WO2017183226A1 - 熱硬化性樹脂組成物、硬化膜、硬化膜付き基板および電子部品 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1および特許文献2には、特定構造のポリエステルアミド酸、エポキシ樹脂、エポキシ硬化剤などを含む樹脂組成物が開示されている。しかしながら、これらいずれの特許文献にも、該組成物から得られる硬化膜のITO基板に対する密着性や硬度についてはなんら検討されていない。
例えば、前記特許文献に具体的に記載されている樹脂組成物を検討したところ、該組成物から得られた硬化膜は、ガラスやITO、特にITOに対する密着性と硬度が悪かった。
すなわち、本発明は、例えば以下の[1]~[23]に関する。
0.2≦Z/Y≦8.0・・・(i)
0.2≦(Y+Z)/X≦1.5・・・(ii)
本発明の組成物は、ポリエステルアミド酸(A)、フルオレンまたはジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ化合物(B)および、エポキシ硬化剤(C)、溶媒(D)、平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子(E)および光学調整エポキシ樹脂(F)を含有する。本発明の組成物は前記成分のほか、添加剤を含有してもよく、有色、無色のどちらであってもよい。
このような本発明の組成物によれば、高硬度、高透明性、ガラスやITOに対する密着性、およびシュウ酸を含むITOエッチング液への耐性にバランスよく優れる硬化膜を得ることができる。このため、タッチパネル用の透明絶縁膜やオーバーコートを生産性よく作製することが可能であり、これらの用途に好適に用いることができる。
従来の、ポリエステルアミド酸からなる組成物や、フルオレン骨格を有するエポキシ化合物およびエポキシ硬化剤からなる組成物では、これらの基板、鉛筆硬度が3H以上であり、上記透過率が97%以上であり、ガラスおよびITO等に対する密着性に優れる硬化膜は得られなかった。
従って、本発明の組成物は、従来の組成物からでは予期しえない効果を有する組成物であり、ポリエステルアミド酸、フルオレン骨格またはジシクロペンタジエンを有するエポキシ化合物、エポキシ硬化剤、溶媒、平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子および光学調整エポキシ樹脂を組み合わせることにより、相乗効果を有する組成物である。
本発明で用いられるポリエステルアミド酸(A)は、特に制限されないが、エステル結合、アミド結合およびカルボキシル基を有する化合物であることが好ましく、具体的には、式(3)および(4)で示される構成単位を有する化合物であることがより好ましい。
このようなポリエステルアミド酸(A)を特定のエポキシ化合物およびエポキシ硬化剤と組み合わせて使用することで初めて、高硬度、高透明性およびシュウ酸を含むITOエッチング液への耐性に優れ、さらには、ガラスやITOに対する密着性に優れる硬化膜を形成可能な組成物が得られる。
ポリエステルアミド酸(A)は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(式(6)において、R6は、-O-、-CO-、-SO2-、-C(CF3)2-、-R7-または-O-ph-R8-ph-O-である(phはベンゼン環であり、R8は、-O-、-CO-、-SO2-、-C(CF3)2-または-R7-である。)。なお、R7は独立に、炭素数1~4のアルキル基である。)
(式(7)において、R9は、-O-、-CO-、-SO2-、-C(CF3)2-、-R7-または-ph-R8-ph-である(phはベンゼン環であり、R8は、-O-、-CO-、-SO2-、-C(CF3)2-または-R7-である。)。なお、R7は独立に、炭素数1~4のアルキル基である。)
つまり、式(3)および(4)中、R1は独立に、テトラカルボン酸二無水物残基であり、R2はジアミン残基であり、R3は多価ヒドロキシ化合物残基であることが好ましい。
なお、この反応の際には、反応溶媒(a5)等を用いてもよい。
これらの(a1)~(a5)等はそれぞれ、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
テトラカルボン酸二無水物(a1)としては特に制限されないが、具体例として、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2-[ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物およびエチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)(商品名;TMEG-100、新日本理化(株)製)等の芳香族テトラカルボン酸二無水物;シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物およびシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物等の脂環式テトラカルボン酸二無水物;ならびに、エタンテトラカルボン酸二無水物およびブタンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
