JP6950406B2 - 蓄電素子 - Google Patents

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Description

本発明は、電極体と集電体とを備える蓄電素子に関する。
従来、電極体と集電体とを備え、電極体に集電体が接続された構成の蓄電素子が広く知られている。例えば、特許文献1には、正極(正極板)及び負極(負極板)が積層された電極群(電極体)と正極リード(正極集電体)と負極リード(負極集電体)とを備え、電極群の正極側の端部に積層された正極に正極リードが接続され、電極群の負極側の端部に積層された負極に負極リードが接続された構成の電池(蓄電素子)が開示されている。
特開2017−117739号公報
ここで、上記従来の蓄電素子のように、電極体の端部に集電体を接続する場合、当該端部(活物質層非形成部)の長さを短くしてエネルギー密度を向上させるために、当該端部の中心位置に極板を集めて集電体を接続するのが好ましい。しかしながら、本願発明者は、電極体の正極板と負極板とは一般的に厚みや枚数が異なるため、正極側及び負極側の双方とも電極体の端部の中心位置に極板を集めて集電体を接続するのは困難である点に着目した。このため、電極体の正極板と負極板とが厚みや枚数が異なる場合でも、電極体の正極側及び負極側の端部の中心位置に極板を集めて集電体を接続することで、エネルギー密度の向上を図ることが望まれる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、エネルギー密度の向上を図ることができる蓄電素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電素子は、1以上の電極体と、前記1以上の電極体に接続される正極集電体及び負極集電体とを備える蓄電素子であって、前記正極集電体は、前記1以上の電極体の2つの正極側端部に接続される2つの正極側接続部と、前記2つの正極側接続部を繋ぎ、かつ、前記2つの正極側接続部の前記2つの正極側端部との接続部分に沿って配置される正極側繋ぎ部と、を有し、前記負極集電体は、前記1以上の電極体の2つの負極側端部に接続される2つの負極側接続部と、前記2つの負極側接続部を繋ぎ、かつ、前記2つの負極側接続部の前記2つの負極側端部との接続部分に沿って配置される負極側繋ぎ部と、を有し、前記2つの正極側接続部の並び方向における前記正極側繋ぎ部の幅は、前記2つの負極側接続部の並び方向における前記負極側繋ぎ部の幅と異なる。
これによれば、蓄電素子において、正極集電体は、電極体の正極側端部に接続される2つの正極側接続部同士を繋ぐ正極側繋ぎ部を有し、負極集電体は、電極体の負極側端部に接続される2つの負極側接続部同士を繋ぐ負極側繋ぎ部を有し、正極側繋ぎ部の幅は、負極側繋ぎ部の幅と異なる。このように、正極側繋ぎ部の幅と負極側繋ぎ部の幅とを異ならせることで、正極集電体の2つの正極側接続部間の距離と、負極集電体の2つの負極側接続部間の距離とを、精度良く異ならせることができる。このため、電極体の正極板と負極板とが厚みや枚数が異なる場合でも、正極側及び負極側の双方とも電極体の端部の中心位置に極板を集めることができるように、正極集電体及び負極集電体を形成することができる。これにより、電極体の正極側及び負極側の端部の中心位置に極板を集めて集電体を接続することができるため、当該端部(活物質層非形成部)の長さを短くすることができ、エネルギー密度の向上を図ることができる。
また、前記1以上の電極体は、正極板と負極板とが積層された2つの電極体を有し、前記2つの電極体は、前記正極板の端部が1つに束ねられた前記正極側端部と、前記負極板の端部が1つに束ねられた前記負極側端部とをそれぞれ有し、前記2つの正極側接続部は、前記2つの電極体の正極側端部にそれぞれ接続され、前記2つの負極側接続部は、前記2つの電極体の負極側端部にそれぞれ接続されることにしてもよい。
これによれば、蓄電素子は、1つの正極側端部と1つの負極側端部とをそれぞれ有する2つの電極体を有し、正極集電体の2つの正極側接続部は、2つの電極体の正極側端部にそれぞれ接続され、負極集電体の2つの負極側接続部は、2つの電極体の負極側端部にそれぞれ接続される。ここで、電極体の端部を1つに束ねると、正極側端部と負極側端部との厚みの差が顕著になる。つまり、電極体の正極板の端部を1つに束ねて1つの正極側端部を形成し、負極板の端部を1つに束ねて1つの負極側端部を形成すると、正極板と負極板との厚みの差が累積されるため、正極側端部と負極側端部との厚みの差が顕著になる。このため、2つの正極側接続部間及び2つの負極側接続部間の距離の差が顕著になるため、正極側繋ぎ部の幅と負極側繋ぎ部の幅とを異ならせることに対する効果は大きい。
なお、本発明は、このような蓄電素子として実現することができるだけでなく、当該蓄電素子が備える正極集電体及び負極集電体としても実現することができる。
本発明における蓄電素子によれば、エネルギー密度の向上を図ることができる。
実施の形態に係る蓄電素子の構成を、容器本体を分離して示す斜視図である。 実施の形態に係る蓄電素子の容器本体内方に配置されている構成を、スペーサを分離して示す斜視図である。 実施の形態に係る蓄電素子の容器内方に配置されている各構成要素を分解して示す斜視図である。 実施の形態に係る正極集電体の構成を示す斜視図である。 実施の形態に係るスペーサの構成を示す斜視図である。 実施の形態に係る電極体、正極集電体及びスペーサの配置位置を示す断面図である。 実施の形態に係る電極体、正極集電体及びスペーサの配置位置を示す断面図である。 実施の形態に係る正極集電体及び負極集電体の寸法の違いを強調して示す断面図である。 実施の形態の変形例に係る正極集電体及び負極集電体の寸法の違いを強調して示す断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態(及びその変形例)に係る蓄電素子について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程、製造工程の順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。
