以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る蓄電素子について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、以下の説明及び図面中において、蓄電素子の電極体の巻回軸方向をX軸方向(以下、第一方向ともいう)と定義する。つまり、X軸方向(第一方向)は、集電体もしくは電極端子の並び方向、または、容器の短側面の対向方向として定義できる。また、蓄電素子の上下方向をZ軸方向(以下、第二方向ともいう)と定義する。つまり、Z軸方向(第二方向)は、集電体の足が延びる方向、または、容器の短側面の長手方向として定義できる。また、X軸方向及びZ軸方向と交差する方向をY軸方向と定義する。つまり、Y軸方向は、容器の長側面の対向方向、容器の短側面の短手方向、または、容器の厚さ方向として定義できる。
(実施の形態)
まず、蓄電素子10の構成について、説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子10の外観を模式的に示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子10の容器100の容器本体111を分離して蓄電素子10が備える各構成要素を示す斜視図である。図3は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子10を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。なお、図3は、容器100の容器本体111及びスペーサ400、500を省略して図示している。
蓄電素子10は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。特に、蓄電素子10は、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)、またはハイブリッド電気自動車(HEV)に適用される。なお、蓄電素子10は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。
これらの図に示すように、蓄電素子10は、容器100と、正極端子200と、負極端子300とを備えている。また、容器100内方には、絶縁部材120、130と、正極集電体140と、負極集電体150と、2つの電極体である第一電極体161及び第二電極体162と、スペーサ400、500とが収容されている。
また、蓄電素子10の容器100の内部には電解液(非水電解液)などの液体が封入されているが、当該液体の図示は省略する。なお、容器100に封入される電解液としては、蓄電素子10の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく様々なものを選択することができる。
容器100は、矩形筒状で底を備える容器本体111と、容器本体111の開口を閉塞する板状部材である蓋体110とで構成されている。また、容器100は、第一電極体161及び第二電極体162等を内部に収容後、蓋体110と容器本体111とが溶接等されることにより、内部を密封することができるものとなっている。なお、蓋体110及び容器本体111の材質は、特に限定されないが、例えばステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金など溶接可能な金属であるのが好ましい。
第一電極体161及び第二電極体162は、並列に配置される2つの発電要素であり、ともに、正極集電体140及び負極集電体150と電気的に接続される。なお、第一電極体161と第二電極体162とは、同様の構成を有している。
具体的には、第一電極体161及び第二電極体162は、正極と負極とセパレータとを備え、電気を蓄えることができる部材である。正極は、アルミニウムやアルミニウム合金などからなる長尺帯状の金属箔である正極基材層上に正極活物質層が形成されたものである。また、負極は、銅や銅合金などからなる長尺帯状の金属箔である負極基材層上に負極活物質層が形成されたものである。また、セパレータは、樹脂からなる微多孔性のシートである。
ここで、正極活物質層に用いられる正極活物質、または負極活物質層に用いられる負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極活物質または負極活物質であれば、適宜公知の材料を使用できる。
そして、第一電極体161及び第二電極体162は、正極と負極との間にセパレータが挟み込まれるように層状に配置されたものが巻き回されて形成されている。なお、同図では、第一電極体161及び第二電極体162の形状としては長円形状を示したが、円形状または楕円形状でもよい。また、第一電極体161及び第二電極体162の形状は巻回型に限らず、平板状極板を積層した形状でもよい。
なお、第一電極体161及び第二電極体162は、正極側の端部160aと負極側の端部160bとを有している。端部160aは、正極の活物質層非形成部が積層されて束ねられた電極体の正極側の端部であり、端部160bは、負極の活物質層非形成部が積層されて束ねられた電極体の負極側の端部である。なお、正極の活物質層非形成部とは、正極のうち正極活物質が塗工されず正極基材層が露出した(正極活物質層が形成されていない)部分であり、負極の活物質層非形成部とは、負極のうち負極活物質が塗工されず負極基材層が露出した(負極活物質層が形成されていない)部分である。
また、第一電極体161及び第二電極体162は、絶縁性のフィルムである絶縁フィルム163が周囲に巻きつけられて、束ねられている。ここで、絶縁フィルム163は、長方形状のシート状の樹脂製の部材であり、第一電極体161及び第二電極体162に巻きつけられて、巻き終わり部分を絶縁テープなどにより留められることで、固定される。なお、絶縁フィルム163の材質は、絶縁性を有するフィルムであれば限定されない。
以上のように、蓄電素子10は、複数の電極体(本実施の形態では2つの電極体)を有しているため、同一体積(容積)の容器100に単数の電極体を用いる場合に比べ、以下の点で好ましい。つまり、複数の電極体を用いることで、単数の電極体を用いる場合に比べ、容器100のコーナー部のデッドスペースが減り、電極体の占める割合が向上するため、蓄電素子10の容量アップにつながる。また、特に、高入出力(ハイレート)用の電極体では、高容量タイプの電極体に比べて、金属箔上の活物質の量を減らす必要があり、電極体中での金属箔やセパレータの割合が高まる。このため、単数の電極体を用いた場合は電極の巻き数が多くなるため硬くて柔軟性が低く容器100に挿入しづらくなるが、複数の電極体を用いることで1つの電極体における巻き数を少なくし、柔軟性が高い電極体を実現することができる。
正極集電体140は、第一電極体161及び第二電極体162の正極側に配置され、正極端子200と第一電極体161及び第二電極体162の正極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、正極集電体140は、第一電極体161及び第二電極体162の正極基材層と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金などで形成されている。
具体的には、正極集電体140は、第一電極体161及び第二電極体162の正極側の端部160aに溶接等によって接合されることで、第一電極体161及び第二電極体162の正極と接続される。また、正極集電体140には、開口部140aが形成されており、開口部140aに後述の正極端子200の接続部210が挿入されることで、正極集電体140と正極端子200とが接続される。
負極集電体150は、第一電極体161及び第二電極体162の負極側に配置され、負極端子300と第一電極体161及び第二電極体162の負極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、負極集電体150は、第一電極体161及び第二電極体162の負極基材層と同様、銅または銅合金などで形成されている。
具体的には、負極集電体150は、第一電極体161及び第二電極体162の負極側の端部160bに溶接等によって接合されることで、第一電極体161及び第二電極体162の負極と接続される。また、負極集電体150には、開口部150aが形成されており、開口部150aに後述の負極端子300の接続部310が挿入されることで、負極集電体150と負極端子300とが接続される。
絶縁部材120、130は、容器100の内方に配置された状態で、容器100に固定された固定部材である。ここで、固定部材とは、蓄電素子10が組み立てられた状態において容器100に固定されている部材であればよく、蓄電素子10の解体時には容器100から取り外し可能な部材も含まれる。
