JP2016138264A - 熱硬化性樹脂組成物、硬化膜、硬化膜付き基板および電子部品 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1および特許文献2には、特定構造のポリエステルアミド酸、エポキシ樹脂、エポキシ硬化剤などを含む樹脂組成物が開示されている。しかしながら、これらいずれの特許文献にも、該組成物に黒色顔料などの着色剤を配合して得られた硬化膜のガラスに対する密着性についてはなんら検討されていない。
特許文献3には、フルオレン骨格を有するエポキシ化合物および硬化剤を含む硬化性組成物が開示されている。しかしながら、特許文献3には、該組成物に黒色顔料などの着色剤を配合して得られた硬化膜のガラスに対する密着性についてはなんら検討されていない。
例えば、前記特許文献に具体的に記載されている樹脂組成物を検討したところ、該組成物から得られた硬化膜は、ガラスやITOに対する密着性が悪かった。
すなわち、本発明は、例えば以下の[1]〜[25]に関する。
[3] エポキシ化合物の合計100重量部に対し、エポキシ硬化剤(C)を1〜380重量部含む、[1]または[2]に記載の熱硬化性樹脂組成物。
[4] ポリエステルアミド酸(A)100重量部に対し、エポキシ化合物(B)を10〜400重量部含む、[1]〜[3]のいずれか一つに記載の熱硬化性樹脂組成物。
(式中、R1は独立に炭素数1〜30の4価の有機基であり、R2は炭素数1〜40の2価の有機基であり、R3は炭素数1〜20の2価の有機基である。)
0.2≦Z/Y≦8.0・・・(3)
0.2≦(Y+Z)/X≦1.5・・・(4)
[19] チタン化合物粒子中のチタン酸窒化物1重量部に対して、チタン酸酸化物が0.3〜1.3重量部である、[1]〜[18]いずれか一つに記載の熱硬化性樹脂組成物。
[20] チタン化合物粒子の含有量が、熱硬化性樹脂組成物100重量%に対して、10重量%から25重量%である、[1]〜[19]いずれか一つに記載の熱硬化性樹脂組成物。
[22] [21]に記載の硬化膜を有する硬化膜付き基板。
本発明の組成物は、ポリエステルアミド酸(A)、エポキシ化合物(B)、エポキシ硬化剤(C)、および、着色剤(D)を含有する。本発明の組成物は、前記成分のほか、添加剤を含有してもよい。
このような本発明の組成物によれば、硬度、ガラスやITOに対する密着性、おおびシュウ酸を含むITOエッチング液への耐性にバランスよく優れる硬化膜を得ることができる。本発明の組成物は、着色剤の種類、添加量を調整することにより、色や遮光性の異なる硬化膜を得ることができる。このため、本発明の組成物によれば、遮光性が高いことが要求される遮光部材等を生産性よく作製することが可能である。従って、本発明の組成物は、この用途に好適に用いることができる。
従来の、ポリエステルアミド酸からなる組成物や、エポキシ化合物およびエポキシ硬化剤からなる組成物では、基板に対する密着性に優れるこれらの硬化膜は得られなかった。
従って、本発明の組成物は、従来の組成物からでは予期しえない効果を有する組成物であり、従来の、ポリエステルアミド酸からなる組成物や、エポキシ化合物およびエポキシ硬化剤からなる組成物の相乗効果を有する組成物である。
本発明で用いられるポリエステルアミド酸(A)は、特に制限されないが、エステル結合、アミド結合およびカルボキシル基を有する化合物であることが好ましく、具体的には、式(1)および(2)で示される構成単位を有する化合物であることがより好ましい。
このようなポリエステルアミド酸(A)を特定のエポキシ化合物およびエポキシ硬化剤と組み合わせて使用することで初めて、硬度、およびシュウ酸を含むITOエッチング液への耐性にバランスよく優れ、さらには、ガラスやITOに対する密着性に優れる硬化膜を形成可能な組成物が得られる。
ポリエステルアミド酸(A)は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
(R1は独立に炭素数1〜30の4価の有機基であり、R2は炭素数1〜40の2価の有機基であり、R3は炭素数1〜20の2価の有機基である。)
(式(6)において、R6は、−O−、−CO−、−SO2−、−C(CF3)2−、−R7−または−O−ph−R8−ph−O−である(phはベンゼン環であり、R8は、−O−、−CO−、−SO2−、−C(CF3)2−または−R7−である。)。なお、R7は独立に、炭素数1〜4のアルキル基である。)
(式(7)において、R9は、−O−、−CO−、−SO2−、−C(CF3)2−、−R7−または−ph−R8−ph−である(phはベンゼン環であり、R8は、−O−、−CO−、−SO2−、−C(CF3)2−または−R7−である。)。なお、R7は独立に、炭素数1〜4のアルキル基である。)
つまり、式(1)および(2)中、R1は独立に、テトラカルボン酸二無水物残基であり、R2はジアミン残基であり、R3は多価ヒドロキシ化合物残基であることが好ましい。
なお、この反応の際には、反応溶媒(a5)、酸無水物(a6)等を用いてもよい。
前記テトラカルボン酸二無水物(a1)を含む成分には、テトラカルボン酸二無水物(a1)が含まれていればよく、この化合物以外の他の化合物が含まれていてもよい。このことは、前記の他の成分についても同様である。
