JP2016035058A - 樹脂組成物、それから形成される有機膜、及びそれを用いた電子部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】絶縁膜材料として従来の印刷技術を適用し、所望のパターンを直接形成することができ、基材や電極への優れた密着性、透明性、耐薬品性などの性能を具備する樹脂組成物の提供。
【解決手段】(1)フェノール性OH基を有するラジカル重合性モノマー(a1)とその他のラジカル重合性モノマー(a2)と共重合体で、重量平均分子量Mw(a)が1万〜50万である共重合体(A)と、(2)カルボキシル基(−COOH)又はカルボン酸無水物基(−CO−O−CO−)を有するラジカル重合性モノマー(b1)とその他のラジカル重合性モノマー(b2)との共重合体で、重量平均分子量Mw(b)が1万未満である共重合体(B)と、(3)有機溶剤と、を含有し、共重合体(A)の重量平均分子量Mw(a)と共重合体(B)の重量平均分子量Mw(b)とが下記式を満たす、樹脂組成物。;5≦Mw(a)/Mw(b)≦70
【選択図】なし
【解決手段】(1)フェノール性OH基を有するラジカル重合性モノマー(a1)とその他のラジカル重合性モノマー(a2)と共重合体で、重量平均分子量Mw(a)が1万〜50万である共重合体(A)と、(2)カルボキシル基(−COOH)又はカルボン酸無水物基(−CO−O−CO−)を有するラジカル重合性モノマー(b1)とその他のラジカル重合性モノマー(b2)との共重合体で、重量平均分子量Mw(b)が1万未満である共重合体(B)と、(3)有機溶剤と、を含有し、共重合体(A)の重量平均分子量Mw(a)と共重合体(B)の重量平均分子量Mw(b)とが下記式を満たす、樹脂組成物。;5≦Mw(a)/Mw(b)≦70
【選択図】なし
Description
本発明は、特定の重量平均分子量の関係を有する少なくとも2種の共重合体を含有する樹脂組成物、この樹脂組成物を例えば印刷により基材に所望のパターンを直接形成することで得られる有機膜、特に透明絶縁膜、及びこの有機膜を用いた電子部品、特に液晶表示素子やタッチパネルに関する。
パターニングされた薄膜材料は、液晶表示素子や有機EL素子などの表示素子におけるカラーフィルター、スペーサー、絶縁膜、及び保護膜など、タッチパネル、有機トランジスタ、並びに回路基板などの多くの部分で使用されている。微細なパターンを必要とするこれら液晶表示素子や電子部品のパターン形成は、現在、フォトリソグラフィ法が広く使用されている。これまでに多くの感光性重合体組成物がこの用途に提案されてきた。しかしながら、このフォトリソグラフィ法では、塗布、露光、及び現像などの多くの工程を経るため、莫大な設備投資を要する。また、現像工程時に除去される材料の廃液処理が必要となるため、昨今要求される低製造コスト化には必ずしも最適ではない。
このため、薄膜材料が用いられる各種デバイスの製造方法は、製造工程が煩雑かつコスト高なフォトリソグラフィ法から、製造工程の簡便かつ安価な印刷法に移行しようとしている。各種デバイスに用いられる薄膜材料には、高精細パターン化膜が求められており、技術の推進に伴い高精細化が可能なスクリーン印刷、インクジェット印刷、フレキソ印刷、及びグラビアオフセット印刷などの印刷方法が有望とされている。
これらの印刷機に応じた印刷用インク組成物については、レオロジーの制御が非常に重要である。特にグラビアオフセット、フレキソ印刷などのアニロックス版とブランケットを用いた印刷方法においては、アニロックス版、ブランケット、インク塗膜(下地)、それぞれの版における接触過程においてレオロジー制御が不可欠となる。版の形状を印刷パターンとして形成するには、適正な組成物成分を具えることが非常に重要となる。
一方、カラーフィルター保護膜、TFTと透明電極との間又は透明電極と配向膜との間に形成される透明絶縁膜、タッチパネル用の透明絶縁膜として印刷用インク組成物が用いられる場合は、基材や電極への密着性、透過率、耐薬品性などが必要とされる。
従来のフォトレジスト用組成物(例えば、特許文献1〜4を参照)を印刷用インク組成物として適用しても、レオロジー制御されていないため所望のパターンを形成することが困難である。また、グラビアオフセット用インク組成物としてアクリレート高分子樹脂を含む印刷用インク(例えば、特許文献5を参照)が提案されているものの、これらの樹脂組成物は金属粉末を含むため、絶縁性、透明性を十分に満足させるものではない。従って、いずれの材料も印刷用インクの開発を進めるうえで、インク材料として必要とされる印刷特性(パターニング性、直進性)、基材や電極への密着性、透明性、耐薬品性及びその他の諸特性を十分に満足させるものではなく、これら要求に対応する印刷用インク組成物が求められている。
このように、絶縁膜材料として従来の印刷技術に適用可能であり、所望のパターンを直接形成することができ、そして基材や電極への密着性、透明性、及び耐薬品性などの性能を具備する印刷用インク組成物が望まれている。
本発明は上記状況に鑑みてなされたものであり、絶縁膜用途として液晶表示素子やタッチパネルなどの機能を阻害することなく、例えば、透明性、耐薬品性、並びにガラス及び有機材料などの下地基材や透明電極および金属電極などの電極への密着性を有し、例えばグラビアオフセット印刷による微細パターン形成が可能な樹脂組成物を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく種々検討した結果、フェノール性OH基を有するラジカル重合性モノマーを共重合して得られる共重合体(A)、カルボキシル基(−COOH)又はカルボン酸無水物基(−CO−O−CO−)を有するラジカル重合性モノマーを共重合して得られる共重合体(B)、及び有機溶剤を含有し、共重合体(A)と共重合体(B)の重量平均分子量が特定の関係にある樹脂組成物により、上記目的を達することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。本発明は次の発明の単位群から構成されるものである。
[1]
(1)フェノール性OH基を有するラジカル重合性モノマー(a1)及びその他のラジカル重合性モノマー(a2)を共重合して得られ、重量平均分子量Mw(a)が10,000〜500,000である共重合体(A)、
(2)カルボキシル基(−COOH)又はカルボン酸無水物基(−CO−O−CO−)を有するラジカル重合性モノマー(b1)及びその他のラジカル重合性モノマー(b2)を共重合して得られ、重量平均分子量Mw(b)が10,000未満である共重合体(B)、及び、
(3)有機溶剤を含有し;
前記モノマー(a2)及び前記モノマー(b2)は前記モノマー(a1)及び前記モノマー(b1)とは異なり、そして、
共重合体(A)の重量平均分子量Mw(a)と共重合体(B)の重量平均分子量Mw(b)とが下記式(X)の関係を満たす、樹脂組成物。
5≦Mw(a)/Mw(b)≦70・・・・・(X)
(1)フェノール性OH基を有するラジカル重合性モノマー(a1)及びその他のラジカル重合性モノマー(a2)を共重合して得られ、重量平均分子量Mw(a)が10,000〜500,000である共重合体(A)、
(2)カルボキシル基(−COOH)又はカルボン酸無水物基(−CO−O−CO−)を有するラジカル重合性モノマー(b1)及びその他のラジカル重合性モノマー(b2)を共重合して得られ、重量平均分子量Mw(b)が10,000未満である共重合体(B)、及び、
(3)有機溶剤を含有し;
前記モノマー(a2)及び前記モノマー(b2)は前記モノマー(a1)及び前記モノマー(b1)とは異なり、そして、
共重合体(A)の重量平均分子量Mw(a)と共重合体(B)の重量平均分子量Mw(b)とが下記式(X)の関係を満たす、樹脂組成物。
5≦Mw(a)/Mw(b)≦70・・・・・(X)
[2] ラジカル重合性モノマー(a1)が、ヒドロキシスチレン及び下記式(I)で表される化合物の一方又は両方である、上記[1]に記載の樹脂組成物。
(式(I)中、
R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、水素、又は任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい炭素数1〜3のアルキルを表し;
R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、−CN、−CF3、−OCF3、−OH、炭素数1〜5のアルキル、又は炭素数1〜5のアルコキシを表し、前記炭素数1〜5のアルキルの少なくとも1つの−CH2−は−COO−、−OCO−、又は−CO−で置き換えられてもよく、前記炭素数1〜5のアルキルの少なくとも1つの水素はハロゲンで置き換えられてもよく、また、前記炭素数1〜5のアルコキシの少なくとも1つの水素はハロゲンで置き換えられてもよく;そして、
R4〜R8のうち少なくとも1つは−OHである。)
R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、水素、又は任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい炭素数1〜3のアルキルを表し;
R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、−CN、−CF3、−OCF3、−OH、炭素数1〜5のアルキル、又は炭素数1〜5のアルコキシを表し、前記炭素数1〜5のアルキルの少なくとも1つの−CH2−は−COO−、−OCO−、又は−CO−で置き換えられてもよく、前記炭素数1〜5のアルキルの少なくとも1つの水素はハロゲンで置き換えられてもよく、また、前記炭素数1〜5のアルコキシの少なくとも1つの水素はハロゲンで置き換えられてもよく;そして、
R4〜R8のうち少なくとも1つは−OHである。)
[3] 式(I)で表される化合物が4−ヒドロキシフェニルビニルケトン又は3−アセチル−4−ヒドロキシフェニルビニルケトンである、上記[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4] ラジカル重合性モノマー(b1)が、(メタ)アクリル酸、(無水)イタコン酸、(無水)マレイン酸、(無水)フタル酸、及び(無水)酢酸からなる群から選ばれる1種以上である、上記[1]に記載の樹脂組成物。
[5] その他のラジカル重合性モノマー(a2)及び(b2)が、エポキシを有するラジカル重合性モノマー、ケイ素を有するラジカル重合性モノマー、下記式(III)で表されるラジカル重合性モノマー、N置換マレイミドを含むラジカル重合性モノマー、及びジシクロペンタニルを含むラジカル重合性モノマーから選ばれる1種以上である、上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
(式(III)中、
R13は水素、又は任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい炭素数1〜5のアルキルを表し;
R14は炭素数1〜5のアルキレンを表し;
R15は炭素数1〜10のアルキルを表し;そして、
nは1〜30の整数を表す。)
R13は水素、又は任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい炭素数1〜5のアルキルを表し;
R14は炭素数1〜5のアルキレンを表し;
R15は炭素数1〜10のアルキルを表し;そして、
nは1〜30の整数を表す。)
[6] エポキシを有するラジカル重合性モノマーが、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)エチル(メタ)アクリレート、及び(3−エチル−3−オキセタニル)エチル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上である、上記[5]に記載の樹脂組成物。
[7] ケイ素を有するラジカル重合性モノマーが、下記式(II)で表されるラジカル重合性モノマーである、上記[5]に記載の樹脂組成物。
(式(II)中、
R9は水素、又は任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい炭素数1〜5のアルキルを表し;
R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、−OH、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、又は−O(Si(CjH2j+1)2O)pSi(CkH2k+1)3を表し、jは1〜5の整数を表し、kは1〜5の整数を表し、pは0又は1〜10の整数を表し、;そして、
mは1〜5の整数を表す。)
