JP2019183044A - 熱硬化性樹脂組成物、これを用いたインクジェットインク、硬化膜、硬化膜付き基板および電子部品 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、これを用いたインクジェットインク、硬化膜、硬化膜付き基板および電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】 PET上においても、透明絶縁膜およびオーバーコートのいずれにも使用できる樹脂組成物を提供する。【解決手段】 モノアミン(a1)と酸無水物基を1つ有する化合物(a2)からの反応生成物であるシリコンアミド酸化合物(A)、平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)、及び溶媒(D)を含む熱硬化性樹脂組成物であり;前記モノアミン(a1)及び前記酸無水物基を1つ有する化合物(a2)の少なくとも一方が−C−Si−O−構造を含み;そして前記環状エーテル化合物成分(B)に含まれる環状エーテル化合物が、エポキシ化合物(b1)及びオキセタン化合物(b2)から選ばれる少なくとも1つである熱硬化性樹脂組成物、これを用いたインクジェットインク、硬化膜及び電子部品。【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物、硬化膜、硬化膜付き基板および電子部品に関する。さらに詳しくは、特定の化合物を含む熱硬化性樹脂組成物、該組成物から形成された硬化膜、該硬化膜を有する硬化膜付き基板、および、該硬化膜または硬化膜付き基板を有する電子部品に関する。
近年、入力装置として、液晶表示装置または有機エレクトロルミネッセンス装置と位置検出装置とを組み合わせたタッチパネル型入力装置が普及している。タッチパネル型入力装置は表示画面上に、指やペンの先を接触させたときに、その接触位置を検出する入力装置である。タッチパネル型入力装置には各種検出方式が存在し、抵抗膜方式、静電容量方式等がある。
例えば、静電容量方式は、ガラス基板上に、XおよびY電極をマトリックス状に配置した構造を有する装置を用い、指先などが接触することで生じる静電容量の変化を、電流変化として検出する方式である。
前記の電極を形成する際、XおよびY位置を認識するため、XおよびY電極の重なり部分にITO(酸化インジウムスズ)などでジャンパーを形成し、また、XおよびY電極が互いに接触しないように透明絶縁膜が設けられる。前記透明絶縁膜には、高硬度、高透明性、ガラスに対する密着性などが要求される。
また、前記静電容量方式のタッチパネルには、例えば、XおよびY電極上を平坦化させる等のために、絶縁性のオーバーコートを設ける場合がある。このオーバーコートは平坦性に加え、脱ガス防止、高硬度、高透明性、ガラスに対する密着性が要求される。
タッチパネルでは、製造コストを削減するなどの理由から、従来使用されていたガラスからPET(ポリエチレンテレフタレート)のようなプラスチックへ一部または総代替が検討されている。また、製造の省エネ化、低コスト化を考慮して低い焼成温度で硬化できる材料が求められている。
前記透明絶縁膜またはオーバーコートに使用できる高透明絶縁材料については各種組成物が検討されている。
例えば、特許文献1には、特定構造のポリエステルアミド酸、エポキシ樹脂、エポキシ硬化剤などを含む熱硬化性樹脂組成物が開示されている。特許文献2には、特定構造のポリエステルアミド酸、フルオレン骨格を有するエポキシ化合物および硬化剤を含む熱硬化性樹脂組成物が開示されている。特許文献3には、特定の構造単位を有するポリイミド前駆体、フルオレン構造にビフェニルエーテル鎖で結合したエポキシ化合物を含む熱硬化性樹脂組成物が開示されている。
また、特許文献4には、高濃度のアミド酸化合物を含有し、1回のジェッティングで比較的厚い(1μm以上の)膜を形成できるインクジェットインクが開示されている。
また、特許文献5には、シリコンアミド酸化合物(シランカップリング剤)は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂と併用すると、金属と反応或いは錯体を形成するため膜の密着性が高くなり耐半田クラック性が向上することが知られている。
しかしながら、これらいずれの特許文献にも、該組成物から得られる硬化膜のガラス基板に対する密着性や硬度や透明性についてはなんら検討されていない。
特開2005−105264号公報 WO2015/012395号パンフレット 特開2015−078253号公報 特開2009−144138号公報 特開2003−105059号公報
ガラスからプラスチックへの代替にあたり、例えばPETの耐熱性を考慮した場合、130℃以下の低温焼成が要求される。
しかしながら、特許文献1〜3には、熱硬化性樹脂組成物の低温硬化性、低温硬化によって得られる硬化膜の物理的性質等についてなんら検討されていない。特許文献2には、熱硬化性樹脂組成物を120℃で加熱して硬化膜を得ることが記されているが、当該熱硬化性樹脂組成物を120℃の低温で硬化させて得られた硬化膜は、エタノールやIPAなどに対する耐薬品性が悪く、硬度も低く、透明絶縁膜として使用するためには、改良が求められている。本発明の課題は、タッチパネル型入力装置を製造するに際して、ラインの簡略化および歩留まり向上等の点から、前記透明絶縁膜およびオーバーコートのいずれにも使用できる樹脂組成物を提供することである。
本発明の課題は、低温硬化性、高硬度、高透明性、ガラスに対する密着性を有する硬化膜を形成することが可能な熱硬化性樹脂組成物、およびその用途を提供することにある。
本発明者らは、前記問題点を解決すべく鋭意検討を行った。
例えば、前記特許文献に具体的に記載されている樹脂組成物を検討したところ、該組成物から得られた硬化膜は、透明性と硬度が悪かった。
本発明者らは、前記知見を踏まえて、様々な検討をした結果、下記構成を有する熱硬化性樹脂組成物により前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、例えば以下の[1]〜[21]に関する。
[1] モノアミン(a1)と酸無水物基を1つ有する化合物(a2)からの反応生成物であるシリコンアミド酸化合物(A)、
平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)、及び
溶媒(D)を含む熱硬化性樹脂組成物であり;
前記モノアミン(a1)及び前記酸無水物基を1つ有する化合物(a2)の少なくとも一方が−C−Si−O−構造を含み;そして
前記環状エーテル化合物成分(B)に含まれる環状エーテル化合物が、エポキシ化合物(b1)及びオキセタン化合物(b2)から選ばれる少なくとも1つである熱硬化性樹脂組成物。
[2] シリコンアミド酸化合物(A)が、一般式(1)で表されるアミド酸化合物(A)である、前記[1]に記載の熱硬化性樹脂組成物。
Figure 2019183044
(一般式(1)中、Rは、炭素数1〜100の2価の有機基を表し、Rは、炭素数1〜100の1価の有機基を表し、RおよびRの少なくとも一方には−C−Si−O−構造が含まれている。)
[3] モノアミン(a1)が−C−Si−O−構造を含む、前記[1]または[2]に記載の熱硬化性樹脂組成物。
[4] モノアミン(a1)が一般式(2)で表される化合物であり、酸無水物基を1つ有する化合物(a2)が一般式(3)で表される化合物である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
Figure 2019183044
(一般式(2)中、R、R及びRはそれぞれ独立して水素、ハロゲンまたは炭素数1〜100の1価の有機基を表し、Yは炭素数1〜20の2価の有機基を表し、一般式(3)中、Xは炭素数1〜100の2価の有機基を表す。)
[5] モノアミン(a1)が、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリエトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジメトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジエトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシランおよびm−アミノフェニルメチルジエトキシシランからなる群から選ばれる1以上である、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
[6] 酸無水物基を1つ有する化合物(a2)が、無水フタル酸、3−メチルフタル酸無水物、4−メチルフタル酸無水物、4−tert−ブチルフタル酸無水物、3−フルオロフタル酸無水物、4−フルオロフタル酸無水物、4−エチニルフタル酸無水物、4−フェニルエチニルフタル酸無水物、コハク酸無水物、グルタル酸無水物、イタコン酸無水物、cis−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、cis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、アリルコハク酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、アリルナジック酸無水物、ブチルコハク酸無水物、n−オクチルコハク酸無水物、デシルコハク酸無水物、ドデシルコハク酸無水物、テトラデシルコハク酸無水物、ヘキサデシルコハク酸無水物、オクタデシルコハク酸無水物、2−ブテン−1−イルコハク酸無水物、2−ヘキセン−1−イルコハク酸無水物、n−オクテニルコハク酸無水物、n−デセニルコハク酸無水物、2−ドデセン−1−イルコハク酸無水物、テトラデセニルコハク酸無水物、ヘキサデセニルコハク酸無水物、オクタデセニルコハク酸無水物、p−(トリメトキシシリル)フェニルコハク酸無水物、p−(トリエトキシシリル)フェニルコハク酸無水物、m−(トリメトキシシリル)フェニルコハク酸無水物、m−(トリエトキシシリル)フェニルコハク酸無水物、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物および3−トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物からなる群から選ばれる1以上である、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
[7] シリコンアミド酸化合物(A)100重量部に対し、平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)を10〜200重量部含む、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
[8] さらに、硬化剤(E)を含有する、前記[1]〜[7]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
[9] 硬化剤(E)が、酸無水物系硬化剤、フェノール樹脂系硬化剤、アミンアダクト、ポリカルボン酸系硬化剤、ポリアミン系硬化剤および触媒型硬化剤からなる群より選ばれる1種以上の化合物である、前記[8]に記載の熱硬化性樹脂組成物。
[10] 前記[1]〜[9]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物を含有することを特徴とするインクジェット用インク。