ジアミン(a2)としては特に制限されないが、具体例として、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、3,4’-ジアミノジフェニルスルホン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[3-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル][3-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル][3-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホンおよび2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンが挙げられる。
多価ヒドロキシ化合物(a3)は、ヒドロキシ基を2つ以上有する化合物であれば特に制限されないが、具体例として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、分子量1,000以下のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、分子量1,000以下のポリプロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,2,5-ペンタントリオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,2,6-ヘキサントリオール、1,2-ヘプタンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,2,7-ヘプタントリオール、1,2-オクタンジオール、1,8-オクタンジオール、3,6-オクタンジオール、1,2,8-オクタントリオール、1,2-ノナンジオール、1,9-ノナンジオール、1,2,9-ノナントリオール、1,2-デカンジオール、1,10-デカンジオール、1,2,10-デカントリオール、1,2-ドデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンが挙げられる。
1価アルコール(a4)は、ヒドロキシ基を1つ有する化合物であれば特に制限されないが、具体例として、メタノール、エタノール、1-プロパノール、イソプロピルアルコール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、フェノール、ボルネオール、マルトール、リナロール、テルピネオール、ジメチルベンジルカルビノールおよび3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタンが挙げられる。
反応溶媒(a5)としては特に制限されないが、具体例として、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、シクロヘキサノン、N-メチル-2-ピロリドンおよびN,N-ジメチルアセトアミドが挙げられる。
なお、反応溶媒(a5)としては、具体的にはこれらの溶媒が挙げられるが、これらの溶媒に、前記反応に用いる溶媒全量に対して30重量%以下の割合であれば、該溶媒以外の他の溶媒を混合した混合溶媒を用いることもできる。
ポリエステルアミド酸(A)の合成方法は、特に制限されないが、テトラカルボン酸二無水物(a1)、ジアミン(a2)、多価ヒドロキシ化合物(a3)、および、必要により1価アルコール(a4)を必須成分として反応させる方法が好ましく、この反応を反応溶媒(a5)中で行うことがより好ましい。
なお、1価アルコール(a4)は反応のどの時点で添加してもよい。
0.2≦Z/Y≦8.0 ・・・(i)
0.2≦(Y+Z)/X≦1.5 ・・・(ii)
ポリエステルアミド酸(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(ポリスチレン換算)は、溶媒(D)に対する溶解性や、特にエポキシ化合物(B)と併用することで、透明性、ガラスやITOに対する密着性および耐薬品性のバランスがとれた硬化膜が得られる等の観点から、2,000~30,000であることが好ましく、3,000~28,000であることがより好ましい。
この重量平均分子量は、具体的には、下記実施例に記載の方法で測定することができる。
本発明に用いられるエポキシ化合物(B)は、フルオレン骨格またはジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ化合物であれば特に限定されない。このようなエポキシ化合物(B)は、分解温度が高く、耐熱安定性に優れるため、高透明性などの前記効果に加え、これらの効果を併せ持つ硬化膜を得ることができる。
エポキシ化合物(B)は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
エポキシ化合物(B)のエポキシ当量は、例えばJIS K7236に記載の方法で測定することができる。
エポキシ化合物(B)の屈折率は、例えばJIS K7105やJIS K7142に記載の方法で測定することができる。
エポキシ化合物(B)の市販品としては、例えば、OGSOL PG-100(商品名、大阪ガスケミカル(株)製、屈折率1.64、エポキシ当量259g/eq)、OGSOL CG-500(商品名、大阪ガスケミカル(株)製、屈折率1.70、エポキシ当量311g/eq)、OGSOL EG-200(商品名、大阪ガスケミカル(株)製、屈折率1.62、エポキシ当量292g/eq)、OGSOL EG-250(商品名、大阪ガスケミカル(株)製、屈折率1.58、エポキシ当量417g/eq)、OGSOL EG-280(商品名、大阪ガスケミカル(株)製、屈折率1.56、エポキシ当量467g/eq)、OGSOL CG-400(商品名、大阪ガスケミカル(株)製、屈折率1.53、エポキシ当量540g/eq)、EP-4088S(商品名、(株)ADEKA製、屈折率1.50、エポキシ当量170g/eq)、EP-4088L(商品名、(株)ADEKA製、屈折率1.50、エポキシ当量165g/eq)が挙げられる。
