WO2017145796A1

WO2017145796A1 - 電池収容トレー及び電池梱包材

Info

Publication number: WO2017145796A1
Application number: PCT/JP2017/004861
Authority: WO
Inventors: 修二杉本; 恭介宮田; 重元　亮二
Original assignee: 三洋電機株式会社
Priority date: 2016-02-23
Filing date: 2017-02-10
Publication date: 2017-08-31
Also published as: US20190044109A1; CN108701789A; CN108701789B; JPWO2017145796A1; US10910612B2; JP6962312B2

Abstract

本発明の一態様に係る電池収容トレーは、柱状電池の長手方向の一方の端部が挿入される第１ポケット部を備えている。第１ポケット部は開口部、側面部、及び底部から構成されるカップ形状を有している。第１ポケット部の側面部は柱状電池と嵌合する嵌合部、及び柱状電池との間に空間を形成する溝を有する。その溝によって形成された空間が第１ポケット部の開口部に連結されている。本発明の一態様によれば、柱状電池を確実に保持することができるとともに柱状電池を容易に抜き取ることができる電池収容トレーを提供することができる。

Description

電池収容トレー及び電池梱包材

　本発明は、電池を確実に固定できるとともに電池の取り出しが容易な電池用トレー、及びそれを用いた電池用梱包材に関する。

　非水電解質二次電池やニッケル水素電池などの二次電池は繰り返して充放電を行うことができ、経済的で環境適合性に優れていることから大きな需要を有している。特に、非水電解質二次電池は軽量で高エネルギー密度を有するため、スマートフォンやタブレット型コンピュータなどの小型の電子機器の駆動電源として広く用いられている。さらに、非水電解質二次電池の用途は電動工具、電動アシスト自転車、電気自動車、及び蓄電システムなどに拡大している。

　非水電解質二次電池は外装体の形状や材質に応じて、円筒形電池、角形電池、及びパウチ型電池に大別される。円筒形電池や角形電池には金属製の筒状の外装缶が用いられるため、これらを柱状電池と総称することもできる。

　柱状電池は多数の電池を直列又は並列に接続して組電池として使用するのに適している。組電池は、電池が一旦出荷された後に出荷先で組み立てられる場合が多い。出荷時に電池が梱包材に詰められているため、電池を組電池の製造工程に投入するために梱包材を開梱して電池を取り出す必要がある。

　特許文献１及び２は円筒形電池用の包装箱を開示しており、長手方向が上下方向となるように円筒形電池が包装箱に梱包されている。特許文献２では、電池同士を離間するハニカム構造を有する仕切り板が包装箱に入れられており、電池は六角形の筒状部の中に挿入される。この仕切り板を側面方向から押しつぶすことで筒状部の大きさを変えることができるため、電池の大きさによって仕切り板を入れ替える必要がない。

　特許文献３は、ポケット部を有する二つのトレーを円筒形電池の上下に被せて収容ケースに収容する電池の梱包構造を開示している。この梱包構造によれば、電池がポケット部に固定されるため、輸送時に電池が接触することがない。また、ポケットの底部に電池の角部が接触しないように空間が形成されているので、輸送時の電池のダメージが防止される。

特開２００９－１９３６９１号公報実開平５－３１１９号公報ＷＯ２０１３／０３１１９４号

　特許文献１に開示された包装箱には電池を固定する手段が設けられていないため、包装箱内での電池の位置が安定しない。そのため、包装箱から電池を抜き取る工程を自動化することが難しい。特許文献２に開示された包装箱には電池サイズに合わせて変形することができる仕切り板が用いられているため、包装箱内での電池の位置が確実に固定される。しかし、その包装箱は電池を抜き取る工程を自動化するのに適していない。

　一方、特許文献３に開示された電池の梱包構造によれば、電池包装箱からではなく電池収容トレーから電池を抜き取ることになるため、その梱包構造は電池の抜き取り工程を自動化するのに適している。しかしながら、電池収容トレーによる電池の保持機能を高めるためにポケット部の内径を小さくするとポケット部の内面と電池の外表面の間の気密性が高まってしまう。そのため、ポケット部からの電池の抜き取ろうとすると、ポケット部の内面と電池の外表面に囲まれる領域の気圧が低下して、電池の抜き取りが困難になるという問題が生じる。つまり、電池収容トレーの電池の保持機能の向上と電池の抜き取りやすさの改善がトレードオフの関係になるため、それらをいかに両立させるかが課題となる。

　本発明は上記に鑑みてなされたものであり、電池を確実に保持することができるとともに電池を容易に抜き取ることができる電池収容トレー、及びそれを用いた電池梱包材を提供することを目的とする。