[11] タッチパネル用である、前記[1]〜[9]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
[12] 前記[1]〜[9]および[11]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物である硬化膜。
[13] 前記[12]に記載の硬化膜を有する硬化膜付き基板。
[14] 前記[12]に記載の硬化膜または前記[13]に記載の硬化膜付き基板を有する電子部品。
[15] タッチパネルである、前記[14]に記載の電子部品。
本発明によれば、低温硬化性、高硬度、高透明性、ガラスに対する密着性、耐薬品性をバランスよく有する硬化膜を形成することができる。このため、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、非常に実用性の高いものであり、例えば、タッチパネル用の透明絶縁膜およびオーバーコートを生産性よく作製することが可能であり、これらの用途に好適に用いることができる。
以下、本発明の熱硬化性樹脂組成物(以下「本発明の組成物」ともいう。)、該組成物の調製方法、硬化膜の形成方法、硬化膜付き基板および電子部品について詳細に説明する。
1.熱硬化性樹脂組成物
本発明の組成物は、シリコンアミド酸化合物(A)、平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)、および溶媒(D)を含有する。本発明の組成物は前記成分のほか、添加剤を含有してもよく、有色、無色のどちらであってもよい。
このような本発明の組成物によれば、130℃以下の低温硬化が可能であり、高硬度、高透明性、ガラスに対する密着性、耐薬品性等バランスよく優れる硬化膜を得ることができる。このため、タッチパネル用の透明絶縁膜やオーバーコートを生産性よく作製することが可能であり、これらの用途に好適に用いることができる。
本発明の組成物は、シリコンアミド酸化合物(A)、平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)、および溶媒(D)を含有することで初めて、前記効果に優れる、特に、鉛筆硬度が5H以上であり、膜厚1.2マイクロメートル以上の硬化膜の透過率が波長400nmで99%以上であり、ガラスに対する密着性に優れ、種々の耐薬品性に優れた硬化膜が得られる。
従来の、ポリエステルアミド酸からなる組成物や、フルオレン骨格を有するエポキシ化合物およびエポキシ硬化剤からなる組成物では、これらの基板、鉛筆硬度が5H以上であり、上記透過率が99%以上の硬化膜は得られなかった。
従って、本発明の組成物は、従来の組成物からでは予期しえない効果を有する組成物であり、シリコンアミド酸化合物(A)、平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)、溶媒(D)を組み合わせることにより、相乗効果を有する組成物である。
1.1 シリコンアミド酸化合物(A)
本発明の熱硬化性樹脂組成物に含まれるシリコンアミド酸化合物(A)は、少なくとも、モノアミン(a1)と酸無水物基を1つ有する化合物(a2)とを反応させて得ることができるが、これらの反応物(シリコンアミド酸化合物(A))は、−COOH基が塩を形成している場合も含む。
シリコンアミド酸化合物(A)としては、一般式(1)で表される化合物が挙げられる。一般式(1)におけるRは酸無水物基を1つ有する化合物(a2)の反応残基であり、Rはモノアミン(a1)の反応残基である。反応残基とは、モノアミン(a1)又は酸無水物基を1つ有する化合物(a2)において、一般式(1)に含まれるアミド結合を構成する部位以外の基を意味する。
一般式(1)におけるRとRは、それぞれ炭素数1〜100の2価の有機基、炭素数1〜100の1価の有機基であり、RおよびRの少なくとも一方に−C−Si−O−構造が含まれていれば特に限定されるものではない。「炭素数1〜100の有機基」は、好ましくは炭素数2〜70の有機基であり、より好ましくは炭素数4〜50の有機基である。
上記「有機基」としては、具体的には、以下の基が挙げられる。
炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数2〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、アミノ基を有する炭化水素基、シリル基を有する炭化水素基(−C−Si−O−構造が含まれている有機基は、この態様にも含まれている)、アルキルチオ基(−SY、式中、Yは炭素数1〜20のアルキル基を示す)、アリールチオ基(−SY、式中、Yは炭素数6〜18のアリール基を示す)、アルキルスルホニル(−SO、式中、Yは炭素数1〜20のアルキル基を示す)、アリールスルホニル基(−SO、式中、Yは炭素数6〜18のアリール基を示す)。以上例示した有機基は、いずれも置換基を有することを妨げない。
「炭素数1〜20の炭化水素基」の炭化水素基は、飽和若しくは不飽和の非環式であってもよいし、飽和若しくは不飽和の環式であってもよい。炭素数1〜20の炭化水素基が非環式の場合には、直鎖状でもよいし、分岐鎖状でもよい。「炭素数1〜20の炭化水素基」には、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数4〜20のアルキルジエニル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基、炭素数7〜20のアリールアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、及び炭素数3〜20のシクロアルケニル基等が含まれる。
「炭素数1〜20のアルキル基」は、炭素数2〜10のアルキル基であることが好ましく、炭素数2〜6のアルキル基であることが更に好ましい。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、及びドデシル等が挙げられる。
「炭素数2〜20のアルケニル基」は、炭素数2〜10のアルケニル基であることが好ましく、炭素数2〜6のアルケニル基であることが更に好ましい。アルケニル基の例としては、ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチルアリル、及び2−ブテニル等が挙げられる。
「炭素数2〜20のアルキニル基」は、炭素数2〜10のアルキニル基であることが好ましく、炭素数2〜6のアルキニル基であることが更に好ましい。アルキニル基の例としては、エチニル、プロピニル、及びブチニル等が挙げられる。
「炭素数4〜20のアルキルジエニル基」は、炭素数4〜10のアルキルジエニル基であることが好ましく、炭素数4〜6のアルキルジエニル基であることが更に好ましい。アルキルジエニル基の例としては、1,3−ブタジエニル等が挙げられる。
「炭素数6〜18のアリール基」は、炭素数6〜10のアリール基であることが好ましい。アリール基の例としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、インデニル、ビフェニリル、アントリル、及びフェナントリル等が挙げられる。
「炭素数7〜20のアルキルアリール基」は、炭素数7〜12のアルキルアリール基であることが好ましい。アルキルアリール基の例としては、o−トリル、m−トリル、p−トリル、2,3−キシリル、2,4−キシリル、2,5−キシリル、o−クメニル、m−クメニル、p−クメニル、及びメシチル等が挙げられる。
「炭素数7〜20のアリールアルキル基」は、炭素数7〜12のアリールアルキル基であることが好ましい。アリールアルキル基の例としては、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、2,2−ジフェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、及び5−フェニルペンチル等が挙げられる。
「炭素数3〜20のシクロアルキル基」は、炭素数3〜10のシクロアルキル基であることが好ましい。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシル等が挙げられる。
「炭素数3〜20のシクロアルケニル基」は、炭素数3〜10のシクロアルケニル基であることが好ましい。シクロアルケニル基の例としては、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、及びシクロヘキセニル等が挙げられる。
「炭素数2〜20のアルコキシ基」は、炭素数2〜10のアルコキシ基であることが好ましく、炭素数2〜6のアルコキシ基であることが更に好ましい。アルコキシ基の例としては、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、及びペンチルオキシ等がある。
「炭素数6〜20のアリールオキシ基」は、炭素数6〜10のアリールオキシ基であることが好ましい。アリールオキシ基の例としては、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、及びビフェニルオキシ等が挙げられる。
「アルキルチオ基(−SY)」及び「アルキルスルホニル基(−SO)」において、Y及びYは、炭素数2〜10のアルキル基であることが好ましく、炭素数2〜6のアルキル基であることが更に好ましい。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、及びドデシル等が挙げられる。
「アリールチオ基(−SY)」及び「アリールスルホニル基(−SO)」において、Y及びYは、炭素数6〜10のアリール基であることが好ましい。アリール基の例としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、インデニル、ビフェニリル、アントリル、及びフェナントリル等が挙げられる。
「炭素数1〜20の炭化水素基」、「炭素数2〜20のアルコキシ基」、「炭素数6〜20のアリールオキシ基」、「アミノ基を有する炭化水素基」、「シリル基を有する炭化水素基」、「アルキルチオ基」、「アリールチオ基」、「アルキルスルホニル基」、及び「アリールスルホニル基」には、置換基が導入されていてもよい。この置換としては、例えば、エステル、カルボキシル、アミド、アルキン、トリメチルシリル、アミノ、ホスホニル、チオ、カルボニル、ニトロ、スルホ、イミノ、ハロゲノ、及びアルコキシ等が挙げられる。
この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上、置換可能な最大数まで導入されてい
てもよく、好ましくは1個〜4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
「アミノ基を有する炭化水素基」の例としては、アミノメチル、メチルアミノメチル、アミノエチル、アミノフェニルメチル、及びアミノフェニル等が挙げられる。
「シリル基を有する炭化水素基」の例としては、ジメチルシリル、ジエチルシリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリメトキシシリル、トリエトキシシリル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリル、トリフェノキシシリル、ジメチルメトキシシリル、ジメチルフェノキシシリル、及びメチルメトキシフェニル等が挙げられる。これらのうち、「置換基を有してもよいシリル」がトリメトキシシリル、トリエトキシシリル、トリフェノキシシリル、ジメチルメトキシシリル、ジメチルフェノキシシリル、及びメチルメトキシフェニル等である場合は、それらのうちいずれかを置換基として含むRまたはRが、−C−Si−O−構造を含むことになる。