また、以下実施の形態での説明及び図面中において、蓄電素子が有する一対の電極端子の並び方向、一対の集電体の並び方向、一対のスペーサの並び方向、電極体の両端部(一対の活物質層非形成部)の並び方向、電極体の巻回軸方向、または、容器の短側面の対向方向をX軸方向と定義する。また、複数の電極体の並び方向、1つの集電体における電極体との接続部の並び方向、容器の長側面の対向方向、容器の短側面の短手方向、または、容器の厚さ方向をY軸方向と定義する。また、蓄電素子の容器本体と蓋との並び方向、容器の短側面の長手方向、集電体の電極体との接続部の延設方向、または、上下方向をZ軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。なお、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。また、以下の説明において、例えば、X軸方向プラス側とは、X軸の矢印方向側を示し、X軸方向マイナス側とは、X軸方向プラス側とは反対側を示す。Y軸方向やZ軸方向についても同様である。
(実施の形態)
[1 蓄電素子10の全般的な説明]
まず、図1〜図3を用いて、本実施の形態における蓄電素子10の全般的な説明を行う。図1は、本実施の形態に係る蓄電素子10の構成を、容器本体110を分離して示す斜視図である。また、図2は、本実施の形態に係る蓄電素子10の容器本体110内方に配置されている構成を、スペーサ500及び600を分離して示す斜視図である。つまり、同図は、電極体400に正極集電体700及び負極集電体800を接続した後の状態を示している。また、図3は、本実施の形態に係る蓄電素子10の容器100内方に配置されている各構成要素を分解して示す斜視図である。つまり、同図は、電極体400に正極集電体700及び負極集電体800を接続する前の状態を示している。
蓄電素子10は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池であり、具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。蓄電素子10は、例えば、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)またはプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)等の自動車用電源や、電子機器用電源、電力貯蔵用電源などに使用される。なお、蓄電素子10は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。また、蓄電素子10は、二次電池ではなく、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。また、本実施の形態では、直方体形状(角型)の蓄電素子10を図示しているが、蓄電素子10の形状は、特に限定されず、円柱形状や長円柱形状等であってもよいし、ラミネート型の蓄電素子とすることもできる。
図1に示すように、蓄電素子10は、容器本体110及び蓋体120を有する容器100と、正極端子200と、正極ガスケット210と、負極端子300と、負極ガスケット310と、電極体400と、スペーサ500及び600とを備えている。また、図2及び図3に示すように、蓄電素子10は、さらに、正極集電体700と、負極集電体800と、クリップ900とを備えている。
なお、容器100の内部には、電解液(非水電解質)が封入されているが、図示は省略する。なお、当該電解液としては、蓄電素子10の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく、様々なものを選択することができる。また、上記の構成要素の他、容器100内の圧力が上昇したときに当該圧力を開放するためのガス排出弁、容器100内に電解液を注入するための注液部、または、電極体400等を包み込む絶縁フィルムなどが配置されていてもよい。
[1.1 容器100、正極端子200及び負極端子300の説明]
容器100は、矩形筒状で底を備える容器本体110と、容器本体110の開口を閉塞する板状部材である蓋体120とで構成された直方体形状(箱型)のケースである。具体的には、蓋体120は、X軸方向に延設された平板状かつ矩形状の壁部であり、容器本体110のZ軸方向プラス側に配置されている。容器本体110は、Z軸方向マイナス側に平板状かつ矩形状の底壁部、Y軸方向両側の側面に平板状かつ矩形状の長側壁部、及び、X軸方向両側の側面に平板状かつ矩形状の短側壁部の5つの壁部を有している。
また、容器100は、電極体400、スペーサ500、600、正極集電体700及び負極集電体800等を容器本体110の内方に収容後、容器本体110と蓋体120とが溶接等されることにより、内部を密封することができるものとなっている。なお、容器本体110及び蓋体120の材質は特に限定されず、例えばステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、メッキ鋼板など溶接可能な金属とすることができるが、樹脂を用いることもできる。
正極端子200は、電極体400の正極板に電気的に接続された電極端子であり、負極端子300は、電極体400の負極板に電気的に接続された電極端子である。つまり、正極端子200及び負極端子300は、電極体400に蓄えられている電気を蓄電素子10の外部空間に導出し、また、電極体400に電気を蓄えるために蓄電素子10の内部空間に電気を導入するための金属製の電極端子である。また、正極端子200及び負極端子300は、電極体400の上方に配置された蓋体120に取り付けられている。
具体的には、正極端子200は、突出部201(図7参照)が蓋体120の貫通孔と正極ガスケット210の貫通孔と正極集電体700の貫通孔711とに挿入されて、かしめられることにより、正極ガスケット210及び正極集電体700とともに蓋体120に固定されている。また、負極端子300についても同様に、負極ガスケット310及び負極集電体800とともに蓋体120に固定されている。このように、正極端子200及び負極端子300は、正極集電体700及び負極集電体800のZ軸方向プラス側に配置されている。
正極ガスケット210は、蓋体120と正極端子200及び正極集電体700との間に配置された、絶縁性の封止部材である。正極ガスケット210は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、または、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等の樹脂などによって形成されている。なお、負極ガスケット310についても、正極ガスケット210と同様の構成を有するため、詳細な説明は省略する。
[1.2 電極体400の説明]