具体的には、絶縁部材120は、容器100の蓋体110に固定され、正極集電体140と容器100とを絶縁する絶縁性の樹脂などで形成された矩形状のパッキンである。なお、絶縁部材120には、後述の正極端子200の接続部210が挿入される開口部120aが形成されている。
また、同様に、絶縁部材130は、容器100の蓋体110に固定され、負極集電体150と容器100とを絶縁する絶縁性の樹脂などで形成された矩形状のパッキンである。なお、絶縁部材130には、後述の負極端子300の接続部310が挿入される開口部130aが形成されている。
正極端子200は、第一電極体161の正極及び第二電極体162の正極に電気的に接続された電極端子であり、負極端子300は、第一電極体161の負極及び第二電極体162の負極に電気的に接続された電極端子である。つまり、正極端子200及び負極端子300は、第一電極体161及び第二電極体162に蓄えられている電気を蓄電素子10の外部空間に導出し、また、第一電極体161及び第二電極体162に電気を蓄えるために蓄電素子10の内部空間に電気を導入するための金属製の電極端子である。
また、正極端子200及び負極端子300は、第一電極体161及び第二電極体162の上方に配置された蓋体110に取り付けられている。具体的には、図3に示すように、正極端子200には、正極端子200と正極集電体140とを電気的に接続する接続部210が設けられている。
接続部210は、正極集電体140の開口部140aに挿入されて、正極集電体140に接続される部材であり、例えばリベットである。つまり、正極端子200は、接続部210が蓋体110の貫通孔110aと絶縁部材120の開口部120aと正極集電体140の開口部140aとに挿入されて、かしめられることにより、絶縁部材120及び正極集電体140とともに蓋体110に固定される。
また同様に、負極端子300には、負極端子300と負極集電体150とを電気的に接続する接続部310が設けられている。接続部310は、負極集電体150の開口部150aに挿入されて、負極集電体150に接続される部材であり、例えばリベットである。つまり、負極端子300は、接続部310が蓋体110の貫通孔110bと絶縁部材130の開口部130aと負極集電体150の開口部150aとに挿入されて、かしめられることにより、絶縁部材130及び負極集電体150とともに蓋体110に固定される。
なお、正極端子200と蓋体110との間、及び負極端子300と蓋体110との間にも、パッキン等の絶縁部材が配置されているが、同図では省略して図示している。
スペーサ400、500は、集電体の側方であるX軸方向(以下、第一方向ともいう)に配置され、当該第一方向と交差するZ軸方向(以下、第二方向ともいう)に延びるスペーサである。
具体的には、スペーサ400は、正極集電体140のX軸方向プラス側に、正極集電体140と容器100の側壁とで挟まれ、かつ当該側壁に沿って延びるように配置されている。また、スペーサ500は、負極集電体150のX軸方向マイナス側に、負極集電体150と容器100の側壁とで挟まれ、かつ当該側壁に沿って延びるように配置されている。
つまり、スペーサ400とスペーサ500とは、第一電極体161及び第二電極体162をX軸方向の両端から挟み込むように、第一電極体161及び第二電極体162の両端と容器100の両側壁との間に配置されている。
ここで、スペーサ400、500は、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、セラミック、およびそれらの複合材料などの絶縁性の材料で形成されている。つまり、スペーサ400、500は、第一電極体161、第二電極体162、正極集電体140及び負極集電体150と容器100とを絶縁する。また、スペーサ400、500は、第一電極体161、第二電極体162、正極集電体140及び負極集電体150と容器100との間のスペースを埋めることにより、第一電極体161、第二電極体162、正極集電体140及び負極集電体150が容器100に対して振動しないように支持する。
また、スペーサ400は、第一方向(X軸方向)と交差する第二方向(Z軸方向)において正極集電体140の一部と当接することで、正極集電体140の第二方向への移動を規制する機能も有している。また、同様に、スペーサ500は、当該第二方向(Z軸方向)において負極集電体150の一部と当接することで、負極集電体150の第二方向への移動を規制する機能も有している。詳細については、後述する。
次に、正極集電体140及び負極集電体150の構成について、詳細に説明する。なお、正極集電体140と負極集電体150とは、同様の構成を有するため、以下では正極集電体140についての説明を行い、負極集電体150についての説明は省略する。
図4は、本発明の実施の形態に係る正極集電体140の構成を示す斜視図である。具体的には、同図は、図3に示された正極集電体140を奥側の斜め下方から見た場合の斜視図である。また、図5は、本発明の実施の形態に係る正極集電体140を正面(X軸方向マイナス側)から見た場合の正面図である。
また、図6は、本発明の実施の形態に係る正極集電体140が第一電極体161及び第二電極体162に接続されている構成を示す断面図である。具体的には、同図は、図2に示した正極集電体140が第一電極体161及び第二電極体162に接合された状態をXY平面に平行な平面で切断した場合の断面を示す断面図である。
これらの図に示すように、正極集電体140は、端子接続部141と、複数の電極体接続部(本実施の形態では、外側電極体接続部142、143及び内側電極体接続部144、145の4つの電極体接続部)と、補強部146、147と、連結部148とを有している。
端子接続部141は、正極端子200と電気的に接続される矩形状かつ平板状の部位である。具体的には、端子接続部141は、正極端子200側(Z軸方向プラス側)に配置され、開口部140aに正極端子200の接続部210が挿入されて接続部210に接続されることで、正極端子200と接続される。
ここで、開口部140aは、端子接続部141に形成された円形状の貫通孔であり、具体的には、接続部210の外形状に対応した形状を有している。なお、開口部140aの形状は、円形状には限定されず、楕円形状や四角形状などであってもかまわないが、接続部210の外形状に対応した形状であるのが好ましい。また、開口部140aは、接続部210が挿入される開口部であれば貫通孔でなくともよく、半円形状や矩形状に切り欠いた切り欠き部などであってもかまわない。
複数の電極体接続部(外側電極体接続部142、143及び内側電極体接続部144、145)は、端子接続部141の端部に接続され、端子接続部141から下方(Z軸マイナス方向)に延びるように配置される長尺状かつ平板状(棒状)の部材である。具体的には、当該複数の電極体接続部は、複数の電極体である第一電極体161及び第二電極体162側(Z軸方向マイナス側)に配置され、当該複数の電極体に接続される。
ここで、外側電極体接続部142、143は、当該複数の電極体と接続される複数の電極体接続部のうちの外側の電極体接続部である。また、内側電極体接続部144、145は、当該複数の電極体と接続される複数の電極体接続部のうちの内側の電極体接続部である。
具体的には、外側電極体接続部142、143は、当該複数の電極体接続部のうちの最も外側の電極体接続部であり、端子接続部141の側面(Y軸方向の両側面)から当該複数の電極体に向けて垂れ下がるように配置されており、当該複数の電極体に接続される。つまり、外側電極体接続部142及び143は、Z軸方向に延びる部材であり、XZ平面に平行な面を対向して有しており、外側電極体接続部142は、第二電極体162に接続され、外側電極体接続部143は、第一電極体161に接続される。
また、外側電極体接続部142、143は、容器本体111の底面部には到達しない程度の長さになるように形成されている。本実施の形態では、外側電極体接続部142、143は、容器本体111の側面の半分程度の高さまで到達する長さになるように形成されている。なお、本実施の形態では、外側電極体接続部142と外側電極体接続部143とは、同じ長さになるように形成されているが、異なる長さになるように形成されていてもかまわない。
また、内側電極体接続部144、145は、端子接続部141の後方の側面(X軸方向プラス側の側面)の中央部分に接続された連結部148から当該複数の電極体に向けて垂れ下がるように配置されており、当該複数の電極体に接続される。つまり、内側電極体接続部144及び145は、Z軸方向に延びる部材であり、XZ平面に平行な面を対向して有しており、内側電極体接続部144は、第二電極体162に接続され、内側電極体接続部145は、第一電極体161に接続される。