これらの(a1)〜(a6)等はそれぞれ、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
テトラカルボン酸二無水物(a1)としては特に制限されないが、具体例として、3,3',4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物およびエチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)(商品名;TMEG−100、新日本理化(株)製)等の芳香族テトラカルボン酸二無水物;シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物およびシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物等の脂環式テトラカルボン酸二無水物;ならびに、エタンテトラカルボン酸二無水物およびブタンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
ジアミン(a2)としては特に制限されないが、具体例として、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル][3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル][3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンおよび2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンが挙げられる。
多価ヒドロキシ化合物(a3)は、ヒドロキシ基を2つ以上有する化合物であれば特に制限されないが、具体例として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、分子量1,000以下のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、分子量1,000以下のポリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2,5−ペンタントリオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2−ヘプタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,2,7−ヘプタントリオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、3,6−オクタンジオール、1,2,8−オクタントリオール、1,2−ノナンジオール、1,9−ノナンジオール、1,2,9−ノナントリオール、1,2−デカンジオール、1,10−デカンジオール、1,2,10−デカントリオール、1,2−ドデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンが挙げられる。
1価アルコール(a4)は、ヒドロキシ基を一つ有する化合物であれば特に制限されないが、具体例として、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、フェノール、ボルネオール、マルトール、リナロール、テルピネオール、ジメチルベンジルカルビノールおよび3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンが挙げられる。
反応溶媒(a5)としては特に制限されないが、具体例として、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドンおよびN,N−ジメチルアセトアミドが挙げられる。
なお、反応溶媒(a5)としては、具体的にはこれらの溶媒が挙げられるが、これらの溶媒に、前記反応に用いる溶媒全量に対して30重量%以下の割合であれば、該溶媒以外の他の溶媒を混合した混合溶媒を用いることもできる。
酸無水物としては、特に限定されないが、具体例として、3−(トリエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物、マレイン酸無水物等のカルボン酸無水物が挙げられる。また、カルボン酸無水物を含む共重合体などの多価無水物を用いることもできる。多価無水物の市販品としては、スチレン/無水マレイン酸共重合体であるSMA(商品名、(株)川原油化製)などが挙げられる。
ポリエステルアミド酸(A)の合成方法は、特に制限されないが、テトラカルボン酸二無水物(a1)、ジアミン(a2)、多価ヒドロキシ化合物(a3)、および、必要により1価アルコール(a4)を必須成分として反応させる方法が好ましく、この反応を反応溶媒(a5)中で行うことがより好ましい。
なお、1価アルコール(a4)は反応のどの時点で添加してもよい。
0.2≦Z/Y≦8.0 ・・・(3)
0.2≦(Y+Z)/X≦1.5 ・・・(4)