本発明の組成物には、エポキシ硬化剤(C)が配合され、このことにより、耐熱性および耐薬品性に優れる硬化膜が得られる。
エポキシ硬化剤(C)としては、ポリエステルアミド酸(A)とは異なる化合物であり、具体的には、酸無水物系硬化剤、ポリアミン系硬化剤、ポリフェノール系硬化剤および触媒型硬化剤などが挙げられるが、耐着色性および耐熱性等の点から酸無水物系硬化剤が好ましい。
エポキシ硬化剤(C)は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の組成物は、例えば、ポリエステルアミド酸(A)、エポキシ化合物(B)およびエポキシ硬化剤(C)を溶媒(D)に溶解して得ることができる。したがって、溶媒(D)は、ポリエステルアミド酸(A)、エポキシ化合物(B)およびエポキシ硬化剤(C)を溶解することができる溶媒であることが好ましい。また、単独ではポリエステルアミド酸(A)、エポキシ化合物(B)およびエポキシ硬化剤(C)を溶解しない溶媒であっても、他の溶媒と混合することによって、溶媒(D)として用いることが可能になる場合がある。
溶媒(D)は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよく、また、前記反応溶媒(a5)をそのまま用いてもよい。
本発明に用いられるシリカ微粒子(E)は、その平均粒子径が、50nm以下であれば特に限定されないが、40nm以下であることがより好ましく、25nm以下であることがさらに好ましい。このようなシリカ微粒子(E)を含有することにより、耐熱性、高透明性、高硬度などに優れる硬化膜を得ることができる。
シリカ微粒子(E)は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上述したシリカの平均粒子径は、動的光散乱法により評価した球相当径の意義である。
本発明に用いられる光学調整エポキシ樹脂(F)は、組成物を硬化させた硬化膜の光学的性質を調整するために配合される、上述したエポキシ樹脂(B)とは異なる種類のエポキシ樹脂である。光学調整エポキシ樹脂(F)は、シリカ微粒子(E)とは別に組成物に添加しても、シリカ微粒子(E)をあらかじめ分散させる分散媒として用いてもよい。シリカ微粒子(E)を光学調整エポキシ樹脂(F)にあらかじめ分散させてから、組成物に添加することにより、シリカ微粒子(E)の分散状態を良好にすることができる。
本発明の組成物は、目的とする特性に応じて、ポリエステルアミド酸(A)、エポキシ化合物(B)、エポキシ硬化剤(C)、シリカ微粒子(E)および光学調整エポキシ樹脂(F)以外の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、その他のエポキシ樹脂(f)、ポリイミド樹脂、オキセタン樹脂、重合性モノマー、帯電防止剤、カップリング剤(g)、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤(h)、界面活性剤(i)、エポキシ樹脂硬化促進剤(j)、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、水溶性ポリマーが挙げられる。また、所望の用途に応じて顔料または染料を含有してもよい。添加剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明では、オキシラン環またはオキセタン環を1つ以上有する化合物をエポキシ化合物という。本発明において、その他のエポキシ樹脂(f)とは、前記フルオレン骨格またはジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ化合物(B)および光学調整エポキシ樹脂(F)以外のエポキシ樹脂を指す。
その他のエポキシ樹脂(f)としては、オキシラン環を2つ以上有する化合物が好ましく用いられ、その他のエポキシ樹脂(f)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
式(1)中、Rは炭素数1~45のアルキル、炭素数4~8のシクロアルキル、アリールおよびアリールアルキルから独立して選択される基であり;炭素数1~45のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられても良く、そして隣接しない任意の-CH2-は-O-または-CH=CH-で置き換えられてもよく;アリールアルキル中のアルキレンにおいて、炭素原子の数は1~10であり、そして隣接しない任意の-CH2-は-O-で置き換えられても良く;R1およびR2は炭素数1~4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびフェニルから独立して選択される基であり;そして、X1はオキシラニル、オキシラニレン、3,4-エポキシシクロヘキシル、オキセタニルおよびオキセタニレンのいずれか1つを有する基である。
なお、本発明において、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートのことを指し、(メタ)アクリルとは、アクリルおよび/またはメタクリルのことを指す。