また、内側電極体接続部144、145は、容器本体111の底面部には到達しない程度の長さになるように形成されている。本実施の形態では、内側電極体接続部144、145は、外側電極体接続部142、143と同様に、容器本体111の側面の半分程度の高さまで到達する長さになるように形成されている。なお、本実施の形態では、内側電極体接続部144と内側電極体接続部145とは、同じ長さになるように形成されているが、異なる長さになるように形成されていてもかまわない。また、内側電極体接続部144、145は、外側電極体接続部142、143と異なる長さになるように形成されていてもかまわない。
ここで、第一電極体161及び第二電極体162は、正極と負極とが、セパレータを介して、巻回軸(本実施の形態ではX軸方向に平行な仮想軸)の方向に互いにずらして巻回されている。そして、正極及び負極は、それぞれのずらされた方向の端縁部に、活物質層が形成されていない部分(活物質層非形成部)を有している。
具体的には、第一電極体161は、巻回軸方向の一端(X軸プラス方向の端部)に、正極の活物質層非形成部が積層された端部161a及び161bを有している。また、同様に、第二電極体162は、X軸プラス方向の端部に、正極の活物質層非形成部が積層された端部162a及び162bを有している。なお、端部161a、161b及び端部162a、162bは、上述の端部160aに含まれる。
そして、外側電極体接続部142は、第二電極体162の正極側の端部162bに、超音波溶接や抵抗溶接などの溶接等によって接合される。また、外側電極体接続部143についても同様に、第一電極体161の正極側の端部161aに、超音波溶接や抵抗溶接などの溶接等によって接合される。
また、内側電極体接続部144は、第二電極体162の正極側の端部162aに、超音波溶接や抵抗溶接などの溶接等によって接合される。また、内側電極体接続部145についても同様に、第一電極体161の正極側の端部161bに超音波溶接や抵抗溶接などの溶接等によって接合される。
つまり、第一電極体161には、外側電極体接続部143及び内側電極体接続部145が接続され、第二電極体162には、外側電極体接続部142及び内側電極体接続部144が接続される。このように、複数の電極体接続部は、複数の電極体のうちの1つの電極体の正極または負極に2つの電極体接続部が接続されて配置されている。
また、当該複数の電極体接続部のうちの少なくとも1つの電極体接続部は、電極体との接続部分において、厚みが薄くなるように形成されている。本実施の形態では、全ての電極体接続部が、電極体との接続部分において、厚みが薄くなるように形成されている。
つまり、外側電極体接続部142は、端子接続部141側の厚み(D1)よりも、第二電極体162との接続部分における厚み(D2)の方が薄くなるように形成されている。また、外側電極体接続部143についても同様に、端子接続部141側の厚みよりも、第一電極体161との接続部分における厚みの方が薄くなるように形成されている。
また、内側電極体接続部144は、端子接続部141側の厚み(D3)よりも、第二電極体162との接続部分における厚み(D4)の方が薄くなるように形成されている。また、内側電極体接続部145についても同様に、端子接続部141側の厚みよりも、第一電極体161との接続部分における厚みの方が薄くなるように形成されている。
補強部146、147は、複数の電極体接続部のうちのいずれかの電極体接続部と端子接続部141とに接続され、当該電極体接続部と端子接続部141との接続強度を補強する部位である。また、補強部146、147は、1つの電極体に接続される2つの電極体接続部のうちの少なくとも1つの電極体接続部と端子接続部141とに接続されている。
つまり、補強部146、147は、複数の電極体接続部のうちの最も外側の電極体接続部である外側電極体接続部142、143と端子接続部141とに接続され、外側電極体接続部142、143と端子接続部141との接続強度を補強する。具体的には、補強部146は、端子接続部141の側面(Y軸方向プラス側の側面)と外側電極体接続部142とに接続され、補強部147は、端子接続部141の側面(Y軸方向マイナス側の側面)と外側電極体接続部143とに接続されている。
このように、正極集電体140において、1つの電極体に接続される2つの電極体接続部のうちの一方の電極体接続部と端子接続部141との接続強度は、他方の電極体接続部と端子接続部141との接続強度よりも大きいように形成されている。つまり、複数の電極体接続部のうちの最も外側の電極体接続部と端子接続部141との接続強度は、他の電極体接続部と端子接続部141との接続強度よりも大きいように形成されている。
さらに具体的には、補強部146は、外側電極体接続部142の上端部(Z軸方向プラス側の端部)から端子接続部141の側面(Y軸方向プラス側の側面)に沿って、端子接続部141の前後方向(X軸方向)に延びるように形成されたリブである。また、補強部147は、外側電極体接続部143の上端部(Z軸方向プラス側の端部)から端子接続部141の側面(Y軸方向マイナス側の側面)に沿って、端子接続部141の前後方向(X軸方向)に延びるように形成されたリブである。
なお、補強部146、147は、リブには限定されず、外側電極体接続部142、143と端子接続部141との接続強度を補強する機能を果たす形状であれば、平板状など、どのような形状であってもかまわない。また、補強部146、147は、他の部位と同じ材質で形成されていることとしたが、他の部位よりも強度が高い材質によって形成されていてもよい。
連結部148は、複数の電極体と接続される複数の電極体接続部のうちの隣り合う2つの電極体接続部を連結する矩形状かつ平板状の部位である。具体的には、連結部148は、内側電極体接続部144と内側電極体接続部145とを連結する。また、連結部148は、端子接続部141の後方の側面(X軸方向プラス側の側面)の中央部分に接続されており、端子接続部141と内側電極体接続部144及び145とを接続する機能も有している。
また、連結部148は、複数の電極体のうちの隣り合う2つの電極体の間に配置される。つまり、連結部148は、第一電極体161と第二電極体162との間に配置される。また、連結部148は、スペーサ400と当接することで、正極集電体140の移動を規制する。詳細については、後述する。
また、正極集電体140において、端子接続部141と、外側電極体接続部142及び143と、内側電極体接続部144及び145と、補強部146及び147と、連結部148とは、1枚の金属板を曲げ加工及び/または絞り加工することで形成されている。つまり、それぞれの電極体接続部は、端子接続部141から捻られることなく折り曲げられるなどして形成されている。
次に、絶縁部材120及び130の構成について、詳細に説明する。なお、絶縁部材120と絶縁部材130とは、同様の構成を有するため、以下では絶縁部材120についての説明を行い、絶縁部材130についての説明は省略する。
図7は、本発明の実施の形態に係る絶縁部材120の構成を示す斜視図である。具体的には、同図は、図3に示された絶縁部材120を奥側の斜め下方から見た場合の斜視図である。
同図に示すように、絶縁部材120は、絶縁部材本体部121と、絶縁部材壁部122とを備えている。絶縁部材本体部121は、絶縁部材の本体であり、正極集電体140と容器100の蓋体110との間に配置されて正極集電体140と容器100とを絶縁する矩形状かつ平板状の部位である。また、絶縁部材本体部121には、正極端子200の接続部210が挿入される開口部120aが形成されている。
ここで、開口部120aは、円形状の貫通孔であり、具体的には、接続部210の外形状に対応した形状を有している。なお、開口部120aの形状は、円形状には限定されず、楕円形状や四角形状などであってもかまわないが、接続部210の外形状に対応した形状であるのが好ましい。また、開口部120aは、接続部210が挿入される開口部であれば貫通孔でなくともよく、半円形状や矩形状に切り欠いた切り欠き部などであってもかまわない。
絶縁部材壁部122は、絶縁部材本体部121の外縁から下方(Z軸マイナス方向)に突起した突起状の壁部であり、絶縁部材本体部121の外縁の周囲を囲うように平板状の部材が環状に形成されている。ここで、絶縁部材壁部122は、後述のスペーサ400の第一突起部411、412と係合する係合部122a、122bを有している。