ポリエステルアミド酸(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量は、溶媒(E)に対する溶解性や、特にエポキシ化合物(B)と併用することで、ガラスやITOに対する密着性および耐薬品性のバランスがとれた硬化膜が得られる等の観点から、2,000〜30,000であることが好ましく、3,000〜30,000であることがより好ましい。
この重量平均分子量は、具体的には、下記実施例に記載の方法で測定することができる。
本発明に用いられるエポキシ化合物(B)は、分子内にオキシラン環またはオキセタン環を2個以上含むエポキシ化合物であり、オキシラン環を2つ以上有する化合物が好ましく用いられる。
エポキシ化合物(B)は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。エポキシ化合物(B)は、合成して得てもよく、市販品でもよい。
なお、本発明において、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートのことを指し、(メタ)アクリルとは、アクリルおよび/またはメタクリルのことを指す。
一般的に、エポキシ化合物のエポキシ当量は、例えばJIS K7236に記載の方法で測定することができる。
本発明の組成物には、エポキシ硬化剤(C)が配合され、このことにより、耐熱性および耐薬品性に優れる硬化膜が得られる。
エポキシ硬化剤(C)としては、ポリエステルアミド酸(A)とは異なる化合物であり、具体的には、酸無水物系硬化剤、ポリアミン系硬化剤、ポリフェノール系硬化剤および触媒型硬化剤などが挙げられるが、耐着色性および耐熱性等の点から酸無水物系硬化剤が好ましい。
エポキシ硬化剤(C)は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
なお、前記本発明の組成物中のエポキシ化合物の合計としては、好ましくはエポキシ化合物(B)およびエポキシ化合物(e)の合計である。
本発明の組成物には、着色剤(D)が配合されている。
着色剤(D)としては、無機系着色剤および有機系着色剤が挙げられる。カラーインクには高い色純度、耐薬品性および耐熱性が求められることから、色純度、耐薬品性および耐熱性に優れる有機染料、無機顔料が好ましい。硬化膜を遮光部材として用いる場合は、遮光性の高い無機顔料が好ましい。
有機顔料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
染料は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の組成物を硬化した硬化膜を遮光部材として用いる場合、硬化膜の膜厚1μmあたりのOD値は、硬化膜が遮光部材として用いるために適した遮光性を備えたものにできるという点から、2.0以上であることが好ましく、2.1以上であることがさらに好ましい。また、硬化膜のガラスに対する密着性が良好になるという点から、3.0以下であることが好ましく、2.8以下であることがより好ましい。
OD(Optical Density、光学濃度)値は、日本分光(株)製、紫外可視分光光度計V−670(光源:D65)を用いて光の透過率(T)の値から算出したY値を用い、下記式に基づいて求めた。OD=−log(Y/100)
Y値はXYZ表色系における透過による物体の三刺激値のYである。
本発明の組成物は、例えば、ポリエステルアミド酸(A)、エポキシ化合物(B)およびエポキシ硬化剤(C)を溶媒(E)に溶解して得ることができる。したがって、溶媒(E)は、ポリエステルアミド酸(A)、エポキシ化合物(B)およびエポキシ硬化剤(C)を溶解することができる溶媒であることが好ましい。また、単独ではポリエステルアミド酸(A)、エポキシ化合物(B)およびエポキシ硬化剤(C)を溶解しない溶媒であっても、他の溶媒と混合することによって、溶媒(E)として用いることが可能になる場合がある。
溶媒(E)は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明の組成物は、目的とする特性に応じて、ポリエステルアミド酸(A)、エポキシ化合物(B)、エポキシ硬化剤(C)および着色剤(D)以外の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、分子内にオキシラン環またはオキセタン環を2個以上含むエポキシ化合物、ポリイミド樹脂、重合性モノマー、帯電防止剤、カップリング剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、界面活性剤、エポキシ硬化促進剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、水溶性ポリマーが挙げられる。添加剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
ポリイミド樹脂としては、イミド基を有していれば特に限定されない。
ポリイミド樹脂は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
重合性モノマーとしては、例えば、単官能重合性モノマー、二官能(メタ)アクリレート、三官能以上の多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
