WO2017154196A1 - ノズルクリーナ装置 - Google Patents
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Abstract
本発明は、アーク溶接に使用されるノズル先端に付着したスパッタを簡単に除去することができるノズルクリーナ装置関する。アーク溶接用電極(22)のノズル(24)先端に付着したスパッタを除去するためのノズルクリーナ装置であって、クリーナ装置本体(1)が前記電極(22)を作動するロボットアーム(21)の稼動域内に設けられ、このロボットアーム(21)の先端に取り付けてあるノズル(24)を前記クリーナ装置本体(1)へ搬送自在な構造となっており、また前記クリーナ装置本体(1)は、桶状のボックス体(2)と該ボックス体の底面中央部に立設される研磨部(3)を有しており、この研磨部(3)を、前記ノズルを構成している金属よりも柔らかい材質で構成するとともに、前記ノズル内に挿入可能な円筒体形状として、スパッタが付着したノズル(24)を前記クリーナ装置本体(1)へ搬送し、ノズル内に挿入した研磨部(3)によりスパッタの除去を行うようにした。
Description
本発明は、アーク溶接に使用されるノズル先端に付着したスパッタを簡単に除去することができるノズルクリーナ装置に関するものである。
従来から、例えば自動車部品のような各種部品をスポット的に連結する手段としてアーク溶接が広く利用されている。このアーク溶接に使用される電極としては、チップホルダー先端に装着したコンタクトチップの周りを円筒状のノズルで覆ったものが一般的に用いられている。このアーク溶接を継続していると、前記ノズルの内部にスッパタと称される溶接屑や塵等の付着物が堆積し、このスパッタが正確に溶接処理を行うのを妨げるおそれがあるため、定期的にノズルを取り外して清掃するか、定期的に圧縮エアを吹き付けてスパッタを吹き飛ばすか、若しくはノズルを新しいものに交換する必要があった。
しかしながら、前記ノズルを清掃するにはロボットアーム等から取り外した後、更にノズルとコンタクトチップを分解し、人手によってブラッシングする方法が普通であり、面倒で時間も長く要するという問題点があった。また、圧縮エアで吹き飛ばす場合は完全に除去することが難しく、またスパッタが環境を汚染するという問題があった。更に、新しいノズルに交換すれば面倒な清掃処理は不要となるが、コスト的に高くなるうえにゴミの廃棄量も増加して資源の無駄使いになるという問題点があった。
一方、ノズルクリーナ装置としては、例えば、特許文献1や特許文献2に示されるように、従来から種々のものが提案されている。ところが、特許文献1に記載のものは専用のカッタを用いてスパッタを削り落とす装置であり、複雑な構造であり、また定期的にカッタを交換する必要もあってメンテナンスが煩わしいという問題があった。また、特許文献2に記載のものは、本件出願人が先に提案したものでコイルスプリングを用いてスパッタを削り落とす装置であるが、削りムラが生じる場合があるという問題や、コイルスプリングの交換作業が煩雑であるという問題があった。
本発明は上記のような従来の問題点を解決して、アーク溶接によってノズルの内部に堆積した付着物を、ノズルをロボットアームから取り外すことなく、しかも電極をバラバラに分解することなく組み立てたままの状態で簡単に除去処理を行うことができるノズルクリーナ装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するためになされた本発明のノズルクリーナ装置は、アーク溶接用電極のノズル先端に付着したスパッタを除去するためのノズルクリーナ装置であって、
クリーナ装置本体が前記電極を作動するロボットアームの稼動域内に設けられ、このロボットアームの先端に取り付けてあるノズルを前記クリーナ装置本体へ搬送自在な構造となっており、
また前記クリーナ装置本体は、桶状のボックス体と該ボックス体の底面中央部に立設される研磨部を有しており、
この研磨部を、前記ノズルを構成している金属よりも柔らかい材質で構成するとともに、前記ノズル内に挿入可能な円筒体形状として、
スパッタが付着したノズルを前記クリーナ装置本体へ搬送し、ノズル内に挿入した研磨部によりスパッタの除去を行うようにしたことを特徴とするものである。
クリーナ装置本体が前記電極を作動するロボットアームの稼動域内に設けられ、このロボットアームの先端に取り付けてあるノズルを前記クリーナ装置本体へ搬送自在な構造となっており、