R9は水素、又は任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい炭素数1〜5のアルキルを表し;
R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、−OH、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、又は−O(Si(CjH2j+1)2O)pSi(CkH2k+1)3を表し、jは1〜5の整数を表し、kは1〜5の整数を表し、pは0又は1〜10の整数を表し、;そして、
mは1〜5の整数を表す。)
[8] 有機溶剤が、沸点が200℃以上である高沸点溶剤、及び沸点が200℃未満である低沸点溶剤を含有することを特徴とする、上記[1]〜[7]のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[9] 高沸点溶剤が、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、メトキシメチルエーテルプロピオネート、γ−ブチルラクトン、及びテルピネオールからなる群から選ばれる1種以上であり、
低沸点溶剤が、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネートからなる群から選ばれる1種以上である、上記[8]に記載の樹脂組成物。
低沸点溶剤が、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネートからなる群から選ばれる1種以上である、上記[8]に記載の樹脂組成物。
[10] エポキシ樹脂をさらに含有する、上記[1]〜[9]のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[11] 25℃における粘度が300〜10,000mPa・sである、上記[1]〜[10]のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[12] 樹脂組成物が印刷用インク組成物である、上記[1]〜[11]のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[13] 上記[1]〜[12]のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成される有機膜。
[14] パターンを有する、上記[13]に記載の有機膜。
[15] グラビアオフセット印刷法により形成される、上記[13]又は[14]に記載の有機膜。
[16] 絶縁膜である、上記[13]〜[15]のいずれか1項に記載の有機膜。
[17] 上記[13]〜[16]のいずれか1項に記載の有機膜を用いた電子部品。
[18] TFTと透明電極との間に形成される透明絶縁膜として上記[16]に記載の有機膜を用いた液晶表示素子。
[19] 透明電極と配向膜との間に形成される透明絶縁膜として、上記[16]に記載の有機膜を用いた液晶表示素子。
[20] 透明絶縁膜として上記[16]に記載の有機膜を用いたタッチパネル。
本発明の樹脂組成物を用いることにより、例えばグラビアオフセット印刷法で有機膜、特に精細なパターンを有する透明絶縁膜を形成することが可能となり、また、印刷法により他の層を積層することが容易になる。また、本発明の樹脂組成物を用いることにより、従来のフォトレジスト用組成物に比べ、有機膜の製造コストを抑えることが可能になるため、経済的に優位になる。
本明細書中、アクリル酸とメタクリル酸の両者を示すために「(メタ)アクリル酸」のように表記することがある。また同様にアクリレートとメタクリレートの両者を示すために「(メタ)アクリレート」のように表記することがある。また、酸とその無水物の両者を示すために例えば「(無水)イタコン酸」のように表記することがある。
1.本発明の樹脂組成物
本発明の樹脂組成物は、フェノール性OH基を有するラジカル重合性モノマー(a1)とその他のラジカル重合性モノマー(a2)を共重合(ラジカル重合)して得られる重量平均分子量Mw(a)が10,000〜500,000である共重合体(A)、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基を有するラジカル重合性モノマー(b1)とその他のラジカル重合性モノマー(b2)を共重合(ラジカル重合)して得られる重量平均分子量Mw(b)が10,000未満である共重合体(B)、及び、有機溶剤を含み、式:5≦Mw(a)/Mw(b)≦70を満たす、樹脂組成物である。
本発明の樹脂組成物は、フェノール性OH基を有するラジカル重合性モノマー(a1)とその他のラジカル重合性モノマー(a2)を共重合(ラジカル重合)して得られる重量平均分子量Mw(a)が10,000〜500,000である共重合体(A)、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基を有するラジカル重合性モノマー(b1)とその他のラジカル重合性モノマー(b2)を共重合(ラジカル重合)して得られる重量平均分子量Mw(b)が10,000未満である共重合体(B)、及び、有機溶剤を含み、式:5≦Mw(a)/Mw(b)≦70を満たす、樹脂組成物である。
前記ラジカル重合は、公知の重合開始剤を用いて行うことができる。前記共重合体(A)は一種でもよいし二種以上でもよい。また、前記共重合体(B)も1種でもよいし2種以上でもよい。
共重合体(A)の重量平均分子量Mw(a)は10,000〜500,000であり、好ましくは15,000〜300,000であり、さらに好ましくは20,000〜150,000である。共重合体(A)の重量平均分子量がこれらの範囲にあれば、凹版からブランケット及びブランケットから印刷版への転写性や、得られた形成膜のパターン性状が良好となる。
共重合体(B)の重量平均分子量Mw(b)は10,000未満であり、好ましくは1,000〜10,000であり、さらに好ましくは3,000〜7,000である。共重合体(B)の重量平均分子量がこれらの範囲にあれば、溶剤との相溶性が良好になる傾向があり、また、得られた形成膜の透明性も良好になる傾向がある。
共重合体(A)及び(B)の重量平均分子量Mw(a)及びMw(b)は下記式(X)の関係を満たす。
5≦Mw(a)/Mw(b)≦70・・・・・(X)
好ましくは下記式(X)の関係を満たす。
10≦Mw(a)/Mw(b)≦50・・・・・(X)
5≦Mw(a)/Mw(b)≦70・・・・・(X)
好ましくは下記式(X)の関係を満たす。
10≦Mw(a)/Mw(b)≦50・・・・・(X)
共重合体(A)及び共重合体(B)の重量平均分子量の関係が前記範囲内であると、適度なチキソトロピー性が付与される。Mw(a)/Mw(b)が5以上であると、高分子の流動特性が良好となり、パターン性状が向上する。また、Mw(a)/Mw(b)が70以下であると、重合体の適度な弾性特性により、樹脂組成物のグラビア版の凹部への流動性が向上し、印刷特性が良好になる。また、インク内での相溶性が良好となり、保存安定性が向上する。これらの結果、例えば、グラビアオフセット印刷のオフ工程時のグラビア版からブランケットへのパターン伝達が容易となり、パターン外周部へのにじみやダレの発生を抑制するため、得られる形成膜のパターン形状が良好となる。
重量平均分子量Mwは、GPC法(カラム温度:35℃、流速:1ml/min)により求めたポリスチレン換算での値である。標準のポリスチレンには分子量が580〜300,000のポリスチレン(例えば、アジレント・テクノロジー(株)のポリスチレン較正キットAgilentS−M2−10)、カラムにはPLgel MIXED−D(アジレント・テクノロジー(株))を用い、移動相としてTHFを使用して測定することができる。なお、本明細書中の市販品の重量平均分子量はカタログ掲載値である。
樹脂組成物における共重合体(A)と共重合体(B)との重量比は、(A):(B)で10:90〜90:10であることが好ましく、20:80〜80:20であることがより好ましい。重量比がこのような範囲であると、樹脂組成物から得られる透明膜の耐溶剤性、耐酸性、耐アルカリ性、耐熱性、透明性を高める観点から好ましい。
共重合体(A)及び共重合体(B)の総含有量は、樹脂組成物の5〜60重量%であり、好ましくは10〜55重量%、より好ましくは20〜50重量%であることが好ましい。総含有量が前記範囲内であると、樹脂組成物の粘弾性が向上し、オフ工程時にパターン性状を適切に保持することが可能となる。また、樹脂組成物の粘度上昇を適切に抑制することができるため、樹脂組成物の流動性低下を抑制し、印刷特性の悪化を防ぐことができる。
上記式(I)中、
R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、水素、又は任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい炭素数1〜3のアルキルを表し、
R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、−CN、−CF3、−OCF3、−OH、炭素数1〜5のアルキル、又は炭素数1〜5のアルコキシを表し、前記炭素数1〜5のアルキルの少なくとも1つの−CH2−は−COO−、−OCO−、又は−CO−で置き換えられてもよく、前記炭素数1〜5のアルキルの少なくとも1つの水素はハロゲンで置き換えられてもよく、また、前記炭素数1〜5のアルコキシの少なくとも1つの水素はハロゲンで置き換えられてもよい。ただし、R4〜R8のうち少なくとも1つは−OHである。
R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、水素、又は任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい炭素数1〜3のアルキルを表し、
R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、−CN、−CF3、−OCF3、−OH、炭素数1〜5のアルキル、又は炭素数1〜5のアルコキシを表し、前記炭素数1〜5のアルキルの少なくとも1つの−CH2−は−COO−、−OCO−、又は−CO−で置き換えられてもよく、前記炭素数1〜5のアルキルの少なくとも1つの水素はハロゲンで置き換えられてもよく、また、前記炭素数1〜5のアルコキシの少なくとも1つの水素はハロゲンで置き換えられてもよい。ただし、R4〜R8のうち少なくとも1つは−OHである。
炭素数1〜3のアルキルや炭素数1〜5のアルキルとしては、直鎖および分枝鎖のいずれでもよく、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、などが挙げられる。また、アルキルは、フッ素置換されていてもよく、例えば上述したアルキルのフッ化物があげられ、具体的には、フッ化メチル、フッ化エチル、フッ化n−プロピル、フッ化イソプロピル、フッ化n−ブチル、フッ化イソブチル、フッ化s−ブチル、フッ化t−ブチルなどが挙げられる。
炭素数1〜5のアルコキシとしては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、シクロペンチルオキシなどが挙げられる。また、アルコキシは、フッ素置換されていてもよく、例えば上述したアルコキシのフッ化物があげられ、具体的には、フッ化メトキシ、フッ化エトキシ、フッ化プロポキシ、フッ化イソプロポキシ、フッ化n−ブトキシ、フッ化イソブトキシ、フッ化s−ブトキシ、フッ化t−ブトキシなどが挙げられる。
式(I)で表される化合物としては、例えば3−アセチル−4−ヒドロキシフェニルビニルケトン、4−ヒドロキシフェニルビニルケトンなどが挙げられ、さらに4−ヒドロキシフェニルビニルケトンであることが好ましい。これらの重合性ラジカルモノマーは、印刷で得られる絶縁膜の透明性、耐熱性、下地との密着性、及び形成されたパターンの直進性の向上といった観点から優れている。
モノマー(a1)の含有量は、共重合体(A)の全モノマー中の1〜50重量%である。好ましくは3〜40重量%、さらに好ましくは5〜30重量%である。含有量が前記範囲内であると、形成される絶縁膜の透明性及び耐熱性が向上し、かつレオロジー制御が容易となり、印刷法による有機膜及び硬化膜を形成するという本発明の効果を十分に発揮することができる。また、前記範囲内であると、印刷により得られる有機膜のパターン性状や、ブランケットへの転移性が良好になる。
1−2.カルボキシル基又はカルボン酸無水物基を有するラジカル重合性モノマー(b1)