前記光学調整エポキシ樹脂(F)は、その一態様としてオキセタン樹脂を包含する。オキセタン樹脂の具体例としては、「OXT-101」、「OXT-121」、「OXT-212」、「OXT-221」(以上商品名、東亞合成(株)製)が挙げられる。これらの中でも、商品名「OXT-101」を含む組成物は、透明性が高い硬化膜を得ることができるため好ましい。
本発明の組成物中のオキセタン樹脂の濃度は特に限定されないが、耐熱性および透明性がさらに良好である硬化膜が得られる等の点から、本発明の組成物の固形分(該組成物から溶剤を除いた残分)中に0~40重量%含まれていることが好ましく、0~30重量%含まれていることがより好ましい。
ポリイミド樹脂としては、イミド基を有していれば特に限定されない。
ポリイミド樹脂は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
重合性モノマーとしては、例えば、単官能重合性モノマー、二官能(メタ)アクリレート、三官能以上の多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
重合性モノマーは1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
帯電防止剤は、本発明の組成物の帯電を防止するために使用することができ、本発明の組成物が帯電防止剤を含む場合、本発明の組成物中、0.01~1重量%の量で用いられることが好ましい。
帯電防止剤としては、公知の帯電防止剤を用いることができる。具体的には、酸化錫、酸化錫・酸化アンチモン複合酸化物、酸化錫・酸化インジウム複合酸化物などの金属酸化物;四級アンモニウム塩が挙げられる。
帯電防止剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
カップリング剤(g)としては、特に限定されるものではなく、ガラスやITOとの密着性を向上させる等の目的でシランカップリング剤などの公知のカップリング剤を用いることができる。本発明の組成物がカップリング剤(g)を含む場合、カップリング剤(g)は、本発明の組成物の固形分(該組成物から溶剤を除いた残分)100重量%に対し、10重量%以下になるように添加して用いられることが好ましい。
カップリング剤(g)は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の組成物が酸化防止剤(h)を含有することで、該組成物から得られる硬化膜が高温または光に曝された場合の劣化を防止することができる。酸化防止剤(h)は、本発明の組成物が酸化防止剤(h)を含む場合、該酸化防止剤(h)を除く組成物の固形分(該組成物から溶剤を除いた残分)100重量部に対し、0.1~3重量部添加して用いることが好ましい。
酸化防止剤(h)は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の組成物が界面活性剤(i)を含有することで、下地基板への濡れ性、レベリング性や塗布性が向上した組成物を得ることができ、本発明の組成物が界面活性剤(i)を含む場合、界面活性剤(i)は、本発明の組成物100重量%に対し、0.01~1重量%となる量で用いられることが好ましい。
界面活性剤(i)は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
エポキシ樹脂硬化促進剤(j)としては、本発明の組成物の硬化温度を低下させること、あるいは硬化時間を短縮させることができる等の点から、「DBU」、「DBN」、「U-CAT」、「U-CAT SA1」、「U-CAT SA102」、「U-CAT SA506」、「U-CAT SA603」、「U-CAT SA810」、「U-CAT 5002」、「U-CAT 5003」、「U-CAT 18X」、「U-CAT SA841・851」、「U-CAT SA881」、「U-CAT 891」(以上商品名、サンアプロ(株)製)、「CP―001」、「NV-203-R4」(以上商品名、大阪ガスケミカル(株)製)、「カレンズMT PE1」、「カレンズMT BD1」、「カレンズMT NR1」(以上商品名、昭和電工(株)製)、等が挙げられる。
エポキシ樹脂硬化促進剤(j)はそれぞれ、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
顔料としては、例えば、窒化硼素、窒化アルミニウム、炭化珪素、アルミナ、マグネシア、シリカ、ルチル型酸化チタン、酸化亜鉛、低次酸化チタンおよび黒鉛からなる群より選ばれる1種以上の化合物が挙げられる。ルチル型酸化チタンは、TiO2で示される白色の酸化チタンをいう。低次酸化チタンは、Ti3O5、Ti2O3、TiOなどの黒色の酸化チタンをいう。例えば、チタンブラックとして知られている低次酸化チタン(黒色)としては、赤穂化成(株)製ティラックD(商品名)、三菱マテリアル(株)製12S、13M、13M-C、SC-13M(商品名)、トクシキ(株)製マルコ2004ブラック(商品名)が挙げられる。黒鉛としては、例えば、トクシキ(株)製マルコ2003、ブラックマルコ2011ブラック、マルコ2020ブラック、マルコ2021ブラック(商品名)が挙げられる。
染料としては、例えば、アゾ染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料、が挙げられる。アゾ染料の例としては「VALIFAST BLACK 3810」、「VALIFAST BLACK 3820」、「VALIFAST RED 3304」、「VALIFAST RED 3320」、「OIL BLACK 860」(以上商品名、オリエント化学工業(株)製)が挙げられる。