　上記課題を解決するために本発明の一態様に係る電池収容トレーは、柱状電池の長手方向の一方の端部が挿入される第１ポケット部を備えている。第１ポケット部は開口部、側面部、及び底部から構成されるカップ形状を有する。第１ポケット部の側面部は、柱状電池と嵌合する嵌合部、及び柱状電池との間に空間を形成する溝を有する。その溝によって形成された空間が第１ポケット部の開口部に連結されている。

　第１ポケット部の側面部が開口部側の端部から底部に向けて第１ポケット部の内側に狭まるテーパー部を有することが好ましい。

　本発明の一態様に係る電池梱包材は、柱状電池の長手方向の一方の端部に配置される第１電池収容トレーと、柱状電池の長手方向の他方の端部に配置される第２電池収容トレーと、第１及び第２電池収容トレーの外周部を囲む外枠並びに底板を有するインナーカートンと、前記インナーカートンを収容する箱型のアウターカートンを備えている。第１電池収容トレーとして、上記の本発明の一態様に係る電池収容トレーが用いられる。第１電池収容トレーの外周部には外周方向に突出する凸部が設けられていることが好ましい。第２電池収容トレーは柱状電池の長手方向の他方の端部が挿入される第２ポケット部を有する。インナーカートンの外枠が第１トレーに設けられた凸部を挿入する凹部又は貫通孔を有する。

　本発明の一態様によれば、電池収容トレーに設けられた第１ポケット部の側面部が電池を確実に保持することができる。さらに、第１ポケット部の側面部に設けられた溝によって電池と側面部の間に空間が形成されるため電池の抜き取りが容易となる。そのため、本発明の一態様によれば、電池を確実に保持することができるとともに電池を容易に抜き取ることができる電池収容トレー、及びそれを用いた電池梱包材を提供することができる。

図１は電池収容トレーの平面図である。図２は電池収容トレーに設けられたポケット部の平面図である。図３はポケット部に電池が挿入された状態の図２のＡ－Ａ線断面図である。図４はポケット部に電池が挿入された状態の図２のＢ－Ｂ線断面図である。図５は図２のＡ－Ａ線断面図である。図６は電池梱包材の構成部材の斜視図である。図７電池を挟持している第１電池収容トレー及び第２電池収容トレー側面図である。

　以下、本発明の実施形態に係る電池収容トレー及び電池梱包材を図面に基づいて詳細に説明する。電池収容トレーに収容される柱状電池の例として円筒形電池を用いる。

　円筒形電池は有底円筒状の金属製の外装缶を用いている。外装缶の開口部はガスケットを介して封口体がかしめ固定されている。封口体の中心部にはキャップ状の正極端子が設けられている。そのため、円筒形電池は平坦な底部と、キャップ状の頂部を有する。本実施形態では、電池の底部を収容する電池収容トレーを用いた例について説明する。

（電池収容トレー）
　本発明の一実施形態に係る電池収容トレー１０は、図１に示すように、電池４０が挿入されるカップ状の第１ポケット部１１を有している。本実施形態では、第１ポケット部１１が電池収容トレー１０に５行５列に配置されているが、第１ポケット部１１の配置方法は任意に決定することができる。電池収容トレー１０の平面形状は矩形であることが好ましい。電池収容トレー１０の外周部には外周方向に突出する凸部２０が設けられている。凸部２０は必ずしも必要ではない。また、凸部２０の数や配置方法は特に限定されない。しかし、電池収容トレー１０の持ち運びを容易にする、又は電池収容トレー１０を梱包箱の中に収納してその中で固定する、といった理由から凸部２０を設けることが好ましい。

　第１ポケット部１１は、図２及び図３に示すように開口部１２、側面部１３、及び底部１４から構成されている。側面部１３は溝１５、テーパー部１６、及び嵌合部１７を有し、底部１４は貫通孔１９及び膨出部１８を有している。これらの中で、溝１５及び嵌合部１７は本発明の必須の要素であり、その他は任意の要素である。

　図３及び図４はそれぞれ図２のＡ－Ａ線及びＢ－Ｂ線断面図である。図３及び図４には、第１ポケット部１１に挿入された電池４０の断面を示している。テーパー部１６は側面部１３の開口部１２側の端部から底部１４に向けて第１ポケット部１１の内径が小さくなるように設けられている。テーパー部１６は電池４０と嵌合しないが、テーパー部１６を除く部分が電池４０と嵌合する嵌合部１７となる。図４に示すように、側面部１３において、開口部１２側の端部から底部１４側の端部にかけて溝１５を形成することで、嵌合部１７と電池４０の間の気密性が低下するため、電池４０の抜き取りが容易になる。