以上、基本的には有機基を1価の具体例で説明したが、2価の有機基の具体例については、上記で説明した1価の有機基においてさらに価数を1つ増やした基をもって説明することができる。なお、一般式(1)で表される化学式中の有機基の説明は、他の式番号で表される化学式中の「有機基」の説明としても援用することができる。
以下に、シリコンアミド酸化合物(A)を得るために用いることができる、モノアミン(a1)と酸無水物基を1つ有する化合物(a2)とを説明する。
1.1.1. モノアミン(a1)
モノアミン(a1)としては、一般式(2)で表される化合物が挙げられる。一般式(2)中、R、R及びRはそれぞれ独立して水素、ハロゲンまたは炭素数1〜100の有機基であり、Yは炭素数1〜20の有機基である。有機基の説明は、一般式(1)における説明を援用することができる。
モノアミン(a1)としては、アミノ基を1つ有していれば特に限定されないが、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリエトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジメトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジエトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシラン又はm−アミノフェニルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
これらの中でも、例えば得られる膜の耐久性が優れるという点から、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシランが好ましい。
これらのモノアミンは1種単独でまたは2種以上を組み合わせても使用できる。
1.1.2. 酸無水物基を1つ有する化合物(a2
酸無水物基を1つ有する化合物(a2)としては、一般式(3)で表される化合物が挙げられる。一般式(3)中、Xは炭素数1〜100の有機基である。有機基の説明は、一般式(1)における説明を援用することができる。
酸無水物基を1つ有する化合物(a2)としては、酸無水物基を1つ有していれば特に限定されないが、例えば、無水フタル酸、3−メチルフタル酸無水物、4−メチルフタル酸無水物、4−tert−ブチルフタル酸無水物、3−フルオロフタル酸無水物、4−フルオロフタル酸無水物、4−エチニルフタル酸無水物、4−フェニルエチニルフタル酸無水物、コハク酸無水物、グルタル酸無水物、イタコン酸無水物、cis−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、cis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、アリルコハク酸無水物、2−ブテン−1−イルコハク酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、アリルナジック酸無水物、ブチルコハク酸無水物、n−オクチルコハク酸無水物、ドデシルコハク酸無水物、テトラデセニルコハク酸無水物、オクタデセニルコハク酸無水物、p−(トリメトキシシリル)フェニルコハク酸無水物、p−(トリエトキシシリル)フェニルコハク酸無水物、m−(トリメトキシシリル)フェニルコハク酸無水物、m−(トリエトキシシリル)フェニルコハク酸無水物、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物および3−トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物等が挙げられる。
1.1.3. シリコンアミド酸化合物(A)を合成するための反応条件
シリコンアミド酸化合物(A)は、少なくとも、モノアミン(a1)と酸無水物基を1つ有する化合物(a2)とを反応させる工程を用いて得ることができる。
1.1.4. 反応原料の仕込量
モノアミン(a1)及び酸無水物基を1つ有する化合物(a2)の仕込量は、1モルのモノアミン(a1)に対して、酸無水物基を1つ有する化合物(a2)を0.5〜2.0モル用いることが好ましく、0.7〜1.5モル用いることがより好ましく、1.0〜1.2モル用いることがさらに好ましい。
1.1.5. 反応溶媒(a3)
シリコンアミド酸化合物(A)を合成するために用いられる反応溶媒(a3)は、当該シリコンアミド酸化合物(A)が合成できれば特に限定されるものではないが、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、又はN,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
これらの反応溶媒の中でも原料および生成物の溶解性と反応性の点から、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル又はジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、γ−ブチロラクトンが好ましい。
これらの反応溶媒は単独でも、2種以上の混合溶媒としても使用できる。また、上記反応溶媒以外に他の溶媒を混合して用いることもできる。
反応溶媒は、モノアミン(a1)と酸無水物基を1つ有する化合物(a2)との合計100重量部に対し100重量部以上使用すると、反応がスムーズに進行するので好ましい。反応は0℃〜100℃で、0.2〜20時間反応させるのが好ましい。
1.1.6. 反応系への添加順序
反応原料の反応系への添加順序に特に限定されない。すなわち、モノアミン(a1)と酸無水物基を1つ有する化合物(a2)とを同時に反応溶媒に加える、モノアミン(a1)を反応溶媒中に溶解させた後に酸無水物基を1つ有する化合物(a2)を添加する、酸無水物基を1つ有する化合物(a2)を反応溶媒中に溶解させた後にモノアミン(a1)を添加する等、いずれの方法も用いることができる。
1.1.7. シリコンアミド酸化合物(A)の含有量
シリコンアミド酸化合物(A)の含有量は、特にインクジェット用インクとする場合、熱硬化性樹脂組成物全重量に対して、5〜80重量%とすることが好ましく、30〜70重量%とすることがより好ましく、30〜50重量%とすることがさらに好ましい。5重量%以上では、1回のジェッティングで形成できるイミド化合物の膜が薄くなり過ぎることがなく、80重量%以下では、インクジェット用インクの粘度が大きくなり過ぎず、ジェッティング特性がよい。
1.2. 平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)
本発明に用いられる環状エーテル化合物は、具体的にはエポキシ化合物(b1)またはオキセタン化合物(b2)である。環状エーテル化合物成分(B)に含有するシリカ微粒子は、その平均粒子径が、50nm以下であれば特に限定されないが、40nm以下であることがより好ましく、25nm以下であることがさらに好ましい。このようなシリカ微粒子を含有することにより、耐熱性、高透明性、高硬度などに優れる硬化膜を得ることができる。シリカ微粒子は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。 上述したシリカの平均粒子径は、動的光散乱法により評価した球相当径の意義である。
組成物中のシリカ微粒子の含有量が高い程、硬度の高い硬化膜が得られることから、シリコンアミド酸化合物(A)100重量部に対し、環状エーテル化合物成分(B)が20重量部以上であることが好ましく、50重量部以上であることがより好ましく、70重量部以上であることがさらに好ましい。
平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)の具体例としては、エポキシ化合物(b1)として、NANOPOX C450、NANOPOX C460、NANOPOX C620、NANOPOX F400、NANOPOX E430、NANOPOX E470、NANOPOX E500、NANOPOX E601、NANOPOX F631、NANOPOX F640(以上商品名、EVONIK製)、コンポセラン E103A、コンポセラン E103D、コンポセラン E203(以上商品名、荒川化学(株)製)が挙げられる。オキセタン化合物(b2)として、NANOPOX C680(商品名、EVONIK製)が挙げられる。これらの中でも、高透明性、高硬度に優れる硬化膜が得られる等の点から、NANOPOX C620、NANOPOX C680が特に好ましい。
1.3. 硬化剤(E)
本発明の組成物には、硬化剤(E)が配合されていてもよく、このことにより、耐熱性および耐薬品性に優れる硬化膜が得られる。
硬化剤(E)としては、シリコンアミド酸化合物(A)とは異なる化合物であり、具体的には、酸無水物系硬化剤、ポリアミン系硬化剤、ポリフェノール系硬化剤および触媒型硬化剤などが挙げられるが、耐着色性および耐熱性等の点から酸無水物系硬化剤が好ましい。硬化剤(E)は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
酸無水物系硬化剤の具体例としては、無水マレイン酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物などの脂肪族ジカルボン酸無水物;無水フタル酸、無水トリメリット酸などの芳香族多価カルボン酸無水物;スチレン−無水マレイン酸共重合体が挙げられる。これらの中でも、溶媒(D)に対する溶解性に優れる化合物が得られ、耐熱性に優れる硬化膜が得られる等の点から、無水トリメリット酸が特に好ましい。
硬化剤(E)の含有量は、水酸化ナトリウム水溶液などの薬品に対する耐薬品性およびガラスに対する密着性が良好で、表面硬度の高い硬化膜の取得を主目的とする場合は、本発明の組成物の固形分(該組成物から溶剤を除いた残分)100重量%に対し、好ましくは0〜10重量%、より好ましくは0〜7重量%、さらに好ましくは0〜5重量%であり、平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)を含む全環状エーテル化合物100重量部に対し、好ましくは0〜25重量部、より好ましくは0〜20重量部、さらに好ましくは0〜15重量部である。
また、エタノールや2−プロパノールなどの薬品に対する耐薬品性およびガラスに対する密着性が良好で、表面硬度の高い硬化膜の取得を主目的とする場合には、本発明の組成物の固形分(該組成物から溶剤を除いた残分)100重量%に対し、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは3〜15重量%、さらに好ましくは5〜10重量%であり、平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)100重量部に対し、好ましくは10〜70重量部、より好ましくは20〜65重量部、さらに好ましくは25〜60重量部である。
1.4. 溶媒(D)