カルボキシル基又はカルボン酸無水物基を有するラジカル重合性モノマー(b1)は、共重合体(B)にカルボキシル基又はカルボン酸無水物基を付与する化合物である。モノマー(b1)は一種でも二種以上でもよい。モノマー(b1)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(無水)イタコン酸、(無水)マレイン酸、(無水)フタル酸、(無水)酢酸、(無水)クロトン酸、フマル酸、(無水)シトラコン酸、メサコン酸などが挙げられる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸は入手が容易であり、形成された有機膜の耐薬品性、耐熱性、透明性を高める観点から好ましい。
カルボキシル基又はカルボン酸無水物基を有するラジカル重合性モノマー(b1)は、共重合体(B)にカルボキシル基又はカルボン酸無水物基を付与する化合物である。モノマー(b1)は一種でも二種以上でもよい。モノマー(b1)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(無水)イタコン酸、(無水)マレイン酸、(無水)フタル酸、(無水)酢酸、(無水)クロトン酸、フマル酸、(無水)シトラコン酸、メサコン酸などが挙げられる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸は入手が容易であり、形成された有機膜の耐薬品性、耐熱性、透明性を高める観点から好ましい。
モノマー(b1)の含有量は、共重合体(B)に粘弾性特性の付与、重合時においてゲル化の抑制制御が可能な量であればよく、例えば共重合体(B)の全モノマー中の1〜50重量%である。好ましくは3〜40重量%、さらに好ましく5〜30重量%である。含有量が前記範囲内であると、適切に硬化膜を形成させることができる。また、前記範囲内であると、共重合体の製造段階において適切な粘性の維持、及びゲル化の抑制が可能になる。
1−3.その他のラジカル重合性モノマー(a2)及び(b2)
その他のラジカル重合性モノマー(a2)は、ラジカル重合性を有する化合物であれば特に限定されないが、前記フェノール性OH基を有するラジカル重合性モノマー(a1)や、前記カルボキシル基又はカルボン酸無水物基を有するラジカル重合性モノマー(b1)とは異なる化合物である。
その他のラジカル重合性モノマー(a2)は、ラジカル重合性を有する化合物であれば特に限定されないが、前記フェノール性OH基を有するラジカル重合性モノマー(a1)や、前記カルボキシル基又はカルボン酸無水物基を有するラジカル重合性モノマー(b1)とは異なる化合物である。
モノマー(a2)は、樹脂組成物から得られる有機膜の耐溶剤性、耐酸性、耐アルカリ性、耐熱性、透明性、及び印刷特性の一部又は全ての特性をさらに高める観点から用いられる。モノマー(a2)は1種でも2種以上でもよい。
モノマー(a2)は、共重合体(A)の全モノマー中の1〜50重量%含有されていることが、本発明の効果を損なわずに、モノマー(a2)による特性を発現させる観点から好ましい。モノマー(a2)としては、スチレンのような芳香族基とラジカル重合性基とを有する化合物、及びメチル(メタ)アクリレートのような不飽和カルボン酸エステルなどが挙げられる。
その他のラジカル重合性モノマー(b2)は、ラジカル重合性を有する化合物であれば特に限定されないが、前記フェノール性OH基を有するラジカル重合性モノマー(a1)や、前記カルボキシル基又はカルボン酸無水物基を有するラジカル重合性モノマー(b1)とは異なる化合物である。
その他のラジカル重合性モノマー(b2)としては、前記モノマー(a2)と同様のものを用いることができる。モノマー(b2)は、共重合体(B)の全モノマー中の1〜50重量%含有されていることが、本発明の効果を損なわずに、モノマー(b2)による特性を発現させる観点から好ましい。モノマー(b2)はモノマー(a2)と同じでも異なっていてもよい。モノマー(b2)とモノマー(a2)とが同じ特性を高める成分であると、得られる有機膜における特定の特性を特に高める観点から好ましく、一方、モノマー(b2)とモノマー(a2)とが異なる特性を高める成分であると、得られる有機膜において有利な特性を増やす観点から好ましい。
その他のラジカル重合性モノマー(a2)及び(b2)としては、例えば、エポキシを有するラジカル重合性モノマー、ケイ素を有するラジカル重合性モノマー、上記式(III)で表されるラジカル重合性モノマー、N置換マレイミドを含むラジカル重合性モノマー、及びジシクロペンタニルを含むラジカル重合性モノマーなどが挙げられる。
1−4.エポキシを有するラジカル重合性モノマー
エポキシを有するラジカル重合性モノマーは、オキシラニル基やオキセタニル基などの環状エーテル基を有するラジカル重合性モノマーである。このモノマーは、共重合体(A)又は(B)の全モノマー中の10〜50重量%含有されることが、本発明により形成された有機膜の耐溶剤性、耐熱性、透明性を高める観点から好ましい。
エポキシを有するラジカル重合性モノマーは、オキシラニル基やオキセタニル基などの環状エーテル基を有するラジカル重合性モノマーである。このモノマーは、共重合体(A)又は(B)の全モノマー中の10〜50重量%含有されることが、本発明により形成された有機膜の耐溶剤性、耐熱性、透明性を高める観点から好ましい。
エポキシを有するラジカル重合性モノマーとしては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、α−エチルアクリル酸グリシジルエステル−3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)エチル(メタ)アクリレート、及び(3−エチル−3−オキセタニル)エチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらのラジカル重合性モノマーは、形成された有機膜における良好な耐熱性と透明性の向上の観点から好ましい。
上記具体例の中でも、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、及び(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレートは、入手が容易であり、また形成された有機膜の耐溶剤性、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、耐熱性、及び透明性を高める観点からより好ましい。
1−5.ケイ素を有するラジカル重合性モノマー
ケイ素を有するラジカル重合性モノマーは、化合物主鎖の一部の炭素、好ましくは主鎖の端部の炭素がケイ素に置き換わったモノマーであり、アルキルシリル基やアルコキシシリル基などの置換シリル基を有するラジカル重合性モノマーである。このモノマーは、共重合体(A)又は(B)の全モノマー中の10〜50重量%含有されることにより、高温時の有機膜の特性の劣化の抑制、印刷パターンの保持特性を良化する観点から好ましい。
ケイ素を有するラジカル重合性モノマーは、化合物主鎖の一部の炭素、好ましくは主鎖の端部の炭素がケイ素に置き換わったモノマーであり、アルキルシリル基やアルコキシシリル基などの置換シリル基を有するラジカル重合性モノマーである。このモノマーは、共重合体(A)又は(B)の全モノマー中の10〜50重量%含有されることにより、高温時の有機膜の特性の劣化の抑制、印刷パターンの保持特性を良化する観点から好ましい。
ケイ素を有するラジカル重合性モノマーとしては、例えば下記式(II)で表されるラジカル重合性モノマーが挙げられる。
式(II)中、
R9は水素、又は任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい炭素数1〜5のアルキルを表し、
R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、−OH、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、又は−O(Si(CjH2j+1)2O)pSi(CkH2k+1)3を表し、jは1〜5の整数を表し、kは1〜5の整数を表し、pは0又は1〜10の整数を表し、そして、
mは1〜5の整数を表す。
R9は水素、又は任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい炭素数1〜5のアルキルを表し、
R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、−OH、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、又は−O(Si(CjH2j+1)2O)pSi(CkH2k+1)3を表し、jは1〜5の整数を表し、kは1〜5の整数を表し、pは0又は1〜10の整数を表し、そして、
mは1〜5の整数を表す。
前記炭素数1〜5のアルキル、そのフッ素置換体、炭素数1〜5のアルコキシ、及びそのフッ素置換体としては、上記式(I)で表される化合物において説明したものを引用することができる。
式(II)で表されるラジカル重合性モノマーは、形成された有機膜の透明性が高くすることができ、かつ高温での焼成による透明性の劣化を抑制できることから好ましい。このモノマーとしては、例えば3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、及びメタクリロイロキシプロピル−トリス−トリメチルシロキシシランなどが挙げられる。
1−6.式(III)で表されるラジカル重合性モノマー
式(III)で表されるラジカル重合性モノマーは以下に示すものである。このモノマーは、共重合体(A)又は(B)の全モノマー中の1〜20重量%含有されることにより、印刷時のパターン性を向上させ、ブランケットからインク塗膜(下地)への転移効率を高める観点から好ましい。
式(III)中、
R13は水素、又は任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい炭素数1〜5のアルキルを表し、
R14は炭素数1〜5のアルキレンを表し、
R15は炭素数1〜10のアルキルを表し、そして、
nは1〜30の整数を表す。
式(III)で表されるラジカル重合性モノマーは以下に示すものである。このモノマーは、共重合体(A)又は(B)の全モノマー中の1〜20重量%含有されることにより、印刷時のパターン性を向上させ、ブランケットからインク塗膜(下地)への転移効率を高める観点から好ましい。
R13は水素、又は任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい炭素数1〜5のアルキルを表し、
R14は炭素数1〜5のアルキレンを表し、
R15は炭素数1〜10のアルキルを表し、そして、
nは1〜30の整数を表す。
R13の炭素数1〜5のアルキル、及びそのフッ素置換体としては、上記式(I)で表される化合物において説明したものを引用することができる。
R15の炭素数1〜10のアルキルとしては、直鎖および分枝鎖のいずれでもよく、炭素数1〜6のアルキル(炭素数3〜6の分枝鎖アルキル)が好ましく、炭素数1〜4のアルキル(炭素数3〜4の分枝鎖アルキル)がより好ましい。その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、4−メチル−2−ペンチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、n−ヘプチル、1−メチルヘキシル、n−オクチル、t−オクチル、1−メチルヘプチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、n−ノニル、2,2−ジメチルヘプチル、2,6−ジメチル−4−ヘプチル、3,5,5−トリメチルヘキシル、n−デシルなどがあげられる。
R15の炭素数1〜10のアルキルとしては、直鎖および分枝鎖のいずれでもよく、炭素数1〜6のアルキル(炭素数3〜6の分枝鎖アルキル)が好ましく、炭素数1〜4のアルキル(炭素数3〜4の分枝鎖アルキル)がより好ましい。その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、4−メチル−2−ペンチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、n−ヘプチル、1−メチルヘキシル、n−オクチル、t−オクチル、1−メチルヘプチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、n−ノニル、2,2−ジメチルヘプチル、2,6−ジメチル−4−ヘプチル、3,5,5−トリメチルヘキシル、n−デシルなどがあげられる。