係合部122a、122bは、平板状の部位であり、当該スペーサ400の第一突起部411、412と係合することで、容器100の内方へのスペーサ400の移動を規制する。なお、係合部122a、122bは、絶縁部材本体部121の外縁から下方(Z軸マイナス方向)に突起した突起状の部位(突起部)であってもかまわない。詳細については、後述する。
次に、スペーサ400及び500の構成について、詳細に説明する。なお、スペーサ400とスペーサ500とは、同様の構成を有するため、以下ではスペーサ400についての説明を行い、スペーサ500についての説明は省略する。
図8は、本発明の実施の形態に係るスペーサ400の構成を示す斜視図である。具体的には、同図は、図3に示されたスペーサ400を奥側の斜め上方から見た場合の斜視図である。
また、図9Aは、本発明の実施の形態に係るスペーサ400の第一規制部413の構成を拡大して示す斜視図である。また、図9Bは、本発明の実施の形態に係るスペーサ400の第二規制部414及び第三規制部421、431の構成を拡大して示す斜視図である。具体的には、図9Aは、図8に示されたスペーサ400のA部を拡大して示す図であり、図9Bは、図8に示されたスペーサ400のB部を拡大して示す図である。
これらの図に示すように、スペーサ400は、スペーサ本体部410と、スペーサ側壁部420及び430と、スペーサ底面部440とを備えている。スペーサ本体部410は、スペーサ400の本体であり、第一突起部411及び412と、第一規制部413と、第二規制部414と、規制部側方配置部415及び416とを有している。
第一突起部411、412は、スペーサ本体部410の上端部(Z軸方向プラス側の端部)に配置されており、上方(Z軸プラス方向)に向けて突起した矩形状かつ平板状の部位である。第一突起部411、412は、絶縁部材120と係合することで、絶縁部材120に対するスペーサ400の位置を位置決めするとともに、第一方向(X軸方向)へのスペーサ400の移動を規制する。詳細については、後述する。
第一規制部413は、スペーサ本体部410の上部(Z軸方向プラス側の部分)の中央部分に配置されており、前方(X軸方向マイナス側)に突起し、上下方向(Z軸方向)に延びる長尺状の部位である。つまり、第一規制部413は、2つの電極体である第一電極体161及び第二電極体162の間に配置され、第一電極体161及び第二電極体162に向けて突出して形成されている。
これにより、第一規制部413は、スペーサ400の強度を補強する。また、第一規制部413は、正極集電体140と係合することで、第一方向(X軸方向)及び第二方向(Z軸方向)への正極集電体140の移動を規制する。
具体的には、第一規制部413は、図9Aに示すように、第一上面部413aと、第二突起部413bとを有している。第一上面部413aは、第一規制部413の上側(Z軸方向プラス側)の面であり、正極集電体140の連結部148の下方に配置される平面形状の部位である。また、第二突起部413bは、第一上面部413aから上方(Z軸方向プラス側)に突起したY軸方向に延びるリブであり、正極集電体140の側方に突出して配置される。
そして、第一上面部413aは、正極集電体140と係合することで第二方向への正極集電体140の移動を規制し、第二突起部413bは、正極集電体140と係合することで第一方向への正極集電体140の移動を規制する。詳細については、後述する。
第二規制部414は、スペーサ本体部410の下部(Z軸方向マイナス側の部分)の中央部分に配置されており、前方(X軸方向マイナス側)に突起し、上下方向(Z軸方向)に延びる長尺状の部位である。つまり、第二規制部414は、2つの電極体である第一電極体161及び第二電極体162の間に配置され、第一電極体161及び第二電極体162に向けて突出して形成されている。これにより、第二規制部414は、スペーサ400の強度を補強する。
具体的には、第二規制部414は、図9Bに示すように、第一規制部413よりも前方(X軸方向マイナス側)及び側方(Y軸方向)に突出しており、第二上面部414a及び414bを有している。つまり、第二上面部414a及び414bは、第二規制部414が第一規制部413よりも側方(Y軸方向)に突出することで形成された第二規制部414の上側(Z軸方向プラス側)の面であり、正極集電体140の電極体接続部144及び145の下方に配置される平面形状の部位である。
そして、第二規制部414の第二上面部414a及び414bは、正極集電体140と係合することで、第二方向(Z軸方向)への正極集電体140の移動を規制する。詳細については、後述する。なお、第二規制部414は、第一規制部413を下方から支持し、第一規制部413の強度を補強する役割も担っている。
規制部側方配置部415、416は、スペーサ本体部410の上部(Z軸方向プラス側の部分)の第一規制部413の両側方(Y軸方向の両側)に配置されており、前方(X軸方向マイナス側)に突起し、上下方向(Z軸方向)に延びる長尺状の部位である。規制部側方配置部415、416は、スペーサ400の強度を補強するとともに、スペーサ400を第一電極体161及び第二電極体162に対して位置決めする機能を有している。詳細については、後述する。
スペーサ側壁部420、430は、スペーサ本体部410の両側面から前方(X軸マイナス方向)に突出した部位である。具体的には、スペーサ側壁部420、430は、スペーサ本体部410の両側面に沿ってZ軸方向に延びる長尺状かつ平板状の部位であり、第三規制部421、431を有している。
第三規制部421、431は、スペーサ側壁部420、430の下部(Z軸方向マイナス側の部分)に配置されており、前方(X軸方向マイナス側)に突起し、上下方向(Z軸方向)に延びる長尺状の部位である。つまり、第三規制部421、431は、2つの電極体である第一電極体161及び第二電極体162の両側に配置され、第一電極体161及び第二電極体162に向けて突出して形成されている。これにより、第三規制部421、431は、スペーサ400の強度を補強する。
具体的には、第三規制部421及び431は、図9Bに示すように、スペーサ本体部410の内方へ向けて突出しており、第三規制部421は第三上面部421aを有し、第三規制部431は第三上面部431aを有している。つまり、第三上面部421a及び431aは、第三規制部421及び431が互いに対向する方向(第三上面部421aはY軸マイナス方向、第三上面部431aはY軸プラス方向)に突出することで形成された第三規制部421及び431の上側(Z軸方向プラス側)の面であり、正極集電体140の下方に配置される平面形状の部位である。
そして、第三規制部421及び431の第三上面部421a及び431aは、正極集電体140と係合することで、第二方向(Z軸方向)への正極集電体140の移動を規制する。詳細については、後述する。
なお、第三上面部421a及び431aは、スペーサ本体部410の内方へ向けて高さが高くなるように形成された傾斜面である。つまり、第三上面部421aは、Y軸マイナス方向へ向けて高さが高くなるように形成されており、第三上面部431aは、Y軸プラス方向へ向けて高さが高くなるように形成されている。これにより、Y軸方向への正極集電体140の移動を規制することができる。
スペーサ底面部440は、スペーサ本体部410の底部から前方に突出した矩形状かつ平板状の部位であり、容器100の底面部に載置されている。具体的には、スペーサ底面部440は、第一電極体161及び第二電極体162の底部と容器100の底面部との間に配置され、第一電極体161及び第二電極体162の底部と容器100の底面部との間の隙間を埋めるための部位である。
つまり、スペーサ400は、スペーサ底面部440が第一電極体161及び第二電極体162の底部と容器100の底面部との間に挟まれることで、容器100に対して固定されて配置されている。
次に、絶縁部材120及び130と正極集電体140及び負極集電体150とスペーサ400及び500との関係について、詳細に説明する。なお、絶縁部材120、正極集電体140及びスペーサ400と、絶縁部材130、負極集電体150及びスペーサ500とは、同様の構成を有するため、以下では絶縁部材120、正極集電体140及びスペーサ400の関係についての説明を行い、絶縁部材130、負極集電体150及びスペーサ500の関係についての説明は省略する。
図10は、本発明の実施の形態に係る絶縁部材120と正極集電体140とスペーサ400とが配置された構成を示す斜視図である。
また、図11Aは、本発明の実施の形態に係るスペーサ400の第一突起部412と絶縁部材120の係合部122bと正極集電体140との配置位置を拡大して示す断面図である。具体的には、同図は、図10に示されたスペーサ400の第一突起部412周りの構成をXZ平面に平行な平面で切断した場合の断面を示す拡大断面図である。