本発明の組成物は、例えば、シリコンアミド酸化合物(A)および平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)、あるいは硬化剤(E)を溶媒(D)に溶解して得ることができる。したがって、溶媒(D)は、シリコンルアミド酸化合物(A)および平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)、好ましくは硬化剤(E)を溶解することができる溶媒であることが好ましい。また、単独ではシリコンアミド酸化合物(A)、平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)および硬化剤(E)を溶解しない溶媒であっても、他の溶媒と混合することによって、溶媒(D)として用いることが可能になる場合がある。
溶媒(D)は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、溶媒(D)は、平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子が含有した溶媒を用いてもよい。
溶媒(D)としては、例えば、乳酸エチル、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、シクロヘキサノン、1,3−ジオキソラン、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、アニソール、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(ECa)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DB)、エチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(MTEM)、テトラメチレングリコールモノビニルエーテル、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、安息香酸メチル、安息香酸エチル、1−ビニル−2−ピロリドン、1−ブチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N−メチル−ε−カプロラクタム、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−ヘキサノラクトン、δ−ヘキサノラクトン、メチルエチルスルホキシド、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル(HBM)、ジメチルスルホキシドおよび出光興産(株)製エクアミド(商品名)、平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子が含有した溶媒として、NANOPOL A710、NANOPOL A720、NANOPOL C764、NANOPOL C784(以上商品名、EVONIK製)が挙げられる。
これらの中でも、シリコンルアミド酸化合物(A)、平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)の溶解性の点で、また好ましくは硬化剤(E)も含めた溶解性の点で、本発明の組成物は、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(EDM)、トリエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、3−メトキシプロピオン酸メチル、γ−ブチロラクトン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジメチルスルホキシドおよび出光興産(株)製エクアミド(商品名)からなる群より選択される少なくとも1種を、溶媒(D)として含むことが好ましい。
1.4.1 溶媒の含有量
また、溶媒(D)の含有量は、特にインクジェット用インクとする場合、全重量に対して、20〜95重量%(固形分濃度が5〜80重量%)とすることが好ましく、30〜70重量%(固形分濃度が30〜70重量%)とすることがより好ましく、50〜70重量%(固形分濃度が30〜50重量%)とすることがさらに好ましい。20重量%以上では、インクジェット用インクの粘度が大きくなり過ぎず、ジェッティング特性は良好であり、95重量%以下では、1回のジェッティングで形成できるイミド化合物の膜が薄くなり過ぎることがない。
1.5 本発明の熱硬化性樹脂組成物に添加してもよい添加剤
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、例えば、シリコンアミド酸化合物(A)と、平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)および溶媒(D)とを混合して得られるが、必要により、さらに各種添加剤を含んでもよい。各種添加剤としては、高分子化合物(ポリイミド樹脂)、アルケニル置換ナジイミド化合物、又はシリコン化合物等が挙げられる。
さらに、目的とする特性によっては、エポキシ化合物、アクリル樹脂(重合性モノマー)、界面活性剤、帯電防止剤、カップリング剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、水溶性ポリマー、顔料、染料等の添加剤を必要により選択して添加してもよい。
1.5.1. 環状エーテル化合物(F)
本発明では、エポキシ環またはオキセタン環を1つ以上有する化合物を環状エーテル化合物という。本発明において、環状エーテル化合物(F)は、平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)に用いられるエポキシ化合物(b1)およびオキセタン化合物(b2)以外の環状エーテル化合物を指す。
環状エーテル化合物(F)としては、エポキシ環を2つ以上有する化合物が好ましく用いられ、環状エーテル化合物(F)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
環状エーテル化合物(F)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、フルオレン環含有エポキシ化合物、エポキシ環を有するモノマーの重合体、エポキシ環を有するモノマーと他のモノマーとの共重合体などが挙げられる。
エポキシ環を有するモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、次の式(4)で示される化合物が挙げられる。
なお、本発明において、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートのことを指し、(メタ)アクリルとは、アクリルおよび/またはメタクリルのことを指す。
Figure 2019183044
式(4)中、Rは独立に、炭素数1〜45のアルキル、炭素数4〜8のシクロアルキル、アリールおよびアリールアルキルから選択される基であり;炭素数1〜45のアルキルにおいて、少なくとも1つの水素はフッ素で置き換えられてもよく、隣接しない任意の−CH―は―O−または−CH=CH−で置き換えられてもよく;アリールアルキルにおけるアルキルの炭素数は1〜10であり、該アルキルの隣接しない任意の−CH―は―O−で置き換えられてもよく;RおよびRはそれぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびフェニルから選択される基であり;Xはオキシラニル、オキシラニレン、3,4−エポキシシクロヘキシル、オキセタニルおよびオキセタニレンのいずれか1つを有する基である。
エポキシ環を有するモノマーと共重合を行う他のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、クロルメチルスチレン、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミドが挙げられる。
エポキシ環を有するモノマーの重合体およびエポキシ環を有するモノマーと他のモノマーとの共重合体の好ましい具体例としては、ポリグリシジルメタクリレート、メチルメタクリレートとグリシジルメタクリレートとの共重合体、ベンジルメタクリレートとグリシジルメタクリレートとの共重合体、n−ブチルメタクリレートとグリシジルメタクリレートとの共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレートとグリシジルメタクリレートとの共重合体、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレートとグリシジルメタクリレートとの共重合体、スチレンとグリシジルメタクリレートとの共重合体が挙げられる。本発明の組成物がこれらのエポキシ化合物を含有すると、当該組成物から形成された硬化膜の耐熱性がさらに良好となるため好ましい。
環状エーテル化合物(F)の具体例としては、例えば、エポキシ化合物「jER807」(エポキシ当量160〜175g/eq)、「jER815」、「jER825」(エポキシ当量170〜180g/eq)、「jER827」(エポキシ当量180〜190g/eq)、「jER828」(エポキシ当量184〜194g/eq)、「jER190P」、「jER191P」、「jER1001」(エポキシ当量450〜500g/eq)、「jER1002」(エポキシ当量600〜700g/eq)、「jER1004」(エポキシ当量875〜975g/eq)、「jER1004AF」(エポキシ当量875〜975g/eq)、「jER1007」(エポキシ当量1750〜2200g/eq)、「jER1010」(エポキシ当量3000〜5000g/eq)、「jER157S70」(エポキシ当量200〜220g/eq)、「jER1032H60」(エポキシ当量163〜175g/eq)、「jER1256」(エポキシ当量7500〜8500g/eq)(以上、三菱ケミカル(株)製)、「セロキサイド2021P」(エポキシ当量128〜145g/eq)、「セロキサイド3000」、「EHPE−3150」(エポキシ当量170〜190g/eq)、「EHPE−3150CE」(エポキシ当量147〜157g/eq)(以上商品名、(株)ダイセル製)、「TECHMORE VG3101L」(商品名、(株)プリンテック製、エポキシ当量210g/eq)、「HP7200」(エポキシ当量254〜264g/eq)、「HP7200H」(エポキシ当量272〜284g/eq)、「HP7200HH」(エポキシ当量274〜286g/eq)(以上商品名、DIC(株)製)、「NC―3000](エポキシ当量265〜285g/eq)、「NC―3000H](エポキシ当量280〜300g/eq)、「EOCN―102S」(エポキシ当量205〜217g/eq)、「EOCN―103S」(エポキシ当量209〜219g/eq)、「EOCN−104S」(エポキシ当量213〜223g/eq)、「EPPN−501H」(エポキシ当量162〜172g/eq)、「EPPN−501HY」(エポキシ当量163〜175g/eq)、「EPPN−502H」(エポキシ当量158〜178g/eq)、「EPPN−201」(エポキシ当量180〜200g/eq)(以上商品名、日本化薬(株)製)、「TEP−G」(エポキシ当量160〜180g/eq)(以上商品名、旭有機材(株)製)、「MA−DGIC(エポキシ当量140g/eq)」、「DA−MGIC」(エポキシ当量265g/eq)、「TG−G」(エポキシ当量92g/eq)(以上商品名、四国化成工業(株)製)、「TEPIC−VL](エポキシ当量125〜145g/eq)(商品名、日産化学工業(株)製)、「アデカレジン EP−4088S」(商品名、(株)ADEKA製、エポキシ当量170g/eq)、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、OGSOL PG−100(商品名、大阪ガスケミカル(株)製、エポキシ当量260g/eq)、OGSOL CG−500(商品名、大阪ガスケミカル(株)製、エポキシ当量310g/eq)、OGSOL EG−200(商品名、大阪ガスケミカル(株)製、エポキシ当量290g/eq)、OGSOL EG−250(商品名、大阪ガスケミカル(株)製、エポキシ当量395g/eq)、OGSOL EG−280(商品名、大阪ガスケミカル(株)製、エポキシ当量460g/eq)、OGSOL CG−400(商品名、大阪ガスケミカル(株)製、エポキシ当量540g/eq)が挙げられる。