式(III)で表されるラジカル重合性モノマーとしては、例えば、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、及びエトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
1−7.N置換マレイミドを含むラジカル重合性モノマー
N置換マレイミドを含むラジカル重合性モノマーは、共重合体(A)又は(B)の生成において、マレイミドの二重結合がラジカル重合に供される化合物である。このモノマーは、共重合体(A)又は(B)の全モノマー中の5〜50重量%含有されていることが、形成された有機膜における耐熱性及び低誘電率性を高める観点から好ましい。
N置換マレイミドを含むラジカル重合性モノマーは、共重合体(A)又は(B)の生成において、マレイミドの二重結合がラジカル重合に供される化合物である。このモノマーは、共重合体(A)又は(B)の全モノマー中の5〜50重量%含有されていることが、形成された有機膜における耐熱性及び低誘電率性を高める観点から好ましい。
N置換マレイミドを含むラジカル重合性モノマーとしては、例えば、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−(4−アセチルフェニル)マレイミド、N−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド、N−(4−ジメチルアミノ−3,5−ジニトロフェニル)マレイミド、N−(1−アニリノナフチル−4)マレイミド、N−[4−(2−ベンズオキサゾリル)フェニル]マレイミド、及びN−(9−アクリジニル)マレイミドなどが挙げられる。
1−8.ジシクロペンタニルを含むラジカル重合性モノマー
ジシクロペンタニルを含むラジカル重合性モノマーは、ジシクロペンタニルとラジカル重合性基とを有する化合物である。このモノマーは、共重合体(A)又は(B)の全モノマー中、5〜50重量%含有されていることが、形成された有機膜における耐熱性及び低誘電率性を高める観点から好ましい。このモノマーの例は、ジシクロペンタニルアクリレート及びジシクロペンタニルメタクリレートなどである。
ジシクロペンタニルを含むラジカル重合性モノマーは、ジシクロペンタニルとラジカル重合性基とを有する化合物である。このモノマーは、共重合体(A)又は(B)の全モノマー中、5〜50重量%含有されていることが、形成された有機膜における耐熱性及び低誘電率性を高める観点から好ましい。このモノマーの例は、ジシクロペンタニルアクリレート及びジシクロペンタニルメタクリレートなどである。
1−9.共重合体の重合方法
共重合体(A)及び共重合体(B)の重合方法は、特に制限されないが、所定のラジカル重合性モノマーを含む混合物を重合させて得ることができ、溶剤を用いた溶液中でのラジカル重合が好ましい。重合温度は使用する重合開始剤からラジカルが十分発生する温度であれば特に限定されないが、通常50℃〜150℃の範囲である。重合時間も特に限定されないが、通常1〜24時間の範囲である。また、当該重合は、加圧、減圧又は大気圧のいずれの圧力下でも行うことができる。溶剤は全てのモノマー及び生成する共重合体を溶解する溶剤が好ましく、一種でも二種以上の混合物でもよい。また、重合時の溶剤濃度は製造条件に応じて任意に設定することが可能である。
共重合体(A)及び共重合体(B)の重合方法は、特に制限されないが、所定のラジカル重合性モノマーを含む混合物を重合させて得ることができ、溶剤を用いた溶液中でのラジカル重合が好ましい。重合温度は使用する重合開始剤からラジカルが十分発生する温度であれば特に限定されないが、通常50℃〜150℃の範囲である。重合時間も特に限定されないが、通常1〜24時間の範囲である。また、当該重合は、加圧、減圧又は大気圧のいずれの圧力下でも行うことができる。溶剤は全てのモノマー及び生成する共重合体を溶解する溶剤が好ましく、一種でも二種以上の混合物でもよい。また、重合時の溶剤濃度は製造条件に応じて任意に設定することが可能である。
共重合体(A)及び共重合体(B)を合成する際に用いる重合開始剤は、熱によりラジカルを発生する化合物、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系開始剤や、過酸化ベンゾイルなどの過酸化物系開始剤を使用することができる。分子量を調節するために、チオグリコール酸などの連鎖移動剤を適量添加してもよい。
熱ラジカル発生剤の例は、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメトキシバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製、V−70)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメトキシバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製、V−65)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(和光純薬工業(株)製、V−60)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(和光純薬工業(株)製、V−59)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド](和光純薬工業(株)製、VF−096)、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)(和光純薬工業(株)製、VAm−110)、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル(和光純薬工業(株)製、V−601)などである。
重合に用いる溶剤としては、沸点が100℃以上である化合物が好ましい。溶剤の例は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、酢酸ブチル、乳酸エチル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、メトキシメチルエーテルプロピオネート、γ−ブチルラクトン、テルピネオールなどであり、単独または2種以上混合して使用することができる。
1−10.有機溶剤
樹脂組成物に含まれる有機溶剤としては、特に限定されないが、沸点が200℃以上である高沸点溶剤、及び沸点が200℃未満である低沸点溶剤が挙げられる。これらの溶剤を含有することで、ブランケット表面上のインキ塗膜はパターン形成に適正な乾燥性を保持し、塗布性が良好となる。さらに印刷後のブランケット表面の乾燥性も適正な状態に保たれるため、繰り返し印刷することが可能となる。
樹脂組成物に含まれる有機溶剤としては、特に限定されないが、沸点が200℃以上である高沸点溶剤、及び沸点が200℃未満である低沸点溶剤が挙げられる。これらの溶剤を含有することで、ブランケット表面上のインキ塗膜はパターン形成に適正な乾燥性を保持し、塗布性が良好となる。さらに印刷後のブランケット表面の乾燥性も適正な状態に保たれるため、繰り返し印刷することが可能となる。
高沸点溶剤は沸点が200℃以上であれば、限定されるものではない。高沸点溶剤としては、具体的には、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、メトキシメチルエーテルプロピオネート、γ−ブチルラクトン、テルピネオールなどが挙げられ、これらから選ばれる1種以上を使用することが好ましい。
高沸点溶剤は、樹脂組成物の3〜60重量%となるように配合されることが好ましい。含有量がこの範囲内であれば、アニロックスロールからブランケット上への塗膜の転写において版離れが良好となり、かすれ、うねりなどを抑制でき、精細性を向上させることができる。また、塗膜の乾燥性が良好となるため、印刷再現性に優れ、形成された有機膜のタック性が良好となり、生産性を向上させることができる。
低沸点溶剤は沸点が200℃未満であれば、限定されるものではない。低沸点溶剤としては、具体的にはジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネートなどが挙げられ、これらから選ばれる1種以上を使用することが好ましい。
低沸点溶剤は、樹脂組成物の3〜60重量%となるように配合されることが好ましい。含有量がこの範囲内であれば、塗膜の乾燥性が良好となる。また、アニロックスロール、ブランケット上で塗膜が乾燥しすぎるのを防ぐことができ、転写時のかすれ、うねりなどを抑制でき、印刷特性を優れたものにすることができる。
1−11.樹脂組成物におけるその他の成分
樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて上記以外の他の成分を含有してもよい。このような他の成分としては、エポキシ樹脂、エポキシ硬化剤、カップリング剤、界面活性剤、酸化防止剤、硬化促進剤などが挙げられる。
樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて上記以外の他の成分を含有してもよい。このような他の成分としては、エポキシ樹脂、エポキシ硬化剤、カップリング剤、界面活性剤、酸化防止剤、硬化促進剤などが挙げられる。
<エポキシ樹脂>
エポキシ樹脂は、樹脂組成物を構成する他の成分との相溶性がよければ特に限定されることはないが、エポキシを1分子あたり3〜20個含み、かつ重量平均分子量が5,000未満であるエポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂に含まれる1分子あたりのエポキシの数は、好ましくは3〜15個であり、より好ましくは3〜6個であり、さらに好ましくは3個である。エポキシの数がこれらの範囲にあれば、耐熱性が良好となる。エポキシ樹脂の重量平均分子量は、好ましくは200〜3,000であり、より好ましくは200〜2,000であり、さらに好ましくは200〜1,000である。重量平均分子量がこれらの範囲にあれば、インク塗膜の平坦性が良好となる。
エポキシ樹脂は、樹脂組成物を構成する他の成分との相溶性がよければ特に限定されることはないが、エポキシを1分子あたり3〜20個含み、かつ重量平均分子量が5,000未満であるエポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂に含まれる1分子あたりのエポキシの数は、好ましくは3〜15個であり、より好ましくは3〜6個であり、さらに好ましくは3個である。エポキシの数がこれらの範囲にあれば、耐熱性が良好となる。エポキシ樹脂の重量平均分子量は、好ましくは200〜3,000であり、より好ましくは200〜2,000であり、さらに好ましくは200〜1,000である。重量平均分子量がこれらの範囲にあれば、インク塗膜の平坦性が良好となる。
エポキシ樹脂の好ましい例としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエ−テル型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族ポリグリシジルエーテル、環式脂肪族エポキシ樹脂などが挙げられる。これらのなかでも、特に好ましいのは、耐熱性に優れているグリシジルエ−テル型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂である。
エポキシ樹脂の割合は、共重合体(A)及び共重合体(B)の総量100重量部に対して3〜100重量部である。エポキシ樹脂の割合がこの範囲であると、耐熱性、耐薬品性、密着性のバランスが良好である。さらに好ましいのは、エポキシ樹脂が5〜50重量部の範囲である。
エポキシ樹脂の具体例としては、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−([2,3−エポキシプロポキシ]フェニル)]エチル]フェニル]プロパンと1,3−ビス[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−1−[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチル]フェノキシ]−2−プロパノールとの混合物、及び2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−([2,3−エポキシプロポキシ]フェニル)]エチル]フェニル]プロパンが挙げられる。特に好ましいのは、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−([2,3−エポキシプロポキシ]フェニル)]エチル]フェニル]プロパンなどが挙げられる。