電極体400は、正極板と負極板とセパレータとを備え、電気を蓄えることができる蓄電要素(発電要素)である。正極板は、アルミニウムやアルミニウム合金などからなる長尺帯状の集電箔である正極基材層上に正極活物質層が形成された極板である。負極板は、銅や銅合金などからなる長尺帯状の集電箔である負極基材層上に負極活物質層が形成された極板である。なお、上記集電箔として、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、チタン、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス、Al−Cd合金など、適宜公知の材料を用いることもできる。また、正極活物質層及び負極活物質層に用いられる正極活物質及び負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な活物質であれば、適宜公知の材料を使用できる。また、セパレータは、例えば樹脂からなる微多孔性のシートや、不織布を用いることができる。
そして、電極体400は、正極板と負極板との間にセパレータが配置され巻回されて(積層されて)形成されている。具体的には、電極体400は、正極板と負極板とが、セパレータを介して、巻回軸(本実施の形態ではX軸方向に平行な仮想軸)の方向に互いにずらして巻回されている。そして、正極板及び負極板は、それぞれのずらされた方向の端部に、活物質が塗工されず(活物質層が形成されず)基材層が露出した部分(活物質層非形成部)を有している。
ここで、電極体400は、1以上の電極体から構成されていればよいが、本実施の形態では、複数の電極体から構成されていることとする。具体的には、電極体400は、別体の第一電極体410及び第二電極体420の2つの電極体を有していることとする。
つまり、第一電極体410は、巻回軸方向の一端部(X軸方向プラス側の端部)に、正極板の端部の活物質層非形成部が積層されて1つに束ねられた第一正極側端部412を有している。また、第一電極体410は、巻回軸方向の他端部(X軸方向マイナス側の端部)に、負極板の端部の活物質層非形成部が積層されて1つに束ねられた第一負極側端部413を有している。例えば、正極板及び負極板の活物質層非形成部(集電箔)の厚みは、5μm〜20μm程度であり、これらが例えば50〜70枚ほど束ねられることで、第一正極側端部412及び第一負極側端部413が形成されている。なお、第一電極体410のうちの、第一正極側端部412及び第一負極側端部413以外の部分を、第一電極体本体部411と称する。つまり、第一電極体本体部411は、第一電極体410のうちの、基材層に活物質層が形成された部分である。また同様に、第二電極体420は、活物質層が形成された第二電極体本体部421と、正極板の端部の活物質層非形成部が1つに束ねられた第二正極側端部422と、負極板の端部の活物質層非形成部が1つに束ねられた第二負極側端部423とを有している。
なお、本実施の形態では、電極体400(第一電極体410及び第二電極体420)の断面形状として長円形状を図示しているが、楕円形状、円形状、多角形状などでもよい。また、電極体400(第一電極体410及び第二電極体420)の形状は巻回型に限らず、平板状極板を積層した積層型(スタック型)であってもよいし、極板を蛇腹状に折り畳んだ形状(つづら折り形状)であってもよい。
[1.3 正極集電体700及び負極集電体800の説明]
正極集電体700は、電極体400の側方であるX軸方向プラス側に配置される正極側の集電体である。具体的には、正極集電体700は、電極体400の正極側端部と容器本体110の短側壁部との間に配置され、正極端子200と電極体400の正極側端部とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。また同様に、負極集電体800は、電極体400の側方であるX軸方向マイナス側に配置される負極側の集電体である。つまり、負極集電体800は、電極体400の負極側端部と容器本体110の短側壁部との間に配置され、負極端子300と電極体400の負極側端部とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。
具体的には、正極集電体700は、第一電極体410の第一正極側端部412及び第二電極体420の第二正極側端部422に固定的に接続(接合)されている。さらに具体的には、第一正極側端部412及び第二正極側端部422を、正極集電体700と2つのクリップ900とで挟み込んで、溶接等で接合する。クリップ900は、板状の金属部材である。なお、正極集電体700と第一正極側端部412及び第二正極側端部422との接合方法は、レーザ溶接、超音波溶接、抵抗溶接等どのような溶接であってもよく、また、溶接以外の、例えばかしめ等の機械的な接合等であってもよい。
また同様に、負極集電体800は、第一電極体410の第一負極側端部413及び第二電極体420の第二負極側端部423に固定的に接続(接合)されている。つまり、第一負極側端部413及び第二負極側端部423を、負極集電体800と2つのクリップ900とで挟み込んで、溶接等で接合する。
また、正極集電体700及び負極集電体800は、蓋体120に固定的に接続(接合)されている。この構成により、第一電極体410及び第二電極体420が、正極集電体700及び負極集電体800によって蓋体120から吊り下げられた状態で保持(支持)され、外部からの振動や衝撃等による揺れが抑制される。
なお、正極集電体700の材質は限定されないが、例えば、電極体400の正極基材層と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金などで形成されている。また、負極集電体800についても、材質は限定されないが、例えば、電極体400の負極基材層と同様、銅または銅合金などで形成されている。なお、正極集電体700及び負極集電体800の構成の詳細な説明については、後述する。
ここで、正極集電体700等の正極側の部材の位置関係を説明する場合には、X軸方向プラス側に向いた方向を第一方向とも呼ぶこととする。例えば、正極集電体700は、電極体400の第一方向側に配置されていると言える。なお、負極集電体800等の負極側の部材は、正極側の部材とX軸方向において反対の向きに配置されるため、負極側の部材の位置関係に適用する場合には、X軸方向マイナス側に向いた方向が第一方向となる。例えば、負極集電体800も、正極集電体700と同様に、電極体400の第一方向側に配置されていると言える。また、第一方向と交差する方向(本実施の形態では、Z軸方向プラス側に向いた方向)を第二方向とも呼ぶこととする。例えば、正極端子200及び負極端子300は、正極集電体700及び負極集電体800の第二方向側に配置されていると言える。