顔料および染料はそれぞれ、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の組成物は、ポリエステルアミド酸(A)、フルオレン骨格またはジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ化合物およびエポキシ硬化剤(C)、溶媒(D)、シリカ微粒子(E)、光学調整エポキシ樹脂(F)やその他の添加剤などを混合することによって調製することができる。
また、本発明の組成物は、ポリエステルアミド酸(A)の合成時に得られた反応液や混合液をそのまま、エポキシ化合物(B)、エポキシ硬化剤(C)、必要に応じて用いられる溶媒(D)、シリカ微粒子(E)、光学調整エポキシ樹脂(F)やその他の添加剤などと混合することによって調製することもできる。
本発明の硬化膜は、前記本発明の組成物から得られる膜であれば特に制限されない。本発明の硬化膜は、例えば、本発明の組成物を、基板上に塗布し、加熱することにより得ることができる。
以下、本発明の組成物について、塗布方法および硬化方法について説明する。
基板上への本発明の組成物の塗布は、スプレーコート法、スピンコート法、ロールコート法、ディッピング法、スリットコート法、バーコート法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、ディスペンサー法、スクリーン印刷法およびインクジェット印刷法など従来から公知の方法により行うことができる。
本発明の組成物は、好ましくはガラス基板、ITO基板や樹脂製フィルム基板上に塗布される。
前記本発明の組成物を塗布した後に、基板上に塗布された組成物を加熱することで硬化膜を得ることができる。このようにして硬化膜を形成する方法としては、好ましくは、本発明の組成物を塗布した後にホットプレートまたはオーブンなどで加熱することにより、溶媒を気化などさせて除去し(乾燥処理)、その後、さらに加熱する(硬化処理)方法が用いられる。
なお、硬化処理は、加熱処理に限定されず、紫外線、イオンビーム、電子線またはガンマ線照射などの処理でもよい。
本発明の硬化膜付き基板は、本発明の硬化膜を有すれば特に制限されないが、前記基板、特に、ガラス基板、ITO基板および樹脂製フィルム基板からなる群より選ばれる少なくとも1種類の基板上に上述の硬化膜を有することが好ましい。
このような硬化膜付き基板は、例えば、ガラス、ITO、PET、PEN等の基板上に、本発明の組成物を前記塗布法等によって全面または所定のパターン状(ライン状など)に塗布し、その後、前記で説明したような、乾燥処理および硬化処理を経ることで、形成することができる。
本発明の電子部品は、上述の硬化膜または硬化膜付き基板を有する電子部品である。このような電子部品としては、カラーフィルター、LED発光素子および受光素子などの各種光学材料、タッチパネルなどが挙げられる。
ここで、位置検出装置としては、例えば、ITOなどの導電物質からなる配線(X電極)が形成された基板上に、該配線を覆うように本発明の硬化膜(透明絶縁膜)を形成し、次いで、X電極と直交するように、ITOなどの導電物質からなる配線(Y電極)を形成し、その後、基板全面を覆うように、本発明の硬化膜でオーバーコートを形成した装置が挙げられる。
ODPA:3,3’,4,4’-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物
<ジアミン(a2)>
DDS:3,3’-ジアミノジフェニルスルホン
<多価ヒドロキシ化合物(a3)>
BDOH:1,4-ブタンジオール
<1価アルコール(a4)>
BzOH:ベンジルアルコール
<反応溶媒(a5)>
MPM:3-メトキシプロピオン酸メチル
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
EDM:ジエチレングリコールメチルエチルエーテル
<スチレン-無水マレイン酸共重合体>
SMA1000:スチレン成分/無水マレイン酸成分:50/50、重量平均分子量:5,500(商品名、サートマー(株)製)
EG-200:OGSOL EG-200(商品名、大阪ガスケミカル(株)製)
EG-280:OGSOL EG-280(商品名、大阪ガスケミカル(株)製)
4088S:EP-4088S(商品名、(株)ADEKA製)
TMA:無水トリメリット酸
EDM:ジエチレングリコールメチルエチルエーテル
DB:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
MTEM:テトラエチレングリコールジメチルエーテル
Eca:ジエチレングリコールモノエチルエーテル
EDGAC:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
DEGBEA:ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート
MTM:トリエチレングリコールジメチルエーテル
C450:NANOPOX C450(商品名、EVONIK製)、平均粒子径:20nm
C460:NANOPOX C460(商品名、EVONIK製)、平均粒子径:20nm
C620:NANOPOX C620(商品名、EVONIK製)、平均粒子径:20nm
C680:NANOPOX C680(商品名、EVONIK製)、平均粒子径:20nm
BPA:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(C450の分散媒)
BPF:ビスフェノールF型フェノール樹脂(C460の分散媒)