また、エポキシ樹脂としては、下記のような市販品を用いることができる。エポキシを1分子あたり3〜20個含み、かつ重量平均分子量が5,000未満であるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、TECHMORE VG3101L((株)プリンテック)、EPPN−501H、502H(日本化薬(株))、JER 1032H60(三菱化学(株))など、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂としては、JER 157S65、157S70(三菱化学(株))など、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、EPPN−201(日本化薬(株))、JER 152、154(三菱化学(株))など、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、EOCN−102S、103S、104S、1020(日本化薬(株))などを挙げることができる。
<エポキシ硬化剤>
樹脂組成物には、平坦性、耐薬品性を向上させるために、エポキシ硬化剤を添加してもよい。エポキシ硬化剤としては、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、及びフェノール系硬化剤などがあるが、着色及び耐熱性の点から酸無水物系硬化剤が好ましい。
樹脂組成物には、平坦性、耐薬品性を向上させるために、エポキシ硬化剤を添加してもよい。エポキシ硬化剤としては、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、及びフェノール系硬化剤などがあるが、着色及び耐熱性の点から酸無水物系硬化剤が好ましい。
酸無水物系硬化剤の具体例としては、脂肪族ジカルボン酸無水物、例えば、無水マレイン酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロトリメリット酸無水物など;芳香族多価カルボン酸無水物、例えば、無水フタル酸、トリメリット酸無水物など;並びにスチレン−無水マレイン酸共重合体などを挙げることができる。これらのなかでも耐熱性と溶剤に対する溶解性のバランスの点からトリメリット酸無水物、ヘキサヒドロトリメリット酸無水物が特に好ましい。
平坦性、耐薬品性の向上を目的としてエポキシ硬化剤を添加する場合、エポキシ樹脂とエポキシ硬化剤の割合は、エポキシ樹脂100重量部に対し、エポキシ硬化剤0〜60重量部である。エポキシ硬化剤の添加量について、より詳細には、エポキシに対し、エポキシ硬化剤中のカルボン酸無水物またはカルボキシルが0.1〜1.5倍当量になるよう添加するのが好ましい。このとき、カルボン酸無水物は2価で計算する。カルボン酸無水物またはカルボキシルが0.15〜0.8倍当量になるよう添加すると、樹脂組成物の耐薬品性が向上するので、さらに好ましい。
<カップリング剤>
カップリング剤は、樹脂組成物から形成される有機膜と基材との密着性を向上させるために使用することもでき、樹脂組成物の固形分100重量部(該樹脂組成物から溶剤を除いた残りの成分)に対し、通常0.01〜10重量部添加して用いることができる。
カップリング剤は、樹脂組成物から形成される有機膜と基材との密着性を向上させるために使用することもでき、樹脂組成物の固形分100重量部(該樹脂組成物から溶剤を除いた残りの成分)に対し、通常0.01〜10重量部添加して用いることができる。
カップリング剤としては、シラン系、アルミニウム系及びチタネート系の化合物を用いることができる。具体的には、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、及び3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどのシラン系;アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートなどのアルミニウム系;並びにテトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネートなどのチタネート系を挙げることができる。これらのなかでも、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが、密着性を向上させる効果が大きいため好ましい。市販品のカップリング剤としては、サイラエースS510(JNC(株))などが挙げられる。
<界面活性剤>
界面活性剤は、下地基材への濡れ性、レベリング性又は塗布性を向上させるために使用することもでき、樹脂組成物100重量部に対し、通常0.01〜1重量部添加して用いられる。界面活性剤は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
界面活性剤は、下地基材への濡れ性、レベリング性又は塗布性を向上させるために使用することもでき、樹脂組成物100重量部に対し、通常0.01〜1重量部添加して用いられる。界面活性剤は、1種の化合物であっても、2種以上の化合物の混合物であってもよい。
界面活性剤としては、ポリフローNo.45、ポリフローKL−245、ポリフローNo.75、ポリフローNo.90、ポリフローNo.95(共栄社化学(株))、ディスパーベイク(Disperbyk)161、ディスパーベイク162、ディスパーベイク163、ディスパーベイク164、ディスパーベイク166、ディスパーベイク170、ディスパーベイク180、ディスパーベイク181、ディスパーベイク182、BYK300、BYK306、BYK310、BYK320、BYK330、BYK342、BYK346、BYK−UV3500、BYK−UV3570(ビックケミー・ジャパン(株))、KP−341、KP−358、KP−368、KF−96−50CS、KF−50−100CS(信越化学工業(株))、サーフロンSC−101、サーフロンKH−40(AGCセイミケミカル(株))、フタージェント222F、フタージェント251、FTX−218((株)ネオス)、EFTOP EF−351、EFTOP EF−352、EFTOP EF−601、EFTOP EF−801、EFTOP EF−802(三菱マテリアル(株))、メガファックF−410、メガファックF−430、メガファックF−444、メガファックF−472SF、メガファックF−475、メガファックF−477、メガファックF−552、メガファックF−553、メガファックF−554、メガファックF−555、メガファックF−556、メガファックF−558、メガファックR−94、メガファックRS−75、メガファックRS−72−K(DIC(株))、TEGO Rad 2200N、TEGO Rad 2250N(エボニック デグサ ジャパン(株))などが挙げられる。
<酸化防止剤>
酸化防止剤は、透明性の向上のためや、硬化膜が高温にさらされた場合の黄変を防止するために使用することができ、樹脂組成物の固形分100重量部(該樹脂組成物から溶剤を除いた残りの成分)に対し、通常0.1〜5重量部添加して用いられる。
酸化防止剤は、透明性の向上のためや、硬化膜が高温にさらされた場合の黄変を防止するために使用することができ、樹脂組成物の固形分100重量部(該樹脂組成物から溶剤を除いた残りの成分)に対し、通常0.1〜5重量部添加して用いられる。
酸化防止剤としては、ヒンダードアミン系、ヒンダードフェノール系などが用いられ、例えば、Irgafos XP40、Irgafos XP60、Irganox 1010、Irganox 1035、Irganox 1076、Irganox 1135、Irganox 1520L(BASFジャパン(株))、アデカスタブAO−20、AO−30、AO−40、AO−50、AO−60、AO−75、AO−80、AO−330、((株)ADEKA)などが挙げられる。
<硬化促進剤>
硬化促進剤は、エポキシ樹脂とエポキシ硬化剤の反応を促進し、硬化膜の耐熱性、耐薬品性、硬度を向上するために使用することができる。硬化促進剤は、樹脂組成物の固形分100重量部(該樹脂組成物から溶剤を除いた残りの成分)に対し、通常0.01〜5重量部添加して用いられる。硬化促進剤は単独で使用してもよく、2つ以上を混合して使用してもよい。
硬化促進剤は、エポキシ樹脂とエポキシ硬化剤の反応を促進し、硬化膜の耐熱性、耐薬品性、硬度を向上するために使用することができる。硬化促進剤は、樹脂組成物の固形分100重量部(該樹脂組成物から溶剤を除いた残りの成分)に対し、通常0.01〜5重量部添加して用いられる。硬化促進剤は単独で使用してもよく、2つ以上を混合して使用してもよい。
硬化促進剤としては、エポキシ樹脂とエポキシ硬化剤の反応を促進する機能のあるものであればいずれも使用可能であり、イミダゾール系硬化促進剤、ホスフィン系硬化促進剤、アンモニウム系硬化促進剤などがその例として挙げられる。具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンEO変性アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル環トリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジ/トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレート(アロニックスM305、M450;東亞合成(株))、ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート(アロニックスM402;東亞合成(株))、ジグリセリンEO変性アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾールなどが挙げられる。
1−12.樹脂組成物の粘度
共重合体(A)、共重合体(B)、及び有機溶剤を含有する樹脂組成物の粘度(25℃)は、300〜10,000mPa・sが好ましく、500mPa・s〜7,000mPa・sがより好ましく、1,000〜5,000mPa・sが特に好ましい。樹脂組成物の粘度がこれらの範囲内であると、印刷後のパターン表面、端部におけるダレを抑制することができるため、形状の精細性の低下、得られる塗膜の解像度の低下を抑えることができる。また、転写性、印刷作業性を向上させることができる。なお、樹脂組成物の粘度測定方法は、一般的なコーンプレート型回転粘度計、レオメーターによって測定が可能である。
共重合体(A)、共重合体(B)、及び有機溶剤を含有する樹脂組成物の粘度(25℃)は、300〜10,000mPa・sが好ましく、500mPa・s〜7,000mPa・sがより好ましく、1,000〜5,000mPa・sが特に好ましい。樹脂組成物の粘度がこれらの範囲内であると、印刷後のパターン表面、端部におけるダレを抑制することができるため、形状の精細性の低下、得られる塗膜の解像度の低下を抑えることができる。また、転写性、印刷作業性を向上させることができる。なお、樹脂組成物の粘度測定方法は、一般的なコーンプレート型回転粘度計、レオメーターによって測定が可能である。
1−13.樹脂組成物から有機膜、電子部品を形成する方法
樹脂組成物が適用される基材としては、例えば、ガラス、窒化珪素、鉄、アルミニウム、銅、スズドープ酸化インジウム(ITO)、セラミックなどの無機基材、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PSt)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、ポリイミド(PI)、ポリエステル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂などの有機基材など、各種公知のものを挙げることができる。
樹脂組成物が適用される基材としては、例えば、ガラス、窒化珪素、鉄、アルミニウム、銅、スズドープ酸化インジウム(ITO)、セラミックなどの無機基材、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PSt)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、ポリイミド(PI)、ポリエステル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂などの有機基材など、各種公知のものを挙げることができる。