重合性モノマーは1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
帯電防止剤は、本発明の組成物の帯電を防止するために使用することができ、本発明の組成物が帯電防止剤を含む場合、本発明の組成物中、0.01〜1重量%の量で用いられることが好ましい。
帯電防止剤としては、公知の帯電防止剤を用いることができる。具体的には、酸化錫、酸化錫・酸化アンチモン複合酸化物、酸化錫・酸化インジウム複合酸化物などの金属酸化物;四級アンモニウム塩等が挙げられる。
帯電防止剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
カップリング剤としては、特に限定されるものではなく、ガラスやITOとの密着性を向上させる等の目的でシランカップリング剤などの公知のカップリング剤を用いることができる。本発明の組成物がカップリング剤を含む場合、カップリング剤は、本発明の組成物の固形分(該組成物から溶剤を除いた残分)100重量%に対し、10重量%以下になるように添加して用いられることが好ましい。
カップリング剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明の組成物が酸化防止剤を含有することで、該組成物から得られる硬化膜が高温または光に曝された場合の劣化を防止することができる。酸化防止剤は、本発明の組成物が酸化防止剤を含む場合、該酸化防止剤を除く組成物の固形分(該組成物から溶剤を除いた残分)100重量部に対し、0.1〜3重量部添加して用いることが好ましい。
酸化防止剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明の組成物が界面活性剤を含有することで、下地基板への濡れ性、レベリング性や塗布性が向上した組成物を得ることができる。本発明の組成物が界面活性剤を含む場合、界面活性剤は、本発明の組成物100重量%に対し、0.01〜1重量%となる量で用いられることが好ましい。
界面活性剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
エポキシ硬化促進剤としては、本発明の組成物の硬化温度を低下させること、あるいは硬化時間を短縮させることができる等の点から、「DBU」、「DBN」、「U−CAT」、「U−CAT SA1」、「U−CAT SA102」、「U−CAT SA506」、「U−CAT SA603」、「U−CAT SA810」、「U−CAT 5002」、「U−CAT 5003」、「U−CAT 18X」、「U−CAT SA841・851」、「U−CAT SA881」、「U−CAT 891」(以上商品名、サンアプロ(株)製)、「CP−001」、「NV−203−R4」(以上商品名、大阪ガスケミカル(株)製)等が挙げられる。
エポキシ硬化促進剤はそれぞれ、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明の組成物は、ポリエステルアミド酸(A)、エポキシ化合物(B)、エポキシ硬化剤(C)および、着色剤(D)と、必要に応じて溶媒(E)やその他の添加剤などとを混合することによって調製することができる。
また、本発明の組成物は、ポリエステルアミド酸(A)の合成時に得られた反応液や混合液をそのまま、エポキシ化合物(B)、エポキシ硬化剤(C)、必要に応じて用いられる溶媒(E)やその他の添加剤などと混合することによって調製することもできる。
本発明の硬化膜は、前記本発明の組成物から得られる膜であれば特に制限されない。本発明の硬化膜は、例えば、本発明の組成物を、基板上に塗布し、加熱することにより得ることができる。
以下、本発明の組成物について、塗布方法および硬化方法について説明する。
基板上への本発明の組成物の塗布は、スプレーコート法、スピンコート法、ロールコート法、ディッピング法、スリットコート法、バーコート法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、ディスペンサー法、スクリーン印刷法およびインクジェット印刷法など従来から公知の方法により行うことができる。
本発明の組成物は、好ましくはガラス基板、ITO基板や樹脂製フィルム基板上に塗布される。
前記本発明の組成物を塗布した後に、基板上に塗布された組成物を加熱することで硬化膜を得ることができる。このようにして硬化膜を形成する方法としては、好ましくは、本発明の組成物を塗布した後にホットプレートまたはオーブンなどで加熱することにより、溶媒を気化などさせて除去し(乾燥処理)、その後、さらに加熱する(硬化処理)方法が用いられる。
なお、硬化処理は、加熱処理に限定されず、紫外線、イオンビーム、電子線またはガンマ線照射などの処理でもよい。
本発明の硬化膜付き基板は、本発明の硬化膜を有すれば特に制限されないが、前記基板、特に、ガラス基板、ITO基板および樹脂製フィルム基板からなる群より選ばれる少なくとも1種類の基板上に上述の硬化膜を有することが好ましい。
このような硬化膜付き基板は、例えば、ガラス、ITO、PET、PEN等の基板上に、本発明の組成物を前記塗布法等によって全面または所定のパターン状(ライン状など)に塗布し、その後、前記で説明したような、乾燥処理および硬化処理を経ることで、形成することができる。