また前記クリーナ装置本体は、桶状のボックス体と該ボックス体の底面中央部に立設される研磨部を有しており、
この研磨部を、前記ノズルを構成している金属よりも柔らかい材質で構成するとともに、前記ノズル内に挿入可能な円筒体形状として、
スパッタが付着したノズルを前記クリーナ装置本体へ搬送し、ノズル内に挿入した研磨部によりスパッタの除去を行うようにしたことを特徴とするものである。
好ましい実施形態によれば、研磨部あるいはノズルのいずれかが駆動モータに連結されて、軸方向を中心に回動自在となっているのが好ましい。
また、その他の好ましい実施形態によれば、研磨部の外表面にスパッタ除去用の切削部が形成されているのが好ましい。
本発明のノズルクリーナ装置では、クリーナ装置本体が電極を作動するロボットアームの稼動域内に設けられ、このロボットアームの先端に取り付けてあるノズルを前記クリーナ装置本体へ搬送自在な構造となっており、また前記クリーナ装置本体は、桶状のボックス体と該ボックス体の底面中央部に立設される研磨部を有しており、この研磨部を、前記ノズルを構成している金属よりも柔らかい材質で構成するとともに、前記ノズル内に挿入可能な円筒体形状として、スパッタが付着したノズルを前記クリーナ装置本体へ搬送し、ノズル内に挿入した研磨部によりスパッタの除去を行うようにしたので、ノズルの内部に付着物が堆積した場合はロボットアームをクリーナ装置本体の方へ移動させてスパッタの除去処理を簡単に行うことができる。しかも電極をバラバラに分解することなく組み立てたままの状態で簡単かつ確実に除去処理を行うことができる。
前記研磨部あるいはノズルのいずれかが駆動モータに連結されて、軸方向を中心に回動自在となっているものとした場合は、研磨部がノズルの長手方向だけでなく円周方向にも作動して内周面に付着したスパッタをより確実に除去できることとなる。
前記研磨部の外表面にスパッタ除去用の切削部が形成されている場合は、切削部によってスパッタを効率よく切削して確実に除去できることとなる。
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。
図1は、本発明に係るノズルクリーナ装置の正面図である。図において、20は基台、21は溶接用のロボットアーム、22はロボットアーム21の先端に取り付けられたアーク溶接用の電極である。この電極22は、コンタクトチップ23とこれを囲う円筒状のノズル24から構成されている。そして、前記ロボットアーム21を自在に屈曲、回動させることによって先端の電極22を所定ポジションへ移動させ、被溶接物であるワーク(図示せず)の溶接処理を行うように構成されている。
図1は、本発明に係るノズルクリーナ装置の正面図である。図において、20は基台、21は溶接用のロボットアーム、22はロボットアーム21の先端に取り付けられたアーク溶接用の電極である。この電極22は、コンタクトチップ23とこれを囲う円筒状のノズル24から構成されている。そして、前記ロボットアーム21を自在に屈曲、回動させることによって先端の電極22を所定ポジションへ移動させ、被溶接物であるワーク(図示せず)の溶接処理を行うように構成されている。
前記ロボットアーム21の稼動域内には、溶接を行うワークステーションとは別にクリーナ装置本体1が設けられており、ロボットアーム21の先端に取り付けてあるノズル24を前記クリーナ装置本体1へ自在に搬送できる構造となっている。このようにノズル24を前記クリーナ装置本体1へ搬送することにより、ノズル24の内部に堆積したスパッタを任意のタイミングで、あるいは定期的に除去処理できるように構成されている。
前記クリーナ装置本体1は、図2および図3に示されるように、上部が開口している四角桶状のボックス体2と、該ボックス体2の底面中央部に立設される研磨部3を有している。なお前記ボックス体2は、スパッタが飛散して環境を汚染するのを防止するためのものであり、金属製あるいは合成樹脂製のものである。このボックス体2の外径の大きさや高さは、基台20の空きスペース等に応じて任意に設計することができる。また研磨部3は、ノズル24の内部に堆積したスパッタを除去するためのものであり、アルミニウムのような比較的柔らかい金属や合成樹脂製のものである。
また前記研磨部3は、前記ノズル24内に挿入可能な円筒体形状に構成されており、スパッタが堆積しているノズル24の内部に挿入されてスパッタの除去処理に供される。