本発明の組成物中の環状エーテル化合物(F)の濃度は特に限定されないが、耐熱性、およびガラスに対する密着性にバランスよく優れる硬化膜が得られる等の点から、本発明の組成物の固形分(該組成物から溶剤を除いた残分)100重量%中に0〜50重量%含まれていることが好ましく、0〜40重量%含まれていることがより好ましい。
1.5.2. ポリイミド樹脂
ポリイミド樹脂としては、イミド基を有していれば特に限定されない。
ポリイミド樹脂は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
ポリイミド樹脂は、例えば、酸二無水物とジアミンとを反応させて得られるポリアミド酸を、イミド化することで得られる。
本発明の組成物がポリイミド樹脂を含む場合、本発明の組成物100重量%中のポリイミド樹脂の濃度は特に限定されないが、耐熱性および耐薬品性がさらに良好である硬化膜が得られる等の点から、0.1〜20重量%が好ましく、0.1〜10重量%がさらに好ましい。
1.5.3 アルケニル置換ナジイミド化合物
本発明のインクジェット用インクは、さらに各種アルケニル置換ナジイミド化合物を含むことができる。アルケニル置換ナジイミド化合物は、分子内に少なくとも1つのアルケニル置換ナジイミド構造を有する化合物である。好ましくは、一般式(5)で表されるアルケニル置換ナジイミド化合物等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
Figure 2019183044
一般式(5)中、RおよびRはそれぞれ独立に、水素、炭素数1〜12のアルキル、炭素数3〜6のアルケニル、炭素数5〜8のシクロアルキル、炭素数6〜12のアリールまたはベンジルのいずれかであり、nは1〜2の整数であり、n=1のとき、R10は水素、炭素数1〜12のアルキル、炭素数1〜12のヒドロキシアルキル、炭素数5〜8のシクロアルキル、炭素数6〜12のアリール、ベンジル、−{(C2q)O(C2rO)2sX}(ここで、q、r、sはそれぞれ独立に選ばれた2〜6の整数、tは0または1の整数及びuは1〜30の整数、Xは水素または水酸基である)で表されるポリオキシアルキレンアルキル、−(R)−C−R11(ここで、aは0または1の整数、Rは炭素数1〜4のアルキレン、R11は水素もしくは炭素数1〜4のアルキルを表す)で表される基、−C−T−C(ここで、Tは−CH−、−C(CH−、−CO−、−S−もしくはSO−である)で表される基、またはこれらの基の芳香環に直結した1〜3個の水素が水酸基で置換された基であり、 n=2のとき、R10は−C2p−(ここで、pは2〜20の整数)で表されるアルキレン、炭素数5〜8のシクロアルキレン、−{(C2qO)(C2rO)2s}−(ここで、q、r、sはそれぞれ独立に2〜6の整数、tは0または1の整数及びuは1〜30の整数である)で表されるポリオキシアルキレン、炭素数6〜12のアリーレン、−(R)a−C−R12−(ここで、aは0または1の整数、R及びR12は独立に選ばれた炭素数1〜4のアルキレンである)で表される基、−C−T−C−(ここで、Tは−CH−、−C(CH−、−CO−、−O−、−OCC(CHO−、−S−、−SO−)で表される基、またはこれらの基の芳香環に直結する1〜3個の水素が水酸基で置換された基である。
また、一般式(5)で表されるアルケニル置換ナジイミド化合物の中でも、 RおよびRはそれぞれ独立に、水素、炭素数1〜12のアルキル、炭素数3〜6のアルケニル、炭素数5〜8のシクロアルキル、炭素数6〜12のアリールまたはベンジルのいずれかであり、 nが2であり、 R10が、−C2p−(ここで、pは2〜10の整数)で表されるアルキレン、−(R)−C−R12−(ここで、aは0または1の整数、R及びR12は独立に選ばれた炭素数1〜4のアルキレンである)で表される基、または−C−T−C−(ここで、Tは−CH−、−C(CH−、−CO−、−O−、−OCC(CHO−、−S−、−SO−)で表される基である、アルケニル置換ナジイミド化合物が好ましい。
また、一般式(5)で表されるアルケニル置換ナジイミド化合物の中でも、RおよびRがそれぞれ独立に水素または炭素数1〜6のアルキルであり、nが2であり、R10が−(CH−、式(II−2)で表される基または式(II−3)で表される基である、アルケニル置換ナジイミド化合物が好ましい。
Figure 2019183044
1.5.4. 重合性モノマー
重合性モノマーとしては、例えば、単官能重合性モノマー、二官能(メタ)アクリレート、三官能以上の多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
重合性モノマーは1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の組成物が重合性モノマーを含む場合、本発明の組成物中の重合性モノマーの濃度は特に限定されないが、耐薬品性、表面硬度がさらに良好である硬化膜が得られる等の点から、本発明の組成物の固形分(該組成物から溶剤を除いた残分)100重量%中に10〜80重量%含まれていることが好ましく、20〜70重量%含まれていることがさらに好ましい。
単官能重合性モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、5−テトラヒドロフルフリルオキシカルボニルペンチル(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールのエチレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタン、p−ビニルフェニル−3−エチルオキセタ−3−イルメチルエーテル、2−フェニル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、2−トリフロロメチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、4−トリフロロメチル−2−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、クロルメチルスチレン、ビニルトルエン、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、(メタ)アクリルアミド、N−アクリロイルモルホリン、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、ケイ皮酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、コハク酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、マレイン酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、シクロヘキセン−3,4−ジカルボン酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]が挙げられる。
二官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、ビスフェノールFエチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
三官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、ウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。
1.5.5. 帯電防止剤
帯電防止剤は、本発明の組成物の帯電を防止するために使用することができ、本発明の組成物が帯電防止剤を含む場合、本発明の組成物100重量%中、0.01〜1重量%の量で用いられることが好ましい。
帯電防止剤としては、公知の帯電防止剤を用いることができる。具体的には、酸化錫、酸化錫・酸化アンチモン複合酸化物、酸化錫・酸化インジウム複合酸化物などの金属酸化物;四級アンモニウム塩が挙げられる。
帯電防止剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
1.5.6. カップリング剤(G)
カップリング剤(G)としては、特に限定されるものではなく、ガラスとの密着性を向上させる等の目的でシランカップリング剤(G)などの公知のカップリング剤を用いることができる。本発明の組成物がカップリング剤(G)を含む場合、カップリング剤(G)は、本発明の組成物の固形分(該組成物から溶剤を除いた残分)100重量%に対し、15重量%以下になるように添加して用いられることが好ましい。
カップリング剤(G)は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
シランカップリング剤としては、例えば、トリアルコキシシラン化合物、ジアルコキシシラン化合物が挙げられる。好ましくは、例えば、γ−ビニルプロピルトリメトキシシラン、γ−ビニルプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−アミノエチル−γ−イミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
これらの中でも、γ−ビニルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。
1.5.7. 酸化防止剤(H)
本発明の組成物が酸化防止剤(H)を含有することで、該組成物から得られる硬化膜が高温または光に曝された場合の劣化を防止することができる。酸化防止剤(H)は、本発明の組成物が酸化防止剤(H)を含む場合、該酸化防止剤(H)を除く組成物の固形分(該組成物から溶剤を除いた残分)100重量%に対し、0.1〜3重量%添加して用いることが好ましい。
酸化防止剤(H)は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
酸化防止剤(H)としては、ヒンダードアミン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物などが挙げられる。具体的には、IRGAFOS XP40、IRGAFOS XP60、IRGANOX 1010、IRGANOX 1035、IRGANOX 1076、IRGANOX 1135、IRGANOX 1520L(以上商品名、BASF社製)、アデカスタブ AO−20、アデカスタブ AO−40、アデカスタブ AO−50、アデカスタブ AO−60、アデカスタブ AO−80、アデカスタブ AO−330(以上商品名、(株)ADEKA社製)等が挙げられる。