本発明の電子部品は、上述の硬化膜または硬化膜付き基板を有する電子部品である。このような電子部品としては、カラーフィルター、LED発光素子および受光素子などの各種光学材料、タッチパネルなどが挙げられる。
ODPA:3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物
<ジアミン(a2)>
DDS:3,3’−ジアミノジフェニルスルホン
BAPP:4,4’−[イソプロピリデンビス(p-フェニレンオキシ)]ジアニリン
<多価ヒドロキシ化合物(a3)>
BDOH:1,4−ブタンジオール
<1価アルコール(a4)>
BzOH:ベンジルアルコール
<反応溶媒(a5)>
MTM:トリエチレングリコールジメチルエーテル
EDM:ジエチレングリコールメチルエチルエーテル
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<酸無水物(a6)>
TESA :3−(トリエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物
MA :マレイン酸無水物
VG:TECHMORE VG3101L(商品名、(株)プリンテック製)
S510: 3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(JNC(株)製)
EG−200: OGSOL EG−200(商品名、大阪ガスケミカル(株)製)
<エポキシ硬化剤(C)>
TMA:無水トリメリット酸
<着色剤(D)(黒色顔料)>
SC : SC13M−T(商品名、(株)三菱マテリアル製、固形分が着色剤(D)の34.4重量%、うち顔料固形分が着色剤(D)の29.9重量%MTM分散液)
470M : MHIブラック♯B470M(商品名、(株)御国色素製、固形分が着色剤(D)の27.0重量%、うち顔料固形分が着色剤(D)の20.0重量%EDM分散液)
マルコ2001: マルコ2001ブラック(商品名、(株)トクシキ製、固形分が着色剤(D)の25.0重量%、うち顔料固形分が着色剤(D)の20.0重量%PGMEA分散液)
マルコ2002: マルコ2002ブラック(商品名、(株)トクシキ製、固形分が着色剤(D)の25.1重量%、うち顔料固形分が着色剤(D)の20.1重量%PGMEA分散液)
<溶媒(E)>
MTM :トリエチレングリコールジメチルエーテル
BYK342 :BYK−342(商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製)
温度計、攪拌羽根、原料投入仕込み口、および窒素ガス導入口を備えた1000mlセパラブルフラスコに、MTM275.89g、ODPA90.00g、BzOH12.55g、BDOH15.69gを仕込み、乾燥窒素気流下120℃で2時間攪拌した。その後、反応液を30℃まで冷却し、DDS14.40gおよびMTM33.61gを投入し、20〜30℃で2時間攪拌した後、120℃で1時間攪拌した。その後、30℃以下に冷却することにより淡黄色透明なポリエステルアミド酸の30重量%溶液を得た。なお、ここでいう固形分濃度とは、得られた混合液中の反応溶媒を除く成分の濃度のことである。以下の合成例における同様の記載も同様の意味である。
得られたポリエステルアミド酸を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)でポリアミド酸の濃度が約1重量%になるように希釈し、GPC装置:日本分光(株)製、Chrom Nav (示差屈折率計 RI−2031 Plus)を用いて、前記希釈液を展開剤としてGPC法により測定し、ポリスチレン換算することにより求めた。カラムは、昭和電工(株)製カラムGF−1G7B、GF−510HQおよびGF−310HQの3本をこの順序に接続して使用し、カラム温度40℃、流速0.5ml/minの条件で測定した。
温度計、攪拌羽根、原料投入仕込み口、および窒素ガス導入口を備えた300mlセパラブルフラスコに、EDM90.00gおよびBAPP15.99gを仕込み、乾燥窒素気流下10分間攪拌した。BAPP溶解後、ODPA1.73gを添加して30分間攪拌、TESA8.47gを添加して10分間攪拌、さらに、MA3.82gを添加して10分間攪拌することにより、褐色透明のポリアミド酸30重量%溶液を得た。この溶液の回転粘度は21.0mPasであった。
温度計、攪拌羽根、原料投入仕込み口、および窒素ガス導入口を備えた1000mlセパラブルフラスコに、反応溶媒としてPGMEA268.8g、ODPA25.44g、SMを77.4g、BzOH29.55g、BDOH4.92gおよびEDM51.36gを仕込み、乾燥窒素気流下125℃で2時間攪拌した。その後、反応液を25℃まで冷却し、DDS6.78gおよびEDM15.84gを投入し、20〜30℃で2時間攪拌した後、115℃で1時間攪拌した。その後、30℃以下に冷却することにより淡黄色透明なポリエステルアミド酸の30重量%溶液を得た。なお、ここでいう固形分濃度とは、得られた混合液中の反応溶媒を除く成分の濃度のことである。以下の合成例における同様の記載も同様の意味である。