また、図11Bは、本発明の実施の形態に係るスペーサ400の第一規制部413と正極集電体140の連結部148との配置位置を拡大して示す断面図である。具体的には、同図は、図10に示されたスペーサ400の第一規制部413の第二突起部413b周りの構成をXZ平面に平行な平面で切断した場合の断面を示す拡大断面図である。
また、図12は、本発明の実施の形態に係る第一電極体161及び第二電極体162と正極集電体140とに、スペーサ400が配置された構成を示す断面図である。具体的には、同図は、図10に示したスペーサ400が第一電極体161及び第二電極体162と正極集電体140とに配置された状態をXY平面に平行な平面で切断した場合の断面を示す断面図である。
まず、図10及び図11Aに示すように、スペーサ400は、絶縁部材120と、着脱可能(分離可能)に係合している。つまり、スペーサ400の第一突起部412は、絶縁部材120の係合部122bと、正極集電体140の端子接続部141との間に着脱可能に配置される。具体的には、第一突起部412は、係合部122b及び端子接続部141と、第一方向に交差する側面(第二方向に平行な側面)同士で着脱可能に当接して、配置されている。
つまり、絶縁部材120の絶縁部材本体部121が端子接続部141の上方に配置される際に、係合部122bと端子接続部141との間に隙間が形成される。そして、第一突起部412が、係合部122bと端子接続部141との間の隙間に挿入されて、係合部122bと端子接続部141とに挟み込まれるように配置される。
これにより、第一突起部412は、絶縁部材120及び正極集電体140と係合することで、第一方向(X軸方向)へのスペーサ400の移動を規制する機能を有するようになる。なお、第一突起部411についても同様に、絶縁部材120の係合部122aと正極集電体140の端子接続部141との間に配置されて、絶縁部材120及び正極集電体140と係合することで、第一方向(X軸方向)へのスペーサ400の移動を規制する。
なお、スペーサ400と絶縁部材120との双方が突起部を有しており、当該突起部同士が係合することで、第一方向へのスペーサ400の移動を規制することとしたが、スペーサ400及び絶縁部材120のいずれか一方のみが他方と係合する突起部を有しており、当該突起部が他方と係合することで、第一方向へのスペーサ400の移動を規制することにしてもよい。つまり、スペーサ400及び絶縁部材120の少なくとも一方は、他方と係合することで、容器100の内方(第一方向)へのスペーサ400の移動を規制する突起部を有している。
また、図10及び図11Bに示すように、スペーサ400の第一規制部413の第一上面部413aは、正極集電体140の連結部148の下方(Z軸方向マイナス側)に配置される。また、第一規制部413の第二突起部413bは、連結部148の側方(X軸方向マイナス側)に配置される。
具体的には、スペーサ本体部410の壁面と第二突起部413bとで正極集電体140の連結部148を挟み込むように、スペーサ400が配置される。つまり、スペーサ本体部410の壁面と第二突起部413bとの間に、連結部148が軽圧入によって挿入される。
これにより、第一規制部413は、正極集電体140の連結部148と係合することで、第一方向(X軸方向)及び第二方向(Z軸方向)への正極集電体140の移動を規制する。具体的には、第一上面部413aが、連結部148と係合することで(または、第二突起部413bの側面が連結部148と係合することで)、第二方向への正極集電体140の移動を規制する。また、第二突起部413bが、の連結部148と係合することで(または、スペーサ本体部410の壁面が連結部148と当接することで)、第一方向への正極集電体140の移動を規制する。
このように、連結部148は、スペーサ400の第一規制部413と当接することで、正極集電体140の移動を規制する。つまり、スペーサ400は、連結部148と当接することで、正極集電体140の第二方向への移動を規制する。
また、図10に示すように、第二規制部414の第二上面部414a及び414bは、正極集電体140の内側電極体接続部144及び145の下方に配置される。つまり、第二上面部414a及び414b上に内側電極体接続部144及び145が載置されるなど、第二上面部414a及び414bの上方に内側電極体接続部144及び145の先端部が配置されるように、スペーサ400が正極集電体140に対して配置される。
これにより、第二規制部414の第二上面部414a及び414bは、正極集電体140の内側電極体接続部144及び145の先端部と係合することで、第二方向(Z軸方向)への正極集電体140の移動を規制する。つまり、第二規制部414は、内側電極体接続部144、145の先端部と当接することで、正極集電体140の第二方向への移動を規制する。
また、第三規制部421及び431の第三上面部421a及び431aは、正極集電体140の外側電極体接続部142及び143の下方に配置される。つまり、第三上面部421a及び431a上に外側電極体接続部142及び143が載置されるなど、第三上面部421a及び431aの上方に外側電極体接続部142及び143の先端部が配置されるように、スペーサ400が正極集電体140に対して配置される。
これにより、第三規制部421、431の第三上面部421a、431aは、正極集電体140の外側電極体接続部142及び143の先端部と係合することで、第二方向(Z軸方向)への正極集電体140の移動を規制する。つまり、第三規制部421、431は、外側電極体接続部142、143の先端部と当接することで、正極集電体140の第二方向への移動を規制する。
以上のように、スペーサ400の第一規制部413、第二規制部414及び第三規制部421、431は、第二方向において正極集電体140の電極体側方(電極体の第一方向、つまりX軸プラス方向側)の一部と当接することで、第二方向へのスペーサ400に対する正極集電体140の移動(または、正極集電体140に対するスペーサ400の移動)を規制する。
また、図12に示すように、規制部側方配置部415は、第二電極体162に向けて突出して形成されており、第二電極体162の端部162a及び162bの間に配置される。具体的には、規制部側方配置部415と第一規制部413との間に端部162aと内側電極体接続部144とが配置され、また、規制部側方配置部415とスペーサ側壁部420との間に端部162bと外側電極体接続部142とが配置される。
また、同様に、規制部側方配置部416は、第一電極体161に向けて突出して形成されており、第一電極体161の端部161a及び161bの間に配置される。具体的には、規制部側方配置部416と第一規制部413との間に端部161bと内側電極体接続部145とが配置され、また、規制部側方配置部416とスペーサ側壁部430との間に端部161aと外側電極体接続部143とが配置される。
これにより、規制部側方配置部415、416は、正極集電体140が接合された第一電極体161及び第二電極体162に対して、スペーサ400を位置決めして配置する。
次に、絶縁部材120及び130と正極集電体140及び負極集電体150とスペーサ400及び500とを配置して、蓄電素子10を製造する製造工程について、詳細に説明する。
図13及び図14は、本発明の実施の形態に係る絶縁部材120及び130と正極集電体140及び負極集電体150とスペーサ400及び500とを配置して、蓄電素子10を製造する製造工程を示す図である。
まず、図13の(a)に示すように、第一電極体161及び第二電極体162に、絶縁部材120及び130と正極集電体140及び負極集電体150とが配置される。具体的には、絶縁部材120及び正極集電体140が、蓋体110を介して、正極端子200にかしめなどによって固定される。また、絶縁部材130及び負極集電体150が、蓋体110を介して、負極端子300にかしめなどによって固定される。そして、正極集電体140及び負極集電体150が、第一電極体161及び第二電極体162に超音波溶接などによって接合される。
そして、図13の(b)に示すように、正極集電体140の側方にスペーサ400が配置され、負極集電体150側方にスペーサ500が配置される。この際、スペーサ400の第一突起部412、第一規制部413、第二規制部414及び第三規制部421、431などの各部は、図10〜図12に示した位置に配置される。
つまり、第一突起部412は、絶縁部材120の係合部122bと正極集電体140の端子接続部141との間の隙間に挿入されて、係合部122bと端子接続部141との間に挟み込まれるように配置される。また、スペーサ本体部410の壁面と第二突起部413bとの間の隙間に正極集電体140の連結部148が挿入されることで、第一規制部413が配置される。また、第二規制部414及び第三規制部421、431は、正極集電体140のそれぞれの電極体接続部の先端部の下方に配置される。スペーサ500についても、同様である。