[1.4 スペーサ500及び600の説明]
スペーサ500は、正極集電体700の側方であるX軸方向プラス側(第一方向側)に配置されるスペーサであり、正極集電体700と容器本体110の短側壁部との間において、当該短側壁部に沿ってZ軸方向(第二方向)に延びるように配置されている。スペーサ600は、負極集電体800の側方であるX軸方向マイナス側に配置されるスペーサであり、負極集電体800と容器本体110の短側壁部との間において、当該短側壁部に沿ってZ軸方向に延びるように配置されている。つまり、スペーサ500とスペーサ600とは、電極体400をX軸方向の両端から挟み込むように、電極体400の両端部と容器100の両側壁との間に配置されている。
ここで、スペーサ500及び600は、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、セラミック、およびそれらの複合材料などの絶縁性の材料で形成されている。つまり、スペーサ500及び600は、電極体400、正極集電体700及び負極集電体800と容器100とを絶縁する。また、スペーサ500及び600は、電極体400、正極集電体700及び負極集電体800と容器100との間のスペースを埋めることにより、電極体400、正極集電体700及び負極集電体800が容器100に対して振動しないように支持する。このスペーサ500及び600の構成の詳細な説明については、後述する。
[2 正極集電体700の詳細な説明]
次に、正極集電体700の構成について、詳細に説明する。なお、以下では正極集電体700の構成の説明を行うが、負極集電体800の構成についても、正極集電体700の構成と同様である。図4は、本実施の形態に係る正極集電体700の構成を示す斜視図である。具体的には、図4の(a)は、図3に示した正極集電体700を拡大して示す斜視図であり、図4の(b)は、図4の(a)の正極集電体700を反対側(奥側)から見た場合の斜視図である。
図4に示すように、正極集電体700は、端子接続部710と、第一電極体接続部720及び第二電極体接続部730と、正極側繋ぎ部740と、中間部750と、延設部760とを備えている。
端子接続部710は、正極端子200に接続される正極集電体700の基部である。つまり、端子接続部710は、正極集電体700の正極端子200側(上側、Z軸方向プラス側)に配置される矩形状かつ平板状の部位であり、正極端子200に電気的及び機械的に接続(接合)される。なお、端子接続部710には、上述の正極端子200の突出部201が挿入される円形状の貫通孔711と、正極ガスケット210の突起211(図7参照)が挿入される回り止め用の貫通孔712と、補強用のビード部713とが形成されている。
第一電極体接続部720及び第二電極体接続部730は、電極体400に接続される部位である。つまり、第一電極体接続部720及び第二電極体接続部730は、正極集電体700の電極体400側(下側、Z軸方向マイナス側)に配置される部位であり、電極体400に電気的及び機械的に接続(接合)される。具体的には、第一電極体接続部720は、Z軸方向(第二方向)に延びる長尺状かつ平板状の部位であり、第一電極体410側(Y軸方向マイナス側)に配置されて、第一電極体410の第一正極側端部412に接続される。また、第二電極体接続部730は、Z軸方向(第二方向)に延びる長尺状かつ平板状の部位であり、第二電極体420側(Y軸方向プラス側)に配置されて、第二電極体420の第二正極側端部422に接続される。
さらに具体的には、第一電極体接続部720は、第一正極側端部412に、Z軸方向に沿って接合されており、第一電極体接続部720と第一正極側端部412との接続部分(接合部分)は、Z軸方向に延びる長尺な形状となっている。第二電極体接続部730と第二正極側端部422との接続部分(接合部分)についても同様である。なお、第一電極体接続部720及び第二電極体接続部730は、2つの正極側接続部の一例である。
正極側繋ぎ部740は、第一電極体接続部720及び第二電極体接続部730を繋ぎ、かつ、第一電極体接続部720及び第二電極体接続部730の第一正極側端部412及び第二正極側端部422との接続部分に沿って配置される部位である。具体的には、正極側繋ぎ部740は、第一電極体接続部720の電極体400側(X軸方向マイナス側、または、第一方向とは反対側)の端縁、及び、第二電極体接続部730の電極体400側の端縁を繋ぐ部位である。つまり、正極側繋ぎ部740は、正極集電体700が有する電極体400に接続される2つの正極側接続部の電極体400側の端縁同士を繋ぐ、Z軸方向に延びる長尺状かつ平板状の壁部である。これにより、正極側繋ぎ部740は、X軸方向(第一方向)において、電極体400に対向する位置に配置される。なお、正極側繋ぎ部740には、電解液の注液性を確保する等のために、貫通孔が形成されていてもよい。
中間部750は、正極側繋ぎ部740と端子接続部710との間であって、正極側繋ぎ部740よりも外側(X軸方向プラス側、または、第一方向側)に配置される部位である。ここで、中間部750は、第一中間部751と、第二中間部752とを有している。
第一中間部751は、正極側繋ぎ部740の上端部(Z軸方向プラス側の端部)からX軸方向プラス側に延設される矩形状かつ平板状の部位である。つまり、第一中間部751は、第一電極体接続部720及び第二電極体接続部730よりもZ軸方向プラス側(第二方向側)に配置されるXY平面に平行な壁部である。また、第二中間部752は、端子接続部710のX軸方向プラス側の端部から下方(Z軸方向マイナス側)に延設される矩形状かつ平板状の部位である。つまり、第二中間部752は、X軸方向(第一方向)において、電極体400の端部に対向する位置に、当該端部に沿って配置されるYZ平面に平行な壁部である。
延設部760は、正極側繋ぎ部740から、第一電極体接続部720及び第二電極体接続部730よりも、端子接続部710とは反対側(Z軸方向マイナス側)に延設される部位である。具体的には、延設部760は、正極側繋ぎ部740よりも、第一電極体接続部720側かつ第二電極体接続部730側である外側(X軸方向プラス側、または、第一方向側)に配置され、かつ、正極側繋ぎ部740よりもZ軸方向マイナス側(第二方向とは反対側)に配置されている。ここで、延設部760は、第一延設部761と、第二延設部762とを有している。