CEL2021P:セロキサイド2021P(商品名、ダイセル化学工業(株)製)、3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(C620の分散媒) OXT-101:OXT-101(商品名、東亞合成(株)製)、オキセタン樹脂(C680の分散媒)
EHPE3150:EHPE3150(商品名、ダイセル化学工業(株)製)、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物
SQ:特開2009-167390に記載の方法で合成した式(1-1)で示される化合物
GMS:γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
I1010:IRGANOX 1010(商品名、BASF製)
BYK344:BYK-344(商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製)
PE1:カレンズMT PE1(商品名、昭和電工(株)製)
SA506:U-CAT SA506(商品名、サンアプロ(株)製)
温度計、撹拌羽根、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた1000mlのセパラブルフラスコに、脱水精製したMPM446.6g、BDOH31.93g、BzOH25.54gおよびODPA183.20gを仕込み、乾燥窒素気流下130℃で3時間撹拌した。その後、反応液を25℃まで冷却し、DDS29.33gおよびMPM183.4gを投入し、20~30℃で2時間撹拌した後、115℃で1時間撹拌した。その後、30℃以下に冷却することにより淡黄色透明なポリエステルアミド酸の30重量%溶液を得た。
得られたポリエステルアミド酸を、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)でポリエステルアミド酸の濃度が約1重量%になるように希釈し、GPC装置:日本分光(株)製、Chrom Nav (示差屈折率計 RI-2031 Plus)を用いて、前記希釈液を展開剤としてGPC法により測定し、ポリスチレン換算することにより求めた。カラムは、昭和電工(株)製カラムGF-1G7B、GF-510HQおよびGF-310HQの3本をこの順序に接続して使用し、カラム温度40℃、流速0.5ml/minの条件で測定した(以下同じ)。
温度計および撹拌羽根を備えた500mlのフラスコを窒素置換し、脱水精製したPGMEA179.2g、ODPAを16.96g、SMA1000を51.6g、BzOHを19.7g、BDOHを3.28g、およびEDM34.2を仕込み、乾燥窒素気流下125℃で2時間撹拌した。その後、反応液を25℃まで冷却し、DDS4.52gおよびEDM10.6gを投入し、20~30℃で2時間撹拌した後、120℃で1時間撹拌した。その後、30℃以下に冷却することにより淡黄色透明なポリエステルアミド酸(A)の30重量%溶液を得た。
この溶液の回転粘度は35.3mPa・sであった。GPCで測定した重量平均分子量は24,000(ポリスチレン換算)であった。
撹拌羽根を備えた100mlの三つ口フラスコを窒素置換し、そのフラスコに、合成例1で得られたポリエステルアミド酸溶液を4.8g、EG-200を1.44g、C620を1.44g、TMAを0.43g、GMSを0.2g、I1010を0.02gおよび脱水精製したMTMを11.6g仕込み、室温で1時間撹拌し、各成分を均一に溶解させた。次いで、BYK344を0.05g投入し、室温で1時間撹拌し、メンブランフィルター(0.2μm)で濾過して濾液(熱硬化性樹脂組成物)を得た。
実施例2~25は、表2および表3に示すとおりに各成分の種類および仕込み量を変更したこと以外は実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を調製した。
実施例1において記載したとおり、シリカ微粒子(E)は光学調整エポキシ樹脂(F)に分散されたシリカを含有するエポキシ樹脂として添加した。このため、表2および表3では、分散されたシリカを含有するエポキシ樹脂を構成するシリカ微粒子(E)と光学調整エポキシ樹脂(F)とに分けて、各成分の配合量を記載している。シリカ微粒子(E)と光学調整エポキシ樹脂(F)とを含む分散されたシリカを含有するエポキシ樹脂(NANOPOX)の種類および量を表5に示した。
撹拌羽根を備えた100mlの三つ口フラスコを窒素置換し、そのフラスコに、合成例1で得られたポリエステルアミド酸溶液を4.79g、EG-200を0.72g、C620を1.44g、EHPE3150を0.72g、TMAを0.43g、GMSを0.23g、I1010を0.02gおよび脱水精製したMTMを11.6g仕込み、室温で1時間撹拌し、各成分を均一に溶解させた。次いで、BYK344を0.05g投入し、室温で1時間撹拌し、メンブランフィルター(0.2μm)で濾過して濾液(熱硬化性樹脂組成物)を得た。
実施例27~28は、表3に示すとおりに各成分の種類および仕込み量を変更したこと以外は実施例26と同様にして熱硬化性樹脂組成物を調製した。
撹拌羽根を備えた100mlの三つ口フラスコを窒素置換し、そのフラスコに、合成例1で得られたポリエステルアミド酸溶液を4.8g、EG-200を1.44g、C620を1.44g、TMAを0.35g、GMSを0.22g、I1010を0.02g、SA506を0.16gおよび脱水精製したMTMを11.3g仕込み、室温で1時間撹拌し、各成分を均一に溶解させた。次いで、BYK344を0.05g投入し、室温で1時間撹拌し、メンブランフィルター(0.2μm)で濾過して濾液(熱硬化性樹脂組成物)を得た。