そして、図14に示すように、絶縁部材120、130、正極集電体140、負極集電体150、スペーサ400、500、第一電極体161、第二電極体162などが、容器100の容器本体111の内方に収容される。そして、容器本体111と蓋体110とが溶接などによって接合され、容器本体111の内部が密封されることで、蓄電素子10が製造される。
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電素子10によれば、1つ以上の電極体(第一電極体161及び第二電極体162)に接続される複数の電極体接続部(外側電極体接続部142、143及び内側電極体接続部144、145)のうちのいずれかの電極体接続部と、正極端子200と電気的に接続される端子接続部141とに接続され、当該電極体接続部と端子接続部141との接続強度を補強する補強部146、147を有する正極集電体140を有している。ここで、正極集電体140に電極体を吊り下げた場合には、振動や衝撃などによって、電極体に接続される電極体接続部と正極端子200に接続される端子接続部141との接続箇所に過大な負荷がかかると、正極集電体140が変形したり、当該接続箇所が損傷したりしてしまう虞がある。しかしながら、蓄電素子10が有する正極集電体140は、補強部146、147によって、電極体接続部と端子接続部141との接続強度が補強されているため、電極体を吊り下げていても、正極集電体140が変形したり、電極体接続部と端子接続部141との接続箇所が損傷したりするのを抑制することができる。このため、蓄電素子10によれば、電極体を正極集電体140から吊り下げる構成において、耐振動性または耐衝撃性を向上させることができる。
また、正極集電体140は、1つの電極体の正極または負極に2つの電極体接続部が接続されているため、1つの電極体を2つの電極体接続部で保持することとなり、1つの電極体を1つの電極体接続部で保持するよりも強度が向上する。このため、蓄電素子10によれば、複数の電極体を正極集電体140から吊り下げる構成において、耐振動性または耐衝撃性を向上させることができる。
また、1つの電極体に接続される2つの電極体接続部は、端子接続部141との接続強度が異なるように形成されている。ここで、当該2つの電極体接続部ともに端子接続部141との接続強度を強くした場合には、電極体と正極集電体140との接合部位に応力がかかり、電極体の箔破れが生じる虞がある。一方、2つの電極体接続部ともに端子接続部141との接続強度を弱くした場合には、正極集電体140が電極体接続部と端子接続部141との接続箇所で曲がってしまう虞がある。このため、2つの電極体接続部のうちの一方の電極体接続部と端子接続部141との接続強度を強く、他方の電極体接続部と端子接続部141との接続強度を弱くすることでバランスがとれ、電極体の箔破れや正極集電体140の変形を抑制することができる。また、外部から強い衝撃がかかった場合には、接続強度の強い側で正極集電体140が変形するのを抑制し、接続強度の弱い側に衝撃の力を逃がすことができる。
また、正極集電体140は、最も外側の電極体接続部と端子接続部141との接続強度が、他の電極体接続部と端子接続部141との接続強度よりも大きくなるように形成されている。このため、最も負荷のかかる外側における当該接続強度を大きくすることで、正極集電体140の強度を向上させることができるため、変形や損傷を抑制し、耐振動性または耐衝撃性を向上させることができる。
また、正極集電体140は、1つの電極体を2つの電極体接続部で保持するとともに、当該2つの電極体接続部のうちの少なくとも1つの電極体接続部に、補強部146、147が接続されている。このため、正極集電体140の強度を向上させることができるため、変形や損傷を抑制することができる。
また、正極集電体140は、複数の電極体接続部のうちの最も外側の電極体接続部に補強部146、147が接続されている。このため、最も負荷のかかる外側に補強部146、147を形成することで、正極集電体140の強度を向上させることができるため、変形や損傷を抑制することができる。また、補強部146、147の加工を外側から行うことができるため、補強部146、147を容易に形成することができる。
また、正極集電体140は、端子接続部141の側面と最も外側の電極体接続部とに補強部146、147が接続されている。このため、電極体接続部を端子接続部141に強固に固定することができるため、変形や損傷を抑制することができる。
また、正極集電体140は、電極体接続部の電極体との接続部分の厚みが薄くなるように形成されているため、電極体に電極体接続部を電極体接続部側から溶接等で接合する場合において、電極体に電極体接続部を容易に接合することができる。
また、正極集電体140において、2つの電極体接続部を連結する連結部148が、2つの電極体の間に配置されている。つまり、異なる2つの電極体に接続される2つの電極体接続部を連結部148で連結する。これにより、当該2つの電極体同士が振動などで揺れる場合にも、当該2つの電極体接続部同士が揺れるのを抑制し、当該2つの電極体接続部の強度を向上させることができるため、正極集電体140が変形したり損傷したりするのを抑制することができる。
また、蓄電素子10は、正極集電体140の一部と当接することで正極集電体140の移動を規制するスペーサ400を備えているため、正極集電体140が振動や衝突時の衝撃などによって揺れるのを、スペーサ400が抑制する。これにより、蓄電素子10によれば、複数の電極体を正極集電体140から吊り下げる構成においても、スペーサ400が正極集電体140の揺れを抑えることができるため、正極集電体140が変形したり損傷したりするのを抑制し、耐振動性または耐衝撃性を向上させることができる。
また、スペーサ400が有する、正極集電体140の移動を規制するための第一規制部413は、電極体に向けて突出して形成されているため、第一規制部413によってスペーサ400の強度を補強することができる。このため、第一規制部413によってスペーサ400の強度を補強しつつ正極集電体140の揺れを抑えることができるため、正極集電体140が変形したり損傷したりするのを抑制することができる。
また、スペーサ400の第一規制部413は、2つの電極体の間に配置されるように構成されているため、第一規制部413を当該2つの電極体の間に配置することで、スペーサ400を電極体に対して位置決めすることができる。
また、スペーサ400は、正極集電体140の隣り合う2つの電極体接続部を連結する連結部148と当接することで、正極集電体140の移動を規制する。このため、スペーサ400と正極集電体140の一部とを簡易に当接させることができるため、簡易な構成で、正極集電体140が変形したり損傷したりするのを抑制することができる。
また、スペーサ400は、正極集電体140の内側電極体接続部144、145と当接することで正極集電体140の移動を規制する第二規制部414を有するため、第二規制部414によってスペーサ400と正極集電体140の一部とを簡易に当接させることができる。このため、簡易な構成で、正極集電体140が変形したり損傷したりするのを抑制することができる。
また、スペーサ400の第二規制部414は、電極体に向けて突出して形成されているため、第二規制部414によってスペーサ400の強度を補強することができる。このため、第二規制部414によってスペーサ400の強度を補強しつつ正極集電体140の揺れを抑えることができるため、正極集電体140が変形したり損傷したりするのを抑制することができる。
また、スペーサ400は、正極集電体140の外側電極体接続部142、143と当接することで正極集電体140の移動を規制する第三規制部421、431を有するため、第三規制部421、431によってスペーサ400と正極集電体140の一部とを簡易に当接させることができる。このため、簡易な構成で、正極集電体140が変形したり損傷したりするのを抑制することができる。
また、蓄電素子10において、正極集電体140の側方に配置されたスペーサ400と容器100に固定された固定部材との少なくとも一方は、他方と係合することで、容器100に対する第一方向へのスペーサ400の移動を規制する突起部(第一突起部411、412及び係合部122a、122b)を有している。このため、当該突起部によって、容器100に対する第一方向へのスペーサ400の移動が規制されるため、スペーサ400の側方に配置された正極集電体140が振動や衝突時の衝撃などによって第一方向へ揺れるのを、スペーサ400が抑制することができる。これにより、蓄電素子10によれば、複数の電極体を正極集電体140から吊り下げる構成においても、スペーサ400が正極集電体140の揺れを抑えることができるため、正極集電体140が変形したり損傷したりするのを抑制し、耐振動性または耐衝撃性を向上させることができる。
