開口であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両前部構造。
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