実施例30~32は、表3に示すとおりに各成分の種類および仕込み量を変更したこと以外は実施例29と同様にして熱硬化性樹脂組成物を調製した。
撹拌羽根を備えた100mlの三つ口フラスコを窒素置換し、そのフラスコに、合成例1で得られたポリエステルアミド酸溶液を4.80g、C 620を2.88g、TMAを0.43g、GMSを0.23g、I1010を0.02gおよび脱水精製したMTMを11.6g仕込み、室温で1時間撹拌し、各成分を均一に溶解させた。次いで、BYK344を0.05g投入し、室温で1時間撹拌し、メンブランフィルター(0.2μm)で濾過して濾液(熱硬化性樹脂組成物)を得た。
表4に示すとおりに各成分の種類および仕込み量を変更したこと以外は比較例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を調製した。
撹拌羽根を備えた100mlの三つ口フラスコを窒素置換し、そのフラスコに、合成例1で得られたポリエステルアミド酸溶液を4.79g、EG-200を2.88g、TMAを0.43g、GMSを0.23g、I1010を0.02gおよび脱水精製したMTMを11.6g仕込み、室温で1時間撹拌し、各成分を均一に溶解させた。次いで、BYK344を0.05g投入し、室温で1時間撹拌し、メンブランフィルター(0.2μm)で濾過して濾液(熱硬化性樹脂組成物)を得た。
比較例4~5は、表4に示すとおりに各成分の種類および仕込み量を変更したこと以外は比較例3と同様にして熱硬化性樹脂組成物を調製した。
(i)透明性
得られた硬化膜付きガラス基板を用い、分光光度計V-670(日本分光(株)製)により硬化膜の透過率を波長400nmで測定した。
得られた硬化膜付きガラス基板および硬化膜付きITO基板を、60℃の超純水に60分間浸漬させた後、テープ剥離による碁盤目試験(JIS-K-5400)を行い、残存数を数えることで、基板と硬化膜との密着性を評価した。カッターナイフを用いて硬化膜に1mm間隔で切込みを入れて1mm角の碁盤目を100個作製し、当該碁盤目に密着させた後に剥離するためのテープとして、スリーエム社製#600を使用した。基板上に形成した硬化膜の100個の碁盤目のうち、テープ剥離後において基板上に残存する数(残存数/100)が、100/100である場合を○、99/100以下である場合を×とした。
得られた硬化膜付きガラス基板を用い、JIS-K-5400に順じ、鉛筆硬度計で硬化膜表面の硬度を測定した。
得られた硬化膜付きガラス基板および硬化膜付きITO基板を、3.5%シュウ酸水溶液に40℃で6分間浸漬させた。そして、浸漬前後の硬化膜の膜厚変化を触針式膜厚計XP-200(AMBIOS TECHNOLOGY社製)を用いて測定し、膜厚変化が±3%未満である場合を○、±3%以上である場合を×とした。また、浸漬前後で透過率を(i)と同様に観察して、透過率の変化が±1%未満である場合を○、±1%以上である場合を×とした。
表6に示した結果から明らかなように、実施例1~16および26~32で得られた熱硬化性樹脂組成物から形成した硬化膜は、ガラスおよびITOに対する密着性に優れ、さらに400nmにおける透過率が97%以上と透明性が高く、表面硬度が3H以上と高かった。さらに、シュウ酸水溶液に対する耐性も良好であり、高透明性、高硬度、ガラスおよびITOに対する密着性、ならびに、シュウ酸水溶液に対する耐性のバランスがとれているものであった。
一方、実施例17~23で得られた熱硬化性樹脂組成物から形成した硬化膜は、400nmにおける透過率が95%以下と透明性が低く、実施例24~25および比較例1~2の硬化膜はITOに対する密着性が悪く、比較例3~5の硬化膜は、表面硬度がH以下と低かった。
なお、上述したとおり、合成例1および2はポリエステルアミド酸(A)の30重量%溶液であるから、熱硬化物組成物が含有するポリエステルアミド酸(A)の量は、表2~4に記載した合成例1および2の配合量の30重量%である。
Claims (23)
- ポリエステルアミド酸(A)、フルオレン骨格またはジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ化合物(B)、エポキシ硬化剤(C)、溶媒(D)、平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子(E)、および光学調整エポキシ樹脂(F)を含む熱硬化性樹脂組成物。
- 前記光学調整エポキシ樹脂(F)が、脂環式エポキシ化合物である請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記熱硬化性樹脂組成物から得られる膜厚2.2マイクロメートルの硬化膜の透過率が、波長400nmで97%以上である請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記フルオレン骨格またはジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ化合物(B)のエポキシ当量が150~550g/eqである、請求項1~3の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記ポリエステルアミド酸(A)100重量部に対し、前記フルオレン骨格またはジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ化合物(B)を15~400重量部含む、請求項1~4の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記エポキシ硬化剤(C)が、酸無水物系硬化剤、フェノール樹脂系硬化剤、アミンアダクト、ポリカルボン酸系硬化剤、ポリアミン系硬化剤および触媒型硬化剤からなる群より選ばれる1種以上の化合物である、請求項1~5のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物