また、容器100に固定された固定部材として、正極集電体140と容器100とを絶縁する絶縁部材120を用いることができるため、簡易な構成で、容器100に対するスペーサ400の移動を規制することができる。
また、スペーサ400と絶縁部材120とが着脱可能に構成されているため、簡易な構成で、スペーサ400を絶縁部材120に配置することができる。
また、スペーサ400の第一突起部411、412と絶縁部材120の係合部122a、122bとが係合することでスペーサ400の第一方向への移動を規制するため、簡易な構成で、容器100に対するスペーサ400の移動を規制することができる。
また、スペーサ400の第一突起部411、412を、絶縁部材120の係合部122a、122bと正極集電体140との間に着脱可能に配置する構成とすることで、簡易な構成で、容器100に対するスペーサ400の移動をさらに規制することができる。
また、スペーサ400は、正極集電体140の側方の第二突起部413bによって、第一方向への正極集電体140の移動を規制することができるため、簡易な構成で、スペーサ400に対する正極集電体140の移動を規制することができる。
なお、絶縁部材120、正極集電体140及びスペーサ400と、絶縁部材130、負極集電体150及びスペーサ500とは、同様の構成を有するため、絶縁部材130、負極集電体150及びスペーサ500についても、上記の絶縁部材120、正極集電体140及びスペーサ400についての効果と同様の効果を奏する。
(変形例1)
次に、上記実施の形態の変形例1について、説明する。
図15は、本発明の実施の形態の変形例1に係る正極集電体170を正面(X軸方向マイナス側)から見た場合の正面図である。
同図に示すように、正極集電体170は、端子接続部171、外側電極体接続部172、173と、内側電極体接続部174、175と、補強部176、177と、連結部178とを有している。ここで、端子接続部171、補強部176、177及び連結部178は、上記実施の形態の正極集電体140における端子接続部141、補強部146、147及び連結部148と同様の構成を有するため、説明は省略する。
外側電極体接続部172及び173は、先端が外方に向けて曲がった先端部172a及び173aを有している。つまり、外側電極体接続部172は、先端がY軸方向プラス側に向けて曲がった先端部172aを有し、外側電極体接続部173は、先端がY軸方向マイナス側に向けて曲がった先端部173aを有している。
具体的には、外側電極体接続部172及び173は、先端部172a及び173aが、スペーサ400の第三規制部421及び431の第三上面部421a及び431aに向けて曲がるように形成されている。これにより、先端部172a及び173aが第三規制部421、431と当接することで、正極集電体140の第二方向(Z軸方向)への移動を規制する。
また、内側電極体接続部174及び175は、先端が内方に向けて曲がった先端部174a及び175aを有している。つまり、内側電極体接続部174は、先端がY軸方向マイナス側に向けて曲がった先端部174aを有し、内側電極体接続部175は、先端がY軸方向プラス側に向けて曲がった先端部175aを有している。
具体的には、内側電極体接続部174及び175は、先端部174a及び175aが、スペーサ400の第二規制部414の第二上面部414a及び414bに向けて曲がるように形成されている。これにより、先端部174a及び175aが第二規制部414の第二上面部414a及び414bと当接することで、正極集電体170の第二方向(Z軸方向)への移動を規制する。
以上のように、本発明の実施の形態の変形例1に係る蓄電素子によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏する。特に、外側電極体接続部172及び173が第三上面部421a及び431aの真上に配置されない場合でも、外側電極体接続部172及び173の先端部172a及び173aを第三上面部421a及び431aの真上に配置させることができる。また、内側電極体接続部174及び175が第二上面部414a及び414bの真上に配置されない場合でも、内側電極体接続部174及び175の先端部174a及び175aを第二上面部414a及び414bの真上に配置させることができる。
このため、正極集電体170の外側電極体接続部172、173は、第三規制部421、431に向けて曲がるように形成された先端部172a、173aで第三規制部421、431と当接することで、簡易にスペーサ400に当接することができる。このため、簡易な構成で、正極集電体170が変形したり損傷したりするのを抑制し、耐振動性または耐衝撃性を向上させることができる。
また、正極集電体170の内側電極体接続部174、175は、第二規制部414に向けて曲がるように形成された先端部174a、175aで第二規制部414と当接することで、簡易にスペーサ400に当接することができる。このため、簡易な構成で、正極集電体170が変形したり損傷したりするのを抑制し、耐振動性または耐衝撃性を向上させることができる。
また、負極集電体150についても、同様の構成にすることができる。
(変形例2)
次に、上記実施の形態の変形例2について、説明する。
図16は、本発明の実施の形態の変形例2に係る正極集電体180の構成を示す斜視図である。また、図17は、本発明の実施の形態の変形例2に係る正極集電体180を正面(X軸方向マイナス側)から見た場合の正面図である。また、図18は、本発明の実施の形態の変形例2に係る正極集電体180が第一電極体161及び第二電極体162に接続されている構成を示す断面図である。
これらの図に示すように、正極集電体180は、端子接続部181、外側電極体接続部182、183と、内側電極体接続部184、185と、補強部186、187と、連結部188とを有している。ここで、端子接続部181、補強部186、187及び連結部188は、上記実施の形態の正極集電体140における端子接続部141、補強部146、147及び連結部148と同様の構成を有するため、説明は省略する。
外側電極体接続部182と内側電極体接続部184とは、端子接続部181側とは反対側の方が間隔が狭くなるように形成されている。つまり、外側電極体接続部182と内側電極体接続部184との間隔は、端子接続部181側の間隔D5よりも、端子接続部181側とは反対側の間隔D6の方が狭くなるように形成されている。
また、同様に、外側電極体接続部183と内側電極体接続部185とは、端子接続部181側とは反対側の方が間隔が狭くなるように形成されている。つまり、外側電極体接続部183と内側電極体接続部185との間隔は、端子接続部181側の間隔よりも、端子接続部181側とは反対側の間隔の方が狭くなるように形成されている。
このように、1つの電極体に接続される2つの電極体接続部は、端子接続部181側とは反対側の方が間隔が狭くなるように形成されている。つまり、当該2つの電極体接続部は、正極端子200側よりも電極体側の方が間隔が狭くなるように形成されている。
以上のように、本発明の実施の形態の変形例2に係る蓄電素子によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏する。負極集電体150についても、同様の構成にすることができる。
特に、正極集電体180は、1つの電極体に接続される2つの電極体接続部が、端子接続部181側とは反対側(電極体との接続部分)の方が間隔が狭くなるように形成されている。ここで、当該2つの電極体接続部のそれぞれは、電極体の金属箔が積層された中心位置で接合されるのが好ましいが、当該2つの電極体接続部の間隔が2つの金属箔の積層中心の間隔よりも広い場合がある。この場合には、当該2つの電極体接続部の間隔が狭くなるように形成することで、図18に示すように、当該2つの電極体接続部のそれぞれを、電極体の金属箔が積層された中心位置で接合されることができる。つまり、電極体の金属箔を束ねた場合に、端部162b、161aをY軸方向の中心位置に配置して、外側電極体接続部182、183と接合させることができる。これにより、正極集電体180を電極体に適切に接続することができる。
また、外側電極体接続部182及び183の間隔を狭くすることができるため、第一電極体161及び第二電極体162のY軸方向への広がりを抑制し、第一電極体161及び第二電極体162を、容器100の容器本体111に容易に挿入することができる。