第一延設部761は、正極側繋ぎ部740の下端部(Z軸方向マイナス側の端部)からX軸方向プラス側に延設される矩形状かつ平板状の部位である。つまり、第一延設部761は、第一電極体接続部720及び第二電極体接続部730よりもZ軸方向マイナス側(第二方向とは反対側)に配置されるXY平面に平行な壁部である。また、第二延設部762は、第一延設部761のX軸方向プラス側の端部から下方(Z軸方向マイナス側)に延設される矩形状かつ平板状の部位である。つまり、第二延設部762は、X軸方向(第一方向)において、電極体400の端部に対向する位置に、当該端部に沿って配置されるYZ平面に平行な壁部である。このように、第一延設部761及び第二延設部762は、Z軸方向(第二方向)において、第一中間部751及び第二中間部752とで、第一電極体接続部720及び第二電極体接続部730を挟む位置に配置されている。
このような構成により、正極集電体700には、正極側繋ぎ部740を底部とする凹部である集電体凹部741が形成されている。つまり、集電体凹部741は、電極体400との2つの接続部である第一電極体接続部720及び第二電極体接続部730と、正極側繋ぎ部740と、第一中間部751と、第一延設部761とで形成されるX軸方向マイナス側に凹んだ凹部である。
[3 スペーサ500の詳細な説明]
次に、スペーサ500の構成について、詳細に説明する。なお、以下ではスペーサ500の構成の説明を行うが、スペーサ600の構成についても、スペーサ500の構成と同様である。図5は、本実施の形態に係るスペーサ500の構成を示す斜視図である。具体的には、図5の(a)は、図2、3に示したスペーサ500を拡大して示す斜視図であり、図5の(b)は、図5の(a)のスペーサ500を反対側(奥側)から見た場合の斜視図である。
図5に示すように、スペーサ500は、スペーサ本体部510と、スペーサ側壁部520及び530とを備えている。スペーサ本体部510は、スペーサ500の本体部を構成するZ軸方向に延びるYZ平面に平行な板状の部位であり、X軸方向マイナス側に突出する複数の突出部が形成されている。また、スペーサ側壁部520及び530は、スペーサ500の側壁部を構成するZ軸方向に延びるXZ平面に平行な板状の部位であり、Y軸方向の内側に突出する突出部が形成されている。
具体的には、スペーサ本体部510は、スペーサ第一凸部511と、スペーサ第二凸部512とを有している。スペーサ第一凸部511は、X軸方向マイナス側(第一方向とは反対側)に突出し、かつ、Z軸方向に延びる略直方体形状の突出部(凸部)である。また、スペーサ第一凸部511の裏側(X軸方向プラス側)には、X軸方向マイナス側に向けて凹んだスペーサ第一凹部511aが形成されている。スペーサ第二凸部512は、X軸方向マイナス側に突出し、かつ、Y軸方向に延びる突出部(凸部)であり、スペーサ第二凸部512の裏側(X軸方向プラス側)には、X軸方向マイナス側に向けて凹んだスペーサ第二凹部512aが形成されている。
ここで、スペーサ第二凸部512は、スペーサ第一凸部511側(Z軸方向プラス側)の中央部分が凹んだコ字(U字)形状を有している。これにより、スペーサ第一凸部511とスペーサ第二凸部512との間には、スペーサ第一凸部511とスペーサ第二凸部512の凹んだ部分とで囲まれた、Y軸方向に延びる矩形状のスペーサ凹部513が形成されている。なお、スペーサ第一凸部511は、正極集電体700の集電体凹部741内に突出して配置され、スペーサ凹部513内には、正極集電体700の延設部760が配置されるが、これらの構成の詳細な説明については、後述する。
また、スペーサ側壁部520は、スペーサ第三凸部521を有し、スペーサ側壁部530は、スペーサ第四凸部531を有している。スペーサ第三凸部521は、Y軸方向プラス側に突出し、かつ、Z軸方向に延びる略直方体形状の突出部(凸部)である。また、スペーサ第三凸部521の裏側(Y軸方向マイナス側)には、Y軸方向プラス側に向けて凹んだスペーサ第三凹部521aが形成されている。スペーサ第四凸部531は、Y軸方向マイナス側に突出し、かつ、Z軸方向に延びる略直方体形状の突出部(凸部)である。また、スペーサ第四凸部531の裏側(Y軸方向プラス側)には、Y軸方向マイナス側に向けて凹んだスペーサ第四凹部531aが形成されている。
[4 電極体400、正極集電体700及びスペーサ500の配置位置の説明]
次に、電極体400、正極集電体700及びスペーサ500の配置位置について、詳細に説明する。以下では正極側(電極体400、正極集電体700及びスペーサ500)の配置位置の説明を行うが、負極側(電極体400、負極集電体800及びスペーサ600)の配置位置についても、正極側の配置位置と同様である。図6及び図7は、本実施の形態に係る電極体400、正極集電体700及びスペーサ500の配置位置を示す断面図である。具体的には、図6は、図1に示した構成をVI−VI断面(XY平面に平行な面)で切断した場合の正極側の構成を示す断面図である。また、図7は、図1に示した構成をVII−VII断面(XZ平面に平行な面)で切断した場合の正極側の構成を示す断面図である。
図6に示すように、正極集電体700において、第一電極体接続部720は、第一電極体410の第一正極側端部412のY軸方向プラス側の面に当接した状態で、第一正極側端部412に接合されている。具体的には、第一電極体接続部720は、クリップ900とで第一正極側端部412を挟んだ状態で、第一正極側端部412に接合されている。また、第二電極体接続部730は、第二電極体420の第二正極側端部422のY軸方向マイナス側の面に当接した状態で、第二正極側端部422に接合されている。具体的には、第二電極体接続部730は、クリップ900とで第二正極側端部422を挟んだ状態で、第二正極側端部422に接合されている。この構成により、正極側繋ぎ部740は、第一電極体410と第二電極体420との間、つまり、第一電極体410の第一正極側端部412と第二電極体420の第二正極側端部422との間に配置される。
また、スペーサ第一凸部511は、X軸方向(第一方向)において、正極側繋ぎ部740に向けて突出し、集電体凹部741内に配置される。つまり、スペーサ第一凸部511は、第一電極体接続部720と第二電極体接続部730との間、かつ、第一電極体接続部720及び第二電極体接続部730に対向する位置に配置される。この構成により、スペーサ第一凸部511は、第一電極体410と第二電極体420との間、つまり、第一電極体410の第一正極側端部412と第二電極体420の第二正極側端部422との間(2つの電極体400のの端部の間)に配置される。