得られたポリエステルアミド酸を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)でポリアミド酸の濃度が約1重量%になるように希釈し、GPC装置:日本分光(株)製、Chrom Nav (示差屈折率計 RI−2031 Plus)を用いて、前記希釈液を展開剤としてGPC法により測定し、ポリスチレン換算することにより求めた。カラムは、昭和電工(株)製カラムGF−1G7B、GF−510HQおよびGF−310HQの3本をこの順序に接続して使用し、カラム温度40℃、流速0.5ml/minの条件で測定した。
撹拌羽根を備えた300mlの三つ口フラスコを窒素置換し、そのフラスコに、合成例1で得られたポリエステルアミド酸溶液を10.00g、VGを6.00g、S510を0.48g、TMAを0.60g、SCを40.00g、および脱水精製したMTMを10.20g仕込み、室温で1時間撹拌し、各成分を均一に溶解させた。次いで、BYK342を0.067g投入し、室温で1時間撹拌し、メンブランフィルター(0.5μm)で濾過して濾液(熱硬化性樹脂組成物)を得た。
この組成物の回転粘度は9.6mPa・sであった。
実施例2乃至11および比較例1乃至2は、表2に示すとおりに各成分の種類および仕込み量を変更したこと以外は実施例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を調製した。
ガラス:4cm角のガラス基板(商品名:EAGLE XG、コーニング製)
その後、オーブンで230℃30分加熱して塗膜を硬化させた。このようにして得られた硬化膜について、OD値、密着性、硬度の評価を実施した。
(i)遮光性(OD値による評価)
得られた硬化膜付きガラス基板について、日本分光(株)製紫外可視分光光度計V−670を用いてY値を測定した。Y値からOD値を、以下に示す式により算出した。
OD=−log(Y/100)
この値を、硬化膜の厚みで除算することで、単位μmあたり、すなわち硬化膜の膜厚1μmあたりのOD値を算出した。
オーブンで加熱焼成して得られた硬化膜付きガラス基板(基板1)について、硬化膜のテープ剥離によるゴバン目試験(JIS−K−5400)を行い、残存数を数えることで、ガラス基板と硬化膜との密着性を評価した。評価した結果を残存数/100で示した。同様にして、基盤1をさらに280℃で30分追加焼成処理した硬化膜付きガラス基板(基板2に対しても、評価した。
得られた硬化膜付きガラス基板について、JIS−K−5400に順じ、鉛筆硬度計で硬化膜表面の硬度を測定し、評価した。
黒色顔料としてカーボンブラックを用いた実施例4〜11の硬化膜は、OD値が3.0を超える実施例6、8、10および11を含めていずれも、追加焼成を行った後のガラス基板への密着性が良好であった。
OD値を3.0以下とすることにより、配合する黒色顔料の種類を問わず、高温処理した後のガラス基板への密着性が良好になることが分かった。
Claims (25)
- ポリエステルアミド酸(A)、エポキシ化合物(B)、エポキシ硬化剤(C)、および、着色剤(D)を含む熱硬化性樹脂組成物であって、当該熱硬化性樹脂組成物を熱硬化して得られる硬化膜の膜厚1μmあたりのOD値が2.0以上である熱硬化性樹脂組成物。
- エポキシ化合物(B)のエポキシ当量が200〜550g/eqである、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- エポキシ化合物(B)100重量部に対し、エポキシ硬化剤(C)を1〜380重量部含む、請求項1または2いずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
- ポリエステルアミド酸(A)100重量部に対し、エポキシ化合物(B)を10〜400重量部含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- エポキシ硬化剤(C)が酸無水物系硬化剤である、請求項1〜4いずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- ポリエステルアミド酸(A)の重量平均分子量が2,000〜30,000である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- ポリエステルアミド酸(A)が、式(1)および(2)で示される構成単位を有する化合物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(式中、R1は独立に炭素数1〜30の4価の有機基であり、R2は炭素数1〜40の2価の有機基であり、R3は炭素数1〜20の2価の有機基である。) - ポリエステルアミド酸(A)が、テトラカルボン酸二無水物(a1)、ジアミン(a2)および多価ヒドロキシ化合物(a3)を必須成分として反応させることにより得られる化合物である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- ポリエステルアミド酸(A)が、テトラカルボン酸二無水物(a1)、ジアミン(a2)、多価ヒドロキシ化合物(a3)および1価アルコール(a4)を必須成分として反応させることにより得られる化合物である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- ポリエステルアミド酸(A)が、Xモルのテトラカルボン酸二無水物(a1)、Yモルのジアミン(a2)およびZモルの多価ヒドロキシ化合物(a3)を、式(3)および式(4)の関係が成立するような比率で反応させることにより得られる化合物である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