なお、本変形例2においては、電極体接続部の厚みは変化しないように図示しているが、上記実施の形態と同様に、複数の電極体接続部のうちの少なくとも1つの電極体接続部が、電極体との接続部分において、厚みが薄くなるように形成されている構成であってもかまわない。
(変形例3)
次に、上記実施の形態の変形例3について、説明する。
図19は、本発明の実施の形態の変形例3に係る正極集電体190を正面(X軸方向マイナス側)から見た場合の正面図である。
同図に示すように、正極集電体190は、端子接続部191、外側電極体接続部192、193と、内側電極体接続部194、195と、補強部196、197と、連結部198とを有している。ここで、端子接続部191、補強部196、197及び連結部198は、上記実施の形態の正極集電体140における端子接続部141、補強部146、147及び連結部148と同様の構成を有するため、説明は省略する。
ここで、外側電極体接続部192と内側電極体接続部194とは、間隔が同じになるように形成されており、外側電極体接続部193と内側電極体接続部195とも、間隔が同じになるように形成されている。また、内側電極体接続部194と内側電極体接続部195とは、端子接続部191側とは反対側の方が間隔が狭くなるように形成されている。つまり、内側電極体接続部194と内側電極体接続部195との間隔は、端子接続部191側の間隔D7よりも、端子接続部191側とは反対側の間隔D8の方が狭くなるように形成されている。
以上のように、本発明の実施の形態の変形例3に係る蓄電素子によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏する。特に、2つの内側電極体接続部同士の間隔を狭くした場合に、正極集電体190を電極体に適切に接続することができる場合に、有効である。なお、本変形例3においても、複数の電極体接続部のうちの少なくとも1つの電極体接続部が、電極体との接続部分において、厚みが薄くなるように形成されている構成であってもかまわない。負極集電体150についても、同様の構成にすることができる。
(変形例4)
次に、上記実施の形態の変形例4について、説明する。
図20は、本発明の実施の形態の変形例4に係る正極集電体240の構成を示す斜視図である。
同図に示すように、正極集電体240は、端子接続部241、外側電極体接続部242、243と、内側電極体接続部244、245と、補強部246、247と、連結部248とを有している。ここで、端子接続部241、外側電極体接続部242、243、内側電極体接続部244、245、及び補強部246、247は、上記実施の形態の正極集電体140における端子接続部141、外側電極体接続部142、143、内側電極体接続部144、145、及び補強部146、147と同様の構成を有するため、説明は省略する。
連結部248は、ビード部249を有している。具体的には、ビード部249は、連結部248の強度を高めるために、連結部248に形成された補強部である。つまり、補強部246、247が配置されている外側電極体接続部242、243に比べ、内側電極体接続部244、245の方が端子接続部241との接続強度が低くなるため、内側と外側との接続強度の差が大きい場合には、例えば、ビード部249を設けることで、接続強度の差を調整することができる。
このように、連結部248は、内側電極体接続部244、245と端子接続部241とに接続され、内側電極体接続部244、245と端子接続部241との接続強度を補強する補強部としての役割を担う。
ここで、ビード部249は、連結部248の中央部分において上下方向(Z軸方向)に延び、かつ、正極集電体240の内側(X軸方向マイナス側)に突出するように形成されている。つまり、ビード部249は、連結部248の外側(X軸方向プラス側)の面は凹形状を有し、連結部248の内側(X軸方向マイナス側)の面は凸形状を有するビードによって形成されている。
なお、ビード部249は、連結部248の外側(X軸方向プラス側)の面が凸形状を有し、連結部248の内側(X軸方向マイナス側)の面が凹形状を有するビードによって形成されている構成でもかまわない。また、ビード部249は、一方の面が凸形状を有するのみであり、他方の面は凹形状を有することなく平面形状である構成でもかまわない。
以上のように、本発明の実施の形態の変形例4に係る蓄電素子によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏する。特に、連結部248がビード部249を有しているため、正極集電体240の強度を向上させることができ、耐振動性または耐衝撃性を向上させることができる。負極集電体150についても、同様の構成にすることができる。
以上、本発明の実施の形態及びその変形例に係る蓄電素子について説明したが、本発明は、上記実施の形態及びその変形例に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態及びその変形例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記実施の形態及びその変形例では、補強部は、1つの電極体に接続される2つの電極体接続部のうちの一方の電極体接続部に接続されていることとしたが、2つの電極体接続部の双方に接続される2つの補強部が配置されていることにしてもよい。つまり、内側電極体接続部と端子接続部とに接続された補強部も配置されていることにしてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例では、補強部は、外側電極体接続部に接続されていることとしたが、外側電極体接続部に代えて、内側電極体接続部に接続されていることにしてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例では、補強部は、端子接続部の側面と外側電極体接続部とに接続されていることとしたが、例えば端子接続部の裏面と外側電極体接続部とに接続されていることにしてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例では、集電体の連結部は、隣り合う2つの電極体の間に配置されることとしたが、連結部の位置は、電極体の側方などでもよく、2つの電極体の間に配置されることには限定されない。
また、上記実施の形態及びその変形例では、スペーサの第一規制部は、隣り合う2つの電極体の間に配置されることとしたが、第一規制部の位置は、電極体の側方などでもよく、2つの電極体の間に配置されることには限定されない。
また、上記実施の形態及びその変形例では、集電体と電極端子とは接続部によるかしめによって接続されていることとしたが、接続部による接続方法はかしめには限定されず、どのような方法によって接続されていてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例では、蓄電素子は2つの電極体を備えていることとしたが、蓄電素子は1つの電極体しか備えていないことにしてもよいし、3つ以上の電極体を備えていることにしてもよい。つまり、蓄電素子は、1つ以上の電極体を備えていればよく、集電体が有する複数の電極体接続部は、当該1つ以上の電極体に接続されていればよい。
また、上記実施の形態及びその変形例では、集電体の2つの電極体接続部が1つの電極体に接続されることとしたが、1つの電極体に接続される電極体接続部の数は限定されず、1つであってもよいし、3つ以上であってもかまわない。
また、上記実施の形態及びその変形例では、第二方向はZ軸方向であることとしたが、第二方向は第一方向(X軸方向)と交差する方向であればよい。つまり、第二方向はY軸方向であってもよいし、その他のX軸方向と交差する方向であってもかまわない。
また、上記実施の形態及びその変形例では、負極集電体は、正極集電体と同様の構成を有していることとしたが、上記の構成を有するのは正極集電体のみであってもよい。または、負極集電体のみが上記の構成を有することにしてもかまわない。
また、上記実施の形態及びその変形例では、容器に固定された固定部材は、集電体と容器とを絶縁する絶縁部材であることとしたが、固定部材は、容器に固定された部材であればよく、当該絶縁部材には限定されない。
また、上記実施の形態及び上記変形例を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上記変形例2または3に、変形例1に係る変形を施したり、上記変形例1〜3に、変形例4に係る変形を施したりしてもかまわない。また、本発明は、上記のような蓄電素子として実現することができるだけでなく、蓄電素子が備える集電体、スペーサまたは絶縁部材としても実現することができる。