1.5.8. 界面活性剤(I)
本発明の組成物が界面活性剤(I)を含有することで、下地基板への濡れ性、レベリング性や塗布性が向上した組成物を得ることができ、本発明の組成物が界面活性剤(I)を含む場合、界面活性剤(I)は、本発明の組成物100重量%に対し、0.01〜1重量%となる量で用いられることが好ましい。
界面活性剤(I)は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
界面活性剤(I)としては、本発明の組成物の塗布性を向上できる等の点から、例えば、商品名「BYK−300」、「BYK−306」、「BYK−335」、「BYK−310」、「BYK−341」、「BYK−344」、「BYK−370」(ビックケミー・ジャパン(株)製)等のシリコン系界面活性剤;商品名「BYK−354」、「BYK−358」、「BYK−361」(ビックケミー・ジャパン(株)製)等のアクリル系界面活性剤;商品名「DFX−18」、「フタージェント250」、「フタージェント251」(ネオス製(株))、「メガファックRS−72K」「メガファックF−477」、「メガファックF−444」、「メガファックF−553」(DIC(株)製)等のフッ素系界面活性剤が挙げられる。
1.5.9.エポキシ硬化促進剤(J)
エポキシ硬化促進剤(J)としては、本発明の組成物の硬化温度を低下させること、あるいは硬化時間を短縮させることができる等の点から、「DBU」、「DBU」、「U−CAT」、「U−CAT SA1」、「U−CAT SA102」、「U−CAT SA506」、「U−CAT SA603」、「U−CAT SA810」、「U−CAT 5002」、「U−CAT 5003」、「U−CAT 18X」、「U−CAT SA881」、「U−CAT 891」(以上商品名、サンアプロ(株)製)、「CP−001」、「NV−203−R4」(以上商品名、大阪ガスケミカル(株)製)、「カレンズMT PE1」、「カレンズMT BD1」、「カレンズMT NR1」、「TPMB」(以上商品名、昭和電工(株)製)、「DPMP」、「PEMP」、「TEMPIC」、「TMMP」(以上商品名、SC有機化学(株)製)、「TS−G」(商品名、四国化成工業(株)製)が挙げられる。
1.5.10. 顔料または染料
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、これを用いて硬化膜を製造する場合、高透明性を要求される用途だけでなく、低温硬化性、高硬度、高透明性、ガラスに対する密着性等の特性を生かして、顔料または染料を添加して用いることができる。
無機顔料としては、例えば、炭化珪素、アルミナ、マグネシア、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、チタンブラック、黒鉛、カーボンブラックなどが挙げられる。
有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16、銅フタロシアニンブルー、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7などのカラーインデックス番号が付けられている顔料が挙げられる。
染料としては、アゾ染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料が挙げられる。アゾ染料の例としては「VALIFAST BLACK 3810」、「VALIFAST BLACK 3820」、「VALIFAST RED 3304」、「VALIFAST RED 3320」、「OIL BLACK 860」(以上商品名、オリエント化学工業(株)製)が挙げられる。
顔料および染料はそれぞれ、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
2. 熱硬化性樹脂組成物の調製方法
本発明の組成物は、シリコンアミド酸化合物(A)と、平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)に応じて溶媒(D)やその他の添加剤などとを混合することによって調製することができる。
また、本発明の組成物は、シリコンアミド酸化合物(A)の合成時に得られた反応液や混合液をそのまま、平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)、必要に応じて用いられる硬化剤(E)や溶媒(D)、その他の添加剤などと混合することによって調製することもできる。
2.1. 熱硬化性樹脂組成物の粘度
熱硬化性樹脂組成物をインクジェット用インクとして使用する場合、粘度は特に限定されないが、常温(25℃)でジェッティングを行う場合は、その25℃における粘度が1〜50mPa・sであると、インクジェット塗布方法によるジェッティング精度が向上する点で好ましい。また、25℃におけるインクジェット用インクの粘度は、より好ましくは5〜30mPa・s、さらに好ましくは6〜20mPa・sである。
インクジェットヘッドを加熱してジェッティングを行う場合は、加熱温度(好ましくは40〜120℃)におけるインクジェット用インクの粘度は1〜50mPa・sが好ましく、5〜30mPa・sであればさらに好ましく、6〜20mPa・sが特に好ましい。
3. 硬化膜の形成方法
本発明の硬化膜は、前記本発明の組成物を硬化させることによって得られる膜であれば特に制限されない。本発明の硬化膜は、例えば、本発明の組成物を、基板上に塗布し、加熱することにより得ることができる。
以下、本発明の組成物を用いた硬化膜の形成方法における、塗布方法および硬化方法について説明する。
3.1. 熱硬化性樹脂組成物の塗布方法
基板上への本発明の組成物の塗布は、スプレーコート法、スピンコート法、ロールコート法、ディッピング法、スリットコート法、バーコート法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、ディスペンサー法、スクリーン印刷法およびインクジェット印刷法など従来から公知の方法により行うことができる。
例えば、本発明の組成物から、前記XおよびY電極が接触しないように設けられる透明絶縁膜を形成する場合、パターン形成が容易であるという点で、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、ディスペンサー法、スクリーン印刷法およびインクジェット印刷法などの印刷法が好ましい。
また、例えば、本発明の組成物からオーバーコートを形成する場合、全面印刷が容易であるという点で、スピンコート法、スリットコート法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、ディスペンサー法、スクリーン印刷法などの塗布法が好ましい。
前記基板としては、特に限定されるものではなく公知の基板を用いることができるが、例えば、FR−1、FR−3、FR−4、CEM−3またはE668等の各種規格に適合する、ガラスエポキシ基板、ガラスコンポジット基板、紙フェノール基板、紙エポキシ基板、グリーンエポキシ基板、BT(ビスマレイミドトリアジン)レジン基板;銅、黄銅、リン青銅、ベリリウム銅、アルミニウム、金、銀、ニッケル、スズ、クロムまたはステンレス等の金属からなる基板(これらの金属からなる層を表面に有する基板であってもよい);酸化インジウムスズ(ITO)、酸化アルミニウム(アルミナ)、窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、ジルコニウムのケイ酸塩(ジルコン)、酸化マグネシウム(マグネシア)、チタン酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛(PT)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、硫化カドニウム、硫化モリブデン、酸化ベリリウム(ベリリア)、酸化ケイ素(シリカ)、炭化ケイ素(シリコンカーバイト)、窒化ケイ素(シリコンナイトライド)、窒化ホウ素(ボロンナイトライド)、酸化亜鉛、ムライト、フェライト、ステアタイト、ホルステライト、スピネルまたはスポジュメン等の無機物からなる基板(これらの無機物を含む層を表面に有する基板であってもよい);PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PCT(ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、テフロン(登録商標)、熱可塑性エラストマーまたは液晶ポリマー等の樹脂からなる基板(これらの樹脂含む層を表面に有する基板であってもよい);シリコン、ゲルマニウムまたはガリウム砒素等の半導体基板;ガラス基板;酸化スズ、酸化亜鉛、ITOまたはATO(酸化アンチモンスズ)等の電極材料(配線)が表面に形成された基板;αGEL(アルファゲル)、βGEL(ベータゲル)、θGEL(シータゲル)またはγGEL(ガンマゲル)(以上、(株)タイカの登録商標)等のゲルシート;が挙げられる。
本発明の組成物は、好ましくはガラス基板、ITO基板や樹脂製フィルム基板上に塗布される。
3.2. 熱硬化性樹脂組成物の硬化方法
前記本発明の組成物を塗布した後に、基板上に塗布された組成物を加熱することで硬化膜を得ることができる。このようにして硬化膜を形成する方法としては、好ましくは、本発明の組成物を塗布した後にホットプレートまたはオーブンなどで加熱することにより、溶媒を気化などさせて除去し(乾燥処理)、その後、さらに加熱する(硬化処理)方法が用いられる。また、本発明の熱硬化性樹脂組成物の膜の形成は、加熱処理に限定されず、UV処理やイオンビーム、電子線、ガンマ線等の処理でもよい。
乾燥処理の条件は、用いる組成物に含まれる各成分の種類および配合割合によって異なるが、通常、加熱温度は70〜120℃であり、加熱時間は、オーブンなら5〜15分間、ホットプレートなら1〜10分間である。このような乾燥処理により、基板上に形状を保持できる程度の塗膜を形成することができる。
前記塗膜を形成した後、通常80〜200℃、好ましくは90〜150℃で硬化処理をする。このとき、オーブンを用いた場合では、通常10〜120分間加熱処理することで硬化膜を得ることができる。
なお、硬化処理は、加熱処理に限定されず、紫外線、イオンビーム、電子線またはガンマ線照射などの処理でもよい。
本発明の組成物は、シリコンアミド酸化合物(A)、平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)を含有しているから、低温硬化性が良好である。このため、130℃以下の低温焼成により、高硬度、透明性、耐薬品性等に優れる硬化膜を形成することができる。したがって、硬化処理を高温で行うことが困難なPET等の樹脂製フィルム基板上であっても、硬化膜を形成することが可能である。
4. 硬化膜付き基板
本発明の硬化膜付き基板は、本発明の硬化膜を有すれば特に制限されないが、前記基板、特に、ガラス基板および樹脂製フィルム基板からなる群より選ばれる少なくとも1種類の基板上に上述の硬化膜を有することが好ましい。
このような硬化膜付き基板は、例えば、ガラス、PET、PEN等の基板上に、本発明の組成物を前記塗布法等によって全面または所定のパターン状(ライン状など)に塗布し、その後、前記で説明したような乾燥処理および硬化処理を経ることで、形成することができる。