前記スパッタは、溶接処理時において溶接屑や塵等が飛散してノズル24の内周面先端に付着・堆積したものであり、硬くて強固に付着しているため通常はカッタ刃などで削り落とす必要があった。しかし、本発明では前記ノズル24の内周面に塩素フリーで超極圧性能と低摩擦係数を実現した超極圧潤滑剤が塗布されて、金属表面と分子結合した極薄の化学被膜が形成されているものを対象としている。従って、ノズル24の内周面には前記化学被膜が形成されていて、高負荷、高荷重、高温多湿の過酷な条件下でもスムーズな潤滑性を保持している。そして、溶接処理時において発生する前記スパッタは、前記化学被膜上に軽く付着しているのみで、ノズル24の金属表面に強く固着したものではない。この結果、化学被膜上にあるスパッタは、例えば、アルミニウムや合成樹脂等の柔らかい材質からなる研磨部3により容易に拭き取ることが可能となる。
前記スパッタは、溶接処理時において溶接屑や塵等が飛散してノズル24の内周面先端に付着・堆積したものであり、硬くて強固に付着しているため通常はカッタ刃などで削り落とす必要があった。しかし、本発明では前記ノズル24の内周面に塩素フリーで超極圧性能と低摩擦係数を実現した超極圧潤滑剤が塗布されて、金属表面と分子結合した極薄の化学被膜が形成されているものを対象としている。従って、ノズル24の内周面には前記化学被膜が形成されていて、高負荷、高荷重、高温多湿の過酷な条件下でもスムーズな潤滑性を保持している。そして、溶接処理時において発生する前記スパッタは、前記化学被膜上に軽く付着しているのみで、ノズル24の金属表面に強く固着したものではない。この結果、化学被膜上にあるスパッタは、例えば、アルミニウムや合成樹脂等の柔らかい材質からなる研磨部3により容易に拭き取ることが可能となる。
このように、前記ノズル24の内周面に化学被膜が形成されているという特性を活かして、本発明では前記研磨部3を、前記ノズル24を構成する金属よりも柔らかい材質で構成してある。具体的には、アルミニウム材あるいは耐熱性を有するポリエチレンやポリプロピレンやポリカーボネート等の合成樹脂材で形成することができる。また研磨部3はノズル24内に挿入可能な円筒体形状としてあり、前記研磨部3の摺動によりノズル内面に付着したスパッタを拭き取れるように構成してある。この結果、スパッタを除去する際にノズル内面が研磨部3により傷つけられることがない。
また、図4~図5に示されるように、前記研磨部3は駆動モータ4に連結されて、円筒体の軸方向を中心に回動自在となるように構成することができる。これにより、研磨部3を円滑に回転させてノズル24の内面に付着したスパッタをより確実に掻き落とすことが可能となる。なお、前記駆動モータは、研磨部3に限らずノズル24に連結することもでき、研磨部3あるいはノズル24のいずれかを回動自在とすればよい。
図において、5はモータ取付金具、6はユニット取付金具であり、これらを介して駆動モータ4が基台20に取り付けられている。
図において、5はモータ取付金具、6はユニット取付金具であり、これらを介して駆動モータ4が基台20に取り付けられている。
また、前記研磨部3の外表面にはスパッタ除去用の切削部7が形成されている。この切削部7はスパッタをより効率よく除去できるようにするものであり、例えば、図6に示されるように、研磨部3の外表面を軸方向に面取り加工して形成したエッジ7aとすることができる。あるいは、図7に示されるように、研磨部3の外表面に螺旋状に形成した突条7bとすることもできる。これらのエッジ7a又は突条7bによって、ノズル24の内周面に付着したスパッタを簡単かつ確実に除去できることとなる。
更に、図6に示されるように、前記研磨部3の基部には、該研磨部3よりも外径の大きな台座部8を連設し、これら基部と台座部8の連結段部8aにノズル24の先端面切削用の突起9を設けた構造とすることができる。この突起9は、連結段部8aに均等あるいはランダムに設けることができ、形状も任意のものとすることができる。この突起9により、ノズル24の先端面に付着したスパッタも同時に除去することが可能となる。
次に、本発明のノズルクリーナ装置によりノズル先端に付着したスパッタを除去する場合について説明する。
基台20内へ被溶接物であるワーク(図示せず)が搬入されると、ロボットアーム21が屈曲、回動してワーク上部の所定ポジションへ移動し溶接処理を行う。以後、この溶接作業を繰り返すことでノズル24の内部にスッパタが堆積した場合は、前記ロボットアーム21を屈曲、回動してノズル24をクリーナ装置本体1上部へ移動させる(図4を参照)。