0.2≦Z/Y≦8.0・・・(3)
0.2≦(Y+Z)/X≦1.5・・・(4) - テトラカルボン酸二無水物(a1)が、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−(ビス(3,4−ジカルボキシフェニル))ヘキサフルオロプロパン二無水物およびエチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)からなる群より選択される1種以上の化合物である、請求項8〜10のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- ジアミン(a2)が、3,3’−ジアミノジフェニルスルホンおよびビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンからなる群より選択される1種以上の化合物である、請求項8〜11のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 多価ヒドロキシ化合物(a3)が、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオールおよび1,8−オクタンジオールからなる群より選択される1種以上の化合物である、請求項8〜12のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 1価アルコール(a4)が、イソプロピルアルコール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレート、プロピレングリコールモノエチルエーテルおよび3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンからなる群より選ばれる1種以上の化合物である、請求項9〜13のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- テトラカルボン酸二無水物(a1)が3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物であり、ジアミン(a2)が3,3’−ジアミノジフェニルスルホンであり、多価ヒドロキシ化合物(a3)が1,4−ブタンジオールであり、エポキシ硬化剤(C)が無水トリメリット酸である、請求項8〜14のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- さらに溶媒(E)を含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜16いずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物であって、熱硬化膜の膜厚1μmあたりのOD値が2.0から3.0の範囲である熱硬化性樹脂組成物。
- 着色剤(D)が、チタン化合物粒子である請求項1〜17のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- チタン化合物粒子中のチタン酸窒化物1重量部に対して、チタン酸酸化物が0.3〜1.3重量部である、請求項1〜18のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- チタン化合物粒子の含有量が、熱硬化性樹脂組成物100重量%に対して、10重量%から25重量%である、請求項1〜19のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜20のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物から得られる硬化膜。
- 請求項21に記載の硬化膜を有する硬化膜付き基板。
- 請求項21に記載の硬化膜または請求項22に記載の硬化膜付き基板を有する電子部品。
- ポリエステルアミド酸(A)、エポキシ化合物(B)、エポキシ硬化剤(C)、および、着色剤(D)を含む熱硬化性樹脂組成物であって、当該熱硬化性樹脂組成物を熱硬化して得られる硬化膜の膜厚1μmあたりのOD値が3.0以下である熱硬化性樹脂組成物。
- ポリエステルアミド酸(A)、エポキシ化合物(B)、エポキシ硬化剤(C)、および、着色剤(D)を含む熱硬化性樹脂組成物であって、当該熱硬化性樹脂組成物中の樹脂固形分100重量部に対する無機顔料の配合量が130重量部以下である熱硬化性樹脂組成物。
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