　溝１５は側面部１３の開口部１２側の端部から嵌合部１７の一部までに止めて形成してもよい。嵌合部１７の少なくとも一部分にまで溝１５が形成されれば、側面部１３と電池４０の間の気密性が低下して、電池の抜き取りが容易になる。この場合は、溝１５は側面部１３の開口部１２側の端部から嵌合部１７の高さの中心線を越えて形成されることが好ましい。側面部１３がテーパー部１６を有する場合は、溝１５は嵌合部１７から側面部１３の開口部１２側の端部にまで形成する必要はなく、テーパー部１６の一部までに止めて形成してもよい。この場合は、溝１５によって形成された電池４０と側面部１３との間の空間がテーパー部１６によって形成された電池４０と側面部１３との間の空間によって開口部１２に間接的に連結される。

　本実施形態では、溝１５は直線状に形成されているが、曲線状に形成されていてもよい。溝１５の長さ方向に垂直な断面はＵ字形状を有しているが、Ｖ字形状など他の形状を採用することもできる。溝１５の深さは長さ方向に沿って変化させることができる。例えば、開口部１２側から底部１４側に向けて連続的に深さを浅くしてもよい。本実施形態では四つの溝１５が底部１４の中心に対して点対称に配置されているが、溝の数や配置は特に制限はない。しかし、第１ポケット部１１の底部１４の中心に対して点対称に複数の溝が配置されていることが好ましい。

　テーパー部１６が側面部１３に設けられることで、開口部１２の内径を電池４０の外径より大きくすることができるので、電池４０の第１ポケット部１１への挿入が容易になる。そのため、テーパー部１６を側面部１３に設けることが好ましい。側面部１３の一部は電池４０と嵌合する必要があるため、テーパー部１６は側面部１３の開口部１２側の端部から所定の範囲内に形成する必要がある。例えば、側面部１３の開口部１２から第１ポケット部の深さＤに対して１０％以上９０％以下の深さの範囲で形成されていることが好ましい。ここで、第１ポケット部１１の深さＤは開口部１２から底面までの距離を意味する。底面は、底部１４における膨出部と貫通孔を除く平面部である。底部１４に複数の底面で段差が形成される場合は、最も小さな深さＤが基準値として選択される

　テーパー部１６のテーパー角度は特に限定されないが、第１ポケット部１１の深さ方向に対して１度以上２０度以下であることが好ましい。また、テーパー部１６の開口部１２側の端部は面取りされていてもよい。

　膨出部１８は、第１ポケット部１１の底部１４の外周縁に沿って開口部１２とは反対方向に膨らむように形成されている。膨出部１８が形成されることによって電池４０の角部が電池収容トレー１０に接触しないため、第１ポケット部１１に挿入された電池４０が輸送時に振動を受けても電池収容トレー１０の削り粉の発生が防止される。

　貫通孔１９は底部１４の中心部に形成されている。負極板に接続されたタブが電池４０の底部に抵抗溶接又はレーザー溶接により接合されるため、電池４０の底部の中心部の表面粗さが大きくなっている場合がある。表面粗さの大きい電池４０の底部の中心部との摩擦による電池収容トレー１０の削り粉の発生を防止するために、貫通孔を形成することが好ましい。貫通孔１９に代えて底部１４の中心部にも外周縁と同様に膨出部を設けてもよい。なお、貫通孔１９は底部１４の中心部を含むように形成することが好ましく、その形状や大きさは挿入する電池の形状や大きさに応じて適宜決定することができる。

　本実施形態に係る電池収容トレー１０は、例えば、ポリエチレンシート及びポリプロピレンシートなどのプラスチックシートの真空成形により作製することができる。プラスチックシートには防錆剤を添加してもよい。

（電池梱包材）
　本実施形態に係る電池梱包材３０は、図６に示すように第１電池収容トレー３１、第２電池収容トレー３２、インナーカートン３４、及びアウターカートン３６を含む。第１及び第２電池収容トレー３１、３２は、電池４０を挟持した状態でインナーカートン３４に収容され、さらにそのインナーカートン３４がアウターカートン３６に収容される。このようにして本実施形態に係る電池梱包材３０に電池４０が収容される。以下、本実施形態に係る電池梱包材３０の構成部品について詳細を説明する。

　第１電池収容トレー３１として、上記で説明した本実施形態に係る電池収容トレー１０が用いられる。電池４０を電池梱包材３０に収容する場合は、まず第１電池収容トレー３１の第１ポケット部１１に電池４０の底部が収容される。また、本実施形態では第１電池収容トレー３１の外周部には外周方向に突出する凸部２０が設けられている。この凸部２０は第１電池収容トレー３１をインナーカートン３４に固定するために用いられる。