樹脂組成物から有機膜を形成するためには、樹脂組成物を基材上に塗布、乾燥させる。乾燥後の膜は、オーブンで150℃〜250℃で10分〜60分程度処理し熱硬化させる。このようにして透明有機膜を得ることができる。透過性に優れた電子材料の絶縁膜及び保護膜を形成することが可能となる。ここで、絶縁膜とは、例えば、層状に配置される配線間を絶縁するために設ける膜(層間絶縁膜)などをいう。樹脂組成物の塗布方法は、例えば、グラビアオフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、ディスペンス法、インクジェット法などが好適である。パターンを有する有機膜の形成に優れているという点でグラビアオフセット印刷が最適である。
得られた有機膜は電子部品材料として用いることが可能であり、また、パターニングされた有機膜はパターン状絶縁膜として用いることも可能である。さらに、該絶縁膜上に透明電極を形成し、エッチングによりパターニングを行った後、配向処理を行う膜を形成させてもよい。該絶縁膜は、耐スパッタ性が高いため、透明電極を形成しても絶縁膜にしわが発生せず、高い透明性を保つことができる。
表示素子は、前述したパターン状絶縁膜を用いて作製することができる。表示素子は、前述のパターン状絶縁膜が用いられる以外は、公知の表示素子と同様に構成することができる。例えば前記パターン状絶縁膜は、液晶などを用いる表示素子に用いられる。例えば前記表示素子は、上記のようにして基板上にパターニングされた絶縁膜が設けられた素子基板と、対向基板であるカラーフィルター基板とを、位置を合わせて圧着し、その後に熱処理して組み合わせ、対向する基板の間に液晶を注入し、注入口を封止することによって製作される。他には、前記素子基板上に液晶を散布した後、素子基板を重ね合わせ、液晶が漏れないように密封することによっても製作することができ、前記表示素子はこのように製作された表示素子であってもよい。なお、この液晶表示素子に用いられる液晶、すなわち液晶化合物及び液晶組成物については特に限定されず、いずれの液晶化合物及び液晶組成物をも使用することができる。
本発明の表示素子は、前述した樹脂組成物を用いて得られる、光透過性に優れたパターン状絶縁膜を備えることから、高い表示品位を示す。また、パターン状絶縁膜の形成において、直接印刷によるパターン形成が可能であるため、フォトリソグラフィ法に比して経済性が著しく向上する。
本発明のタッチパネルは、例えば、液晶表示装置または有機エレクトロルミネッセンス装置と位置検出装置とを組み合わせることで製造することができる。ここで、位置検出装置は、例えばガラス基板上にXおよびY電極をマトリックス状に配置した構造を有する装置であり、指先などが接触することで生じる静電容量の変化を電流変化として検出する機能を有する。このような装置は、例えば、ITOなどの導電物質からなる配線(X電極)が形成された基板上において、該配線を覆うようにして前述した樹脂組成物から透明絶縁膜を形成し、次いで、X電極と直交するように、ITOなどの導電物質からなる配線(Y電極)を形成したり、さらにその後、基板全面を覆うように、前述した樹脂組成物でオーバーコートを形成したりすることで製造できる。このような装置の製造の際に、前述した樹脂組成物を用いることで、通常、印刷法等でパターン状に形成される透明絶縁膜、及び、通常、塗布法等で全面に形成されるオーバーコートを1種類の樹脂組成物で形成することができる。従って、本発明の樹脂組成物を用いることで、電子部品の製造に際して、ラインの簡略化および歩留まりの向上が可能となる。
本発明を実施例及び比較例によって、さらに具体的に説明し、各実施例のデータ及び各実施例と各比較例の比較により、本発明の構成の合理性と有意性及び従来技術に対する卓越性を実証する。まず、各物性値の測定方法を以下に示す。
(1)印刷特性の評価:
樹脂組成物を用いた、グラビアオフセット印刷における印刷特性の評価として、以下の三点を実施した。基板はガラス基板またはITO透明電極付きガラス基板を用い、膜厚は1.5μmで印刷した。
(a)転写性:
ブランケットから基板に転写されるセット工程において、ブランケット上に樹脂組成物の残留がないかを光学顕微鏡(商品名;AFX−IIA、株式会社Nikon製)を用い、観察して評価した。残留物が見られない場合を「○」、残留物がブランケット上に見られる場合を「×」とした。
(b)最小線幅:
グラビアオフセット印刷法により印刷可能なパターンの最小線幅を測定した。最小線幅が小さいほど良好である。
(c)パターン形状:
直線性に優れ、パターンの線幅が版の設計幅と同等で印刷パターンが形成されている場合を「○」、パターンエッジの一部に凹凸が見られ、直線性がやや劣る場合を「△」、パターンエッジに凹凸、直線性に欠陥、または断線が見られる場合を「×」とした。また、印刷の流れ方向(MD)、垂直方向(TD)で評価を行った。
樹脂組成物を用いた、グラビアオフセット印刷における印刷特性の評価として、以下の三点を実施した。基板はガラス基板またはITO透明電極付きガラス基板を用い、膜厚は1.5μmで印刷した。
(a)転写性:
ブランケットから基板に転写されるセット工程において、ブランケット上に樹脂組成物の残留がないかを光学顕微鏡(商品名;AFX−IIA、株式会社Nikon製)を用い、観察して評価した。残留物が見られない場合を「○」、残留物がブランケット上に見られる場合を「×」とした。
(b)最小線幅:
グラビアオフセット印刷法により印刷可能なパターンの最小線幅を測定した。最小線幅が小さいほど良好である。
(c)パターン形状:
直線性に優れ、パターンの線幅が版の設計幅と同等で印刷パターンが形成されている場合を「○」、パターンエッジの一部に凹凸が見られ、直線性がやや劣る場合を「△」、パターンエッジに凹凸、直線性に欠陥、または断線が見られる場合を「×」とした。また、印刷の流れ方向(MD)、垂直方向(TD)で評価を行った。
(2)透明性の評価:
樹脂組成物をガラス基板上およびITO透明電極付きガラス基板上に膜厚が1.5μmになるように、スピンコーターにて塗布を行った後、230℃にて30分間加熱を行い、二種類の硬化膜付きガラス基板を得た。この二種類の硬化膜付きガラス基板において、紫外可視近赤外分光光度計(商品名;V−670 日本分光(株))により硬化膜のみの光の波長400nmでの光透過率を測定した。光透過率が95%以上であれば、透明性が良好であると判断した。
樹脂組成物をガラス基板上およびITO透明電極付きガラス基板上に膜厚が1.5μmになるように、スピンコーターにて塗布を行った後、230℃にて30分間加熱を行い、二種類の硬化膜付きガラス基板を得た。この二種類の硬化膜付きガラス基板において、紫外可視近赤外分光光度計(商品名;V−670 日本分光(株))により硬化膜のみの光の波長400nmでの光透過率を測定した。光透過率が95%以上であれば、透明性が良好であると判断した。
(3)密着性の評価:
JIS−5600−5−6に準じ、得られた二種類の硬化膜付きガラス基板について、硬化膜のテープ剥離によるゴバン目試験を行った。全ての格子に剥がれがない場合を「○」、一部の格子に剥がれがある場合を「△」、全面的に剥がれがある場合を「×」とした。
JIS−5600−5−6に準じ、得られた二種類の硬化膜付きガラス基板について、硬化膜のテープ剥離によるゴバン目試験を行った。全ての格子に剥がれがない場合を「○」、一部の格子に剥がれがある場合を「△」、全面的に剥がれがある場合を「×」とした。
(4)耐アルカリ性:
得られた二種類の硬化膜付きガラス基板を、5重量%水酸化ナトリウム水溶液に25℃で30分間浸漬処理し、230℃で1時間再加熱した。再加熱後の光透過率及び密着性の評価を上述した方法で行った。
得られた二種類の硬化膜付きガラス基板を、5重量%水酸化ナトリウム水溶液に25℃で30分間浸漬処理し、230℃で1時間再加熱した。再加熱後の光透過率及び密着性の評価を上述した方法で行った。
次に、ラジカル重合性モノマーからなる共重合体を以下に示すように合成した(合成例1〜9、表1、2を参照)。
[合成例1]共重合体(A−1)の合成
温度計、攪拌機、原料投入口および窒素ガス導入口を備えた500mlの四つ口フラスコに、重合溶剤としてジエチレングリコールジエチルエーテル、ラジカル重合性モノマー(a1)として4−ヒドロキシフェニルビニルケトン、ラジカル重合性化合物(a2)としてグリシジルメタクリレート、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ブチルメタクリレートを下記の重量で仕込み、さらに重合開始剤として2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを下記の重量で仕込み、80℃で2時間加熱して、重合を行った。
ジエチレングリコールジエチルエーテル 187.50g
4−ヒドロキシフェニルビニルケトン 18.75g
グリシジルメタクリレート 75.00g
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 37.50g
ブチルメタクリレート 56.25g
2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル 3.75g
温度計、攪拌機、原料投入口および窒素ガス導入口を備えた500mlの四つ口フラスコに、重合溶剤としてジエチレングリコールジエチルエーテル、ラジカル重合性モノマー(a1)として4−ヒドロキシフェニルビニルケトン、ラジカル重合性化合物(a2)としてグリシジルメタクリレート、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ブチルメタクリレートを下記の重量で仕込み、さらに重合開始剤として2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを下記の重量で仕込み、80℃で2時間加熱して、重合を行った。
ジエチレングリコールジエチルエーテル 187.50g
4−ヒドロキシフェニルビニルケトン 18.75g
グリシジルメタクリレート 75.00g
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 37.50g
ブチルメタクリレート 56.25g
2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル 3.75g
溶液を室温まで冷却し、共重合体(A−1)の50重量%溶液を得た。なお、ここで「共重合体(A−1)の50重量%溶液」とは、上記の如く仕込んだ化合物がすべて反応したとみなして求められる、固形物の重量と溶剤の重量から換算した濃度が50重量%であることを表す。以下の合成例も同様である。
溶液の一部をサンプリングし、GPC分析(ポリスチレン標準)により重量平均分子量を測定した。その結果、得られた共重合体(A−1)の重量平均分子量は49,500であった。
[合成例2]共重合体(A−2)の合成
合成例1と同様にして、下記の成分を下記の重量で仕込み、重合を行った。
ジエチレングリコールジエチルエーテル 187.50g
4−ヒドロキシフェニルビニルケトン 18.75g
グリシジルメタクリレート 75.00g
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 37.50g
ブチルメタクリレート 56.25g
2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル 0.94g
合成例1と同様にして、下記の成分を下記の重量で仕込み、重合を行った。
ジエチレングリコールジエチルエーテル 187.50g
4−ヒドロキシフェニルビニルケトン 18.75g
グリシジルメタクリレート 75.00g
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 37.50g
ブチルメタクリレート 56.25g
2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル 0.94g
合成例1と同様の処理を行い、共重合体(A−2)の50重量%溶液を得た。得られた共重合体(A−2)のGPC分析(ポリスチレン標準)より求めた重量平均分子量は140,200であった。
[合成例3]共重合体(A−3)の合成
合成例1と同様にして、下記の成分を下記の重量で仕込み、重合を行った。
ジエチレングリコールジエチルエーテル 187.50g
4−ヒドロキシフェニルビニルケトン 18.75g
グリシジルメタクリレート 75.00g
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 37.50g
ブチルメタクリレート 56.25g
2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル 18.75g
合成例1と同様にして、下記の成分を下記の重量で仕込み、重合を行った。
ジエチレングリコールジエチルエーテル 187.50g