また、スペーサ第三凸部521及びスペーサ第四凸部531は、容器100と電極体400の端部との間に配置され、電極体400の端部に向けて突出して配置される。また、スペーサ第三凸部521及びスペーサ第四凸部531は、電極体400の端部に対して正極集電体700と反対側に配置され、かつ、電極体400の端部とは反対側に凹部を有する。具体的には、スペーサ第三凸部521は、容器本体110のY軸方向マイナス側の長側壁部と第一電極体410の第一正極側端部412との間に配置され、第一正極側端部412に向けてY軸方向プラス側に突出して配置されている。また、スペーサ第三凸部521は、第一正極側端部412に対して第一電極体接続部720と反対側に配置され、かつ、第一正極側端部412とは反対側にスペーサ第三凹部521aを有している。スペーサ第四凸部531についても同様である。
さらに、スペーサ第三凸部521及びスペーサ第四凸部531は、第一電極体本体部411及び第二電極体本体部421のX軸方向プラス側の端縁に沿って、突出して配置されている。このため、電極体400(第一電極体410及び第二電極体420)が移動するのを抑制することができ、また、これにより、正極集電体700が移動するのを抑制することもできる。
また、図7に示すように、正極集電体700において、第一中間部751は、スペーサ第一凸部511のZ軸方向プラス側(第二方向側)に、スペーサ第一凸部511に対向して配置されている。また、第一延設部761は、スペーサ第一凸部511のZ軸方向マイナス側(第二方向側とは反対側)に、スペーサ第一凸部511に対向して配置されている。つまり、スペーサ第一凸部511は、第一中間部751と第一延設部761との間に配置されている。具体的には、スペーサ第一凸部511は、正極側繋ぎ部740と第一中間部751と第一延設部761とで形成された集電体凹部741内に配置されている。
また、第二正極側端部422は、上部に第二正極側上端部422a、下部に第二正極側下端部422bを有しており(図3参照)、第二電極体接続部730は、第二正極側上端部422aと第二正極側下端部422bとの間の部位(第二正極側端部422のZ軸方向中央部分)に接合されている。第一正極側端部412についても同様に、第二電極体接続部720が、第一正極側上端部412a(図3参照)と第一正極側下端部412b(図3参照)との間の部位に接合されている。
また、第二中間部752は、X軸方向(第一方向)において、第一正極側端部412及び第二正極側端部422に対向する位置に、第一正極側端部412及び第二正極側端部422に沿って配置されている。具体的には、第二中間部752は、X軸方向において、第一正極側上端部412a及び第二正極側上端部422aに対向する位置に、第一正極側上端部412a及び第二正極側上端部422aに沿って配置されている。
第二延設部762及びスペーサ第二凸部512についても同様に、X軸方向(第一方向)において、第一正極側端部412及び第二正極側端部422に対向する位置に、第一正極側端部412及び第二正極側端部422に沿って配置されている。具体的には、第二延設部762及びスペーサ第二凸部512は、X軸方向において、第一正極側下端部412b及び第二正極側下端部422bに対向する位置に、第一正極側下端部412b及び第二正極側下端部422bに沿って配置されている。
このように、第二延設部762及びスペーサ第二凸部512は、Z軸方向(第二方向)において、第二中間部752とで、第一電極体接続部720及び第二電極体接続部730を挟む位置に配置されている。具体的には、スペーサ第二凸部512は、第一電極体接続部720及び第二電極体接続部730よりもZ軸方向マイナス側(第二方向とは反対側)、かつ、第一延設部761及び第二延設部762よりもZ軸方向マイナス側に配置されている。
また、延設部760に対向するスペーサ凹部513内に第二延設部762が配置されることで、第二中間部752の内側(X軸方向マイナス側、第一方向とは反対側)の面と、第二延設部762及びスペーサ第二凸部512の内側の面とは、同一平面上(図7の平面P1上)に配置されている。また、第二中間部752の外側(X軸方向プラス側、第一方向側)の面と、第二延設部762の外側の面とは、同一平面上(図7の平面P2上)に配置されている。これにより、第二中間部752及び第二延設部762は、スペーサ本体部510の同一平面上の内面に当接して配置される。なお、同一平面上に配置とは、完全に同一な平面上に配置されることには限定されず、加工上の誤差や、材質に最適な板厚を選定すること等による多少のずれは許容される。
[5 正極集電体700及び負極集電体800の寸法の違いの説明]
次に、正極集電体700及び負極集電体800の寸法の違いについて、説明する。図8は、本実施の形態に係る正極集電体700及び負極集電体800の寸法の違いを強調して示す断面図である。具体的には、同図は、図6に示した電極体400及び正極集電体700に、負極集電体800も加えた構成を示す断面図であり、正極集電体700及び負極集電体800のY軸方向の寸法の違いを強調して示している。
図8に示すように、負極集電体800は、正極集電体700と同様に、第一電極体接続部820及び第二電極体接続部830と、負極側繋ぎ部840とを有している。第一電極体接続部820及び第二電極体接続部830は、第一電極体410の第一負極側端部413及び第二電極体420の第二負極側端部423の2つの負極側端部に接続される2つの負極側接続部である。負極側繋ぎ部840は、当該2つの負極側接続部を繋ぎ、かつ、2つの負極側接続部の2つの負極側端部との接続部分に沿って配置される部位である。具体的には、負極側繋ぎ部840は、第一電極体接続部820の電極体400側(X軸方向プラス側)の端縁、及び、第二電極体接続部830の電極体400側の端縁を繋ぐ部位である。
ここで、電極体400において、正極板の正極基材層(活物質層非形成部)と負極板の負極基材層(活物質層非形成部)とは厚みが異なるため、当該正極基材層が積層された第一正極側端部412と、当該負極基材層が積層された第一負極側端部413とは、厚みが異なる。つまり、第一正極側端部412の厚み(同図の厚みA1)は、正極基材層の厚み×正極基材層の積層枚数であり、第一負極側端部413の厚み(同図の厚みB1)は、負極基材層の厚み×負極基材層の積層枚数である。また、正極基材層の積層枚数と負極基材層の積層枚数とは、ほぼ同じ数である。このため、正極基材層と負極基材層とが厚みが異なると、第一正極側端部412と第一負極側端部413とは、厚みが異なることとなる。