基台20内へ被溶接物であるワーク(図示せず)が搬入されると、ロボットアーム21が屈曲、回動してワーク上部の所定ポジションへ移動し溶接処理を行う。以後、この溶接作業を繰り返すことでノズル24の内部にスッパタが堆積した場合は、前記ロボットアーム21を屈曲、回動してノズル24をクリーナ装置本体1上部へ移動させる(図4を参照)。
次に、前記ロボットアーム21を下降することで、研磨部3をノズル24内に沿わせて挿入する(図5を参照)。この時、ノズル24の内部には電極23が存在しており、研磨部3と干渉するおそれがある。しかし、前記研磨部3は円筒体形状であるため、研磨部3をノズル24に挿入した際に研磨部3がノズル24内面と電極23の間に入り干渉することはない(図8および図9の説明図を参照)。
また、ノズル24の先端面が連結段部8aに当接するまで研磨部3を挿入した後は、駆動モータ4により研磨部3を回動したり、ノズル24を軸方向に前後動させたりしてノズル21の内面に付着しているスパッタを剥離・除去する。前記スパッタは、前記ノズル21の外表面に形成されている化学被膜上に軽く付着しているだけであるから、研磨部3によって容易に剥離されることとなる。しかも、研磨部3によりノズル21が傷つけられることもない。
その後は、ロボットアーム21を作動してノズル24内から研磨部3を抜き去ればよい。ロボットアーム21は再び屈曲、回動してワーク上部の所定ポジションへ移動し溶接処理を続けることとなる。また、剥離したスパッタはボックス体2内に収納されて飛散することがないためきれいな環境を維持することができる。
以上の説明からも明らかなように、本発明はクリーナ装置本体が電極を作動するロボットアームの稼動域内に設けられ、このロボットアームの先端に取り付けてあるノズルを前記クリーナ装置本体へ搬送自在な構造となっており、また前記クリーナ装置本体は、桶状のボックス体と該ボックス体の底面中央部に立設される研磨部を有しており、この研磨部を、前記ノズルを構成している金属よりも柔らかい材質で構成するとともに、前記ノズル内に挿入可能な円筒体形状として、スパッタが付着したノズルを前記クリーナ装置本体へ搬送し、ノズル内に挿入した研磨部によりスパッタの除去を行うようにしたので、ノズルの内部に付着物が堆積した場合はロボットアームをクリーナ装置本体の方へ移動させてスパッタの除去処理を簡単に行うことができる。しかも電極をバラバラに分解することなく組み立てたままの状態で簡単かつ確実に除去処理を行うことができる。しかもノズルを傷つけることなくスパッタのみを除去することができる。
1 クリーナ本体
2 ボックス体
3 研磨部
4 駆動モータ
5 モータ取付金具
6 ユニット取付金具
7 切削部
7a エッジ
7b 突条
8 台座部
8a 連結段部
9 突起
20 基台
21 ロボットアーム
22 電極
23 コンタクトチップ
24 ノズル
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7b 突条
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9 突起
20 基台
21 ロボットアーム
22 電極
23 コンタクトチップ
24 ノズル
Claims (3)
- アーク溶接用電極のノズル先端に付着したスパッタを除去するためのノズルクリーナ装置であって、
クリーナ装置本体が前記電極を作動するロボットアームの稼動域内に設けられ、このロボットアームの先端に取り付けてあるノズルを前記クリーナ装置本体へ搬送自在な構造となっており、
また前記クリーナ装置本体は、桶状のボックス体と該ボックス体の底面中央部に立設される研磨部を有しており、
この研磨部を、前記ノズルを構成している金属よりも柔らかい材質で構成するとともに、前記ノズル内に挿入可能な円筒体形状として、
スパッタが付着したノズルを前記クリーナ装置本体へ搬送し、ノズル内に挿入した研磨部によりスパッタの除去を行うようにしたことを特徴とするノズルクリーナ装置。 - 研磨部あるいはノズルのいずれかが駆動モータに連結されて、軸方向を中心に回動自在となっている請求項1に記載のノズルクリーナ装置。
- 研磨部の外表面にスパッタ除去用の切削部が形成されている請求項1または2に記載のノズルクリーナ装置。
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