5. 電子部品
本発明の電子部品は、上述の硬化膜または硬化膜付き基板を有する電子部品である。このような電子部品としては、カラーフィルター、LED発光素子および受光素子などの各種光学材料、タッチパネルなどが挙げられる。
タッチパネルは、例えば、液晶表示装置または有機エレクトロルミネッセンス装置と位置検出装置とを組み合わせることで製造することができる。
ここで、位置検出装置としては、例えば、ITOなどの導電物質からなる配線(X電極)が形成された基板上に、該配線を覆うように本発明の硬化膜(透明絶縁膜)を形成し、次いで、X電極と直交するように、ITOなどの導電物質からなる配線(Y電極)を形成し、その後、基板全面を覆うように、本発明の硬化膜でオーバーコートを形成した装置が挙げられる。
このような装置の製造の際に、本発明の組成物を用いることで、通常、印刷法等でパターン状に形成される前記硬化膜(透明絶縁膜)、および、通常、塗布法等で前面に形成される前記オーバーコートを1種類の組成物で形成することができる。従って、本発明の組成物を用いることで、電子部品の製造に際して、ラインの簡略化および歩留まりの向上が可能となる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例で用いる、平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)、溶媒(D)硬化剤(E)、環状エーテル化合物(F)、カップリング剤(G)酸化防止剤(H)、界面活性剤(I)、エポキシ硬化促進剤(J)、シリコンアミド酸化合物(A)の合成に使用するモノアミン(a1)と酸無水物基を1つ有する化合物(a2)、反応溶媒(a3)の名称ならびにその略号を示す。以下の記述にはこの略号を使用する。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。
[シリコンアミド酸化合物(A)]
<モノアミン(a1)>
S330:3−アミノプロピルトリエトキシシラン
APMES:3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン
<酸無水物基を1つ有する化合物(a2)>
TESA:3−トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物
TEMA:3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物
MA:マレイン酸無水物
CA:シトラコン酸無水物
<反応溶媒(a3)>
EDM:ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(商品名 ハイソルブEDM、東邦化学工業(株)製)
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
[平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B) 1]
環状エーテル化合物がエポキシ化合物(b1)であるもの
C620::NANOPOX C620(商品名、EVONIK社製)、平均粒子径20nmのシリカ40%含有エポキシ化合物
E601::NANOPOX E601(商品名、EVONIK社製)、平均粒子径20nmのシリカ40%含有エポキシ化合物
[平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B) 2]
環状エーテル化合物がオキセタン化合物(b2)であるもの
C680::NANOPOX C680(商品名、EVONIK社製)、平均粒子径20nmのシリカ40%含有オキセタン化合物
[溶媒(D)]
EDM:ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(商品名 ハイソルブEDM、東邦化学工業(株)製)
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
A710:平均粒子径20nmのシリカ50%含有プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
[硬化剤(E)]
TMA:無水トリメリット酸
環状エーテル化合物(F)
EG−200:OGSOL EG−200(商品名、大阪ガスケミカル(株)製)、フルオレン骨格を有するエポキシ化合物(エポキシ当量290)
PG−100:OGSOL PG−100(商品名、大阪ガスケミカル(株)製)、フルオレン骨格を有するエポキシ化合物(エポキシ当量260)
[カップリング剤(G)]
S510:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名 サイラエースS510、JNC(株)製)
[酸化防止剤(H)]
I1010:Irganox1010(商品名、BASF社製)
[界面活性剤(I)]
RS−72K:フッ素系で界面活性作用のある撥液剤(商品名 メガファックRS−72K、DIC(株)製)
[エポキシ硬化促進剤(J)]
PE1:ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)(商品名 カレンズMT PE1、昭和電工(株)製)
まずは、シリコンアミド酸化合物(A)を以下のように合成した(合成例1)
表1に、合成例1〜6についてまとめた。
[合成例1]
温度計、撹拌羽根、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた1000mlのセパラブルフラスコに、EDM(250g)、S330(105.27g)、TESA(144.73g)を仕込み、乾燥窒素気流下25℃で3時間攪拌した。反応後の反応溶液をシリコンアミド酸化合物(A)とした。シリコンアミド酸化合物中の固形分濃度は50重量%であった。
この溶液の回転粘度は7.5mPa・sであった。ここで、回転粘度は、E型粘度計(商品名;TVE−22LT、東機産業(株)製)を使用して25℃条件下で測定した値である(以下同じ)。
[合成例2]
温度計、撹拌羽根、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた1000mlのセパラブルフラスコに、EDM(250g)、APMES(96.49g)、TESA(153.51g)を仕込み、乾燥窒素気流下25℃で3時間攪拌した。反応後の反応溶液をシリコンアミド酸化合物とした。シリコンアミド酸化合物中の固形分濃度は50重量%であり、この溶液の粘度は8.7mPa・sであった。
[合成例3]
温度計、撹拌羽根、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた1000mlのセパラブルフラスコに、EDM(250g)、APMES(105.44g)、TMSA(144.56g)を仕込み、乾燥窒素気流下25℃で3時間攪拌した。反応後の反応溶液をシリコンアミド酸化合物とした。シリコンアミド酸化合物中の固形分濃度は50重量%であり、この溶液の粘度は8.3mPa・sであった。
[合成例4]
温度計、撹拌羽根、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた1000mlのセパラブルフラスコに、PGMEA(250g)、S330(114.42g)、TMSA(135.58g)を仕込み、乾燥窒素気流下25℃で3時間攪拌した。反応後の反応溶液をシリコンアミド酸化合物とした。シリコンアミド酸化合物中の固形分濃度は50重量%であり、この溶液の粘度は12.4mPa・sであった。
[合成例5]
温度計、撹拌羽根、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた1000mlのセパラブルフラスコに、PGMEA(250g)、S330(173.26g)、MA(76.74g)を仕込み、乾燥窒素気流下25℃で3時間攪拌した。反応後の反応溶液をシリコンアミド酸化合物とした。シリコンアミド酸化合物中の固形分濃度は50重量%であり、この溶液の粘度は6.8mPa・sであった。
[合成例6]
温度計、撹拌羽根、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた1000mlのセパラブルフラスコに、PGMEA(250g)、S330(165.98g)、CA(84.02g)を仕込み、乾燥窒素気流下25℃で3時間攪拌した。反応後の反応溶液をシリコンアミド酸化合物とした。シリコンアミド酸化合物中の固形分濃度は50重量%であり、この溶液の粘度は10.6mPa・sであった。
Figure 2019183044
次いで、硬化性樹脂組成物を以下のように調整した(実施例1)
表2〜5に、実施例1〜27についてまとめた。
[実施例1]
撹拌羽根を備えた100mlの三つ口フラスコを窒素置換し、合成例1で得られたシリコンアミド酸化合物(A)溶液を8.25g(当該溶液中のシリコンアミド酸化合物(A)の量は4.13g)、C620を2.06g、S510を0.74、EDMを8.84g、I1010を0.07g、RS−72Kを0.04g、それぞれ仕込んだ。
その後、25℃(室温)で1時間撹拌し、各成分を均一に溶解させた後にメンブランフィルター(材質:PTFE、孔径:0.2μm)で濾過し、濾液として熱硬化性樹脂含有組成物を得た。
[実施例2〜27]
実施例2〜27は、表2に示すとおりに各成分の種類および仕込み量を変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物を調製した。なお、表中の各成分の仕込み量は重量(g)を示している(以下の表において同じ。)
Figure 2019183044
Figure 2019183044
Figure 2019183044
Figure 2019183044

[比較例1]
撹拌羽根を備えた100mlの三つ口フラスコを窒素置換し、そのフラスコに、合成例1で得られたシリコンアミド酸化合物(A)を14.0g、および脱水精製したEDMを5.96g仕込み、室温で1時間撹拌し、各成分を均一に溶解させた。次いで、RS−72Kを0.04g投入し、室温で1時間撹拌し、メンブランフィルター(0.2μm)で濾過して濾液(熱硬化性樹脂組成物)を得た。
[比較例2〜11]
比較例2〜11は、表6〜7に示すとおりに各成分の種類および仕込み量を変更したこと以外は比較例1と同様にして熱硬化性樹脂組成物を調製した。
Figure 2019183044
Figure 2019183044

上述した調整方法により得られた熱硬化性樹脂組成物を以下の条件で塗膜を形成し、乾燥、本焼成をすることにより組成物を硬化し、基板上に硬化膜が形成されたサンプル基板を得た。
<塗膜形成条件>
基板:ガラス基板(5cm角)
塗布方法:インクジェット印刷
プリンター:DMP−2831(FUJIFILM Dimatix社製)
ヘッド:DMC−11610(FUJIFILM Dimatix社製)
印刷条件:ヘッド温度30℃、電圧18V、駆動波形Dimatix Model Fluid2、駆動周波数5kHz、ドット間スペース20μm、片面2層印刷
<硬化条件>
・乾燥工程
AS ONE(製)プログラムホットプレート EC−1200N
・実施例1〜27:80℃、5分間
・比較例1〜11:80℃、5分間
・焼成工程
ヤマト科学(株)製クリーンオーブン DT−610
温度設定
・実施例1〜27:130℃、60分間