例えば、正極基材層が負極基材層よりも5μm程度厚い場合には、第一正極側端部412は、第一負極側端部413よりも250〜350μm程度厚くなる(つまり、厚みA1−厚みB1=約250〜350μmとなる)。なお、図8では、厚みの違いが分かりやすいように、厚みA1及び厚みB1の厚さを、実際よりも厚く強調して図示している。第二正極側端部422の厚み(同図の厚みA2)と第二負極側端部423の厚み(同図の厚みB2)との関係についても、同様である。
また、第一正極側端部412及び第一負極側端部413は、活物質層非形成部の長さを短くするために、Y軸方向の中心位置が、第一電極体410の中心線上に配置されるのが好ましい。なお、第一電極体410の中心線とは、第一電極体本体部411のY軸方向の中心位置を結ぶX軸方向に平行な中心線(同図の中心線L1)であり、上述の第一電極体410の巻回軸を含む概念である。また、第二正極側端部422及び第二負極側端部423についても同様に、Y軸方向の中心位置が第二電極体420の中心線L2上に配置されるのが好ましい。
このような構成により、正極集電体700の第一電極体接続部720と負極集電体800の第一電極体接続部820とは、第一電極体410の中心線L1からの距離が異なる位置に配置されることとなる。具体的には、第一電極体接続部720の方が第一電極体接続部820よりも、中心線L1からの距離が大きい。つまり、第一電極体接続部720及び第一電極体接続部820のうち、厚みが厚い極板と同一極性(正極)の電極体接続部の方が、他の極性(負極)の電極体接続部よりも中心線L1との距離が大きい。正極集電体700の第二電極体接続部730と負極集電体800の第二電極体接続部830との中心線L2からの距離についても、同様である。
これにより、正極集電体700の第一電極体接続部720と第二電極体接続部730との間の距離は、負極集電体800の第一電極体接続部820と第二電極体接続部830との間の距離と異なることとなる。つまり、第一電極体接続部720と第二電極体接続部730との並び方向(Y軸方向)における正極側繋ぎ部740の幅は、第一電極体接続部820と第二電極体接続部830との並び方向(Y軸方向)における負極側繋ぎ部840の幅と異なることとなる。具体的には、正極側繋ぎ部740の幅(同図の幅A3)は、負極側繋ぎ部840の幅(同図の幅B3)よりも小さくなる。言い換えれば、正極側繋ぎ部740及び負極側繋ぎ部840のうち、厚みが厚い極板と同一極性(正極)の繋ぎ部の方が、他の極性(負極)の繋ぎ部よりもY軸方向における幅が小さいこととなる。上述の例では、幅A3は幅B3よりも250〜350μm程度小さくなる。
なお、正極集電体700をアルミニウムで形成し、負極集電体800を銅で形成した場合、銅の方がアルミニウムよりも導電性が高いため、一般的に、負極集電体800の方が正極集電体700よりも板厚を薄く形成できる。これにより、負極集電体800の2つの電極体接続部(2つの負極側接続部)を、正極集電体700の2つの電極体接続部(2つの正極側接続部)よりも板厚を薄く形成した場合、2つの正極側接続部の間の距離は、2つの負極側接続部の間の距離よりも、さらに小さくなる。
また、正極集電体700は、負極集電体800よりもY軸方向の長さが短く形成されているため、スペーサ500についても、スペーサ600よりもY軸方向の長さが短く形成されていることにしてもよい。例えば、スペーサ500は、スペーサ600よりも、スペーサ第一凸部やスペーサ凹部のY軸方向の幅が小さく形成されていることにしてもよい。また、例えば図8において、A1+A2+A3がB1+B2+B3よりも長いため、スペーサ500は、スペーサ600よりも、スペーサ第三凸部やスペーサ第四凸部のY軸方向の突出高さが低く形成されていることにしてもよい。
[6 効果の説明]
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電素子10によれば、正極集電体700は、電極体400の2つの正極側端部に接続される2つの正極側接続部同士を繋ぐ正極側繋ぎ部740を有し、負極集電体800は、電極体400の負極側端部に接続される2つの負極側接続部同士を繋ぐ負極側繋ぎ部840を有し、正極側繋ぎ部740の幅は、負極側繋ぎ部840の幅と異なる。このように、正極側繋ぎ部740の幅と負極側繋ぎ部840の幅とを異ならせることで、正極集電体700の2つの正極側接続部間の距離と、負極集電体800の2つの負極側接続部間の距離とを、精度良く異ならせることができる。このため、電極体400の正極板と負極板とが厚みや枚数が異なる場合でも、正極側及び負極側の双方とも電極体400の端部の中心位置に極板を集めることができるように、正極集電体700及び負極集電体800を形成することができる。これにより、電極体400の正極側及び負極側の端部の中心位置に極板を集めて正極集電体700及び負極集電体800を接続することができるため、当該端部(活物質層非形成部)の長さを短くすることができ、エネルギー密度の向上を図ることができる。また、正極側繋ぎ部740と負極側繋ぎ部840とを設けることで、正極集電体700及び負極集電体800の強度を確保することができるため、外部からの振動や衝撃等によっても、2つの正極側接続部間及び2つの負極側接続部間の距離を一定に保つことができる。
また、2つの正極側接続部の電極体400側の端縁同士を正極側繋ぎ部740で繋ぐことで、当該2つの正極側接続部の端縁が電極体400に食い込んで電極体400を損傷させるようなことを抑制することができる。また、電極体400の正極側端部から内部へ金属粉末等のコンタミ(コンタミネーション)が侵入するのを抑制することもできる。さらに、正極側接続部を正極側端部に接合する際に、外側から接合作業を行うことができるため、接合作業を容易に行うこともできる。負極側についても、同様である。
また、蓄電素子10は、1つの正極側端部と1つの負極側端部とをそれぞれ有する2つの電極体400を有し、正極集電体700の2つの正極側接続部は、当該2つの電極体400の正極側端部にそれぞれ接続され、負極集電体800の2つの負極側接続部は、当該2つの電極体400の負極側端部にそれぞれ接続される。ここで、電極体400の端部を1つに束ねると、正極側端部と負極側端部との厚みの差が顕著になる。つまり、電極体400の正極板の端部を1つに束ねて1つの正極側端部を形成し、負極板の端部を1つに束ねて1つの負極側端部を形成すると、正極板と負極板との厚みの差が累積されるため、正極側端部と負極側端部との厚みの差が顕著になる。このため、2つの正極側接続部間及び2つの負極側接続部間の距離の差が顕著になるため、正極側繋ぎ部740の幅と負極側繋ぎ部840の幅とを異ならせることに対する効果は大きい。