4−ヒドロキシフェニルビニルケトン 18.75g
グリシジルメタクリレート 75.00g
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 37.50g
ブチルメタクリレート 56.25g
2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル 18.75g
合成例1と同様の処理を行い、共重合体(A−3)の50重量%溶液を得た。得られた共重合体(A−3)のGPC分析(ポリスチレン標準)より求めた重量平均分子量は9,100であった。
[合成例4]共重合体(A−4)の合成
合成例1と同様にして、下記の成分を下記の重量で仕込み、重合を行った。
ジエチレングリコールジエチルエーテル 187.50g
メタクリル酸 18.75g
グリシジルメタクリレート 75.00g
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 37.50g
ブチルメタクリレート 56.25g
2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル 3.75g
合成例1と同様にして、下記の成分を下記の重量で仕込み、重合を行った。
ジエチレングリコールジエチルエーテル 187.50g
メタクリル酸 18.75g
グリシジルメタクリレート 75.00g
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 37.50g
ブチルメタクリレート 56.25g
2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル 3.75g
合成例1と同様の処理を行い、共重合体(A−4)の50重量%溶液を得た。得られた共重合体(A−4)のGPC分析(ポリスチレン標準)より求めた重量平均分子量は46,600であった。
[合成例5]共重合体(A−5)の合成
合成例1と同様にして、下記の成分を下記の重量で仕込み、重合を行った。
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル 187.50g
4−ヒドロキシフェニルビニルケトン 18.75g
グリシジルメタクリレート 75.00g
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 37.50g
ブチルメタクリレート 56.25g
2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル 3.75g
合成例1と同様にして、下記の成分を下記の重量で仕込み、重合を行った。
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル 187.50g
4−ヒドロキシフェニルビニルケトン 18.75g
グリシジルメタクリレート 75.00g
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 37.50g
ブチルメタクリレート 56.25g
2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル 3.75g
合成例1と同様の処理を行い、共重合体(A−5)の50重量%溶液を得た。得られた共重合体(A−5)のGPC分析(ポリスチレン標準)より求めた重量平均分子量は49,200であった。
[合成例6]共重合体(B−1)の合成
温度計、攪拌機、原料投入口および窒素ガス導入口を備えた500mlの四つ口フラスコに、重合溶剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテル、ラジカル重合性モノマー(b1)としてメタクリル酸、ラジカル重合性化合物(b2)としてメトキシポリエチレングリコールメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレートを下記の重量で仕込み、さらに重合開始剤としてジメチル2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを下記の重量で仕込み、110℃で2時間加熱して、重合を行った。
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 187.50g
メタクリル酸 37.50g
メトキシポリエチレングリコールメタクリレート 3.75g
ジシクロペンタニルメタクリレート 103.13g
N−シクロヘキシルマレイミド 43.13g
2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル 28.13g
温度計、攪拌機、原料投入口および窒素ガス導入口を備えた500mlの四つ口フラスコに、重合溶剤としてジエチレングリコールモノブチルエーテル、ラジカル重合性モノマー(b1)としてメタクリル酸、ラジカル重合性化合物(b2)としてメトキシポリエチレングリコールメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレートを下記の重量で仕込み、さらに重合開始剤としてジメチル2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチルを下記の重量で仕込み、110℃で2時間加熱して、重合を行った。
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 187.50g
メタクリル酸 37.50g
メトキシポリエチレングリコールメタクリレート 3.75g
ジシクロペンタニルメタクリレート 103.13g
N−シクロヘキシルマレイミド 43.13g
2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル 28.13g
溶液を室温まで冷却し、共重合体(B−1)の50重量%溶液を得た。溶液の一部をサンプリングし、GPC分析(ポリスチレン標準)により重量平均分子量を測定した。その結果、得られた共重合体(B−1)の重量平均分子量は3,900であった。
[合成例7]共重合体(B−2)の合成
合成例6と同様の成分を同量の重量で仕込み、130℃で2時間加熱して、重合を行った。
合成例6と同様の成分を同量の重量で仕込み、130℃で2時間加熱して、重合を行った。
合成例6と同様の処理を行い、共重合体(B−2)の50重量%溶液を得た。得られた共重合体(B−2)のGPC分析(ポリスチレン標準)より求めた重量平均分子量は1,800であった。
[合成例8]共重合体(B−3)の合成
合成例6と同様の成分を同量の重量で仕込み、80℃で2時間加熱して、重合を行った。
合成例6と同様の成分を同量の重量で仕込み、80℃で2時間加熱して、重合を行った。
合成例6と同様の処理を行い、共重合体(B−3)の50重量%溶液を得た。得られた共重合体(B−3)のGPC分析(ポリスチレン標準)より求めた重量平均分子量は11,600であった。
[合成例9]共重合体(B−4)の合成
合成例6と同様にして、下記の成分を下記の重量で仕込み、重合を行った。
ジエチレングリコールモノエチルエーテル 187.50g
メタクリル酸 37.50g
メトキシポリエチレングリコールメタクリレート 3.75g
ジシクロペンタニルメタクリレート 103.13g
N−シクロヘキシルマレイミド 43.13g
2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル 28.13g
合成例6と同様にして、下記の成分を下記の重量で仕込み、重合を行った。
ジエチレングリコールモノエチルエーテル 187.50g
メタクリル酸 37.50g
メトキシポリエチレングリコールメタクリレート 3.75g
ジシクロペンタニルメタクリレート 103.13g
N−シクロヘキシルマレイミド 43.13g
2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル 28.13g
合成例6と同様の処理を行い、共重合体(B−4)の50重量%溶液を得た。得られた共重合体(B−4)のGPC分析(ポリスチレン標準)より求めた重量平均分子量は3,300であった。
次に、合成例1〜5で得られた共重合体(A−1、A−2、A−3、A−4、A−5)、合成例6〜9で得られた共重合体(B−1、B−2、B−3、B−4)、及び市販の有機溶剤を用いて、樹脂組成物を以下に示すように調製し、印刷特性の評価、及び硬化膜の評価を行った(実施例1〜6、比較例1〜4、表3、4を参照)。なお、表4に示す評価では、実施例1〜5および比較例1〜4ではガラス基板を用い、実施例6ではITO透明電極付きガラス基板を用いた。
[実施例1]
撹拌羽根の付いた500mlのセパラブルフラスコを窒素置換し、そのフラスコに、合成例1で得られた共重合体50重量%溶液(A−1)150.0g、合成例6で得られた共重合体50重量%溶液(B−1)45.0g、エポキシ樹脂:TECHMORE VG3101L((株)プリンテック)7.5g、カップリング剤:サイラエースS510(JNC(株))7.5g、ジエチレングリコールジエチルエーテル2.9g、ジエチレングリコールモノブチルエーテル3.5gを仕込み、室温で5hr撹拌し、均一に溶解させた。その後、孔径1.0μmのカプセルフィルターで濾過して印刷用インク溶液を調製した。
撹拌羽根の付いた500mlのセパラブルフラスコを窒素置換し、そのフラスコに、合成例1で得られた共重合体50重量%溶液(A−1)150.0g、合成例6で得られた共重合体50重量%溶液(B−1)45.0g、エポキシ樹脂:TECHMORE VG3101L((株)プリンテック)7.5g、カップリング剤:サイラエースS510(JNC(株))7.5g、ジエチレングリコールジエチルエーテル2.9g、ジエチレングリコールモノブチルエーテル3.5gを仕込み、室温で5hr撹拌し、均一に溶解させた。その後、孔径1.0μmのカプセルフィルターで濾過して印刷用インク溶液を調製した。
得られた樹脂組成物を用いて、グラビアオフセット印刷法による印刷特性、硬化膜の透明性、密着性及び耐薬品性評価を実施した。これらの評価結果を表4に示す。
[実施例2]
実施例1と同様の方法で、共重合体溶液(A−1)のみを共重合体溶液(A−2)に変更して、樹脂組成物を調製した。それ以外は実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例1と同様の方法で、共重合体溶液(A−1)のみを共重合体溶液(A−2)に変更して、樹脂組成物を調製した。それ以外は実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表4に示す。
[実施例3]
実施例1と同様の方法で、共重合体溶液(B−1)のみを共重合体溶液(B−2)に変更して、樹脂組成物を調製した。それ以外は実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例1と同様の方法で、共重合体溶液(B−1)のみを共重合体溶液(B−2)に変更して、樹脂組成物を調製した。それ以外は実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表4に示す。
[実施例4]
実施例1と同様の方法で、共重合体溶液(A−1)の共重合体溶液(A−5)に変更し、また、ジエチレングリコールジエチルエーテルをジエチレングリコールメチルエチルエーテルに変更して、樹脂組成物を調製した。それ以外は実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例1と同様の方法で、共重合体溶液(A−1)の共重合体溶液(A−5)に変更し、また、ジエチレングリコールジエチルエーテルをジエチレングリコールメチルエチルエーテルに変更して、樹脂組成物を調製した。それ以外は実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表4に示す。
[実施例5]
実施例1と同様の方法で、共重合体溶液(B−1)の共重合体溶液(B−4)に変更し、また、ジエチレングリコールモノブチルエーテルをジエチレングリコールモノエチルエーテルに変更して、樹脂組成物を調製した。それ以外は実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例1と同様の方法で、共重合体溶液(B−1)の共重合体溶液(B−4)に変更し、また、ジエチレングリコールモノブチルエーテルをジエチレングリコールモノエチルエーテルに変更して、樹脂組成物を調製した。それ以外は実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表4に示す。