・比較例1〜11:130℃、60分間
このようにして得られた硬化膜について、透明性、密着性、表面硬度および耐薬品性の評価を実施した。これらの評価結果を表4、5に示す。
[評価方法]
(i)透明性
得られた硬化膜付きガラス基板を用い、分光光度計V−670(日本分光(株)製)により硬化膜の透過率を波長400nmで測定した。
(ii)密着性
得られた硬化膜付きガラス基板を、60℃の超純水に60分間浸漬させた後、テープ剥離による碁盤目試験(JIS−K−5400)を行い、残存数を数えることで、基板と硬化膜との密着性を評価した。カッターナイフを用いて硬化膜に1mm間隔で切込みを入れて1mm角の碁盤目を100個作製し、当該碁盤目に密着させた後に剥離するためのテープとして、スリーエム社製#600を使用した。基板上に形成した硬化膜の100個の碁盤目のうち、テープ剥離後において基板上に残存する数(残存数/100)が、100/100である場合を○、99/100以下である場合を×とした。
(iii)表面硬度
得られた硬化膜付きガラス基板を用い、JIS−K−5400に順じ、鉛筆硬度計で硬化膜表面の硬度を測定した。
(iv)(v)(vi)耐薬品性
得られた硬化膜付きガラス基板を、2N水酸化ナトリウム水溶液に室温で15分間浸漬処理、エタノールに超音波50℃で10分間浸漬処理、2−プロパノールに超音波50℃で10分間浸漬処理を別々に施した。そして、浸漬前後の硬化膜の膜厚変化を触針式膜厚計XP−200(AMBIOS TECHNOLOGY社製)を用いて測定し、膜厚変化が±5%未満である場合を○、±5%以上である場合を×とした。また、浸漬前後で透過率を(i)と同様に観察して、透過率の変化が±1%未満である場合を○、±1%以上である場合を×とした。
これらの評価結果を以下の表にまとめた。表8〜11が実施例、表12〜13が比較例である。
Figure 2019183044
Figure 2019183044
Figure 2019183044
Figure 2019183044

Figure 2019183044
Figure 2019183044

実施例1〜27と比較例1〜11との比較により、シリコンアミド酸化合物(A)に平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)を配合することにより、低温焼成が可能で、硬度が高く、透明性が高い、耐薬品性に優れた硬化膜が得られることが分かった。
表8から13に示した結果から明らかなように、実施例1〜16、21〜23で得られた熱硬化性樹脂組成物から形成した硬化膜は、ガラスに対する密着性に優れ、さらに400nmにおける透過率が99%以上と透明性が高く、表面硬度が5H以上と高かった。さらに、硬化剤(E)の添加量により、水酸化ナトリウム水溶液またはエタノール、2−プロパノールに対する耐性も良好な組成もあり、高透明性、高硬度、ガラスに対する密着性、ならびに耐薬品性が高いバランスが取れた硬化膜となった。
一方、実施例17〜20、24〜27、比較例1〜11で得られた熱硬化性樹脂組成物から形成した硬化膜は、400nmにおける透過率が99%未満となった。実施例1〜16、21〜23の結果から、硬化剤(E)を配合し、シリコンアミド酸化合物(A)の含有量が、固形分100重量部中に対して、が45重量未満であり、平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)、環状エーテル化合物(F)の含有量が、固形分100重量部中に対して、40重部以上のときに透明性が低下する。比較例1〜11の結果から、平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)を含有しない熱硬化性樹脂組成物では、透過率が低下または水酸化ナトリウム水溶液またはエタノール、2−プロパノールに対する耐性が非常に低下した。
平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)を含有する実施例1〜27の熱硬化性樹脂組成物から形成した硬化膜は、水酸化ナトリウム水溶液またはエタノール、2−プロパノールに対するいずれかに耐性が高いものであった。対して、比較例1〜11の熱硬化性樹脂組成物から形成した硬化膜は、水酸化ナトリウム水溶液またはエタノール、2−プロパノールに対する耐性がいずれも無く、水酸化ナトリウム水溶液に対しては硬化膜が溶出してしまった。このことから、水酸化ナトリウム水溶液またはエタノール、2−プロパノールに対する耐性が良好な硬化膜を形成するためには、熱硬化性樹脂組成物の平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)が必要であることが分かった。
以上のように、シリコンアミド酸化合物、平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分を含む組成物から得られた硬化膜のみ、所望の全ての特性を満足させることができた。
本発明の組成物は、密着性および透明性など光学材料としての特性に優れる硬化膜を形成できる等の点から、カラーフィルター、LED発光素子および受光素子などの各種光学材料などの保護膜形成用として、また、タッチパネル形成用(タッチパネルに使用される透明電極用絶縁膜やオーバーコート膜形成用)として利用でき、インクジェット用のインク組成物として好適である。

Claims (15)

  1. モノアミン(a1)と酸無水物基を1つ有する化合物(a2)からの反応生成物であるシリコンアミド酸化合物(A)、
    平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)、及び
    溶媒(D)を含む熱硬化性樹脂組成物であり;
    前記モノアミン(a1)及び前記酸無水物基を1つ有する化合物(a2)の少なくとも一方が−C−Si−O−構造を含み;そして
    前記環状エーテル化合物成分(B)に含まれる環状エーテル化合物が、エポキシ化合物(b1)及びオキセタン化合物(b2)から選ばれる少なくとも1つである熱硬化性樹脂組成物。
  2. シリコンアミド酸化合物(A)が、一般式(1)で表されるアミド酸化合物(A)である、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2019183044
    (一般式(1)中、Rは、炭素数1〜100の2価の有機基を表し、Rは、炭素数1〜100の1価の有機基を表し、RおよびRの少なくとも一方には−C−Si−O−構造が含まれている。)
  3. モノアミン(a1)が−C−Si−O−構造を含む、請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. モノアミン(a1)が一般式(2)で表される化合物であり、酸無水物基を1つ有する化合物(a2)が一般式(3)で表される化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2019183044
    (一般式(2)中、R、R及びRはそれぞれ独立して水素、ハロゲンまたは炭素数1〜100の1価の有機基を表し、Yは炭素数1〜20の2価の有機基を表し、一般式(3)中、Xは炭素数1〜100の2価の有機基を表す。)
  5. モノアミン(a1)が、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリエトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジメトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジエトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシランおよびm−アミノフェニルメチルジエトキシシランからなる群から選ばれる1以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 酸無水物基を1つ有する化合物(a2)が、無水フタル酸、3−メチルフタル酸無水物、4−メチルフタル酸無水物、4−tert−ブチルフタル酸無水物、3−フルオロフタル酸無水物、4−フルオロフタル酸無水物、4−エチニルフタル酸無水物、4−フェニルエチニルフタル酸無水物、コハク酸無水物、グルタル酸無水物、イタコン酸無水物、cis−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、cis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、アリルコハク酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、アリルナジック酸無水物、ブチルコハク酸無水物、n−オクチルコハク酸無水物、デシルコハク酸無水物、ドデシルコハク酸無水物、テトラデシルコハク酸無水物、ヘキサデシルコハク酸無水物、オクタデシルコハク酸無水物、2−ブテン−1−イルコハク酸無水物、2−ヘキセン−1−イルコハク酸無水物、n−オクテニルコハク酸無水物、n−デセニルコハク酸無水物、2−ドデセン−1−イルコハク酸無水物、テトラデセニルコハク酸無水物、ヘキサデセニルコハク酸無水物、オクタデセニルコハク酸無水物、p−(トリメトキシシリル)フェニルコハク酸無水物、p−(トリエトキシシリル)フェニルコハク酸無水物、m−(トリメトキシシリル)フェニルコハク酸無水物、m−(トリエトキシシリル)フェニルコハク酸無水物、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物および3−トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物からなる群から選ばれる1以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. シリコンアミド酸化合物(A)100重量部に対し、平均粒子径が50nm以下のシリカ微粒子を含有する環状エーテル化合物成分(B)を10〜200重量部含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  8. さらに、硬化剤(E)を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  9. 硬化剤(E)が、酸無水物系硬化剤、フェノール樹脂系硬化剤、アミンアダクト、ポリカルボン酸系硬化剤、ポリアミン系硬化剤および触媒型硬化剤からなる群より選ばれる1種以上の化合物である、請求項8に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を含有することを特徴とするインクジェット用インク。
  11. タッチパネル用である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  12. 請求項1〜9および11のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物である硬化膜。
  13. 請求項12に記載の硬化膜を有する硬化膜付き基板。
  14. 請求項12に記載の硬化膜または請求項13に記載の硬化膜付き基板を有する電子部品。
  15. タッチパネルである、請求項14に記載の電子部品。
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