[7 変形例の説明]
(変形例)
次に、上記実施の形態の変形例について、説明する。図9は、本実施の形態の変形例に係る正極集電体700a及び負極集電体800aの寸法の違いを強調して示す断面図である。なお、同図は、図8に対応する図である。
図9に示すように、本変形例における正極集電体700a及び負極集電体800aは、上記実施の形態における正極集電体700及び負極集電体800が備える正極側繋ぎ部740及び負極側繋ぎ部840に代えて、正極側繋ぎ部740a及び負極側繋ぎ部840aを備えている。正極側繋ぎ部740aは、上記実施の形態における正極側繋ぎ部740とは異なり、2つの正極側接続部(第一電極体接続部720及び第二電極体接続部730)の電極体400とは反対側(X軸方向プラス側、または、第一方向側)の端縁同士を繋いでいる。負極側繋ぎ部840aについても同様である。なお、本変形例における他の構成については、上記実施の形態と同様の構成を有するため、説明は省略する。
このような構成により、正極集電体700aの2つの正極側接続部の間の距離は、負極集電体800aの2つの負極側接続部の間の距離よりも大きくなり、正極側繋ぎ部740aの幅(同図の幅A4)は、負極側繋ぎ部840aの幅(同図の幅B4)よりも大きくなる。言い換えれば、正極側繋ぎ部740a及び負極側繋ぎ部840aのうち、厚みが厚い極板と同一極性(正極)の繋ぎ部の方が、他の極性(負極)の繋ぎ部よりもY軸方向における幅が大きくなる。上述の例では、幅A4は幅B4よりも250〜350μm程度大きくなる。
以上のように、本変形例に係る蓄電素子によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。なお、正極側繋ぎ部740aの位置は上記には限定されず、正極側繋ぎ部740aは、2つの正極側接続部のX軸方向における中央位置同士を繋ぐなど、どの位置を繋いでいてもよい。負極側繋ぎ部840aについても同様である。
(その他の変形例)
以上、本発明の実施の形態及びその変形例に係る蓄電素子について説明したが、本発明は、この実施の形態及びその変形例に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態及びその変形例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記実施の形態及びその変形例では、電極体400は、別体の第一電極体410及び第二電極体420を有し、正極集電体の第一電極体接続部720は、第一電極体410に接続され、第二電極体接続部730は、第二電極体420に接続されることとした。しかし、電極体400は、1つの電極体から構成され、第一電極体接続部720は、当該1つの電極体の端部の一部に接続され、第二電極体接続部730は、当該1つの電極体の端部の他の一部に接続されることにしてもよい。負極側についても同様である。
また、上記実施の形態及びその変形例では、正極集電体は、クリップ900とで電極体400の端部を挟んだ状態で、電極体400の端部に接合されることとした。しかし、クリップ900が配置されることなく、正極集電体が電極体400の端部に接合されることにしてもよい。負極側についても同様である。
また、上記実施の形態及びその変形例では、正極集電体の側方にスペーサ500が配置されていることとした。しかし、正極集電体の側方にはスペーサ500が設けられていないことにしてもよい。負極側についても同様である。
また、上記実施の形態及びその変形例では、正極集電体及び負極集電体の双方が、上記の構成を有していることとしたが、正極集電体または負極集電体が上記の構成を有していないことにしてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例に含まれる構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
また、本発明は、このような蓄電素子として実現することができるだけでなく、当該蓄電素子が備える正極集電体及び負極集電体としても実現することができる。
本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子等に適用できる。
10 蓄電素子
400 電極体
410 第一電極体
412 第一正極側端部
413 第一負極側端部
420 第二電極体
422 第二正極側端部
423 第二負極側端部
700、700a 正極集電体
720 第一電極体接続部
730 第二電極体接続部
740、740a 正極側繋ぎ部
800、800a 負極集電体
820 第一電極体接続部
830 第二電極体接続部
840、840a 負極側繋ぎ部

Claims (2)

  1. 1以上の電極体と、前記1以上の電極体に接続される正極集電体及び負極集電体とを備える蓄電素子であって、
    前記正極集電体は、
    前記1以上の電極体の2つの正極側端部に接続される2つの正極側接続部と、
    前記2つの正極側接続部を繋ぎ、かつ、前記2つの正極側接続部の前記2つの正極側端部との接続部分に沿って配置される正極側繋ぎ部と、を有し、
    前記負極集電体は、
    前記1以上の電極体の2つの負極側端部に接続される2つの負極側接続部と、
    前記2つの負極側接続部を繋ぎ、かつ、前記2つの負極側接続部の前記2つの負極側端部との接続部分に沿って配置される負極側繋ぎ部と、を有し、
    前記2つの正極側接続部の並び方向における前記正極側繋ぎ部の幅は、前記2つの負極側接続部の並び方向における前記負極側繋ぎ部の幅と異なる
    蓄電素子。
  2. 前記1以上の電極体は、正極板と負極板とが積層された2つの電極体を有し、
    前記2つの電極体は、前記正極板の端部が1つに束ねられた前記正極側端部と、前記負極板の端部が1つに束ねられた前記負極側端部とをそれぞれ有し、
    前記2つの正極側接続部は、前記2つの電極体の正極側端部にそれぞれ接続され、
    前記2つの負極側接続部は、前記2つの電極体の負極側端部にそれぞれ接続される
    請求項1に記載の蓄電素子。
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