[実施例6]
実施例1と同様の方法で、樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物と、基板としてITO透明電極付きガラス基板を用いて、グラビアオフセット印刷法による印刷特性、硬化膜の透明性、密着性及び耐薬品性の評価を実施した。これらの評価結果を表4に示す。
実施例1と同様の方法で、樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物と、基板としてITO透明電極付きガラス基板を用いて、グラビアオフセット印刷法による印刷特性、硬化膜の透明性、密着性及び耐薬品性の評価を実施した。これらの評価結果を表4に示す。
[比較例1]
実施例1と同様の方法で、共重合体溶液(B−1)のみを共重合体溶液(B−3)に変更して、樹脂組成物を調製した。それ以外は実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例1と同様の方法で、共重合体溶液(B−1)のみを共重合体溶液(B−3)に変更して、樹脂組成物を調製した。それ以外は実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表4に示す。
[比較例2]
実施例2と同様の方法で、共重合体溶液(B−1)のみを共重合体溶液(B−2)に変更して、樹脂組成物を調製した。それ以外は実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例2と同様の方法で、共重合体溶液(B−1)のみを共重合体溶液(B−2)に変更して、樹脂組成物を調製した。それ以外は実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表4に示す。
[比較例3]
実施例3と同様の方法で、共重合体溶液(A−1)のみを共重合体溶液(A−3)に変更して、樹脂組成物を調製した。それ以外は実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例3と同様の方法で、共重合体溶液(A−1)のみを共重合体溶液(A−3)に変更して、樹脂組成物を調製した。それ以外は実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表4に示す。
[比較例4]
実施例1と同様の方法で、共重合体溶液(A−1)のみを共重合体溶液(A−4)に変更して、樹脂組成物を調製した。それ以外は実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表4に示す。
実施例1と同様の方法で、共重合体溶液(A−1)のみを共重合体溶液(A−4)に変更して、樹脂組成物を調製した。それ以外は実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表4に示す。
表4から明らかなように、実施例1〜5は比較例1〜4と比較して、本発明の樹脂組成物をグラビアオフセット印刷することにより正確な微細パターン形成が可能であり、耐アルカリ性、密着性、及び優れた光学特性を発揮できる正確にパターニングされた硬化膜を与えることが示されている。
実施例1と比較して、比較例1では、共重合体(A)及び(B)の重量平均分子量Mw(a)及び(b)の関係式において、Mw(a)/Mw(b)が5以下となるものである。比較例1ではグラビアオフセット印刷により正確な微細パターン形成をすることができていない。また、共重合体(B)のMw(b)が10,000以上となり、硬化膜の透明性も低い。一方、実施例1では優れた印刷特性を有しているだけでなく、優れた硬化膜の特性を有している点からも、本手法が有効であることが分かる。
実施例1と比較して、比較例1では、共重合体(A)及び(B)の重量平均分子量Mw(a)及び(b)の関係式において、Mw(a)/Mw(b)が5以下となるものである。比較例1ではグラビアオフセット印刷により正確な微細パターン形成をすることができていない。また、共重合体(B)のMw(b)が10,000以上となり、硬化膜の透明性も低い。一方、実施例1では優れた印刷特性を有しているだけでなく、優れた硬化膜の特性を有している点からも、本手法が有効であることが分かる。
実施例2は実施例1に対して、共重合体(A)の分子量を変更したものである。いずれの共重合体でも有用性が高いことを示すものである。さらに共重合体(B)の分子量を低下させてMw(a)/Mw(b)を70以上とした比較例2では印刷特性の低下が著しく、パターン形成の面からは好ましくない。
実施例3は実施例1に対して、共重合体(A)の分子量を変更したものである。いずれの共重合体でも有用性が高いことを示すものである。
実施例3と比較して、比較例3では、共重合体(A)及び(B)の重量平均分子量Mw(a)及び(b)の関係式において、Mw(a)/Mw(b)が5以上ではあるが、共重合体(A)の重量平均分子量Mw(a)が10,000以下となるものである。比較例3ではグラビアオフセット印刷において、端部における溶液のダレが発生し、正確な微細パターンの形成をすることができていない。
実施例3と比較して、比較例3では、共重合体(A)及び(B)の重量平均分子量Mw(a)及び(b)の関係式において、Mw(a)/Mw(b)が5以上ではあるが、共重合体(A)の重量平均分子量Mw(a)が10,000以下となるものである。比較例3ではグラビアオフセット印刷において、端部における溶液のダレが発生し、正確な微細パターンの形成をすることができていない。
実施例4、5は実施例1に対して使用する有機溶剤の比較を行ったものである。いずれも有用性が高いことを示すものである。
実施例1に対して比較例4は共重合体(A)中にフェノール性OH基を有するラジカル重合性モノマーを使用しなかったものである。比較例4は実施例1に比較して印刷特性は低下し、また、硬化膜の密着性、透明性、及び耐アルカリ性は劣り、光学材料用途としての使用には好ましくないことが分かる。
実施例6は実施例1に対して使用する基板の比較を行ったものである。ガラス基板からITO付きガラス基板に変更しても、正確な微細パターン形成が可能であり、耐アルカリ性、密着性、及び優れた光学特性を発揮できる正確にパターニングされた硬化膜を与えることが示されている。このことから、本発明の樹脂組成物により得られた硬化膜は、タッチパネルを製造する上でも絶縁膜として使用することができることが分かる。
以上の結果より、フェノール性OH基を有するラジカル重合性モノマー、及びその他のラジカル重合性モノマーを共重合して得られる共重合体(A)、カルボキシル基又はカルボン酸無水物基を有するラジカル重合性モノマー、及びその他のラジカル重合性モノマーを共重合して得られる共重合体(B)、有機溶剤(例えば、沸点が200℃以上である高沸点溶剤、沸点が200℃未満である低沸点溶剤)を含む樹脂組成物を、印刷方法を用いて微細パターンを形成し、さらに硬化することにより、硬化膜特性の優れた結果が得られており、これは本発明の構成の合理性と有意性及び従来技術に対する卓越性を明示しているといえる。
グラビアオフセット印刷による微細パターン形成が可能な本発明の樹脂組成物により得られた硬化膜は、透明性、密着性、及び耐薬品性など光学材料としての特性にも優れている点から、カラーフィルター、LED発光素子及び受光素子などの各種光学材料などの保護膜、並びに、TFTと透明電極との間及び透明電極と配向膜との間に形成される透明絶縁膜、さらにタッチパネル用の透明絶縁膜として利用できる。
Claims (20)
- (1)フェノール性OH基を有するラジカル重合性モノマー(a1)及びその他のラジカル重合性モノマー(a2)を共重合して得られ、重量平均分子量Mw(a)が10,000〜500,000である共重合体(A)、
(2)カルボキシル基(−COOH)又はカルボン酸無水物基(−CO−O−CO−)を有するラジカル重合性モノマー(b1)及びその他のラジカル重合性モノマー(b2)を共重合して得られ、重量平均分子量Mw(b)が10,000未満である共重合体(B)、及び、
(3)有機溶剤を含有し;
前記モノマー(a2)及び前記モノマー(b2)は前記モノマー(a1)及び前記モノマー(b1)とは異なり、そして、
共重合体(A)の重量平均分子量Mw(a)と共重合体(B)の重量平均分子量Mw(b)とが下記式(X)の関係を満たす、樹脂組成物。
5≦Mw(a)/Mw(b)≦70・・・・・(X) - ラジカル重合性モノマー(a1)が、ヒドロキシスチレン及び下記式(I)で表される化合物の一方又は両方である、請求項1に記載の樹脂組成物。
R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、水素、又は任意の水素がフッ素で置き換えられてもよい炭素数1〜3のアルキルを表し;
R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、−CN、−CF3、−OCF3、−OH、炭素数1〜5のアルキル、又は炭素数1〜5のアルコキシを表し、前記炭素数1〜5のアルキルの少なくとも1つの−CH2−は−COO−、−OCO−、又は−CO−で置き換えられてもよく、前記炭素数1〜5のアルキルの少なくとも1つの水素はハロゲンで置き換えられてもよく、また、前記炭素数1〜5のアルコキシの少なくとも1つの水素はハロゲンで置き換えられてもよく;そして、
R4〜R8のうち少なくとも1つは−OHである。) - 式(I)で表される化合物が4−ヒドロキシフェニルビニルケトン又は3−アセチル−4−ヒドロキシフェニルビニルケトンである、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- ラジカル重合性モノマー(b1)が、(メタ)アクリル酸、(無水)イタコン酸、(無水)マレイン酸、(無水)フタル酸、及び(無水)酢酸からなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
- エポキシを有するラジカル重合性モノマーが、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)エチル(メタ)アクリレート、及び(3−エチル−3−オキセタニル)エチル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上である、請求項5に記載の樹脂組成物。
- 有機溶剤が、沸点が200℃以上である高沸点溶剤、及び沸点が200℃未満である低沸点溶剤を含有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 高沸点溶剤が、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、メトキシメチルエーテルプロピオネート、γ−ブチルラクトン、及びテルピネオールからなる群から選ばれる1種以上であり、
低沸点溶剤が、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネートからなる群から選ばれる1種以上である、請求項8に記載の樹脂組成物。 - エポキシ樹脂をさらに含有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 25℃における粘度が300〜10,000mPa・sである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 樹脂組成物が印刷用インク組成物である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成される有機膜。
- パターンを有する、請求項13に記載の有機膜。
- グラビアオフセット印刷法により形成される、請求項13又は14に記載の有機膜。
- 絶縁膜である、請求項13〜15のいずれか1項に記載の有機膜。
- 請求項13〜16のいずれか1項に記載の有機膜を用いた電子部品。
- TFTと透明電極との間に形成される透明絶縁膜として請求項16に記載の有機膜を用いた液晶表示素子。
- 透明電極と配向膜との間に形成される透明絶縁膜として、請求項16に記載の有機膜を用いた液晶表示素子。
- 透明絶縁膜として請求項16に記載の有機膜を用いたタッチパネル。
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JP2018193495A (ja) * | 2017-05-18 | 2018-12-06 | 三菱ケミカル株式会社 | グラビアオフセット印刷用コート剤及びグラビアオフセット印刷方法 |
-
2015
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