　第２電池収容トレー３２には電池４０の頂部が挿入される第２ポケット部３３が形成されている。つまり、電池４０の両端部がそれぞれ第１及び第２ポケット部１１、３３に挿入されて、図７に示すように電池４０が第１及び第２電池収容トレー３１、３２の間に挟持される。電池４０は第１電池収容トレー３１の嵌合部１７に保持されるため、第２ポケット部には第１ポケット部１１のように嵌合部を形成する必要はない。もちろん、第２ポケット部３３にも電池４０との嵌合部を形成してもよいが、その場合は第１ポケット部１１と同様に溝１５やテーパー部１６を設けることが好ましい。第２電池収容トレー３２は、例えばポリエチレンシート及びポリプロピレンシートなどのプラスチックシートの真空成形により作製することができる。

　第１及び第２電池収容トレー３１、３２に収容された電池４０はインナーカートン３４に収納される。インナーカートン３４は、第１及び第２電池収容トレー３１、３２の外周部を囲む外枠を有している。インナーカートン３４は、プラスチック板や段ボール板を成形して作製することができる。インナーカートン３４の外枠には凹部３５が設けられており、その凹部３５に第１電池収容トレー３１の凸部２０を挿入することによりインナーカートン３４内の第１及び第２電池収容トレー３１、３２の縦方向の移動が防止される。ここでいう縦方向は、第１及び第２電池収容トレー３１、３２の積層方向をいう。凹部３５は凸部２０を挿入することができればよいため、凹部３５は貫通孔とすることもできる。

　最後に、インナーカートン３４をアウターカートン３６に収納して、電池４０の電池梱包材３０への梱包が完了する。アウターカートン３６として、段ボール箱を用いることができる。

　本発明によれば、電池を確実に保持することができるとともに電池を容易に抜き取ることができる電池収容トレー、及びそれを用いた電池梱包材を提供することができる。そのため、本発明の産業上の利用可能性は大きい。

１０　　　電池収容トレー
１１　　　第１ポケット部
１２　　　開口部
１３　　　側面部
１４　　　底部
１５　　　溝
１６　　　テーパー部
１７　　　嵌合部
１８　　　膨出部
１９　　　貫通孔
２０　　　凸部
３０　　　電池梱包材
３１　　　第１電池収容トレー
３２　　　第２電池収容トレー
３３　　　第２ポケット部
３４　　　インナーカートン
３５　　　凹部
３６　　　アウターカートン
４０　　　電池

Claims

　柱状電池の長手方向の一方の端部が挿入される第１ポケット部を備えた電池収容トレーであって、
　前記第１ポケット部は開口部、側面部、及び底部から構成されるカップ形状を有し、
　前記側面部は前記柱状電池と嵌合する嵌合部、及び前記柱状電池との間に空間を形成する溝を有し、
　前記溝によって形成された空間が前記開口部に連結されている、
　電池収容トレー。
　前記溝が前記側面部の開口部側の端部から底部側の端部にかけて形成されている請求項１に記載の電池収容トレー。
　前記側面部が、前記開口部側の端部から前記底部側に向けて前記第１ポケット部の内径が小さくなるように形成されたテーパー部を有している請求項１に記載の電池収容トレー。
　前記ポケット部の深さを前記開口部から前記底部までの最短距離としたとき、前記テーパー部は前記開口部から前記ポケット部の深さの１０％以上９０％以下の深さの範囲内に設けられている請求項３に記載の電池収容トレー。
　前記底部がその中心部を含む範囲に形成された貫通孔を有する請求項１から４のいずれかに記載の電池収容トレー。
　前記底部が前記開口部とは反対方向に膨らむ膨出部を外周縁に沿う位置に有する請求項１から５のいずれかに記載の電池収容トレー。
　前記電池収容トレーの外周部が外周方向に突出する凸部を有する請求項１から６のいずれかに記載の電池収容トレー。
　前記柱状電池の長手方向の一方の端部に配置される第１電池収容トレーと、前記長手方向の他方の端部に配置される第２電池収容トレーと、前記第１電池収容トレー及び前記第２電池収容トレーの外周部を囲む外枠を有するインナーカートンと、前記インナーカートンを収容する箱型のアウターカートンを備える電池梱包材であって、
　前記第１電池収容トレーとして請求項７に記載の前記電池収容トレーが用いられ、
　前記第２電池収容トレーは前記柱状電池の他方の端部が挿入される第２ポケット部を有し、
　前記インナーカートンの外枠が前記凸部を挿入する凹部又は貫通孔を有する、
　電池梱包材。