- 前記ポリエステルアミド酸(A)100重量部に対し、前記シリカ微粒子(E)の含有量が140重量部以下である請求項1~6の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 熱硬化性樹脂組成物中の分子内にオキシラン環またはオキセタン環を2個以上含むエポキシ化合物の合計100重量部に対し、前記エポキシ硬化剤(C)を1~100重量部含む、請求項1~7の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記ポリエステルアミド酸(A)の重量平均分子量が2,000~30,000である、請求項1~8の何れかに1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記ポリエステルアミド酸(A)が、テトラカルボン酸二無水物(a1)、ジアミン(a2)および多価ヒドロキシ化合物(a3)を必須成分として反応させることにより得られる化合物である、請求項1~10の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記ポリエステルアミド酸(A)が、テトラカルボン酸二無水物(a1)、ジアミン(a2)、多価ヒドロキシ化合物(a3)および1価アルコール(a4)を必須成分として反応させることにより得られる化合物である、請求項1~11の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- ポリエステルアミド酸(A)が、Xモルのテトラカルボン酸二無水物(a1)、Yモルのジアミン(a2)およびZモルの多価ヒドロキシ化合物(a3)を、式(i)および式(ii)の関係が成立するような比率で反応させることにより得られる化合物である、請求項1~12の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
0.2≦Z/Y≦8.0・・・(i)
0.2≦(Y+Z)/X≦1.5・・・(ii) - 前記テトラカルボン酸二無水物(a1)が、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2-(ビス(3,4-ジカルボキシフェニル))ヘキサフルオロプロパン二無水物およびエチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)からなる群より選択される1種以上の化合物である、請求項11~13のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記ジアミン(a2)が、3,3’-ジアミノジフェニルスルホンおよびビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホンからなる群より選択される1種以上の化合物である、請求項11~14の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記多価ヒドロキシ化合物(a3)が、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオールおよび1,8-オクタンジオールからなる群より選択される1種以上の化合物である、請求項11~15の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記1価アルコール(a4)が、イソプロピルアルコール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレート、プロピレングリコールモノエチルエーテルおよび3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタンからなる群より選ばれる1種以上の化合物である、請求項11~16の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 前記テトラカルボン酸二無水物(a1)が3,3’,4,4’-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物であり、前記ジアミン(a2)が3,3’-ジアミノジフェニルスルホンであり、前記多価ヒドロキシ化合物(a3)が1,4-ブタンジオールであり、前記エポキシ硬化剤(C)が無水トリメリット酸である、請求項11~17の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- タッチパネル用である、請求項1~18の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項1~19の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物から得られる硬化膜。
- 請求項20に記載の硬化膜を有する硬化膜付き基板。
- 請求項20に記載の硬化膜または請求項21に記載の硬化膜付き基板を有する電子部品。
- タッチパネルである、請求項22に記載の電子部品。
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